「害が無いのは分かったけど……どうするの? Dungeonみたいだけれど?」
「放置で」
『マジか? 中に潜ってみないのか?』
「ここは町から近いですから。中に入って出て来る時、調べに来たadventurerと鉢合わせたら面倒じゃないですか。
それに、それよりPrincess Leviaを探しに行かないと」
「それもそうね」
とりあえず、【Labyrinth Creation】skillの事は後で話そうと思うVandalieuだった。少なくとも、町の近くで検証できるskillでは無いし。
DhampirのchildがAdventurer’s Guildから何故か逃げ出すと言う小さな出来事があった翌日、Niarkiの町は何時も通りの日常の中に在った。
麻薬を買い求めるaddictsや、馴染みの娼館に行こうとした男達以外は概ね昨日と同じ「今日」の筈だった。
Daeneの人生は小さな不幸の連続で、ままならないものだった。父親がbody partを壊して彼女が働いてfamilyの生活を支えなければならず、父親が回復して働けるようになったらすぐに嫁に出された。
嫁いだ先では姑に奉公人の-samaにこき使われ、その姑が死んだらすぐに夫も死んでしまい、結局忙しさは変わらない。
息子に嫁が来てやっと楽が出来ると思ったら、息子は嫁と一緒に出て行くような、母親に楽をさせようって気の無い親不孝者に育ってしまっていた。言う事を聞くのはBAKANA甥っ子くらいだ。
(その後も良い事なんて何にも無かったねェ……リンゴ育てて、売って、その繰り返し……)
ずるりずるりと、足を引きずるような歩き方で、Daeneは群の先頭を歩いていた。
そしてあの日、市場で何時もの-samaにリンゴを売っていると金を持ってるガキが通ったのを見つけて――
(だけどねぇ……死んでからも続くなんて思いもしなかったよぉ……あのお方から、死んでから託されるなんて……きっとあたしの人生は、昨日死ぬためにあったんだろうねえ゛ぇぇ……あたしは、そのために生まれて来たんだぁ……)
生きていた時には味わえなかった充実感をDaeneは覚えていた。自分が、大きな存在の一部である事に誇らしさすら感じる。
暗く淀んだ居心地の良い通路から出ると、そこは森だった。見覚えのある森だ、Daene達が死んだ森だ。
ここを進めば、Niarkiの町に着く。こっちだと、Daeneは『同類』達を案内する。託された、価値ある使命を呟きながら。
「あ゛ぃ……ん……づを、ぉ……お゛ぜぇ……」
「ハイ……ヲ……コロセ……」
「Heinzをっ、殺せえ゛え゛え゛!」
昨日まで市場でリンゴを売っていたDaeneは、千を超えるUndeadの群れの一部となって進んだ。
昨日までただの森だった場所に突然Dungeonが発生、溢れ出たUndeadを主体としたmonstersの群れによるrunawayがNiarkiの町に迫るのだった。
『俺は、陽気なmercenaryサ~ン♪ 今日もウキウキドキドキ楽しいあ゛あ゛あぁ~♪』
そう歌いながらザックッザックと地面を鍬で耕し、堆肥を撒いて行く。
『え? 砕いた貝殻をもっと多くだって? 任せておきなよ、ハニイ゛ィィ♪』
【Green Wind Spear】のRileyが所有していた犯罪SlaveだったFlarkは、Monster Plantの指図に愛想良く従う。
Zombie化している彼の胸はドキドキもSuper Excitingもしないはずなのだが、何故かいつもこんな-sama子だ。真night中でも歌っているので、Zombie仲間にさえ若干引かれている。
因みに、目も口も無いMonster Plantの意思をFlarkが何故accurateに、そして素早く理解できるのかは謎だ。本人に聞いても、その都度答えが変わるので分からない。一番多い答えは、Fairy-sanの声が聞こえるから。
『おいっ、Flark! 畑の事はお前達に任せるぞ!』
そこに、whole bodyから怒気を放つUndead Giantがやって来る。彼等TalosheimのUndead Giant達は、これから奪われたchild達を奪い返すために、何かtacticsを始めるらしい。
tacticsの具体的な内容は知らされていなかった。しかし、Flarkには不満は無かった。
『MikoがMonster Plantの事はお前に任せろって言ったんだ、期待を裏切るなよ!』
『certainlyですよお゛ぉぉぉぉっ!』
何故ならVandalieuから彼は信用され、期待されているからだ。それだけで、疲れが吹き飛ぶのをFlarkは感じる。
Zombieだからoriginally Fatigueは覚えないのだが。
ルンタルンタとスキップしながら畑を回り、野菜を収穫し、トラクターGolemで麦を収穫して、Immortal Entの-sama子も見に行く。
『おやおや~♪』
Immortal Entの森には、昨日まで無かった複数の捻じ曲がった樹木で編まれた門が起っていた。
Dungeonが発生していた。何故か。
馬車のCouch Driving台に座り街道を進むKanataは、【Target Radar】で分かるVandalieuが居る場所に向かって少しずつ近付いてはいたが……しきりに首を傾げていた。
「あのUndead bastard、どんなtricks使いやがった?」
Radarのお蔭で、Vandalieuの位置は事細かに解る。単純な距離だけでは無く、Kanataから見た高低もaccurateに測れる。
それによると、昨night彼は上空三百meter前後を進んでいた。時計が無いのでaccurateではないが、移動した距離と時間から計算して、時速は六十から七十キロ。
それを何時間も続けて、night明けが近くなってから地上に降りたようだ。
accurateなmapも無いので予想でしかないが、場所はmaybeこのHartner Duchyの領都だろう。
問題なのは場所よりも、その移動手段だ。
「あいつのManaが一億以上ってバカみたいな量なのはKami-samaの情報にもあったが、あいつはDeath-Attribute Magicしか使えないはずだ。どうやって空を飛んだ? Flight機もヘリも無いこのworldで」
Kanataが持っている情報では、VandalieuはDeath-Attribute Magicしか使えないはずだった。そしてDeath-Attribute MagicについてKanataが知っているのは、Originに残っていた資料と、Rodcorteからの不完全な情報による知識だ。
そしてKanataはDeath-Attribute Magicをnameとは裏腹に医療分野に特化した、毒やdiseaseを防ぐ手段があれば十分対処できる、gameではキワモノ扱いされるような術系統だと分析していた。
その分析の中に、空を鳥の-samaにFlightして移動するmagicは存在しない。
「あいつは他のattributeの適性を受け取ってない。どんな手段で飛んだ? まさかFlight機を作りましたなんて言わないだろうな?」
そしてKanataが考えたのは、VandalieuがEarthでの知識を利用して乗り物を作ったのではないかと言うconjectureだったが、やはり無理があるように思えた。
Kanataも軍で-sama々な訓練を受けて、高い技術を身に着けた男だ。その気になれば材料を集めてGlaiderや、magicを応用すれば熱気球だって作り出せるだろう。
しかし滑空しか出来ないGlaiderであの距離をあのSpeedで移動するのは不可能だろうし、熱気球は論外だ。
ならFlight機かと思うが、それは知識があっても無理だろうとKanataでも分かる。
いや、机上では可能なのかもしれないが……screwの一本どころか工具から全て手作りし、設計して組み立てる必要がある。余程の航空機オタクならプロペラ機を年単位の時間をかけて製作する事が可能かもしれないが、Amamiya Hirotoだった頃から彼が航空オタクだったとは思えない。
「あ、そう言えばここはfantasyなworldだったよな。ただの原始時代じゃなくて。Kami-samaもDragonがどうとかって言ってたし。人を乗せて飛べるMonsterか、Undeadでも手懐けたのかもしれないな。
なあ、どう思う?」
carriageを振り返ったKanataが話しかけたのは、半裸のまま転がっている女達だった。
商人の馬車を奪った後、Kanataは町で食料と装備を整えた。とは言っても、得体の知れないMonsterの皮製だと言うleather Armorを着る気には成れなかったし、金属鎧なんて重い物を見る気にも成らなかったので、結局Defense Equipmentは靴と獣の皮製の手袋を買ったくらいだ。
代わりにWeapon EquipmentはUndead対策に銀がコーティングされたknifeや、弓矢等を購入。magicの媒体として役に立つ杖も、短いのを買った。Originなら指輪型や手袋型、腕に埋め込むインPlant型があったのにとぼやきつつ。
あと、crossbowも欲しかったのだがそれはこのHartner Duchyでは身分証が無いと買えないらしいので、諦めた。
後は美味い飯と清潔なベッドで英気を養おうと思ったが、Lambdaの人口数万程度の都市ではKanataのdemandする旨い飯やベッドは無かった。
Monsterの肉なんてゲテモノ、とても食べる気には成れない。
なら女だと、色街に向かったKanataだったが出されたProstituteは、BeastmenやDwarf、Giant raceのProstituteだった。
「このworldにはゲテモノしか居ないのかよ」
たまたまHumanのProstituteが空いていなかったらしいが、金を払ってゲテモノを買う趣味は無いとKanataは色街を後にした。
そして翌日、町を出る前にAdventurer’s Guildが偶然目に入ったので、Rodcorteの言葉を思い出し、登録してみる事にした。登録すれば、crossbowも買う事が出来るだろうと思って。
すると、途中までは上手くいっていた。Elfの受付嬢を見て、「そう言えばあの指輪の映画、完結編を見損ねたままだな」とくだらない事を考える余裕もあった。
だが、気がつくとSoldierとadventurerに囲まれていた。
どうやら、Kanataが売りさばいた略奪品の中にあの商人しか取り扱っていない商品が含まれていたようで、そこから足がついたらしい。
話を聞かせて貰うぞと凄むSoldierに、Kanataは「炎」と呟いた後、自分を中心にFire-Attributeの攻撃magicをActivate。ただのmountain banditだろうと思い込んでいたSoldierやadventurer、運の悪い受付嬢が火ダルマに成る中、【Gungnir】で建物や地面、城壁を透過して逃亡した。
今頃町ではまだKanataが内部に居ると思い込んで、無駄な捜査網が敷かれている事だろう。
そしてKanataは街道を進み、再び商人の馬車を襲って強奪したのだった。
女達は、その商人の護衛をしていたadventurerだ。
「Adventurer’s Guildじゃ、ちょっと驚いたけど結局大したことねーな。俺も腐ってもBraversの一人だし、これくらい当然か」
そう言うKanataのAbility ValuesはDClass、skillはCClass、そしてmagicではBClassからAClass並程度で、決して無敵では無い。【Gungnir】が無ければ……いや、あっても逃げずに町で暴れ続けていれば、最終的にはManaが底を着くと同時にCClass adventurerやKnight達の前に敗北していただろう。
彼はMartial Artsも、No-Attribute Magicも、-sama々なskillの効果も知らないのだから。
「ところで、返事はねーの? って、そう言えば殺したんだっけ。いや、そっちの女は殺した覚えが無いんだけど……あ、抵抗しない-samaに四肢の腱を切った時に止bloodが甘かったか」
Kanataが一通り楽しんだ女adventurer達は、全員事切れていた。BeastmenやDwarfの女も、タダならそれなりに楽しむ事が出来た。
Kanataが既に危険な犯罪者として手配されているのは確実だ。何せAdventurer’s Guild内で高度なFire-Attribute Magicを放ち、大量の犠牲者を出したのだ。guildはメンツにかけて、Soldier達より熱心に彼を狩り出す筈だ。彼が【Gungnir】を駆使しても、数年以内に捕まるか殺されるだろう。
だと言うのに、何故Kanataはこんな振る舞いが出来るのか。罪悪感も罰せられるhorrorも覚えずに、無思慮な狼藉を働けるのか。
それはKanataがTeleportation者にきわめて近いReincarnatorで、更に三度目の人生に何の価値も見出していないからだ。
以前Vandalieuは、Amemiya Hiroto達がLambdaに来ても親から生まれてくるReincarnator故に、自分に社会的名声があれば簡単には手を出さないだろうと考えた。それはAmemiya Hiroto達がLambdaにreincarnationした時、彼らにはLambdaでのfamilyや友人、拠り所になる社会が存在し、そしてReincarnatorは死ぬまでLambdaで生きるしか無い。無茶な事をすれば自分の首を絞めるだけであり、更にLambdaでのfamilyや友人、loverにまでその累が及びかねないからだ。
だが、another worldから直接やって来るTeleportation者には、Lambdaに一切のしがらみが存在しない。極論を言えば、ventで罪も無い人々を殺そうが、金が無いからと強盗を働こうが、気晴らしに女を強姦した挙句に殺したって、自分一人だけ逃げられるなら全く構わない。
捕まって処罰されても、誰にも迷惑を……迷惑をかけたくないと思う相手がanother worldに一人も存在しないので、迷惑をかけない。
Kanataはaccurateには生まれ変わったReincarnatorだが、前世と同じageのBodyを与えられてLambdaに来ている。実際にはTeleportation者と変わらない。
そのため、Reincarnatorがchildからやり直す事で自然と学ぶこのworldの常識や倫理観も知らない。そしてこのworldの住人も自分と同じHumanなのだと――良い意味でも悪い意味でも――解るものだが、Kanataにはそれも無い。そしてそれを学ぶつもりも無かった。
何よりKanataにとってこのLambdaでの三度目の生は、四度目への人生の繋ぎでしかない。そして彼はこのworldの人々を舐めきっていた。EarthやOriginよりも劣ったworldに生息する、原始人だと。
いや、同じ生物だと思っていないかもしれない。Statusだのskillだの、ElfだのBeastmenだのDwarfだのと、彼にはLambdaがとてもリアルなgameのように感じられ、現実だとは思えなかったからだ。
「とりあえずこのまま都に向かうとして、また飛んで何処かに行ったりしないだろうな? 泳がしてMountain Rangeを越える手段が何なのか探るって言うのは、面倒だしな」
Rodcorteの情報は穴だらけなので、Vandalieuの本拠地がMountain Rangeの向こうに在るのはKanataも知っているが、どうやってMountain Rangeを越えたのか、そして本拠地その物の情報をKanataは知らなかった。
「まあ、【Destiny】とやらがあるなら殺せるだろ。あ、その前にこの馬車と死体を処分しないとな」
夏の暑い太陽の下でHartner Duchyの領都、Ninelandの市場は活気に満ちていた。
内陸に領が位置する事から、海産物は干物や塩漬けや酢漬けの物が殆どでtransportationにmagic itemが必須である新鮮な生魚は少ししかないが、それ以外の産物は品揃えが豊かだ。
「その香辛料、初めて見るわね」
「ええ、この国の特産品ですから! 他のDuchyじゃ売ってませんぜ」
鼻の下を伸ばしている店主に、Eleonoraは「じゃあ、貰えるかしら」と微笑む。
「へいっ! 毎度っ。でも粉にしてある方が良くありませんか?」
「いいのよ、実の方で頂戴」
「初めてなのに通だねぇ。ハイよっ」
香辛料の袋を受け取ったEleonoraは、他の店に向かう。
「そこの別嬪-san、ちょっと見て行かないかい?」
声をかけて来るaccessory商には、目もくれない。彼女がVandalieuから頼まれたのは、香辛料や野菜、果物の収集だからだ。
「フフフ、Vandalieu -samaのmagicによってお前達は自慢の特産物を失うのよ」
Death-Attribute Magicなら、栽培が難しい植物の死を遠ざける事が出来る。流石に水は必要だが、高山植物を砂漠で育てる事も可能だ。ただOriginでは生息させる事は出来ても、花を咲かせFruitを実らせる事は難しかった。
しかし、LambdaではOriginよりも容易く生物が変異する。Talosheimに植えれば、Monster PlantやImmortal Entに変異し、実を作ってくれるに違いない。
Eleonoraが抱える買い物袋がVandalieuの手に渡り、Talosheimに持ち込まれた時、Hartner Duchyは産業的な強みを失うのだ!
……それが意味を持つのは、Talosheimが他のDuchyと交易を始めてからだが。
Eleonora自身、実は自分がしている事が現実になったとしてどれくらいHartner Duchyを苦しめるのか、あまり解っていない。
「言っていて少し虚しいわね。Vandalieu -samaの事だから、『災禍』をもたらすと言った以上-chanと『災禍』を引き起こす筈だけど」
通常なら歩きで平均一か月かかる道のりを、VandalieuのSpirit Formの翼により一晩で移動してきたEleonora達は、数日前にNiarkiの町で発生したmonstersのrunawayに付いて何も知らなかった。
「さて、次は……その果物、初めて見るわね」
「お嬢-san、旅の人かい? この果物はこのDuchyの特産品でね、ここでしか栽培されて無いんだぜ。郷土の誇りって奴さ」
「そう、じゃあ頂こうかしら」
「やはり、このDuchyの社会は俺を排斥している」
「ソウ、デス、カノゥ」
「そうですよ」
「ソウ、デス、カ」
白目を剥いたままカクカクと動くMage guildのGuild Master相手に、Vandalieuは限りなく一人芝居に近い会話を交わしていた。
何故Mage guildのGuild Masterが廃人と化しているのかと言うと、彼がPure-breed Vampireと繋がるシンパだったからだ。
Niarkiの町でUndead TransformationしたVampireからその情報を聞いていたVandalieu達は、Ninelandに着いた早朝に、そのままGuild Masterを襲撃したのだ。
Ninelandに着いた途端に寄って来た数え切れない霊からGuild Masterが今何処に居るのかを聞き。mansionを強襲。
mansionの建物に沿う-samaに変形させた【Magic Absorption Barrier】で覆い、そのまま倒したのである。magicが使えれば強敵だっただろうが、【Magic Absorption Barrier】の中ではMage guildのMasterと言えどただの老人だ。まあ、建物一杯のBarrierを張るために、Spirit Formの翼で長距離を移動してきたVandalieuのManaも尽きたのだが。
magicが使えないMageや護衛の用心棒達は、BragaやZran、Eleonoraが物理で倒してくれた。
その後、強情な上に【毒物Resistance】を持っていたGuild Masterの説得に苦慮したVandalieuは、【Mind Encroachment】skillを使用してみる事にした。
とは言っても、ちょっと頭の数を増やしてGuild Masterと正面から見つめ合いながら、左右の耳に囁き続けただけだ。ほんの一時間ほど。
結果、廃人になってしまった。情報を聞き出した後は、普通に殺すだけで良いかと思っていたのに。
「まあ、Terneciaから禁術の知識を得る代わりに色々やっていたから、同情はしませんけど」
「スミ、マ、セン、ノゥ」
「うーん、【Mind Encroachment】skillは強力だけど加減が難しいか。-chanと練習しないと」
accurateにはskillの特性では無く、敵と定めた存在に容赦が無いVandalieu自身の性格によるものが大きいのだが。
「お蔭で禁書庫に入れたから良いですけどね」
【Spirit Form Transformation】でwhole bodyをSpirit FormにしたVandalieuは、Guild Masterに【Possession】する事で、廃人になった彼のBodyを操ってMage guildの禁じられた領域に入り込むことに成功した。
【Possession】は最近開発したDeath-Attribute Magicだが、乗り移ると言うよりbody partに相乗りするだけで、普通ならBodyの主導権を奪うような事は出来ない。しかし、MentalがDecayして廃人と化しているHumanのBodyだけは自由に操作する事が出来た。
お蔭で禁断の知識のバーゲンセールconditionである。
「まあ、今すぐ役立つ知識は無さそうですけど」
『あ、Homunculusの作り方発見。でもEvil God (M)かEvil God (P)と契約する事が前提みたい』
『他人の心を操る術……手順が面倒で【Mind Encroachment】skillが有れば必要無いですね』
『こっちの毒は……俺が作る毒の下位互換じゃないですか。しかも無駄にcostが高いし』
しかし、禁断の知識だからと言って全てが役立つ訳では無い。その多くがVandalieuにとって既に出来る事か、既に出来る事の下位互換だった。
originally Death-Attribute Magicその物が世間一般の基準では禁術扱いになるmagicが多いので、仕方ない事なのだろうが。
「でもmagicで人為的にmonstersのVariantを創り出す事も禁術扱いだったなんて……Talosheimで俺がやっている事がばれたら捕まるのでは?」
『いや、Mage guildに所属しなければ大丈夫か。まあ、出来ないだけですけど』
『各guildの門戸の狭さと言ったら……嘆かわしい』
Adventurer’s Guildは、当然Niarkiの町と同-sama。
Mage guildは入会に師Artisanの同意か、導師以上の会員及びNobleからの推薦状が必要。もしくは、magic学校の卒業資格。
職能guildは、師Artisanや親方に付いて働いている労働実態。
商業guildは、商売を行う準備が出来ている事と入会金。
Tamer guildは、他の会員に師事している、若しくは推薦がある、実際にmonstersをTamerしている事をguild職員に証明する事。
nameに細かい違いはあるが、それぞれ登録に必要な物は同じだ。
この中で今登録できそうなのはTamer guildぐらいだが、Tamerしているmonstersを見せるにしてもNoble-born VampireのEleonoraだとNinelandにまだ存在するPure-breed Vampireの手の者に気が付かれるし、Zombie ninja(Giant race)のZranやBlack GoblinのBraga達だと、大騒ぎになりかねない。
適当にGolemを作って見せる手もあるが、それだとただの【Alchemy】だろうと言われるかもしれない。
「やっぱり、ほとぼりが冷めた頃にここ以外のAdventurer’s Guildに登録するのが現実的か。Tamer guildや商業guildに登録するのは、それから考えましょう」
『じゃあ、そろそろ撤収しましょうか』
Cloneして禁書庫の書物を調べていたVandalieuは、自分達にとって価値がありそうな禁書や呪われた品々を纏めると、持ち出すための準備を始めた。
既にMage guild内のPure-breed Vampireのシンパの内、高位の者は【Mind Encroachment】の練習台で廃人と化している。
Guild Masterに【Possession】したまま、話があると一人ずつ誘い出し、二人きりに成った所で内緒話を切り出す-samaに口元を耳に寄せ、【Possession】を解き耳の穴に細く伸ばしたtongueをthrust入れて毒を流してやったらすぐ捕まえられた。
その後は廃人に成るまで【Mind Encroachment】である。
「Mageって、Emotionalに強いimageがあったんですけどね」
彼らに命じれば、禁書庫から禁術書や呪われた品を持ち出す事は難しくない。何せ、お偉い-sanばかりだし。
「やっと地下墓地の位置が分かったので、tonight中にtunnelを掘り始めましょうか」