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Chapter 367: 順調に導かれるJahan Duchyと増えようとするDemon King

 『Mother God of the Earth and CraftsmanshipBotinと、『Goddess of Water and KnowledgePeriarevivalと目覚め。それによってAlda's Factionに属している土attributeWater-AttributeSubordinate God達は揺れた。

 特に動揺したのは、originally BotinPeriaに仕えていたGodsだ。彼らはDemon Kingとの戦争後、残ったGreat Godの内Aldaに付いた者達だ。


 Demon King Armyとの戦いを通じて、先頭に立って戦い続けていたBellwoodに心酔していたGods

 独自のCircle of Reincarnation systemを創り、Giant raceBeast raceはともかく元Demon King ArmyEvil God (M) Evil God (P)Undead TransformationさせたChampionと交わってまで新たなraceを生み出したVidaを認められなかったGods

 どちらのGreat Godにも肩入れせず、worldの維持管理に力を注いでいたら争いに勝利したAldaの勢力の一つに何時の間にか組み込まれていたGods


 経緯は-sama々だが、Vidaに力を貸さなかった点では共通している。

 だが、そんな彼らの主であるBotinPeriaAldaではなくVidaallyすると宣言した。

 Botinと共にsealedされていたGodsも、眠っているPeriaを守っていた『Goddess of StreamsPargutaltaもそれに倣っている。


 Subordinate God達が動揺しているのは、自らの元へ戻るようにという強い呼びかけがなかったことだ。それが何を意味しているのか。

 Aldaallyをしていたことで、Subordinate Godでありながら主であるBotinPeriaの意志を図れない愚か者と見限られたのか。それとも、Botin達にとって自分達の存在は眼中になかっただけなのか。


 Subordinate God達は迷いや嘆きの末にあるconjectureに達した。

Botin -samaが、我々に落胆しているのは間違いない。実際、我々はBotin -samaの意志を取り違えた。いずれ必ずHonoraryを回復させるという言葉を鵜呑みにして、Hillwillow達を蔑ろにした』

『そして、我々は程度の差はあれAlda's Factionの一員として動いてきた。Vida's Factionから見れば『敵』だ。そんな我らを、Vida's FactionとなったBotin -samaPeria -samaが『来い』と軽はずみに言えるはずもない』


 Subordinate God達はAldaに騙されていた訳ではない。自分の意志でAldaallyをすることを選んだ、もしくはVidaallyをしない事を選んだ者達だ。

 Vida's Factionから見ればAlda's Factionの一員であり、敵でしかない。BotinPeriarevivalして状況が変わったとしても、手放しで歓迎できる関係ではない。


 『Goddess of Rain CloudsBaciasのように、AldaVidaの戦いが終わった数万年後に神へと至ったSubordinate God達のようにAlda's Factionに属する以外の道が最初から無かった者達とは違うのだ。


『だが、HillwillowArkHonoraryは回復しているはずだ』

『それは違う。たしかに、HillwillowArkSolderを貶す者は現代では稀だ。しかし、それはHonoraryが回復されたからではない。ただ単に、Hillwillow達の知名度が低いからだ』


 BotinPeriaRicklentに召喚されたHillwillowProduction related Championの名を、このworldに生まれた人々は幼い頃にMythとして教えられる。しかしDemon King Guduranissealedし神へと至ったBellwoodFarmounNineroadと違い、Guduranisに滅ぼされたHillwillow達にはその後のepisodeが存在しない。


 そのため、現代での彼らの知名度、そして認知度は低い。BotinPeriaRicklenttempleにそれぞれのChampionを表すreliefが建立されている程度で、人々が意識する事は殆どない。


『そうなった理由の一つは、Hillwillow達のachievementの一部をBellwood達の物としたから。そして、それ以外のachievementを忘れ去られるのに任せたからだ』

『もっとも、その時には既に我々Godsは地上に存在できなくなっていたが。しかし、それでも『新しい秩序のため』と信じて何の手も打たなかったのは事実だ』


 生き残った人類をBellwood達が纏めるために、彼らこそleaderに相応しいと人々に思わせる必要があった。そのためにHillwillowSolderachievementを使った。そう判断した者達を、BotinPeriaSubordinate God達は止めなかった。


『そして最も大きな理由は……Hillwillow達の分までZakkartが貶められているからだ』

 消滅して終わったHillwillow達とは違い、Undeadとしてrevived(実際には、残留思念だけの人形のようなconditionだったが)Zakkartは『Fallen Champion』と呼ばれ、貶められている。


 Amid EmpireのようなAlda信仰を国教としている国では、特にその傾向が強い。Zakkartはそれこそ悪の親玉のような扱いを受ける事が多い。Zakkartを邪悪な悪役として扱う戯曲や劇が上演され、詩をBardが歌うのだ。


 そして、そうした劇や詩ではHillwillowSolderArknameはほぼ出てこない。悪役を絞る事でZakkartの存在感を増し、それを打ち倒す主役との戦いに観客や聴衆の意識を集中させるためだ。

 こんなconditionでは、「Hillwillow達のHonoraryは回復されている」とはとても言えない。


『このconditionのまま放置してきた……人治の時代だったとしても何の手も打とうとしなかった怠惰な我々をBotin -sama達が態々呼び戻すわけがない』

『たしかにBotin -sama達は我々を呼び戻そうとはしていない。だが、我々を糾弾しようともしていない。そこに真意が隠されているのではないか?』


『いいえ、隠されているのは真意ではないわ。慈悲よ。それも我々ではなく、我々に祈りを捧げる人々に対しての』

 BotinPeriaOracleなどでAlda's Factionに付いたSubordinate God達を糾弾すれば、彼らを奉じるtempleClergyman達やbeliever達はBotinPeriabeliever達にとって敵になってしまう。


 その事で生まれる対立をBotin達は嫌ったのだとSubordinate God達はconjectureした。


『では、我々はどうすればいい?』

『……私達にはYupeonのような真似はとても無理だ。主神にfangsを剥くなど、とてもできぬ』

 PeriaSubordinate Godである『God of IceYupeonは、彼らの中にいなかった。何故なら、YupeonPeriaAldaではなくVidaallyだと判明してからしばらく経った後、主神であるPeriaと決別しAldaを長と仰ぐことを改めて宣言したからだ。


 Periaが動き出した後、Yupeonが何を考え思ったのかは分からないし、それが正しいかもこの場に集まっているGodsには図りかねた。しかしYupeonの後には続々と改めてAlda's Factionに属しVida's Factionと戦う事を決めたGodsが続いている。


Yupeonの決意……決断力だけは見習うべきだろう。我々は神だ。Human達が思う程の力はないとしても、人を教えGuiding立場で迷い続けるなど許されん怠慢だ』

『だが、今更Botin -sama達の元に戻ろうにも、戻れるのか? それにfrom here離れればworldの維持管理を誰がするのだ!』


 迷っているGodsも何もしていないわけではない。worldの維持のために各々のDivine Realmで働いている。

『それに、blessingsを与えた者達をどうする。我々の都合でHeroに仕立て上げ、そして我々の都合で見捨てるなどそれこそ神のする事ではない。Evil God (M) Evil God (P)の所業だ』

 そして、各々Hero Candidate達を育てていた。


worldの維持管理を続けながら、選んだHero CandidateにはVandalieuやその仲間と鉢合わせせぬよう誘導し、そしてVida's Factionと対立しないよう話を重ねるしかないだろう。Botin -samaと袂を分かつつもりがないならだが』

Baciasたちのように、Divine Realmに仕掛けを施しworldの維持を続けられるようになるまでは、そうするしかあるまい』


『待て、たしかにPeria -samaBotin -samaと争うつもりはないが、本当にVida's Factionが……Vandalieuが正しいのか!?』

『彼を野放しにすれば、worldはひっくり返る。二度と元には戻れぬ大きな変化が起きてしまうのだぞ!』

 Subordinate God達の中には、Vandalieuの行動を危険視する者達も存在していた。しかし、それでもBotinPeriaがそのVandalieuを擁するVida's Factionに組しているという事実は覆せない。


『その程度の事はBotin -sama、そしてPeria -samaも気が付いているはず。何かお考えがあるのだろう』

『敵として倒すのではなく、allyとして内側から抑えるつもりなのかもしれん』

 そう言われてしまえば、Yupeonの後に続きそうなSubordinate God達も拳を振り上げる理由を失った。


 そうして決断できなかったSubordinate God達は、Alda's Factionに形としては留まったまま、しかし Vida's FactionExtreme Strength敵対しないよう立ち回っていた。

 しかし、その状況が変わったのが『Dark Avalon事件』……Guduranisrevivalである。


Aldaは何をしていたのだ!? まさかVandalieuを倒すために【Demon King Fragment】だけではなく、Demon Kingそのものを使うつもりなのか!?』

『そんなBAKANA! これはAldaにとっても想定外の事態のはず。だが、しかし……だとしてもあってはならない事態だ』


『いや、あってはならないのはGuduranisrevivalもそうだが、そのGuduranisを倒したachievementを認めない事ではないのか?

 秩序のためというのなら、Guduranisを完全に滅ぼすためにVandalieuとなんとしても和解するべきだ』


『だが、Vandalieuの好きにさせては後戻りできない変化がworldに起きてしまう。worldの在りようが変わってしまうぞ。それで本当にいいのか!?』

 Vandalieuを認める発言をするSubordinate Godに、別のSubordinate Godが噛みつく。Vandalieuの存在を認めるという事は、ただ単に和解する事ではない。Aldaが目標とする、Demon King Guduranisが来襲する以前のworldを取り戻すという目的を諦め、VandalieuVida's New Racesによるworldの変異を認めるという事を意味する。


 monstersが闊歩し、死者がUndeadDemonになり、Vida's New Racesがこの世の春を謳歌する陰でHumanは肩身の狭い思いをして生きていく。そんな今のOrbaumのような光景がこのworldの常識になるのだ。

 ……これはAlda's FactionGodsから見た捉え方であり、現実とはやや異なる。しかし、以前とは大きく異なる社会になる事だけは間違いない。


『それに、貴-donoVandalieuGuduranisの魂を全て食わせようと思っているようだが、それで奴がGuduranisに乗っ取られたらどうするつもりだ!?』

 そしてHeinz-samaAlda's Factionに参加しているBotinPeriaSubordinate God達は、Vandalieuを信用する事ができない。


 Vandalieuの魂の中に食らったはずのGuduranisの魂が潜伏しており、Vandalieuが全てのGuduranissoul fragmentを食らった瞬間、Guduranisが内側からVandalieuを乗っ取って再びrevivalするのではないか。そんな危惧を否定できないのだ。


『変化が起きるといったが、それは既に起きている。Alda自身がRodcorteに杭を打った以上、Circle of Reincarnationをこれまで通り頼むことはできない。何かしら変わる必要がある』

『それは、これからCircle of Reincarnationを司る神を育てれば解決する話だ!』


『我々のworldだけならそうだ。しかしRodcorteは我々の知らないanother worldCircle of Reincarnationも管理している。それはどうするつもりだ?』

『そ、それは……RodcorteFamiliar Spirit達にしばらくの間管理させ、新たなCircle of Reincarnationを司る神の擁立に成功したら奴のsystemから我々のworldCircle of Reincarnationを独立させる。そのあと、杭を抜くのを条件にRodcorteにこのworldにかかわらない事を誓わせればいい』


 問われたSubordinate Godはそう主張したが、無理がある事を自覚しているのかその顔は苦しげだ。

 まず、新たなCircle of Reincarnationを司る神の擁立に成功するまでどれくらいの時が必要になるかわからない。神というのはそう頻繁に誕生する存在ではないし、既存の神にCircle of Reincarnationに関するDivinityを持たせるのもそう簡単ではない。


 そもそもAlda's Factionは慢性的な人手不足だ。Great GodAldaだけで、そのAldaLight Attributeと生命attributeGreat Godを兼任している。

 Semi Great GodとしてBellwood、そしてNineroadFarmounがおり、ゆくゆくは二代目のGreat Godとしてそれぞれのattributeを司る事が期待されていたが、Bellwoodは約五万年前に『Evil God of Sinful Chains』によって眠りにつき、Farmounはその後出奔してVida's Factionに寝返ってしまった。


 新たな若い神の擁立にはこの十万年の間それなりに成功したが、まだまだ余裕があるとは言えない。

 Circle of Reincarnationを新たな神に任せるにしても、それが成功するのがいつになるかわからない。既存の神が行うにしても、それが可能なのか……Circle of Reincarnationの管理がworldの維持管理と並行して行えるのかも不明。


 そして成功するまでの間RodcorteFamiliar Spiritが、問題を起こさずCircle of Reincarnation systemを回せるのかも分からない。

 さらに言えば、全てが上手くいったとしてもRodcorteが大人しく条件を飲んで引き下がり、さらに後々誓いを反故にしないという保証もない。


『そもそも、Rodcorteにこのworldから手を引かせることが可能なのか? 『Pile of Law』が効いたという事は、奴もこのworldの神となっているはずだ』

『む、むぅ……』

 尋ねられたSubordinate Godは、呻くだけで答えを口にできなかった。


 Aldaに忠実なGodsなら、『Alda -samaには、何かお考えがあるはずだ』とAldaを信用……妄信して反論に聞く耳を持たなかっただろう。しかし、このSubordinate Godも含めて集まっているGodsAldaを信じ切れず、かといってVida's Factionに寝返るほどの決断も下せない者達だ。


『ではどうする? 今からでもVida's Factionに就くか?』

『それは……しかしAldaの指示通りHero Candidatebeliever達の中から選んだ精鋭を移動させる事には反対だ』

 VandalieuOrbaum Elective Kingdomで大きな力を得たと見たAldaは、Heinz達『Five-colored blades』と関係が深かったDuke Farzon領にElective Kingdom内の戦力を集める決断を下した。そして、後々はDuke Farzon領の港からAmid Empireの属国の一つであるSea Nation Kallahadに移動させ、戦力を合流させるつもりなのかもしれない。


 しかしSubordinate God達にとってそれは死活問題になりかねない。彼らの中にはOrbaum Elective Kingdomでしか信仰されていない神が珍しくないからだ。

 もちろんtempleOrbaumから移築する訳ではないが精鋭……布教や信仰の中核となる者達が引き継ぎもなしに移動するのは痛い。


 Vandalieu達に導かれるのを警戒するのは分かるが、Subordinate God達にとっては失うものが大きすぎるのだ。

『だが、Vandalieubeliever達を導かせるままにするつもりか!?』

『なら貴-donobelieverDuke Farzon領へ向かわせるのか!? 残ったtemplebeliever達をVida's Factionに奪われ、Amid Empireで新たなbelieverを獲得できなければ、待っているのは数十年後に消滅する未来だぞ!?』

Jahan Duchyの二の舞になるぞ』


Jahan Duchyといえば……『Goddess of the Holy SpearElk -donoを最近見ない。他にも、『Heroes' PrincessMiriamに導かれたHero Candidate達にblessingsを与えていた神がほとんど姿を消している』


 そうして結論の出ないまま、Subordinate God達の議論は纏まりをなくし解散することになる。

 しかし Aldaの指示に従わず、そして姿を現さないという消極的な形でAlda's Factionから距離を取ろうとするBotinPeriaSubordinate God達が続出する事になる。


 表立ってAldaに逆らう力はないが、『Hero Candidateを含めた精鋭達を移動するには、まだ時間がかかる』と言い訳しておけば、自分達を罰する余裕が今のAlda's Factionにはない。そう多くの神が見ているからだった。

 実際、Aldaは自分のpolicyと指示に従わないBotinPeriaSubordinate God達を罰する事ができなかった。


 Subordinate God達に『Pile of Law』を打つなどして、Vandalieuとの決戦の前に力を消費するのを避けたい。そしてSubordinate God達を罰する事で神の数がworldの維持に必要な神の数を下回る事は、あってはならない。

 Orbaum Elective Kingdomでの信仰をVandalieu達によってVida's Factionに削り取られつつあるAldaにとって、何度目かの苦渋の決断であった。




 Alda's Factionが徐々にDecayしつつある事を表すように、Jahan Duchyでは急速にVida信仰が浸透しつつあった。

 長年Alda believerだった人々が、急に掌を返してVidaに入信する事は殆どない。ただ、Aldaと同格のGreat Godであり、Demon King Guduranisを倒したHeroが奉じるVidaAldaと同じように敬う者達が増えつつある。


 いや、もっとはっきり言えばHadrosJahan程ではないが、「私は今も昔も伝統的なAlda believerです」と口にしながらも心ではVidaを奉じているVida believerが増えた。

 Aldaの教義の内、既に生活習慣の一部や社会的な規範となっているものは、以前と変わらず守る。規則正しい生活。過度なluxuryを厭い、上の立場の者を敬う。


 そのうえで、Vidaの教義も守る。食前食後の挨拶等、簡単なBoundary Mountain Range内部に伝わるVidaの教えなので、守るのは難しくない。ではAldaの聖印の横にVidaの聖印を飾り、祈りを捧げる。

 そしてAldaの教義の内、新たに広められたVidaの教えと衝突する部分……monsters、特にUndeadは全て退治するべき邪悪な存在であるという教義は守らない。


 生者を無差別に憎むUndeadは、たしかに恐ろしい存在だ。しかし、そうしたUndeadばかりではない事が最近分かってきた。

 一部だが、Heroと共にworldを守るためにDemon King Guduranisに立ち向かうUndeadもいるではないかと。


-kun達を招聘してから一か月も経たずこれほど民の意識改革が進むとは、素晴らしい限りだ。新たにChurch of Vidaを建立しようという意見も出始めた。近々建設計画を始める予定だ」

 そうKanako達の楽屋を訪ねてきたHadrosは彼女達を労った。ちなみに、ここにはおstealthで来ている。何故なら、彼は公には「Vida信仰を知るために」という理由で彼女達を招いたことになっているからだ。


 敬虔なAlda believerの多いJahan Duchyの領民達を洗……Guidingためである事は秘密なのだ。

 そのため公務を早めに終えてroomで休んでいる事にして、Gufadgarnの【Teleportation】でここまで直接やってきたのだ。Kanako達を労うために。


「都も含めて既に主だった都市での公演を終えた-kun達の次の舞台は、他のDuchyとなる事だろう。そこで……私のmansionにも、もう一体常駐してくれないかね、友よ」

 そのついでに、最初の友達のCloneを確保するために。


Hadros、あなたのmansionにはもうDemon King Familiarが二体常駐していますよ』

 Mirror Ball……のように見える、キラキラ光るcompound eyesの集合体である照明用Demon King Familiarは、Hadrosに抱えられたままそう答えたが、彼は一歩も引く-sama子を見せない。


「ああ、分かっている。私の護衛用と、護衛用にもしもの時があった時のための非常用だろう?」

 HadrosVandalieuにとっても友人であり、得難い協力者であり、そしてHadrosとしては遺憾だがそれほど強くない関係者だ。


 厳重な警備と腕利きの護衛に守られており、自身も並み以上に武術をたしなんでいるDukeの命は普通なら案じる対象にはならない。しかし、相手はAlda's Factionとそのbeliever達だ。

 を割り、海を砕き、空を裂く。そんな超人が何人かいる。それに、Hadrosが治めるJahan Duchyは古くからAlda believerの多い土地だ。Alda believerServantAldaからOracleを受けて、彼を暗殺するために食事や飲み物に毒を仕込む可能性もある。


 【Familiar Spirit Demonic Advent】を使えたとしても、Activate前に戦闘不能にされるかもしれない。


 そのため、VandalieuHadrosの身を守るためにDemon King Familiarを派遣していた。こんなことができるのも、Demon King Familiarとの接続に距離制限がなくなったからこそである。

しかし、予備の予備も必要になるかもしれない。そうではないだろうか? ああ、そうだ。次のDemon King FamiliarにはTrainingの指導をお願いできないかな。Giant raceとしてのTalosheimの文化を学ぶうちに、Bodybuildingについて興味がわいてきてね」


『さっそく用意しますね』

「ああ、VanBodybuilding推進のために自分の一部を売り渡そうとしている!?」

「まあ、坊やじゃからなぁ。BodybuildingGiant raceの文化や歴史ではなく、坊やが持ち込んだものじゃと言っても、あのDukeは最初から分かってやっているのじゃろうし」


 そう騒ぐ二人に、Hadrosは苦笑いを浮かべて言い返した。

「いいじゃないか。-kunたちはmain bodyを独占しているのだから。政治という過酷な戦いに日々身を投じている私が、日々の慰めに友を求めても」

 Hadrosの視線の先には、KanakoZadirisが抱えているVandalieuの姿があった。しかし、すぐに「おや?」

 と眉を顰める。


「それは……彼のmain bodyではないね」

『さすがHadros。よくできたと思いましたが、すぐに気が付かれてしまいましたか』

 そのDemon King Familiarは、あっさり自分がmain bodyではない事を白状した。


「この子は、真Main Body-type Demon King FamiliarVanmain bodyを増やす実験のために作ったDemon King Familiarです」

「ついさっきまで、本物と何も変わらないと皆で見ていたのじゃよ。見た目はこの通り本物そっくりじゃが、触ってみると色々おかしいところがあっての。主に脚が」

「なるほど。やはり脚か」


 Absorptionした【Demon King Fragment】を総動員し、形や色、質感はもちろん内部の構造までも本物に近づけてVandalieuが作ったPseudo-ではない真Main Body-type Demon King Familiarしかし、それは今のところ不完全だ。

whole bodyを作るには【Demon King Fragment】が足りないせいか、main bodyと同じようにしようとすると何故か違和感が残ってしまって。見ただけで気が付いたのは、kaa-sanPauvinaPrincess LeviaGhostGufadgarnを除けばHadrosが初めてです』


「それは、私以外にもかなりの人数に気が付かれているのではないかな?」

 DarciaPauvinaは、匂いが違うという理由で気が付いた。Vandalieuの体内から生え、分離したばかりの真Main Body-type Demon King Familiarは体臭が本物と異なっていたのだ。


 Princess LeviaGhostが気づいたのは、本物のVandalieuにだけ霊が纏わりついていたからである。

 そしてGufadgarnは、本人が言うには宿っている魂の総量で気が付いたらしい。本物のVandalieuの方が圧倒的に魂の量が多いらしい。

 なお、Gufadgarnが見ただけで魂の量を見抜けるのは、Vandalieuだけのようだ。


「だとすると……私が見抜けたのは、まだあまり-kunを知らないからだろう。動きに違和感があるから気が付いたが、どうやら-kunは動きが変である事が常のようだし」

『む、たしかに心当たりがありますね』

 Orbaum Elective Kingdomに滞在している間は、意識して普通のHumanらしく振る舞っているVandalieuだが、Silkie Zakkart Mansionの中や、EisenIggdrasilVidal Magic Empireでは気を抜いて自由に振る舞っている。


 壁や天井を這いまわってSilkieの隠された仕掛けを探したり、口から糸を吐いてSewingをしたり、手仕事をしながら背中に生やしたArthropod Legstentacle、第三第四の腕で別の作業をしたり。そして特に意味もなくHumanにはできない動作をする事も多い。


 それが常なので、普段のVandalieuを見慣れている者ほどVandalieuの挙動が非Human的でもいつもの事だと思って見過ごしてしまうのかもしれない。

「たしかに、MiriamElizabeth -chan達も最初の頃は驚いていましたね」

「そのMiriamじゃが……また困っているようじゃな」

「ああ、たしかに」


 Heroic Guiderにして、実はAlda's FactionGodsにも『Heroes' Princess』の名を知られているMiriamはまた困っていた。

「気を落とさないでください、Miriam -san。あなたがOrbaumで行った事は、誰でもできる事ではありません。もっと自分を評価するべきだ。なので是非signしてください」

「私にも是非signを、この鞘に」

「私にもお願いします」

 signを求めるfan……Hadrosの護衛のKnightたちに囲まれて。


「ですから、私はそんなすごい人じゃありません! 私の変なsignのせいで立派な鞘の価値が下がっても知りませんからね!」

 そう若干自棄になりながら、【Demon King's Ink Sacs】から作ったinksignしていくMiriamsignの練習をしておくようにとKanakoに言われた時は、Kariniaと一緒に必要になるわけないのにと思っていた彼女だが、当時の思いとは逆に彼女のsignの需要は高まるばかりである。


「価値が下がるなんてそんな事はありません! Heirloomにして子々孫々に伝える所存です!」

 Jahan Duchyが誇る『Seven Mountain Generals』の一人、『Fierce Mountain Shield General』のLudarioの宣言にMiriamは震えあがった。

「やめてくださいお願いします! 後世に残さないでください!」

 自分のsignが由緒正しい名Heirloomとして数十年、数百年後に伝えられる。恥ずかしいことこの上ない。


Miriam -san、そんな事はありません。あなたは素晴らしいfemaleです。このappearanceから故郷で恐れられていた私達の手を取り、外のworldに飛び立たせてくれた」

「兄-sanの言う通りよ、ミリー。そんなあなただからこそ、OrbaumではHendricksen達と宗派の違いを超えて協力し合うことができたのよ」

「その通りじゃ、Miriam。儂らはもちろん、今では誰もがお主の事を認めておる。お主も、自分の事を認めてはどうじゃ?」


 しかしparty memberArthurとそのImoutoKarinia、幼馴染のBolzofoyMiriamへの評価はRank upする事はあってもダウンする-sama子を見せない。

「たしかに、光るものを感じる。それに、Orbaumでのachievementが認められれば……というか、Orbaumに戻ればすぐにAdventurer’s GuildがAClass adventurerとして認めるだろう」

 drumセットの手入れを終えたRandolphまでそう太鼓判を押してくれる。


Randolph -sanまで何を言ってるんですか! 私なんてあなたに比べればまだまだですよ!?」

「SClass adventurerと比べてまだまだじゃない奴はそういないと思うぞ。俺が言うのもなんだが。

 そのうち故郷や活動していたAlcrem DuchyOrbaumに像が建立されたり、templereliefが奉納されたり、Adventurer’s Guildに絵姿が飾られたりするから覚悟しておけ、後輩」


 かつての自分が辿った道を思い出して、人の悪い笑みを浮かべるRandolph。その言葉に思わずMiriamは頭を抱えた。


「そんな、Vandalieu -sanと同じ目に遭うなんて……!」

Miriam、等身大までならすぐ慣れますよ』

 ぽんっと、真Main Body-type Demon King FamiliarMiriamの肩を伸ばした手で叩いて元気づける。


「そんなすぐに慣れる事はないと思いますけど……そういえば、Vandalieu -sanmain bodyって今どこで何をしているんですか? Adventurer's School校ですか?」

『いえ、Adventurer's School校ではありません。最近、登校しただけでMeorilith校長が褒めちぎりながら単位を渡そうとするので』


「あいつ、そんな事をしているのか。気持ちはわかるが……」

 臨時講師の余暇を利用してdrumを叩いているRandolphは、留守にしすぎたかなと眉間を押さえる。


『今、俺のmain bodyIslaたちと一緒にOrbaum領内のRemnantsの内、見つかった者に声をかけて回っています』



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