Slave鉱山に物資を届ける隊商の商人達を束ねるコーフは、妙な胸騒ぎを覚えていた。
最近、このHartner Duchyでは立て続けに色々な事が起きている。
まずNiarkiの町ではDungeonが出現し、monstersのrunawayが起きて大騒ぎになった。
そのmonstersのrunawayと『Heinz Skeleton洞』と名付けられたDungeonはAClass adventurer party【Five-colored blades】によって解決した。Dungeonは探索の結果、三十階層のCClass Dungeonである事が発表され、これから定期的にmonstersを間引けばmonstersが出て来る事も無いだろうと言われている。
何でもUndeadと毒を持つ蟲型と植物型のmonstersが多く、階層の多くは洞窟か沼地、密林で構成されているらしい。
runawayの時は全てのmonstersがRank以上に強かったが、今のmonstersは通常通りの強さらしい。
ただ【Blue-flame Sword】のHeinzがDungeonに入った時だけは、彼に対してmonstersが殺到する事態に成るそうだ。
これまで近くに中小規模のDevil Nestsが幾つかと、DClass DungeonしかなかったNiarkiの町、特にAdventurer’s Guildにはchanceと言う訳だ。出て来るmonstersが特殊だから、一般受けはしないだろうが。
隊商の商人たちはmonstersの毒から珍しい薬が作れないかとか、そんな事を期待していた。Demon KingのRemnantsがHeroの【Five-colored blades】を、特にleaderのHeinzを殺すためにDungeonを出現させたのだと言う与太話はどうでもよかった。精々、雑談の種になるかと思った程度だ。
次に、Hartner Duchyの都、Ninelandの城が傾いた。財政危機を表す比喩表現では無く、物理的に傾いているらしい。商人達は直接見ていないので信じ難かったが、大きく壊れたのは確かだろう。何でも北で暴れていた無法者が関わっているらしいが、詳細はまだ伝わって来ていない。
どちらにしても、辺境で細々と商売をする自分達には直接の関係は無い事だろうと思っていた。城の建て直しのために税金が上がったら嫌だなと考えるぐらいで。
しかし Niarkiの町を出てcultivation villageに一泊し、それから更に南のSlave鉱山に向かっているとそうではない事が解って来た。
「親方……やっぱり、何度数えても山が一つ足りません」
「そうか、お前にもそう見えるか」
cultivation villageを出て一日、二日と過ぎる度に目的地であるSlave鉱山に近づき、並び立つ岩山が見えて来るのだが……何度も見たその景色が変わっていた。
岩山が一つ減っている。
「どう言う事だ? 大きな地震でもあったのか?」
「山が崩れるほど大きな地震が起きたら、Niarkiの町だって無事じゃすまない。cultivation villageの奴等も知っているはずだ。First、それなら他の山だって崩れるだろ」
「じゃあ、坑道が崩落してそのまま山が崩れたとでも言うのか?」
「これはきっと恐ろしいmonstersが出たに違いないっ、きっと城を傾けた悪魔がやったんだ!」
「それはデマだって言っただろ、落ち着けっ!」
「狼狽えるんじゃない! 慌てればその分損をすると、日頃から言っているだろう!」
隊商の長たるコーフは、部下の商人達を叱責する。しかし、非常事態である事は彼自身も解っていた。
だが、ここで町に引き返す訳にもいかない。
「全員Weapon Equipmentを手元に。護衛の皆-sanはいつでも戦えるようにしてください」
「このまま進むんですか!?」
「当たり前だっ、何が起きているのか分からないまま逃げてどうする。我々は商人だぞ!」
非常事態なのは確かだが、目に見える脅威も危険も今はまだ無い。火山噴火や恐ろしいmonstersの咆哮も聞こえていないのだ。
この状況でコーフ達が引き返したら、それは契約違反となってしまう。彼らの馬車にはSlave鉱山に納める食料品や生活必需品、嗜好品が乗っているのだ。
もしSlave鉱山で何かの災害が起きていて生き残りがrescueを待っていたら、コーフ達が現地を確かめずに逃げ帰ると全滅してしまうかもしれない。すると、罰金を請求されるどころか最悪コーフの首が物理的に飛ぶ。そうでなくても、「何かが起きているようなので、ただ怖くて引き返しました」と言うcoward者に、辺境で隊商を組む資格は無い。
なので、コーフ達はSlave鉱山で何が起きているか確かめなければならないのだ。
このworldでは商人も銭勘定だけでは生き残れない。信用の為には命を張る事も必要なのだ。
そして三日目、近づいてくるSlave鉱山の城壁は門を中心に大きく崩れ破壊されていた。だが、凶暴なmonstersのsignや占拠している武装集団の見張りは無い。
これならいきなり全滅するような事は無いだろう。そう思いつつも、警戒しながら近付くと……コーフ達は恐ろしい物を見てしまった。
「が、Skeleton! Soldierが……いや、Slaveも全てSkeletonになっている!」
カシャリカショリと動く度に音をたて、笑い声の代わりにカタカタとchinを鳴らす白いboneだけのmonsters。
Soldierの鎧やWeapon Equipmentで武装したSkeletonに、鶴嘴やスcupを片手に下げ服の代わりのボロ布をbody partに引っかけたままの二meterを超えるGiant raceのSkeleton……それらの数は数百を超えているようにコーフ達には見えた。
「逃げろっ、町に逃げるんだっ、この事を町に知らせなければ!」
既に生き残りは居ないだろう、居たとしても自分達の手には余ると判断したコーフ達はすぐに逃げ出しNiarkiの町にSlave鉱山が消え、SoldierやSlaveはSkeletonと化していると報せを持ち帰った。
Hartner Duchyを揺るがす三つ目の大事件は、こうして広まったのだった。
【Five-colored blades】のmemberの一人、Edgarが『Dark nightのfangs』の幹部がUndeadにすり替わっている事に気がつき、彼らの活躍でVampire Zombieも退治された。その後、Hartner Duke 家とAlda templeの連名で出された指名依頼によってNinelandに向かった頃、Vandalieu達はTalosheimに帰りつき、一息ついていた。
『Mikoよっ、Oracleの成就おめでとうございます! つきましては新しいMikoの像の建立の許可を!』
『陛下、新たな国民を迎えた今こそ独自通貨を導入する機会です!』
「Vandalieu、通信機でも言ったが新しいDungeonが出来たぞ。いつ攻略する?」
【Vida's Miko】のsecondary nameを獲得したVandalieuを現人神のように崇拝するNuazaと、数百人規模で一度に国民が増えた事でハッスルしているChezare、そして新しいAdventureにSuper ExcitingしているVigaro。
彼等三人は城でVandalieuにそう口々に進言するのだが、Vandalieuはそれに応えるどころではなかった。
「このすべすべひんやりとした撫で心地、随分久しぶりに感じるな」
「全くですわ~。ところであなた方、ちょっと遠慮してくださらない? そうでないとあなた方と抱き合っているように感じてしまうのですけど」
「そう思うのじゃったら少しは肉を減らせ。二の腕以外もblubberを減ら-sanとな、坊や?」
「うわぁ、Kingのtongueってこんなに伸びるんだ~! 見てMamaっ、ミミズみたい!」
「本当、Vahbiの背よりも伸びるのね。King、口の中ではどうなってるの?」
「キチキチキチ……」
「あれ? これtongueじゃなくてcentipede -san?」
『う゛ぁ゛ぁぁ?』
「いや、あんたのtongueは伸びないから。……伸びないわよね?」
何故ならfemale陣が殺到していたから。
Nuaza達は、約一月ぶりに再会したVandalieuとskinshipを取るfemale陣の間から見える手足やtongueしか見えなかった。
『話には聞いていたけど、本当におモテに成るのね』
「そうよ、Vandalieu -samaだもの」
『ふふふ、驚きましたか』
『ねぇ、何でEleonoraとRitaは自慢げなの? 普通もうちょっと違うんじゃないの?』
あらまぁと驚くPrincess Leviaに、何故か自慢げなEleonoraとRita。そして自分も似たような事をしただけに、Basdia達を諌められないSalire。
因みに、BorkusはGopher達に町を案内していて、Samは何故か空を飛ぶ練習をしに行ってしまった。Vandalieuが怪鳥formに成って空を飛べるようになった事に触発されたようだが、馬車は練習すると空を飛べるようになるのだろうか?
「そろそろ落ち着きませんかー? 後これ以上tongueは伸びないので引っ張らないでー」
Vandalieuは、暖かくて柔らかくいい匂いがする人肌に挟まれたまま言った。
「皆ここまで積極的じゃなかったでしょうに。それに数日程度なら会えない期間も今まであったでしょう?」
修行でDungeonを攻略している間など、攻略member以外と会えない期間が何度もあった。しかし、その時は帰って来た後これ程熱烈に抱きしめられていない。
「そうは言うがの、坊や。ここしばらく大変じゃったのじゃぞ。Borkus達Undead Giantが一度に半分以上Talosheimから抜けたのは、まあ別に良いが」
「ああ、Vanが城壁をしっかり作っているし、普段からDungeonも攻略して周りのDevil Nestsでも狩りをしているから、monstersの間引きは十分だったからな。だが――」
「新しい住人や帰って来た人達を迎えるための準備がすごく大変でしたのよ。特に、私達以外のGhoulに結婚制度を教えて、理解させるのが」
「ええ、本当に。あたしやTareaの元Human組で一日中講義してたのよ。反発は無かったけど、解ってもらうのにひたすら時間がかかったの」
Gopher達新しい住人をTalosheimに迎える際、最も予想されたtroubleがGhoul達との性関係だ。Ghoulにはoriginally結婚文化がほぼ無いので、childが居ようが配偶者が居ようが声をかけてしまいtroubleに成る可能性があった。
最近ではVandalieuが配ったmagic itemの効果でchildの出生率が劇的に改善され、日々の生活もstabilityしたため、Ghoul達のnightは昔ほど盛んではなくなってきているし、自然と手当たり次第に相手を探すような事はしない-samaになった。別にGhoulにも好みが無い訳では無いので。
それに前々からVandalieuやNuaza達が「外のworldでは、他raceの社会では男女はこんな感じです」と説明してきた。そのため、Ghoul達も結婚について「childを産み育てる間、特定の相手と特に密接に協力しているcondition」だと認識するようになった。
でも「今相手いないし、ちょっとどう?」的な軽さで声をかける事がまだある。childが出来たら「分かった、childが大人になるまで手伝うよ」となるので、完全に無責任と言う訳ではないが……寿命が長いrace同士なら。
しっかりとした結婚観を持った相手だと、最悪痴情の縺れで刃傷沙汰にdevelopmentしかねない。
だからGhoulのElderであるZadirisや、その娘で将来のVandalieuの相手であるBasdia、そしてHuman社会で生活していた元HumanのTareaやKatia達がその辺りもしっかり教育したと言う訳だ。
因みに、Lambdaでの結婚制度はEarth程しっかりしておらず、庶民は書類等を役所に届けたりしない。結婚しましたと両親や親類縁者やご近所-sanや仕事先に挨拶して終わりである。
書類に残すのは家系図を残すRoyal Nobilityくらいだ。
ただ新生Talosheimでは全ての人が書類に残す事になるが。
「皆ご苦労-samaです、お蔭で助かりました。Chezare、戸籍の方はどうですか?」
『書類は既に用意してあります。後は記入して貰えば完了です』
TalosheimではVandalieuの意向により戸籍制度が導入されていた。食料の配給制度を運用するのに、戸籍があった方が便利だと言う理由で。
今ではChezare達が管理している。……彼はcivil officialでは無くGeneralなのだが。もしかして本人も忘れてはいないだろうか?
「じゃあ、Dungeonの方はどうなってます?」
「とりあえず-sama子を見て周りを見張っているだけだが、monstersは出て来ていない。攻略はこれからだ」
「ありがとうございます。maybeそのDungeon、俺が作っちゃったやつなので普通のDungeonと違うかもしれないでしょうし」
TalosheimのImmortal Entの森に出現した新Dungeonは、timingを考えれば明らかに【Labyrinth Creation】skillのimpactを受けていた。
しかし、それでも普通なら驚くべき事なのだろうが……。
「やっぱりか。だと思ったぞ」
『でしょうな』
『国民全員、そうだと考えていました』
誰も驚かなかった。
「……皆のreactionが薄い」
「Vanがあの森でManaを大量に垂れ流していた事はみんな知っているからな。その内Dungeonでも生えるんじゃないかと、皆話していたぞ」
「普通、人為的に創れるものではないのじゃが、坊やのManaは億単位じゃからな。普通の枠に入らん」
「ああ、素晴らしいですわ。敵対的な国にDungeonを大量に作ってmonstersのrunawayを頻発させれば、戦わずして勝利できると言う訳ですわね!」
「ちょっと、出て来たmonstersがUndeadや蟲以外だったら、あたし達も滅亡するじゃない!」
「Dungeonの中の地形を自由に出来るなら、ちょっと『海』を見てみたいなーって思うんだけど、出来る?」
とりあえず、Dungeonが作れる事に関しては受け入れられているらしい。ちょっとTareaが危険思想だが、Katiaが窘めているし。
因みにVahbiやJadal、Pauvinaはウナギの掴み取りならぬ、Vandalieuのtongueの掴み取りをして遊んでいる。
肌に優しいローション的な分泌物をtongueから出しているので、衛生的には問題無い。
「とりあえず、Gopher達に住む場所や当座の食料や生活必需品を割り振り、犯罪Slaveの待遇を決めて、それからDungeonの攻略と検証から始めましょう。
通貨に関してはDataraにHartner Duchyから持ってきた硬貨を渡しているので、それの貴金属の配分が解ってからですね。でも通貨の名称はCandidateを考えておいてください、思い付いたらChezareまで。
俺の像については……好きな時にどうぞ」
「『『分かった(りました)』』」
安全保障上Dungeonの攻略と検証が最も優先度が高い。通貨はその後、そして像は……もう毎年一つずつ増えているので、もういいやと思っている。
「とりあえずDungeonの見張りはBone ManやKnochenに任せて、まずは新しい国民に慣れてもらう事から始めましょう。それを疎かにすると将来の禍に成ります」
Originではどうか知らないが、Earthではどこでもあった新住民と旧住民の軋轢。移民政策で出た歪み、光とshadow。
連れてきて住まわせたらそれで終わりでは済まない。
「だから、そろそろ離して」
「え~、もっと遊ぼうよっ!」
結果、皆をぞろぞろ引きつれてGopher達の-sama子を見に行ったのだった。
しかし、Vandalieuが想像していたよりも新住民達はTalosheimに早く馴染みそうだ。
「最初は色々驚いたよ。まるで二百年前に戻ったみたいだったし、中に入ってみれば二百年前よりも建物や道が華美になってるし」
パチンとReversiの駒を打ちながら、Gopherが言う。Talosheimの町並みは、Vandalieuが倒壊して廃墟になっていた物を、【Golem Transmutation】でそのまま修理した物だ。なので、基本的に滅びる前と変わらない。
しかし、Undead GiantのStonemason職人達の手によって作られた人や鳥獣の顔や目のreliefがそこかしこに取り付けられている。実際にはそれらは全てGolemで、侵入者を見つけるための物なのだが、見た目が芸術的なので神秘的な街並みに見える。
結果、Talosheimの町並みはHartner Duchyの都であるNinelandと比べても劣らない物に成っていた。
「それに、あんたの気前が良いからね」
うっすらと蜜色をした貫頭衣を着たGopherが、その布を指して言う。ボロボロの麻布で作った服しか持っていなかった彼女達が、Talosheimで配られたものだ。
全てがCemetery Beeから採れた蜜絹で作った貫頭衣だ。それを一人数着。他にも靴に帽子に、最低限の家具、それに家まで渡している。
『……結構安物ですよ? 布は染めてませんし、冬はきついでしょうし。家具も半分以上俺がぱぱっと作った物ですし、家はoriginallyあったのを割り振っただけです。って、言うか家はoriginally皆-sanのじゃないですか』
「確かにそうだが、その家を瓦礫から修理したのはあんたじゃないか。陛下、あんた解って言ってるだろう? 元cultivation villageの連中なんて、大騒ぎだったじゃないか」
このLambdaではどんなに恵まれた開拓事業でも、開拓民に生活必需品から家まで何から何まで支給するような事は無い。特に、Nobleか富豪でなければ着られないような上等な絹の服や、家具付きのしっかりした石造りの家を支給する事は、大国の国王肝いりの事業でもここまではしない。
元First cultivation villageの者達は「これは夢か」と騒いだり、支給品を配るGhoulを拝んだり、結構なカオスだった。
それも、鉱山 Slaveと言う底辺から一気に元の地位を超える生活levelにまで至ったのだから当然かもしれない。
『若干は。でも、一応理由もあるんですよ。皆元Slaveで生活必需品もSlave鉱山で奪ってきた物しかありませんでしたから、支給しないと生活できませんし。
それに、家は空き家が沢山ありますから寧ろ住んでくれないと困ります』
元SlaveのGopher達はpropertyと呼べるものはほぼ無かったので、支給するしかなかったのだ。そして支給する以上、故意に不良品を渡す事は出来なかった。……そもそも、不良品が無い。
布は蜜絹が最もstabilityして作れる物で、逆にProduction量が少ない麻布や綿をdemandされる方が困る。家具だってVandalieuが半分以上作った物だが、別に特別な材料を使った訳ではない。その辺の木切れを【Golem Transmutation】で形を整えただけだ。
家に関しては空き家を割り振った以上の意味は無い。一か所に固まらないよう多少はシャッfullしたが。
『寧ろ、支給しないで適当に暮らしてって言ったら、どんな鬼畜ですか。空き家をcollectionする趣味は俺には無いのです』
パチンと黒い駒を打って、言うVandalieu。
『あ、でも感謝して貰えるのは嬉しいです』
「はいはい、感謝してますよ」
『それより、生活面以外にはどうですか? 例えば宗教に付いてとか、Undeadやmonstersについてはとか』
「ああ、そっちかい。あんたが想像しているよりもみんな穏やかだよ。拒絶してる奴は誰も居ないさ」
当初最も心配されたのは元Slave達の、UndeadやGhoul、Black Goblin等の新種達に対して拒否反応を示す事だ。だが、Gopherによればその心配は今のところ無いらしい。
「Levia -samaや親父達の姿を見た時点で、皆ある程度心構えは出来ていたからね。Ghoulも、実際に会ってみれば気の良い奴等じゃないか。
黒いGoblinやOrc、Koboldにはちょいと驚いたし、畑や森の植物が動き回るのには唖然としたが……まあ、大丈夫ならそんなもんじゃないかね」
思っていたよりも寛容なようだ。やはり、姿や生態が異なる異raceが存在するworldの住人だからだろうか。
後、originally Undeadに寛容なVidaのbelieverが多いのも理由の一つだろうか。
「宗教に関しては、言うまでもないだろ。originally好きでAldaを拝んでいた訳じゃないからね。ここに【Vida's Miko】も居る訳だし」
『はぁ。そーなんですよね』
だが、一番大きいのは、Vandalieuが新たに獲得した【Vida's Miko】のsecondary nameだ。
このsecondary nameをVandalieuが持つという事は、Goddess Vidaが彼の行っている事にお墨付きを与えたに等しい。実際はGoddessも全て見ている訳ではないだろうが、そう解釈される。
そのため、originally Vidaを信仰していたTalosheim出身のGopher達や、Vidaの信仰が盛んだった元Sauron領出身の元cultivation villageの面々には、聖人や預言者のような扱いを受けている。
Vandalieuからすると、色々出来る事やしたい事をしていたらその結果こうなっただけなのだが。でもこのworldで唯一自分達に友好的なKami-samaなので、認めてもらえたのなら嬉しい。
「って、言うかChampion Zakkartと似たようなもんなんだろ、あんた。とんでもないmagicを使うはずだよ」
そしてTalosheimで戴冠する時に発表したVandalieuの来歴を、Gopher達も既に知っていた。別に箝口令を敷いた訳ではないので、これぐらいなら誰からも聞く事が出来る。
『Slightly違いますけどね』
Cheat Abilityとか無いしと言いながら、パチンと黒い駒を打って白をひっくり返して黒にする。
これからもTalosheimに人が来る度に、Vandalieuの過去は知れ渡る。将来外国と交易を始めたら、信じてもらえるかはin any case Continent中に知れ渡るだろう。
特に危機感など覚えないが。
Reincarnator達に対してばれるとか、Amid EmpireやAlda教関係者にばれる等は、意味が無い心配だからだ。
町の中で味噌や醤油、mayonnaiseにketchupにと再現したanother worldの産物がこれだけあるのだから、隠し通す事が出来ると思う方がどうかしている。
Reincarnator達が外国で味噌や醤油を輸出している国があると聞けば、まず自分達と同じ存在がその国に居る事に気が付くだろうし、another worldの知識や技術を禁止しているAlda教の連中やそれを国教にしているEmpireも気が付くだろう。
だから、周りに秘密を作ってstressを溜め込むよりも「俺、前世another worldです」と発表してしまった方がMental衛生上健全だろう。そう思ったのである。
「それより――」
『ああ、犯罪Slaveですか? 彼らには暫く適性毎に割り振った仕事に就いてもらって、その働きに応じて解放して行く予定です』
連れて来た犯罪Slaveの多くはJapan人の価値観では凶悪犯に当てはまらない者達が殆どだが、いきなり無罪放免ともし難い人達だ。
だから本人からの希望も聞いて、Body労働やStonemason職人やBlacksmithing、Arms Artisan、陶芸職人等の下働きや、農作業などに就いてもらっている。これは就業訓練も兼ねているので、解放後の生活にも役立つだろう。
因みに、待遇はJapanの刑務所よりも悪くした。Japanの刑務所並にすると、自由が無い以外はLambdaの下層労働者どころか、中流労働者よりも豊かな生活に成ってしまうからだ。
一日三食十分な量と栄養のある食事が食べられて、労働時間は八時間で残業none、週休保証。労働基準法も無いLambda worldから見れば、涎が垂れそうな高待遇だ。
そのためTalosheimでは食事は十分な量と栄養がある物を出すが一日二食、休みは十日に一日とした。
それでも一年に数日しか休みが無い下働きやServantと比べれば悪い待遇とは言い難く、鉱山 Slaveの生活と比べれば天国のような物だが。
「いや、そうじゃなくて――」
『child達の事ですか? 暫くは読み書き算術を習って、その後は希望や適性毎にPlace of Exchangeやtempleで働いたり、色々です。一部では将来俺のnight伽をさせるのではないかと囁かれているそうですが、そんな予定はありません』
「解ってるって、あっちのあんたを見ればそんな暇が無いだろうって誰でも思うさ。あたしが聞きたいのは、あっちとこっちそこら、どれが本物なのかって事だよ」
Gopherは眼の前に居る指先だけMaterializationして駒を動かすSpirit Form Vandalieuと、それ以外もそこかしこで住人の話を聞き何か診察していたり、鉄板で何か焼いてCookingしたりしている他のVandalieu。そして少し離れた場所でGhoulの美女やPrincess LeviaやGiant raceのchildより大きな幼女に囲まれているBodyのあるVandalieuを見比べて聞いた。
『どれもこれも本物です』
「……一番訳が分からないのは、やっぱりあんただね、陛下」
『むー、やっぱりcommunicationって難しいですね』
何故だろう、こんなにも秘密を持たないアットhomeでfrankな、会いに行けるし来る王-samaなのに。そう思うVandalieuだった。
・Title explanation: :Vida's Miko
所有者が『Goddess of Life and Love』Vidaから特別に愛され、また認められた人物である事を示す。過去、このsecondary nameを獲得したのは、Vidaの直系であるVampireやDark Elf等の新raceの始祖か、Vidaから与えられたOracleや試練を達成した者のみ。
そのため、Vidaのbelieverや新raceからは聖人に等しい尊敬を集める。
VidaからのOracleを受けた時の理解力が高まり、Vidaの【Clergyman】skillに補正を受ける。
本来なら生命attributeのmagicに補正を受ける事が出来るが、Vandalieuの場合適性が無いのでそれを受ける事は出来ない。