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Chapter 356: 続く激戦 Demon KingminionsVSDemon Kingの仲間

 Guduranisが【Shaman】のMoriya KousukeGhostに、Vandalieuの【Divine Spirit Magic】や【Spirit Magic】と同じ要領でManaを渡し、Cheat AbilityActivateさせたことで出現したArtificial Spiritは六体。


 炎と死のArtificial Spirit、翼と長いtailを持つ悪魔の姿の『Malacoda』。

 水と死のArtificial Spirit、魚のlower bodyを持つ美女の姿の『Vepar』。

 大地と死のArtificial Spirit、頭部も四肢も無く、ただただcountlessの目を持つGiantな『Tai Sui』。

 風と死のArtificial Spirit、背に翼を生やした豹の姿の『Pazuzu』。

 光と死のArtificial Spirit、白い翼を生やし慈母の如き頬笑みを浮かべたGoddessのような姿の『Gnosis』。

 そして死のArtificial Spirit、黒い衣を纏った白い人shadowにしか見えない『Guduranis Shadow』。


 そのどれもがRank13を超える力を持っている事が窺えた。少なくとも、Luvezfolconditionが万全だったとしても以前の彼では相手にならないだろう。

『行け! 奴らを殺すのだ!』

 しかもArtificial Spirit達にはGuduranisDeath-Attribute Magicが付与されている。かなりの強敵になるだろう。


「【Heroic God Advent】! 迎え撃つぞ、皆!」

 普段からpendantに宿っているBellwoodを体に降ろしたHeinzが、仲間を引き連れてまず突っ込む。Rokudou Hijiriが健在だったときは、そろそろ引き時だと撤退しようとしていた彼等だが、Guduranisrevived事とEdgarが殺されたことで引き続き戦う事を決意していた。


 Rokudou Hijiriならともかく、revivalしてStatusまで手に入れたDemon King Guduranisを野放しにするわけにはいかない。それに、仲間であるEdgarの魂が今も囚われていると聞かされて黙っているわけにはいかないからだ。

『奴らめ、まるで我々の先頭に立っているような物言いを!』

『落ち着いて、Isla -san。私達は、あの人達と戦っている敵以外と戦えばいいだけよ。Vandalieuは――』


 DarciaはとりあえずHeinz達を放置して、Artificial Spiritを自分達が引き離して倒し、その間VandalieuGuduranisの相手を頼もうと考えた。GuduranisEdgarskillを使えるという事は、【Coordination】 skillも持っている可能性が高い。だから、他者とCoordinationできる状況を作るべきではないと考えたのだ。


 しかしVandalieuは――

「【Muscle Whip Attack】」

『【Super Instant Response】っ!』

 既にGuduranisphysical battleを繰り広げていた。【Demon Kingtentacle】を【Muscle Technique】で膨張させ、【Whip Technique】で振り回すVandalieuに、それを【Armor Technique】のMartial Artsで動きをAccelerationさせて捌くGuduranis


「偉大なるVandalieuより、Guduranisの相手は自分がするので、Artificial Spiritをよろしくと伝言を預かっております」

『さすがVandalieuね。ありがとう、Gufadgarn -san。さぁっ、私達も早くVandalieuの元に駆けつけられるよう、頑張るわよ!』


 Darciaの掛け声に、Legionに包み込まれているLuvezfol以外の全員が雄々しく応え、Artificial Spirit達を迎え撃った。




 その頃も地上では、出現paceはだいぶ落ちたが門から現れるmonstersadventurerKnight達の戦いは続いている。だが、彼らは当然上空で行われている戦いも見ていた。


「ま、まさかGuduranisrevivalするだなんて……!」

「も、もう駄目だっ! 俺達は死ぬんだ!」

 Guduranisが行ったrevivalの宣言と、発せられた禍々しいManaOrbaumの街中に響いていた。そのためDemon King revivalに驚き、despairを覚えるKnight達の一部が、戦意をLostしてしまった。

 おそらく、Guduranis人々がそうして戦意をLostする事を狙って自身のrevivalを大々的に宣言したのだろう。


「ぬおおおっ! 辛抱堪らん! おいっ、さっさと儂らも戦いに行うぜ!」

「待てっ! そこに膝を突いている奴らがいるぞ、負傷して動けないのかもしれん! 奴らを避難させるのが先だ!」

 しかしGuduranisrevivalに対してdespairするどころか戦意を高ぶらせる者達がいた。瞳を輝かせるGodwinBorkus、自分もそうしたいけどrescue活動を優先するVigaro達だ。


『ちぃっ! そこのてめぇら! 負傷者だな!? 大人しくしやがれぇ!』

「ひぃっ!? まだ戦えますからご勘弁をぉっ!?」

 戦意を高ぶらせたままKnight達をrescueするべく駆け寄ってくるBorkusに、彼らは震え上がって再び剣を構えてmonstersとの戦いに復帰した。


「くっ、HeinzEdgarの仇は頼んだぞ!」

 そしてHeinz達の友人であるadventurer partyは、遠目にEdgarGuduranisだったらしい黒い人shadowに殺されるのを見た。

 彼らは魂が見える訳でもなく、revivalの宣言以外の声は距離があるので聞こえていない。Wyvernが龍になったり、LegionGrowしたり、はっきり分かったのはそれだけだ。


 だから彼らが分かったのは、Edgarが殺された直後にGuduranisが「revived」と宣言した事だけだ。その後、Vandalieuが放ったmagicか何かでEdgarの首から上が吹き飛んだ経緯も、accurateには分かっていない。maybeVandalieuGuduranisを狙ったが、GuduranisEdgarの亡骸を盾にしてその攻撃を防いだのだろうとconjectureしている。


 そのため、友人であるEdgarの死を悼み怒りに燃えながらも、monsters達がSelen人々が避難しているDungeonに間違っても入らないようにmonstersと戦い続けている。

 彼らはもちろん、Guduranisrevivalの元凶がRodcorteである事を知らない。それどころか、Rodcorteの名も知らない。


「どういう事情か分からないが、Guduranisrevivedんだろう!? maybeRodcorteのせいだ!」

 そのRodcorteの名を大声で口にしたAsagiは、自分を制止する者に熱弁を振るいながらmonstersに連続で短剣をthrust立てる。


Rokudouも俺が知っているRokudouじゃなくなっていたが、あいつは計算高い! だから、やらかしたのなら奴と組んでいたRodcorteのせいに違いない!」

『ギッ!? ガァァァ!?』

 GiantなスカルDragon……ではなく、boneが鉱物へ変化したDragonの化石Golemspineを叩き割り、トドメを刺したAsagiは、空を指さして訴えた。


「だからっ! GuduranisにどうにかされたRokudouに、俺達が引導を渡してやらなきゃならないんだ! それが、仲間だった俺達が奴にやってやれる最後の事だから!」

 しかし、訴えらえたAsagiを制止している者達の目には疲れが浮かび、口元には苦笑いが刻まれていた。


「へいへい、ご高説は分かったんですがね、できれば遠慮しちゃもらえませんかね?」

「うん、俺達も暇じゃないからさ~。師Artisan達の手間も増えるしぃ~」

「「「ウォウンッ、ウォウンッ」」」

 SimonNatania、そして戦いの合間にRank upしてOrthrosからCerberusになったFangだ。


 彼らはArthur達『[Heart Warriors]』から離れてRandolphがいたHero Preparatory Schoolまでの間にいたmonstersを倒して回り、その後は人々が避難するために通る道を駆け回って巡回し、monstersを次々に倒して安全を確保していた。

 SimonFangに乗り、Nataniaは四肢の義肢を変化させて四脚獣のように疾駆して。


 そして、偶然遭遇したAsagiを見張りながらmonstersと戦い続けている。先ほどDemon King Familiarから過激な事を囁かれたが、さすがにそこまでする気はなかった。

「……一本ぐらいもぎ取ってやろうか」

 Nataniaの苛立ちが、やや高まっているが。


「抑えてくれ、Natania。この兄-san以外の二人は、まだ話が分かる。一対五から三対三にする事はないだろ?」

 Simonの言う通り、Asagiを制止しているのは彼等だけではなかった。Asagiの仲間である【Clairvoyance】のTatsuyaTendouと、【Ifritah】のShouko Akagiも彼がGuduranisとの戦いに参加するのは反対していた。


「気持ちは分かるが、かつての仲間だったら、もうKanakoがいるから良いだろ? それにお前の持論だとVandalieuだって仲間なんだから、十分だろう」

「それに、あたし達が行っても足手まといどころか、邪魔になりかねない」


「俺はあの女を仲間とは認めない! あいつがVandalieuに取り入ったからって……うっ!」

 Kanakoに『Origin』で裏切られた事を恨んでいるAsagiは、彼女のnameを出されて激高しかけた。しかし、近くの『門』の向こうからbloodthirstが向けられ、慌てて口をつぐんだ。


 門の向こうにはVandalieuDemon King Familiarmonsters相手に戦い続けており……普段なら大目に見られる程度の陰口でも、bloodthirstだっている今では癇に障ったようだ。

 それに、「師Artisanの手を汚させるぐらいなら、やっぱり今の内にやっちまうか?」とNataniaを宥めていたSimonまで物騒な事を考え始めた事をInstinct的に察して、主張を変化させる。


「たしかに俺達の今の実力じゃあ、あの戦いに加わるのは難しい。それは分かってる」

 Asagiはそう言いながら、上空に視線を向ける。そこではVandalieuGuduranisphysical battleを行っている周りで、Darcia達とArtificial Spirit達の戦いが繰り広げられていた。


 その速さは凄まじく、飛び交うmagicに込められたManaは強大で、振るわれる刃や棍やtailtentacleに込められた破壊力は絶大だ。

 あの戦いがもし地上で行われていたら、攻防の余波で瓦礫すら残さず吹き飛ばされていたに違いない。Orbaumの街はDungeonの入り口だけが立ち並ぶ荒野となっていただろう。


 あの戦いに介入できるのは、AClass adventurerの中でも一握りのtop classの実力者だけだろう。RokudouKanakoと同じReincarnatorAsagiだが、彼にはそこまでの実力はない。

 それは彼が【Demon King Fragment】をsealedするための研究に協力する事に専念していたから、そして彼らがいたBirgit DuchyにBClass以下のDungeonしかなかったからだ。


 たった数年でBClass adventurer以上の実力を身につけたAsagi達は、他のadventurerに比べれば圧倒的な成長速度だと賞賛に値する。しかし、上空で行われるMythの時代の再現のような戦闘に加われば、一分と持たずRodcorteDivine Realmに魂だけで逆戻りする事になるだろう。


「だが、俺の【Mage Masher】ならGuduranismagicを封じる事ができるはずだ!」

「それはそうだが、同時Vandalieumagicも封じる事になるだろ。しかも、今は背後から離れているようだが、『Evil God of LabyrinthsGufadgarnSpace-Attribute Magicも封じてしまうじゃないか」

しかもGuduranisが出したAnimaっぽいmonstersにはあまり効かないはず。Asagi、あんたの【Mage Masher】が封じられるのはmagicだけで、生来のAbilityは封じられないのを忘れたの?」


 Asagiは自身のCheat Abilityの有用性を主張するが、TendouShoukoに否定されて撃沈した。

 Vandalieu達はそもそもAsagiを仲間だと考えておらず、彼の【Mage Masher】を組み込んだ戦術を考えていない。


 そしてAsagiの【Mage Masher】が封じられるのは、attribute magicだけだ。そのため、DragonBreathArtificial Spiritの体の炎や水等には無力だった。

 そんなAsagiが戦場に乱入すれば、ただただ混乱をまき散らしてGuduranisを援護する結果になりかねない。……その場合は、Vandalieuの仲間の誰かによって迅速に始末されるだろう。


「じゃ、じゃあ【Demon King Fragment】をInfestした宿主から強制的に分離させてsealedする実験途中のmagic itemなら……!」

「それこそダメだろ!? revived Guduranisに効くか分からないんだぞ!? むしろ、Vandalieuにだけ効いたらどうする!?」

「絶対に出さないで! そもそも今手元にないけど!」


 【Demon King Fragment】はバラバラにされたGuduranisBodyだ。そのため、Guduranisの元に戻った【fragment】はfragmentではなく、Demon King自身のBodyである。そのため、「Infestした宿主から強制的に分離させる」というAsagi達が研究しているitemの効果が、有効とは限らない。


 それだけGuduranisrevivalは、irregularな事態なのだ。


「そういう訳なんで、monsters退治の方に専念してもらえますかね?」

「……分かった」

 仲間二人の粘り強い説得を受けたAsagiは、それでも渋々といった-sama子だったがSimonの言葉に頷いた。


 そのAsagiの大きな声は、建物が所々Decayした街に響き、Rodcorteの名と彼がGuduranis revivalの元凶であるという主張がOrbaumadventurer達に伝わった。

 Guduranisrevivedという未曽有の危機に対して、混乱とhorror、そして「何故!?」という疑問を抱いていた彼らにとって、その答えをくれる情報は真偽不明だったとしても素早く浸透した。


 これがOrbaum Elective Kingdomでも広く信仰されている『God of Law and LifeAldaや、国のHeroであるSClass adventurer partyFive-colored blades』のせいだという噂だったら、聞く耳を持たなかった者も多かっただろう。

 しかしRodcorteという聞いたこともない名の神が原因だというのなら反発は少なかった。逆に聞いた事もない、実在しているかも怪しい神が原因でDemon Kingrevivedなんて噂は信じられないという者も多かったが……。


「なんだと!? Demon King revivalRodcorteのせいだと!?」

 だが、OrbaumにはVandalieu達以外にもRodcorteの名を知っている者達がいた。

「何!? Rodcorteという神について知っているのか、Hendricksen!?」

 それはAlda派のGodsが育てているHero CandidateであるHendricksen達だ。彼等は、originally信仰している神からOracleRodcorteに祈りを捧げるよう指示されている。


 それは、Hero Candidate達にRodcorte’s Divine Protectionを獲得させて彼らの成長をより促進させる事が狙いだったが……まさかここで裏目に出るとはGodsでも予想できなかった。

「知っている……Oracleで信仰するようにと促された神の名だ。最初は不審に思ったが、私と同じようにGods 's Divine Protectionを得た友人が同じ指示をOracleで受けていて……」


「俺も知っているぞ! それだけじゃない、blessingsも受けている! 今もStatusblessingsがある……そのRodcorteという神がDemon King revivalの原因とはいったい……?」

 Hendricksen以外のHero Candidate達も困惑しながらRodcorteについて口にした。Oracleだけなら、Oracleの内容を間違えたと解釈することもできる。しかしStatusに【Rodcorte’s Divine Protection】と表示されているのなら、Rodcorteという神の存在は確かだと誰もが確信する。

 存在しない神's Divine Protectionが、Statusに表示されるはずがないからだ。


BAKANA、我らの神が信仰を促す神がDemon King revivalの原因だと!?」

「何かの間違いじゃないのか!? おい、guild CardでそのRodcorteって神's Divine Protectionが本当にあるのか見せてみろ!」

「や、止めろっ! 俺は、俺は何も知らない! 本当だ!」

blessingsを得ていて何も知らないだと!? そんな事、信じられるかよ!」


 本来ならadventurer達は、そこまでGodsへの信仰に熱心ではない事が多い。しかしHendricksen達の周りにはHero Candidate達が集まっていたため神への不信は困惑と混乱を生み、それはたやすく怒りや苛立ちへと変わった。

 人々の避難が終わり、monstersの出現頻度が落ちた事で、議論する余裕ができた事も混乱を助長している。


「くっ、神よ! Elkよっ! いったいこれはどういうことなのですか!? 答えてくれっ!」

「そんな事をしている場合ですか!?」

 混乱と不信のあまり叫んだHendricksenの声を掻き消して、Miriamの甲高い叱責が響き渡った。


「そ、そんな事って……Demon Kingrevivedんだぞ!?」

 彼女の叱責に反射的に叫び返した者もいたが、Miriamは動揺せずに叱責を続けた。

「そう、Demon Kingrevivalしてしまったんですよ!? worldの危機ですよ!? そんな時に揉めている場合ですか? 違うでしょう!?

 今も、そのDemon Kingと戦っている人たちがいるんですよ!」


 そう言ってMiriamが指さした方向を、Hendricksen達ははっとして見上げた。そこでは、Giantな龍やboneの巨龍人(?)やchunk of meat等だいぶ人外Devil Nests-sama子だが、Demon Kingとその配下と戦っている者達がいる。


Kami-samaに疑念を持つのは、悪い事ではないと思います。私も、これまで何度もKami-samaに問いかけてきました」

 Hendricksen達がpanicに陥りそうだったので、monsters退治をArthur達に任せて自分は彼らを落ち着かせるために声を張り上げたMiriamは、実体験を話し出した。


 Arthur達に出会い、彼らと行動を共にしてVandalieuの仲間になり、一気にblessingsを獲得した事。意外と何も考えてなかったり、成り行き任せだったりと、信じられないVandalieuの行動。その背後から離れたがらないGufadgarn


 可愛らしい歌とdanceを聖歌であるというKanakoの主張を、認めるVida’s IncarnationDarcia。親しみが持てすぎる言動のFidirgに、実は自分を龍だと思い込んでいるだけのWyvernじゃないだろうかと、ちょっと思っていたLuvezfol


 Miriamが知る神の言動は、「それでいいの?」という疑問に満ちている。


「その疑問の答えがどうであったとしても、Godsが間違いを犯したとしても……だからこそ自分が正しいと考える行動をするべきです! 違いますか!?」

 今もTransformation Equipmentを纏って、Vandalieu達のtactics通りに動いている。しかし、自分の頭で考えて正しいと思ったからそうしているのだと、Miriamは熱弁を振るった。


 そのMiriamを、Hendricksen達は「Godsを信仰しても妄信はせず、Selfの考えを持ち続ける芯の通った人格の持ち主」だと解釈し、立ち上がった。

-kunの言う通りだ。今は討論会をしている場合ではない」

「恥ずかしいな、後輩にケツを叩かれて正気に戻るなんて」

 Hendricksen達の顔からは迷いが消え、Hero Candidateと呼ばれるのに相応しい意志の輝きが瞳に戻った。


Rodcorteが何者なのか、Godsに何が起こったのか、それを尋ねるのは次にtempleに行ったときまでお預けだな」

「さあ、行くぞ! monstersDemon Kingの援護に向かわないよう、俺達で退治するんだ!」

 こうしてHendricksen達のGodsに対する疑念は棚上げされたが、Rodcorteの名は彼らの中に強く刻まれたのだった。




 Edgarの欠けた『Five-colored blades』が炎と死のArtificial Spirit Malacodaと激闘を繰り広げている横で、大地と死のArtificial SpiritTai Sui』は、あっさりとDarciaLegion、そしてIslaによって消滅させられていた。

 他に攻撃Abilityを持たない代わりに、countlessの眼全てがMagic Eyeでそれぞれ別のStatus Effectを対象に与えるAbilityTai Suiは持っていた。しかしAbnormal Condition Resistanceskillを持ち、しかも毒やdiseaseが意味をなさないUndeadであるIsla。そして同じく【Abnormal Condition Resistanceskillを持ち、しかも Life-Attribute MagicSuperior Skillを持つDarciaTai SuiAbilityは相性が悪すぎた。


『ははははっ! 石化など無意味だあああああ!』

『あはははははっ! 毒やdiseaseや石化を受けても、その部分を剥がして治せばいいだけだしねぇ!』

『なんだか知らないけど笑いが止まらないなぁ!』

 そして、LegionStatus Effectを受けた部分の肉を自らえぐり取ってはHigh-Speedで再生させるのを繰り返すという手段で、Status Effectを克服していた。……視覚に捉えた者を狂乱させるMagic Eyeの効果は受けていたが、originally半ば狂っているのであまり意味はなかった。


『後四体ね! 行くわよ、皆!』

『はっ! 参りましょう!』

 他のArtificial Spiritを倒しに向かうDarciaIslaの頭には、『Five-colored blades』と戦うMalacodaはカウントされていなかった。


 一方、Randolphは風と死のArtificial SpiritPazuzu相手に苦戦していた。

『ギィイイイイイイイイ!』

「引退した身には、きつい相手だ。Meorilithに来てもらうべきだったな」


 Pazuzuは縦横無尽に飛び回り、大気を汚染しながらVacuum刃や衝撃波を放ちRandolphBlind Spotから攻撃を繰り返している。

 RandolphもSClass adventurerにまで至った超人なので、【Abnormal Condition Resistanceskillは持っているし、毒やdiseaseを防ぐmagic itemだって装備している。だが、それでもPazuzuが放つ毒やDiseaseはじわじわと彼を蝕んでいる。


resistance skillよりも、奴の毒やDiseaseの方が強いのか。自前のmagicで治せるが……どうしても隙ができる! とはいえ、別にこいつを倒す必要はない。VandalieuGuduranisを倒すか、奴の仲間が他のArtificial Spiritを倒して、援護に来るまで持ちこたえればいい)

 RandolphPazuzuと戦いながら、戦場の状況を素早く確認した。


 Tai Suiを倒したDarcia達には、Guduranis Shadowが突っ込んで行った。先ほどまで離れた場所にいたKanakoVepar相手に苦戦していたが、KnochenPeteが援軍に向かっている。Pauvina達は、Gnosisと一進一退の攻防を繰り返している最中だが、新たな【Teleportation Gate】が開くと援軍が二人……もしくは二体現れた。appearanceはかなり独特だが、仲間のようだ。


 そしてVandalieuGuduranisは、うかつに近づくとRandolphでも攻撃に巻き込まれて死にそうな激戦を繰り広げている。


 『Five-colored blades』も戦っているが、彼らはMalacodaを倒してもGuduranisに突っ込んで行くだろうから、最初から期待できない。

(誰も俺を援護しようとはしてないな。SClass adventurerとして期待されているとしても……俺はEvil God (M)や龍を討伐しているSchneiderじゃないんだがな)


 Randolphの感覚では、Artificial Spiritは下手な龍や邪悪な神よりも強い。

 この強さの理由は、Moriyaの【Shaman】のAbilityGuduranisManaimpactだけではない。おそらく、Artificial Spiritを作る時にmonstersCreationするのと同じ工程を踏んだのだろう。そのimpactで、Demon KingCircle of Reincarnation systemから魂が宿り、Statusを得たのだろう。そして、獲得したskillの補正を受けている。


 Randolphadventurerを引退してから、自分と互以上の実力者と戦っていないのも苦戦している要因の一つではあるが。

 そんなRandolphの前に小さな【Teleportation Gate】が開くと、そこから細身の剣が飛び出てきた。

「なんだ!?」

 切っ先ではなく柄の方から向かってきたので反射的に掴み取ると、何処からともなく声が響いてきた。


「偉大なるVandalieuからの援護だ」

「この声は、Gufadgarnか。……この際だ。ありがたく使わせてもらう」

 明らかに金属ではなく何かのboneでできた刀身に、妙に手に馴染む柄のMagic Swordを渡されたことで、RandolphPazuzuとの戦いで持ち直す事ができた。

 


「【Bomming Club Attack】! Luvez!」

『はっ!』

 一方、PauvinaGnosis相手に苦戦していた。Painが飛び、光と死のArtificial Spirit GnosisPauvinaが棍棒を振るい、Luvezfolが【Raging StreamBreath】を放つ。


『フフフフフフ』

 しかしGnosisは命中したはずの攻撃をすり抜け、光線を放つ。


『『『アアアアアアアア!!』』』

『ぐるる!』

 【Teleportation Gate】から現れた援軍、ヒドラの首に美女の上半身を移植したYamataの音波砲でGnosisを退け、複数の死体を継ぎ合わせて作られたZombieRapiéçageの拳やtailが光線を弾く。


『フフフフフフ』

『薄気味悪い笑い声を……気に食わん!』

 苛立つLuvezfolだが、今の彼は【Raging StreamBreath】をPauvinaの指示通りに吐く移動砲台と化していた。


 それも仕方のない事だ。originally彼は素早く動けるTypeではないし、midair戦は不得意だった。空よりもunderwaterで真価を発揮するTypeなのだ。

「でも、Luvezって意外と素早いよね!」

『さっきも……光線から逃げきった』

『『『逃げた~』』』


『逃げたのではな……ありません! 回避したのです!』

 本来の姿に戻った事でやや気が大きくなっているLuvezfolだったが、senpaiであるRapiéçageYamataに大きな態度を取れる程ではなかった。


 だが、言い返したところでふと気がついた。たしかに、自分は素早くなっていると。

(どういう事だ? sealedされていた時よりも体が軽いぞ? 傷を負っているというのに……まさか、sealedされている間のStatusが今も有効で、【High-Speed Flightskillが発揮されているのか?

 だとすると……まさか【Familiar Spirit Demonic Adventskillも?)


 そう思った瞬間、大地から黒い光の柱が立ち上がり、Luvezfolの巨体を飲み込んだ。

『呼びました?』

 そして、脳裏に響くVandalieuの声。


『呼んどらん!! いますぐ戻ってくれ! 我は龍だぞ!?』

 【Familiar Spirit Demonic AdventskillActivateしてしまった事に驚きと僅かな喜びと、それを覆う悔しさを覚えて思わず叫ぶLuvezfol


『まあまあ、そう言わず。Fidirgだって降魔できますし、気にしないでください』

 しかしVandalieuは何故Luvezfolが嫌がるのか知ってはいても共感はできないので解除してくれない。


『貴-samaっ! Bodyに降ろして力が上がるという事は、Demi-Godである我は神としても貴-samaより格下であるという証明になるのだぞ!?』

 つまりprideの問題でしかない。しかし、龍も神もRoyal Nobilityも犯罪organizationも共通して拘るのが面子と体裁である。おろそかにしてはいけない。


Luvezfol……俺はHumanです』

『そこではないっ! いっそ『Great Demon King』だと誇れっ! それならまだ我のメンツが傷つかなくて済むものを!』

『それより、戦いで活躍して面子を立てる方向で考えませんか?』

『……チッ! それももっともだ!』


 【Familiar Spirit Demonic Advent】でAbility ValuesincreaseしたLuvezfolは、今までGnosisに攻撃が効かなかった理由をすぐに見抜いた。今の彼は、sealedされる前の彼自身よりも数段以上強くなっていた。

Luvezっ!?」

 驚くPauvinaPainの前に出ると、Gnosisの前で長い尾をSingle Flashする。


『貴-samamain bodyはそこだ!』

 Gnosisではなく、自身の背後に向かって。

『ぐべぇああああああああ!?』

 何もないはずだった場所から叫び声が迸り、不気味な顔面が張り付いた球体がLuvezfolの尾によって弾き飛ばされた。同時に、白い翼を生やしたGoddessのような姿は幻のように掻き消える。


 Luvezfolの尾に弾き飛ばされたのが、光と死のArtificial Spirit Gnosismain bodyだ。Gnosisは光を屈折させて作った虚像を安全地帯から操作していたのである。


「お手柄だよ、Luvez!」

 PauvinaLuvezを褒めながら、弾き飛ばされひしゃげたGnosismain bodyに向かう。Gnosisは直径五meterほどの巨体だったが、彼女達にはその程度の大きさは問題にならない。


「【Bursting Heavy Club Attack】!」

Tornadopunch!』

 Gnosismain bodyの右側からPauvinaの棍棒の一撃が、左側からRapiéçageHigh-Speed回転する拳がめり込む。Gnosisはそれに耐えきる事はできず、砕け散って光の粒子となって消えていった。



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