不完全revived Guduranisが、自身のsoul fragmentを集めている。その情報は、VandalieuのDemon King Familiarによって各地に広まった。
「マジですか!? ……もしこっちにそれが来たら、Bug Brain-kunがいくらいても足りませんね。砲弾型Demon King Familiarの残りも少なくなってきましたし」
Kanakoがいるのは、Alcrem Duchyの首都、Alcremだった。彼女はOrbaumにおけるIdol活動の原点であるAlcrem Duchyを、runaway conditionのDemi-GodやDemon King Armyの幹部から守っているのだ。
Demon continentやGartland、そしてVidal Magic Empireのfanも大切だが、Orbaum Elective Kingdomのfanが最も危なそうだからと言う理由で。
もちろんAlcremはVandalieuにとっても重要な場所であるため、Kanako以外にも十分な戦力が配置されている。
『不完全revived Guduranisって、どれくらい強いの? Jackはsoul fragmentが一つか二つならたいした事ない気がするよ』
その戦力の中でも最も大きな存在感を発揮しているのが、Kanako達を乗せているLegionである。
街の上空を浮かぶGiantな球形のchunk of meatは、Aldaが送り込んだGodsの攻撃から我が身を盾にして街を守り、【Counter】で逆にDamageを与え、動けなくなったところで逆に拘束している。
「うおおおおっ! 放せ! 何故殺してくれないのだ!? Guduranisの魂を埋め込まれていると言っているだろう!?」
具体的には、十万年前にVidaとAldaの戦いでsealedされたPure-breed Vampireを拘束し、sealedしようとしている。
『ええい、煩いぞ! 静かに人の話を聞けないのか!?』
『Valkyrie、彼も-kunにだけは言われたくないと思う』
『埋め込まれたsoul fragmentは、安全に除去できるから、今は大人しくsealedさせてほしいって説明したはずだけどね』
『無駄だ。話が通じるconditionなら、『runaway』とは言わない』
「止めろーっ! 理由は何でもいいから死なせてくれ~っ!」
『maybe、この人に埋め込まれたfragmentは【破滅願望】ね』
『【despair】かもしれないよぉ』
『何にしても、本当に碌なsoul fragmentがないね』
『まあ、Demon Kingだしね』
Pure-breed Vampireのmale、Alhaberは肉に包まれて死なせてくれと叫びながらsealedされたのだった。
ちなみに、sealedにはVandalieuがAbsorptionした【Demon King Fragment】がsealedされていたOrichalcum製の容器を使って行っている。
『……そういう訳で、私達は不完全revived Guduranisがどれほどの脅威なのか、目算が付けられずに困惑している』
『自分の体験だけを物差しにするのはどうかとは思うけど』
「まあ、無理もありませんね。少なくとも、Dark Avalonよりはweakと思いますけど……どうなんです?」
問われたBug Brain-kunこと、Demon King Familiarはすぐに答えた。
『当然ですが、Dark Avalon……RokudouとEdgarを乗っ取ったGuduranisよりはweakと思います』
【Instinct】と【Memory】と【粉】が、【Avalon】のRokudou HijiriとEdgarの魂を乗っ取り、【Demon King Fragment】で出来たBodyを手に入れた存在。宿っている魂もBodyもGuduranisの物で、抵抗する存在は無い。
RokudouとEdgarという異物を抱えているが、完全にAbsorptionして彼らのskillを利用していた。さらに、周囲にいるRokudouの部下の魂まで従えて、十万年前は出来なかったArtificial Spiritまで創り出していた。
それに対してAldaが放ったのは、Guduranisのsoul fragmentをInfestさせられrunawayしているVida's FactionのGodsやDemon King Armyの幹部だ。fragmentが宿主を乗っ取ったとしても、Guduranis本来のBodyである【Demon King Fragment】は一つもなく、乗っ取ったsoul fragmentの種類によっては……仮に【Insanity】や【libido】だった場合は無差別に暴れるだけの存在になる可能性も高い。
そして、Bodyを持つDemi-GodやDemon King Armyの幹部ならともかく、Vida's FactionのGodsを乗っ取った場合、Divine Realmに戻らず地上に残り続ければ消耗が大きくなり、消滅してしまうだろう。
『とはいえ、fragment自身の種類とInfestしている宿主次第でしょうか。あるかは不明ですが、【闘争心】とか【闘魂】とか【奸智】とか【狡猾】等のsoul fragmentが、強力なDemon King Army幹部のBodyを乗っ取った場合は、厄介だと思いますよ。
Orbaumで『Evil God of Demon Castles』Gupyareslaがそうなりかけましたが、Gufadgarnがsealedしてくれました』
しかし、結局は埋め込まれたsoul fragmentの種類と、乗っ取られた宿主の組み合わせ次第で脅威の度合いは変わる。
「つまり、残りのsoul fragmentの種類と解放されたGodsが分からないと、予想できないという事ですか……Aldaを締め上げられたらよかったんですけどね」
Alda believerが聞いたら絶句しそうなことをKanakoが言い出す。そして実際、sealedから解き放ったGodsも、Godsに埋め込んだGuduranisのsoul fragmentの種類も、Aldaしか知らない。
『それと、不完全revived Guduranisが使うだろうDeath-Attribute MagicとSoul Breakには警戒してください』
「Van -samaと同じ事が出来る……という訳ではないはずよね?」
そこにやって来たEleonoraがそう尋ねながら、脳蟲型Demon King Familiarのシワの間に手を入れ、内部に保存されていたBlood potionを取り出す。
『はい。特にSoul Breakの方は』
実はpotionのホルダーでもあった脳蟲型Demon King Familiarは、脳の隙間に指を突っ込まれても気にせず答える。
Vandalieuにとって【Soul Devour】は得意技であり、Dark AvalonやFitunなどとの殺し合いでは基本的に常に使っていた。
しかし、GuduranisにとってSoul Breakは、奥の手である。砕く魂の強さによって比例するが、大量のManaを消費して行う必殺技だ。しかも、Guduranisは魂を砕けるだけで喰らえるわけではないので、魂を砕いてもそれによってManaが回復する訳でもなければ、力が増すわけではない。
Mythの時代、Botin達がsealedされるだけで済んだ事や、傷を負って眠りについたRicklentやZuruwarn、Periaが魂を砕かれなかったのは、そうした理由だ。
もし、GuduranisがVandalieuと同-samaに魂を喰らう事が可能だったら、このworldのGodsは悉くGuduranisに食われ、Zakkart達が召喚される前にDemon King Armyが支配するworldに変貌していただろう。
『ですが、神未満の強さ……Rank12以下の人やRank13以上の存在と互角以上に戦う自信のない人は、危険です。
神未満の存在の魂を砕くのは、Guduranisにとって大した手間と消耗ではないでしょうから』
「つまり、LegionやEleonora -sanは大丈夫でもあたし達は危ないから、Vanに守ってもらわないといけないと言うことですね!」
「なんでそうなるの!? Van -samaの手を煩わさないよう、警戒して自分の身を守りなさい!」
「もちろん冗談です。それはともかく、どこにいるんでしょうね? soul fragmentを集めるのが目的なら、ここにやってくるかもしれませんが」
Guduranisのsoul fragmentを集めている者の目的が、それを続ける事ならKanakoが言ったように、Vandalieuに喰われる前にfragmentを入手しようとするはずだ。
その場合、食われる前のsoul fragmentがあるここにやってくる可能性は十分ある。
『GYAAAAAAA!』
今も、そのsoul fragmentがInfestされている活きのいい宿主が、所々石化させられたconditionでscreechを轟かせている。
「しぶといですね。手足は全て切断するか石化させたというのに」
『ヂュオォォ……ならば開きにしては?』
蠅に似た頭部と前後合わせて八本の足を持つ猿に似た体を持つ、『Evil god of Corroded Forests』Parafalpaは、触れた物を何でも溶かして啜る恐ろしいEvil God (P)だったが、BellmondとBone Manによって脚をすべて奪われ、芋虫のように転がされている。
Orichalcum製でもNemesis Bellのような量産品なら、数分で溶かせる自慢の溶解液も、斬撃によって生み出したVacuumの刃で切り刻むBone Manの絶技には、全く意味が無い。
Parafalpaを縛っているBellmondの糸は長時間触れているため、何度か溶かされているが……。
「ところで旦那-sama、新しい糸をお願いします」
『ふしゅるるる!』
彼女の腕に張り付いている小さなDemon King Familiarが、溶かされる度に追加の糸を吐くので問題ない。
「あの、殺しちゃまずいんじゃなかったっけ?」
二人の-sama子から、Parafalpaをsealed、もしくはVandalieuが喰らう前に殺してしまうのではないかと、『God of Heat Haze』Rubicanteの元Hero CandidateだったCarlosが、控えめに止める。
戦いが始まる前に「邪悪なGodsを殺さないように」と言われても、「やろうとしても、できるもんじゃない」と思っていたCarlosだったが、実際に戦ってみるとBellmondとBone Manはしぶとさ以外には苦戦せずParafalpaをほぼ無力化してしまった。
彼と仲間達も援護したが、信じ難い。まるで、自分達だけMythのworldに迷い込んでしまったかのような錯覚を覚える。
(まあ、現実なんだけどな)
そう彼が視線を向けた先でも、Godsの戦いが繰り広げられている。
『あなたは何者? 名を名乗りなさい!』
『『Goddess of the Holy Spear』Elkだと、何度名乗らせるつもりだ!』
『そうか、我は『Goddess of Snowstorms』Mermedia。さあ、あなたも名乗りなさい!』
『だからっ、我はElkだ!』
『そうか、我は……ええっと、そう、我は『泉のGoddess』Mermedia……?』
『何故我に尋ねる!?』
Carlosと同郷のHero CandidateであるHendricksenにblessingsを与えた、『Goddess of the Holy Spear』ElkがAdventし、十万年前にsealedされたVida's Factionに属するPeriaのSubordinate God、『Goddess of Snowstorms』Mermediaと刃を交えていた。
戦いの余波で街に被害が出ない十分離れた距離で争っているが、そのGodsしい姿とコミカルな掛け合いは街からでも見る事が出来る。
『Elk、心を静めるのだ。Mermedia -donoはGuduranisのsoul fragmentに侵され、正気を失っている。そのimpactだ』
そして、『God of Strings』HilshemもAdventしてMermediaをsealedしようとElkの援護を行っていた。
親しかったHendricksenとEdiliaにそれぞれblessingsを与えた神が、力を失う危険を冒してもAdventまでして人々のために戦っているのを見ると、Rubicanteに見捨てられた自分との差をCarlosはつい考えてしまう。
ただ、実際は元Alda's Factionの神であるElk、そしてHilshemがVida's Factionに加わった事を明らかにする必要性を覚えてAdventした、と言う事情もあったのだが。
『全力でsuicideしようとしていたPure-breed Vampireの人はsealedしたから、次はこの人だね』
『グルアアアアア!』
『っ!? や、やめろっ、我は……ええと……うわぁぁ!?』
そして動きが止まったMermediaの背後から、直径一kilometer程のLegionが迫る。Vandalieuはいないためmucusとtentacle塗れになる事は免れたMermediaだったが、tentacle状の肉の塊に飲み込まれ内部でsealedされてしまった。
戦いの末にDarciaにsealedされたByazecbyoctoの方が、外聞的にはFortuneかもしれない。
そして、そのさらに向こうでも戦いが続いていた。
『なんだ、こいつは!? 何故Guduranis -samaのsignがしないのに、Guduranis -samaと似たsignがするのだ!?』
矛盾している事を雨に打たれながら叫んでいるのは、Demon King Armyとの戦争の後期にsealedされたDemon King Army幹部の邪悪な神、『Evil God of Long Blades』Sbavolo。
本当に強力な邪悪なGodsがBellwood達にsealedされてから抜擢された、名ばかりの大幹部だ。しかし、それでもFidirgやZozoganteよりも数段上の力を持っている。
銀色の長いfurに顔まで覆われたgorillaのような姿も、邪悪な神にしては大人しく見える。しかし、そのfur一本一本が鋭いneedleで出来ている。しかも、Sbavoloの思うままに変形し、束ねられて槍の穂先やGiantな刃のようになったかと思えば、countlessの矢としてProjectile Fireする事もできる。
そして攻撃を受けるときは堅牢な鎧にもなる……はずだった。
「■■■■■■!!」
白髪のDhampirの少年の姿をした者が口から放つ衝撃波が、Sbavoloのfurをものともせず彼のmain bodyとMentalを打ち据える。
そう、彼こそが『True Demon King』Vandalieu……の偽物。『Fake-Vandalieu』として知られるKühlである。
彼は訓練の結果、なんとRank13のVandalieu SlimeにRank upする事に成功した。そう、VandalieuのSlimeである。
Vandalieuのappearanceや声、仕草をそっくりに真似られるだけではなく、Vandalieuが持つskillを模倣して真似する事が出来るのだ。
もちろん、Death-Attribute MagicやDead Spirit Magicが使える訳でもなく、Absorptionしていない【Demon King Fragment】を使う事も不可能だ。だが、【Hell Scream】skillを真似て恐ろしい絶叫を轟かせ、SbavoloのBodyとInstinctを苛む事は出来る。
『ギイイイイイイ!』
繰り返し【Hell Scream】で痛めつけられたSbavoloが、怒りのあまり金属が軋む時に立てる音に似た絶叫を轟かせながら、whole bodyのfurを逆立てさせる。そして、数百万本のfurをProjectile Fireした。
体長約百meterのSbavoloのwhole bodyから放たれたfurは広範囲に飛び散り、LegionはもちろんElkやHilshem、そして彼らの背後にあるAlcremの街にも及ぶと思われた。
「【Aegis】!」
しかし、Sbavoloの巨体以上に大きなBarrierの壁が出現し、全てのfurを防いでしまった。
Barrierを張る【Aegis】のCheat Abilityを持つReincarnator、Melissaだ。
「オラオラ! 残り少ない花火をserviceだ! 行ってこい!」
そして、Barrierの向こうから彼女と同じReincarnatorの【Hecatoncheir】のDoug Atlasが、Mental Powerで攻撃を行う。
『行ってきますー』
『追加の俺はもうちょっと待ってくださいねー』
そして、Barrierが張られていない地面を通って、DougのMental Powerで操られた砲弾型Demon King FamiliarがSbavoloに次々と命中する。
『ガアアアアア!? ウゴアアアアアア!』
彼のfurがどんなに硬く鋭くても、砲弾型Demon King Familiarは触れただけで……何なら、触れていなくてもVandalieuの意思で爆発する。
しかも、Demon King Familiarは【Demon King Fragment】製。Sbavoloのfurがどれほど鋭さと硬さを誇っても、Guduranis程ではない。そのため、爆発で飛び散る【Demon King Fragment】の破片は彼のfurの防御をthrust抜けてくる。
『っ!?』
痛みにもがき苦しむSbavoloの前で、Barrierが消えた。好機と見た彼は反撃に出ようとする。
「まだなんですか、Vandalieu -san!?」
そこに、【Holy Bow Princess】Jobに就いたMiriamが放った矢が降り注ぐ。
「お願いですから早く来てください! このEvil God (P)、さっきから滅茶苦茶怖いです!」
Sbavoloの巨体と絶叫に怯えているMiriamだったが、雨の中で弓を構えて矢を放つ動作には迷いがいない。そして、そんな彼女が放つ矢も【Demon King Fragment】やOrichalcum製のもので、Sbavoloに的確にDamageを与えている。
「うおおおおおおおっ! 滅せよ、【Demon King Sword】!」
そして、MiriamとImoutoのKarinia、そして幼馴染のBolzofoyの援護を受けたArthurが、特訓で編み出した必殺のMartial ArtsでSbavoloのfurごと脇腹を大きく薙ぐ。
『loseはいられん! 【Demon King Sword】!』
それに続いて駆けつけたBone Manも、Arthurが羨ましくて仕方がなかったので教えてもらった同じMartial Artsで、Sbavoloの脚を切断する。
『ギャアアアアアアア!? 何故だ!? 苛むのも、切り刻むのも、我の方であるべきなのに!? この雨さえ、忌々しい雨さえなければ、Human共のlungから嬲り殺してやれるものを!』
SbavoloがChampion軍との戦いで得意としたのが、肉眼ではほとんど見えない程細かなfurの破片を空気中にばらまき、それを吸い込んだHumanのlungを傷つけ呼吸ができないようにするというものだ。
だが、それも彼の周りだけに振り続ける雨のせいでfurの破片が空気中を舞わずに地面に落ちてしまい、不可能になってしまった。
それをしているのが、十万年前には存在しなかった『Goddess of Rain Clouds』Baciasである。EdiliaとYorishiroに宿った彼女の歌に合わせて雨雲は集まり、Arthur達には恵みの、Sbavoloにとっては災いの雨を降らせる。
さらにEleonoraとKanakoも戦闘に加わり、whole bodyのfurと四肢を失ったSbavoloもLegionの中に飲み込まれるようにしてsealedされたのだった。
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Name: Kühl
Rank: 13
Race: Vandalieu Slime
Level: 70
Title: 【Fake-Vandalieu】
・Passive skills
Blunt Damage Nullification
Hunger Resistance:3Lv
Predator's Super Restoration:5Lv(UP!)
Body Form Precise Manipulation:6Lv(UP!)
Karmic Venom Secretion:1Lv
Magic Resistance:10Lv(UP!)
Monstrous Strength:1Lv(Mysterious Strength awakened into!)
Physical Resistance:6Lv(UP!)
Self-Enhancement: Guidance:8Lv(UP!)
Strengthened Attribute Values: Camouflage:5Lv(UP!)
・Active skills
Silent Steps:7Lv
Bloodwork:10Lv(UP!)
-Transcend Limits-:2Lv(-Surpass Limits- awakened into!)
Grow:6Lv
Unarmed Fighting Technique:7Lv(UP!)
Coordination:7Lv(UP!)
Charge:3Lv
Parallel Thought Processing:8Lv(UP!)
Long-distance Control:8Lv(UP!)
Infest:4Lv
Camouflage:10Lv(UP!)
・Unique skill
Vandalieu’s Divine Protection
Skill Replication:Vandalieu:2Lv(NEW!)