豪雨のようなblood飛沫が降り注ぐ戦場で、強大な力のぶつかり合いが続いていた。
「【真・Dark Night剣】!」
『ブゴオオオオッ!』
Budarionが振るうMagic Swordを回避しようとした『Evil Boar Beast King』Bododoだが、体の側面に大きな傷を負ってしまう。
『BAKANAっ! 何故我から生み出されたOrcの子孫のWeapon Equipmentが、我の体に届く!?』
Bododoは自らが生み出したOrcという存在について、知り尽くしていた。その特性も、限界も。
それによれば、いくらRank upしても、自らに匹敵する事はないはずだった。自身のAdamantiteに匹敵する強度のfurや、その下の分厚いblubberを切り裂き刃を肉に届かせるなんて、あり得ないはずだった。
『貴-samaは本当にOrcなのか!? 頭部に金色のfurを生やしたVariantか!?』
「Orcの上位種、Noble Orcである! 貴-samaがsealedされる前には、まだ存在していなかったようだな!」
『何!? 上位種だと!? Creatorであるこの我に無断で進化するとは、不遜にもほどがある!』
「勝手な事を!」
Bododoからすれば、Demon King Guduranisに与えられた力を使い、彼へのLoyaltyの印として雑兵の足しにと創ったのがOrcだ。当然我が子としては見ていない。Bododoはそれを隠そうとも思わなかった。
「Budarion王! ここで我らがraceの汚点を刈り取りましょう!」
「切り倒し、戦勝記念の宴に食材として供してくれる!」
その言動はNoble Orc達を怒らせ、Bododoを追い詰めていく。
(BAKANA! 上位種だとしても、これほど強くなるのはあり得ない! 所詮Orcなど、知能の低い力とVitalityとBreeding力だけの下等なmonstersに過ぎないはず! その上位種だったとしてもだ!)
Bododoは混乱する頭でそう考えたが、それは正しい。実際、BudarionがただのNoble Orcだったら、彼自身にaptitudeがどんなにあったとしても、Bododoに命の危機を覚えさせることはなかっただろう。
だが、彼はMububujenge、そしてVida’s Divine Protectionを受けた特別なNoble Orcであり……。
『Budarion、冷静になりましょう。Noble OrcをCommandingしないと』
Vandalieuの友人としてblessingsを受け、彼のCloneを体に降ろすことができる存在なのだから。
複数の神's Divine Protectionを受けている者は、【Familiar Spirit Advent】skillで複数の神のFamiliar Spiritから自分に降ろすFamiliar Spiritを選ぶことができる。その選択肢の中に、VandalieuのCloneも含まれている。【Familiar Spirit Advent】も【Familiar Spirit Demonic Advent】も、効果はほぼ同じskillなのだ。
「安心してくれ、-kun達を見習って我がNoble Orc kingdomでは後方Commanderを置いている」
『では安心して俺のように前に出られますね』
今も、VandalieuのCloneを体に降ろして情報を共有している。
『Luzmazelaは助けられましたが、他にも行かなければならない場所があるので、ここに来るにはまだかかりそうです。大丈夫ですか?』
「少なくとも、我々は問題ない。Holy ArmyはZigguratが壊滅させてしまうかもしれないが……開戦前に離反した者達も危ないが、保護するべきか?」
『大丈夫でしょう。彼らが掲げているのはBotinやPeriaの聖印ですから』
聖戦から離脱したBotin達のbeliever達は若干混乱した-sama子だが、Zigguratに翻弄されているHoly Armyとは十分距離を取っている。
『……まあ、放置しておくとこっちに来ちゃうかもしれませんが』
彼らはAmid Sacred Empireが掲げる聖戦に加わる気はないが、Guduranisのsoul fragmentを埋め込まれたDemi-Godを前にしてただ逃げるだけでいいものかと躊躇っている-sama子で、これ以上距離を取ろうとしない。
だが今更Holy Armyと協力してZigguratと戦うのは気が進まないし、Bododoの方は主に戦っているのがNoble Orcなので援軍だと言って話が通じるのか不安なので動けないというconditionだ。
そもそも、彼らはHoly Armyから離反したcountlessの中小groupの集まりなので、全体をCommandingするleaderがいない。そのため、想定外の事態を前にして迅速に動くのは不可能なのだ。しかし、時間があれば何かしらの判断を下して動き出すだろう。
『ブルオワアアアア! よくも、よくもこの我を! 我を助けるならVidaに従ってやってもいいと思っていたが、最早貴-samaらもAldaも敵だ!』
その時、激痛のあまり激高したのか、それとも彼にInfestしているGuduranisのsoul fragmentのimpactか、Bododoが怒声を上げながら体の一部を不自然に膨張させた。同時に、地面に飛び散った彼のflesh and bloodがボコボコと泡立つように蠢き始める。
「ブギィィィ!」
「ブギャギャギャ!」
そして、なんとBododoの体の表面に生じたGiantな膿胞が内側から破れると、気味の悪い mucusを纏ったOrc達がずるずると這い出てきた。
青黒い肌に頭部には角を生やし、muscle質なBodyをしていて、通常のOrcとの共通点は鼻の形と鳴き声ぐらい。Variantだと一目でわかる。
「ブギィィイ!」
そして、飛び散ったBododoのflesh and bloodは猪のmonstersに姿を変えた。Noble Orc達にとってはザコにもならないRank3のHuge Boarもいるが、中にはVandalieuも見た事がないRank7から9ぐらいの猪のmonstersもいる。
『我はGuduranisから、Orcや猪のmonstersを創る力と権限を与えられている。どれもこれも強力なmonstersばかりだ。そしてこいつらは我を傷つければ傷つけるほど増えていくぞ! どうだ、恐ろしかろう!』
『「いや、あまり」』
思わず声を揃えて応えるBudarionとVandalieuのClone(Cloneの声はBododoには届かないが)。
『な、なんだとっ!?』
おそらく、Guduranisのsoul fragmentに乗っ取られつつある事で、Demon King式Circle of Reincarnation systemに直接干渉できるようになり、自身のflesh and bloodを材料にFollowersを創れるようになったのだろう。
それは普通なら恐ろしい力だ。傷つける度に強力な敵が増えるなんて、despair感を覚えたとしても仕方がない。
しかし、Budarion率いるNoble Orc達は最低でもRank8までなら一人で倒せる、AClass adventurerに匹敵する猛者ばかり。Bododoが増やしたFollowersは、彼らにとって『強力』と評するほどではない。
そうである以上、BododoがFollowersを増やすことができると知っても、たいして驚く事はできない。
……既にVandalieuがBododoと同じような事をしている。いや、生み出しているのがCloneではなく別個のmonstersである事を考えれば、LegionのIzanamiがYomotsushikomeやYomotsuikusaを創るのに近いだろう。
『おのれ! 何処まで我を愚弄すれば気が済むのだ! 我から生まれ、我の一部を利用しておきながら!』
Bododoはそう叫びながら、Budarionに向かって突進を試みた。地面を蹄で抉って地響きを轟かせ、生まれる途中のFollowersを体からふるい落としながら迫る姿は、山が動いているかのようだった。
「……自らとGuduranisを混同するとは、egoまで乗っ取られつつあるようだな」
【Demon King Fragment】製の武具を身に着けたBudarionは、真正面で受けて立つ……かのように見せて、Bododoと衝突する刹那、紙一重で躱しながら剣を振るった。
「【無明Slash】!」
Bododoの右側面が深々と、Budarionが見る事もできない程のHigh-Speedで放った剣で斬られ、大量のbloodが飛び散った。戦場に『Evil Boar Beast King』の絶叫があがる。
『ィィィィイキヒヒヒヒヒ!』
だが、それは途中から耳障りな哄笑へ変わった。
『キヒヒヒ! 我を傷つけても無駄だぁ! 我を傷つければ傷つけるほど、我に忠実な真のFollowersが増えていく! Creatorを裏切った出来損ないの貴-samaらに、勝利はない!』
そうBododoが宣言するが、どうやら彼はBudarionが言ったように、egoまでGuduranisに乗っ取られつつあるようだ。彼のbloodから生まれるFollowersのOrcや猪のmonstersも、角や翼が生えた通常のOrcや猪のmonstersとは異なる種ばかり生まれるようになってきている。
しかし、Bododoの背後でそれらのFollowersはNoble Orc軍のWarrior達によって押さえられていた。
「陛下! 露払いは我々にお任せください!」
「この程度の出来損ないども、いくらいても我らの敵ではありません!」
雄々しく槍や斧を振るうNoble Orc達によって、Demonの特徴を持つOrcや猪……Demonic OrcやDemonicボアが狩られていく。
自らが出来損ないと呼んだNoble Orc達の強さと、生み出したばかりの『真のFollowers』達の断末魔に気が付かず笑い続けるBododoの姿に、Budarionは憐れみすら覚えた。
「……-kunが来る前にあれを倒してしまうかもしれないが、その場合はどうすればいい?」
『その時はsealedするから大丈夫だそうです』
「可能なのか?」
『ええ、らしいです。でも、soul fragmentが一つの場合だけだそうなので、Zigguratのfragmentと合体させないように気を付けてください』
「そうか。なら安心だ!」
Budarionは剣を構え、小山のようなBododoの巨体に比べれば小さな三meter強のBodyで風のように疾駆した。
一方、Borkus達UndeadやVigaro率いるGhoul達はやや苦戦していた。
『Ghoulよっ! Undeadから離れろ! 危険だぞ!』
「ここに居るUndeadはallyだと何度言えば分かる!?」
『そうだ、allyだって言ってんだろ、ブチ殺すぞ!』
それはZigguratが上空に留まっており、Ghoulは攻撃しないがUndeadであるBorkusをAlda's FactionのGodsのbeliever達と同-samaに攻撃しているからだ。
「うおおおおっ! Divine Punishmentを受けろ!」
そして、この状況でもAmid Sacred EmpireのHoly ArmyはVidal Magic Empire軍との戦いを止めようとしなかったのだ。
「やかましい!」
『現在進行形で、テメェ等が受けてるじゃねえか!』
「Shut Up! あれはDemon Kingの手先であって神じゃな――ぐはっ!?」
Holy Armyはその狂信によって高い士気を誇るが、Vidal Magic Empire軍のUndeadやGhoulは、全員BClass adventurer相当の精鋭だ。彼らにとってHoly ArmyのSoldierは、油断できない相手だ。しかし、油断しなければ倒すのは難しくない程度の相手なのだ。
「ぎゃあああああ!?」
『ぐおっ! やりやがったな、あの龍め!』
しかし、Holy Armyにばかり注意を向けていると、Zigguratが降らせる雷やその余波を回避するのが遅れる。
『邪魔だ、Ghoul達よ! Aldaに従う者共とUndeadは我が駆逐する! おお、Vidaに栄光あれ!』
そう叫びながら、Zigguratは更に雷を降らせる。その攻撃はaccurateで、GhoulやNoble Orcを避けてHoly ArmyとUndeadのみを狙っている。
しかし、Zigguratの耳と頭は機能障害に陥っているらしい。
『あのbastard、なんで『Evil Boar Beast King』とそのFollowersを無視してこっちばかり攻撃してくるんだ? テメェ自身もだが、明らかにAlda believerより放置したらヤバイだろうが』
ZigguratはAldaとそのbeliever達への憎悪とVidaを讃える言葉を叫んでいるが、自分と同時に出現したBododoには全く反応していなかった。不自然なほど無視している。
それに、Vigaroが何度叫んでもUndeadを攻撃するのを止めようとしない。声が聞こえないにしても、あれほどaccurateに目標を選別する目を持つなら、何か-sama子がおかしい事に気がついてもおかしくないだろうに。
『Zigguratも、Guduranisのsoul fragmentにInfestされているという事でしょう。自分同士で争いたくないから、それ以外の敵にZigguratの意識を誘導し、俺達の言葉を聞かないようにしているのでしょう』
Borkusの問いに、Demon King Familiarが答えた。彼らは負傷したUndeadに、Undead専用の治癒magicである【Corpse Healing】をかけて回っていたのだ。
「それでは説得は無駄か。なら、身軽で実績のある奴らに制圧してきて欲しいところだが……」
そうVigaroが視線を向けた先では、『Storm of Tyranny』のmemberがHoly Armyに混じっていた『Fifteen Evil-Breaking Swords』のmemberたちと激しい戦闘を繰り広げていた。
とてもZigguratを取り押さえに行く余裕があるようには思えない。
『仕方ねぇ! Jeena、Zandia、あとVigaro! 俺達であのクソ龍を殺さない程度にぶっ殺すぞ!』
それを見たBorkusは、chance到来とばかりにparty memberとVigaroに声をかけた。
『Borkus、ぶっ殺したらまずいんだよ!?』
『いいねっ、やってやろう!』
『ちょ、Jeena!?』
『Tiny Genius』ZandiaはBorkusを宥めようとしたが、『Saintess of Healing』Jeenaは好戦的に笑いながら頷いた。
どうやら、二人ともZigguratの電撃が当たってしまったらしい。
「むぅ、確かにこのままでは拙い。Bilde、Katia、皆を任せるぞ!」
「「無理っ!」」
早急にZigguratを取り押さえる必要があると判断したVigaroが、Commandingを任せようとした二人は即座にそう叫んで首を横に振った。
「無理? 何故だ?」
「なんで聞き返すの!? あたし、Commandingなんて執った事ないよ!?」
「そうよ、あたしだってそんな経験もskillもないんだよ!? ZadirisかBasdiaを連れてきてよ!」
そう二人はもっともな事を言うが、今は非常時である。
「二人とも他の場所で戦っている。お前達は、【Familiar Spirit Demonic Advent】を使ってVandalieuの言う通りCommandingをすれば、それでいい」
「あ、それなら」
「まあ、出来るかな。でも、【Commanding】skillの効果はつかないんじゃない?」
「skillの問題ではない。信頼できるCommanderがいるだけで、違う……らしいぞ」
それならCommanderはVandalieuのCloneであるDemon King Familiarでもいいのだが、実はVandalieuは後方Commanderに向いていない。Forefrontで戦うSoldierよりも前に出て戦いたがるからだ。
だが、【Familiar Spirit Demonic Advent】ならVandalieuのCloneは宿るだけで、主体はBildeやKatiaだ。彼女達が前に出ない限り、VandalieuのCloneも前に出ない。
そして、Schneider達は『Fifteen Evil-Breaking Swords』の面々、主に『四剣』、『Phantom Killer』のLeonardoとSlash結んでいた。
「どうした、動きが良くなってるじゃねぇか! Aldaのご利益か!?」
「そんなところだ。そう言う貴-samaらこそ、短い間に腕を上げたな。おかげで、またmemberが減っちまった」
『十五剣』の『Insect Army』べベケット、『十一剣』の『King Slayer』のSleygar、『三剣』の『Light Speed Sword』のRickert、そして『五剣』の『Five-headed Snake』のErwin。彼らはVandalieuに倒されたため、『Fifteen Evil-Breaking Swords』は長らくmemberが欠けていた。
それを何とか今回の聖戦のためにmemberを補充したのだが、『Storm of Tyranny』との戦いでまた欠けてしまった。
プロパガンダ用の大衆に顔を見せている『一剣』から『三剣』は、ここではなくPopeであるEileekの護衛として彼の周りにいるが……少し前にZigguratの雷で一人倒されたので、結局数は元に戻ってしまった。
「はっ、随分人材が乏しいじゃねぇか! Pope -samaの人望の無さの表れじゃねえのか!?」
補充memberたちを瞬く間に倒したDaltonが言うと、禿頭の老人が怒りで茹でoctopusのように顔を赤くしてmagicを乱打する。
「貴-samaっ! Aldaの化身たるPope -samaに何たる無礼を! 【水流波】!」
『許さぬっ! 【Roaring Lightning】!』
『死をもってその罪を贖え! 【疾風連斬】!』
「口数がマジで多い爺だな! そろそろ永遠にShut Up!」
自分自身の口と、自らの意思通りに動く特殊なmagic itemの口が二つ、合計三つの口を操ってmagicを同時に唱える事ができる『十四剣』の『One Mage Army』Björnsson。彼に集中しようとするDaltonに、『八剣』の頭からつま先まで漆黒のBodysuitに身を包んだUnarmed Fighter、『Formless』のNotrusが無言のまま殴りかかる。
「……」
その攻撃はbone格の限界を無視して放たれるため、まさにShape-Shift自在。ゴムHumanと言うより、人型のゴムを相手にしているようだった。
「【熱線】!」
そのNotrusに対して、光線状の熱を放つmagicを放つDalton。だが、Notrusはなんと頭をへこませてそれを回避した。
「嘘だろ!? 脳が入ってねぇのか!?」
驚愕のあまりそう叫ぶDaltonだったが、次の瞬間横幅が三分の一ほどになっていたNotrusの頭が形を変え、自分に向かって伸びてくると素早く飛びのいた。
なんと、Notrusは五体を一つずつ横にずらしていた。胴体の形を変え、左手と左足を両脚に、右足をRight Armに、そしてRight Armを頭部に、頭部をLeft ArmにCamouflageさせていたのだ。
「お前本当にHumanか!? Vandalieuでもそんな事しないぞ!」
そう叫ぶDaltonだが、Notrusは気にした-sama子もなく攻撃を続ける。
だが、互角と言えるのはここまでで、残りの『七剣』と『九剣』、『十剣』、『十二剣』、『十三剣』でどうにかZorcodrioとMeldin、Lissanaを抑えようと奮闘しているconditionだ。
「……疲れるけど仕方ないか。全力を出すから、Meldinは私の前に出ないようにね!」
だが、その脆い拮抗conditionも終わりを迎えた。
「ええっ!? あれやるの!?」
そう叫ぶMeldinが慌てて後ろに下がるのに合わせて、Lissanaは自らを解放した。
白い肌がpink色のscaleに覆われ、先端の割れたtongueが伸びる。そして、口から洩れる吐息は毒々しい色をしながら甘い香りを漂わせていた。
Vida's Factionに転向した元Demon King Army、『Evil God of Degeneration and Intoxication』Jurizanapipeとしての彼女の姿だ。
「また邪悪な神が現れたぞ!」
「Demon Kingめ、どこまでも狡猾な手を!」
「おの……れ……?」
Holy ArmyのKnight達が騒ぐが、Lissanaが吐息を吹きかけるとそれだけで意識を失いバタバタと倒れていく。
彼らもvirus対策には力を入れていたが、神が放つ毒には力不足だったようだ。
「どうする? これで形勢逆転だぜ」
Schneiderが言うように、それまで『Fifteen Evil-Breaking Swords』の内五人が守りに徹する事で何とか足止めできていたが、LissanaがEvil God (M)としての力を振るえば難しくなる。
「そうだな」
Leonardoはそれを悔しそうな-sama子も見せず認めた。そして、grinningと口角を上げた。
「なら、俺も本気を出すしかないよなぁ。さあ、俺の最期だ! 付き合ってもらうぞ、『Thunderclap』のSchneider!」
そう叫ぶ彼の顔に、不自然なほど盛り上がったblood vesselが赤黒い線となって現れる。Schneiderはそれを見て悟った。
「テメェもGuduranisの【fragment】を体に入れられたのか!」
「入れられた? 違うな、俺は自分の意思で【fragment】を入れたのさ!」
そう叫ぶLeonardoの動きは、先ほどよりもさらに早く、そして力強くなっていた。
その戦場に、一陣の風が吹いた。だが、それぞれ激しい攻防を繰り広げているため、Holy ArmyはもちろんVidal Magic Empire軍の面々も、その風が不自然だとは気が付かなかった。
Nineroadの力で風に包まれて一気にBoundary Mountain Rangeに出来た谷を抜け、『Five-colored blades』の面々はVidal Magic Empireの領土に足を踏み入れた。
「ここが、Boundary Mountain Rangeの内部か」
「思っていたよりも、普通の森ね」
とはいえ、ここはTalosheimや他の都市国家からも離れた森の中だ。平時ならmonsters退治や素材の採集を行っているExplorerも、今は戦時であるため戦場か街にいる。monstersも、Mountain Rangeが地響きをさせて動いたばかりであるため、異変を感じて逃げ去っている。
だから、Heinz達の周りは普通の森以上に静かになっていた。
『しばらくは私の風で包まれたままでいられます。今のうちに、奥まで進んでください』
そこに、Nineroadの声が響いた。彼女は地上にAdventして『Five-colored blades』達の潜入に尽力し、今はDelizahが装備している盾に宿っている。
「分かった。だが、遠く離れた戦場の音がここまで響いてきている。Aldaが何をしたのか知らないか?」
そうHeinzが歩きだしながら質問した。彼はAldaがsealedしていたDemon King Army Remnantsの邪悪な神やVida's FactionのGodsにGuduranisのsoul fragmentをInfestさせ、地上に放った事を知らなかった。
『僕は何も知らされていない』
『私もです』
そしてAldaは、BellwoodはもちろんNineroad、そして自らのSubordinate Godを含めた誰にも、この暴挙を事前に告げていなかったのだ。
今頃Alda's FactionのGodsは愕然としている事だろう。
『だが、何が起きたのかはconjectureする事ができる。聞きたいのなら、それを話すが……』
「教えてくれ、Bellwood」
『Aldaは、sealedされていた邪悪な神を解き放ったのだと思う。maybe、GuduranisのfragmentをInfestさせてrunawayさせ、その場から逃げず暴れるようにして』
実際には邪悪な神どころか、『Goddess of Regeneration』LuzmazelaのようにVida's FactionのGodsも利用しているし、Infestさせたのはただの【Demon King Fragment】ではなく、soul fragmentだった。だが、さすがにAldaがそこまでやるとはBellwoodも考えなかったらしい。
『それでどうしますか? 踵を返し、邪悪なGodsと戦いますか?』
HeinzはDelizahの盾から発せられるNineroadの問いに対してしばし沈黙したが、再び歩き出した。
「このまま彼の本拠地へ向かおう。そこか、その途中で彼は現れるはずだ」
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〇Monster explanation::Demonic Orc、Demonicボア Luciliano著
Demon King Guduranisのsoul fragmentを埋め込まれた事で、『Evil Boar Beast King』Bododoが作り出すことが出来るようになったmonsters。それぞれDemonではなく、Demonの特徴を持つOrcと猪系のmonstersである。
基本的にはNoble Orcよりbody part的にもMana的にも強く、【Rapid Regeneration】や【Abnormal Condition Resistance】等のskillを持ち、更に知能も高く好戦的。Demonを思わせる角が生えていたり、青黒い肌をしている。
Rankは最低でも8と強力だが、生まれたばかりだったので武術やmagicのskill levelが低かったため、Noble Orc軍の精鋭にとって強敵と言う程ではなかったようだ。
肉は柔らかく、煮込みCookingに向く。また、内臓は臭みが強く刺身には向かないが、味付け次第で独特の風味に変化し、人によってはクセになる味わいになる。