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Chapter 357: 旧Demon KingSelf-Proclaimed Humanとその仲間達の激突

 赤黒い炎の体を持つMalacodaに、『Five-colored blades』のHeinz達は苦戦していた。

『グオオオ! ガアアアアア! ゲハハハハァ!』

 炎のclawstailによる攻撃は激しく、HeinzHoly SwordDelizahの盾でなければ防ぐことができない。


 さらに、Malacodaは近づく者の体から水分を奪い、脱水症状を引き起こさせるAbilityを持っていた。炎と死のArtificial Spiritは、『乾き』という死をも司っていたのだ。

「【Evil Breaking Single Flash】!」

 だが、対death attribute付与magicである【Radiant Life】を付与したHeinzHoly Swordによる一撃は、Malacodaが防御のために掲げた腕ごと真っ二つに切り裂いた。


『ギィーッハハハハハハ!』

 しかしMalacodaはすぐに再生し、revivalしてしまった。Bellwoodから受け継いだDemon King SlayerHoly Swordであっても、このArtificial Spiritを殺す事は簡単ではないらしい。


「まるで、legendFire-AttributeAnimaだな」

Phoenixでもここまでじゃないでしょう。でも、あのLegion並みだとは思うけど」

 Malacodaは、Heinz達が思わずlegendに記されている不死鳥Phoenixを思い浮かべるほどの不死性を持っていた。


 体を二つにBisectionされても数秒で元通り再生できる事から、彼らが『Aldaの試練の迷宮』で戦ったLegionCopyも連想させられる。

「いや、『Counter』がない分まだマシだ」

「なら、whole bodyを一気に粉々にしてやるだけだ!」


 Heinzと同じく【Radiant Life】を付与されたJenniferMalacodaに拳を連続して放つ。熱を防ぐmagic itemをつけていても肌がヒリヒリとする。

『グハハハハハハ!』

 しかしMalacodaもやられてばかりではない。Jenniferの拳を避け、蹴りでCounterを狙い、口から炎を吐いて距離を取ろうとする。


 いつもの彼等なら、ここでJenniferだけでなくEdgarも加わり、攪乱してMalacodaの動きを封じてその隙にHeinzが大技を決める。だが、Edgarはもういない。

 それでもHeinzが降ろしたBellwoodの力を一気に引き出し、強引に仕掛ければMalacodaを消滅させられるかもしれない。だが、その代償に彼は大きく消耗して残り数分しか【Heroic God Advent】を維持できなくなるだろう。


(それではGuduranisと戦う事はできないし、奴が再びArtificial Spiritを創りだしたら何の意味もない。それにVandalieu達に囲まれた状況で【Heroic God Advent】が解けるのは避けたい)

 共闘を期待したがそれを拒否され、Rokudouと一緒に攻撃された今のHeinzVandalieuをも警戒していた。Rokudouごと攻撃されている彼らが、Vandalieu達に対して警戒するのは無理もない事だが……やはりお互いに信頼も信用もしていないのが、ここでも足を引っ張っていた。


 JenniferHeinzは苛立ちを抑えながら、Attack Powerと不死性に特化したMalacodaを倒すべくDelizahDaianaの援護を受けながら慎重に戦い続けた。




 そんなHeinz達の-sama子をGuduranisと戦いながら見たVandalieuは、x2の意味でラッキーだと思った。

 Heinz達がArtificial Spiritの中でも厄介そうな個体を引き付け、そしてそのまま戦い続けている。おかげでDarcia達は他のArtificial Spirit相手に互以上の戦いを展開している。

 しかもGuduranisとの戦いにHeinz達が干渉するまで時間を稼いでくれている。


 Heinz達よりGuduranisを倒す事を優先すると決めたVandalieuだが、カッとなってつい……という事は誰にだってあり得る。

 敵同士で一緒に戦うなんて、しなくていいならしない方がいいのだ。


『群れなければ何もできないHumanの紛い者が、たった一人で我に勝てるつもりかぁ!? 【Shining Blow】!』

「【Flowing Willow】、誰が紛い者ですか、俺は立派なHumanです。【Rotating Tongue Dagger】」

『この期に及んでも戯けるか! Humanでいる事に拘るなら、何故我がBodyの【fragment】を集める!? 【Death Flame Prison】!』

「【Demon Fire】、俺がお前の【fragment】をAbsorptionした方が安全で、しかも便利だからです」


 そう考えている間も、VandalieuGuduranisの戦いは続いている。

 Edgarskillを使ってMartial Artsを放ち、【Demon King's Blubber】の代わりに【Demon KingSebaceous glands】から分泌した皮脂を使用してVandalieumagicを模倣し、RokudouCheat Abilityを活かして学習を行いより強くなっていくGuduranis。それを捌きながら、攻撃を繰り返すVandalieu


「それにしても俺の攻撃をよく防御、もしくは回避しますね」

 接近戦を始めてから、VandalieuGuduranisに攻撃を直撃させる事ができずにいた。

『ククク、貴-samaの母親の仇のStatusが役立っているからな! このように!』

 そう笑いながら、GuduranisVandalieuが、GufadgarnCoordinationして放った【Teleportation Gate】を応用した不意打ちを避けてみせた。


『どうした、このまま攻撃を当てる事ができなければ貴-samaがどれほどManaを持っていようと――』

「それだけ、俺の攻撃が怖いようですね」

 得意げな-sama子のGuduranisだったが、Vandalieuがそう言った瞬間顔から表情が消えた。


「【Danger Sense: Death】の効果でしょう? Edgarskillが使えるにしても、反応が速すぎます」

 Guduranisは本来、素早さと技巧を重視した戦い方ができなかった。何故なら、必要がなかったからだ。どんなDefense Equipmentよりも強靭で、毒やdiseaseを受け付けず、Regenerative Power旺盛なBodyを持つ彼にとって小手先の技は何の意味もなかったからだ。


 それが可能になったのは本人が語った通りEdgarStatusを手に入れたから……そのEdgarの魂をAbsorptionして彼のskillを利用できるようになったからだ。しかし、それでもGuduranisの防御と回避は優れ過ぎていた。


 それはGuduranisの反射nerveEdgarより優れているからでも、RokudouCheat Abilityによる学習の結果短期間で成長したからでもなかった。Vandalieuの攻撃から感じる死のsignを、【Danger Sense: Death】によっていち早く察知して回避し、防御していたのだ。


 それは、言われたところで普通なら「だからどうした?」と返されるような指摘だった。ばれたところで、何が不利になるという訳ではないのだから。

『貴-sama……この我がっ! 貴-samaのつまらぬ攻撃に死のsignを覚え、怯えていると言いたいのか!?』

 だが、Demon King Guduranisにとっては認めがたい屈辱だった。特に、魂の足りない部分をRokudou Hijiriの魂で補っている今のconditionの彼は、Rokudouimpactを受けている。


『死ねェエエエエ!』

「図星を突かれると怒るのは、Demon Kingでも同じですね。【Soul Breaking Arts】」

 激昂したGuduranisが体中から腕を生やして殴りかかってくるが、Vandalieuは魂をMaterializationさせてBodyに纏う【Soul Breaking Arts】をActivateして迎え撃った。


『【Screw Blow】! 【Extreme Thousand Fists】! フゴオオオオオ!』

『【Extreme Instant Response】、【Extreme Thousand Whips】、【Disinfect】』

 互いの技がぶつかり合い、Guduranisのどす黒いbloodが、そしてVandalieuの赤黒いbloodが飛び散る。High-Speedで回転するknifehandthrustに、激しい拳のBarrage、胸部の【Demon King's Nose】からのDeadly Poison空気砲を放つGuduranis


 Vandalieuは【Extreme Instant Response】で反応速度をEnhanced (1)。関節を外して伸ばした腕で放ったGhoulの【Unarmed Fighting Technique】のMartial Artsを放ち、Deadly Poison空気砲の毒を消す。

 結果、【Soul Breaking Arts】の上からでもややDamageを受けたが、Guduranisにいくつか攻撃を直撃させることができた。


 激昂のあまり、生存Instinctよりも闘争Instinctの方に強くimpactを受けて【Danger Sense: Death】に対する反応が遅れているのだろう。

(計算通り、というほどではありませんが、怖いぐらい思い通りに激高しましたね)


『それと、お前の【fragment】をAbsorptionする事と俺がHumanでない事の因果関係が分かりません』

 Human離れしている事は認めるが、Humanからちょっと離れているだけでHuman以外の何かになる訳じゃない。【fragment】をAbsorptionしても、それは変わらない。そう暗に主張するVandalieuに、Guduranisは滾らせた怒りをKilling Intentに変えてmagicに込めて放つ。


『我がBodyを愚弄したな! 【Death Declaration Scream】!!』

 死を告げるBansheeの絶叫を参考にしたと思われる、聞くだけでVitalityを奪われるmagicが迸った。

『■■■■■■―ッ!!』

 しかし同時Vandalieuが放った【Screamskillの音波砲が、Guduranisの絶叫を掻き消す。声量でも、【Screamskillを持つ彼にGuduranisは敵わない。


『クハハハハ! 余裕だな! それとも気がついていないのか!?』

 新たに編み出したmagicNullification化されたGuduranisだったが、それで逆に冷静さを取り戻したのか、次に口から出たのは罵倒ではなく嘲笑だった。


『我が繰り出す技を捌き、我が編み出した術をNullification化したところで、我を倒す事は不可能だ! だが、貴-samaは我と戦うために莫大なManaを消費し続けている!』

『その通りです。【World Breaker Hollow Cannon】も、既に何回か唱えているので、『Staff of the Five Sins』を使っていても今まで経験した事がない勢いでManaを消費しています』


 事実なのでそう認めたVandalieuだったが、その事にあまり危機感を覚えていなかった。何故なら、Manaはたしかに消費しているが、同時に【Constant Mana Recoveryskillと【Mana Recovery Rate Increaseskillの効果でこうしている今もManaは回復しているからだ。

 さすがに【World Breaker Hollow Cannon】を連発し続ければいずれ底をつくが、今のように【Martial Arts】主体で戦っていれば問題はない。


Manaを消費して余裕がないのはお前の方でしょう、Guduranis?』

 そして、自分よりGuduranisの方がManaを激しく消費しているからだった。

『何を言う!? この我が! Great Godをも滅ぼしたこのDemon KingManaの底が見えたとでも!?』


『では、何故Artificial Spiritを一度しか出さない? 『Tai Sui』や『Gnosis』がやられて、数が減ったのに』

『フッ! 役立たずと種の割れた手品を何故再び創る必要がある!?』

『なら、代わりに他のArtificial Spiritを創ればいいだけでしょう? 今もHeinz達を抑えているMalacodaとか』

 そう言うと、Guduranisは表情を一転して憎々し気に歪めてVandalieuを睨みつけた。


『我のBodyと魂が完全なconditionならば……!!』

『それまで隠していた【Demon King's Brain】をわざわざ使ってArtificial Spiritを創ったから、妙だとは思っていました。脳は、Manaの制御と運用に無駄をなくすことで、消費量を抑えるために必要だったわけですか』


 Guduranisrevivedが、Bodyも魂も不完全なconditionで、魂はRokudouの魂をAbsorptionして補っているconditionだ。そのため、Manaの保有量も回復力も本来よりもずっと下がっている。

 少なくとも、Rank13以上のArtificial Spiritのような大戦力を再び創る事を躊躇う程度には彼は追い詰められていた。


『それと、成長しているのはお前だけではありません。【Slaughter Blade Cluster】』

 そう言いながらVandalieuは、Guduranisが使っていたmagicActivateさせた。しかし、出現した刃は一つ……それも直径十meter以上のGiantなものだけだった。


『おや、Slightly失敗。でもまあ、別にいいか』

『貴-sama、そんなMana頼みの粗術で我の真似のつもり――うおおおおお!』

 Vandalieuが刃を放つ動作をした瞬間、Giantな刃は爆発四散し、countlessfragmentとなってGuduranisに向かって襲いかかった。


『グオオオオ! 【Absorption Magic Shield】!』

 大量のManaが込められていたとしても所詮は一つの刃、回避に専念すれば問題ないと思っていたGuduraniswhole bodyに砕け散った刃のfragmentが、散弾のようにthrust刺さり肉を抉っていく。堪らずManaAbsorptionする【Absorption Magic Shield】で防御を固めるが、それは悪手だった。


 その時には、Vandalieuは両手で輪を作って自分の口に当てて準備を終えていたのだ。

『【Death Declaration Scream】―!!』

 瞬間、指向性の音波攻撃がGuduranisを貫いた。


『ギヤァアアアアアアアア!?』

 Guduranisが先ほど使った【Death Declaration Scream】と違い音が拡散しないため、彼のBodyの芯からVitalityが奪い取られ、脳髄が直接かき回されるようなbeyond descriptionに尽くしがたい不快感に苦しめられた。


『攻撃を防ぐために動きを止めさせれば、お前がいくら素早くなっても無意味です。そもそも、お前のBodyを活かすならscout職より盾職か他の前衛職の方が良かった。AbsorptionしたのがEdgarだったのは、運が悪かったですね』


『き、貴-sama、何故我のmagicを模倣……いや、より強力に上回った術を使う事ができる!? 貴-samaに、そんなaptitudeはないはずだ!』

『……俺が何年Mageをしていると思っているのですか? たしかにaptitudeは有りませんが、Death-Attribute Magicに関しては、Rokudouより経験を積んでいます』

 実際には経験は三割程度で、残りの七割はいつも通りのManaによるごり押しだが、そこまで説明するつもりはなかった。


『最初の術を【殺刃拷惨弾】、その次のを【冥告絶狂】と名付けましょう。

 それはともかく……GuduranisHumanの技術と創意工夫を手に入れてはしゃいでいるようですが、お前の前にいる俺も強大な存在に対して技術と創意工夫で戦うHumanである事を忘れていませんか?』


『き、貴-samaがそれを言うのか!?』

 何故か愕然とした-sama子で聞き返してくるGuduranisに対して、Vandalieuは偽りの心なく頷いた。寧ろ、何故そんな事を言われるのか、心当たりがない訳ではないが全力で分からない事にする。分からないから、偽りではない。


 このworldに来てから十年以上、文字通り赤子からmagicをやり直し、武術も学んでいるのだからそれぐらいいいだろう。

『そして、一人というのもお前の思い違いです。というか、お前も知っているでしょうに。まさか、皆を数えるとき一人ではなく、一個二個と数えているのですか?

 【Blazing Dead Claws】、【Black Thunder Claws】、【Death Ice Tongue】』


 『Staff of the Five Sins』を背中に生やしたtentacleに持ち替え、左右のclawstonguePrincess LeviaKimberlyOrbiaを付与してGuduranisに格闘戦を仕掛ける。

『くっ、【True Instant Response】! 【Million Slashes】! 【Great Strong Fist】!』

『【-Transcend Limits-】、【Fragment Trascend Limits】、【Divine Iron Split】、【Rotating Tongue Dagger】』

 反射速度を上げたGuduranisは、左右のknifehandHigh-Speed連撃を、背中から生やした腕でPowerを活かした大振りのpunchを振り下ろす。


 Vandalieuはそれに対して、Orichalcumすら傷つける【Demon King Fragment】による上Class Martial Artsを左右のclawsで放ち、無限に伸びるtongueGuduranisの頭部を狙う。

『グオオオオオ!』

 tongueGuduranisの側頭部を削り取ったが、knifehandで切断された。左右のclawsGuduranisが生やした【Demon Kingpaw】ごと【Demon King's Arm】を切断し、胸部の【Demon King's Nose】を大きく抉った。だが新たに生えた拳によって、手首から先を砕かれてしまった。


『ぶぽぼっ!』

 そして滑稽な音と共にGuduranisの胸部の【Demon King's Nose】から黒いbloodが……いや、【Sebaceous glands】から出した皮脂を集めた脂が噴出される。

『【Burning Heat Death Flame Prison】!』

 その瞬間、Vandalieuの視界が炎に包まれた。Guduranisが、【Death Flame Prison】よりも爆発力を高めた術を即興で開発し、脂を爆発させたのだ。


 そして、泣き声のような叫び声が響き渡った。

『『『『『ヒィイヤアアアアアアア!?』』』』』

『【Hell Scythe Prison Hollow Cut】』

 爆炎を内側から断ち切って現れたのは、Giantな黒い鎌を振り上げたVandalieuだった。Fidirgの宿る『Staff of the Five Sins』を柄にした、death attributeManaを収束させて刃を形作った大鎌が、Guduranisに向かって振り下ろされる。


『【Illusion Slip】!』

 対してGuduranisは、Edgarが使える中でも上位の回避用のMartial ArtsActivateし、咄嗟にknifehandで受け流そうとした。

 だが、それは失敗した。


『『グオオオオオオオオオッ!』』

 大鎌を受け流そうとした腕ごと縦にBisectionされ、二つになった左右のGuduranisが絶叫を轟かせる。それを見たRandolphは、Artificial Spiritと戦いながらも思わず「やったか!?」と期待を滲ませる。


『『う、腕よ!!』』

 だが、Guduranisは【Demon King's Arm】を生やしてそれを左右でがっちりと組ませて強引に体をくっつけて見せた。


『チッ! 魂さえ砕ければ、貴-samaの醜い魂を砕いてやったものを!』

『お前にそれが可能だったら、そもそも【Soul Breaking Arts】を使いませんでしたよ。もっとも、お前はoriginally俺程簡単に魂を砕くことはできなかったようですが』


 そして改めて対峙する二人。Guduranisの傷は既に再生されているが、深く消耗していた。Guduranisに対するVandalieuの全ての攻撃には、【Soul Devour】や【God Devourerskillが乗っており、GuduranisManaを確実に削っている。


 同時に、Vandalieuも消耗していた。即興で編み出した【Hell Scythe Prison Hollow Cut】のActivateに、【Soul Breaking Arts】の維持と鎧の修復は彼のManaの回復paceを大きく上回っていたのだ。その証拠に魂の鎧は薄らぎ、霞のように消えていく。

『クフハハハハ! 戦う前は深海よりも底知れぬほどだったが、今の貴-samaManaはまるで湖のようだ。それでも多いが、直に底をつく。これでも余裕があると言い張るか?』


「ええ、俺はお前と違って個じゃありませんから。

 皆、助けてー」

idiotめ、Vida達は我がArtificial Spiritの相手で手いっぱいだ。他に助けに来る者が……ほう、いたか』

 Vandalieuの救援要請に応えて、彼の後ろにspace attributeGhostJane Doeが現れた。その姿を目にしたGuduranisはやや警戒した-sama子で視線を向けるが、脅威を感じなかったらしくすぐにVandalieuへ視線を戻す。


 ……Malacodaと戦っている最中のHeinz達が、countlessMartinaの姿をした霊の集合体であるJaneに気がつき、驚愕のあまり隙を作ってDelizahごとHeinzが吹っ飛ばされるという出来事があったが、Vandalieuにとっては些細な事だ。


『その程度のGhost如きが、貴-samaの援軍か? 舐められたものだな!』

 Bisectionされた体は繋がったのか、GuduranisVandalieuに向かってknifehandを構えて襲い掛かる。Janeを無視してまずVandalieuを攻め続けて殺し、【fragment】を取り戻すつもりだろう。


『【Teleportation Gate】を、【Body World】へ』

 しかしVandalieuにとっての援軍はJaneではなかった。虚空に開いた【Teleportation Gate】から、countlessDemonが飛び出し、Guduranisに向かって飛び掛かった。


『ガアアアアアア!』

『コロセェエエエエエ!』

『ヒハハハハ! ギハハハハハハ!』

 ヤギの頭部をもつLesser Demonから、上位のGreater DemonArk Demon。悪魔のMageであるDemon Mage、カラスの頭部と翼をもつCrow Demon、炎を纏ったFlame Demon、悪魔のGeneralであるDemon GeneralEvil God (M)に匹敵するAncient Ark Demon


 Vandalieuが【Demon RulerJobに就いた事で【Body World】の一つにあふれたcountlessDemon達がGuduranisに襲い掛かる。

Demon!? だが、この程度がどうした!?』

 しかし、いくら数が多くてもRank5や6、そして7のDemon達がGuduranisの敵になるはずがない。Rank12のAncient Ark Demonであっても、彼にとってはちょっと強いだけの雑魚でしかない。


 事実、Guduranisknifehandを振るう度にDemon達は体をBisectionされ、地面に向かって落ちていった。


 そのDemon達の体に、今までに飛び散ったが【Group Manipulationskillmidairに留まっていたVandalieubloodや肉片が吸い付く。


『グオオオオオオオッ! 我々ハ、う゛ぁんだるーヨリCreationサレシ者!』

 その瞬間、Demon達がrevivalする。lower bodyの無い死体からはlower bodyが生え、上半身がない死体からは上半身が生える。五体バラバラの死体は、それぞれから足りない部分が生える。


『なんだと!? BAKANADemonを支配しているのではなく、Demonを――』

 驚愕に目を見開きながらも、再び襲い掛かってくるDemon達にDeadly Poison空気砲を放って吹き飛ばす。しかし、飛び散った肉片から新たなDemonが創られrevival。そして再びGuduranisに向かっていく。


Vandalieuが存在する限り、我らは不滅!』

『我らは死ぬっ! そして生まれる!』

『サア、殺スガイイ! 何度デモ! 貴-samaガう゛ぁんだるーヲ傷ツケタダケ、我ラハReincarnationスル!』

 【Demon Ruler】とは、Demonを支配するだけのJobでも創るだけのJobでもない。自身のBodyManaDemonを創る事ができるようになるJobであり、Demonの支配者であるCreator……発生源である事を表すJobである。


 つまり、DemonだけだがCircle of Reincarnationを自動で行う……systemを創りあげるJobである。

『キサマアアアア! この我が成し遂げ、今もこのworldを蝕み続ける偉業すら模倣したというのか!?』

 monstersCircle of ReincarnationするためのsystemRodcorteCircle of Reincarnation systemから模倣して作りあげたGuduranisが絶叫するが、そのあたりの事を知らないVandalieuは「何のことでしょう?」と首を傾げただけだ。


『オノレェェェ!』

 数を増すDemon達に【Demon King's Arm】を振り回して蹴散らしながら、Vandalieuとの距離を詰めるGuduranis。だが、Vandalieuの援軍はDemon達だけではなかった。


「【剛斧】!」

「【極日照砲】」

 Demon達に遮られてGuduranisは気がつかなかったが、地上からVandalieuの仲間が駆けつけてきていたのだ。


「これがlegendDemon King Guduranisか……whole body鼻だらけだな」

「見た目に惑わされるでないぞ、Basdia

 Transformation EquipmentActivateし、それぞれMartial Artsmagicで自身を攻撃したGhoulの母娘をGuduranisは忌々し気に睨みつけた。


 彼の腕の一本は半ば切断され、また他の腕は焼けただれていたが、すぐに元通りに再生してしまう。

『この程度の傷をつける事しかできない貴-samaら如きで、時間が稼げると思っているのか?』

「時間稼ぎはできる。お前が絶対に死なない、しかし邪魔ができる程度の攻撃を繰り返す事でな!」

 【Familiar Spirit Demonic Advent】によって体に降ろしたVandalieuCloneから指示されたtacticsを口にしながら、Basdiaが斧を構えて、Demon達と共にGuduranisに肉薄する。


『小賢しい真似を!』

 【Danger Sense: Death】によってVandalieuの攻撃の多くを回避し、防御してきたGuduranisだが、彼はHumanではなくDemon Kingだ。だから、Humanにあるはずの急所が存在しない。生命活動に必要な臓器などないし、bloodが全てなくなっても実は問題ない。


 だから、魂を喰らう事ができるVandalieu以外の攻撃では、それこそかつて彼を倒したBellwoodをその身に降ろしそのHoly Swordを振るうHeinzの攻撃だったとしても、死なない。実際、約十万年前破れた時も、Guduranissealedされただけで死んではいないのだ。


 だから、Basdiaの攻撃をGuduranisは【Danger Sense: Death】では察知できない。もちろん、Guduranis自身の反射速度、そしてEdgarの技量があれば大抵の攻撃は捌く事ができる。

「【Grudge Throw】」

『ガアアアアッ! どこまでも小賢しい真似を!』

 だからこそ、VandalieuDemonBasdia達の間を縫って散発的に攻撃を続けている。【Demon King's Horn】や【bone】で作ったknifeや槍を投げ、時折怪光線を放つ。Guduranisは、その攻撃に【Danger Sense: Death】の反応を覚え、注意がBasdia達から逸れてしまう。


「ぬぅ! 後れを取ったか!」

Basdia、我も混ぜろぉぉぉ!」

『うおおおおっ! 【True Dragon God Killer】ィ!』

『ヂュオオオオオ!』

 しかも、援軍はBasdiaZadirisだけではない。Guduranis相手にもある程度戦える実力者であるGodwinVigaroBorkusBone Manが次々に地上から自前のAbilitymagic itemで飛び上がってきた。


 Edgarの技量を上回る、しかし Guduranisに死を与える事はできない攻撃の数々に、Vandalieuとの戦いで消耗しているGuduranisは思うように動けなくなった。

 そして、Vandalieuはその間にManaの回復を促進させるための手段を実行する。


「坊や、なんなら今すぐDarciaと交代してくるか? まあ、ちょっと今手が離せない-sama子じゃが……それともBellmondが来るまで待つという手も……」

Zadirisが嫌なら、そうしましょうか?」

「……ええいっ! つまらん気の迷いじゃ! さっさと吸え!」


 頬を赤らめていたZadirisだったが、覚悟を決めて首筋をVandalieuの前に晒す。

「では、いただきます」

 Vandalieuはその細い首の灰褐色の肌に、fangs……ではなく【proboscis】と化したtongueをすっと刺した。暖かなZadirisbloodが、Vandalieutongueの管から喉にゆっくりと流れ込み……Manaの回復paceが一気にincreaseした。



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