「大丈夫じゃ、怖いmonstersは儂が退治してやるからのぅ。それ、【怪空破】!」
『Mysterious One』としてGuard達と顔見知りになっているBolzofoyがSmiling Faceで杖を振るうと、whole bodyのskinが金属と化しているMinotaurのVariantの周囲のspaceが歪み、そしてmonstersの右肩ごと弾けた。
「グモオオオオオ!? ガアアアアア!」
spaceを歪める事で、元に戻ろうとする力を利用して対象を破壊する高度なmagicだ。しかし、仮にも高RankのmonstersであるMinotaurのVariantは、Right Armと肩を肉片にされても倒れない。残ったLeft ArmでDwarfのMageを叩き潰そうと斧を振り上げる。
「【命樹縛】!」
だが、Kariniaのmagicによって斧の柄から突然芽が生え、みるみる成長してMinotaurのVariantの体に根を伸ばした。
「グモオオオォォォォ………」
そして、根が猛烈な勢いで生気を吸い取っていく。既にBolzofoyのmagicによって重傷を負っていたMinotaurのVariantは耐えきれず、金属のskinとboneだけを残して衰弱死した。
「さあ、今の内じゃ、Smith -san。先へ行きなさい」
「気を付けて……Mark」
「ああ、あんた達も気を付けてくれっ!」
「この人たちをHero Preparatory Schoolに送り届けたら、必ず戻ってくるからな!」
二人に守られた、頻繁に通報されるBolzofoy達の相手をしていたために顔とnameを憶えられていたGuardのSmithとMarkは、一般人達を守りながらHero Preparatory Schoolに向かっていった。
だが、もちろんそのHero Preparatory Schoolの周囲や、そこに至るまでの道にもRokudouが創り出したDungeonの入り口が出現している。
だが、門から現れるmonstersは、ただのWyvernからFlame Dragon、OgreからMinotaurハイKingまで、次々に首を落とされ、胴体をBisectionされ命を奪われていた。
「クソ、奴のせいで色々と台noneだ!」
それを行っているのは、臨時講師のDandolip senseiこと『True』Randolphだった。
次から次に門から現れるmonstersを、短剣や弓、そしてSpirit Magicで屠っていく。それでもRandolphの顔には激しい怒りと苛立ちが浮かんでいた。
「同時に街中にcountlessのmonstersを出現させるとは、想定外だった。……おかげで俺が本格的に変装する時間も、姿を隠して援護するだけに留める余裕も、何もかもなくなった!」
臨時講師として雇われている彼は、今日も職場であるHero Preparatory Schoolにいた。彼がVandalieuに頼まれたのが、教職員と生徒の保護と、いざという時Shelterになる校舎と地下のDungeonを守る事だったからだ。
そして、RandolphはIntuition的に緊急事態を察して外に飛び出し、そのまま一瞬で数十匹のmonstersをたった一人で討伐したのだ。
しかも、現れたのはRandolphから見ればたいした事のないmonstersばかりだが、あまりに数が多い。そのくせ門は他の門とある程度距離を置いて出現している。そのため、街と校舎を守るためには実力を発揮しなくてはならない。
「凄まじい力量だ。周囲の被害を出さず、monstersの頭部やheartを的確に破壊している!」
「やはり、Dandolip senseiがRandolphかもしれないという噂は本当だったのか!」
その結果、Randolphに続いて外に出た他の講師達にも正体がばれてしまった。
「はぁ。……だから正体を明かしておけと言ったのに」
片手で頭を押さえながらも、新たに出現したmonstersを瞬殺するRandolphに、Meorilithはそう言ってため息を吐いた。
もしRandolphが前もってVandalieuに正体を明かし、彼に「あまり正体を公にしたくないんだ」と頼み込めば、偽のDandolip senseiを用意してalibiを確保するなど-sama々な偽装工作ができたかもしれないのにと。
「クソ、暫くは赤毛の変装は無理だな」
「青や緑ならいけると思うのか?」
「……ちょっと大通りのOpen Plazaまで行ってくる」
そう言い残して、Randolphはmonstersを瞬殺しながら風のように走り去っていった。言葉通り、大通りのOpen Plazaまでmonstersを退治することで、人々へ避難を促しながらそのための道を確保しに行ったのだろう。
そうツッコミを入れながら、MeorilithはGiantなlizardに似たmonsters、Lord Basiliskの両目をrapierによるHigh-Speedのthrustで貫く。
「ゲェェェェ!」
両目を潰され絶叫をあげるLord Basiliskだったが、次の瞬間口からtongueが飛び出し、その先端についている三つ目の【Petrifying Magic Eye】がMeorilithを映した。
「【Silver Flash】!」
だが、Meorilithが石像と化すことはなく、Lord Basiliskの第三の目を貫いた。続けて最大のWeapon Equipmentを喪いただのGiant lizardと化したそれに止めを刺した。
「さすが校長……! 『Spiky Meteor』の名と技は健在だ!」
鮮やかなその手並みを、教官の一人がそう評する。Meorilithは現役時代、その繰り出す刺突の速さから、『Spiky Meteor』と評される腕利きのAClass adventurerだった。
しかし、本人は渋い顔をしていた。
「思っていたより鈍ったな。現役時代よりも体が重く感じる。さすがに、毎日のようにAClass Dungeonを攻略していた頃のようにはいかないか」
「お前もKanako senseiの所でdanceでも習ってみるか? 舞は武に通じるというぞ。あと、Dietにもなる」
「Randolph、正体を隠せなくなって機嫌が悪いのは分かるが、ventは大人気ないぞ。それより、Open Plazaはどうだった?」
「Noble街の方のOpen Plazaは問題ない。前途有望な若者共が大活躍中だったから、任せてきた。住宅街とSlumの方も、問題ない。Upper Class Noble Distructは……言うまでもないだろう」
「い、一分もかからずにこの街の状況を把握してきたのですか!?」
淡々と報告するRandolphに、教官の一人が驚愕して聞き返した。Elective Kingdomの首都であるOrbaumは、約百万人の人口を誇る大都市だ。ほんの一分ほどの時間で、それもmonstersを倒しながら回れるはずがない。
「把握、というほどじゃないな。俺はNoble街前のOpen Plazaから商業区のOpen Plazaを回って、ついでに道中野放しになっていたmonstersを退治して帰ってきただけだ。ほとんどは風のAnimaから聞いただけで、見たわけじゃない」
それで十分規格外だと、教官は唖然としてRandolphを見上げた。
やはり、引退したと言ってもSClass adventurerにまで駆け上がった実力は凄まじい。この人がいるのなら、この危機も乗り越えられるのではないか。そう思った。
「おい、大丈夫そうだと言っても被害が出ないと確信したわけじゃない。油断すればそこからあっという間に崩れる。呆けている暇があるなら戦ってこい!」
「「「は、はいっ!」」」
それをRandolphに見抜かれ、他の教官達も巻き添えにされ叱責されてしまった。monstersを上回る迫力に、冷や汗を浮かべながら再び門から現れようとしているmonstersに向かう。
「それと! 言い忘れたが門の内側に入るな! monstersを操る邪悪な神の力でいつ門が閉じられるか分からん! monstersの群れと死ぬまで戦い続ける事になるぞ!」
「それはどこから聞いた情報だ?」
「Vandalieuの使い魔だ。門の向こうはRokudouが支配しているDungeonだから、使い捨てにできる戦力以外入らないようにと、ついさっき言われた」
「そうか。じゃあ、やっとお前の正体がばれたのか?」
「いや、monstersと間違えて攻撃して倒してしまった。その情報だけを言い終えて、崩れて消えた」
「……後で謝っておけよ」
そう言いながら、教官達が討ち漏らしたmonstersをmagicで倒していくMeorilith。
「それで、Dungeonというのは本当なのか? だとすれば、奴はいったい何百のDungeonを支配している?」
「そこまでは聞いていないが……Rokudouって奴が支配しているDungeonは、広大なのが一つだけだろう」
Randolphはそう答えると、自身のconjectureを述べた。
出入り口である門の形状が同じである事や、出現するmonstersの種類や強さにある程度の傾向がある事、そして何百ものDungeonがrunawayしているにしてはmonstersの出現paceが緩やか過ぎる事。
「門の先が一つ一つ別のDungeonで、それがrunawayしているのなら、それぞれの門からmonstersが雪崩のように出続けるはずだ。そうではなく、ぽつぽつとしか出現しないって事はそういう事なんだろう」
「Dungeonの出入口は一つだけだと思っていたが、例外もあるのか。
しかし、それは逆に厄介だな」
Dungeonの出入口が一つだけだったら、その周辺は壊滅するだろうが戦力を揃えて出入口を囲みこめば被害の拡大を抑え込むことができる。だが、街中に出入口があるのでは不可能だ。
MeorilithがRandolphのconjectureを聞いている間にも、避難してきた近隣の住人が校舎の中へ教官達に誘導されていく。
このHero Preparatory Schoolは見た目からは分かり難いが、並みの砦よりも堅牢に作られている。それは校舎の地下でDungeonを管理しているからだ。
万が一Dungeonがrunawayしたとしても、校舎内でmonstersを引き留め対処できるよう設計されている。
「もっとも、内側からは強くても外からは分からない。普通は逆だが、ここは堅牢な城壁に守られた市街地だからな。Dungeonに避難して、出てきたら校舎が無くなっているかもしれない。まあ、仕方ないか。
それで、お前は事件の元凶を叩きに行かなくていいのか?」
「……作り主を倒しても、Dungeonは機能を停止するとは限らん。避難が一段落してもまだVandalieuに殺されていなければ、行くさ。
お前こそ、生徒達は良いのか?」
「ああ、Pauvinaとそのparty member以外は、外で戦うには実力に不安がある教官達と一緒にDungeonで掃除中だ。心配ないだろう」
Dungeonの出入口である門は、幸いなことに屋外にしか出現していない。RokudouがVandalieuを焦らせるために、街にmonstersが現れる-sama子を見えやすいようにしたからか、それとも単に屋外にしか出せなかったのかは不明だ。
そのため誰もいない倉庫の中で複数のmonstersが現れ発見が遅れる事や、他のDungeonの内部に門が発生する事はなかった。
おかげで、Vandalieuが事前に用意したDungeonがShelterとして使えなくなる、という事態にはならずに済んだ。
だが、全てのShelterがすぐに使える訳ではない。
その頃、いち早くHero Preparatory Schoolが管理しているDungeonに入った元CClass adventurerの教官達や生徒達は、激しい戦闘を繰り広げていた。
「実戦実習と同じだ! 油断しなければ勝てる相手だ、どんどん行け!」
「避難してくる人達のために、安全地帯をもっと広げるんだ!」
何故なら、彼らは真っ先に避難したのではなく、地上の人々が逃げ込む安全地帯をDungeon内で確保するためにDungeonに攻め込んだからだ。
日ごろから管理されているDungeonなので、一層目のmonstersはweakし数も少ない。しかし、一般人にはRank1や2のmonstersでも脅威になる。
それに、比較的安全なFirst層や第二層は内部が地下遺跡のようになっているため、使える面積が狭いのだ。十分な数のHumanを収容できるのは、出現するmonstersがそれなりに強くなる中層の草原や荒野、森の階層になる。
ただ、外にいるmonstersの大部分がこのDungeonのボスより格上なので、地上よりは安全だ。
そんな生徒達の先頭を進む二つのpartyがあった。一つは、Alex達のpartyだ。
「First層、第二層の安全確保は他の生徒に任せて、俺達は直ぐに追いついてくる教官達と一緒に第三層からやるぞ! まずは階段まで駆け抜けるぞ!」
「おうっ! あいつらにはloseられないからな!」
そう言いながら、Robinは左右の手にそれぞれ構えた二振りの槍を振るって立ちはだかろうとするGoblinやGIANTバットなどを次々に屠っていく。
First層と第二層は出現するmonstersはweak上に数も少なく、Alex達のように実力のある生徒や元adventurerの教官達では過剰戦力になる。そのため、彼らは出現するmonstersのRankが上がる第三層を目指していた。
「でも、今から追いつけるでしょうか?」
「あいつら、偶然Dungeonで実習中だったものね」
兎のBeastmenのTowaと、Half-ElfのAnnabelがそう話しながら続く。だが、Alexは言った。
「難しいのは分かってるけど、俺達には外での戦いは任せられないってsensei達が判断したんだ。だったら、中で頑張るしかないだろ! Elizabeth達のように!」
その頃、Dungeonの四層ではAlex達が目指しているElizabeth達のpartyがmonsters達の駆除を行っていた。
『ウオオオオオオオオ! 【二連thrust】!』
『ヌオオオオオオオオ! 【Provocation】!』
『【Flame Bullet】! 【風斬】!』
「ちょっとっ! 最初から飛ばしてManaとEnduranceを消耗しすぎよ!」
そうElizabethが注意を飛ばすのは、monstersを次々になぎ倒す三体の異形だった。全体的なシルエットは漆黒の板金鎧を身につけた巨漢のKnightだが、その頭部と胸部にはそれぞれGiantな目がはめ込まれている。そして、腕は左右の肩から一本ずつ、そして背中と腰から一本ずつの計四本生えている。
声はやや幼さが残る少年のものだが、それが猛々しく叫びながら槍や剣を振るい、杖からmagicを放つ光景は、命知らずのはずのmonstersが怯える程だった。
まさか、ElizabethもVandalieuに倣って異形のmonstersをTamerしてTamed Monsterにしたのだろうか?
「Mact、Taurus、Jozéfッ! 聞いているの!?」
『『『はいっ、聞いています、Elizabeth -sama!』』』
なんと、異形の正体はElizabethのparty memberのSpear UserのMact、Swordsman兼盾役のTaurus、そしてMageのJozéfだった。
彼らはVandalieuから受け取った、Hiroshiの防御特化Transformation Equipmentをベースに改造したTransformation Equipmentを使っていたのだ。見た目はMonster風のPowered Suitだが、三百六十度の視界を確保し戦闘と姿勢制御を助ける二本のサブアーム付きで、Defense PowerはMountain Giantに踏まれても耐えられるのが保証済みの高性能装備である。
『でも、心配ありません! このTransformation Equipment、驚くほど頑丈で……しかも magicだけではなくMartial ArtsのActivateまで補助してくれるのか、いつもよりずっとManaに余裕があります!』
『これなら、Minotaurの攻撃だって受けきれます!』
「調子に乗るんじゃないの!」
興奮した-sama子のMact達に、今度はZohnaから注意が飛んだ。
「それは今回特別に、Vanが貸してくれた装備なんだから」
「そうです、Mact -sama達は本来ならもっとlessonを受けなければEquipmentは手に出来ないのですよ」
Zohnaと、彼女に続いてそう言ったMaheria、そしてElizabethもTransformation Equipmentを使用している。こちらは以前着ていた改良した汎用の物だ。
『いや、lessonは関係ないと言っていたような気がしますが……』
「受けてください、皆-sanやっているのですから。danceの方は、武術にもつながるのです」
『は、はい……』
Maheriaの圧力に屈するJozéf。Elizabethは、集まってくるmonstersの姿を把握しながら、指示を下した。
「目的は実習の課題達成から、monstersの徹底的な駆除に変わったのだから、頭を切り替えなさい。どれだけ人が避難してくるか分からないけど、三層より下が主なShelterになるわ。
そこにmonstersが残っていたなんてことになったら、ここを任せてくれたVandalieuがより過保護になるわよ!」
Elizabeth達がVandalieu達が戦っている地上ではなく、Hero Preparatory SchoolのDungeonにいるのは彼女達が「まだFirst線は早い」と判断されたからだ。
そのため、いざという時Shelterとして使う予定だったDungeonの中に、実習を利用して待機していたのだ。
Elizabeth達が足手まといだとは、Vandalieuはまったく考えていない。ただ、彼女達の力量に相応の役目を頼んだだけで。
『そんなに過保護でしょうか?』
連絡と万が一の場合のDemon King Familiarを一体つけて。
「過保護よ!」
Elizabethは背後のDemon King Familiarに対して、きっぱりとそう断言した。
Hero Candidate達が活躍している商業区やRandolph達がいるHero Preparatory Schoolからやや離れたUpper Class Noble Distructでは、人々がscreechを上げていた。
「うわああああっ!?」
「助けてぇぇぇっ!」
しかし、近隣に住んでいるNobleやそれに仕える者達はmonstersが出現した時、避難誘導を無視して自分達で対処しようとした。
なぜなら彼らはKnightやSoldier、元adventurerのmercenaryを雇っているからだ。そうした防衛力は、Elected King城の上空で激しい戦いが起きているのに気がついて事態を把握するため屋外に出るか、護衛対象のNoble達の近くにいた。
そのため、門が現れた時に屋外に出ていた者達はすぐに対応する事ができた。
「GURU?」
「ひっ、ひぃぃっ!?」
しかし、出てきたのは並みのSoldierやKnightでは肉壁となって時間稼ぎをすることしかできない強力なmonstersばかりだった。
もちろん、上Class Noble階にmansionを構えるDukeやMarquis達は元BClass adventurerの護衛やそれに匹敵するKnightを抱えている事も珍しくない。そうした家は現れたmonstersを退治する事が出来た場合もある。
「くっ、ダメだ! 数が多すぎる! 城から救援は来ないのか!?」
「城の上空で何者かが戦っているんだぞ! そんなconditionで救援が来ると思うのか!?」
Dolmad Marquis 家やTelkatanis Marquis 家、そしてCorbit Duke 家やHartner Duke 家の別邸に詰めていたKnightや護衛は、自分達のmansionの周りに現れたmonstersのFirst陣の相手をすることはできた。
門の前に押し留め、炎や雷のBreathを防ぎ、周囲に大きな被害が出るのを防いでいる。しかし、monstersと戦える戦力がいない門からは、二匹目、三匹目のmonstersが現れつつある。
「とても持ちこたえられないっ、こうなったら奥-sama達には逃げてもらうしか……!」
「逃げるのは無理だ! monstersが出てくる門はここだけじゃなく、そこかしこにあるんだぞ!」
「くっ、なら地下室にでも逃げ込んでもらうしかないか。運が良ければ、助かるかもしれん!」
『ギオオオオオオオオオ!』
悲壮な表情で会話する護衛達の前にも、Rank10のAdamantite Golemが迫っていた。
「もう終わりだ。まさか、Centerから滅びるとは……!」
無念さを噛みしめながら、KnightがMythrilをコーティングした鉄の剣を構えた。
「諦めが早すぎる!」
その時、怒声と共にfistが降ってきた。
「は……えぇ?」
『ギュギギギギギギ!?』
突然飛来したfist……金属製の籠手が、Adamantite Golemの頭部にめり込み、ひしゃげさせた。唐突な援護に思わず間の抜けた声を出すKnight。
「何を呆けている!」
再び怒声が響いたと思うと、さらに籠手が飛んできて今度はAdamantite Golemの膝を殴りつけた。
「剣ではGolemとの相性が悪いっ! 見物している暇があったら他のmonstersを倒しに向かうなり、自らの主-kunを守りに行くなりしないか!」
Adamantite Golemが片膝を突いたことで、Knight達は怒声の主の姿を見る事ができた。自分達の胸程までしかない小柄な人shadowに、なんと両腕がないように見える。
「あ、あなたは『Thousand BladesのKnight』バル……!」
「私の名を呼んでいる暇があったら、さっさと動け! それと、逃げ込むなら地下室ではなく私が世話になっているZakkart Honorary Earl邸か、Alcrem Duke邸に向かえ!」
「は、はいっ!」
「このご恩はいずれ必ず!」
『Thousand BladesのKnight』Valdiriaに助けられた者達は二手に分かれ、一方は自分達でも善戦できそうなmonstersに向かい、もう一方は主-kunのfamilyを避難させるためにmansionに駆け戻った。
「ふぅ……戻れ」
『はっ!』
Adamantite Golemを滅多打ちにしていた籠手が、Valdiriaの元に戻って腕に装着された。これは、SimonやNataniaの義肢と同じ、彼女の新しい腕……という訳ではない。
対外的には旧Scylla Autonomous Territory奪還tacticsで両腕を喪った事になっているValdiriaだが、本当は失っていない。それを誤魔化すためにVandalieuが作った、生前Sauron DuchyのKnightだったらしい霊を籠手に宿らせた特殊なLiving Armorである。
『ギオオオオオオオ!』
さすがRank10と言うべきか、Adamantite Golemは頭部と片膝に拳の痕をつけられても再び立ち上がり、今度はValdiriaに向かってこようとしている。
「……さっきも言ったように、私とは相性が悪いのだが」
『ヂュオオオオオ!』
苦笑いを浮かべた『Thousand BladesのKnight』Valdiria。彼女の元に駆けつけたのは、monstersの返りbloodでwhole bodyが真っ赤に染まった空飛ぶ人bone、Bone Manである。
『Adamantiteでは我が刃を防ぐことは不可能! 【烈刃bone】!』
whole bodyのboneを刃に出来る彼は、瞬く間にAdamantite Golemの五体をバラバラにしてしまった。
「相性も、絶対的な実力差の前には無意味か。お姉さまの力になるためには、私ももっと強くならなければ」
Bone Manの活躍を見てそう決意を新たにするValdiria。そんな彼女を他所に、Noble街の騒ぎは大きくなっていった。
「ひいいいいいっ!?」
「助けてぇぇぇ!?」
『だから助けているのに……』
突然monstersが出現した事に驚いたServantやGuard、そしてKnightやNoble等が次々に蔦に巻き付かれ、保護されているのである。
『逃げるなっ、諦めて私に収容されなさい! 往生際の悪い生者達め!』
Silkie Zakkart Mansionによって。
main bodyがmansionであるSilkieは移動できないため、Shelterとして活躍するはずだった。しかし、彼女はNoble街では知らぬ者がいない幽霊mansionだ。
そのため、言葉で言っても自分から彼女の敷地内に逃げ込んでくる者がいなかった。そのため、彼女達は実力行使に出たのだ。
『グルオアアアア! いたぞっ、追い詰めろ!』
『逃がすなっ! 皆生け捕りにしろ!』
『ギィィィィ!』
「monstersだ! 俺達が時間稼ぐ! その間に連れてけ!」
blood走った目に耳まで裂けた口のDeepサッカーの庭師達が逃げ惑う人々を次々に力づくで保護し、Jubokkoが蔦で拘束してSilkieの敷地内に運ぶ。Braga達ninja部隊は、rescue活動の邪魔になるmonsters達の相手をしていた。
『こんなに吸ったんじゃ、太っちゃうかもしれないねぇ!』
「では、私が処理しておきましょうか? 輪切りと石像が増えるだけで済みますよ」
そしてSilkie Zakkart Mansionの塀を越えて侵入しようとするmonstersには、EisenとBellmondが相手をしていた。
Eisenは背から生える枝をmonstersにthrust刺して養分を吸い、Bellmondの操る糸がmonstersをバラバラにする。
だが、panicに陥ってmansionの外に飛び出す人々ばかりではない。monstersは屋外にしかいないので、mansionの中に留まる者達の方が多かった。
しかし、出現するmonstersのRankはあまりに高い。地下に非常用のシェルターがあったとしても、高Rankのmonsters達が放つ一撃やmagicは地面に大穴を開ける事もある。また、鋭敏なSense of smellや特殊な聴覚で隠れている生存者の位置に気がつく事もあった。
そんな高Rankのmonstersが数えきれない程出現している今のOrbaumでは、余程運が良くなければ生き残る事は出来ないだろう。
『はっはぁっ! 見つけましたぞぉ!』
「うわぁぁぁっ!? 天井から馬車が!?」
あるmansionでも、地下室に逃げ込もうとしたNoble達が高Rankのmonsters……Samによって発見されていた。
『さあ、ここは危険です! 乗ってください!』
もちろん、目的はrescueである。
【Sub-space Travelling】skillを持つ彼は、建物をすり抜けるようにして亜spaceを走り、屋内にいる人々をrescueして回っているのだ。
「と、突然現れてなんだ!? 貴-samaらに命を預けられると――」
ただ、いきなり天井や壁から現れたCouch Drivingの言葉を信じて怪しげな馬車に乗れる人物ばかりではない。このNobleもそうだった。
「さっさと乗りなさい、手間をかけさせるつもり?」
しかし、幌から現れた赤毛の美女……Eleonoraを見た瞬間態度が変わった。
「はいっ! お前達、すぐこちらのご令嬢に従うのだ!」
Eleonoraの【Charming Magic Eyes】に魅了されたNobleの命令によって、familyやServantはその全員が、彼自身も含めて馬車に乗車した。
appearanceは三頭立ての馬車に過ぎないSamだが、そのcarriageの広さは10levelに成長した【Space Expansion】skillによって、1024倍になっている。
Nobleとそのfamilyだけではなく、Servantや護衛全員を保護しても余裕のある広さがある。
【Charming Magic Eyes】の効果が切れて正気に戻ったNobleは当然騒ぐが、それはすぐに鎮まる。
「今は非常事態だ、静かにしてもらおう」
「あ、Alcrem Dukeっ!? 何故あなたがこんなところに!?」
「私は、あなたに仕えている訳では……」
「説明している時間はない! 今は非常事態だ、私の指示に従ってもらうぞ!」
ぴしゃりと言われたNoble達は押し黙り、大人しくなった。そしてAlcrem Dukeはcarriageに顔を出して、Samに話しかけた。
「【Detect Life】によると、次は隣のmansionの地下よ」
『了解。助かります、Mari -san』
ここにいないはずのAlcrem Dukeの正体、それは【Metamorph】のMariだった。
「だけど、【Metamorph】で化けるならCorbit Elected Kingの方が良かったんじゃない? 私、一度顔を見ているからTransformできるけど」
「それはダメよ。Elected Kingを詐称すると死刑だから、後々面倒な事になるわ。Alcrem Dukeは、本人から許可をもらっているから大丈夫だけど」
後で難癖をつけられた時のために、「shadow武者として雇った」という書類が既に作成されている。本来は、KühlやIslaが使う予定だったが彼女でも問題はない。
『Silkie達の所に戻るために、さっさと助けに回りますぞ!』
そうしてSamは再び亜spaceに潜った。
――――――――――――――
Name: Elizabeth Sauron
Race: Human
Age: 13
Title: 【Ohime-sama】 【Illegitimate Child】 【Great Demon King's Daughter】(NEW!) 【Possessed by Vandalieu】(NEW!)
Job: Magical Girl
Level: 49
Job History: Apprentice Mage Warrior Mage Magic Sword User Transform Mage Transform Swordsman
・Passive skills
Fatigue Resistance:2Lv(UP!)
Mental Resistance:2Lv(UP!)
Disease and Poison Resistance:2Lv(Disease Resistance integrated&UP!)
Strengthened Attribute Values: Guidance:1Lv(NEW!)
Self-Reinforcement: Henshin / Transformation:1Lv(NEW!)
Mana Enlargement:1Lv(NEW!)
・Active skills
Housework:2Lv
Etiquette:1Lv
Horse Riding:1Lv
Spear Technique:1Lv
-Surpass Limits-:5Lv(UP!)
No-Attribute Magic:3Lv(UP!)
Mana Control:5Lv(UP!)
Earth-Attribute Magic:4Lv(UP!)
Fire-Attribute Magic:3Lv(UP!)
Life-Attribute Magic:4Lv(UP!)
Sword Technique:3Lv(UP!)
Shield Technique:1Lv
Dismantling:1Lv
Surpass Limits: Magic Sword:2Lv(UP!)
Familiar Spirit Demonic Advent:1Lv(NEW!)
Dancing:2Lv(NEW!)
・Unique skill
Vandalieu’s Divine Protection(NEW!)
Vida’s Divine Protection(NEW!)
Name: Zohna・Chinos
Race: Dwarf
Age: 15
Title:
Job: Poleaxe Dancer
Level: 34
Job History: Servant Apprentice Warrior Warrior Axe Warrior Magic Axe User Magic Axe Warrior
・Passive skills
Night Vision
Enhanced Muscular Strength:6Lv(UP!)
Allure:3Lv(UP!)
Axe weapon equipped, then Attack Power Enhanced (1) : Medium
Strengthened Attribute Values: Guidance:2Lv(NEW!)
Self-Enhancement: Dancing:1Lv(NEW!)
・Active skills
Housework:2Lv
Seduction:1Lv
Love-making:1Lv
Unarmed Fighting Technique:2Lv(UP!)
Axe Technique:5Lv(UP!)
Throwing Technique:3Lv(UP!)
Armor Technique:4Lv(UP!)
Silent Steps:2Lv(UP!)
Dismantling:2Lv(UP!)
Detect Presence:3Lv(UP!)
-Surpass Limits-:5Lv(UP!)
Surpass Limits – Magic Axe:3Lv(UP!)
Familiar Spirit Demonic Advent:2Lv(NEW!)
Dancing:3Lv(NEW!)
Singing:1Lv(NEW!)
No-Attribute Magic:1Lv(NEW!)
Magic Fighting Technique:1Lv(NEW!)
Unique skill
Vandalieu’s Divine Protection
Vida’s Divine Protection(NEW!)
Name: Sam
Rank: 11
Race: Dimension Conquest Carriage
Level: 51
・Passive skills
Spirit Form:10Lv
Monstrous Strength:1Lv(Mysterious Strength awakened into!)
Rough Road Travel:10Lv(UP!)
Impact Resistance:10Lv
Precise Driving:10Lv(UP!)
Comfort Maintenance:10Lv
Murder Healing:4Lv(UP!)
Space Expansion:10LV(UP!)
Air Running:9Lv(UP!)
Strengthen Attribute Values: Transportation:9Lv(UP!)
Self-Enhancement: Guidance:7Lv(UP!)
Sub-space Travelling:6Lv(UP!)
Mana Enlargement:3Lv(UP!)
・Active skills
Silent Steps:3Lv(UP!)
High-Speed Running:8Lv(UP!)
Charge:10Lv
Size Alteration:10Lv(UP!)
Spear Technique:3Lv
Aura of Fear:9Lv(UP!)
Space-Attribute Magic:5Lv(UP!)
Time-Attribute Magic:5Lv(UP!)
Mana Control:5Lv(UP!)
-Surpass Limits-:6Lv(UP!)
Familiar Spirit Demonic Advent:2LV(UP!)
・Unique skill
Vandalieu’s Divine Protection
Zuruwarn’s Divine Protection
Ricklent’s Divine Protection(NEW!)
●Monster explanation::Dimension Conquest Carriage Luciliano著
spaceを征服する馬車型のUndead。実際に征服している訳ではなく、征服しているかのように自在にspaceを走る事ができる事を意味する。
このUndeadの前には、どんな堅牢な砦も意味をなさない。行く手を阻む事ができるのは同種のUndeadか、Space-Attribute Magicの達人、そしてUndeadを寄せ付けない聖なるBarrierぐらいだろう。
だが、Rank11のUndeadを相手どれる存在は限られ、並みのBarrierでは簡単に破られてしまうだろう。それに、同種のmonstersが存在する可能性は限りなく低い。
相変わらず戦闘Ability自体は低めだが、突然亜spaceから現れる彼の【Charge】を回避するのは至難の業だ。そして、carriageに何が乗っているのか分からないので、Samに追われる事があったら素直に投降する事を勧める。
そして本領であるtransportation Abilityは大型帆船を軽く超え、居住性は驚異的である。極寒の地や火山地帯でも、幌の中は快適な温度と湿度が保たれる。
Fire DragonのBreathを浴びた時でも、carriageにいる者が熱を感じる事はないだろう。……Sam自身は熱いし痛いし焼けるので、試すのはお勧めしないが。