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Chapter 81: 傾いたDuke 家と再びのcultivation village

 その日の午前中も、Hartner Dukeの城は何処か不穏な空気が漂っていた。

 現Hartner Dukeはほぼベッドに寝たきりで、意識がはっきりするのは数日に数時間あるかないかという容態が続いている。

 だが当主が公務に就けない時は代理と成る筈の跡取りは、その座を巡って二人のbrothersが対立を深めている。


 大事なのはHartner DuchyEmpireから守る事であり、Duke軍はあくまでも盾であるべきと唱える内政。次男ながらも正妻の息子であるBelton公子。

 Sauron領奪還の機運に乗ってAmid Empireを討ち、Hartner Duke 家と領に更なる繁栄をもたらすべしと唱える主戦論者。愛妾の息子ながら長男であるLucas公子。


 本来なら圧倒的にBelton公子が有利なのだが、やはりHartner DuchyAmid EmpireとのForefrontになってしまった事で、Duke軍が支持をするLucas公子の存在感が大きく増している。

 以前はBeltonが当主として内政に辣腕を振るい、Lucasは軍の要職に就いて軍才を発揮する事が理想ではないかと語られていたが、今では逆にLucasが当主としてDuke軍を雄々しく率いて活躍し、内政Beltonが領に残って支える形の方が良いのではないかと唱える者も少数だが出始めている。


 だが、本来なら周りが何を唱えようが現当主が跡継ぎを決めれば意味は無く、この跡継ぎ争いは終わる。しかし、現当主のHartner Dukeは目を覚ます度に言う事が変わるので、意識がはっきりしているように見えるだけで頭はもう呆けているのではないかと、重臣すら頭を抱えている有-samaだ。


 結果、DuchyではBelton派とLucas派、そしてどちらがDuke 家を継いでも利益も損も無いので日々職務を熟す中立派に別れている。

 当然空気もギスギスとしているのだが、このconditionがもう長く続いているのでServant達もすっかり慣れてしまっていた。


Belton -sama、少々お話が」

 早めの昼食を取るためにcafeteriaに向かっていたBelton公子を、腹心の一人であるIcus Baronが呼び止めた。彼はcivil officialを務める法衣Nobleで、戦争で経済を活性化させたいLucas派のFinance Lordの部下でありながら、Beltonに付いた男だ。


 certainlyBeltonDukeに成った暁には昇爵や昇進を期待しているからこそだが。

「どうしました、Icus Baron

「実は、Mage guild-sama子がおかしいようなのです。Guild MasterKinarpと幹部数名が何をしても上の空で、彼らが雇っていた護衛には、姿の見えない者が何名か出ているようです」


 Icus Baronの報告に、Belton公子は柔和な容姿を保ったまま「おやおや」と小さく呟く。Mage guildBelton公子の支持基盤の一つだ。政治的には中立であるという建前を各guildは掲げているが、-sama々なmagicmagic itemを研究開発し、優秀なMageを輩出するMage guildの支持は今の状況では無視できない。


 特にBeltonは領内の治安維持やmonsters対策に守備兵やKnight団に対応させるpolicyなので、Adventurer’s Guildからの受けが悪い。本部のGuild Masterには鼻薬を良く効かせてあるが、各地のbranchには反感を持っている者も多いのが現状だ。その分他のguildtempleの支持は維持したいのだが。

「それは、もしや兄上の?」

 Lucas公子の手の者に鼻薬でもかがされたのだろうか? それとも、何か弱みでも握られたか。言葉少なくそう尋ねたBelton公子に、Icus Baronは「それが、そうでもないようで」と答えた。


Lucas -samaの手の者が動いた-sama子は確認できませんでした。ですが幾つか気になる事も報告に上がって来ています。確認が取れ次第、御報告が出来るかと」

「分かった。Icus Baron、苦労を掛けてすまないけれど、しっかり頼むよ」

「ははっ」


 すっと一礼して下がるIcus Baron。彼はSpyを使った情報収集に秀でた男だ。彼なら何があっても真実を調べ上げ、報告してくれるだろう。

 Belton公子はIcus Baronの後ろ姿を頼もしげに見送っていた。


 すると、前触れも無く足元から小さな揺れを感じた。

「地震か?」

 小さいが珍しい。そう思った途端、揺れは轟音を伴って大きくなった。


「おっひゃあああああああああっ!?」

 そして床に大穴が空き、丁度その上に居たIcus Baronが成す術も無く落ちて行った。

「だ、Baronぅぅぅぅっ!?」

Belton -samaっ、危険ですっ、お下がりくださいっ! お下がりください!」


 それまでshadow-samaに付き添っていたBelton公子付きのServantが慌てて彼を押し止め、下がって行く。

 この日、Hartner Dukeの城は物理的にやや傾いた。




《【Carpentry】、【Engineering】、【Golem Transmutationskilllevelが上がりました!》




 Mage guildGuild Masterを務めるKinarpは、ハッとして意識を取り戻した。

「わ、儂は一体何をしていたのだ?」

 辺りを見回すと、自分と同じようにハッとした-sama子のMage guildの幹部達が……その中でもPure-breed Vampire Terneciaの手の者と通じているという共通点を持つ、同士ではないが共犯関係にある者達が居た。


Kinarp -dono、ここは一体?」

「わ、我々は何をしていたのです、な、何も思い出せない」

「落ち着け、皆よ。ここは儂のmansionだ」

 Kinarpもここ数日のMemoryは殆ど思い出せない。しかし、彼はやるべき事を見失ってはいなかった。


「皆、思い出せ。我々にはやるべき事があるはずだ」

「やるべき事……そうだっ、それがあった!」

「こうしてはおられん、急がなくてはっ!」

「待て、慌ててはいかん! 下手をすれば全てが無意味になってしまうのだぞ」


「では皆よ、必要な証拠と成る物を集めて、それぞれの伝手を頼れ。Belton -samaLucas -samaの手の者はいかんぞ、闇に葬られかねんからな」

「確かに、お二人は対立していてもHartner Duke 家の汚点と成る事なら協力して隠そうとするでしょう」

「では、やはり他のDuchyの大使の元に持ち込みますか?」

「それしかあるまい。さあ、動けっ!」


 Kinarp達はその後、それぞれのmansionに隠していた犯罪や後ろ暗いあれやこれやの証拠等を掻き集めた後、他のDuchyから赴任している大使がいる大使館にそれぞれ駆け込んだ。

『悪事を告白し、世に明らかにしなさい』

 脳裏に焼きついた命令に従って。




 後日、Hartner Duke城が傾きIcus Baronが重傷を負った事故の原因は調査の結果、城の地下に存在したChampionBarrierが施された地下space、通称「地下墓地」が崩落したからだと判明した。

 城が建造されるよりずっと前、十万年以上前から存在した場所が何故急に崩落したのか。それは発見された一人の男の死体から、その「KanataKaidou」という男の犯行だとされた。


 この男は商人から略奪を働き、Adventurer’s Guildでは高位のFire-Attribute Magicを使用して何人もの死傷者を出している。その言動が奇妙である事から、Evil God (M)Evil God (P)の手先だろうとconjectureされた。

 そしてDemon Kingrevivalを企み、Championsealedを何らかの方法で破った。しかし仲間割れか、sealedを解いた際に何か事故でも起きたのか、死亡してしまったのだろう。


 それを知った現Dukeは心労の為か一気にDisease状が悪化。これまでは数日に一度は目を覚ましたのだが、うわ言を漏らすだけに成ってしまった。このままでは、来年の春まで持たないだろう。


 更にBelton公子を支持していたMage guildGuild MasterであるKinarpを始め幹部数名が自分達の犯してきた大小-sama々な犯罪と、Evil God (M)を奉じるPure-breed Vampireと通じていた証拠を手に他のDukeから派遣されていた大使達の元に駆け込んだ事が明らかに成り、Orbaum Elective Kingdomの上層部に衝撃が走った。


 九割方Hartner Duke 家を継ぐだろうBelton公子の有力な支持者が、人類の裏切り者である事が明らかに成ったのだ。しかも、意識を失ったまま目を覚まさないIcus Baronが、Kinarp達が持っていた証拠によってVampireと通じていた事が判明した。

 Belton公子自身は知らなかったと証言し、実際公子がVampireと通じている証拠は何一つ無かったがこの件でHartner DuchyNoble達のみならず、Elective Kingdomの有力Noble達にBelton公子の管理Abilityが大きく疑われる事になった。


 後、Duke 家の宝物庫に何者かが侵入し、幾つかの宝物をSteal事件が発生していたが、上記の事件が大き過ぎて対応が後手に回り、碌に捜査されていない。

 因みに、night空を飛ぶGiantな怪鳥のshadowを見たと証言する者が数名いたが、酔って夢でも見たのだろうと誰にも相手にされなかった。




 God of Law and Life Aldaは、複数の難題を抱えている。その内大きなものが、後数年は Bahn Gaia continent南部に潜むだろうと思われていたVandalieuMountain Rangeを越えてContinent東部に現れた事。

 ただ、やっているのは大規模な陰謀ではなく地道な布教活動の-samaだが。


Alda -sama、この者は何を考えているのでしょうか? まさか本気でadventurerに成ろうとしていると言う事は、無いと思いますが』

『分からん……Orbaum Elective Kingdomで活動するための拠点を作ろうとしているのか?』


 AldaGodsの情報網は、彼らを奉じるbelieverだ。だから、believerが知らない事はAlda達も知る事は出来ない。本来なら地上にもっと頻繁にFamiliar Spiritを派遣するなどして情報を集めるべきなのだろうが、Demon KingVidaとの戦いで多くのGodsが力を失って未だrevivalしておらず、worldを維持するのにとてもではないが手が足りないのだ。


 『Goddess of SleepMill等の新しい世代の神も増えているが、まだまだ十分ではない。


 それに、Vandalieuを監視するためにFamiliar Spiritを派遣すると、霊的な存在であるFamiliar Spiritを発見されて魂を砕かれてしまう危険性がある。普通のHumanなら不可能だが、あのDhampirなら躊躇い無く行うだろう。


 そして次に大きいかはin any case、妙な事件が起きた。

 出来事自体は、Vandalieuが行った事の大きさと比べるまでも無い事だ。商人の父娘と護衛のadventurerが殺され、荷物を奪われた。痛ましいが、事件そのものはLambdaで数多く起きている悲劇だ。

『何だ、この男は?』

 妙なのは、犯人の男だ。


 Aldaの所に他の神からもたらされた報告によると、今までLambdaでは確認されていなかった未知のUnique skillと高度なFire-Attribute Magicを使う、あの辺りではまず見ない色の髪と瞳をしている三十代前後のmaleで、nameKanataKaidou。そして、事件以前のrecordは全く無い。


 最も奇妙なのはrecordが全く無い事だ。

 Godsの誰もこのKanataという男を知らず、recordが無い。それはおかしい。このLambdaではGodsの存在が認知されている。だからどんなに不信心な者でも、一度は何かに祈った事があるはずだ。

 もしかしたら一度も祈った事が無い者もいるかもしれないが、その者の周辺の人物全てがそうだと言うのはあり得ない。


 少なくとも、や村に滞在した事があれば誰かと言葉を交わしている筈であり、見られている筈だ。

 それすら無いとしても、Humanである以上両親は絶対に存在する筈だ。


 Kanataと言う男にはそれすら無い。突然現れて突然凶行に及んでいる。

 そのageまで何処で過ごしていたのか、何処でそのlevelに至るまでskillを高めたのか、全くの謎なのだ。

 無理矢理考えれば、近くにAldaに協力しないGodsだけを奉じるcommunityが存在していて、Kanataはそこの出身だとconjectureできる。だが、近辺にそんなcommunityが存在する-sama子は無い。


 遠方から間道を使い、誰にも見られる事無く密やかに行動して来たとしたら、その後の無思慮な狼藉と結びつかない。


Fitunよ、このKanataという者について心当たりがあるそうだが』

『はい、我等がAldaよ』

 Kanataについての報告を、Fitunはやや言い難そうに述べた。


『実は、このKanataKaidouと申す者は、私が特別に目を付けblessingsを与えた男でして……』

『何だと? 【God of RecordsCuratosrecordにも残っていないぞ』

『はい。このKanataと言う者は、夫の元に向かう旅の最中乗合馬車がmonstersに襲われ死んだ妊婦の胎から生まれた男でして……その後は気紛れか非常食にでもするつもりだったが、monstersに育てられたようです。recordに残っていないのは、そのせいかと』


 確かに、Fitunが言う-samaな生まれならCuratosrecordにもKanataが残っていなくてもおかしくはない。

『私は偶々Kanataの存在に気がつき、その才と素質が気に入りblessingsを与えていたのですが、どうやらそれが彼を歪めてしまったようです』

『……では、この妙なUnique skillもお前's Divine Protectionによるものだと?』

『はい。相違ありません』


『この者が殺した被害者の中には、お前のbelieverもいるようだが』

『はい、どうやら私がblessingsを与え特別に守護していた事が、この男の性根を歪め堕落へと導いてしまったようです』

『何故、Curatosにもこの男の事を黙っていた?』

『それは……blessingsを与え守護する事に反対されるのではないかと思いまして。私の浅慮でした』


 質問に答え続けるFitunに、Aldaは不信感を拭いきれなかったが、確たる証拠も無く責める事は出来なかった。

『何故Kanataの骸がDemon Kingsealedが存在した地下の聖域から発見されたのかは、彼が私から離れてしまっていたため私にもわかりませんが……』

『分かった、もう良い。解かれたsealedについては、Nineroadに尋ねよう』


 Demon Kingに滅ぼされ今は亡きShizarionに選ばれたChampionNineroad。彼女は神に至り、Shizarionに変わってWind-AttributeGodsを束ねている。Alda以上に手が足りない状況だが、問題のsealedが彼女の施した物である以上協力を要請しない訳にはいかないだろう。


『では、私はこれで――』

 そう一礼して下がるFitunに、Aldaは最後に問いかけた。

『待て。KanataKaidouと言う男、妙なnameだがもしやanother worldから現れたのではあるまいな?』

 Kaidouという聞き慣れない妙な性から、Aldaはもしやと疑っていた。だが、Fitunは何故そう問われたのか分からないといった-sama子で答えた。


『いえ、彼の名はmonstersが適当に付けたようで……街道で拾ったからKaidouだとか、何処かから来たからKanataだとか……』

『そうか……引き止めてすまなかったな』

『いえ……』


 Fitunが去り、Aldaは「考え過ぎか」と被りを振った。

『考えてみれば、Zuruwarnが力を取り戻していない以上another worldの住人を召喚する事は不可能。Demon KingRemnantsにも、そこまでの力を持つ存在は無い』


 もし出来る者が居るとしたら、【God of ReincarnationRodcorteぐらいだ。developmentの必要性を繰り返し説くだけ、しかし Aldaが知る中では最も力を溜めこんでいる神だ。その権能から、another worldの住人をこのLambdaCircle of Reincarnationさせる事も難しくないはずだ。


『だが、それにしてはこのKanataと言う男の行動が愚かすぎる』

 行ったのは数十人の殺害や、略奪、強姦、そしてまだ疑いの段階だが、Demon Kingsealedを解いた。Rodcorteが唱える「development」に行動が掠りもしてない。

 やはり気のせいだろう。


 今取り組むべきは謎の行動を繰り返すVandalieuと、sealedされていたDemon King Fragmentの行方だ。




 Aldaから離れ、自らのDivine Realmに戻ったFitunは、上手くAldaを騙せたことに喝采を上げていた。

『ははははっ! やったぞっ、これで面白くなる!』

 another worldからのReincarnatorに自分が最初に気が付けたのは、Fortuneだった。weak believerが一匹死んだが構わない、寧ろこの情報をもたらしてくれたbelieverを、良く奴に殺されてくれたと褒めてやってもいいぐらいだ。


『三十年程前に実際に起きたmonstersの襲撃で死んだ妊婦のchildが生きていた-samaに偽る事を思いついたのは、我ながら上出来だった。

 さぁ、Rodcorte……お前が殺したいVandalieuはまだピンピンしているぜ。次の刺客は何時送ってくれるんだ?』


 FitunKanataの事を知った瞬間、自らの肉を削ぎ落とすようにしてSpirit Cloneを創り出し、Kanataを秘密裏に監視した。そして、VandalieuについてAldaも知らない情報の数々を手に入れる事に成功した。Demon Kingsealedを解いたのがVandalieu以外あり得ない事も、Fitunは知っている。


 だから、Fitunはこの情報を秘匿する。

 神となって五万年余り。退屈極まる日々がやっと終わるのだ。


『さあ、俺を殺せるかもしれないbeloved敵よ。その調子で育つがいい。

 さあ、Rodcorteよ。あの屑ではなく、俺がblessingsを与えSpirit Cloneを降ろすに相応しいReincarnatorをこのworldに送り込むがいい。

 くふふ、きはははははははは!』




 早朝、第七cultivation villageの「何でも屋」の裏ではKasimFesterZenoadventurer三人組が熱心に修練に励んでいた。

「ふんっ、はっ!」

Festerっ、声は抑えろ」

「あっ、すまん」


 彼らは以前からこうして修練をしていた。だが、これ程熱が入るようになったのは少し前……この村に立ち寄ったVandalieuから一度稽古をつけて貰ってからだった。


 色々と信じがたい、奇跡のような事をしてのけたVandalieuだったが、Kasim達が最も驚いたのは彼の見た目にそぐわない地力の高さだ。

 【Unarmed Fighting Technique】と【Throwing Technique】だけだったが、技量はKasim達の誰よりも高く、しっかりしていた。特に【Unarmed Fighting Technique】は高いbody part Abilityに頼っている訳では無く、-chanと技が身に付いている。Adventurer's School校の教官の-samaだった。


「だけどさ、つい夢中に成っちまってさ。もっと脇を締めてとか、足元に注意とか」

「あー、『脇を締めろ』は俺も言われたな」

「俺はもっとStaminaを付けろって言われたよ」

 しかも助言が的確だ。


 一人一人模擬戦をしてから問題点を指摘して、「俺も前、そう注意されました。だからあなた達も出来るようになると思いますよ」と励ますのも忘れない。


「でも、そう言えばあいつの母親って、どんな人だったんだろうな?」

「凄い人だったのは確かだな。あいつにmagicに、Unarmed Fighting Techniqueの鍛錬を付けたんだから……やっぱりVampireって凄いな」

 やや誤解していたが。


「今頃Vandalieuの奴、何してるかな?」

「えーっと、に行ってもう一週間くらいか。maybe、今頃Adventurer's School校の寮に入っているんじゃないか?」

「でも、あいつだったら特例で学校に入らなくてもいきなりDClassに成ってもおかしくないよな。Unique skillだけじゃなくて、magicも武術もあの腕だろ? 学校の教官、教える事無いんじゃないか」


「寧ろ、教わる事の方が多かったりして」

「いや、だけどいきなりDClassは無い。試験があるだろ」

 DClass adventurerへの昇格には、「人を殺せるか否か、実際に試す」という試験を受ける必要がある。Earthでは非人道的だと非難されるだろうが、Lambdaadventurerは危険なmountain banditを討伐し、護衛対象を守らなければならない。


 その際殺す事を躊躇って取り逃がして更なる被害者を出したり、護衛対象を殺されたりしたらadventurerを雇う意味が無くなってしまう。

 だからDClass adventurerは人が殺せないと成れない。


「あいつに出来るかな?」

「その心配よりも先に、俺達はVandalieuに追いつかないとな。一応、adventurersenpaiなんだし」

「そうだな。次に会う時までにはあいつから一本取れるぐらいに――」

「なんかごめんなさい」

「おいおい、何を……うわっ、Vandalieuっ、お前なんで居るんだ!?」


 門番に呼び止められなかった(気がつかれなかった)ので、そのまま村に入って来たVandalieuは何でも屋の裏で修練に励む三人を見つけて近付いたのだった。


adventurerに成ったんじゃないのか? もしかして、で何かあったのか? 来るはずのpeddlerが遅れているって親父-sanが心配してたけど」

 どうやら、Niarkiで起きたmonstersrunawayはまだcultivation villageには伝わっていないらしい。


「いえ、制度が変わってDhampirは十age未満だと登録できなくなったそうなので、今回は諦めました」

「ええっ、制度が変わったのか!?」

「それよりも、十ageより下だったのか!?」

 やはりKasim達はVandalieuageを誤解していたようだ。raceによって成長の仕方は-sama々なので、無理も無いだろう。


「今年中にAdventurer's School校にもDhampirは入れないようになると言う噂もあるそうなので、機会を見て他のDuchyadventurer登録しようかと思います」

 何処かのAClass adventurerが何かやるらしいが、今は関わりたくないので間違っても期待はしない。奴のお蔭でadventurerに成れたと思われるなんて、絶対に嫌だ。


「いや、機会を見てって……他のDuchyまで行くのに一月近くかかるぞ。まあ、お前が飛べば数日くらいかもしれないけど」

「そうだな、飛べるもんな」

 Vandalieuが他のcultivation villageに【Flight】で行き来していた事を知っているKasim達は、特に止めようとはしなかった。


「じゃあそれまでの間、良ければ、俺達とpartyを組まないか?」

 そう言いだしたKasimに、Vandalieuは目を瞬かせた。

「俺は一般人ですけど」

「別にpartyに一般人を加えちゃいけないなんて規約は無い!」

「普通、決めるまでもない事だからな。でも、お前なら俺達より強いし……組まないかなんて偉そうな事を言ったけど、実際にはpupilsにしてくださいって感じだな」


Zenoの言う通りだ。俺達、お前よりweakけど足手まといには成れるぜ!」

Fester、冗談だとしても最低だ……そして本当だから笑えねぇ……」

 何時の間にかsenpai達に慕われていたらしい。一瞬、一般人とadventurerpartyも良いかなと思うVandalieuだが、彼にはやるべき事がある。


「それも良いですけど、一度育ったに戻ろうかと思いまして」

 ちょっとこの先に在るSlaveを襲撃してSlaveを連れ出しますとは言えないので、前に言った設定を活かして誤魔化す事にする。

「そうか……じゃあ、機会があったらまた稽古をつけて貰って良いか?」


certainlyです」

 特に疑う-sama子の無いKasim達に(都会で荒んだ心が和むー)と思いながら、nod VandalieuKasim達三人は、彼にとって癒しであるようだ。

「それですぐに発つのか? 秋には祠の建立と収穫祭をするつもりだから、その頃には来てくれよな」

 Vandalieucultivation villageを巡って人助けをする度に、報酬はVidaの祠の建立でと頼んでいた。どうやらそれが秋には完成するらしい。

 しかし、この第七cultivation villageでは頼んでいなかったはずだが。


「この村で、ですか?」

「ああ、何でも屋の親父と村長が。良い機会だし、縁起も良いって」

Ivanが凄い張り切っていてな。あいつ、このHartner Duchyに逃げて来る前は故郷でStonemasonをやってたんだ」

「お前の石像も彫るって言ってたぞ」


 知らぬ間にPowerスポットか何かにされそうになっているらしい。Vidaの信仰が盛んに成る事はVandalieu達にとっては歓迎すべき事だが、石像まで彫られるのはどうなのだろう?

 あまり似てないと良いなと失礼な事を思いつつ、Vandalieuは尋ねた。

「えーっと、じゃあ他のcultivation villageはどんな-sama子ですか?」


 Ivan一人を助けただけのこの村で石像が掘られつつあるのだ。他のcultivation villageではどんな事になっているのだろうか。

「他の村か? えーっと……まあ、templeKami-samaの像以外にも聖人や英人の像が建立されるのは、そう珍しい事じゃないらしいぜ」

「そうそう。それに像って言っても、そう大した物じゃないしな。大きくても、一抱えぐらいじゃないか?」


 どうやら村の歴史には残りそうだ。


《【Guardian of the Cultivation Villages】のsecondary nameを獲得しました!》


 Statusにも反映された。何気に訳を説明しなくても社会的に受け入れられるsecondary nameなので、これは嬉しい。


「あ、それで今日はちょっとJob change roomを借りたいのですが」

「それなら村長-sanに在るぜ」

 Job change roomは主にguildの建物内に設置される施設だが、Jobに就くのは何もadventurerMageSoldierKnightだけではない。農村で働くFarmerHunterだって、【Farmer】や【Hunter】のJobに就くのだ。


 なので、小さな村には村長のJob change roomが設置される事が多い。


 Mage guildGuild Mastermansionに在ったwineセラーから、適当に貰って来たwineをお土産にして村長のに行き、Job change roomに入る。

 そして、Talosheimにあるものよりもずっと小さな水晶に触れる。


《選択可能Job 【Insect User】 【Archenemy】 【Zombie Maker】 【Tree Caster】 【Corpse Demon Commander】 【Disease Demon】 【Spirit Warrior】 【Whip Tongue Calamity】(NEW!) 【Vengeful Berserker】(NEW!) 【Dead Spirit Mage】(NEW!) 【Hell Healer】(NEW!) 【Labyrinth Creator】(NEW!) 【Demon King User】(NEW!) 【Demon Guider】(NEW!)》


「また一気に増えたー」

 もう一生Job change先には不自由しないかも知れない。いや、三千年から五千年寿命があるから、そこまでではないか。


 【Whip Tongue Calamity】は、「べんぜつか」と読むのか? maybetongueを使って戦っていたからだろう。

 【Vengeful Berserker】は、何だろう? 【Scream】や【Mind Encroachment】、【Grotesque Mind】等新しく獲得したskillに関係があるとは思うが。

 【Dead Spirit Mage】は、そのまま【Dead Spirit Magic】を扱うJobだろう。Princess Levia達の力をもっと引き出せるようになるかもしれない。

 【Hell Healer】は、maybeSurgery】や【Venom Secretion】のskillに補正がかかるのだろう。cultivation villageでした医療行為の結果出現したJobだろうか。

 【Labyrinth Creator】は、Dungeonを作ったから、【Demon King User】はsealedされていたDemon King's Bloodを飲んだからか。


 しかしDemon Guider】とは何だろう? Curseで未発見のJobにしか出現しないはずなのに、普通に出てきそうな名称のJobなのだが【Mage】とは違うのか? ……逆に怪しい。何かのTrapではないだろうか?


「とりあえず、【Labyrinth Creator】と【Demon King User】は一見してヤバさが伝わって来るので後回しにして……【Dead Spirit Mage】もかなり、でも【Demon Guider】は怪しい……っと、成ると【Insect User】と【Tree Caster】と【Spirit Warrior】と【Hell Healer】の中から選ぶか。

 ああ、adventurer登録出来ていれば気にする必要無かったのに」


 登録時にStatusを見られるため、見られたら拙いJobにはまだ就きたくない。それともMage guildGuild Masterを洗脳したついでに、Mage guildに登録するべきだったろうか? でもすぐ失脚する予定……ほぼ確実に斬首、良くても一生幽閉される人物の推薦で登録するのも後々面倒そうだし。


「じゃあ、【Insect User】にしよう」


《【Insect Binding Techniqueskillを獲得しました!》

《【Long-distance Control】、【Mana Control】、【Insect Binding Technique】、【Enhanced Body Part(爪tongue fangs)】skilllevelが上がりました!》




Name: Vandalieu

Race: Dhampir(Dark Elf)

Age: age

Title: Ghoul King】 【Eclipse King】 【Second Coming of the Demon King】 【Guardian of the Cultivation Villages】(NEW!) 【Taboo Name

Job: Insect User

Level:

Job History: Death-Attribute MageGolem TransmuterUndead TamerSoul BreakerVenom Fist User

Ability Values

Vitality: 344

Mana: 379,120,344

Strength: 188

Agility :251

Endurance :159

Intelligence :784



Passive skills

Mysterious Strength:4Lv

Rapid Healing:6Lv

Death-Attribute Magic:7Lv

Abnormal Condition Resistance:7Lv

Magic Resistance:4Lv

Dark Vision

Death-Attribute Charm:7Lv

Chant Revocation:4Lv

Strengthen Follower:8Lv

Automatic Mana Recovery:6Lv

Strengthen Subordinates:4Lv

Venom Secretion (Claws, Fangs, Tongue):4Lv

Enhanced Agility:2Lv

Body Expansion (Tongue):4Lv

Strengthened Attack Power while Unarmed : Small

Enhanced Body Part(爪tongue fangs):2Lv(UP!)


Active skills

Bloodwork:2Lv

-Surpass Limits-:6Lv

Golem Transmutation:7Lv(UP!)

No-Attribute Magic:5Lv

Mana Control:5Lv(UP!)

Spirit Form:7Lv

Carpentry:5Lv(UP!)

Engineering:4Lv(UP!)

Cooking:4Lv

Alchemy:4Lv

Unarmed Fighting Technique:5Lv

Soul Break:6Lv

Multi-Cast:5Lv

Long-distance Control:7Lv(UP!)

Surgery:3Lv

Parallel Thought Processing:5Lv

Materialization:4Lv

Coordination:3Lv

High-speed Thought Processing:3Lv

Commanding:2Lv

Farming:3Lv

Clothing Decoration:2Lv

Throwing Technique:3Lv

Scream:3Lv

Dead Spirit Magic:2Lv

Insect Binding Technique:2Lv(NEW!)


Unique skill

God Slayer:4Lv

Grotesque Mind:4Lv

Mind Encroachment:3Lv

Labyrinth Creation:4Lv


Curse

 Experience gained in previous life not carried over

 Cannot learn existing jobs

 Unable to gain experience independently



「【Insect Binding Technique】? 操じゃなくて装? まあ、後で検証するとして……じゃあ元Goblin Kingの集落でBorkus達を待ちましょうか。時間がかかるようなら、一度-sama子を見にSlaveまで飛んで行っても良いし」




Job解説:Venom Fist User


 -sama々な薬物の知識に精通し、自らの身でその効果を知っており、実際に作り出して使用し、また逆に解毒する事も出来、更に一定以上のAbility Valuesと【Unarmed Fighting Techniqueskillを2level以上で習得している者に出現するJob

 accurateな科学知識が必須であるため、現在のLambdaではVandalieu以外にこのJobに就ける者は存在しない。


 fangstongue、手足の爪から-sama々な薬物を分泌する事が出来る【Venom Secretionskillや、爪tongue fangsEnhanced (1)する【Enhanced Body Partskillを習得する事が出来る。また、【Unarmed Fighting Technique】等に補正がかかる、前衛寄りのJob

 Ability ValuesでもVitalityEnduranceAgilityincreaseしやすく、逆にManaIntelligenceの伸び幅は少ない。




Title explanation:Guardian of the Cultivation Villages


 開拓民を助け、難題を解決する等してその開拓地の九割前後の民に認められた場合得られるsecondary name

 このsecondary nameの所有者が関わる開拓事業は成功する可能性が高まる。また、関わった開拓地に危機が迫っている場合偶然居合わせる等して、対処する事が出来る可能性がある。


 効果が類似するsecondary nameに、開拓地のGoddess、開拓地のSavior等が存在する。


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