worldは自分の思い通りにならない。
それは当然の事で、自らの意志と力が及ぶ範囲はあまりにも狭く不自由だ。
その事を嘆く存在が一柱いた。
『ううっ、なんなの今のworldって……』
『Mother God of the Earth and Craftsmanship』Botinである。
褐色の肌に気の強そうな美貌を涙に濡らし、膝を抱えた体育座りのポーズのまま横倒しになっている姿からは威厳も何も感じない。
人の目が届かぬDivine Realmとはいえ、栄えあるGreat Godの一柱であり、Zantarkと共にDwarfを生み出したMother Godでもある彼女が何故こんな痛ましい……はっきり言えば、残念な姿をさらしているのか。それは、彼女のbeliever達に関する事だった。
Vandalieuによってsealedから解放されたBotinは、Oracleによってbeliever達に彼のachievementを伝えようとした。また、Demon King GuduranisをVandalieuが倒した際も同-samaだ。
しかし、彼女が想定したよりもbelieverに伝わらなかったのである。
『そりゃあ、昔もOracleを受け取れるbelieverの数は受け取れないbelieverよりもずっと少なかったわ。religionもそうだけれど、それ以前にaptitudeの問題もあるから仕方ないって分かっちゃいるのよ。
でも百人に一人は受け取れたし、受け取ったbelieverは真剣に助言や指示を聞いてくれたのよ……それが……』
Botinはため息を吐きながらそこまで話すと口を動かすのを一旦やめて大きく息を吸い、叫んだ。
『なんで私のtempleの長に、Oracleを全く聞けないどころか、believerなのは口先だけのHumanが就いてるの!? それどころかHigh PriestもPriestも全員Oracleに気が付きもしないって何なの!? しかも Oracleを聞き取ってくれた若いbelieverの子を、何故監禁するの!?
あいつら本当に私のbelieverなの!?』
叫びながら陸揚げされた魚のようにビチビチDivine Realmの床を跳ねるBotin。彼女のFamiliar SpiritやHeroic spirit達が、遠巻きにして痛ましいものを見るような顔つきで控えている。
『Amid Empireの方じゃ、Temple Headでも幽閉されたりしているし……もうあたし、時代についていけない……』
そしてぐったりと動かなくなる。
『我々も五万年前に目覚めた時はそう思ったよ』
『然り。姉にしてImoutoよ、それは我らも通った道だ』
そんなBotinに声をかけたのは、『God of Space and Creation』Zuruwarn、『Magic God of Time and Arts』Ricklentだった。見ると、ほかのGreat GodやSelf-Proclaimed HumanもBotinのDivine Realmに現れていた。
『それ本当? あたしが不甲斐ないせいでこうなったんじゃないの?』
ZuruwarnとRicklentの言葉に顔を上げるBotinだったが……。
『『いや、不甲斐ないせいでこうなったのだが』』
そう答えられて床に突っ伏した。
『それはGuduranisにsealedされたり、傷ついて眠らされたりした私達全員に原因があるって意味よ。Botinだけのせいじゃないわ』
『■■■■■■!』
『Zantarkが、二柱ともBotinをからかいすぎだと苦言を呈していますよ。動揺しているから、叫び声にしか聞こえないと思いますが。
Botinもお茶でも飲んで落ち着いてください。今、お供えしますから』
『元気を出してBotin。あなただけが悪い訳じゃないわ。ここにいる全員が、Vandalieuは違うけど、それとAldaが悪いのよ。
私も数年前に自由になった後は戸惑ったわ』
Vidaがそう言って慰める。Botinが嘆いているのは、Demon King Guduranisにsealedされる前のworldと、その約十万年後にsealedから解放された事で目にした今のworldのギャップによるものだ。
十万年以上前、Age of Gods EraではGodsと人々の距離は近かった。たしかに敬われる存在と敬う存在、守護する存在と守護される存在の差はあった。しかし、同時にGodsと人々は同じworldに生きる隣人でもあったのだ。
そのためOracleは現在とは別の意味を持っていた。Godsが直接声をかけていたのでは間に合わない、差し迫った危機への警告。Oracleを受け取れる者個人に対する助言。そうした事にOracleは使われてきた。
それでもOracleがGodsの言葉である事に変わりはなく、Age of Gods EraでもOracleを受け取る事ができる者は他者から尊敬を集めた。
しかし、Botinの知る時代と現代ではGodsと人々の関係は大きく変わっている。
Godsは地上に存在しない。Demon King Guduranisとの闘いで力を消費し、その後もworldの維持のために余裕がない。そして汚染されたManaであるmiasmaがworldに漂っている事で神は自身にとって快適なspace、Divine Realmに籠っている。
地上に残っているのはBodyを持つ龍やBeast King、True giant等のDemi-God達で、彼らはHumanに直接教えを説きGuidingような存在ではないし、Age of Gods Eraから人が簡単に会える場所には存在しなかった。
誰もが望めば神に会い、言葉を交わすことができる時代ではない。Godsが人々の信仰だけではなく、日々の営み……狩猟やFarming、道具の加工や芸術活動をGuidingのは無理だ。
人が人を治める人治の時代に、BotinはもちろんRicklentやZuruwarn、そしてPeriaが眠っている間に変わっていたのだ。
今のworldでGodsに会えるのは限られた、それこそworldを代表するような一握りの存在のみ。人がGodsの名を唱えてleadershipをとる事はあるが、それは唱えているだけでreligionが伴っていない口先だけの場合もある。
そしてOracleは『神の御言葉、ご意思』としてBotin達からすると過度にSacred視されている。同時に、そうでありながらHumanの中には、大衆を騙す手段としてOracleを使っている者が存在している。
Oracleを聞くことができると称しているTemple Headが、実はOracleを聞くことができない。それどころか、Oracleだと欺いて自分の意思をbeliever達に伝えている場合さえ過去には存在していた。
『うう、あたしは『あたしが眠っている間、Alda templeと協力して秩序を守るのだ』なんてOracle出してないし、Amid Empireの初代EmperorのallyをするようにってOracleを出した覚えもないよ』
『Oracleって、受け取れない人にとっては本当に受け取ったのか分からないのよね。狸寝入りしている間にそれに気が付いた時には、思わず飛び起きそうになったわ』
涙目になっているBotinに、Periaが慰めるように自分の体験を語る。
Oracleを本当に受けたHumanと、Oracleを受けたと嘘を言っているHuman。それらを明確に見分ける方法はない。Oracleを受け取る際に天から光の柱が降りてくるわけでも、Oracleを与えた神から証明書が送付されるわけでもない。
もちろん嘘をついているわけだから、それを見抜く方法もあるだろう。しかし、そうした嘘をつくものは口が上手いものだし、見抜いた者がいたとしても真実を他のbeliever達が信じるかはまた別の話になる。
一応、Oracleを本当に受けたのか判別する事が可能なmagic itemがAmid Empireには存在する。存在するが、それはAmid EmpireのAlda Grand Templeで厳重に管理されている。それに、判別用のmagic itemの使用は基本的にSelf申告だ。
Earthで例えれば、宗教の指導者を嘘発見器にかけるようなものだからだ。下されたOracleの内容が余程疑わしい場合でなければ、真偽をmagic itemで判定するようなことはない。
例えば、健在なGreat GodがAldaだけのconditionで、「Aldaを長と認める」というOracleが下されたとしても、Human社会の主だった人々は誰も疑わしいとは思わないだろう。
では逆に、最近『Vida's Factionにallyするように』というOracleを受けたと主張する者がAmid EmpireのBotin templeにいたらどうなるのか。そんな世迷言の真偽を判定するために貴重なmagic itemを使用する必要はないと判断されるだけだろう。
『それに、大きなtempleになると代々CardinalやHigh Priestを事実上世襲する家が複数あってPopeの座を政治的なやり取りで決めるとかあるからね。
まあ、これをしているのはAldaや以前まで独立していたBellwoodのtempleぐらいだけど』
『Zuruwarnの述べた例は極端なものだが、それも仕方のない事。Oracleを受けるaptitudeを持つ者は、organization運営の才にも同時に恵まれている者ばかりではない。
Oracleを受ける者をPriestの一人に抱え、organization運営に長けた者が長になった方がいい場合もある』
『Ricklent、templeがorganization運営っていう考え方自体、あたしには衝撃なんだけど』
Botinにとって……Age of Gods EraのGodsにとって、templeとは普通の意味のorganizationではなかった。believerに教えを説くのはPriestではなく神であり、templeでは神が教えた教義をより深く理解するため、そして授けた技術やmagicの研鑽を積むために修行する場だった。
Botin templeなら腕の良い職人が集まり、Zantark templeならWarrior達が武術の腕を磨いた。Age of Gods Eraでは、templeが現代のguildの役割を果たしていたのだ。
しかし、現代のtempleでは信仰の道を進む者だけが常任し、職人やWarriorのbelieverはtempleに祈りに通うだけになっている。
『それも仕方なき事だ。VidaがAldaに貶められ、そのAldaも地上にいられなくなった。人が人を治めなければならなくなった以上、社会の形が変わるのは当然だ』
『それに、Oracleを受けることができない人の中にも良い人は沢山いるわ。気を落とさないで』
Oracleを受け取るaptitudeに恵まれなかったbelieverで、PriestやHigh Priest、そしてTemple Headを務めている者の中にも、敬虔なbelieverは多い。Vidaの言うとおり、そうした者達が存在しているのにOracleを受け取れないというだけで嘆くのは、神として相応しくない態度だ。そう思い直したBotinは、やっとDivine Realmの床から立ち上がった。
『そうね……たしかにその通りだよ。ありがとう』
そう礼を言って、Vandalieuが供えたお茶を受け取って落ち着きを取り戻すBotin。
『でも、その良い人の半分以上……主にAmid Empireであたしじゃないあたしに祈っているんだけど……なんで? あたし自身の性質が変わるほどの差じゃないけれど。
これも人治だから?』
『然り然り、人治のせい』
『我々もAmid Empire等のAlda believerの勢力が強い宗教国家ではそうなっている。Aldaが我々Godsの長だと認め宣言したと』
落ち着いたが疑問がまだ尽きていないBotinに、口々にそう答えるZuruwarnとRicklent。
古来、Age of Gods Era Great Godの間には序列はなかった。彼らはRicklentが言っているようにお互いに兄であり姉、Imoutoであり弟。力の総量も差はない。
そのため、何を決めるにしてもGreat Godを中心とし、そこに新たに神となったSubordinate God達での合議制でworldを動かしていた。
しかし、現代……特にAlda信仰が強い国ではAldaが古来よりGodsを長として纏めていたと伝えられている。
それにはBotinだけでなく、五万年前に目覚めていたZuruwarn達も、数万年前に目覚めていたPeriaも当時は衝撃を受けた。
『chain of commandの統一は■■■―!!』
『chain of commandの統一は当然だ』
『■■■■■■■■■■! ■■■■■……■■■■■!!』
『一柱残ったAldaがそうしたのも、理解できる。生き残ったHuman達を一つに纏めるにはそうする必要があったと……だがVidaを排した身でやっていい事ではない! そう、Zantarkは言っています』
途中から興奮して言葉にならない咆哮を轟かせるZantarkの言葉を、Vandalieuが同時通訳して伝えた。それを聞いて、改めて考えるGreat God達。
『言われてみれば、それもそうか。Human達を纏めるのもそうだけど、人が減って少なくなった信仰を自分達活動可能な神に集め、worldの維持やDemon King ArmyのRemnantsに対する備えに必要な力を確保していたと。
そのせいで、sealedされていたあたしや狂乱していたZantarkはともかく、Ricklent達のrevivalが遅れたけど……』
『それも織り込み済みだったはずよ。Aldaも、できればあたし達に早くrevivalしてほしかったでしょうけど、そのままではrevivalするのにかかる時間が数千年か一万年早まる程度。なら、私達のrevivalを先延ばしにしても動ける自分達が力を蓄えた方がいい。
その判断には、私も異論はない』
そう口々にAldaの判断に理解を示すBotinとPeria。当時はDemon King Army Remnantsが多く、『Evil God of Joyful Life』Hihiryushukakaのような力を持つ存在も多数存在したので、Aldaとしては未来の仲間のrevivalよりも自分達が今力を維持するための活力を必要としたのだろうと。
『だけど、そこまでする必要ができた原因の一つがGuduranisをsealedした百年後に、Vida達を襲撃したからだからね』
『一方的な奇襲で優位に立ったけど、それなりに力を消費したはずだし……おかげでBirkyneのようなPure-breed Vampire達が何人かDemon King Army Remnantsの配下になり、増え始めていたVida's New Racesとこちら側に寝返った元Demon King Armyの神やmonstersが激減し、Boundary Mountain Range内部やDemon continent、Gartlandなど限られた地域に逃げ込むことになった。
……うん、改めて考えてもないわね』
しかし、やはりAldaがVidaへの襲撃を実行した事には賛同できなかったようだ。
『まあ、ここにいないAldaについて何を言ってもあたしがsealedされる前に戻らないのは分かったよ。どうにか今の時代に合ったやり方を探すさ。……あまり力になれなくて済まないけど』
『それは仕方ないかと。templeと政府の間に距離があるのは、Human社会では普通の事ですし』
Botinの言葉に、Vandalieuはそう応じた。
Botinは自分達をsealedから解放したVandalieuに報いようと、believer達に彼を支持するようOracleを下したが、その効果は彼女が想定したよりもずっと小さなものだった。
それはBotinが嘆いていた通り、Age of Gods Eraと現在の人治の時代の違いによるもの。そして十万年以上に及ぶ彼女の不在によるものだ。
それに、Boundary Mountain Range等のVida's Factionの国々にいると忘れそうになるが、Human社会では政治と宗教が一体ではない国の方が多い。『Earth』の現代Japanほど政教分離がしっかり定められている訳ではないが、政府と各templeは距離をとっている。
Alda信仰が強いAmid Empireであっても、前EmperorのMashkzarが治めていた時代はAlda Grand Templeを表向きには尊重しつつも、templeの好きにはさせていなかった。だからこそ新PopeのEileekと彼の勢力がMashkzarを排斥したのだ。
Orbaum Elective Kingdomでは、政府とtempleの距離はより開いている。Botin templeがいくらVandalieuの事を「Heroだ」と讃えても為政者は為政者で政治的、経済的な事情も考えて判断しなければならない。
もうずいぶん昔に感じるが、『Earth』でのMemoryがあるVandalieuには、それは正しい事だと感じていた。……自分たちの国の事を棚上げしているような気がするが。
しかし、Vida's Factionの国で政教一体の国家運営が上手くいっているのは、限られた時期や資格のある者だけでも神に直接会い言葉を交わす事が可能だからこそだと考え直した。……なお、自らが治めるVidal Magic Empireこそ、Emperorが信仰対象を兼ねている政教一体の国である事には気が付いていない。
『それより、今回俺が呼ばれたのはCircle of Reincarnationのsystemについてだったと思いますが?』
『ああ、そうそう。Botinが参っていたからつい話し込んでしまったけど、本題はそうだったわね』
Godsにしか知らされない、人が知ってはならないとされるCircle of Reincarnation systemについて、Zuruwarn達はついにVandalieuにも教えようとしていた。
それは、今後避けられないだろうAldaとの戦いにおいて、Vandalieuが敵側のHumanの魂を砕きすぎてRodcorteのCircle of Reincarnation systemに深刻なDamageを与えることを避けるために必要だと思ったからだ。
……Even now破綻しなかったのだから今後もしないかもしれない、具体的な理由を黙ったままでも頼んだら「分かりました」と頷いてくれる気もするが、説明しておいた方がより確実だと思われたのだ。
『では、そのGodsしか知ってはならないというCircle of Reincarnationのsystemの秘密についてですが……俺はHumanなので知らなくていいです。それじゃあ帰りますね』
しかし、Vandalieuは知りたくなかった。
『な、何故!?』
『大事なことなので何度でも言いますが、俺はHumanなのでGodsの専門知識を知るのは身に余ります』
『その魂でまだHumanと言い張るの!?』
驚いたBotinが、改めてVandalieuの魂を見つめる。そこにあったのは、Giantな黒い何かだ。ドロドロとした泥、表面に光沢のある岩、Giantな何かのbone、脈打つ脳髄、こねくり回された臓物、そうしたもので漠然と人型を作り、Giantなeyeballやcountlessのtentacle、fangsの並んだ口が場所も数もでたらめに配置されている。そして、時々魂の一部が千切れて何処かへ飛んでいく。おそらく、【Familiar Spirit Demonic Advent】で呼び出されたのだろう。
それがVandalieuの今の魂の姿だった。Guduranisの魂を一部とはいえ食らったことにより、その魂は以前よりもさらに変異している。これでも本人は人型に纏めようとしたらしく、BotinのDivine Realmに現れた当初よりも頭と腕の数が半分以下になるようにまで、纏めている。
『言い張るも何も、俺はHumanです』
そして、当人は嘘でも何でもなく自分はHumanであると主張していた。数えきれない程あるどろりと濁った虚ろな瞳には、嘘や偽りは含まれていない。
何者にも覆すことができない、Insanityが満ちている。
『ソ、ソウダネ、アンタハHumanダヨ』
『いかん、Botinがやられた!』
『正気に返れ、Botin! ■■■■!』
『はうっ!? あんた……いきなり殴るとはいい度胸じゃないか!!』
『いかんっ、Zantarkがやられた!』
『どうしました? みんな落ち着きましょうよ』
『うわぁ、元凶に自覚がない……』
Vandalieuが無自覚にBotinの意識を混濁させ、慌てたZantarkがBotinを正気に戻すために頬を張り、殴られたと勘違いしたBotinのアッパーがZantarkを沈めた。
『Vandalieu、聞いて』
そんなChaosを収めたのは、Vidaだった。
『Circle of Reincarnationに関する知識は本来Humanに明かしてはならない事だけど、あなたは色々と特別だから……知っていてほしいの。お願いできない?』
『分かりました』
Vidaのお願いに、あっさり態度を翻すVandalieu。その光景に、Great God達に衝撃が走った。
『たしかにVandalieuはVida believerであることを公言しているが、あからさまでは?』
『maybe、Darciaと同一視しているからではないかな?』
(それにしても、VidaもVandalieuがHumanだとは言わなかったな……)
思わず騒めくGreat God達だったが、Vandalieuが素直に聞く気になったので指摘しない事にした。
そしてCircle of Reincarnation systemについての説明だが、これは実際にCircle of Reincarnation systemを模倣して自身のsystemを作り上げたVidaが行った。とはいえ、Divinityを持たない……つまり専門知識がない者には聞いても理解できないはずだった。
そのため、当初はVandalieuに概要だけ説明して、人の魂を砕くときは気を付けてもらう予定だった。だがなんと、VandalieuはCircle of Reincarnation systemの詳細な説明まで理解することができたのだ。
『つまり、死者の魂の生前のMemoryやStatusを消し、ランダムなreincarnation先に送り出すための仕組みですね。いろいろ改良点がありそうですが』
『ええ、Rodcorteのsystemを模倣したDemon King Guduranisのsystemを更に模倣したものだから、問題も多いの。
systemを創った当初の予定では、私が管理しながら時間をかけてこのworldに適応した形のsystemに改良を重ねていくはずだったのだけど……約百年で眠りにつくことになってしまったから、それから約十万年もの間、手つかずのままになっているから』
『なるほど。originally Rodcorteのsystemは複数のworldのCircle of Reincarnationを司るためのsystem、一つのworldのCircle of Reincarnationだけを司る場合、無駄が多いかもしれませんね』
『Earth』で例えるなら、二十四時間full稼働を前提にした大規模工場の工作ラインを模倣したものを個人経営の町工場で使っているようなものだ。いろいろと合わない部分も多い。
そしてVidaやVandalieuは薄々察しているが、RodcorteのCircle of Reincarnation systemはいかに多くのworldで多くの魂のCircle of Reincarnationを効率よく、そしてRodcorte自身の手を煩わせずにstabilityして管理できるかを追求したsystemだ。
そのため、Humanや動物、植物の魂を分けず全てランダムに振り分けられている。死後のworldも何もなく。
それは自身の補佐をするFamiliar SpiritやHeroic spirit、Subordinate Godを最近まで持たなかったRodcorteにとって必要な機能だったが、やはり一つのworldだけのCircle of Reincarnationを司るには、過剰なのだ。
それに、Vandalieuとしては死後のworld……生前の行いによって裁かれる事がないのが気にいらなかった。
悪人だろうと亡くなれば仏-samaという考え方があるのは知っているが、仏教にもHELLがある。
だが、それは人が信じる宗教で語られていることだ。来世にreincarnationする際には、前世のMemoryも経験も残らない。なら、実は死後に生前の行いを裁いて罰を与える必要はないのかもしれない。
「悪い事をすれば罰が当たる」、「死後HELLに落ちる」と教えて人の倫理観を育むための方便でしかないのかもしれない。
だが、死後のworldが存在しない事で問題が発生している可能性もある。その問題がRodcorteにとってはどうでもいい事だったので、放置されていただけで。
『まあ、それはとりあえず、systemがDecayすると『Lambda』world全体の危機にdevelopmentするので、Humanの魂はできるだけ砕かないようにすればいいと。でも、『Five-colored blades』のHeinzとDelizahの魂は砕きますよ?』
『それは構わない。Aldaからの要請がなくても、こっそりCircle of Reincarnation systemから外すよう頼んでおいたから』
『MachidaやShimada、Endouですか』
Vandalieuにとっては、彼らがZuruwarnと組んでいるのはやや意外に感じたが、同時にありえなくもないと思った。あのRodcorteの事だから、何かしでかして彼らに見限られたのだろうとconjectureできるからだ。そして、それは真実である。
『-kunには不愉快かもしれないが、このworld以外にも……『Origin』や『Earth』を含む幾つものworldの存続がかかっている。理解してほしい』
『構いませんよ。特に恨みも何もありませんし』
このworldにreincarnationした直後……つまり『Origin』で殺されてすぐなら腸が煮えくり返るほどの恨みを抱いていたが、Darciaと暮らすうちにそれらも薄らいでいった。
それに、もう【Bravers】のleaderであるAmemiya Hirotoとも和解が済んでいる。Aran達に今更何かしようとは思わない。
……Zuruwarnから聞いたところによると現在進行形で大忙しらしいので、溜飲はもう下がっている。
『分かりましたが、人をGuiding事はやめようがありませんよ。Orbaum Elective Kingdomの各Duchyをallyにつける必要がありますし……『Origin』の方は本当にどうしようもないので』
魂を滅ぼすほどの悪impactはないが、Vandalieuが導いた存在の魂はVida式のsystemに移行してしまうのでRodcorteのsystemの維持にimpactが出る。
しかし、Vandalieuが述べたようにGuidingのを止めることはできない。
『それは何年かなら誤魔化せるらしいから、大丈夫……だと思う』
そう告げるとZuruwarnは途中までは頼もし気に保証してくれた。そして、その後はいくつかの情報を交換してVandalieuはDivine Realmから去っていった。
『……Vandalieu、Circle of Reincarnationについて理解できていたね。我、panic』
『知識のGoddessでもある私でも理解できなかったのに』
『おそらく、Pseudo- reincarnationを繰り返しているimpactだろう』
ぽつりと漏らしたZuruwarnと、shockを受けた-sama子のPeriaにRicklentがそうconjectureした。
『Pauvinaをはじめとして、Vandalieuが死者の霊をPseudo-的にreincarnationさせているのはVidal Magic Empireでは周知の事実。そして、Vidal Magic EmpireではVandalieuは神として信仰されている。
それにより、VandalieuはGod of ReincarnationとしてのDivinityをoriginally持っていたのだろう』
『……当人も気が付いていないようだったが?』
まだBotinのアッパーが効いているのか、よろめきながら立ち上がったZantarkがそう尋ねるが、Ricklentはあっさりと答えた。
『Vandalieuが神となったと同時に備えていたのだ。赤子が生まれた時に、自分の体内にある臓器を意識しないのと同じだ。
さすがはVandalieu』
『Ricklent、-kunはVandalieuをArkと同一視しすぎるような気がする』
『うんうん、さすが私の子だわ』
『Vida、-kunはDarciaに引っ張られすぎだと思うの』
『然り、然り』
魂がBodyに戻ったVandalieuは……最近魂の分割が進み、自分でもmain bodyとは何なのか疑問に思うが、main bodyであると認識しているVandalieuは、Vida達のIdol Statueに改めて一礼する。
ここはSilkie Zakkart Mansionのmansionの一室に作った、簡易的な礼拝堂である。
Vandalieuが【Golem Genesis】skillで作ったステンドglassから、日の光が……差し込んでいない。
「おや、さっきまで晴れていたのに」
おかしいなと思い首をかしげると、Demon King Familiarの視覚から大変なことが起こったことを知った。
礼拝堂から出て窓から庭に飛び出すと、既に外に出ていた皆がGiantな大木に視線を向けて唖然としていた。
「Eisen、城より大きくなりましたね」
『お食べよぉ』
城よりGiantな大木は、Rank upしたEisenの姿だった。枝には、Eisenが実らせていたのと同じFruitがなり、太い幹からはEisenの声が響いてくる。
「これはまさかlegendに……いや、Mythに記されていたworld樹Yggdrasil!? BAKANA、あれはrecordが正しければDemon King Guduranisが現れる以前より存在した植物's ancestor。神ではないがmonstersでもない存在のはず!
しかも、Demon King Armyとの戦いの最中miasmaによる汚染に耐えられず絶滅したと記されていた……いや、EisenがRank upした事でmiasmaに適応したYggdrasilのVariantとなったのか!?」
Lucilianoが百面相のように表情を変えながら無意識に解説している。それによれば、EisenはYggdrasilに似た何かになったようだ。
「突然庭のCenterに立ったEisenの枝や根が伸びだして、見る見るうちにこの姿になってしまって」
『Rank upするのをInstinct的に察して、広い場所に出たのでしょう。しかし……これからどうしますかな? 今までのように動けるのか……』
EleonoraとSamがそう言いながら巨木となったEisenを見つめていると、幹の一部がボコリと音を立てて変形し……大きさが倍ほどGrowしているが、それ以外の姿形は以前と同じEisenが現れた。
『大丈夫だよぉ。ほらぁ、大きさも元に戻せるしねぇ』
そして、三meter強だったEisenは以前のSizeに戻った。
「うん、何の問題もありませんね。Rank upおめでとう、Eisen」
『ありがとう、お食べぇ』
「旦那-sama、Eisenが以前と同じように行動できるのは喜ばしい事ですが……近隣住民とCorbit Elected King達には説明が必要かと」
「そうですね。突然生えた巨木に気が付いたKnochenやPeteやLuvezfolが驚いていますし、maybe Randolph senseiも一分以内に駆け込んでくるでしょうし」
めでたい事だが……さすがに突然Elected King城より高い巨木が出現したら大騒ぎになるのは避けられないのだった。
―――――――――――――――――――――――――――
・Name: Eisen
・Rank: 14
・Race: IggdrasilのSapling(YggdrasilのVariantのSaplingから変化!)
・Level: 0
・Passive skills
Monstrous Strength:8Lv(UP!)
Super Rapid Regeneration:5Lv(UP!)
Abnormal Condition Resistance:10Lv
Magic Resistance:10Lv
Physical Resistance:10Lv
Vitality Enlargement:7Lv(UP!)
Body Part Enhanced (1):tree bark, branches, root:6Lv(UP&Enhanced Body Part:根integrated!)
High-speed Fruit Production:7Lv(UP!)
High-speed Sap Production:7Lv(UP!)
High-speed Branch Production:7Lv(UP!)
Allure:10Lv(UP!)
Self-Enhancement: Subordinate:10Lv
Self-Enhancement: Guidance:9Lv(UP!)
・Active skills
Unarmed Fighting Technique:8Lv
Throwing Technique:9Lv
Armor Technique:10Lv(UP!)
Energy Super Absorption:2Lv(UP!)
No-Attribute Magic:5Lv
Earth-Attribute Magic:8Lv
Life-Attribute Magic:8Lv
Shrink:4Lv(UP!)
Mana Control:3Lv
Commanding:2Lv
Coordination:6Lv
Cooking:1Lv
Familiar Spirit Demonic Advent:1Lv(NEW!)
Parallel Thought Processing:1Lv(NEW!)
・Unique skill
Zozogante’s Divine Protection
Invigoration: Plant
Vandalieu’s Divine Protection
Botin’s Divine Protection
Ground Fertile Transformation:1Lv(NEW!)
Twin Body(NEW!)