前触れも無く発生したmonstersのrunawayを、町に被害が及ぶ前に撃退する事に成功したKnightのKarcanは、微妙な事になっていた。
「何故このtimingでmonstersのrunaway、新Dungeonの発生が重なるのだ」
彼が率いる隊には重傷者は出たが、幸いな事に死者は出なかった。それも含めて領主のNiarki Viscountからは感謝された。
しかし手柄の多くはOrbaum Elective Kingdomで二人目のSClass adventurerに成るだろうと噂される、【Blue-flame Sword】のHeinzの物だ。何せmonstersが「Heinzを殺せ」と呪文のように唱えながらHeinzに向かって襲い掛かって来たのだから。
それだとHeinzは、monstersを呼び寄せ町に災いをもたらした男と後ろ指を指されそうなものだが、既に彼は名声を集め多くの人々に慕われている。
後ろ指を指されるどころか、「逃げずにmonstersの大群を迎え撃ったChampion達」とますます名声を高めている。monsters達がHeinzを狙ったのも、Demon KingのRemnantsであるEvil God (M) Evil God (P)が彼らを狙った、つまり神にすら畏れられるHeroなのだと称えられている。
monstersの殆どを倒したのはHeinzを含めた【Five-colored blades】のmemberなので、賞賛を受けるのは当然だが。
だったら他のadventurerやKarcan達は何故迎撃に出たのかと思うかもしれないが……それは結果論である。monstersが本当にHeinz以外を狙わない保証が無かった。あったとしても、「じゃあ、我々は関係無いので」と知らん顔を出来るはずが無い。
そしてKarcanの隊は激戦を経験して疲弊し、Heinz達は町の近くの森で発見された禍々しいDungeonの攻略をしている。
そしてKarcanはこう言われた訳だ。もう次の演習をする必要はありませんね、と。
「実際、演習などしている場合ではないのは確かだ。隊の者のinjureはFrotoの治癒magicで完治しているが、軽々と動ける状況ではない」
monstersのrunawayの出所はまず間違いなくあの新Dungeonだろうが、確定ではない。Heinz達が戻るまで、町の防衛戦力として充てにされているKarcan達が動く訳にはいかない。
Heinz達が戻って来ても、新しいDungeonの管理や警備体勢を整えるまで時間がかかる。それにKarcanが協力する義務は無いのだが、彼らを頼るNiarki Viscountの期待を無下に扱うと彼の立場が拙い事になる。
かと言って、期待に応えてもこれがLucasからの評価に繋がる確証が無い。何せ、彼が担当するはずの南の開拓事業が放置されているのだから。
「動けるのは早くても冬か……」
何度目かの溜め息を吐くKarcanが居るNiarkiの町には、まだNinelandのDuke城が物理的に傾いた事件や、Mage guildのGuild Masterや複数のNobleがEvil God (M)派のVampireと繋がっていた、Orbaum Elective Kingdomを揺るがすscandalが明らかに成った事件は伝わっていなかった。
【Degenerate】のLuciliano。HumanのCClass adventurerで、Vandalieuが初めて遭遇した時はMirg Shield Nationで活動していた。
彼はPauvinaの元になった女のLife-deadを制作し、使い魔にしてNoble OrcのBugoganの集落に潜入して情報を収集していた。
そしてGhoulとOrcの戦いが終わった後、VandalieuとLife-dead越しに遭遇したのだが……。
(この人、こう言う顔だったのかー。やっぱり、Bodyもあるconditionだと印象が変わるな)
当時三age前だったVandalieuは、Lucilianoの顔を知らなかった。知っていたとしても今の彼は頬がこけて髭も伸び放題。Gopher達からSlaveの中にLucilianoと言う元adventurerのHumanが居ると教えてもらわなかったら気が付かなかっただろう。
「それで、何であなたがここに居るんですか?」
答えが無かったのでもう一度聞いてみるが……やはり答えが無い。黙秘を貫いている訳ではなく、どうやらfaintedしているらしい。
すっとEleonoraが脚を上げる。
「Eleonora、踏んだら折れそうなので止めましょう」
「はい、Vandalieu -sama」
まだ自分を抱きしめたままのEleonoraを止めて、Vandalieuは爪から分泌した気付け薬を【Telekinesis】でLucilianoの顔にかける。
「かはっ!? はぁっ! ま、待てっ、殺さないでくれっ! 殺すにしても、せめて楽に殺してくれっ! あと最後の晩餐を希望する!」
その途端、バネ仕掛けの玩具の-samaにLucilianoが跳ね起き……縛られたままなのでbalanceを崩して再度転がる。
「存外元気ですねー。とりあえず、その-sama子だと俺の事を覚えているようですね」
「だ、Dhampirなんて希少なraceを忘れる訳がないっ。だが待ってくれ、ここで遭遇してしまったのは、私の本意ではないのだ!」
「いや、本意だったらびっくりですよ」
Lucilianoの方は、しっかりVandalieuの事を覚えていたようだ。「次見かけたら殺す」と脅した事も。
「Vandalieu -samaはお前が何故こんな所に居るのかと質問しているのよ、答えなさい。後、私はVandalieu -samaの母親ではなく、僕よ」
最近同じ誤解を別の相手から繰り返されているEleonoraは、そう宣言しながらLucilianoに返答を求めた。
「分かった、答えよう。私はあの一件の後、金を受け取ってBalcheburgを出てOrbaum Elective Kingdomに移住した。そしてadventurer稼業を続けながら、Undeadに関する研究を続けていた。だが、ある日運悪く――」
Lucilianoの話によると、彼はBelton公子とLucas公子の跡目争いに巻き込まれたらしい。
あるBelton派のNobleの三男坊が父親をLucas派に寝返ったように工作し、自分を跡取りに指名させようとした。父親を暗殺し、Life-deadにして傀儡にすると言う手段で。
そのLife-deadを制作するために目を付けられたのが、partyを組まず特定の仲間を作らないままソロで活動していたLucilianoだった。
当然彼もそんな陰謀に関わりたくは無かったが、問答無用で拉致され脅迫されたため仕方なく表向きは従った。だがこっそり使い魔の鼠Life-deadを使って救援を求め、その結果三男坊の陰謀は未然に防がれ関係者が捕まったのだ。
「しかし、肝心の私まで捕まってしまった。そのNoble 家は、事件そのものを無かった事にしたかったようでね。私は監禁場所からそのまま投獄され、犯罪Slaveとしてここに送られた訳だ。Slaveの首輪の制約で、magicも使えない。
まあ、それでもAbility Valuesは一般人よりも高いので今まで生き延びてきたが……それも今日で最後か。ああ、せめて最後に芳醇なwineと温かなsoup、瑞々しいsalad、柔らかいbread、鮮魚を使った魚Cookingと、分厚い肉を使った肉Cooking、そしてdessertが食べたかった」
「……full courseじゃないですか」
面長の顔が痩せこけているのでより貧相に見える容姿になったLucilianoだが、demandはluxuryだった。意外と気が合うかもしれない。
「それでVandalieu -sama、殺すの?」
「どーしましょー」
Eleonoraの問いに、Vandalieuはどうしようかと悩んでいた。
Lucilianoは、彼にとってかなり微妙な男なのだ。allyではないし、積極的に助ける理由は存在しない。どちらかといえば敵寄りの存在だ。しかし、この状況で殺す程の相手かと言われると答えられない。
この場に居ないPauvinaにとっては、前世のBodyが死んだ後勝手に操ってNoble Orcの慰み者にした男だが、直接彼女の前世を殺した訳でもないので生まれ変わった後に恨んでいる-sama子は無かった。寧ろ忘れているのではないだろうか?
だが解放するとVandalieu達がここで行った情報が洩れる可能性が高い。
しかし、だから殺すと言うのには抵抗がある。
凶悪犯だった犯罪Slaveとは違って、悪人と言う訳ではないし個人的な恨みも無い。Slaveになった経緯を考えれば、寧ろ同情できる点が多々ある。
「とりあえず、Pauvinaに聞いてみましょう」
一旦保留して、Pauvinaに「連れて帰っていい?」と聞いてみてからにしよう。
その後、Slave鉱山に居たNobleやSoldier達は起こした後、一纏めにする。
「手足が落ちたり頭が欠けたりするのは良いですが、万遍なく潰すのは勘弁してください。あ、でもpaceト状に成るまでしてくれるならOKです」
物騒な事を言うVandalieuの見つめる先には、意識は取り戻したがbody partが痺れて碌に動けない人達ではなく、棍棒やスcup、鶴嘴を握る鼻息荒い解放された新Talosheimの住人達。
「き、貴-samaっ! これから何をするつもりだ!?」
「公開処刑です」
「ふざけるなー!!」
countlessの命乞いの中で、一際大きく高圧的な声に答えたら怒鳴られた。やや不愉快である。
しかし、これから惨たらしく処刑される彼等の最後の声なのだし、怒鳴るくらいで気を悪くするのも大人気ないだろう。Vandalieuはそう考え直して、振り返った。
「私はこの鉱山の運営をDuke閣下から任されたBesser Viscountである! このような不当な扱いに、断固として抗議する!!」
顔中が口に成ったかのような-sama子で怒鳴るViscountに、Vandalieuは首を傾げた。
「不当な扱いって……これで普通では?」
Vandalieuでも口にするのを躊躇う事をやっていたViscountと、そのSoldier達だ。上下の立場が入れ替わったのだから、これくらい普通だろう。
同じ事をされず、十分もせず死ねるのだから寧ろFortuneではないだろうか?
「フザケルな! 私はNobleだぞ!」
「……いや、知ってますけど。それ関係あります?」
一応、Viscount達にも状況は説明しておいたのだが。何も分からないまま殺すよりも、その方が死後強いUndeadに出来る気がしたので。
「貴-samaァ! 戦争においてもNobleは出来るだけ捕虜に取り、その際も貴人として扱うのが常識なのだぞ!? そんな事も知らんのか!」
「はぁ、知りませんでした。すみません」
そうだったのかと、Viscountの言葉を心のメモ帳に書き留めるVandalieu。adventurerになったら戦争に参加する機会があるかもしれないので、常識を今の内に知る事が出来て良かった。
「次の機会からそうします」
「違うっ、今からそうしろ! 私を殺してただで済むと思っているのか!?」
「ただで済ませようと思っています」
「済む訳がないだろう! 私はNobleだぞっ、そんな事をしたら貴-sama等下賤の者は皆死刑だっ! 我がElective Kingdomはその威信にかけてNoble Slayerの貴-sama等を狩り出し、無慈悲な死を与える事だろう!」
そうBesser Viscountが叫ぶと、元Slave達の内何割かが怖気づいたように顔を青くし、思わず後ろに下がったり手に持っているWeapon Equipmentを降ろしかけたりする。
このLambda worldでは、平民とNobleの間にはそれほどの差がある。命は皆平等では無く、明らかにRoyal Nobilityの命の方がそれ以外の命よりも尊い。それが常識である。
「分かったかっ!? 下賤なガキめ!」
っと、Besser Viscountは現Talosheim国王のVandalieuを罵った。この瞬間BorkusやEleonoraのbloodthirstが膨れ上がるが、Vandalieuは手を上げてそれを宥める。
ここで問題なのはViscountに侮辱を受けた事ではなく、新しいTalosheim国民に力を認めて貰う事だ。あまりBorkus達に頼ってばかりでは、「やっぱり着いて行けない」と言い出す者が出て来るかもしれない。それに犯罪Slaveに舐められたら後々厄介だ。
「皆来てください」
『はーいっ』
力を見せようと、VandalieuはLevia達を呼び寄せ、彼女達にManaを渡す。そして見上げるのは、無人に成った鉱山……地上から出ている部分は標高五百meter前後の小山だ。
「……【骸炎獄滅連弾】」
countlessの蛍の-samaな小さな炎が発生する。だが、次の瞬間それは黒い炎で出来た、countlessのGiantな髑髏に姿を変える。
それは『カカカッ!』っと嗤うと、Vandalieuが指差した鉱山に向かって殺到した。
結果生まれたのは恐ろしい光景だった。
百以上の髑髏型の炎が岩山に齧りつき激突すると、硬いはずの岩は脆くも砕け、焼け崩れる。それが無限に繰り返され、見る見るうちに山が形を変え、抉れていく。轟音や落石が発生するが、それすらもVandalieuのmagicで消され、押さえつけられる。
『ぼ、坊主、山が無くなっちまうぞ』
「あ、それもそうですね」
Borkusが止めた時には、鉱山はすでに三分の二程になっていた。それほど大きな岩山ではなかったとはいえ、そのAttack Powerに先程まで威勢が良かったViscountやSoldier達はcertainly、元Slave達もポカンとしている。
もっと言えば、Eleonora達も呆然としている。髪の中のPeteでさえ、頭だけ出したまま硬直していた。
今までdeath attributeのmagicには、物理的に対象を破壊する直接的な攻撃magicが存在しなかった。しかし、【Dead Spirit Magic】skillを獲得しPrincess Levia達を手に入れた事で、VandalieuはFire-Attribute Magicと同じ事が出来るようになった。
それによって真価を発揮したVandalieuのManaを、Eleonora達は初めて見たのだ。
『Bocchan、もうHartner Duchyを侵略した方が早いのでは?』
「Sam、Heinzが居るから無理です。後、それをやるとそのまま他のDuchyと、更にAmid Empireとやり合う事になるじゃないですか」
『まあ、そうだな。坊主が幾ら強くても一人しかいネェ。一度に何か所もAClass adventurerや、各国が抱えてる精鋭部隊に攻め込まれたら、流石に持ち堪えるのは無理だろうぜ』
Borkusの言う通り、このworldにはVandalieuがやってのけた事と同じ事が出来る存在が幾らでもいる。
「それに山は所詮山です。動きませんからね。これがBClassやAClass adventurerなら避けるでしょう」
人は山と違って-sama々なmagic itemで武装しているし、skillも持っている。【骸炎獄滅連弾】の狙いは雑なので、超人なら生き延びるのは難しくないだろう。……常人なら残らず灰に成るだろうが。
『確かに俺やVigaro、Eleonoraの嬢-chan達なら何とかなるだろうが……』
Borkusは、山体が大きく抉り取られDecayしつつある鉱山を見上げながら答えた。普通ならさっさと逃げないと土砂が迫って来て危ないのだが、それすらVandalieuが片手間に防いでいる。
音まで消しているので現実感が薄まっているが、それをしていなかったら失神する者が続出しただろう。
『ところで、鉱山は壊して良かったのか?』
「問題ありません。元から鉱山はHartner Duchyの鉱物資源を根絶やしにするために潰すつもりでしたし」
そして元Slave達に向き直って宣言する。
「っで、何が言いたいかというと、俺は力があるのでNobleからの報復を恐れる事はありません。そう思いませんか?」
問われた元Slave達は、最初はまだ呆然としていたが、徐々に我に返って行く。
「あんな大magic見た事無いぞ……あれが俺達の王-samaになるのか」
「確かに王-samaがあんなに強いなら、もうこの国のNobleを恐れる必要なんて無いんじゃないのか?」
「そうよ、Hartner Dukeや他のDukeが、Elected Kingが軍隊を送りつけて来ても、あの山みたいに食べられて灰も残らないわよ」
「あの方が王-samaなら、もうAmid Empireにも負けない……故郷を追われる事も無い」
瞳に力が戻り、下がっていたWeapon Equipmentが再び上がる。
逆に顔色が蒼白を通り越して土気色になっているのはViscount達だ。彼らもVandalieuの【Dead Spirit Magic】を見た事で、彼らが知るHartner Duke 家の力で目の前の王をself-proclaimedするHalf-Vampireをどうにか出来るか否か、解ってしまったのだ。
「ま、待ってくれっ。わ、私達の、いや私の命だけでも助けてくれれば、望みの額を支払おう」
「し、Viscount -sama!?」
「俺には妻とchildが居るんだっ、い、命だけは助けてくれっ!」
「俺は誰も殺してないし犯してないっ! 本当だ、信じてくれ!」
Viscountが命乞いを始めたのを皮切りに、Soldier達も口々に命乞いに転じる。素早い掌返しだ。
「えーっと、お金は別の方法で稼ぐので良いです。妻とchildが居るのに強姦しちゃダメでしょ、後最後の人は分かり易い嘘はつかない方が良いですよー」
しかし、どんなに柔軟な手首をしていても無駄だった。
「普通に仕事をしていただけで、不必要にSlaveを痛めつけ殺したり犯したりしてない人はもう避けてますから」
後、話し合いの結果死刑にする程ではないなと思った人も別の場所に纏めてある。
亡き妻に操を立てている老Soldierに、Viscountが連れてきたMaidやChef等のServant等、十人程だ。別に殊更善人である訳でも、Slave達に対して慈悲深かった訳でもないが、殺すのは躊躇う人達である。
彼らはとりあえずSlaveとしてTalosheimに連れて行き、暫く-sama子を見てやって行けるようなら解放して一般市民になってもらう予定である。
Vandalieuは無意味な殺人は厭うし、それに足ると考える理由が無い限り殺そうとは思わない。市場で銀貨一枚巻き上げられた程度では、Memoryにも残らない。
だがそれに足る意味や理由がある場合は、絶対に殺すべきだと考える。
そしてViscount達は死ぬべき存在だ。
「ではTalosheimの【Eclipse King】の責任に置いて刑を執行します」
思い思いのWeapon Equipmentを持ったGopher達の雄叫びと、Viscount達のscreechが合わさって耳触りの良い合唱と成る。
screechは徐々に小さくなるが、肉が潰れboneの砕ける小気味良い音が心を和ませ、濃いbloodの匂いがappetiteを掻きたてる。
「じゃあこの場はPrincess Levia達に任せて、俺達はご飯の準備でもしましょうか。皆、お腹一杯食べたいでしょうし」
『今頃Salire達が厨房で準備を終えた頃でしょう。ところで何を作るのですか?』
厨房には隊商によって補給された食料がある。今までSlave達は本来なら家畜の餌にするような物か、Slave村で作った荒地でも育つカブに似た作物を食べさせられていたが、今日はSoldier達が口にしていた食材を使ったCookingを用意するつもりだ。
その食材もVandalieu達からすると微妙な物だったが。
「Sam達が材料を持って来てくれたので、それも使ってシチューでも」
『おお、味噌シチューか。美味いよな、あれ』
乳製品が無いので、味に深みを出すために味噌を使う味噌シチュー。今のTalosheimでは代表的家庭Cookingである。
「新鮮な、干してない肉があればbarbecueも考えたのですけどね」
「Vandalieu -sama、流石にそれはどうかと思うわ」
焼死体を見た後焼肉は辛いだろう。それに気がついたのはEleonoraだけだった。
《【Dead Spirit Magic】、【Commanding】skillのlevelが上がりました!》
「師Artisanと呼ばせてください!」
「ヤダ」
【Dead Spirit Magic】を目にしたLucilianoに、Vandalieuはpupils入りを懇願された。されたが、どうしろと言うのだろう。正直、彼に教えられる技術が自分に在るのかVandalieuは疑問だった。
「Slaveのままでも構わんっ! -kunの至高の術をどうかっ!」
「中々見どころがある男ね」
しかし、EleonoraはLucilianoを気に入ったようだ。maybe、Vandalieuを崇拝の眼差しで仰いだのが良かったのだろう。
『まあ、誰かに教わるだけじゃなくて教えるのも良い経験に成るもんだぜ。magicの適性が違うから、坊主と同じ事は出来ないだろうが』
『Pauvina -chanも忘れていて気にしてないなら、良いんじゃないでしょうか? 最低でもcivil officialが増えますし』
「じゃあ……一応教えますけど、俺が使っているのはLife-Attribute Magicじゃないので、あまり期待しちゃダメですよ」
「いや、寧ろ同じattribute magicだと言われた方が驚くが」
流石に【骸炎獄滅連弾】まで行くと、Life-Attribute Magicだと誤魔化しようがないらしい。
in any case、Vandalieuにpupilsが出来た。
それからVandalieu達は元Slave鉱山(地下の坑道が崩落してhollowと化したが)に二日滞在した。
その間に色々準備をしたり、Gopher達にEnduranceや精を付けてもらったり、健康診断をしたりした。長年Slaveとして酷使されていた彼女達は、Talosheimに戻るまでの距離を旅する力が無い者も居たからだ。……流石にVandalieuが乗せて飛ぶには重量オーバーである。
結果、Vandalieuが【Golem Transmutation】で馬車や、それを引かせる馬型(Earthの教科書に載っていた土偶の馬っぽい)Golemを作る必要があった。
「Lambdaの馬車ってサスペンションがありませんよね。Samにも無いけど、skillのお蔭で揺れないだけで」
『Bocchan、何でペンションを刺すんですかー?』
当然の-samaに、Lambdaでは『スプリング』や『バネ』が作られていなかった。
結果的に衝撃を和らげる構造になっている板や棒が組み込まれている事はあるが、金属のバネは無かったのである。
なので作って組み入れてみた。ふと思い付いた事をすぐ実験できるのだから、【Golem Transmutation】と【Carpentry】skill万ageだ。
『陛下は馬車職人としての技術もお持ちなのですね。でも、私達が死んでいた二百年の間に世の中は進歩したのね』
『いや、Levia -sama、これはこの坊主が発明してるんだぜ』
実際にはBorkusの言う-samaに発明している訳ではなく、EarthやOriginでの知識を流用して応用、再現しているだけなのだが。
「褒めても良いですよ」
でも褒められると嬉しいので「大した事無いですよ」と謙遜はしないVandalieuだった。幾ら知識があっても再現するのは彼自身のskillやmagicによるものなので、結局は自分の手柄であると言う考え方だ。
EarthやOriginの特許はLambdaでは意味が無いのだし。
「ゴムタイヤがあれば完璧なんだけど……あれはゴムを固めるだけで出来たっけ?」
あれば色々便利なので、帰ったら作ってみよう。
そしてGopher達Giant raceを、健康診断と言いながら若返らせていく。二百年も人生を浪費させられたのだから、これからの人生を過去に負けず生きてもらうためのserviceだ。
遠まわしにだが、意思確認はとったので問題無いだろう。
「このmassageを受けると若返りますけど受けます? 百ageくらい若返りますよ、マジで」
こんな感じで。
流石に二日で全てを終える事は出来ないので、道すがら続ける予定だ。VandalieuのAugmented Manaの修行も出来て一石二鳥である。
そしてBorkus達が運んできたmonstersのboneで、擬装用のUndeadを作成。
「Giant raceやHumanのbone格は知り尽くしています。monstersのboneを【Golem Transmutation】で形を変えて、Giant race Skeletonに擬装する事なんて、俺にかかればただの重労働です」
「重労働なの!?」
「だって沢山作らないといけませんから、只管面倒で」
因みに、無残なViscount達の死体は【Decomposition】でboneだけになるまで腐らせた後、ばらばらに砕けたboneをくっつけて、Skeletonにしてある。これでHartner Duchyの連中がSlave鉱山の異変に気がついても、Slave鉱山は何者かによって皆殺しにされ、SoldierもSlaveも全てSkeletonと化したと誤認する。
Slaveが連れ出されたとは思うまい。
そして全ての準備を終えた彼らは、Talosheimに向かうのだった。
《secondary name【Vida's Miko】を獲得しました!》
《【Carpentry】skillのlevelが上がりました!》
・Name: Eleonora
・Rank: 9
・Race: Vampire Viscount (Noble-born Vampire Viscount)
・Level: 47
・Job: Vassal War Princess
・Job Level: 27
・Job History: Slave、Servant、Apprentice Mage、Apprentice Warrior、Mage、Demon Eye User、Subordinate Warrior
・Age: 10age(Vampire化当時のage 20age 合計30age)
・Passive skills
Dark Vision
Self-enhancement: Subordination:6Lv(UP!)
Mysterious Strength:6Lv
Rapid Regeneration:4Lv(UP!)
Abnormal Condition Resistance:6Lv
Intuition:4Lv(UP!)
Mental Corruption:3Lv
Automatic Mana Recovery:5Lv(UP!)
Detect Presence:4Lv(UP!)
Sunlight Resistance:4Lv(UP!)
Allure:1Lv(NEW!)
・Active skills
Mining:1Lv
Time-Attribute Magic:5Lv
Life-Attribute Magic:5Lv
No-Attribute Magic:2Lv
Mana Control:3Lv
Bloodsucking:4Lv(NEW!)
Sword Technique:4Lv(UP!)
Unarmed Fighting Technique3Lv(UP!)
Silent Steps:4Lv
Steal:1Lv
Housework:3Lv(UP!)
Shield Technique:3Lv(UP!)
Armor Technique:3Lv(UP!)
-Surpass Limits-:3Lv(UP!)
Chant Revocation:2Lv(UP!)
・Unique skill
Charming Magic Eyes:7Lv
Job解説:Vassal War Princess
femaleでかつては高貴な生まれ若しくはある程度の地位にあったが、しかし現在は他者にSubordinateしているconditionにあると就く事が出来るJob。
国によってはこのJobに就いているfemale Warriorを所有する事は大きなStatusであり、Royal Nobilityが高値で取引する事も珍しくないらしい。大きな後宮には、警備のためにこのJobに就く(就かされる)女Slaveが複数存在する事が多い。
戦闘系skillに補正を受けるが、他に【Allure】や【Seduction】、【Love-making】等のskillにも補正を受ける。
Eleonoraの場合はNoble-born Vampireである事が「高貴な生まれ」の条件を満たしている。