虫型のmonstersは思考力が無く、Instinctのみで動く。
そう聞くとTamerを初めとするAnimal Trainer Jobの者達にとって扱いやすそうに思えるかもしれない。しかし、実際にはあまりにもInstinctが強すぎで、Humanでは操る事が出来ない。
一応特殊な香草や香の匂いや、音である程度までなら言う事を聞かせられるように工夫した者も居たが、それらはTamerしたとはとても言えない不stabilityな代物で、一歩間違えれば自分自身が食い殺されてしまう-samaな危うい代物だった。
そしていつしか『虫型monstersとUndeadはTamerできない』と言う常識が、広まって行った。
「筈なんですか」
ブブブブブブブブブブ。
『筈なんだよ』
ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ。
countlessのCemetery Beeに掴まれて運ばれているVandalieuは、「とても信じられない」とBorkusからされた説明の感想を口にした。
こんなに人懐っこいのに。
このCemetery Bee達は丁度巣の引っ越しをする時期で、その時偶然Vandalieuを見かけたらしい。そして、彼の【Death-Attribute Charm】に引っかかったのだ。
以前もDungeon内のUndeadが友好的だった事があったが、その時はTamerできず外に連れ出す事は出来なかった。しかし、この蜂達は次の階層に降りても普通について来る。
maybe、あの時より【Death-Attribute Charm】のlevelが上がっているからだろう。
若しくは、VandalieuはCemetery Beeとの相性が特に良いのかもしれない。
『GhoulやVampire、それにCemetery Bee。【Death-Attribute Charm】って、思っていたより対象が広いな』
Cemetery Beeに関して言えば、originally Demon King達がこのworldを手に入れるため人を戦わせるために作ったmonstersの一種だ。もしかしたら、この蜂を創ったのが死を司るEvil God (M)だったのかもしれない。
何にしても、【Death-Attribute Charm】のlevelがこれ以上上がるようなら、Undead系のmonstersが頻繁に出るDungeonやDevil Nestsには入らない方が良いかもしれない。
出入りする度に百鬼night行よろしくUndeadを引きつれて歩く事に成りかねない。即戦力が欲しいなら、有効かもしれないが。
「それで、あいつはどうする?」
思考に沈んでいたVandalieuにVigaroが指差したのは、このBorkus’s Sub-Dragon Savannah二十階層の中ボスだ。
「ギャオオオオオン!」
咆哮を上げながら翼と化した前足を大きく広げるのは、Rank6のVenom Wyvern。
ageを経たWyvernがRank upした存在で、body partが一回り大きくなりclawsとtailの先端に生えた大きな棘からDeadly Poisonを分泌する-samaになったmonstersだ。
相変わらず頭は獣にしては良いと言った程度で、Breathも吐かない。しかし、Speedと機動力はただのWyvernだった時とは比べ物に成らない。
空を飛ばずにphysical battleだけでこのmonstersを倒すのは、CClass adventurerでも不可能だ。そう断言されるmonstersである。
「当初の予定通り、俺だけで戦ってみましょう」
VandalieuはBorkus’s Sub-Dragon Savannahの、それもボスの前に出現する中ボスを自分の試金石にする予定だった。
levelが上がってAbility Valuesがincreaseしても、実戦でそれを使いこなせなければ意味が無い。あのDragon Golem相手に即死しない実力が付いたとは言えない。
それを試すためにこのVenom Wyvernと一対一で戦い、勝てるかを試すのだ。certainly【Magic Absorption Barrier】で翼に込められたManaをAbsorptionして、地面に落とすと言う手段はnoneで。
certainly、Venom Wyvernに勝てたからと言ってあの壊れかけのDragon Golem相手に即死しないとは言い切れない。
目の前でこれ見よがしに翼をfeatherばたかせる下Class竜より、圧倒的にあのDragon Golemの方が格上だからだ。
まあ、ただの目安だ。別にこの中ボスに勝ったからと言って、何か特別な力を授かる訳でもなんでも無いのは分っている。勝ったらDragon Golemの前まで行って試して、それでダメそうなら何もせず戻ってまた修業すれば良いだけの話だ。
『死なない-samaに気を付けろよ』
「行って来い、坊や。儂らが見守っているのを忘れるで無いぞ」
頼もしい応援を受け、VandalieuはVenom Wyvernにただ一人挑んだのだった。
「そして今回もダメでした」
「まー、仕方ないわよ。CClass adventurerってaptitudeがあるとか、普通よりも沢山の経験を積んで凄い努力したとか、そう言う人しか成れないって聞いたし」
「Vandalieuはその年の子にしては努力してるけど、流石に一対一じゃ……Tamerなんだから拘らなくて良いんじゃないの?」
五回目の敗北を喫した後、Talosheimに戻ってきたVandalieuは休養を取りつつWeapon Equipmentの開発をしたり、鰹節作りをしたり、色々と動いていた。
今は、Bilde達子育て中のGhoul達が集まって、育児について意見交換をする母親会にDeath-Attribute Magicの練習も兼ねて混ざっていた。
本日の主なmenuは鰹出汁の山菜入り味噌汁、ドングリ粉うどん、dessertに蜂蜜漬けの寒天だ。
鰹節は去年の今頃、初めての燻製、Earthから数えて二十年以上振りの火を使う加工だった事で失敗作を量産していたが、最近やっとstabilityして作れるようになった。
『こんな事ならもっと鰹節や燻製に付いて調べて置けば良かった。けど、まさかanother worldで鰹節を作るなんて思わなかったからなぁ』
televisionやらなんやらで聞きかじった知識を適当に繋ぎ合わせて実行した結果量産された、数々の失敗作。確かあの番組では炭火の近くで燻していたような気がしたが、きっとMemory違いか特殊な作り方のintroductionか何かだろう。
うどんは小麦粉と比べてサラサラのドングリ粉を、Gorbaが捕まえてくれたGiga Birdの卵を繋ぎにし、練って作った。本当はramenを作りたかったのだが、かん水が出来なかったのだ。
かん水は炭酸ナトリウムか炭酸カリウムが主成分、つまり特殊な塩水なので、現在作れないか工夫している。VandalieuがOriginで話を聞いた和食通の研究者の霊も、流石にかん水までは手作りしていなかった。
ただ工夫している最中なので、数年以内には出来るだろう。
そしてVandalieuは驚き慣れたが、Lambdaでは麺類が存在しなかった。うどんや蕎麦やramen、Pastaすら無いのだ。だからうどんを初めて作った時の皆の反応は「随分と細長いbreadだな。茹でて作るとは変わっている」と言う物だった。
まあ、だから「うどんや蕎麦は音を立てて食べる物」と言うJapanの習慣を広めるのも楽そうだ。
うどんやPastaくらいは在りそうな物だが……燻製と言い、このworldのCookingはCooking法がsimpleな物しか存在しないのかもしれない。Cooking法を研究する余裕が無いとか、工夫しなくても美味いmonstersの肉やDevil Nestsの産物が存在するとか、そう言う理由もあって。
そしてdessertの寒天はVandalieuが天草から加工した物で、蜂蜜はcertainly Cemetery Beeの蜂蜜である。VandalieuがTamerした……Tamerさせられたという方がaccurateかもしれないが、Cemetery Beeは現在Talosheimの王城にGiantな巣を建造している。
冬だと言うのにDevil Nestsまで働き蜂を派遣して蜜を製造中だ。因みに、Cemetery Beeの主な食料は肉だ。だから蜜を貰ってもその分Goblin等の食用に適さないmonstersの肉をやれば問題無い。
Cemetery Beeの蜂蜜は香りが強く、濃厚な味がする。そんな蜂蜜をかけた寒天は大人気のsweetsに成っている。材料の天草や昆布等も加えて、Talosheimでは海藻の価値が大きく見直された。
味噌や魚醤と比べてmagicでぽんと作れないので手間ではあるのだが。
「Van、そう言えばchildに蜂蜜は拙いんじゃないのか?」
「これはbody partに害がある物は完全に排除してある蜜だから大丈夫、問題無い」
品質を守ったまま【Sterilization】と【Disinfect】でbody partに害に成る成分は完全に消した後だ。この蜜を口にしたとしても、倒れる事は絶対にない。……食べさせ過ぎて太るとか、そう言う害は消せないけど。
「ならもし口に入ってしまっても大丈夫か」
「う~」
「でもJadal、離乳食にはまだ早いぞ」
木皿の上の蜂蜜がたっぷりかかった果物に手を伸ばそうとした赤ん坊を、Basdiaは抱き直して皿から遠ざけた。
Jadalは夏の終わり頃に産まれた、Basdiaの娘だ。妊娠するまでで苦労を先取りしたのか、驚くほどの安産で誕生し、今日に至るまですくすくと育っている。
灰褐色のぷくぷくした頬がとても可愛らしい。
「Jadal -chanも大きくなったわね。あ、-chanとclawsは削ってる?」
「いや、まだ爪は伸ばせないみたいだ。Vahbiは何時頃伸びる-samaになった?」
「うちのVahbiは一ageに成るちょっと前だったかな。でも早いと三か月で生えて来るから、-chanと手入れするのよ」
「childの内は自分のclawsで自分を傷つけちゃうからねー、Kingもそうだった?」
『うちのVandalieuもclawsが伸ばせるようになったのは三か月よ、でもその時から賢かったから』
「そうなのっ!? 三か月で賢いって凄いわね」
「あたし達の集落に来た時まだ一ageだったから、今更驚くのも何だけど」
ニコニコとGhoulの母親達との会話に混じっているのは、Darciaだ。これまで彼女はVandalieuやUndead以外には見えなかったが、Vandalieuが新開発した【Visualization】のmagicでやや透き通ってはいるものの、BasdiaやBilde達にも見え、会話する事が出来るようになった。
communicationが円滑に行えるようになれば、Darciaのstress軽減の役に立つだろうと開発したのだ。
まあ、DarciaのSpirit Formに刻まれた鞭や火傷の痕も見える-samaになるので事情を知っているTalosheimの面々ならin any case、Human社会では使い辛いけど。
その前に是非とも彼女をrevivalさせ、このmagicを無用の長物にしたい所だ。
尚、VandalieuはDarcia達が話している近くで、Ghoulの幼児達と戯れていた。
「な゛ぉ~」
Ghoulの男の子は、産まれた時から頭部がLionの物であるため、この頃はまるで子猫の-samaだ。pawは無いが、とても可愛らしい。
Bone Manは苦手らしいが。本当に猫を無暗に傷つけない-samaに言っておいて良かったと、Vandalieuはつくづく思った。
「Papaー」
「Papaじゃないよー」
凄い懐いてくれているけど、Papaじゃない。そこははっきりしておこう。
「にーにー」
「そうそう、にーにが正解」
お兄-chanと言う意味ならその通り。俺の方が三つ年上だ。
「ねー……」
「ねーねダメ、にーに」
でもお姉-chanじゃありません。
「Kingって女の子っぽいもんね。頭の形とか」
「そうよね、肌の色が同じだったら女の子にしか見えないし」
Ghoulの男は獅子の頭部をしているので、Bilde達から見るとVandalieuは女顔成らぬ女頭なのだった。BorkusやZranの-samaな逞しくGiantなBody美を誇るUndead Giant達なら、流石にそうは見えないらしいが。
「む……声変わりと第二次成長期を迎えればきっと俺も」
そして大人になる頃には割れたchin、丸太の-samaな腕に厚い胸板、戦車のキャタピラの-samaな腹筋に女の腰より太い腿。某Hollywood並のmachoに成っているに違いない。
Muscular Strengthに補正がかかる【Mysterious Strength】skillを持っているのだから、間違いない。
……maybe、きっと。
将来の自分に微妙な不安を覚えているVandalieuの隣を、お馬-sanごっこ中のPauvinaが上機嫌で通り過ぎて行く。
一ageを迎えた彼女はもう五、六ageに見えるほど大きくなっていて、他のchildを背中に載せて遊ぶのがマイブームなのだ。
決して将来muscle的に有望な自分の姿をVandalieuに見せつけている訳では無い。
「そう言えば、中ボスの攻略はどうなったんだ?」
「はい、この休暇が終わったら六度目の挑戦です」
Borkus’s Sub-Dragon Savannah、二十階層に出現する中ボスとの勝負に、Vandalieuは負け続けていた。
certainly毎度死にかけている訳ではない。殺し合いでは勝っている。単にruleの関係上、判定負けし続けているのである。
中ボスに対して一対一で戦う。これには【Golem Transmutation】で作ったGolemも含まれる。
その際、【Magic Absorption Barrier】で中ボスの機動力を奪ってはいけない。
制限時間は砂時計の砂が全て落ち切るまでの、約五分。
このruleでVandalieuはVenom Wyvernと今まで五回戦っている。
そしてVenom Wyvernに攻撃を当てられず、当てても有効打に成らず、その内に五分が過ぎてしまう。と言う事を繰り返していた。
Venom Wyvernの毒は【Disinfect】をかけてやれば体内の毒が消える為、再び毒が分泌されるまで注意を払わなくて良い。それに直接攻撃は、【Impact-Negating Barrier】で十分止められる。
だが逆にVandalieuの攻撃もVenom Wyvernに対して決定打にはならなかった。
まず敵に合わせるためにNo-Attribute Magicの【Flight】で飛んでみたが、全く追いつけなかった。速度だけなら、Manaを大目に使えばすぐに越える事が出来たのだが、小回りでは圧倒的にVenom Wyvernの方が優れていたのだ。
originally No-Attribute Magicの【Flight】は、自分のbody partを【Telekinesis】で持ち上げて動かしているのだが、Wind-AttributeのManaを翼に込めてFlightするVenom Wyvernの巧みで複雑なFlightテクニックに、全く及ばなかったのだ。
次に遠距離攻撃での討伐を試みた。No-Attribute Magicの【Mana Bullet】で狙ってみたが、射程と弾速の問題でダメだった。
如何なるattributeも帯びていない無attributeのManaは、とにかく拡散しやすい。それを収束して出来るだけ拡散し難くしてから、撃つのが【Mana Bullet】と言う術だ。
だが、拡散し難くしたと言っても限度がある。普通なら数十meter程で、Vandalieuが一発に一万と言う大量のManaを込めて放っても、百meterと持たない。【Multi-Cast】skillで一度に複数撃っても、同じだ。
それに弾速もEarthの銃はcertainly矢にも劣り、弾道も基本的に真っ直ぐにしか飛ばないためとても避けやすい。High-Speedで飛び回るVenom Wyvernにとっては、遊びも同然だろう。
弾の形を大きく歪めて弾道に変化を付ける等の工夫もVandalieuは行っていたが、全く通用しなかった。当たったらscaleどころかbone肉も臓腑も爆ぜさせる程の破壊力があるのだが。
in any case、接近戦も出来ず【Mana Bullet】が通じないとなると毒を盛るかdiseaseに感染させるか、【Soul Break】で何とかManaを奪いきるか、Lemureで攪乱して隙を作るかの搦め手と言う事に成る。
しかし上手く【Deadly Poison】で作った毒をVenom Wyvernの目や口に当てても、この飛竜は【Poison Resistance】skillを持っているため上手く効かない。
同じ要領でdiseaseにした時は上手く行ったが、発Diseaseする前に五分過ぎてしまった。
【Soul Break】は対象に物理攻撃でもmagicでも、攻撃が当たらないと効果を発揮できないし、当たっても与えたBody的なDamageと同程度しかManaを奪えないので、Venom WyvernのManaを削りきれない。
Lemureも格下のWyvernには通用したが、Venom Wyvernは突然発生したbloodthirstに驚きはしても大きな隙は見せなかった。
そしてSercrentを相手にした時を参考に、Venom Wyvernの攻撃に合わせて【Impact-Negating Barrier】を拡大し、clawsやtailをBarrierでからめ捕り、初めて隙を作る事に成功した。
しかし、Vandalieuが攻撃に移る前に長い首を曲げて、何とtailの先端と片足を食い千切って脱出したのだ。
Sercrent以上の思い切りの良さだ。野生動物でも即座に出来る行動じゃない。Dungeonの中ボスとして闘争Instinctが肥大化している事と、Vandalieuの【Mana Bullet】が胴体に直撃したら即死する事が解っていたからこそ出来た行動だろう。
そしてその後、結局五分間逃げ切られてしまった。
そして勝負の後はBorkus達がちゃっちゃとVenom Wyvernを倒して、そのまま三十層のDungeonボスも倒して、宝物庫から財宝を頂くのである。
そのためExperience Pointは溜まっているし、levelも上がっている。
「次こそは勝算があります」
『Vandalieu、そんなに急がなくて良いのよ? おkaa-san、生き返るのは五年後でも十年後でも百年後でも構わないのよ』
「大丈夫、毎回同じ事を言っているけど、今度こそ大丈夫」
Darciaは不安そうだが、Vandalieuは今回本当に勝算があった。
それは【Mana Bullet】を改造し、新たなDeath-Attribute Magicを開発すると言うideaだ。
これまでDeath-Attribute Magicには敵に直接Damageを与える術に乏しいと思っていたVandalieuだが、乏しければ作れば良いだけの事だったのだ。
今までは自分で敵を倒すとExperience Pointが入らないので新術の開発は後回しにしていたが、必要に成ったのなら打ち込めばいい。
その結果death attributeを帯びた、射程距離が長く弾速も早く、弾道も読まれにくい新術の開発に成功したのが昨日の事だ。
「次こそ勝ちます、七度目は無い」
Vandalieuは力強く宣言した。
Dungeonに出現する中ボスやボスは、他のmonstersと違って直接Dungeonの核によって作り出された存在だ。
だからこそ、何度ボスが倒されても一定の時間が経つと同程度の力を持つmonstersが同じ場所に出現するのだ。
「シャアアアア……」
「シュアアアア」
人どころか牛を丸呑みに出来るだろうGiantな蛇の頭が七つ、とぐろを巻いていた。しかし、tailは一本しかない。
竜種のmonstersの一種、多頭蛇。卵から孵った時は頭が二つあるRat Snakeぐらいの大きさの蛇だが、成長するに従って頭の数が増え、body partの大きさとscaleの硬さ、再生Abilityや毒の強さが増して行く。
そして成体になると七つの頭を持つGiantな蛇と成り、Hydraと呼称される-samaになる。
そのRankは6で、Wyvernよりも竜種の中では格上だ。
知能は通常の蛇と変わりない程度で、機動力やSpeedではWyvernに大きく劣る。
しかしその巨体から生み出されるPowerは易々と人を薙ぎ払う事が可能だし、scaleは並の腕前では傷つける事も難しい。そしてそのfangsから分泌されるDeadly Poisonは、専用のpotionでなければ解毒できない強力な物だ。
それらに増してこのmonstersの討伐を難しくしているのが首を全て落し更に首の根元にあるheartを破壊しなければ完全に死なないVitality、どちらか片方だけなら数日で完全再生するRegenerative Powerだ。
因みに、このHydraがさらに成長して頭が八つ以上に成るとOrochiと呼称されるようになるらしい。nameの由来はやはりChampionの一人がそう呼んでいた事からだ。
そしてVandalieuは六度目のBorkus’s Sub-Dragon Savannah二十階層に中ボスとして現れたHydraを前に、思わずこう言っていた。
「やり直しをdemandする」
『いや、無理だろ』
即座にBorkusに否定された。
「でも、折角 Venom Wyvernの機動力に対抗するための新術を開発して来たのに……」
Hydraは知能と機動力と素早さで、Wyvernに劣る。certainly、WyvernがRank upしたmonstersであるVenom Wyvernとは比べるまでも無い。
『仕方ねぇだろ。originally、中ボスに同じmonstersが五回連続で出るのが珍しいんだからよ』
通常、Dungeonに出現するボスや中ボスは特定のraceが出る訳ではない。決まっているのは傾向と大体の強さの水準だけで、その中からランダムにDungeonが産み出し配置する。
ここなら、Rank6の竜種か恐竜型のmonstersの中から中ボスが選ばれると言う訳だ。
その中でも強い方だっただろうVenom Wyvernが五回連続で出たのは、Vandalieuの運の無さ故か。
『今更Hydraが引っ込む訳も無い。試してみろや。その新術を』
「はあ……【Death Bullet】」
Vandalieuが鎌首をもたげるHydraに向かって手をthrust出すと、そこに黒い陽炎の-samaな物が出現する。
ただならぬ雰囲気を感じ取り、逃げようとするHydraに【Death Bullet】は撃たれた。
生命energyを奪うdeath attributeのManaを、【Mana Bullet】と同じ要領で収束して打ち出すのがこの【Death Bullet】だ。
まだ術に慣れていないためSustained Fire性は【Mana Bullet】より低いが、射程距離も弾速も段違いだ。更に、ある程度の追尾Abilityもある。
「「「シギャアアアアアアア!!」」」
しかし、その弾速も追尾Abilityも発揮するまでも無くHydraに【Death Bullet】が命中。Vitalityを奪われたHydraの首からscreechが上がり、蛇の頭部が次々に地面に垂れて行く。
Vandalieuは更に【Death Bullet】を何回か放ち、全ての首が地面に横たわったら、Hydraのheartに止めの【Death Bullet】を放った。
後に残ったのは、外傷が一つも無いのに死んでいるHydraの死体だけだ。
『おお、スゲェな』
「一流のMageの全Mana百人分を使ったと考えれば、そうでもないです」
『そうかもしれねぇが……お前に取っちゃ百分の一以下だろ? それより喜べよ、中ボスを五分どころか一分もかからず倒したぞ』
「それはそうですけど……」
『別にVenom Wyvernに拘る事はねぇ。要は、あのDragon Golem相手に即死しない強さが手に入りゃいいんだ。そうだろ?』
その通りだけど、いまいち納得できない。
しかし、Borkusの言う通りVenom Wyvernが出るまでDungeon攻略を繰り返すと言うのも目的から外れるので、とりあえずこれで良しとしよう。
次はDragon Golemだ。
《【Death-Attribute Charm】、【Strengthen Follower】、【No-Attribute Magic】、【Mana Control】、【Cooking】、【Unarmed Fighting Technique】のlevelが上がりました!》
《【Long-distance Control】skillを獲得しました!》
・Name: Vandalieu
・Race: Dhampir(Dark Elf)
・Age: 4age
・Title: 【Ghoul King】
・Job: Death-Attribute Mage
・Level: 100
・Job History: none
・Ability Values
Vitality: 90
Mana: 204,506,933
Strength: 67
Agility :46
Endurance :71
Intelligence :233
・Passive skills
Mysterious Strength:1Lv
Rapid Healing:3Lv
Death-Attribute Magic:5Lv
Abnormal Condition Resistance:5Lv
Magic Resistance:1Lv
Dark Vision
Mental Corruption:10Lv
Death-Attribute Charm:5Lv(UP!)
Chant Revocation:3Lv
Strengthen Follower:6Lv(UP!)
Automatic Mana Recovery:3Lv
・Active skills
Bloodsucking:3Lv
-Surpass Limits-:4Lv
Golem Transmutation:4Lv
No-Attribute Magic:4Lv(UP!)
Mana Control:4Lv(UP!)
Spirit Form:2Lv
Carpentry:4Lv
Engineering:3Lv
Cooking:2Lv(UP!)
Alchemy:3Lv
Unarmed Fighting Technique:2Lv(UP!)
Soul Break:1Lv
Multi-Cast:1Lv
Long-distance Control:1Lv(NEW!)
・Curse
Experience gained in previous life not carried over
Cannot learn existing jobs
Unable to gain experience independently