【Green Wind Spear】のRileyは、そのaptitude以外は何処にでもいる普通のadventurerだった。
平民の出で、adventurerに成ったのは腕に自信があったから。目的は「金を稼ぎたい」から。そして口には出さなかったが、childの頃聞いたHero譚のprotagonistに成れるかもしれないという夢と希望を持っていた。
そしてまだ彼が駆け出しの頃に、偶然Heinzがadventurer登録した瞬間に立ち会った。この年下の少年と気が合ったRileyは、彼とpartyを組む事にした。
そしてpartyにはDwarfの女盾職、インテリぶったscout職の青年Bow User、Spirit MagicのElfの美女が仲間に加わり、【Five-colored blades】と名乗る-samaになった。
まるでHero伝承歌のようにRiley以外の四人もaptitude豊かで、【Five-colored blades】はGoblin退治の依頼に苦労していた一年後には、DClass adventurer partyとしてveteran達と肩を並べる-samaになった。
そして次の一年で並のadventurerから頭一つ出たCClassに昇Class。三年目で未発見のDungeonの初攻略を果たし、価値のあるmagic itemとHonoraryを手に入れ、party leaderのHeinzはBClassに昇Class。その時手に入れたMagic Swordから、【Blue-flame Sword】のsecondary nameが付けられた。
その頃からRileyは気が付くと鬱屈したemotionsをHeinzに対して持つようになっていた。
自分にもaptitudeがある、顔だって実力だってloseない。party leaderはHeinzだが、それを考えても何故俺があいつのおまけみたいな扱いを受けるんだ?
Dungeon攻略でBClassに昇格したのはHeinz一人。Rileyも緑色の宝玉が嵌められた、風を操るMythrilのMagic Spearを手に入れたが、secondary nameはつかなかった。
Nobleや商人は十代でBClass adventurerに昇Classしたaptitude豊かなHeinzとコネを作りたがり、士官や専属契約の話は幾らでも、それ以上に良い女が寄って来た。Adventurer’s Guildの受付嬢も、奴を見ると瞳を潤ませる。
対して自分は『Heinzの仲間の』Rileyとしか見られていない。自分の顔に『Heinzの仲間』と看板でも下がっているかのようだ。
そしてRileyが思い知ったのは、Hero伝承歌のprotagonistは自分ではなくHeinzだったという事だった。
人生最大の挫折と屈辱。しかし Rileyはそれだけなら【Five-colored blades】から抜けなかっただろう。「そんなもんだよな」と他の多くのadventurerと同じように妥協して、Heinzの仲間であり続けたかもしれない。
だが決定的な罅がある依頼で入った。
内容は、Vampireとその誘惑に屈してDhampirを産んだDark ElfのWitchを捕まえるという物だった。珍しい依頼だが、実際やってみるとあっさりと成功した。
Witchはmagicでも弓でも自分達の敵ではなく、Vampireも姿を現さなかった。Heinzが鞘に入ったままのMagic Swordで腹に一発入れて、それで終わりだ。
後は報酬を貰ってその町を後にした。
しかし Heinzはあの依頼から考え込む事が多くなり、Rileyには理解できない事を言うようになった。
嫌な予感を覚えたが、adventurerになったばかりの頃身籠っていたGoblinの雌を斬った時も彼が暫く思いつめていた事を思い出して、その内乗り越えるだろうと、無理矢理思い込んだ。
それが間違いだと分かったのは、Heinzがある大物Nobleが主催するpartyの招待を蹴った時だった。
「今宵はAldaの祝祭でもあります。是非邪悪なWitchを討伐し浄化した武勇伝を聞きたいものです」
そう言った大物Nobleの使いに、Heinzは否と答えたのだ。
その大物Nobleは彼等が居たMirg Shield Nationの中でも代表的な存在の一人で、特にAdventurer’s Guildにinfluenceのある人物だった。
「何故そんな相手からの誘いを断るんだ、Rankが上がるって事は面倒でも社交界とは無縁じゃいられないと、何度も言っただろっ!」
そう言うRileyにHeinzは答えた。
「俺には、彼女がWitchだったとは思えない。この国が……Aldaが正しいのか、分からなくなった」
それを聞いた瞬間、Rileyは(ああ、もうダメだ。とてもこいつには付いていけない)と、そう思った。
自分達はadventurerだ。依頼を受けて、monstersと戦って、金を稼ぐ。昇ClassしてHonorary名声を手に入れ、出世して年を取ったら引退して悠々自適な生活をする。
理想を持つな夢を追うなとは言わない。RileyだってHero伝承歌のprotagonistを夢見た頃がある。だから他人のそれまで構おうとは思わない。
だから、Heinzが理想やら夢やら正義感やらを持つのは別に良い。だが、何でそのために俺が損をしなけりゃならない?
ああ、そうさ。お前はGeniusだ。きっと将来Bardは、お前がprotagonistのHero伝承歌をこぞって歌うように成る。
大物Nobleの誘いを断っても、きっと平気だろうさ。この国の価値観や国教に疑問を持っても、それでDhampirをHumanの一員だと認めるOrbaum Elective Kingdomに行っても、きっと信じる力だとか絆だとかで諸問題を乗り越えるんだろうさ。
その上AClass、SClassと駆け上がり、Honoraryも金も地位も女も次から次に寄ってくるんだろうよ。
でも俺はきっと違う。何百年も争ってきた敵国に行って、「adventurerに国は関係無い」なんて不文律が守られるなんて思えない。苦労して乗り越えて何とか付いて行っても、それでも俺は「Heinzの仲間」のRileyでしかないんだろ?
ふざけんな!
【Five-colored blades】から抜けたRileyは、件の大物Noble Palpapek Earlと専属契約を結んだ。
それからはBClassにも昇格し、【Green Wind Spear】のRileyというsecondary nameも付いた。全ては、Palpapek Earlのinfluenceがあってこそだが。Rileyは気にしなかった。originally自分にはそれくらいの実力があり、それが認められなかったのはHeinzが目立っていたからだ。彼の中ではそれが真実になっていた。
しかし、Heinzより運に恵まれないのかRileyの元には頼りになる仲間が集まらなかった。
優秀なのは生意気で、言う事を聞かない。言う事を聞く奴は、使えない。
仕方なく、名を上げれば仲間にしてくださいって連中が集まって来るだろうと考えソロか、臨時partyで活動した。
その途中で以前Witchがらみの依頼をしてきたHigh Priestと、その時討ち漏らしたDhampirとその手下のGhoulの討伐に出かけて徒労に終わったが、そんなのは小さな事だった。
再びRileyにケチが付いたのは、その後だ。
仲間が一向に集まらない事に業を煮やしたRileyは、Slaveを購入してadventurerとして育て上げる事を思いついた。
legendのChampion Bellwoodが当時の犯罪Slaveを更生させ、そのSlaveは頼りになる仲間として成長し常に戦場で彼の身を守ったというepisodeがあると聞いたからだ。
Rileyはそれまで貯めた金で戦闘用のSlaveを買って、adventurerとして育て始めた。Slave達はこれまでのadventurerと違い彼に対して従順で、それなりに使えた。しかし、やはり仮にもBClass adventurerのRileyに生半可な腕で付いて行く事は出来なかった。
【Slave User】にJob changeして【Strengthen Slaves】skillを獲得しても、多少マシに成る程度だった。
それに、Amid Empireの属国であるMirg Shield NationではEmpireと同じくSlaveにも人権が認められている。あまり無茶な使い方をすれば罪に問われる事があるし、しても問題に成らないVida's New RacesのSlaveはContinentの西側ではそもそも数が少ない。
そしてRileyが行きついたのは犯罪Slaveだった。その結果雇い主のPalpapek Earlから疎まれたのだが、本人はその事に気が付いていない。
彼の認識ではEarlにCardとして切られたのではなく、自分からEarlを切った事に成っているからだ。
「Palpapek Earlもidiotだよなぁ! 遠征で手柄を上げればMarshallに戻れるかもしれないってのに亀みたいにmansionに籠もってよ。
別に腑抜けるのはいいが、俺が名を上げる機会まで取らないでほしいもんだぜ」
「でもぉ、そのお蔭でLegston MarshallからMauvid Generalをintroductionして貰えたんじゃない。やっぱり、Riley -samaは属国のEarlのお抱えで終わる器じゃないわぁ」
色気過剰の女Mage、Messara。彼女は若くしてMage guildの導師にまでなったが、その若さと美貌を保つために禁書庫にsealedされていた邪術に手を出し、分かっているだけでも十人以上のchildを村から誘拐して殺害。その生きbloodをwhole bodyに浴びたという連続猟奇殺人犯だ。
「へへ、全くですぜ。その上今や兄貴は悲劇のHeroを継ぐ者として国中で期待されてます、上手く行けばArtifactのMagic Spearだって手に入るんでしょう? こりゃあ、AClass昇格に続いてSClass昇格も夢じゃありやせんぜ」
小男のscout職、元CClass adventurerのGennie。彼はソロで活動する優秀なadventurerだったが、その裏で他のadventurerをTrapに嵌めてachievementやpropertyを命と一緒に奪い、新人のadventurerを騙して裏のSlave商に叩き売る等の悪事を重ね、Adventurer’s Guildに捕えられた外道だ。
「…………」
盾職の男、Flarkは前の二人よりは一見真面に見える。だが犯罪Slaveである事に変わりは無い。所属していたmercenary団が平時はmountain banditで稼ぐ集団で、彼はそこの副Delegation Leaderだった。直接殺した人数なら、二人よりも多い。
そんな犯罪Slaveばかりでpartyを組むRileyの評価は、依頼達成に関わらず悪くなった。
だからAClassに昇Classできないと思い込み、今回の遠征で手柄を上げて一発逆転を狙っていたら専属契約をしているPalpapek Earlは遠征に不参加、しかも Rileyが個人で参加しても援助はしないときたもんだ。
どうにかして手柄を上げる手段は無いかと探していると、今のMarshallであるLegston Earlが遠征に加わる腕の良いadventurerを探しているという話を小耳には-sanだ。その話に乗ると、まるで冗談のように上手く事が進んだ。
Adventurer’s GuildではAClassに昇Class、Palpapek Earlから専属契約を打ち切られたお蔭で莫大な違約金を払わずに済み、Legston Marshallとの面会に成功。
そのまま今回の遠征のCommander、Mauvid Generalに雇われる事に成った。そして、そのGeneralの背後に居る存在とも……。
「しかし良いのかい? 俺は【Divine Spear of Ice】のMikhailの再来、【Green Wind Spear】のRileyだぜ。俺と取引してあんたの上司は怒らないのか?」
問われたVampireは苦笑いを浮かべた。
「気にはしないさ。我々はこの遠征では目的を同じくする仲間だ。そうだろう?」
Pure-breed Vampire Terneciaの配下のVampire達は、Rileyの功名心に付け込み、取引を持ちかけた。「Heroに成りたくはないか?」と。
そしてRileyは誘いに乗った。
「ああ、違いねぇ」
Rileyが欲しいのは、金もそうだがまず手柄だ。だから手付として、このBoundary Mountain Range tunnelの初攻略のHonoraryを。
そして遠征では邪悪なDhampirと、Vampire達にとって裏切り者であるNoble-born Vampire二匹を討伐する手柄。
上手く事が運べば、RileyはMauvid Earl 家と専属契約を結び、引退する頃にはpeerageを貰って煌びやかにAmid Empireで暮らす事が出来る。
この遠征の結果、母国が苦しむ事に成っても気にもしない。
Vampire側が手に入れるのは、遠征での有力人物がallyに成る事で手に入る都合の良さと、targetであるDhampirを誘き寄せる餌、そして戦力だ。
「それとも、Unaging不死が欲しいかしら?」
Vampireの一人の言葉に、Messaraは物欲しそうな顔をしたがRileyは苦笑いをして首を横に振った。
「止めとくぜ、俺は俗世での栄誉が好きなんでね」
誰がVampireに何てなるか。何百年生きてもchinで使われる立場なんて御免だぜ。そう内心で考えながらVampireを見る。
「それは残念」
そんなRileyの本音を大体見透かしながら、Vampireはあっさり引き下がった。彼らとしても、今回の遠征の間でだけ使えれば十分といった程度なので、固執する理由が無いからだ。
「兄貴、そろそろ出口ですぜ!」
Gennieが指差した先では、tunnelがcountlessの岩で塞がっていた。しかし、彼の鼻は岩の隙間から新鮮な空気が入り込んでいる事を見逃さなかった。
Messaraが探査magicで岩の向こう側を探る。すると、小さな反応があった。
「Undeadが何匹かいるわね」
「強いか?」
「いいえ。高くてもRankは2が精々よ」
「なら問題無いな。お前ら下がってろ、俺とこの風のMagic Spear Zephyrの出番だ」
Rileyは自慢のMagic Spear Zephyrを構え、Mentalを集中する。tunnelの中に風が吹き――。
「【百裂Spiral thrust】!」
Wind-AttributeのManaが込められたMagic Spear Zephyrの機能で貫通力をEnhanced (1)した、回転を加えたthrustをHigh-Speedで繰り出す上Class Martial Artsを繰り出す。
ガガガガガガガガガガガガガ!!
何十トンとあるだろう硬い岩の壁が、Rileyが槍を繰り出す度に容易く砕かれ吹っ飛んでいく。
そして出来た穴に、Flarkが飛び込み安全を確保する。
「…………」
「何だ、Undeadなんざいないぜ」
しかし、岩の向こうにはやや荒廃した-sama子の原野や森が広がるばかりで、Undeadらしい姿は何処にも無かった。
「あ、あら? おかしいわね……きっとあなたが吹き飛ばした岩に当たったんじゃないかしら?」
辺りにはRileyが砕いた岩のfragmentが飛び散っている。fragmentと言っても大きい物は人の頭程もあり、当たればRank2程度なら倒せるかもしれない。
「それもそうか。……ふぅ、これが人類未踏の地の空気か。中々いい風だが、自伝にはなんて書くかね」
「その自伝には、我々の事は書かない-samaに頼むよ」
ニヤニヤと哂うRileyの横を、Vampire達が通り過ぎて行く。彼らは懐から羅needle盤に似た形状のmagic itemを出すと、それに紅い液体をかけて何かを計り始めた。
「Vampireの旦那方、そりゃあなんですかい?」
「Vampireの居場所を探るためのmagic itemだ。これで裏切り者の居場所が分かる」
Vampire達もDhampirや裏切り者のaccurateな居場所を掴んでいる訳ではなかった。なので、これから遠征の目的地を探るのだ。
Palpapek Earlがこの事を知ったら、そんな事も前もって調べられないとは何て拙速なtacticsだと嗤い、それを止められない自分に落胆する事だろう。
「Sercrentのbloodは反応none。殺されたか? それとも範囲外に居るのか」
「from hereならOrbaum Elective Kingdomまで探査範囲が及ぶのよ。殺されたとみるべきね」
「Eleonoraの方はどうだ?」
「待て、今計測する」
新たに保管されていたEleonoraのbloodをmagic itemにかけ、反応を見る。
「あったぞ。from here北東……recordではTalosheimがある辺りだな」
「何と、ではDhampirやGhoulもあの廃墟に?」
「へぇ! そいつは都合が良いぜ!」
Vampire達の会話を聞いたRileyは上機嫌でlipsを歪めた。
「Mirg Shield Nationと二百年前のHero Mikhailの失敗を、現代のHeroの俺が取り戻す! 国宝のArtifact共々な!
望み通りの展開だっ! DestinyのGoddessは俺に微笑んでいるぜ!」
Immortal Ent化した敗戦花の種子から油を取ったVandalieuは、それで手作りmayonnaiseに挑戦していた。
Giga Birdの卵に果物酢、そして油。材料は揃った。揃っていないのはCooking器具だが、これも作った。
鉄のボウルに、ハンドミキサー……型Golem(鉄製)と、とても重量Classだが【Mysterious Strength】skillと高いAbility Valuesのお蔭で苦にならない。
そしてそれを延々混ぜる。油を徐々に流し込みながら、延々混ぜる。途中で熱を奪う青白い炎、【Demon Fire】の術で冷やして、やはり混ぜる。
『Vandalieu、大丈夫?』
「ん? はいcertainly」
何故Darciaに心配されているのか分からない-sama子のVandalieuだったが、無表情で無言のまま青く燃える炎に照らされる彼の姿は、控えめに言っても不健康不健全に見える。心配されるのも当然だ。
『ねぇ、それも調味料なんでしょう? だったら敗戦花油や海苔や昆布みたいにGolemに作ってもらう事は出来ないの?』
敗戦花油の製造も、Vandalieuは早々にGolemとmagic itemで工業化していた。それと同じように出来ないかと言うDarciaに、「将来的にはそのつもりです」と彼は答えた。
「mayonnaiseを作るには油を一度に加えるのではなく、こうやってゆっくり加えないと出来ない。だからいきなりGolemにやらせてもmayonnaiseに成らない」
Vandalieuが作るGolemは通常のAlchemyで作られるGolemよりも応用が効くが、流石に万能ではない。
油を具体的にどれくらいのpaceで入れれば良いのか、それをVandalieuが指示しなければ分からないのだ。
ハンドミキサーや扇風機、massage機なら簡単なのだが。可動部を限定し、動かしながらもう少し早くとか遅くとか、力の強弱を指示してやればそれでいい。
しかし、CookingとなるとまずVandalieuが具体的な指示を出さなければならない。
「Earthや前世でmayonnaiseを手作りしていれば良かったんだけどね」
Earthで自炊の経験はあるが、流石にmayonnaiseから手作りした事は無かったのだった。
「まあ、コツが分かったらGolemで工業化するから今だけだよ」
その前に試食会を開いて皆に感想を聞くつもりだが、味噌や魚醤、昆布や鰹節の時の事を考えると、大歓迎される未来しか見えない。
特にGhoulとUndead Giantは濃い味付けの物を好む傾向が強い。Black GoblinとAnubis、Orcusもだ。将来高blood圧でどうにかなりそうな気がするが、そもそも生態がEarthのHumanとは異なるので大丈夫だろう。
だからmayonnaiseも皆気に入るだろうが……またJunkieを作ってしまうかもしれない。いや、確実に作ってしまうだろう。
しかし Vandalieuはそれでもmayonnaiseを使ったCookingを食べたかったのだ。
(それに、Place of Exchangeのお姉-sanも新商品を作って欲しいと言われたし、まあ良いよね)
『そう? 疲れたら休むのよ?』
「はーい」
ウィ~。そして再び、ハンドミキサーGolemの回転音のみが響く。
「Vandalieu -sama、何か御用かしら?」
そこにEleonoraがやって来た。mayonnaiseが完成した時の味見役としてVandalieuが呼んでいたのだ。
「それは……もしかして今研究中のdiseaseの元?」
「いや、新しい調味料です」
確かにこのworldの人から見るとCooking風景には見えないだろうが、その勘違いは酷過ぎないだろうか? 実際diseaseの研究もしているが。
このworldの住人の多くはDisease原菌に関する具体的な知識は無い。それどころか肉眼で見えない微生物の存在を知らない者が大多数だ。例外は余程の知識人か、Alcohol Brewingに関わる者とBakerぐらいだ。
だからEleonoraも誤解したのだろうが――。
「ごめんなさい、てっきりVampireに効くかどうか実験するために私が呼ばれたのかと……」
どうやらoriginally人体実験されるつもりで来たらしい。
「違います、このmayonnaiseの味見を頼もうと思って来てもらったんです」
「そうだったの。ああ、でも私ったらそれをdiseaseの元だなんて……どんな罰でも受けるわ。だから――」
「じゃあ、罰として味見してください」
既に仲間に成って一年以上経っているのだが、Eleonoraは相変わらずだった。何故か何かにつけて罰をせがんでくる。
最初は付き合うのに疲れたVandalieuの方が、今では慣れてしまっていた。基本的に罰と評して甘やかす事にしているのだが――。
「Vandalieu -sama、それは罰では……bloodを捧げろとか、一日家具の代わりに成れとか」
こんな-sama子だ。今度「じゃあひざ掛けに成ってください」とでも言って膝枕してみようかと、ふと考える。
『あの、Eleonora -san? そう言うのはVandalieuにはちょっと早いかしら』
「っ! い、いいえっ、そう言う意味ではなく……!」
慌てて首を横に振っているから、単にそういう嗜好の持ち主と言う訳でもなさそうなのだが。
それはin any case、そろそろmayonnaiseが出来上がりそうだ。
酢はin any case、EarthにもOriginにも存在しなかったGiga Birdの卵に、Immortal Ent化した敗戦花の実の油。mayonnaiseにするにしても、材料が異なるため適切な材料の比率も異なるのか、今までの試作品では「これ、もっと美味く作れる気がする」という出来だったが、今度こそ完成品に成るかもしれない。
とりあえず、まずは指で掬って舐めて、次に山菜のsaladで試してみよう。
「じゃあ、味見を――」
っと、Vandalieuは言葉を不意に途切れさせた。
『Vandalieu?』
「kaa-san、Vampireの手先のMirg Shield Nationがここに攻めて来るようです」
『ああ、そうなの……』
「監視用のUndeadに反応があったの? でも、すぐにここが分かるなんて」
残念そうに視線を落とすDarciaと、驚くEleonora。そしてVandalieuはmayonnaiseの試作品を置いた。
「じゃあ、皆で話しあいましょうか。
監視用Undeadが見聞きした事を説明しますから。mayonnaiseの味見をしながら聞いてください」
きっと来るのは早くて秋か、冬か。遅くても来年の春。
でも、虫が火に入りに飛んでくる。
・Name: Riley
・Race: Human
・Age: 25
・Title: 【Green Wind Spear】 【The Second Coming of the Tragic Hero】
・Job: Slave User
・Level: 47
・Job History: Apprentice Warrior、Warrior、Spearman、Magic Spear User
・Passive skills
Strengthened Attribute Values when equipped with a spear (Medium)
Enhanced Agility:5Lv
Strengthened Attribute Values when equipped with non-metal armor (Medium)
Intuition:3Lv
Detect Presence:2Lv
Strengthen Slaves:2Lv
・Active skills
Spear Technique:8Lv
Armor Technique:5Lv
Throwing Technique:5Lv
Dismantling:2Lv
Silent Steps:2Lv
Surpass Limits – Magic Spear:4Lv
Training:1Lv
Intimidation:1Lv