Sercrentの魂を砕いて、恐竜Zombie達にその肉を喰ってもらってExperience Pointにした後、VandalieuはEleonoraを連れてcafeteriaに移動した。
そこで主だった者を集め、Eleonoraから話を聞くためだ。
「申し訳ございませんでした!」
そう土下座せんばかりの勢いで謝罪するのはEleonoraでは無く、Tareaだった。
「あっさり魅了され、Van -samaの秘密をベラベラ喋った挙句呑気に寝ていたなんて! 何とお詫びすればいいのか……」
「いえいえ気にしないでください」
EleonoraからTareaの事を聞いた時は慌てたが、冬の真night中に石の床の上で寝ていた割に元気そうなので良かった。それ以上は何も考えていなかったので、そんなに謝らなくてもとVandalieuは思っていた。
「Tareaよ、仕方あるまい。【Abnormal Condition Resistance】や【Magic Resistance】等のresistance skillのlevelが余程高かったとしても、Magic Eyeには抵抗できなかったじゃろうからの」
「それに、それ以上謝ってもVanが困るだけだぞ」
「うう、ありがとうございます。でも……何故こうなっていますの?」
Tareaは、自分の真横に座っているVandalieuに聞いた。二人は、一人用だがGiant race用の大きな椅子に並んで腰かけていた。息が触れあうどころか、既に体が触れあっている。
「何でも俺との距離を感じて悩んでいる-sama子だったと聞いたので、Zero距離にしてみました」
「だ、誰にそんな事を聞きましたの!?」
「Eleonora」
「うああああああっ! なんて事をばらしやがるのこの女!」
「Tarea、Tarea、口調が悪くなっておるぞ。後悶えるな、今坊やに肘が入ったぞ」
前後不覚に陥る前、口にしていた事が全てVandalieuに知られているらしい事に頭を抱えて悶えるTareaの肘は、結構効いた。
「それで、なんでこの女がここにいますの!?」
がばっと立ち直った途端、Eleonoraを睨むTarea。彼女の顔では無く首から下に視線を向けているのは、『Charming Magic Eyes』を警戒しているようだ。
睨まれたEleonoraは、神妙な-sama子で椅子に座っている。しかし、手足を縛られず猿轡や目隠しもされず、そのままだった。やろうと思えば、そのまま飛んで逃げられそうでもある。
「certainly、Vandalieu -samaに私の知る全てを話す為よ」
そして何故かEleonoraはVandalieuを-sama付けで呼び、臣下の礼を取っていた。
(あの後、止めるのが大変だった)
Eleonoraは別にいいと言ったのにVidaのGoddessを称え、その後Vandalieuの手にキスをしてLoyaltyを誓った。止めなければそのまま足にだってキスしただろう。
更に、Eleonoraがあまりに畏まった口調で話すので素の、もっと砕けた口調で話すように頼むのも手間だった。「そんな畏れ多い」と言う彼女に、「これは命令だ」と言いながら、指先で何かを砕くような手つきをしてやっとである。
何故かその時も怯えているのか喜んでいるのか分からない顔をしていたし。
『あのー、とりあえずEleonora -sanの話を聞いてから、後の事を話し合わない? 私、起きたら色々あった後で何が何だか分からないのよ』
『っと、Darcia -samaが言っておりますので、そうしませんか?』
馬車で王城のcafeteriaに入ると言う暴挙を行ったSamがDarciaの言葉を通訳し、そしてEleonoraは自分達が来た理由や、【Evil God of Joyful Life】Hihiryushukakaに従うVampire達がDarciaとVandalieuにした事を話し始めた。
因みに、EleonoraやSercrent達に今まで殺した者達の霊が憑いていないのは、前もって聖水をwhole bodyに何度も被って来たかららしい。【Spiritualist】対策に、自分の接近を知らせる霊を連れて行かない-sama whole body火傷を負いながら耐えたそうだ。
Vandalieuに対してとても有効な方法だが、随分過激な方法を取ったものだ。
「思っていたよりも大がかりな話になっているなぁ」
それを聞きながら、Vandalieuは息を吐いた。これまで彼の父Valenを殺したVampireは、Memoryを取り戻した後直接かかわって来なかったし、その情報も得られなかったので印象が薄かった。
どうしてもGordan High PriestやHeinzの後ろに隠れて、存在感が霞んでしまったのだ。
それに天敵の筈のGod of Law and Life Aldaを国教に据えるAmid Empireの、属国であるMirg Shield Nationの裏で糸を引いていたとは夢にも思わなかった。
対Vampireを標榜するなら、最低限その辺りはしっかり防いでほしいものだ。
「まあ、Mirg Shield NationとAmid Empireは元から敵ですけど」
『事実は小説よりも奇なりですな』
元Mirg Shield Nation民のSamも知らない衝撃の事実だった。
Pure-breed VampireのBirkyne、Ternecia、Gubamon。その配下のNoble-born Vampireに、Subordinate Vampire。あとThomas Palpapek Marshall。
仇を一人滅ぼしても、敵が爆発的に増えて行くかのようだ。
『しかも、二百年前の戦争にも関わってるのか! あれはお前らの差し金かよ!?』
その上【Evil God of Joyful Life】派のVampire達はかなり悪質だ。TalosheimがMirg Shield Nationに滅ぼされた戦争の裏にも彼らは存在したらしい。
Borkusがwhole bodyから怒気を放つのも無理は無い。
「わ、私はその時生まれていなかったから、詳しい事は分からないわ!
ただGubamonが戦争を利用して、配下にTalosheimのHeroの死体を回収させたと聞いているけど」
Borkusが怖かったのか、Eleonoraはやや早口になってそう言った。
【Evil God of Joyful Life】Hihiryushukakaの教義は、ざっくり言うとこの世には命を弄ばれる者と、弄ぶ者しかいない。だから他人の命を弄べば、より上位の存在に成れると言うものらしい。
そのEvil God (M) 's Divine Protectionを得ると通常ではTamerできないUndeadをTamer……作って僕にする事が出来るようになるらしい。
そしてEvil God (M) 's Divine Protectionを得ている三人の内一人、Pure-breed VampireのGubamonはHeroと称えられる者の死体をUndeadにしてcollectionすると言う趣味があるらしい。
そのため、彼はHeroが命を落とす戦争や大規模なmonsters討伐などに配下を送り込み、死体を回収させているそうだ。
二百年前の戦争でも配下を送り込んでいたらしい。
『なるほど、JeenaやZandiaの嬢-chanの死体が残って無い理由はそれか。だが、何で俺の死体は持って行かなかったんだ?』
「損傷が酷かったからでは? 利き腕とMagic Swordを砕かれていたので、Undeadにしても戦力に成らないと判断しても、おかしくないと思いますが」
『Nuaza、俺が戦力に成らねェだとぉ?』
「私ではありません! Vampire達がそう判断したのではないかと言っただけです!」
「耳に挟んだ程度だけれど……あんたの死体は損傷が酷かったから先に他の死体を運び出して、いざあんたの番と言う時にMikhailが戻ってきたらしいわ」
そして鉢合わせしたMikhailとVampire達は、そのまま戦闘に突入したらしい。Vampire達にして見たら満身創痍で愛槍を無くしたMikhailもついでに殺して、死体を持ち帰ればGubamonから褒美が貰えるとでも思ったのだろう。
しかし、SClass確実といわれていたMikhailはsecondary nameの由来に成ったMagic Spearが無くても強く、Vampire達を逆に撃退する事に成功する。しかし、それでEnduranceを使った上に傷の手当てが遅れ、死んでしまったらしい。
『俺が死んでる横で、そんな事があったとはな。じゃあ、あの氷はVampireが入らない-samaにするために張ったのか』
Mikhailに止めを刺したのはGoddess謹製のDragon Golemでは無く、死体を回収しに来たVampire達だったとは。何とも微妙な話だ。
「でもDragon Golemを倒しても、二人の死体は手に入らないみたいですね」
『よし、坊主。略奪だっ、GubamonってVampireから嬢-chanたちを奪い返せ! 男は女を奪って初めて一人前だ!』
「あー、Eleonora -sanは? BirkyneってVampireから奪った事になりません?」
『こいつはノーカンだ!』
「えー……まあ、将来的には滅ぼしたい連中ですけど、十年単位で待ってくださいね」
略奪愛とか、そういうシチュエーションは嫌いなのだが。されるのでもするのでも。いや、そもそも略奪愛の範疇に含まれるのか疑問だけれど。
しかし、どういったところで結局は【Evil God of Joyful Life】派のVampireとは殺し合う事になるだろうし、Vandalieuが生き残り幸福な人生を過ごすためにはGordan High PriestやHeinz以上に抹消する事が必要不可欠な集団である事に違いは無い。
なんたってVampireだから、寿命が無い。生かしておくとこっちが死ぬまで延々と何か企みそうだ。
その結果JeenaとZandiaの死体を回収してUndead Transformationさせる事には抵抗は無いし、既にUndeadにされているなら奪うのは当然の選択だと思うのだが……。
「後、俺を王位に就けようとするの止めません?」
何故かBorkusはVandalieuに生前第二王位継承権者だったZandiaをくっ付けて、彼をTalosheimの王位につけようとしていた。
『何だよ、もうKingなんだろ? ならいいじゃねぇか』
「坊やも往生際が悪いのぉ」
『まあ、Nobleに成る練習だと思えばいいのでは?』
『Bocchan、心配要りません。誰も法律や税の知識はありませんし、今も税を取ってないじゃないですか』
『そもそも、今のTalosheimでは国の形を取っていませんからごっこ遊びみたいなものですよ』
「新しい称号を獲得してBorkus達をよりEnhanced (1)出来るかもしれないぞ」
しかも Vandalieu以外全員賛成の-sama子なのが一番困るのだが。
『あのね、皆-san、Vandalieuも嫌がっている訳じゃないの。ただ、Elective Kingdomに居るFirst Princess -samaとその子孫に遠慮しているだけなのよ』
っと、Darciaが息子の考えを代わりに話してくれた。
昨night EleonoraをOrbaum Elective Kingdom側の工作員やSpyだと勘違いした時のように、Orbaum Elective Kingdomに逃げたFirst Princessやその子孫がTalosheimの王権を主張し、再興を訴えているかもしれない。
二百年前だと、Giant raceのGhoulと同じ約三百年の寿命ではbarelyらしいが、存命している可能性があるのだ。
もしそうなったらVandalieuがTalosheimで仮にも王位に就いていると、とても面倒な事になる。
「Princess Levia -samaとそのお子-sama方なら、Talosheimを再興したMikoを称え、喜んで王位を譲られるのではないでしょうか?
何といってもMikoはこのTalosheimの城も街並みも城壁も、全て在りし日の姿を取り戻してくださったのですから」
Nuazaの言う通り、それはVandalieuのachievementと言っていいだろう。Undead GiantやGhoul達に木のDeforestationやmonstersの駆除をしてもらったとしても、建造物を修理したのは彼の【Golem Transmutation】skillのお蔭だ。
もしFirst Princess達がTalosheimまで戻って来られたとしても、Vandalieu抜きで都市を元に戻すには数十年単位の時間と、莫大な労働力とそれを賄う資金が必要になった。それをかけずに整え再建したのだから。
「でも流石に王位は譲らないと思いますよ。それに、Princess -samaの人柄がどんなに良くてもElective Kingdom側の思惑とか色々あるでしょうし」
Assassinが送り込まれてくる可能性すらある。最悪、上Class adventurerによる討伐隊が組まれるかもしれない。
今このTalosheimに居るのはDhampirのVandalieuを除けば、Elective KingdomではHumanだと認識されない者ばかりだ。強引に排除して、都市を占領してもElective Kingdomは法律上何の問題も無い。
「と、いう訳でElective Kingdom側の動きが分からない内は迂闊な事は出来ません。まあ、もっと早く考えるべきだったかもしれませんけど。
これからはmonstersだけでは無く、人に対しての防備も考えないと」
そう、分からない内はだ。Vandalieuには、このTalosheimを手放すつもりは無い。折角手に入れ、整えた皆の居場所だ。誰がただでくれてやるものか。
地下にはDarciaを蘇生できるmagic装置もある。例え相手がElective Kingdomでも、奪おうとするなら敵だ。
「それで、早速諸々の対策を話し合おうと思うのだけど」
「Van -sama、その前にこの女の処遇を決めませんと!」
Vandalieuの声を遮って、TareaはEleonoraを指差した。彼女の『Charming Magic Eyes』に惑わされた事が余程屈辱だったのだろう。
しかし指差されたEleonoraは眉一つ動かさずTareaの方を向くと、頭を深々と下げた。
「昨nightは申し訳ありませんでした」
「ええっ!? そこで素直に謝りますの!?」
「certainlyよ。悪いのは私だもの。私はVandalieu -samaの敵になるのだけは嫌なの。それは何よりも恐ろしい事だわ、Noble-born Vampireのprideなんて、そのためなら捨てて構わない。そう思うほどにね」
謝罪されて驚くTareaに、すらすらとEleonoraは何故素直に謝罪したのかを説明した。
Sercrentの魂を滅ぼした後、VandalieuはEleonoraとSubordinate Vampire達の霊から話をざっと聞いている。
そして、VandalieuはSubordinate Vampire達の魂を全て砕いて滅ぼした。
彼らが自分の命を狙ったからではない。彼らが父であるValenに直接手を下したからであり、そしてTareaを殺そうとしたからだ。
そしてEleonoraが今拘束もされず無傷で座っているのは、Vandalieuに敵ではないと判断されたからだ。
Valenの死に関わっていない、最初は殺すために来たが実行する前にその気をLostした、Tareaを殺そうとするVampireを止めた。その三点でもって、Eleonoraは敵では無いとVandalieuは認識していた。
「あのー、何故そこまで俺に入れ込むんですか? 神's Divine Protection云々については、ただの勘違いですよ」
そういうVandalieuに、Eleonoraは「いいえ、貴方はある意味神よりも恐ろしい力を持っているわ」と答える。
「魂を滅ぼすなんて、legendのDemon Kingにしか出来ない事よ。私の前のmasterのPure-breed Vampireはcertainly、【Evil God of Joyful Life】ですらね」
『俺もガキの頃にお伽噺で聞いちゃいたが……だから坊主が魂を砕いて見せた時は驚いたぜ。思わず硬直しちまった。これが死後硬直って奴だな』
Borkusの冗談はさて置いて……。
Lambdaでは、魂を滅ぼす事が出来る存在はいない。何故なら、人のCircle of ReincarnationはLambdaに存在する神では無く、Rodcorteの権能だからだ。
彼はOriginやEarth等、Lambdaを含めた複数のworldのCircle of Reincarnationのsystemを司る神だ。そのため、各worldで魂が勝手に滅ぼされない-samaにしている。
だからどんなに力のある神やEvil God (M)でも、魂を滅ぼす事は出来ない。死ぬまでの間にどれほど凄惨なTortureを行い、悍ましい死に-samaを与え、死後もその魂を何百何千もの年月縛ったとしても、何時かはRodcorteの元に行く。そして、新しい生命体としてreincarnationするのだ。
Rodcorteの存在をEleonoraも含めたLambda worldの住人は知らない。しかし Circle of Reincarnationを誰もが信じている。
Circle of Reincarnationが保障されているから、人々は死後に希望が持てる。何時の日か再生し、新たな人生を歩める。
魂が無事なら、死後Godsに掬い上げられFollowersに迎えられるかもしれない。今まで何人ものHeroや偉人がそうしてGodsのSubordinate GodやFollowersとして迎え入れられ、死後もその行いを称えられている。
そして神本人なら、魂が無事である以上revivalする望みがある。
それらの望みや希望を全て否定するのが、魂の滅びだ。
今までそれを可能とするのはlegendのDemon Kingのみであり、魂を滅ぼす力を持っているからこそDemon KingはGodsに恐れられ、数多のEvil God (M)やEvil God (P)を従える事が出来たのだ。
「だから、Demon King亡き今あなたはこのworldで最も恐ろしい力を持っているのよ。貴方に比べれば、BirkyneもHihiryushukakaも足元にも及ばないわ。
だから、私は貴方の敵になりたくないのよ」
Eleonoraは、今も昔もhorrorのSlaveだった。
彼女をhorrorで支配した親にSlaveとして売られ、買ったSlave商人は当時やせっぽちで色の黒かった彼女に大した価値を認めず、body partに傷をつくのも構わず荒っぽく扱い、更に買われた先の鉱山主は消耗品として彼女を使い潰す事を当然の事としていた。
そして彼女の素質を偶然見出したBirkyneに買われ、より大きいhorrorで支配された。だがそれまでと違い、Birkyneは結果を出す限り彼女を優遇した。
他のchild達よりも優れた結果を出せば、硬い拳ではなく賞賛をくれる。
言いつけを守っていれば、冷たい鎖や首輪ではなく柔らかで綺麗な服を着られる。
どんなに汚く凄惨な事でも従えば、腐りかけの野菜屑が入ったsoupではなく、贅を凝らしたCookingを口にできる。
媚を売りtailを振っていれば、body partに付けられるのは傷跡ではなく美しい宝飾品の数々。
そして美しく成長したEleonoraはNoble-born Vampireの一人として迎えられ、『Charming Magic Eyes』を獲得しBirkyneの寵愛を得た。
しかし、同時に彼の寵愛を失う事を何よりも恐れていた。確かにEleonoraの優秀さはBirkyneも認めていたが、BirkyneがEleonoraの事を「唯一無二の存在」だと思っていない事を、彼女は解っていたからだ。
BirkyneにとってEleonoraは最近のお気に入りではあったが、彼女程度のVampireは千年もあれば最低でも一人、多ければ十数人仕立てる事が出来る。
そう、たった千年だ。十万年を生きてきたBirkyneにとって、それは決して長い時間では無い。
だからEleonoraはBirkyneにtailを振り続けた。しかし、彼女はBirkyne以上に恐ろしい存在に出会った。それがVandalieuだ。
飼い犬がDhampirに乗り換えたと知ったらBirkyneは屈辱に震え、怒り狂うだろう。もし捕まれば、恐ろしいTortureを覚悟しなければならない。しかし、魂が滅ぼされる事だけは無い。
「本当にいいんですか?」
だからあなたの方につきますと言われても、Tareaだけでは無くVandalieuも首を傾げていた。
「絶対向こうの方が給料高いですよ。甲斐性も上だろうし。そもそも向こうの方が強いですよ、圧倒的に」
「そんな事ないわ。Sercrentを一方的に嬲り殺して見せたじゃないの。私が完全なconditionだったとしてもあれほど冷酷に、そして残虐に勝つ事なんて不可能よっ」
「……褒められているのか、分からなくなってきた」
やはり向こうの方が甲斐性は上だとはEleonoraも思っているらしい。あまり重要視してないようだが。
「昨日のあれはSercrent、でしたっけ? あれが無謀だったから一方的に殺せただけですよ」
それにVandalieu自身、Sercrentが弱かったとは思っていなかった。奴は無謀だったというか、色々運が悪かっただけだ。
Vandalieuについてaccurateな情報が無かったので、床を抜かれて床と天井付近に手下と分断された。
更に、Vandalieuがこっそり呼んでおいたBorkusによって片腕片足を切り落とされ、そのBorkusと恐竜Zombie達によって手下を皆殺しにされる。
極めつけがVandalieuにmagicが効かないと思って、傷が塞がる前にclawsでの接近戦を選んでしまった事だろう。そのため残っていた腕を【Impact-Negating Barrier】に捕えられてしまい身動きが出来なくなり、【Healing Negation】をかけられてRegenerative PowerをNullificationにされて失blood死の危機に狼狽する事になった。
BugoganのようにWeapon Equipmentならまだしも、直接腕が【Impact-Negating Barrier】に囚われてしまうとmuscleから直接運動energyを吸われてしまい動けなくなるのだ。しかも、以前の反省を生かしてVandalieuはBarrierに大量のManaを込めている。
その上skill levelもincreaseしていたので、Barrierそのものの性能まで上がっていたのだ。
ここまで不利な条件が続くと、運が悪かったとしか言いようがない。
「Eleonoraの話を聞くと前から色々と追い詰められていたみたいですけど、それもあって焦っていたのかな?
でも、もしあいつが距離を取って遠距離戦に徹すれば逃げるくらいは出来たかも」
それでも勝てたとも善戦は望めたとも言わないのは、あの場にBorkusが居てVandalieuがBarrierの中に留まっただろうからだ。
背後には格上の相手、前方には絶対に傷つけられないtarget。これでSercrentが勝てる見込みがあるはずが無い。
「どうせ逃げてもあいつには処刑しか待っていなかったから」
「Vampire社会も厳しいな。まあ、in any caseまだ俺は強くありません。防御特化なだけです」
Borkusのように剣の一振りで敵をslaughterできるようなAttack Powerは無い。いや、あるにはあるけど【Mana Bullet】はあまり精密な狙いが付けられないし、弾速は弓矢より鈍く、射程は短い。
「だけどいつかBirkyne達を殺す……滅ぼすのよね?」
「それはcertainly」
いくら十万年生きるPure-breed Vampireでも、Cheat AbilityもちのReincarnatorよりは倒せる見込みは大きいだろう。Evil God (M) 's Divine Protectionがあるにしても、Evil God (M)そのものでは無いのだし。
「でも強くなる前にBirkyneって奴が直接乗り込んで来たらどうします?」
「それは無いわ。奴らが直接動いてBoundary Mountain Rangeを越えるなんてありえない」
Eleonoraは自信を持って断言した。その自信には根拠がある。Birkyne達Pure-breed Vampireは確かに強力だが、Pure-breed Vampire同士で仲が良いとは決していえない関係だからだ。
Birkyneが直接動くとなれば、同格のTerneciaやGubamonといった残り二人のPure-breed Vampireが「そうか、頑張って。部下を貸すよ」と言って協力を約束する。しかし、実際にはBirkyneの留守の間にorganizationを掌握しようとするはずだ。
「お山のGeneralっていうのはね、山に居るからGeneralで居られるのよ。一度でも山から下りたら戻るのは至難の業なの」
流石Evil God (M)を奉じるcommunity。助け合いのMentalでは無く、蹴落とし合いのMentalが根っこまで息づいている。
「だから俺に付いても大丈夫だと?」
「そうよ、このworldに貴方ほど恐ろしい人はいない」
「だからTarea達とも仲良くしようと最大限努力する?」
「certainlyよ。彼女達の敵は、貴方の敵でしょう? 足の裏を舐めてでも許しを請うわ」
実際、Tareaを殺していたらVandalieuはEleonoraも殺していただろうから、その対応は正解だ。
若干潔良すぎる気もするが。
「じゃあ、Tareaが許したらそれでいいです。これからもよろしく」
そしてVandalieuも切り替えが早かった。
『ヴぁ、Vandalieuっ? そんな簡単に信じてしまっていいの!?』
「坊やっ、こいつの言っている事はつまり、坊やより恐ろしい存在が出来たらまた裏切ると言うのと同じじゃぞ!」
っと、止めるDarciaとZadiris。Vandalieuは「まあまあ」と慌てる二人を宥めるように両手を動かす。
「信じていいかは、当人の希望で保険をかけるから大丈夫。
後Zadirisのいう事はあってますけど、世の中そんなもんです」
Humanは自分に最も利益を与えてくれる存在の下に集まる。
Earthに居た頃聞いたnewsで、従業員がすぐ給料の良い別の企業に行ってしまって工場や企業が困っているという報道があった。
Eleonoraはそれと同じだ。
「Eleonoraの判断基準は『horror』で、俺以外に魂を滅ぼせる人が居ない限り裏切らないでしょう。Demon Kingがrevivalするとか」
後、Reincarnatorの中には居る可能性もあるが、maybe心配無いだろう。Rodcorteが自分の領分を侵されるような力を与えるとは考え難い。
「む~、まあhorrorで支配する方法は昔から在るが……」
「後、Eleonoraを仲間にする理由としては……父-sanの件に彼女は関わっていなかったから、敵じゃない。Evil God (M)派のVampireの情報を彼女から手に入れられる。戦力になるから。
後は――」
『別嬪だもんな。良いbody partしてるしよ』
「そうそう」
口を挟んできたBorkusにVandalieuがnodと、数秒後何故か妙な空気が漂う。本当に何故だろう。
「Van -sama……そこは慌てて否定するのがお約束ではありませんの!?」
「俺、必要のない嘘はつかない主義なので」
「そんなっ! じゃあ私よりもこの女の方を気に入ったのですか!?」
「いえいえ、Tareaの方が良いbody partしてますよ」
だってTareaの方がEleonoraよりmuscleが、特に二の腕のmuscleが。あと触ってみると腹筋も中々。
「まぁ♪ そういう事でしたら……」
恥じらうように頬を手で隠すTarea。「いや、絶対muscleの量の事じゃろ」「それ以外にないな」とZadirisやBasdiaが囁き合っているが、その通りだ。
『それでBocchan、保険と言うのは?』
っと、Samが脱線していた話題を修正する。
「俺がpiercing型のGolemを作って、彼女に刺します。これで常に居場所が分かりますし、もしもの時はGolemでbody partの内側から攻撃させます」
Eleonoraに取って厳しい保険だと思うが、これは彼女自身が望んだ事だった。
それにEleonoraを仲間に加えるのを皆が納得しやすいように、Vandalieuがあえて厳しい案を提案したという事情もあるが。
因みに、作るpiercingは内部にMercuryを仕込み、Corrosionしないよう【Preservation】をかけて作る予定である。
「そこまでするなら我も文句は無いが、そのpiercingは何処に付けさせるつもりだ? やっぱり臍か?」
『Bocchanはお臍が好きですからねー。ふぅ……muscleといい手首といい、私達に無い物ばっかり』
「Vigaro、Rita、分っていると思いますけどmuscle以外は誤解です。というか、Ritaにある物ってなんですか?」
『可憐さです☆』
そんな冗談を混ぜつつ、Vandalieuは「tongueに着けてもらう予定です」と言った。
「tongue……」
『Vandalieu、それはちょっと……』
何故か皆に引かれた。
「一つでも二つでも幾らでも賜ります!」
そう言いながらEleonoraは「さあ、穴をあけて」と言わんばかりに赤いtongueを出すし。
「あのー、これからTalosheimの防衛体制について相談したいので、この話題はここまでにしません?」
大変なのはこの後の筈なのだが。
因みに、獲得した【Soul Break】skillの検証は暫く後回しだ。
・Name: Eleonora
・Rank: 8
・Race: Vampire Baron (Noble-born Vampire Baron)
・Level: 47
・Job: Demon Eye User
・Job Level: 70
・Job History: Slave、Servant、Apprentice Mage、Apprentice Warrior、Mage
・Age: 6age(Vampire化当時のage 20age)
・Passive skills
Self-enhancement: Subordination:3Lv
Mysterious Strength:5Lv
Rapid Regeneration:2Lv
Abnormal Condition Resistance:5Lv
Intuition:3Lv
Mental Corruption:3Lv
Automatic Mana Recovery:3Lv
Detect Presence:3Lv
・Active skills
Mining:1Lv
Time-Attribute Magic:5Lv
Life-Attribute Magic:5Lv
No-Attribute Magic:2Lv
Mana Control:3Lv
Sword Technique:1Lv
Unarmed Fighting Technique1Lv
Silent Steps:3Lv
Steal:1Lv
Housework:2Lv
・Unique skill
Charming Magic Eyes:7Lv