Amid Empireの南に位置する属国の一つ、Sea Nation Kallahadの港町。
その港町にある場末の酒場の-samaなこの場所が、 Bahn Gaia continent西側唯一のSClass adventurer【Thunderclap】のSchneiderの拠点だった。
SClass adventurerが拠点として利用するには相応しくない-samaに見えるが、彼は「客」として利用しているのではない。建物ごと買い取って、オーナーとして利用しているのである。
そんな酒場の奥まった席で、四人の男が向かい合っていた。
席に座っているのはその内二人。一人は、顔に向かい傷を幾つも刻んだ精悍な三十代程の男で、服の上からもBodyが鍛え上げられている事が分かる。そして背後には、見るからに荒事に慣れていそうな男が二人、立ったまま控えている。
それに対する男は、長身の二十代前半から半ば程に見える銀髪の男だ。
よく見れば整った女顔といえる顔立ちをしていたが、その印象が薄くなるほどそのBodyはmuscleで引き締められ、野性的な雰囲気を纏っている。
野生の大型肉食動物を美しさと凶暴さをそのままに擬人化したら、こうなるかもしれない。そんな男だ。
「それで、Marme Dukeの使者だとか?」
そしてこの男こそが、【Thunderclap】のSchneiderだった。彼は足を組んでふんぞり返り、Amid EmpireのDukeからの使いに続きを話すよう促す。
「そうだ。貴-donoには、 Bahn Gaia continent南部の調査を依頼したい」
そう答える男の額には汗が滲んでいた。男自身もNobleの端くれである以上、本来ならSchneiderの不遜な態度を叱責するべきなのだが、彼は絶対にそんな事はしない。
何故なら、Schneiderは『強い』という特権を持っているからだ。
そしてEven now、Schneiderの逆scaleに触れたNobleが複数人葬られている。
中には、何の工夫も工作も無く公の場で真正面から殴り殺された法衣Earlも存在した。
だが、Schneiderは何の処罰も受けていない。いや、普通なら処罰に値する死亡前提の依頼を強制的に受けさせられたのだが……難無く達成してあっさり戻って来たのだ。
そして現Emperor Mashkzarは、その結果を認めるとSchneiderを無罪放免に、逆に殴り殺されたEarlの家を取り潰した。
Emperorはidiot NobleよりもSchneiderの方が重要であると公言した瞬間であった。
「調査、ねぇ? そいつはどれくらいの期間、どんな事を調べりゃあいいんだ? ただ調べるだけで良いなら、行って帰ってきて『Continent南部を調べてきました』って一言言えば終わりだぜ、使者-sanよ」
実際には、Continent南部はただ行って帰って来るだけでも生半可な腕ではmonstersの餌にしかなれないのだが。
Boundary Mountain Rangeを越えるのはcertainly、ここKallahadから海路で向かっても途中にはDevil Nestsと化した海、Demon Seasが幾つも存在し、KrakenやシーDragon等の大型船を沈没させてしまう大型のmonstersがうようよしている。
だからSchneiderが口にした調査に成っていない調査でも、達成できたら歴史に名が残る大偉業なのだ。
「……あるDhampirを始末して来て欲しい」
しかし男を遣わしたMarme DukeがSchneiderに真に依頼したい事は、調査では無くVandalieuの抹殺だった。
Mashkzarのyounger cousinであるMarme Dukeは、敬虔なAldaのbelieverであり自身もHonorary Cardinalの位を持っている。
その彼にとって、先の遠征の結果Bormack Gordan High PriestがUndead Transformationさせられ、monstersの一員として町を襲撃した事件は、早急に対処すべき問題だった。
「ほぅ? 詳しく聞かせてもらおうか。Lissana、長い話になる。飲み物を」
「はーいっ♪」
Dancerのような扇情的な恰好をしたElfの女が、ポットとカップを持ってくる。控えている男達はLissanaと呼ばれた彼女のほぼ露わになっている脚や、揺れる胸に視線を這わせるのに耐えるが、使者の男は思わず口を開いた。
「Schneider -donoっ」
「ああ、悪いが酒は遠慮してくれ。健康のために禁酒中なんでね」
「いや、そうでは無くこれは内密の話なのだ。出来れば人ば――」
使者の男は、言葉を続ける事が出来なくなってしまった。
Schneiderの眼光に射すくめられて、tongueが動かなくなってしまったからだ。
「お前、-chanとguildで調べて来たのか? Lissanaは俺のparty memberだ。それを信用できねぇってんならとっとと失せな。それとも、俺が手伝ってやろうか?」
「い、いやっ! やめてくれ! 失言だった! Lissana嬢、謹んで謝罪申し上げる! どうか許してくれっ!」
使者の男はwhole body全霊の力を振り絞って謝罪した。ここで謝罪するのが遅れると、Schneiderに頭を掴み上げられ外に向かって放り投げられるfeather目になる。Empireでは【Person Launcher】のsecondary nameは有名だ。
「いいわよ、私は気にしてないから」
そして何時もの事なのか、Lissanaは気にした-sama子も無く並べたカップにお茶を注いでいく。
「それで、話って言うのは?」
すると、何事も無かったかのようにbloodthirstが消えた。男達は乾いた喉をpsychological理由で味も香りも感じないお茶で潤し、何とか話を続けた。
Marme Dukeが態々Dhampirの討伐をSchneiderに依頼する理由は、Alda templeの威信に傷をつけた存在を看過できないと言うpride以外にも、Undeadを何らかの方法で数千体もTamerできる危険な存在を放置できないと言った、如何にもありそうな理由だった。
それで何故Schneiderに依頼するのかというと、標的のDhampirが居るContinent南部が生半可な腕では辿りつく事が出来ない人跡未踏のDevil Nestsである事と、何よりUndeadをTamer出来るらしいからだ。
数に任せて大勢を派遣してしまうと、死んだ者からDhampirの側に寝返ってしまう可能性がある。数千人の遠征軍がUndead Transformationして戻ってきたことを考えると、ほぼ確実だろう。
つまり、派遣するにしても一騎当千の者を少人数集めるのが望ましい。
「それで俺、ね」
「そうだ。それに、これには確実ではないがAlda神からのOracleも関係している」
「Oracle? ああ、『diseaseに備えろ』だったか」
つい先日発表されたそのOracleは、Vandalieuが遠征軍をDiseaseで行動不能にすると言う手口をbeliever達の【record】で見たAldaが下した物だったが……Slightly真意は汲み取られていなかった。
ただ、Mage guildでDiseaseを専門に研究するMageに追加予算が下りたり、Cleric-warrior達が【Disease Resistance】skillを獲得しようと試みたりと、全く無意味では無かったが。
「いや、そっちでは無く一つ前の方だ」
「Demon Kingがどうたらって奴か……それがDhampirだって?」
「Marme Dukeはそう考えている」
「へぇ……」
カップを持ったまま考え込んだ-sama子のSchneiderに、脈ありと思った使者の男が畳みかける。
「Schneider -donoは、Alda神にその身を案じられるほどの方。興味はあると思うのだが。
それに、依頼料は弾む。Dukeからは一億Amidと、DuchyやAmid templeの女を十人まで連れて行っていいとの言葉を頂いている。
無論、依頼の過程で得た物は形のあるnoneに関わらずSchneider -donoの物だ」
この報酬を聞けば、Schneiderが対外的にどう思われているか分かるだろう。
God of Law and Life Aldaに深く愛されているが、金と女が好きな俗物と言うのが、Nobleたちが持つ彼のimageだ。
「いや、断る」
だが返事は拒絶だった。
「な、何故だ!? Pope -samaも受けてくれるのなら修道院から好きなだけ連れて行け、female Priestでも欲しいなら即還俗させるとまで言っているのだぞっ、どうか考え直してくれ!」
表に出たら凄まじいscandalに成る事を口走っているが、それを気にしているのは「コラコラ……」と思わず呟くLissanaぐらいだ。
実は、Aldaは「法律と秩序を守れ」と教えている関係で禁欲的な教えを説く神だと思われがちだが、実際には「法律と秩序を守っていれば、他は別に良い」と言う教えでもある。
なので「これも秩序の為」「法律で定められているから」といった免罪符が昨今のGrand Temple上層部では蔓延しているのが、現実だった。
生前のGordan High PriestがCardinalの椅子を蹴って現場に拘り続けたのも、そんな上層部を嫌ったからと言う理由があった。
「いや、別に報酬に不満がある訳じゃねぇよ」
「では何故!?」
「……最近冷え性が酷くなってな」
理由を聞くと、何故かSchneiderはそう言いながら自分の手を広げて見せた。
「今は夏だが、これから秋ですぐに冬になるだろ。Mountain Range超えるにしても海路を進むにしても冷えそうじゃねぇか」
「……ま、まさかそれが理由で、断ると?」
chinをガクンと落す男達に、Schneiderは心外だと顔を顰める。
「お前等なぁ、俺はこう見えても衰え盛りの五十代だぜ。いいageした爺が、冷え症に悩んでるからってそんな顔する奴があるかよ」
実はSchneiderのageは五十をとっくに超えていた。見た目は二十代にしか見えないが、Adventurer’s Guildに登録したのは四十年以上前の事で、recordにも残っている。
guild CardでStatusを表示してもそう出るので疑いようも無い。
それなのにどう見ても二十代の鍛え上げられた強靭なBodyを維持しているのには、-sama々な噂がある。
あまりにも大量の竜種や龍を討伐してそのbloodを浴びてきたために、Unaging不死に成ったのだという噂。
実は彼のLoverの中にLove-makingの達人がおり、彼女のお蔭で若さを維持しているのだと言う噂。
中には、倒したはずのEvil God (M)と実は契約を交わして若さを手に入れたと言う中傷半分の噂も存在する。
だが、本人に聞いても「ただ若く見えるだけ」としか答えず、しかもこうして事あるごとに年寄りぶると言う厄介な男だった。
「テメェの目にはこの総白髪が見えねぇのか? ふぅ、昔は金髪だったってのによぉ……」
そう言いながらSchneiderはプラチナブロンド、本人が言うには白髪を抓んで見せる。実際昔は金髪だったと言う証言があるのだが、艶々で豊かなため彼以外誰も白髪だと思っている者はいない。
「シュナ、もう同じ事で十年は嘆いてるわよ?」
「ああ、十年前にはもう総白髪だったんだよ」
「……ダメだ、こりゃ」
Schneiderを愛称で呼ぶLissanaも肩を竦めて匙を投げる。
「そう言う訳だ。悪いが帰ってくれ。Marme Dukeには、老後の心配で忙しいから断るって言っといてくれ」
「わ、分かった……では、失礼する」
ふらりと、使者の男達は酒場から出て行った。依頼を断る理由としては、絶対納得できなかったが、だからといって彼らに出来る事は無い。
龍やEvil God (M)を倒すような超人に何かできるような武力がある筈がなく、脅迫などしようものなら破滅するのは自分達、下手をするとMarme Duke本人がどうにかされてしまう。Emperorは反対勢力のyounger cousinを守るために動く事は無い。
なので、彼らは「断られました」と言う報告だけを持って去るのだった。
「さて、今の話如何思う?」
そうSchneiderが言うと、先程までsignを消して背景のように存在感が無かった者達が口を開く。
「そうですな……Alda神がどうこうというよりも、Popeが焦っているように思えましたな」
「でも問題無いでしょう? あのヘボが幾ら騒いでも意味無いだろうし、あのEmperorなら騒ぎ過ぎだと思ったらPopeでも消すだろうし」
「それだと逆に困るよ。次のPopeが有能だったらどうするのさ」
「確かに」
クククと笑い合う。SchneiderとLissanaの周りに集まったのは、一見すると美人だったり凄味が有ったりする事を除けば、ただのバーテンやwaitress、酒を飲んでwaitress相手に管を巻いていた酔っぱらいだ。
だが実際は、全員がある秘密を共有している。
「しかし、随分と見込まれたもんだな……ヒック。Continent南部に行って来いとは、俺だったら絶対嫌だね」
そう言うmohawkの酔っぱらいは、実はDark Elfだ。特殊なmagic itemで長い耳を隠しているため、ただの褐色の肌をしたmuscleダルマに見えるが。
彼の名はDark Elfの大部族のWarrior、Dalton。
「飲み過ぎだぜ、Dalton。茶を飲め、茶を」
「ケェっ、色のついた水なんか飲めるかよ! それに、文句はこんな美味い酒を出すZodに言えよ」
「これは申し訳ありませんでした」
そう笑うのは、痩身とChobi mustache以外特徴の無いバーテン。だが、その正体を知れば大抵の者はscreechを上げて逃げ出すだろう。
彼のreal nameはZorcodrio。Pure-breed Vampireである。
「どうぞ、お代わりです」
「お、ありがとよっ。くぅ~っ、うめぇっ!」
「ちょっと、飲ませ過ぎじゃないの?」
そう言うLissanaに、Zodは小声で答えた。
「あれはミントで香りを付けた水です」
確かに、彼はDaltonに渡す時「酒です」とは言ってない。中身が水でも、お代わりには違いない。
「健康問題はin any case、気になるのはそのDhampirだよね」
話題をそう言って戻したのは、DwarfのwaitressでMeldin。彼女は普通のDwarfである。
本業はwaitressでは無く、AClass adventurerだが。
「ヘボPopeのOracleはin any case、Demon Kingと関係あるのなら私も無関係じゃいられないし。万が一Demon King -samaがrevivedら、私今度こそ滅ぼされちゃうかも」
そう言いながら、Lissanaの姿がすっと変化した。
白かった肌は青黒く、広い額には縦に亀裂が入ったかと思うと第三の目が開き、赤いtongueが蛍光色のpinkになって豊かな胸まで伸びる。
「おい、姿が戻ってるぜ」
「ごめんごめん、昔を思い出したらつい」
テヘっと笑いつつtongueを口の中に引っ込めると、元のElfの姿に戻るLissana。
彼女は、guild Cardにもある通りElfのfemaleだ。
【Evil God of Degeneration and Intoxication】Jurizanapipeが受肉したと言う前置きが、多くの場合省略されるが。
彼女こそが【Thunderclap】のSchneiderが倒したとされるEvil God (M)である。
「それでどうするの、シュナ? 討伐は断ったみたいだけど、会いに行くの?」
「行きたいところだが……そうもいかねぇだろ。こっちもこっちで、やる事が多い。それに、Marme Dukeはin any case、今のEmperorは俺の正体に気がついてる」
Schneider。彼は間違いなくHumanのmaleだ。VampireでもEvil God (M)でもVida's New Racesでも無い。
ただ、Vidaのbelieverであるだけだ。
「あのEmperor陛下は俺が敬虔なAlda believerじゃないって、とっくに見抜いている。Popeが発表した『俺が危険だ』ってOracleが、本当は『俺が危険人物だから注意しろ』って意味だと解ってんだよ」
過去、Schneiderは何度かPopeから「Oracleを受けた」と危険を預言された事があるが、実際は何の事は無い。AldaがSchneiderは危険人物だとPopeに警告していたのだ。
Oracleの意味を全て理解する事の難しさはSchneiderも知っているので、あえてヘボとは言わないが。
Schneiderは、人の身である故にCircle of Reincarnation system等のGodsの事情は知らない。知らないが、childの頃からAldaの教えに疑問を持っていた。
何故苛烈なほどVida's New Racesを嫌うのか、理解できなかった。それはadventurerに成り、実際にVida's New Racesの一つ、Lamiaと遭遇した時確信に変わった。
Aldaは、間違っている。
……単に、遅い初恋の相手がLamiaの美女だっただけかもしれない。
そう確信した切掛けはin any case、Lamia達と接し彼女達の集落で過ごす内にそれは揺るぎないものになった。
しかし、もしかしたらこのLamia達だけが特別なのかもしれないと思い、他のVida's New Racesにも接触した。
そしてSchneiderはAldaでは無くVidaを選んだ。
その上で彼は本心を隠し、己を鍛えながらadventurerとして実績を積んだ。Vidaへの信仰、そしてある程度Vida's New Racesの存在を認めるOrbaum Elective Kingdomに渡ると言う選択肢もあったが、彼にとってそれは愚行だったからだ。
Orbaum Elective Kingdomに逃げたら、今Amid Empireで苦しむVida's New Races達の力に成れない。
Amid Empireに居るからこそ出来る事がある。平民出身のadventurer一人が出来る事なんて、大した事ではないだろうが、それで一人でも多く助けられたら十分だ。
そう思っていたら何時の間にかSClassになっていた。
人生とは何があるか分からないものだ。
「まあ、Lissanaの事には気がついてないだろうが」
「でしょうね。なんでかしら、皆気がつかないのよね。Evil God (M)やEvil God (P)の中には、私みたいにChampion側に寝返ったのがいるって」
Mythでは、Demon Kingを恐れるあまり投降し寝返ったGodsやgiant、龍の存在が記されている。しかし、記されていないだけでDemon Kingを裏切ってLambda worldのGodsやChampionと共に戦ったEvil God (M)やEvil God (P)もそれなりに存在した。
彼らは確かにEvil God (M) Evil God (P)と呼ばれているし、このworldの価値観から見れば忌まわしく邪悪な力を持っている。
だが別に悪の化身である訳ではないのだ。
Champion Zakkartは、Demon King達の事を『another worldからの侵略者』と呼んでいるが、その呼称こそが真実だった。
Lambda worldの住人から見れば、Demon Kingとの戦いはworldを守るための聖戦だっただろう。しかし、客観的に見ればただの侵略者対原住民の戦争だったのだ。
certainly、another worldに来て「どうか移住させてください」と助けを請い、現地の倫理や価値観、mannerを学んで上手く順応し、同化する事を選ばなかったDemon King達が悪くない、罪は無いとかそんな訳は無いのだが。
しかし、「いきなり戦争仕掛けるって何なの? ちょっとついて行けないんですけどー?」っと、思いながらもDemon Kingが怖くて仕方なく従っている者も存在した。
その一柱が【Evil God of Degeneration and Intoxication】ヂュリザーナピぺである。
そしてZakkartが彼女達を説得し、Champion陣営に寝返らせた。
そうした寝返り組の元Evil God (M)達はその後、AldaとVidaの戦いでは当然蘇ったZakkartが居るVidaの側について戦った。
そして思いっきりAldaやBellwoodにやられ、かなり力を減じられてsealedされるか、当時のBodyを捨てて逃げるように受肉するfeather目になったのだ。
そして、originally寝返り組を認める事に反対していたが戦略上仕方がないと渋々妥協していたBellwood主導で、歴史の闇に葬られたのだった。
「Emperorは俺がContinent南部に向かえば、いよいよVida's FactionのPure-breed Vampireと接触するつもりかと思って動き出すだろ。
今は俺がまだEmpireにとって有用だから泳がせているが、Empireの害になると見てとったら厄介な事になる」
Evil God Slayer(本当の意味はLady Killerと同じだが)のSClass adventurerと言えど、Empireは一人で倒せるほど小さくない。AClass adventurer並の親衛隊や、Schneiderでも軽くは倒せない隠し戦力の十や二十は抱えているはずだ。
「それに、俺もOracleを受けているからな。それに従っとくさ」
「Oracleって、あれか? 母子を助けろって……」
あのOracleを受けたのは、十年以上前だった。初めてOracleを受けたSchneiderは驚き、自分の頭の中に入って来た膨大な情報と意思が混じった暗号文の-samaなものを解読して、何とか理解できたのが、Daltonが口にした内容だった。
accurateには「盾となって母を助けbloodから子を救え、だが峰と海を越えずに」と言う物だった。
「あれなら、もう果たしたはずじゃないか。それこそ何組も母子を助けたし、そのお蔭でsealedされていたZodを見つけられたんだし」
「ええ、あの時は助かりました」
Oracleの意味を「今居る Bahn Gaia continent西側で、身を挺して母子を救え」と言うものだと考えたSchneiderは、Meldinの言う通り何組もの母子を救った。単純にmountain banditから助けた時もあれば、結果的にPure-breed VampireのZodのsealedを解くような大Adventureにdevelopmentした事もある。
certainly他に解釈があるのではないかと、Schneider自身の生まれ故郷にsleeps母親の墓を訪ねてみたり、もしかして自分の身の回りの女の内誰かが妊娠していて、その女に迫っている危機を警告しているのではないかと探したりした。
結果、LamiaやScyllaやArachneやCentaurやMerfolkに把握していなかった実の子が存在した事が判明し、Daltonに「いや、男としてそれってどうよ?」と言われ、「あんときゃ俺も若かったんだよ!」と逆切れするfeather目になった。
そんな笑い話もあったが、OracleはSchneiderにZodのsealedを解かせるためだったと言う解釈に落ち着いていた。
だが、先程Marme Dukeの使いから持ちかけられた話で、Schneiderは自分が失敗した事に気がついた。
「いや、あのOracleは『Mirg Shield Nationで母親を助けて、混bloodのchildを救え』って意味だった」
「それは……じゃあ、後半の峰と海の意味は?」
「それは、『助けるのに失敗したら暫く近づくな』って意味だ。実際、遠征に参加していたら俺もやばかったかもな」
「それは、そのDhampirが貴方を殺す事が出来るとでも?」
「何せ六千人返り討ちにしてるんだ、尋常なガキじゃないだろ。まあ、SClass adventurerとして言わせてもらうなら、Vidaは俺がそのDhampirと敵対する事を避けたかったんじゃないか」
「それが本当なら、少なくともDemon Kingとは関係無いわね。VidaがDemon Kingを助けるはずが無いし」
「そう言う事だ。……助けられなかったのは悪いと思うが、俺も万能じゃない。いずれ会った時に詫びを入れるが、それまでは俺も出来る事をするまでだ」
悩んでいる暇は無い。
そう言うとSchneiderは明日からかかる仕事――あるMerfolkの一族を助けるためにKrakenの群れを討伐する準備に取り掛かるのだった。
「なぁ、海藻が髪に良いってのは――」
「Zakkartが言っていたけど、迷信だから」
「いや、でもよ、最近生え際が――」
「気のせい、全然後退してないから」
「そうかぁ? でも最近髪の毛が細くなってきたような気が――」
「「錯覚だから!」」