VandalieuはZombie化した遠征軍で即席の捨石軍隊を作成し、それでMirg Shield Nationに玉砕前提の逆侵攻を開始した。
tunnelの入り口に彼らが建てた砦の連中に気付かれるために、【Demon Fire】を幾つも飛ばし、Zombie達に足音を立てさせ、姦しく声を上げさせて。
軍団の先頭には、遠征軍の主要人物以外のZombieの内運良く高いRankのUndeadになった者を配置した。こんな前哨戦でMauvidやRiley達が万が一にも壊れたら困るからだ。
そして砦に居たSoldier達は思惑通り撤退してくれた。
『皆殺しにしなくてよろしいのですか、Bocchan?』
「良いんです。殺す程の価値は無いし、必要も無い。だったら、殺しちゃいけない」
砦の兵の練度は並で、Commanderも軍の重鎮と言う程でも無い。そもそも、数は数百程度。boneを折って皆殺しにする程では無い。
それよりも、伝令役に成ってもらった方が助かる。
……砦に火を放たれた時は、ちょっとKilling Intentが湧いたが。
火は【Heat Leech】で消火し、焼け残っていた砦の物資を回収。そしてtunnelを進む。
『うわぁ、広いですねー。父-sanが横に何台並べるかな?』
「五台……六台は行けそうね」
『どうやったらこんなtunnel掘れるのかしら?』
「ぐがっ!?」
「Rapié、高く飛ぶと天井にぶつかりますよ」
只管単調なtunnelを進み、出口の砦も軍団の先頭の方に丸投げし、外に出たら広範囲の【生命探知】で残っていたVampireのSpyをサクリと始末した。
そして真っ直ぐ町……には向かわず、今は無い密林Devil Nestsが姿を変えた開拓地へ。
そして軍団は町へ向かわせ、Vandalieuは千程のZombieと開拓地の村々に残る。
軍団はBalchesse Viscountの領都、Balcheburgに進軍。そして無策で無謀な正面Chargeをやらかす。
数は三千だが、Vandalieuの【Strengthen Follower】と【Strengthen Subordinates】も乗らないRank2~4程度の戦力なら、Balcheburgの防衛戦は成功するだろう。
昼間に正面からのろのろ歩いて来るし、Mageはmagicを唱えないし、GordanやRileyはmagic itemを持っていないし、他にもChezare等利用価値があるUndeadは軍団に加わっていないし、更に最悪城壁を破壊して町に侵入出来てもWeapon Equipmentを持っていない者や、老人や女childには攻撃するなと命令してある。
Balcheburgの防衛力がどれ程屑でも、人口は約一万。前もって伝令も来ているはずだし、近くにDungeonが存在するDevil Nestsもある。adventurerもSoldierも必死に掻き集めているはずだ。
そこにノコノコとUndeadの群れが現れれば、城壁から矢や攻撃magicの雨が降り注ぎ、数を削り取るはずだ。
まあ、Soldierやadventurerに多少犠牲者が出るだろうが百は超えないだろう。このworldのadventurerやSoldierは、Jobやskillのお蔭でEarthやOriginのHumanよりも強靭だし。
maybe、最悪でも城壁に穴を空けて暫く暴れ回ったくらいで全滅するのではないだろうか?
あまり殺し過ぎると困るので、丁度良い。
「死体は短期的な負担にしかならないですから。これからあの町では開拓地から避難した難民を養い、苦労して貰わないといけない」
難民問題はEarthでも難しい問題だった。それと比べれば、開拓地の住人全てを合わせても二千から三千人程度だろうが、それでも負担の筈だ。
難民と化した元開拓民には帰る場所が無くなる。originally故郷で生計が立てられなかった者が多いので、「開拓に失敗したから、後は勝手にしてね」とはいかない。更に開拓地が消滅する事で警備隊やtempleのポストも消滅し、損失は各方面に及ぶ。
そこに六千人の精鋭兵が壊滅し、その大半がUndead Transformationして町に攻め寄せるという衝撃的な事件。
これで実際の経済的及び人的損失以上にMirg Shield Nationの威信は傷つく。更に遠征の音頭を取った宗主国、Amid Empireとの関係は今以上に悪くなるはずだ。
Empire側は二百年前の遠征と同じように責任を盾国に押し付けたいだろうが、Vandalieuが派遣したUndead軍では、Langil Mauvid GeneralがEmpireと自分の名を高らかに謳い続けているはずだ。
だが盾国出身のChezare副司令官のUndeadは居ない。どちらが人々の印象に残るのかは一目瞭然。
更にGordanとRileyも、実際に与える被害以上に目立ちながら派手に暴れ回っているはずだ。
それぞれ、Alda templeや自分のHonoraryやら人望やらをグチャグチャにしてくれるだろう。
このLambdaにはtelevisionもnetも無く、新聞に似た物は在っても富裕層限定で、情報が早くaccurateには広まらない。しかし、ここまで衝撃的な事件が起きたのだ。少なくとも、 Bahn Gaia continentの西側には今年中にこの事件が知れ渡る事だろう。
これで、Empireも盾国も十年単位でBoundary Mountain Rangeに遠征しようなんて言い出さなくなるに違いない。
因みに、Isla達VampireとAmid EmpireのMauvid Generalが通じていたと言う一大scandalを広める事は諦めた。
皆殺しにしたためVampireもZombie化しているし、それをUndead軍団に入れても盾国のHumanが気付くか分からないし、それでもし盾国のHumanが疑問に思ってもEmpire側は「Boundary Mountain Rangeの向こうで合流したUndeadだろう」と言い訳できる。
それどころか最悪、あのVampire達はTalosheimに巣食うVidaのRemnantsだと、Vandalieuが濡れ衣を着せられる恐れさえある。
信用のおける人物とのコネがあるか、社会に居場所があればまだやりようがあったかもしれないが、VandalieuはHuman社会にコネも居場所もありはしない。
だから放棄した。
それと、今回の件でVandalieuがUndeadを使役できる事がPure-breed Vampire達やPalpapek Earl、Amid Empire上層部に知られる事も計算の内だ。
全て謎のままより、Vandalieu達がどれくらい脅威になるのか知っていた方が、簡単に手を出せなくなるだろうと考えたのだ。
どの道各地に遠征軍が帰還しない時点で、Talosheimには彼等を返り討ちに出来る何かが存在すると言う事が知られるので、これぐらいの情報漏洩は必要最低限だ。
それにUndeadを使役できると言っても、Pure-breed Vampire達のように自分が創ったUndeadだけなのかどうか、どの程度のUndeadまでTamerできるのかは不明なままだ。
そしてGolemや作成したvirus等の生物兵器、Undead以外の戦力については引き続き隠す。
次にPure-breed VampireやEmpire、盾国が何かしてくるにしても準備に相応な時間がかかるだろうし、来ても隙は幾らでもある。
そしてそこまで考えたVandalieu達が開拓地で何をしているかと言えば、火事場泥棒である。
「じゃあ皆、レッツ火事場泥棒」
「おーっ」
Undead軍の内残した千を待機させて、Vandalieu達は住民が避難して無人になった農村で遠慮無く窃盗を働いていた。
「あ、糸車発見!」
『ぢゅう、やはり家畜は残ってませんね』
「避難する時に連れて行ったのか?」
『それか、ただ単に後で連れ戻せる事を願って放したかでしょう。農村で馬や牛は貴重な労働力ですからな。飢えたら役畜では無く人の口を減らすのは常識ですし』
「……俺のimageより過酷な生活なんですね、農村」
『その農村を再起不能にしようってのに、何言ってんだ』
「まあ、そうですけど」
火事場泥棒の目的は、まず家畜……ロバや馬や豚よりも、牛や山羊や羊や鶏を手に入れる事。
労働力はGolemがあるし、馬やロバは草なら何でも食べると言う訳ではないので世話が面倒。それに乗り物として使うには、Talosheim周辺の環境が馬には過酷過ぎる。周りが天敵だらけだし。
豚はmonstersの肉が沢山取れるので、必要無い。
なのに牛や山羊が欲しいのは、乳製品が欲しいからだった。幾ら【Fermentation】のmagicがあっても、原料が無ければcheeseやヨーグルトは作れない。Butterも欲しい。あれば作れるCookingの幅が広がる。それに、Originの研究所で聞いた発酵Butterを是非試してみたい。
鶏は……Giga Birdの卵だけでは供給が追い付かないし、一個の大きさがダチョウの卵並なので、使う時Slightly不便な事があるからだ。
だが、どうやらこの望みは果たされそうにない。どの農村でも家畜が残っていなかったからだ。
「家畜を飼うのはお金がかかるから。山羊なら何でも食べるけど」
Katiaが言うように、Devil Nestsが点在しGoblin等の危険なmonstersがそれ以外の野外に生息するこのworldでは、農地に限りがある。
その限られた農地で収穫した穀物では人を食べさせるには足りても、Earthでするように家畜を大量に飼育するには足りないのだ。
そのため家畜は総じて価値が高く、開拓地の農民達は避難する時に連れて行ける家畜は連れて行き、不可能なら再会を信じて放流すると言う訳だ。
「残念、まあ、こっちは手に入ったのでいいですけど」
次に欲しかったのが糸を紡ぎ、布を織る機械だ。Talosheimでは現在、衣料はほぼ全てfurか皮革製品で賄っている。
滅ぼされて二百年の間に布を織る折り機が朽ちて無くなってしまったからだ。
「ミシンならGolemで作れるけど、糸や布が無いと流石に……」
『Originの学者は糸の紡ぎ方や折り機の作り方を知らなかったんですか?』
「知らなかったのですよ」
Human性はダメだったが、彼らも一応先進文明の最先端にいる研究者だったのだ。Death-Attribute Magicを繊維関係に活かそうと研究している者も居なかった訳じゃないが、そこまでは知らなかった。
「まあ、見本があればGolemで真似る事は出来るし、それから改良を加えれば製糸工場も出来ると思う」
Talosheimが衣食住揃ったLambda一の近代都市になる日も近そうだ。
「それで、畑の方はどうする?」
「certainly頂きましょう」
Vandalieu達が狙ったのは村人たちが残して行った物品だけでは無い。収穫前の作物もだ。寧ろ、こちらがmainだ。
「これは良い麦だ。根こそぎ頂きましょう。起きろ」
そう言うと、麦畑がずずずと音を立てて高くなる。見ると、麦が生えた土の下からcountlessの足が生えていた。なんと、Vandalieuは麦畑の土をGolem Transformationしてそのまま上の麦ごと連れて帰るつもりなのだ!
これでbreadもお好み焼きもたこ焼も、そして近い将来ramenも作り放題だ! うどんとPastaの量も増やせる。ドングリ粉だけだと余裕が足りなかったのでとても助かる。
しかも藁から藁半紙が作れるし。まあ、これも試行錯誤が必要だろうが。
『Bocchan、こっちの雑穀は? maybe粟や稗だと思いますけど』
「雑穀は収穫が早いから持って帰りましょう。栄養もあるし」
確かEarthでは雑穀がブームだった気がする。それにドングリより加工が楽だ。
「あ、この畑は蕎麦ね」
「盾国ではガレットにして食べるんでしたね。持って帰りましょう」
蕎麦は素晴らしい。冷やして汁につけて良し、熱い汁で食べて良し。しかもお茶にすると香ばしい……らしい。
『豆はどうすんだ?』
「当然持ち帰ります」
見たところ栽培されている豆は、大豆かそれに近い種の-samaだ。これでやっと普通の味噌が作れる。更にそこから醤油も。それに豆腐、豆乳、オカラ、油揚げ……やはり素晴らしい。
後、豆が緑の内に収穫して鞘ごと煮て、サッと塩をかけて食べる「枝豆」が美味しいそうだ。
『こっちの豆は違う種類の-samaですな』
「これは……小豆! 起きろ起きろ起きろ」
小豆があれば餡子を作る事が出来る。砂糖は無いが蜂蜜で何とかならないだろうか?
『この小さな畑に生えているのはトマトのようです、主よ』
「おお、万能の食材がこんな所に……」
Originに居た研究者の中にはmayonnaise believer以外にもトマトbelieverがおり、彼は心筋梗塞で突然死して霊と化した後、研究所のcafeteriaで出されたCookingの愚痴を呟きながらトマトsauceの素晴らしさを延々説いていた。
ついでにVandalieuもEarthではmayonnaiseも好きだが、どちらかと言うとketchupの方が好きな人だった。
「今まで無かったから諦めていた。でも、これでやっと……起きろ起きろ起きろ」
まあ、他の必要な材料が無い訳じゃないが、何とかなるだろう。
他にも各農村でpotatoやニンジン、大根、玉葱等をVandalieu達は畑ごと手に入れた。potatoから片栗粉も作れそうだ。
因みに、畑Golemが動いた後の凹んだ土地は、Vandalieuが【Golem Transmutation】で土を盛り上げて凹みを消している。
「じゃあ、そろそろTalosheimに帰りましょうか」
そして畑Golemを連れて、Vandalieu達はMirg Shield Nationを後にした。予定通り農地に壊滅的なDamageを与え、千人のUndeadを残して。
全ての用水路と溜池、そして土しかない畑の跡にDeadly Poisonをばら撒いて。
時間が経ったら消える類の毒では無く、地面や地下水に浸透し何十年と残る汚染物質と言うDeadly Poisonを。
これでもうこの開拓地に、人は住めないし利用できない。
Undeadを村々に残して行くのは、Vandalieuからすれば「優しさ」だった。
何も知らない村人が戻ってきて、気がつかずに有毒なFarming用水で作物を育てない-samaにと警告文の代わりに置いて行ったのだ。
それに、地下水が町の方に続いていて汚染が及ぶ可能性を考え、井戸には手を付けなかったのも「優しさ」pointである。
「Balchesse Viscount、これで俺達から密林Devil Nestsを奪った恨みは晴らした事にしましょう」
Balcheburgがある方向に向かってそう言うと、VandalieuはMirg Shield Nation側のtunnelを潜った。
『そういえばBocchan、Bocchanは木からWood Golemを作れますよね?』
「ん? 作れますけど」
『糸や紙も、材料の植物を直接Golemにして作れば宜しいのでは?』
「…………あ」
なんだか遠回りをした気がするが、麦や大豆が手に入ったので無駄じゃなかったはずだ。
その頃God of Law and Life AldaのDivine Realmでは、Alda達Godsが緊急会議を開いていた。
きっかけは、既にHeroic spiritに内定しており、働きによっては神の一柱として迎える事になっていたBormack GordanがAldaの教えから離れた事だ。
「Curatosよ、皆に【record】を見せよ」
Aldaに命じられた【God of Records】Curatosが、抱えていた書物を開く。すると、countlessのシャボン玉のような球体が紙面から浮かび上がるように現れた。その表面には、Talosheimで遠征軍が何を見たのかが映し出されている。
そしてそれは在る時から急に弾けて数を減らす-samaになり、そして最後に残ったシャボン玉もUndead TransformationしたGordanの顔をupで映した次の瞬間には消えてしまった。
「以上が、遠征軍に参加した人の子のrecordです」
「……以後のrecordは?」
「残念ながら……どうやら、皆殺しにされた上霊を囚われたか、Bormack Gordan同-samaにUndeadにされたと思われます。
ですが、こちらをご覧ください」
別のページをCuratosが開くと、そこにはBalcheburgの城壁を破り、内部に入り込みSoldier達相手に大立ち回りを演じる遠征軍のUndeadの姿があった。
これは、Curatosが【record】した信徒達が見た映像だ。思わず「神よ」と祈った瞬間の前後に見聞きしたことを、Curatosは【record】しこうして他者に見せる事が出来た。
映し出された諸々は既にAldaを含めたGodsの内幾柱かは知っていた事だ。「神よ」と祈られたのは彼等なのだから。
しかし、初めて知ったGodsも少なくない。彼らの衝撃は大きかった。
「これは、Dhampirのchildが、このような……」
「何と! このDiseaseは今まで存在しなかった、このDhampirが創りだしたと言うのか!?」
「Undeadを使役するとは……まるでザ――」
「静粛に!」
不用意な事を口走ろうとした神を、【God of Judgement】Niltarkが制する。
「このDhampirを、Dhampir、若しくは名であるVandalieu以外の呼称で呼ぶことは控えて頂きたい!」
Niltarkの剣幕に、己が犯しかけた失態に気がついたその神は「申し訳ない。感謝する、Niltark -dono」と謝罪と礼を述べる。
彼らがVandalieuの事を「Zakkartの再来」とか「Evil God (M)の如き者」と例え、罵倒しないのは品性の問題では無い。
Vandalieuに【secondary name】がつく事を避けるためだ。
Statusに表示される【secondary name】はただの称号やTaboo Nameでは無く、実際に効果がある。【Goblin Killer】ならGoblinと名のつくmonstersに対して与えるDamageが増え、【不死身】や【死なず】というsecondary nameなら死ににくくなると言ったように。
そして【secondary name】を獲得する条件は、大勢の存在か発言力を持つ存在にそう呼ばれる事だ。
ここに集まっているのは、格に違いはあるが全てGods。このLambda worldでtop classの発言力を持つ存在だ。
もし仮にここでGodsがVandalieuを「Zakkartの再来」と呼べば、どんな力を与える事になるか分かったものではない。
「しかし Aldaよ、何故我々を集められたのです? 確かにこのDhampirは幼くしてcountlessのGolemやUndeadを使役し、Diseaseを作り出し、六千人を皆殺しにし、その遺体までUndeadにしてMirg Shield Nationにfangsを剥きました。
ですが、逆に言えばそれだけの事でありましょう?」
そう言うのは、【God of Thunderclouds】Fitun。Aldaを支持するGodsの中でも、ここ数万年の内に神に加わった新しい世代の一柱だ。
Fitunの発言は人命を軽視した非情なものに聞こえるが、実際【record】の中でVandalieuのした事はGodsが集まって大騒ぎする程の事では無い。
Even now大きな戦争が起きる度に万を軽く超える死者が出たし、monstersの大runawayで一国が滅びた事等数え切れない。そう言った犠牲と比べれば、遠征軍とBalcheburg双方合わせて一万に及ばない数の被害は、あまりに小さい。
直接の被害はSoldierとadventurerだけなのもその認識を強めている。
certainly死者のfamily lover友人は大きな悲しみとLost感に苛まれるだろうが、無力な民を虐殺したと言う訳ではないのだ。
それに、神である以上一つの国家に肩入れしすぎるのも問題だ。
「だが、このDhampirの行いはあまりにも惨くは無いか?」
そう問う神に、Fitunは思わず笑い出しそうになった。
「何を言うのだ。このDhampirの行った事は、私には生温く見えるが」
「生温い!?」
「ああ。その証拠に、このDhampirは遠征軍に使ったDiseaseをBalcheburgには使っていないだろう? だからUndead達は撃退されたのさ」
Fitunの言う通り、VandalieuはBalcheburgを攻めるのにあのDiseaseを使わなかった。使えば、一万人の都市を三千のUndeadで壊滅させる事も可能だったのに。
いや、そもそもあのDiseaseにかけられた制限……半日で無害化する仕掛けを解除してBalcheburgの誰か一人でも感染させれば、それでBalcheburgは壊滅する。
感染力と発Diseaseまでの時間が短すぎて他の村や町には広がらないだろうが、数時間以内に一万人全てが重sickと化すのだ、
運良く完治しても、その時には既に変異したDiseaseに再び感染するだけなので生き残りも出ないだろう。
Balcheburgの人々は、たっぷりもがき苦しんで死に絶える。そして、残るのはUndeadの材料だ。
「それをしないのだから生温い……いや、甘い。我々が警戒するような相手ではないよ」
「……Fitun、貴-donoの物言いはまるでDhampirを侮っているように聞こえるが?」
「何を言われるCuratos -dono。私は、このDhampirがした事は、我々Godsが集まって話し合いの場を持つ-samaな問題じゃないと言っているのだよ。
それに話し合うなら我らがAldaよ、貴方の膝元でEvil God (M)を奉じるVampireが蠢いていた事についてでは?」
【God of Thunderclouds】Fitunは熱心にAldaを支持している訳ではない。彼はVida's New RacesやEvil God (M)達との戦いで大きなachievementを遺し、人々から称えられた故に神に至った元Heroと言うだけで、GordanのようにAlda達のbelieverだった訳ではないのだ。
(やれやれ、神に加わってから日々が単調にも程がある。DhampirでもUndeadでもいいから、人だった時のように、俺のbloodを滾らせる猛者は居ないものか)
すると、Aldaが口を開いた。てっきり生意気な若輩者を窘めるのだと誰もが思った。
「Fitunの言う事も尤もだ」
しかし意外な発言に、Fitunも含めてGodsがざわめく。
「だが、事はそう単純ではない。このDhampir、VandalieuにはYupeonが創りだしたArtifactを破壊し、『Spirit Clone』を砕いた嫌疑がかかっている」
その言葉にGodsは今度こそ騒ぎ出す。
「BAKANAっ! Spirit Cloneを……限りなく魂に近い存在を砕いたと!?」
「この場にYupeonが居ないのは、そう言う事だったのか……」
「町にDiseaseを蔓延させなかったのはFitunの言う-samaな甘さ故では無く、我々に対しての警告なのでは? その気になれば何時でも出来るぞと言う」
「しかし、我々を脅すような大胆不敵な真似をするはずが……だとしたら、古の――」
「静粛に!!」
どうやらAldaは、Godsに危機感を共有させ最近緩みがちになっている意識をこの会議で引き締めようとしたようだ。
いくら神でも、「これはDemon KingのRemnants、そしてVidaのRemnantsとの戦争だ!」と言っても、進展らしい進展の無いまま十万年も経つと、厭戦気分も漂うし気も緩む。相手の筈のRemnantsが、organization立った動きを見せないのもそれに拍車をかけていた。
「では、Oracleを下しますか? このDhampirを討伐する-samaにと」
「いや、それは逆効果になる可能性が高い」
Vandalieuの討伐や、彼に関する情報を事細かにOracleに乗せると、Clergymanがaccurateに受け取れ切れず「childを殺せ」等危険な解釈をされる可能性が高い。
それに、入念に準備し情報を収集せずにTalosheimにWarrior団や討伐隊を送り込んでも、遠征軍の二の舞三の舞にしかならないだろう。
話し合いの結果、各々templeにOracleを出してClergymanを通じてHuman達に警戒を促し、備えさせる事になった。 あのDhampirもここまで大きな事をやったのだ。暫くはBoundary Mountain Rangeの内側に籠もり、力を蓄えるだろうと予想して。
それにVandalieu以外の危険人物……幾度も「あの男は危険だ」とOracleを下しているのに、未だ自由に動き回りEvil God (M)と契約した男、【Thunderclap】のSchneiderにも注意しなければならない。
(その間にClergymanを通してChampionやHeroのCandidateを集め、育てて備える……か。
賢きAldaよ、貴方もやはり生温い)
Fitunは内心で苦笑いと共に呟いた。
私ならDhampirがDemon Kingと同じ力を持つ可能性が少しでもあるなら十万、いや百万の人命と引き換えにしてもすぐに討伐させる。肉を掻き抉るような苦痛を味わわせてもGodsにSpirit Cloneを創らせ、Familiar SpiritやHeroic spirit共を消滅覚悟でAdventさせる。
Dhampirが力を蓄える余地など与えない。
しかし、Fitunはその意見を口に出さなかった。恐らく無いだろうが、万が一にも採用されたら困るからだ。
(折角神になって初めて現れた殺し合いの相手だ。もっと育ってもらわなければ)
殺し合いとは、強者が弱者を一方的に殺す事では無い。互いの命に手が届く者同士で戦うから、殺し『合い』になるのだ。
(さぁ、小さなDhampirよ。大きく、非情に、冷酷に、何よりも強く育て。この【God of Thunderclouds】Fitunが見守ってやろう、俺自身の手で殺すまで!)
・Job解説 Soul Breaker
魂を一つ以上砕いた者がJob change可能になるJob。
【Soul Break】や【Spirit Form】、【Long-distance Control】や【Parallel Thought Processing】等のskill獲得に補正が係り、Ability ValuesはManaとIntelligenceが大きく成長する代わりに他のAbility Valuesのincrease率は低い。
名称から攻撃的なJobに思えるが、実際はこのJobに就ける時点で他者の魂を砕くほどの力を持っている事になるため、実際には【Soul Break】を補助するためのJobである。
・Skill explanation: Materialization
自らのbody partの内、本来Bodyが無い部分をMaterializationさせるskill。主にGhostやSpecter等、霊がManaに汚染されmonsters化したAstral系monstersが習得している。
MaterializationしたSpirit Formは通常の物理攻撃でDamageを受けるようになるが、bloodや肉がある訳ではないのでやはり銀やmagic itemで攻撃されるよりはDamageは少ない。
【Spirit Form】skillよりもよりBodyを持っていた時に近いconditionになるが、同時に上記のようにDamageを受けやすく重力等物理的な制約も大きくなるため、上位互換とは言えない。
このskillを習得しているHumanは現在までVandalieu以外確認されていない。