『眠死のEvil God (M)』Lugornockと名乗る小惑星型のEvil God (M)に降参されたVandalieu達は、困惑していた。
『いや、いきなり降参されてもどう受け止めればいいのか困るのですが』
Vandalieu達が月に来たのは、月のmonstersの存在を確かめるためだ。Demon King Army Remnantsの邪悪なGodsとの遭遇は、予期していなかった。
それで襲い掛かってきただけだったら、Vandalieu達がする事は迎え撃つ事だけで迷う余地はなかった。
しかし、降伏されると受け入れるか拒絶するかの選択をしなければならない。その材料がVandalieu達には足りていなかった。
(とりあえず、【Danger Sense: Death】に反応がないし、bloodthirstも感じないから騙し討ちの類ではなさそうですが)
そう考えながらVandalieuが見ていると、Lugornockはlipsの奥のeyeballをゆっくり動かしながら呟いた。
『えぇ……? そんな事を言われても……どうすればいいのか……』
どうやら、Lugornockはノープラン……何の思惑もなく降伏したらしい。
『Gufadgarn、こう言っているけどこのEvil God (M)の事を知ってる?』
『Shade、Gufadgarnって今もついてきているの?』
『まあ、いるでしょ。Vandalieuの背後に』
「『眠死のEvil God (M)』Lugornock……そう言えば聞き覚えがある」
『うわっ!? ほんとにいた!』
Legionの人格の一つ、Shadeに問われたGufadgarnはVandalieuの背後のspaceから、音もなく姿を現す。
その姿はいつもと同じElfのShoujoのものだったが、outer spaceで普通に話していた。おそらく、周囲のspaceを操作して自分の周りに空気があるconditionを維持しているのだろう。
「そうだ。思い出した。あれは『Lambda』に降り立って直ぐの頃、LugornockというEvil God (M)が姿を消したらしいという噂をしている者達がいた。当時の私は他者に関心が無かったので、どういうことか詳しくは聞かなかったので、それきりだった。
偉大なるVandalieuよ、お役に立てず申し訳ありません」
『いえ、それよりLugornockのnameを聞いたのはその時だけですか?』
「はい。それ以後、Lugornockの名を聞いたことはありません」
Vandalieuも自身のMythの知識を探ってみるが、LugornockというEvil God (M)の名は何処にも残っていなかった。各地にいるDemon King Familiarを通じて、『Mountain Queen Dragon God』Tiamatや『Giant of the Moon』Dianaに尋ねてみるが、彼女達もLugornockの名を聞いた事はないそうだ。
『ん? このworldの知的生物?』
そして、LugornockもGufadgarnの事を知らないらしい。
「私は『Evil God of Labyrinths』Gufadgarn。この姿はYorishiroだ」
『そう……我はLugornock』
「Lugornock、偉大なるVandalieuの疑問に答えよ。汝はDemon King Armyの一員として何をした? 何時からここにいる?」
『私はDemon King Armyの一員として、何もしていない。このworldに来た時から、ずっとここにいる』
「そうか、ずっとここに……ずっとここに?」
Lugornockの答えが意味する事を理解したGufadgarnは、思わず目を丸くして聞き返していた。
なんと、LugornockはDemon King Guduranisに率いられてこのworldに来たが、その直後に脱走……というか潜伏。outer spaceに隠れ潜み、Guduranis達が惑星『Lambda』に降り立った後も十万年以上隠れ続けていたそうだ。
『よくばれませんでしたね』
『息を殺して隠れ潜むのが特技のrace出身なので』
『眠死のEvil God (M)』Lugornockは、生きている時間の大半を仮死conditionで過ごす生態のraceだったようだ。『Earth』の生物で例えると、短い雨季の間だけ目覚めて活動する砂漠地帯のカエル等に近いかもしれない。
『でも、Guduranisにばれたら魂を滅ぼされる危険もあったのでは? なのに何故?』
『……働きたくなかったから』
そして、滅ぼされる危険を冒してまでDemon King Armyから離れた理由は、働きたくなかったからという単純明快なものだった。
Lugornockは怠惰な性質の持ち主であり、怠ける為なら消滅の危険を犯してGuduranisに逆らう事も厭わないEvil God (M)だった。
月の後ろに隠れ続けていたために、Champion軍はLugornockの存在に全く気が付かなかった。だから、Bellwoodも彼を探しにspace (UCHUU)に行く事も無かった。
『でも、GuduranisはLugornockがいない事に気が付かなかったの? 普通なら、後になって気が付いて、追っ手を差し向けそうなものだけど』
『力で支配する暴-kunには、離反者を生かしておくことはできないだろうからね』
そう話すLegionの疑問には、Gufadgarnが答えた。
「おそらく、気が付かなかったのだろう。Guduranisに従う邪悪なGodsの数は百や二百ではない。力のある名の知れた存在……ドポベゼパルオのような大物ならともかく、当時の私やFidirg、Zozoganteのような有象無象の名をいちいち覚えてはいなかったはず。
それに何より、Demon King Armyは『軍』とは呼ばれていても、実際には軍事organizationとは呼べない集団だった」
Demon King Armyとは、Demon KingであるGuduranisに率いられた邪悪なGodsと、邪悪なGodsが使役するmonstersの事を総じて名付けたものだ。そのため、実際は群であって軍ではない。
元居たworldが滅びに瀕した時、Guduranisがanother worldに連れて行く事が出来る、もしくは連れて行く価値があるとみなした一定以上の力を持つ者達を纏めただけの集団だ。
邪悪なGodsもGuduranisをDemon Kingと恐れ、従っていたが、organizationを作っていたわけではなかった。
そのため、Guduranisも含めて全ての邪悪なGodsの姿や名、何が得意でどんな性格の持ち主なのかを把握している存在はいなかったのである。
そのため、originally名が知られていなかったLugornockがいなくなっても、誰も気が付かなかったのだ。
『じゃあ、Zuruwarn達も貴方の事は知らないままなんですね』
『maybe? 私はここでCamouflageしたまま出来るだけ何もせずにいたから、分からないが』
本人がただ月の後ろに浮かんでいるだけで、何もしていない。しかも、Demon King Armyの誰もLugornockの事を知らないか忘れたまま思い出さなかったので、ZuruwarnもVida's Factionに転向した元Demon King Armyも彼の事を知らないままだった。
space (UCHUU)から『Lambda』を眺めていれば、月の後ろにいるLugornockを目にしていたかもしれない。しかし、Lugornockは背中からはただの小惑星にしか見えないようCamouflageしており、その正体を見破るには彼と月の間に入ってみるしかない。
そのため、ZuruwarnやRodcorteも気が付かなかったのだろう。
……注意して探せば見つけられたかもしれないが、Demon King Army Remnantsが潜み暗躍する惑星『Lambda』よりも、何事も起こっていないspace (UCHUU)を優先して探す理由はなかった。
実際、こうしてVandalieu達が月に来たのは、地上がだいたい平和になったからである。
「しかし、神である以上全ての者に忘れられて十万年以上存在し続ける事は不可能なはず。何もせず、ただ存在し続けているだけでも糧が必要なのは神も生物も同-sama。
Lugornock、汝は如何にして糧となる祈りや畏怖を得ているのだ?」
Gufadgarnが尋ねたように、Humanに名すら知られていないLugornockは、祈られる事はもちろん、畏怖される事も無い。それでは、どんなに彼が仮死conditionで長時間生きる事が出来るrace出身のEvil God (M)でも、十万年は生き延びられるはずが無い。
『ああ、それについては、こうしてmonstersを創っている。時間をかけてだけど』
「monsters? Golemの事か?」
『いや、私の真下にいる』
そう言われたGufadgarnは……Vandalieuの背後から動かないので、VandalieuがLugornockの真下に行く。
『あ、いましたね。貝っぽいのが』
そこには、砂に埋まるようにして硬そうな殻に包まれた生物、monstersが百匹以上集まっていた。
殻は直径一meter程の大きさで、半ば透き通っていて中が透けて見える。そこには、液体の中に甲虫か甲殻類のような物が浮かんでいる。
『outer spaceに耐える殻の内側で、満たした液体を利用して生きているmonsters、でしょうか?』
『はい、そんな感じです』
卵として生まれ、しかしそのまま殻を破らずに成長。卵の殻をそのまま貝の殻のように大きくしながら、その内側に満たした液体に浮かんだまま成体となる。
energy源は、なんと周囲のmiasma。自分自身や同類、そしてLugornockが放つ汚染されたManaを、少しづつAbsorptionし、何百年もかけて成長する。
Breeding方法は雌雄同体であるため単性生殖。殻の中で卵を産み、それを殻の一部にくっつけ、何十年もかけて液体と共に殻で包んで……準備が出来たらところてんのように押し出して増える。
『……卵の殻を破らず成長しBreedingまでするとは、ある意味凄いmonstersですね。自分の意志では一歩も動けなさそうですが』
『むしろ、monstersなのかと疑いたくなるlevelで無害だわ。いや、むしろ少しだけmiasmaをAbsorptionするから、益獣なのかしら?』
「Humanを害するという、monsters共通のInstinctがあるのかどうかも疑わしい」
『おおぉん』
outer spaceでも生存できるのは凄いが、Lugornockに似て動かずに生きていく事に全てを費やす生態に、何故か残念さを感じてしまうVandalieu達。Knochenは、このmonstersの殻をboneと解釈するべきか否かについて悩んでいるようだが。
『nameは考えた事がなかったけれど、とりあえずShellnockとでも名付けよう。このShellnockは、月にしかいないので、当然Humanと接触した事も無い。私の下で私を見上げ、私をほんの少しだけ凄いなと敬い、畏怖する存在。
こいつらの信仰を維持するために、月に星を落としたりはしている』
『星を?』
『月の近くを横切る、私の百分の一あるかないかぐらいの星の軌道をManaで歪めて、月に落としている』
LugornockはShellnock達に対して、自分はこんな凄い事が出来るのだと示すために、月に隕石を落としていた。それらは小さく、落下しても小さなcraterが出来るだけで月そのものを危うくしたり、軌道を曲げるような衝撃はない。
しかし、振動はShellnock達にも伝わるため、Lugornockを畏怖させるには丁度いい。また、彼が意図したもの以外にも月には隕石が落ちる事があり、ShellnockはそれらもLugornockの仕業だと誤解するため、都合がいい。
そして、何より月に小さな隕石が落ちたところで、誰も気にしない。無害だし。
『それ、月ではなくLambdaに落とす事も出来ますか?』
しかし、逆にVandalieuは危機感を覚えた。Lugornockが自由に隕石の軌道を操る事が可能なら、月ではなくLambdaにGiant隕石を落とすことも可能なのではないか? そう思ったからだ。
GufadgarnとKnochenはその辺りの危機感がピンと来ていないようだが、Pluto達Legionはハッとしている。
『可能か不可能かで言えば、可能。だけど、maybe途中で燃え尽きると思う』
『燃え尽きる?』
『何故かは知らない。今まで『Lambda』に小さな星が落ちていくのを何度も見たけれど、そのほとんどが落ちる前に途中で燃えてなくなっていた』
『……?』
『Gufadgarn、Lugornockが言っているのは流れ星の事だと思います』
隕石が大気圏に突入すると、摩擦で燃えてしまう事をGufadgarnは……というか、『Lambda』worldの住人の多くは知らなかった。
体験としてspace (UCHUU)から『Lambda』に降り立った元Demon King ArmyのGufadgarnだが、隕石と同じように大気圏に突入した訳ではない。そのため、隕石が燃え尽きるほど大気との摩擦熱が高くなる事を理解していない。
「そうでしたか。偉大なるVandalieuよ、英知を授けていただいたことに感謝します」
『どうも。それでLugornock、燃え尽きない程大きな星を『Lambda』に落とす事は可能ですか?』
『……無理』
『何故無理なのか、具体的に説明してください』
Vandalieuがそう求めると、Lugornockはlipsとeyeballしかない体で器用に「面倒臭い」とemotions表現をして、しかし答えてくれた。
まず、燃え尽きずに『Lambda』の地面に届くほど大きな隕石が近くまで来ることが滅多にないからだ。『Lambda』worldのspace (UCHUU)は、『Earth』のspace (UCHUU)と比べて圧倒的に狭い。しかし、Lugornockにとっては無限に等しい。しかも、彼の機動力はかなり低い。
天文学的には近くを通る軌道の隕石も、Lugornockにとっては遥か彼方なのだ。とても軌道を操作するなんてことはできない。
次に、Lugornock自身の力不足によるものだ。自身の存在を維持するために必要な、最低限よりややマシ程度の糧で生きている彼の力は、かなりweak。
月の引力も利用して、近くを通る小さな隕石の軌道を寄せる事は出来ても、大きな隕石に干渉して軌道を曲げて『Lambda』に落とすのはまず不可能だ。
なら力が回復すれば可能なのかというと、それでも難しい。originally、Lugornockは他のDemon King Armyの邪悪なGodsがnameを殆ど覚えられない程度のEvil God (M)だ。しかも、十万年の間力を高めようとは一切していない。
力が完全回復しても、Lugornock程度では大きなことはできないと本人も考えていた。
『なるほど』
Lugornockの説明を聞いて、なるほどとVandalieuは納得した。惑星としての『Lambda』の大気圏を隕石が突破するのに必要な大きさを『Earth』と同じだとするなら、確かに莫大なManaを必要とするからだ。
『Vandalieuでも難しいの?』
「ふむ……ちょっと小惑星の軌道を操作できるか、【Telekinesis】で試してみましょう」
Vandalieuは【Demon King's Eyeballs】で手頃な隕石が無いか探し、目についた中で最も近い小惑星に【Telekinesis】をかけようとした。
『あ、無理』
そして、実行するとBoundary Mountain Rangeの一部を動かしてArk Mountain Rangeを造った時に匹敵するManaを消費しそうだったので、慌ててやめた。
No-Attribute Magicの【Telekinesis】は、触れずに物を動かすmagic。必要とされるManaは、術者から動かす目標までの間の距離がどれだけ離れているか、そして目標を動かすのに必要な力の大きさによる。
Vandalieuは今までこの【Telekinesis】を使って、【Demon King Fragment】を使って銃身から銃弾を撃ってきたが、それと比べても隕石の軌道操作は難しかった。
やはり、数百キロ先のouter spaceをHigh-Speedで移動する直径数meterの小惑星を動かすだけでも難しいようだ。地上で数十キロ先の対象を【Telekinesis】で動かそうとした事はなかったので、分からなかったが。
『VandalieuのManaでも無理なの!?』
そう驚くLegionとGufadgarnの方がshockを受けている-sama子だったので、Vandalieuは言葉を若干選んで説明した。
『少なくとも、簡単には無理です。もっと時間をかければできると思います』
軌道を操作したい小惑星のもっと近くから……直接降り立って【Telekinesis】をかければ必要なManaを三分の一、いや、もっと節約できるはずだ。
『じゃあ、『Lambda』にGiant隕石が落ちてきそうな時はどうしましょう?』
『あ、落とすのではなく落ちないようにする方法ですか? その場合は……できるだけ早く爆破すれば何とかなるでしょう』
小惑星の軌道を【Telekinesis】で操作するのではなく、単に『Lambda』へGiant隕石が落ちないようにするだけなら話は簡単だ。破壊すればいい。
地上から【World Breaker Hollow Cannon】を撃って破壊するのは難しいし、隕石は無機物だから【Blood Infection】も効果は無い。しかし、砲弾型Demon King Familiarを打ち出すとか、色々な方法がある。
また、outer spaceに前もってDemon King Familiarを漂わせて置いて、小惑星が大気圏に突入する前にぶつける方法もある。小惑星に直接降り立つ事が出来れば、【Golem Creation】で小惑星の一部をGolem TransformationしてcountlessのGolemに細分化する事も可能だろう。
『そうか! 映画のような事があっても、Vandalieuなら『Lambda』を守れるな!』
『落ちて来る隕石の大きさや、事態に気が付いた時の状況次第ですけど、俺以外でも守れると思いますよ。Valkyrie達Legionも含めて』
最大にまでGrowしたLegionが小惑星に体当たりし、main bodyを小さく纏めて離脱。残りを自爆させればいい。
他にも、GufadgarnがDemi-GodをTeleportationさせるのに使うような、Giant【Teleportation Gate】を開いて別のspaceに飛ばしたり、Knochenが運びBorkus、Schneider達の集中攻撃を命中させる事が出来れば、だいたいどうにかなる。
『おおぉん?』
『たしかに、Knochenの言うようにそれは『Lambda』に小惑星が迫っている事が、事前に分かってこそ取れる方法ですね』
ある日突然空からGiantな隕石が降ってくる。『Earth』や『Origin』でも簡単ではないのに、人工Satelliteはもちろん天体望遠鏡も無いこのworldで、小惑星の接近を事前に察知するのは至難の業だ。
空に隕石が現れ、慌てて迎撃しようとしても間に合わない可能性がある。
やはり、重要なのは情報だ。そして、その情報を得るのに都合のいい場所にいるEvil God (M)がいた。
『え?』
『Lugornock、小惑星の監視を手伝ってくれませんか?』
『ええ~?』
『眠死のEvil God (M)』Lugornock。十万年以上もouter spaceに存在し続ける彼は、『Lambda』worldで最もspace (UCHUU)に精通した存在だ。
『監視……おおよそ私に向いていない作業だと思う』
問題は、Lugornock本人の適正だ。怠けるために自身の存在を賭ける事が出来る彼は、勤勉な監視員には向かない。
『全てを任せるつもりはありません。俺もCloneを作ってやります。ただ貴方にも手伝ってほしいだけです。
手伝ってくれれば、地上に貴方のIdol Statueを建立して祀りましょう』
そう提示されたLugornockは、Vandalieuの頼みを受けるか断るか、どちらの方が楽か考えた。
Evil God (M)であるLugornockの眠りは、生物とは違う。眠っていても外界の出来事をある程度知覚している。そして、月の裏側から『Lambda』の周辺宙域は、彼にとって眠っていても知覚できる範囲だ。……十万年もspace (UCHUU)にいる間に、知覚できる範囲が広がってしまっていた。
おそらく、Shellnockから糧を得るために星を落としている内に、神としての性質が変化していたのだろう。
普通なら多大な苦痛を覚え消滅する危険もあるDivinityの変質を、意識していないなんてことは無い。しかし、Lugornockは現在進行形で消滅しかけている。人で例えると、平穏に怠けるために餓死寸前で居続けているようなconditionだ。
そのため、苦痛を知覚できなかったのだろう。
(あっ、怠けるためとはいえ私、メチャクチャヤバイconditionなのでは?)
そう自覚した途端、LugornockはVandalieuの提案を前向きに検討し始めた。彼が提示した報酬によって地上でも祀られれば、少しはマシなconditionになれるはずだ。
『Lambda』の周囲全ては面倒臭いが、月から見える範囲を小惑星が近付かないか見張る程度なら大した労力ではないだろう。
それと引き換えに、地上からも糧が得られるなら悪くない。怠ける為なら消滅barelyの飢餓にも耐えるLugornockだが、飢餓conditionでいる事を好んでいる訳ではない。
(それに、VandalieuはGuduranisとはだいぶ違うようだ。彼の下なら、怠ける事が出来るだろう)
『分かった。監視の仕事を引き受けよう』
こうして『眠死のEvil God (M)』Lugornockは月の近くで『Lambda』を見守るEvil God (M)となったのだった。
なお、広大なspace (UCHUU)の一部である『Earth』や『Origin』と比べると、space (UCHUU)の中心に惑星『Lambda』があり、他の天体が巡っているこのworldではLugornockが見張る小惑星の数が圧倒的に少ない。
もっとも、かつてのGuduranisのようなanother worldからの侵略者がouter spaceに現れないとも限らないので、見張りも無意味ではないが。
また、月や太陽よりもずっと遠くにある火星や水星、木星に相当する星にDemon King ArmyのRemnantsが潜んでいないか調べるための、探査Satellite型Demon King Familiarの開発が始まったのだった。