一度変わった流れは、そのまま勢いを増す一方だった。
「止めろっ! 貴-samaらが討つべきは奴らだ! Heroic spirit -samaではないのだぞ!」
「逃げるなっ! 撤退命令は出していないぞ! 敵前逃亡は重罪なのだぞ!?」
Holy Armyの従軍PriestやGeneralが何を叫んでも、Vidal Magic Empire軍と協力してrunawayする【Demon King Fragment】のsealedと、それを邪魔する者の排除を優先する者、そして戦場から逃げ出そうとする者は後を絶たなかった。
特に後者は多い。Demon Kingを倒す聖戦だ、歴史に残る決戦だ、名を上げれば立身出世も夢ではないぞ。そう大々的にAmid Sacred Empire政府とAlda templeが呼びかけて徴兵を行い、adventurerやmercenaryを募集してきた。
しかし、実際に戦ってみればそんな華々しい戦いにはならず、始終劣勢を強いられた。
それだけなら、敵前逃亡の罪を恐れて逃げだす者はそういなかっただろう。だが、今は止まっているが龍が空から雷を降らしてくるし、居るはずの『Five-colored blades』は不在で、代わりに出てきたのは【Demon King Fragment】をInfestさせたHeroic spirit Knightなる一団。
ますます劣勢になり、このままでは敗退どころか皆殺しにされかねない。そんなhorrorを覚えた彼らが期待したのは、Holy Army上層部のCommandingによる劣勢を覆すためのtacticsだった。
だが、Commanderの口から出るのは、御託を色々と並べているが要は「そのまま戦い続けろ」という指示だけ。
「やってられるかっ! この分じゃあ、Sacred Empireの先は長くねぇな!」
「『Fifteen Evil-Breaking Swords』の『一剣』や『二剣』もやられちまった! runawayした【Demon King Fragment】を無視して戦えだと!? 負け戦ならまだしも、正気の沙汰じゃない! とても付き合えん!」
そうして逃げ出す者達を止める事もできない程、Holy Armyの士気はDecay conditionに陥っている。それに新たに気が付いた者がさらに逃げ出していく、負の連鎖が起きていた。
だが、そんな戦場へ逆に集まってくる者達がいた。
「我はMarmookのBotin temple Warrior団! 【Demon King Fragment】のsealedを援護する!」
「KallahadのPeria temple Priest団! 同じく!」
「YondoのMage guildだ! 我々も援護させていただく!」
ただ、それはHoly Armyに参加するためではない。BotinやPeriaのOracleによる指示に従って、開戦時に戦場から離れた者達だった。
Giantな龍や猪が現れ暴れているので、戦線には加わるつもりはないが彼らを野放しにするとMirg Shield Nationが亡ぶのではないかと案じ、-sama子を見ていたのだ。Vidal Magic Empire軍も、彼らを放置していたし。
そして、【Demon King Fragment】が複数同時にrunawayしたのをHoly Armyから逃げ出してきた者達から聞き、駆け付けたのである。
……Mage guildのMage達は、貴重なSampleを手に入れる機会だと思っている者も少なくないが。
当然だが、彼らはVidal Magic Empire軍とは戦わない。むしろ、邪魔をするHoly Armyを殴り倒しmagicで吹き飛ばしている。
「Pope陛下! いかがいたしましょう!?」
どうしようもなくなったHoly Armyの幹部達は、Holy Armyの最高CommanderでもあるEileekに縋ったが、彼にこの状況を好転させる力はない。
Eileekが優れているのは、Oracleをaccurateに受け取るaptitudeだ。それ以外にも教養があり、『God of Law and Life』Aldaを始めとしたGodsのMythや聖人の逸話に関する知識は深い。また、magicと武術も人並みより数段上の素質を持つ、多才な少年でもある。
しかし、逆に言うとそれだけでしかない。
人並みより数段上とはいえ、十代の少年でしかない彼のmagicは大人の凡庸なMageやKnightと互角か僅かに劣る程度でしかない。
当然だが、戦場でのCommandingなんて特殊な経験は無い。GeneralやKnight Delegation Leaderがいなければ、百人のSoldierを行進させられるかも危ういほどだ。
そしてEileekのcharismaは、Aldaに対する狂信的なreligionによるものだ。そのため、Aldaへのreligionが途切れた者には彼のcharismaはもう感じられない。
「分かりました。私が直接前線でCommandingを執りましょう」
なので、この時彼が出来るのは、「将自らWeapon Equipmentを手に取って戦う」と言う愚策中の愚策だけだった。
(Aldaよ、お許しください。聖戦のための生贄の羊は、その半数以上が神の教えを聞かぬ山羊と化してしまいました。私にできるのは、残りの羊たちを生贄の祭壇へGuidingためにその先頭を逝く事だけです)
ここに至ってもEileekの心にはAldaに対する疑念も、死へのhorrorも、そして自らが生贄の羊と呼ぶHoly Armyの将兵への罪悪感もなかった。
あるのは、ただただ聖務を完遂できなかった無念のみ。
「Pope陛下御出陣! Pope陛下御出陣!」
伝令がそう叫ぶのを聞きながら、Eileekはほぼ儀礼用だったはずの鎧を身に付け、用意されていたMaceと盾を手に前線に向かった。
まだHoly Armyに属して戦っている将兵達はその姿に奮い立ち、挫けかけていた士気が戻ったが……。
「きょ、Pope陛下が、Pope陛下が討たれたぞー!」
しかし、Oracleを受け取るaptitudeがGenius的で他が並みよりやや上程度の少年が前線に出て生き残れるほど、優しい戦場ではなかった。
「えっ? ……何かの冗談?」
「もしかして、shadow武者?」
敵の総Commanderらしい奴が前に出てきたので、倒すよう指示を出したBildeとKatiaは、その数秒後に「う、討ち取ったみたいです」と返ってきた報告に大いに困惑した。総Generalを討ったというのに、全く士気が上がらない程その困惑は大きかった。
「おのれっ! なんとしてもPope陛下の仇を取るのだ!」
そして、Eileekの望み通り、残りのHoly Armyの将兵達の多くはHELLのような戦場に自ら突進していった。
総Commanderが討たれても終わらない悲惨な戦争になりつつあるHoly Armyとの戦いで、唯一互角の戦いを繰り広げている者達がいた。
「おいっ! 総Generalが討ち死にしたそうだぜ!」
「それがどうかしたか!?」
SchneiderとLeonardoの戦いは、決め手がないまま続いていた。
槍のように鋭いSchneiderの蹴りをLeonardoが回避し、彼の剣がSchneiderの軸足を貫き腱を切断しようとする。かと思えばSchneiderは虚空を蹴ってその反動で飛びのき、逆に攻撃のtimingを外されたLeonardoの頭を拳で叩き潰そうとする。
「確か、Emperorが崩御した際にはお前らは一旦引いて、次のEmperorが即位するのを待つんじゃなかったか!?」
「俺達のruleに詳しいじゃないか。だが、心配無用だ」
Schneiderの拳を回避しきれず、片耳を半ばそぎ落とされbloodを流すLeonardoは眉間に皴を刻んで答えた。
「あのガキからは、自分が崩御したとしても聖務を続けるようにと言質はとってある。もっとも、それが無くても引くつもりはなかったがな」
「チッ、だろうな」
SchneiderはLeonardoの瞳を見て、彼が以前から抱えていたInsanityが大きくなっている事を理解してclicking tongueをした。
いけ好かないどころか、機会があればお互いを殺そうと狙っていた者同士だ。好敵手だなどと思った事はないし、友情など感じた事もない、徹頭徹尾敵同士。
だからこそ、SchneiderはLeonardoの中で【Demon King Fragment】の浸食が進んでいる事に気が付いていた。眉間の皴は、勝負がつかない事に対する焦りや傷の痛みによるものではなく、増していくInsanityに抵抗しているためだと。
それでも何故引かないのかと言うと、Leonardoにとっては、ここで引いたところで次はないからだ。
Amid Sacred Empireはどう考えても、この後滅亡するだろう。HeinzがVandalieuに勝とうが負けようが関係ない。これだけの被害を出し、戦力を消耗し、権威を失墜したのだ。しかも、Eileekはこの聖戦……戦争の後国を立て直す施策を一切指示していない。
戦場に赴き、自ら前線に出て死ぬ事を躊躇わなかったのに、Successorを指定すらしていなかった事からも、彼が聖戦後のAmid Sacred Empireの趨勢と残された人々の命運について無関心だった事が伺えるだろう。
良くて、今まで属国として扱って来たいずれかの国にAbsorptionされるか、分割統治。最悪の場合は、周囲のDevil NestsやDungeonのmonstersを間引けず、runawayしたmonstersによって埋め尽くされ死に絶える。
そんな国に戻ったところで、先はない。
それに、Leonardoもこれが最期の戦いだと覚悟を決めている。彼はSchneiderとの戦いに勝つために自ら【Demon Kingのheart】を、初めてActivateさせた。
それにより、【Demon King Encroachment】skillを獲得し、そのlevelは1から上がりつつある。そのlevelは、【Demon Kingのheart】の使用をやめても、下がることはない。
つまり、Leonardoが全力を出せるのはこの戦いが最後なのだ。
「悪いが俺が死ぬまで付き合ってもらうぜ! 殺されるのが嫌なら、その前に俺を殺すんだな!」
壮絶な笑みを浮かべたLeonardoが繰り出す、【Demon Kingの吻(ふん)】によるHigh-Speedでaccurateなthrustを、Schneiderは全力で回避した。
「そうするぜ! 考えてみりゃあ、テメェを野放しにすること程危ねぇことは無いからな! だがどうする!? 時間はこっちのallyだぜ!」
Schneiderの言う通り、既にこの場での戦いはVidal Magic Empire軍の勝利が確定している。
総Commanderは倒れ、残ったのは仇打ちだとがむしゃらにPierceする有象無象。残りは【Demon King Fragment】をsealedするために、邪魔するAlda's FactionのGodsのHeroic spiritと戦っている。ZigguratはDemon Kingのsoul fragmentから解放された。
Bododoはまだ暴れまわっているが、Vandalieuが来ている以上時間の問題だろう。
一方、Leonardoは【Demon King Encroachment】skillのlevelが上がれば上がるほど【Demon Kingのheart】の力を発揮できるようになる。しかし、【Demon King Encroachment】のlevelが上がる分だけLeonardoのMentalのDecayが進み、Swordsmanではなくmonsterになってしまう。
そして、仲間も欠けていく。
「ぎ、おおっ!」
『あ、Amidに、Amidに』
『栄光あれぇぇぇ……!』
Manaを消耗した『One Mage Army』Björnssonが、『Evil God of Degeneration and Intoxication』の姿を現したLissanaの吐息をmagicで防ぎきれず、倒れ伏した。浴びただけで脳まで麻痺して呼吸と鼓動が止まる、死の酒の吐息だ。
だが、そのやせ細った体が不自然に脈動して膨れ上がり、内側からskinを破って何かが現れた。
【新たな宿主――】
「はいはい、Vandalieuが来るまでのちょっとの間だけどsealed!」
【ご、合流……】
Lissanaが投げつけたOrichalcumの容器に、BjörnssonにInfestしていた【Demon King Fragment】は吸い込まれsealedされた。
「【Demon Kingのkidney】だか【liver】だか知らないけど、おかげで酒が効きづらくてまいったわ。……どこであんなfragmentを見つけてきたのかしら?」
「偶然だろ!」
DaltonがNotrusに攻撃を繰り返しながら、そうLissanaに叫び返す。そして、彼の叫びは真実だった。
【Demon King Fragment】はcountlessの肉片に割かれたGuduranisのBodyが、それぞれrevivalするためにBodyを再生しようとした結果、別々の部位に変化した物だ。そのため、どんなfragmentなのかはsealedを解いてみなければ分からない事が圧倒的に多い。
しかし、過去にsealedが解けたことがあり、その際のrecordが残っている場合はどんな【fragment】なのか知る事が出来る。また、sealedを解いて自分にInfestさせた場合も、感覚的に【fragment】の性質を知る事が出来る。
それに、【Demon KingのEquipment】に加工した場合も、性質を知る事が可能だ。
Björnssonがどの方法で【fragment】の性質を知ったかは不明だが、結果的にLissanaと相性が良かったので彼が彼女の相手をする事になったのだろう。
「Zod! Meldinっ、まだか!?」
「もう少々待っていただきたい!」
「こいつら見た目よりタフなのよ!」
ZodとMeldinは他の『Fifteen Evil-Breaking Swords』を数名倒すことに成功したが、その後に彼等の下部organizationである『Hilt』の構成員が襲い掛かってきて、動きが取れなくなっていた。
言うまでもないが、本来なら『Hilt』の構成員程度なら何人いても二人は瞬く間に倒すことができる。
『Pure-breed Vampire Zorcodrio! 十万年前のようにsealedしてくれる!』
『『Storm of Tyranny』の中で最もweak貴-samaぐらいは倒さなければ、主に顔向けできぬ!』
だが、『Hilt』の構成員はHeroic spirit Knightと同-samaにHeroic spiritのYorishiroに改造されていた。originally 『Hilt』の構成員は、mission達成のためなら躊躇わず命を投げ出すよう教育されている。
だから、彼らは今回の聖戦に挑む際自らのBodyをHeroic spiritの入れ物にするために、自ら進んで廃人になる事を選択したのだ。
Eileek達は気が付かなかったが、その力は犯罪者のBodyを使っているHeroic spirit Knightよりも高くなっている。
「威勢がいいのは口だけのようですな!」
『ごばっ!?』
しかし、Zodにとっては「もう少し待って」もらうだけで倒せる程度でしかない。
『くっ、十万年前よりも強くなっているだと!?』
『BAKANA、奴は【Unarmed Fighting Technique】の才すらなかったはずだ!』
「Zodはあんた達がかけたsealedから解放されてから、毎日鍛えていたんだから、強くなっていて当然でしょ。普段はBodyの無いあんた達は、気が付かなかったようだけど!」
そう指摘するMeldinは手足を大きく動かして体全体で舞い、アクロバティックに斧を振るう。彼女の動きに導かれるように、繰り出されるZodの拳がHeroic spirit達のboneを砕き、放たれる電撃がflesh and bloodを焼き、大気を震わせる衝撃波が内臓を叩く。
「いやいや、私一人の力ではありません。これも皆のお陰。仲間との絆の力によるものです!」
Meldinの言う通り、鍛錬を重ねmuscleをより練り上げた現在のZodは、十万年前のZodよりもずっと強い。だが、その彼の力をより高めているのは共に戦うMeldinとのCoordinationによるものだ。
彼女の動きに合わせる事で、Zodは自身に欠如していた【Unarmed Fighting Technique】の……Warriorとしての才覚を得て本来以上の力を発揮する事が出来るのだ。
「我々は『Storm of Tyranny』! 個人個人の力の大きさなど、意味が無いのです!」
『ぐ、ぐおおおおおっ!? お、おのっ、れっ……!』
Zodの体当たりでBodyを砕かれたHeroic spiritが、そのまま地上に留まって戦おうとするも、その瞬間にMeldinの斧で頭部から股間までBisectionされてDamageを負い、地上に留まる力を失い消えていく。
「まあ、そう言う事かな」
Meldinの斧はOrichalcum製だが、魂を砕く事は出来ないので消えたHeroic spiritはDivine Realmに戻っただけだが、再び地上にAdventできるようになるのは数千年後だ。実質、retireである。
「……そろそろ潮時か。まあ、荷物も届くころだしな」
Leonardoは仲間が次々に倒れていくのを見て、Schneiderと一対一で戦える時間は残り少ないと判断した。
「なんだと?」
Schneiderが怪訝な顔をした瞬間、Leonardoのwhole bodyからblood飛沫が飛び散った。【Demon Kingのheart】で上がった圧力にblood vesselが耐えきれず、skinを破ってbloodが噴き出したのだ。
「目隠しのつもりか!? 【無刀武刃】!」
だが、Schneiderはblood飛沫に構わずknifehandを振るった。それは間違いなく当たったが……。
「しまったっ!」
だが、彼はそのまま畳みかけてLeonardoを仕留める事は出来なかった。何故なら、彼がknifehandを当てたのはLeonardoの【Demon KingのEquipment】を握っていた右手だったからだ。
卓越したskillによって放たれた【Martial Arts】によって、通常なら破れないはずの【Demon KingのEquipment】に改造されたOrichalcum製のsealedがそれを握っているLeonardoの指ごと切断されてしまった。
解放された【Demon Kingのrostrum】から逃げるために、Schneiderは咄嗟に後ろへ下がっていた。
「はっはぁ!」
しかし、逆にLeonardoはInsanityを感じさせる笑い声をあげながら、【Demon Kingのrostrum】へ指の無い手をthrust出した。
【我、合流せり!】
そして既に【Demon King Fragment】を一つ身にInfestさせているLeonardoに、【Demon Kingのrostrum】は嬉々として合流した。
それだけではない。Heroic spiritの器にならなかった『Hilt』の構成員が、敗れたHeroic spirit Knight達が落とした【Demon KingのEquipment】を回収してLeonardoの元に駆けつけてきた。彼らは、それを躊躇なくLeonardoに向かって投げた。
「くくくっ! はははは!」
自分に投げられた【Demon KingのEquipment】のsealedを、体中から生やした【Demon Kingのrostrum】で貫く。
【【【【我、合流セリ!】】】】
数多の【Demon King Fragment】がLeonardoの体に入り込み、変異させる。失った得物と指の代わりに【Demon Kingのrostrum】が生え、反対側の腕には【Demon Kingのoperculum】が現れ盾になり、両膝から下が溶けたように形を変えて【Demon Kingのpropodium】となった。
「ははははは! さあ、この刹那の時を遊ぼうぜっ、命と魂をかけてな!」
Acceleration度的に【Demon King Encroachment】skillのlevelがincreaseし、egoが恐ろしい速さでDecayしていく。Leonardoは自身のMemoryもemotionsもreasonも何もかも【Demon King Fragment】に差し出しながら、今まで培った戦闘技術とInsanityだけを残して駆け出した。
「勝手な事を!」
snailと同じ【propodium】とは思えないHigh-Speedで、文字通り滑るように間合いを詰めてくるLeonardoを、Schneiderは正面から迎え撃った。
「【砕山割海無斧】!」
Schneiderが斧の如く振り下ろした踵落としを、Leonardoは貝類が貝の口を塞ぐのに使う蓋に相当する【Demon Kingのoperculum】で防ごうと掲げる。しかし、両者が衝突した瞬間砕け散ったのは【Demon Kingのoperculum】とLeonardoの片腕だった。
「殺っ!」
どす黒いbloodをまき散らしながらも、Leonardoは片足立ちのconditionのSchneiderの目に向かって【Demon Kingのrostrum】の剣先をthrust出す。
「【Extreme Instant Response】!」
しかし、反射速度をEnhanced (1)するMartial Artsを使ったSchneiderはbarelyで【rostrum】に目を貫かれるのを回避する。しかし、耳を削られてbloodが派手に飛沫いた。
腕が伸び切ったLeonardoの隙を狙い、Schneiderは彼の頭部を狙って抜き手を放つ。
「ぜああああっ!」
その抜き手を、Leonardoは砕かれた腕を【Demon Kingのradula】に変化させて防ごうとする。表面に細かい歯の生えたtongueで、Schneiderの腕の肉もboneも削り食おうとしたのだ。
「【Spiral thrust・極み】! 【金剛筋】!」
しかし、Schneiderは構わず抜き手を放った。【radula】で腕のskinが削り取られる。しかし、その下のmuscleは【radula】に抵抗し、細かい傷がつくだけで削り取られはしなかった。
「ガガ!?」
Schneiderの抜き手は止まらず、そのままLeonardoの鼻から上の左側を貫き、吹き飛ばす。頭部の四分の一と脳の左半分をほぼ失ったLeonardoは素早く体勢を立て直すと、再び【rostrum】で刺突を繰り出す。
しかし、それはSchneiderの分厚い胸板を貫く事は出来ず、逆に折れてしまった。
そして、LeonardoのSwordsmanとしての寿命はそれで終わった。heartの鼓動に似た不気味な音を立てて体が歪み出し、それまではbarely保っていた人としての形が崩れ始める。
「いくら何でもmuscleが固すぎだ。どうなってんだ?」
「Zodの奴から【Muscle Technique】を習ったんだよ」
「何故、今まで使わなかった?」
「お前の剣の腕なら、muscleをいくら固くしても無駄だからな」
「そうか……そういや、【radula】は剣じゃないな」
その光景は実に奇妙だった。形の変わっていない頭部すら大きく欠けて脳の断面が見えているのに、会話だけは普通に交わせている。
【Demon King Encroachment】が10levelになってもDecayしない程、LeonardoのInsanityは強かったのか、それとも彼は既に脳を使用していないのか。
「じゃあ、後片付けは任せた。ああ……楽しかった」
そう言うと、Leonardoはあっさりと自身のheartと残り半分の脳を【Demon Kingのrostrum】でthrust刺してsuicideした。
【我に、新たな宿主を!】
その瞬間、Leonardoが死んだことで彼にInfestしていたいくつものfragmentがFusionしたまま一斉にrunawayを始める。
「クソっ! Leonardoのbastard、ガキじゃあるまいし、遊び道具を散らかしたまま逝きやがって!」
素早く飛びのいて【Demon King Fragment】にInfestされる事を避けたSchneiderはそう毒づく。
「責任者は何処だ!? ぶち殺してやるっ! ……畜生っ、もう死んだ後じゃねえか!」
「確か、『零剣』のCarmineって人が『Fifteen Evil-Breaking Swords』の纏め役じゃなかったけ?」
「申し訳ないっ、そのCarmineはだいぶ前に私が黒焦げにしてしまいまして……」
Heroic spiritを倒すか地上に留まる力を使い果たさせたMeldinとZod、そしてNotrusを倒したDaltonにLissanaも合流する。
「【癒しの吐息】」
Lissanaがふぅっと桃色の吐息を吹きかけると、Schneider達の傷が素早く癒える。
「ありがとよ。しかし……これ、sealedできるのか? ざっと数えただけでも五個以上のfragmentがFusionしてるんだが?」
【Demon King Fragment】は数が集まれば集まるほどrunaway時は強力になっていく。歴史上、recordが残っている中でsealedに成功したのは最大でも五つである。なお、その際は国がいくつか滅んでいる。
Schneider達もここまで多くFusionした【fragment】をsealedした経験はない。
「仕方ねぇ。Zod、俺達が足止めしている間にVandalieuを呼んで来い!」
「それしかありませんな」
『おっと、それには及ばんぞ』
だが、Schneider達が動き出す前に何者かが現れ、Leonardoだった存在を飲み込んだ。