《【Constant Mana Recovery】、【Mass Strengthen Adherents】、【Magic Thread Refining】、【Augmented Vitality】、【Ability Values Augmented (2):Reign】、【Bloodrule】、【God Alchemy】、【Surgery】、【Realization】、【Group Coordination】、【General Commanding】、【Thread-reeling】、【Group Shadow Binding Technique】、【Spirit Tuning】、【Mind Encroachment】、【Labyrinth Creation】skillのlevelが上がりました!》
《【All Ability Values Enhanced (1)】が【All Ability Values Augmented (2)】skillにAwakeningしました!》
Rokudou Hijiriを探している間も、VandalieuはAdventurer's School校に通っていた。それを苦々しく感じている人物は当然おり、その人物は、自分のemotionsを率直に言葉にしてぶつける事にした。
「今すぐ卒業するつもりはないのか?」
「正気ですか、Meorilith校長?」
「……-kunに正気を疑われるとは思わなかった」
Meorilithがため息交じりにそう言うと、Vandalieuの動きが数秒止まった。しかし、数秒後に再び動き出した。
「尊敬する校長senseiに対して失礼だとは思いますが――」
「いや、信頼とかそういう意味で疑われると思わなかった訳じゃない。それに、実際はそれほど尊敬していないだろう?」
「いえ、尊敬はしていますよ」
自分という異分子とPauvinaを受け入れる度量、問題がない訳ではないが優秀な講師を揃える手腕と人望、整ったcurriculum、それにNobleに対する対応。
Vandalieuはそれらを総合して校長であるMeorilithに、一定の尊敬を向けていた。自分に彼女のような統率Ability、そしてorganization運営のKnowkowや政治力があればGrand Temple建設反対運動も、そして世論の前に惨敗したGiant像建設反対運動でも一定の成果を得る事ができるのではないか。そう思うほどだ。
「しかし、俺が卒業するにはまだ単位が足りません。必要な単位を揃えられるのは、早くても今年の九月のはずです」
だが、それとこれとは別だ。Adventurer's School校は単位制で、必要な単位を揃えなければ卒業する事はできない。それはこのHero Preparatory Schoolも例外ではない。
「いや、それはそうなんだが……非常時だ。私が手を回せば――」
「校長sensei、それは良くありません。制度や手続きは重要です」
「……-kunに制度や手続きの重要性を説かれるとも思わなかった」
「校長sensei、俺は制度や手続きを蔑ろにしてはいません。利用したり、穴を突いたりしますが、それも制度や手続き、ruleがあるからこそできる事です」
VandalieuはTamer guildやAdventurer’s Guild、そしてこのHero Preparatory Schoolのrule、Orbaum Elective Kingdomのいくつかの法律を利用して我を通してきた。しかし、ruleや法そのものが存在しなければ利用する事もできない。利用できなければ、逆に「ruleや法律で禁止されていないから、認められているから」という理由でEisenやSilkieの存在を街の人々に認めさせる事も不可能になる。
無法の社会というのは、法律と秩序が存在する社会より便利な訳ではないのだ。
「そういう訳で、意味もなく悪しき前例を作る事はありません」
「いや、しかし、Rokudou Hijiriという存在が【Demon King Fragment】を使って何か企んでいるのだろう? 私もrunawayした【Demon King Fragment】と戦いsealedした経験はあるが、Rokudou Hijiriが集めさせたfragmentの数は十を超えるそうじゃないか。
これが非常時ではなく何なんだ?」
「たしかに非常時と言えば非常時ですが、そこまでしなくても対処できる非常時です」
「やはり非常時じゃないか。なら、私としては学校の事を気にせず対処してほしいのだが……何なら休学でも構わないが?」
「大丈夫です。俺が学校に通い続けていても、通っていなくても、対処は何も変わりません」
「そうは言うが――」
「Meorilith、諦めろ。こいつは卒業するつもりはないそうだ」
校長室にいる三人目の人物、『True』Randolphが同じことの繰り返しになっていた会話に口を挟む。それをきっかけにMeorilithは諦めをつけたらしい。
「……はぁ、ダメでoriginallyのつもりだったが、やはりダメか」
「卒業するつもりなら、自分から言っているだろうからな。だが、本当に大丈夫なのか?」
Randolphに厳しい眼光を向けられたVandalieuは、「もちろんです」と頷いた。
「完全無欠……とはいきませんが、在学していてもいなくても、同じ水準の対処を行う事が出来ます。こうしている今も――」
言葉を途中で切って、VandalieuはRandolph達の見ている前で、小型のDemon King Familiarを作って見せた。
「「っ!?」」
右手の甲が異-samaに膨張し、bumpになる。そのまま表面のskinが硬質なexoskeletonに変化し、compound eyesが内側から押し出されるようにして出現する。そしてbumpの上部が裂けるとトンボに似た形状のfeatherが生えたかと思うと、そのまま飛び上がってVandalieuから分離した。
『このように俺のClone、使い魔のようなものが仲間と離れて行動しています』
「なので、俺が講義や実習を受けていても、変わりません」
Demon King Familiarという名称を故意に黙ったまま話を進めるVandalieuに、MeorilithとRandolphは顔色を悪くしつつも納得した。
「なるほど、【Long-distance Control】と【Parallel Thought Processing】skillで、分離した体の一部を操っているのか」
「分かりますか?」
「ああ、似たような事ができるmonstersを見た事がある。まさか、Humanに同じことができるとは思わなかったが」
実際には、【Group Manipulation】と【Group Thought Processing】skillだが、Randolphが口にしたskill awakened intoしたskillなので、Vandalieuはcorrectionせずに話を進める事にした。……これは虚偽ではなく、円滑に会話を継続するためだと思いつつ。
「しかし、完全無欠とまではいわないのだな」
「俺も、死人やinjure人を一人も出さない、とは言えませんからね。後、建造物の被害も」
「誰もそこまで求めてはいない。お前の正体が何なのか知らないが、少なくともOrbaum Elective Kingdomの治安や民に責任を負う立場じゃないのは確かだからな。
まあ、制度上はAlcrem DuchyのNobleのyoung childではあるが……」
「首謀者はTelkatanis Prime Minister閣下だ。Honorary Earlのyoung childに責任を負えと言うのは、いくら何でも無理筋だ」
VandalieuとDarciaから、Rokudou Hijiriとその手足となって動いているTelkatanis Prime Ministerについて話せる部分だけだが打ち明けられ、協力を求められたMeorilithとRandolphは、迷わず協力を約束した。
Telkatanis Prime Ministerの、【Demon King Fragment】製の武具を採用したいという提案はMeorilithの耳にも届いていたし、二人はVandalieuがただ者ではない事を知っていた。さらにVandalieuは協力を要請する時Alcrem DukeとJahan Dukeのletterを持っていた事で、疑う余地はなかった。
その時点で、MeorilithとRandolphはOrbaumが壊滅conditionになる事を覚悟した。どんなに被害を小さく抑え込むことができたとしても、Elected King城は壊滅。周囲の重要施設やUpper Class Noble Distructも被害は免れないだろうと思った。
それだけ、危険人物が大量の【Demon King Fragment】を使った陰謀を企んでいるという言葉のimpactは大きかった。
runawayしているのが、【Demon King Fragment】一つならRandolphが動けば確実に対処できる。一つのfragmentが別々の場所で一斉にrunawayしても、OrbaumにはRandolph以外にもMeorilithのようなAClass adventurer以上の実力者が存在している。死傷者は多数出るだろうが、街全体がどうにかなるほどの被害は出ないだろう。
しかし、複数の【Demon King Fragment】がFusionしたconditionで暴れだしたらどうなるか……。二つや三つなら、Randolphはrunawayしたfragmentの宿主を倒し、sealedした経験がある。だが、軽く十を超える数となると未知数だ。
下手なEvil God (M) Evil God (P)がrevivalするよりも強大な敵となりえると考えるべきだろう。
「Meorilith校長sensei、Dandolip sensei、改めて協力感謝します。数日中にはRokudouがどこに潜伏しているのか、探し出すための準備が整うのでそこで何か起こるかもしれません。
その前には連絡しますので、よろしくお願いします」
Vandalieuはそう言うと、作ったばかりのDemon King Familiarを懐に入れて……二人に見えないようにしてAbsorption。やはり、慣れていない人の前で作るのは止めよう。そう思いながら、Meorilithの執務室から退室した。
「Randolph」
「分かっている。Vandalieuが作って見せた使い魔、あれは【Demon King Fragment】でできたものだ」
Randolphは、Vandalieuが作ったDemon King Familiarが【Demon King Fragment】でできている事を見抜いていた。通常の使い魔……MageがManaや触媒などを用いて作るPseudo-生命体や、通常の生物にfive sensesを共有し指示に従うよう細工するなどした存在とは、Demon King Familiarの存在感は違いすぎた。
「だが、あれは今まで俺達が見てきたrunawayしている【fragment】とは全く違う。runawayしている【Demon King Fragment】は、例えるなら迷子のガキだ。panicに陥って親……他の【fragment】を探して叫んで暴れまわる。
それに対してVandalieuが見せた【Demon King Fragment】は、runawayしていなかった。落ち着いていて、何も探していない」
Randolphは、今まで見たrunaway conditionにあった【Demon King Fragment】とVandalieuが作ったDemon King Familiarを比べて、そう感想を述べた。
「もっとも、私見だから根拠はないが。もしかしたら、俺が知らない【Demon KingのEquipment】でも使っているのかもしれん」
「いや、Randolph、そうではない。私が聞きたいのは、Vandalieuにいつ自分がDandolipではなく、『True』Randolphだと打ち明けるつもりなのか、という事なのだが?」
「…………」
Meorilithの問いに、Dandolipに変装したままのRandolphは視線を彼女からすっと逸らした。そう、先ほどまでこのroomにいたVandalieuやその仲間たちは、彼の事をまだ「Dandolip sensei」だと思い込んでいるのだ。
「……俺は、生徒達が自力で俺の変装を見抜く時を待っているだけだ。俺から名乗り出ては、生徒達のためにならない」
「Randolph、名乗り出ない理由を後付けで言うのは見苦しいぞ」
出まかせを即座に否定されたRandolphはしばし押し黙った。
「……別に正体を黙ったままでも、支障はないだろう。Takkard・Alcrem DukeやHadros・Jahan Dukeが、俺の事をVandalieuに言わないのも、必要がないからに違いない」
Vandalieuと非公式な同盟関係にある両Dukeは、Randolphと面識がある。特に、Alcrem Dukeとは約一年前に会っているので、『Dandolip sensei』の顔を見ればその正体に気がつくはずだ。
「いやいや、支障や必要性の有無はともかく、Duke達は単に知らないか、自分からお前の事を言うのを避けているだけだろう。お前に配慮して」
しかし、Randolphの言い分には無理があった。両Dukeは、たしかにRandolphの顔や彼と連絡をつける方法も知っている。
しかし、Randolphが今何処にいるのか知っているか分からない。Hero Preparatory Schoolで働いている臨時講師のDandolipのnameも顔も知らなければ、Randolphと同一人物だと見抜く以前の問題だ。
もちろん、調べようと思えば調べられるだろう。Vandalieuについて調べていたJahan Dukeなら、気がついているかもしれない。
だが、気がついていたとしても、Duke達はRandolph自身が自分の事を吹聴されるのを嫌う事を知っているため、Vandalieuに対してはっきりと教えていない可能性がある。
「いや、俺に配慮していたとしても、必要があると思えば言うだろう。Orbaumの存続に関わる事態だぞ」
「そこまでは知らん。本人に聞け。だが、仄めかしてはいるのかもしれないぞ。Vandalieuに、『通っている学校のsenseiにも頼ってみたらどうか。たとえば、担任のDandolip senseiとか』と言ったかもしれない」
「だったら、気がついてもいいと思うが。……もしかして、あれは気がついていて俺から名乗るのを待っているのか?」
「そんな素振りはまったく感じなかったが……本当に気がついていないのだとしても、自分から言うべきだろう。
長年templeと関わらないようにしてきたお前としては、複雑だろうが」
Randolphはadventurerを引退しているため秘密主義だが、それ以上に無神論者……神やtempleに関わるべきではないと考えている男だ。彼は神に祈らないし、神の教義に従わない。それは『God of Law and Life』Aldaだろうと、Elfの母であるPeriaだろうと、そしてVidaだろうと同じだ。
だから、Vida Fundamentalismを掲げるVandalieuは本来なら距離を取りたい人物だ。
「別に神に祈っている連中を憎んでいる訳でも、嫌っているわけでもない。自分の祈る神の教義を守る事を他人に強制する輩は問題外だが、奴らがそうじゃないのは知っている。
ただ、後々面倒な事になると分かっているから、二の足を踏んでいるだけだ」
街の危機のためにRandolphが立ち上がったと人々に知られても、その場では何も起きないだろう。しかし、事態を収拾した後になれば、彼にとって面倒な事を言い始める者が出てくる。それも、Elective Kingdomで権力や財力を持つ者からだ。
『True』Randolphが、Vida Fundamentalismを掲げるVandalieu、つまりZakkart Honorary Earl 家についた。そう言いながら政治的に動くのだ。
Orbaumという大都市の危機、そしてElective Kingdom全体の危機になりかねない時に何を言っているのかと思うかもしれないが……Vandalieuが被害を小規模に抑えるほど、この予想は現実味を帯びてくる。
「政治の面倒さは私も知っている。しかし、秘密にしたままだと予想外のtimingでばれて、どうしようもなくなるかもしれないぞ。前もって少人数にだけ明かしておき、正体を隠すのに協力を得られるようにするべきだろう」
「はぁ……たしかに、お前の言う通りだ。だが、Vandalieuに正体を明かす前に、筋を通したい。偽って教えを受けた事を、senseiに詫びてくる」
「あー、あの、Kanako senseiか。Jahan Duke 家やAlcrem Duke 家、後Tamer guildがtheaterを造っており、そのtheaterのこけら落としで公演する予定の。
Randolph、もしかしてとは思うが、そのKanako senseiに惚れているのか?」
「そんな訳がないだろう。俺に娘がいるとしたら、Kanako senseiはその娘より年下だぞ」
ElfであるRandolphとMeorilith、Dark Elf(という事になっている)のKanakoのageはappearanceからは分かり難い。しかし、ElfやDark Elf同士だと何となくconjectureできる。
Randolphの感覚では、Kanakoは遥か年下という認識で、尊敬はしているが異性としては認識できないのだった。……実際には祖父と孫でもおかしくない程ageが離れているのだが。
「そうか。変な事を聞いたな」
「いや、自分でも入れ込んでいる自覚はある。誤解させてすまなかったな。では……次の講義があるから、失礼する」
そう言いながら退室するRandolphの背に、Meorilithは声をかけた。
「もしかすると、KanakoというDark Elfは【Guider】かもしれないな。なら、お前が入れ込むのも分かる気がする」
「musicのGuiderか。もしそうなら、全力で力を貸すのもいいかもしれないな」
その頃、そのKanako senseiはTamer guildが所有する市街地の倉庫、その倉庫の地下に作られたという事になっている、『theater』にいた。
「朝の内にだいたい作ったと言っていましたけど、本当にだいたいしか作ってないですねぇ」
広大だが何もなく、ガランとしたspaceにKanakoの声が響く。
「まあ、だいたい作れるだけで充分すごいですけど。地面を一から掘って作るよりはだいぶ早くなりそうですし。でも、内装を整えないといけないので、こけら落としができるのは、VanとPauvina -chanが卒業する頃になりそうですね」
「本当に公演するつもりなのか?」
Kanakoの言葉に、Tamer guildのMaster、Orlockは驚いて聞き返した。彼のTamed MonsterであるCrystal Elderベア……体からCrystal状のcrystalをはやした白熊も驚いたようにビクッとしている。
「theaterというのは、いざという時のShelterを作るための名目だと思っておったが……」
Randolph達のように、Rokudou Hijiriについて教えられたOrlockは、Rokudou Hijiriが集めた【Demon King Fragment】がrunawayするなどして大規模な被害が出る場合に備えて、Shelterを作る事に協力する事を約束した。
現時点でTelkatanis Prime Ministerが今後もRokudouと接触するかは謎だが、Prime Ministerに察知されるのは都合が悪い。だからShelterという本来の目的を隠すために、theaterを作ると発表したのだと思っていた。
これまでも「人々のTamed Monsterに対する理解を深めるため、Tamed Monsterに芸をさせるtheaterや見世物小屋を運営してはどうか」という意見は度々出ていた。
だいたいは予算不足とcivil official達との折衝、そして「Tamed Monsterはpartnerだ。partnerを見世物にするなんてとんでもない!」という反対派の意見と、実際に建てた後運営を続けられるのか疑問視したOrlock自身の意見で立ち消えてきた。Tamer達の数は少なく、Tamed Monsterに対する理解を深めるという目的を考えればただの犬や猿、鳥ではなくmonstersのTamed Monsterを使う事が求められた。そして、Tamer達は個人単位の商売ならともかく、見世物小屋やtheaterを運営できる程の知識とKnowkowを持つ者がいなかったからだ。
だからOrlockも、本気でtheaterを運営するつもりはなかった。
「もちろん公演しますよ。もったいないですし」
「正気か!? ここはDungeonだぞ!?」
そう、ここはVandalieuが作り上げたDungeonだ。【Golem Creation】で地面をくり抜いて作った地下施設ではなく、倉庫の一角に【Labyrinth Creation】で入り口を作った迷宮なのである。
通常の工事を行ってShelterを作るのでは、工期の問題でとても間に合わない。それに、避難しなければならない脅威は自然災害ではなく、Rokudou Hijiriだ。『Origin』の時のようにShockwave of Deathを放ったら、どんなに堅牢な建造物でも防げない。
だが、DungeonならVandalieuがいれば約一時間で作れる。広さは必要だが、難易度は低く抑え、monstersの出現する場所と発生率を操作し、さらに人を襲わないよう命令して安全な階層を確保する事ができる。
しかも、外部で起きた事から遮断される。外で地形が変わるような大爆発が起きようが、山を割るような斬撃が乱舞しようが、体長百meterのTrue giantや龍が乱闘しようが、ビクともしない。
Rokudou Hijiriが【Demon King Fragment】を何らかの方法で使いこなす等した場合は、Dungeonにも何らかのimpactを及ぼせるかもしれない。しかし、それでも地上のどこよりも安全だ。
そのため、Vandalieuはtheater型のDungeonを創ったのである。
……事が終わった後もrunawayしないよう管理し続ける必要はあるが、難易度はEClassなので難しくはない。Orlockや他のguild所属のTamerのTamed Monsterを交代で配置すれば、十分間引くことができる。
もちろんばれたら問題視する輩は出てくるだろうが、Orlockはその場合Guild Masterである自分が責任を取るという形で引退し、事を収められるようにしようと思っていた。
しかし、本当にtheaterとして運営する事になるとは考えていなかったのだ。
「もちろん、あたしは正気です。あ、でも法律的な諸々の条件を記した契約書はまだなので、交渉は可能ですよ」
「いや、そういった事を言いたいのではなくて……」
「そうですねぇ、たしかに出入口が一つしかないのが不便ですね。お客-sanも、大道具や舞台装置も同じ出入口を使わないといけませんから。特に、裏口がないのが辛いですね」
「いやいや、機能的な問題点があると言いたいわけでもないのだが」
「ああ、安全性の事なら今更ですよ。問題があるなら、Shelterとして使えないじゃないですか」
「たしかにそれはそうだが、非常時に短期間だけ使うのと、theaterとして使い続けるのとは違うじゃろう!? それに、長期間運営し続けたらDungeonである事がばれてしまう!」
「安全性に関しては、こうして一緒に確認しているじゃないですか。Dungeonである事がばれる事に関しては……そんなに気にしないでいいと思いますよ」
OrlockがDungeonをShelterにするとVandalieuから聞かされた時……そもそもDungeonを創る事ができるという事自体信じ難かったが……条件を出した。それが安全性の確認である。
そのため、彼はこうしてKanakoと共に-sama子を見に来ているのだ。念のために、自身のTamed Monsterの中で現在もっとも戦闘に長けた、Rank6のCrystal Elderベアを連れて。
Kanakoに指摘されて冷静になり、その事を思い出したOrlockは「むっ、たしかに」と納得した。
「安全性については納得したが、ばれても気にしなくていいというのは?」
「この件がどう収束するかについてはまだ決まっていませんが、どんな形になってもTelkatanis Prime Ministerは失脚するからです。
Prime MinisterはAlda templeと太いpipeを持っていますから……」
「なるほど。Prime Ministerと同じElected King領のNoble達やAlda templeの発言力も落ち、代わりにChurch of Vidaの、そしていち早く事態に対応したAlcrem DukeやJahan Dukeの発言力が増す訳か」
そうなると、Dungeonを町中に作りそれを利用した事を問題視する声を封殺するのはたやすいという事だ。
「今回の件は、引退する良いきっかけになると思ったのだが……しばらくは現役続行か」
真意はともかく表向きには、「theaterを開く!」と言った直後に健康上の問題もなくこけら落としも終わっていないのに引退するのは、無責任が過ぎるだろう。
「VCreamって要ります?」
「あの毛生え薬か。儂はハゲではないが……また融通してもらおうかの」
その数日後、準備は整っていた。
城の、あらゆる隠しroomや隠し通路まで書き込まれた見取り図の制作も終わり、十分な数の霊、Demon King Familiar、そしてImp Mouseも揃った。Staff of the Five Sinsも持っている。
そして、関係者への連絡も終わっている。
《選択可能Job 【Fallen Musha】 【Insect Nin】 【Eclipse Cursecaster】 【Creator】 【Tartarus】 【Aramitama】 【Hell Battery Cannoneer】 【Soul Fighter】 【Hell Beast User】 【Hollow Shadow Warrior】 【Balor】 【Abaddon】 【Demogorgon】 【Soul Eater】 【God Eater】 【Nergal】 【Rakshasa King】 【Shaitan】 【Chiyou】 【Ouroboros】 【Rudra】 【Blood Ruler】 【Demonic Lightning Warrior】 【Yin Guider】 【Juggernaut】 【Hell World God Mage】 【Crazy Muscle Artist】 【Apep】 【Azathoth】 【Taotie】 【Guidance Master】 【Change Guider】 【Spirit Guider】 【Hollow Boundary God Mage】(NEW!) 【Divine Spirit Therapist】(NEW!) 【Pandemonium】(NEW!) 【Hell Demon King】(NEW!)》
「【Hell World God Mage】を選択」
新しく出現した【Hell Demon King】Jobから目をそらしながら、分かりやすく強くなれそうなJobを選択。
《【Hell World God Magic】、【Magic Thread Refining】、【Precise Mana Control】skillのlevelが上がりました!》
・Name: Vandalieu Ark Hillwillow Solder Zakkart
・Race: Dhampir(Mother: Goddess)
・Age: 13age
・Title: 【Ghoul Emperor】 【Eclipse Emperor】 【Guardian of the Cultivation Villages】 【Vida's Miko】 【Scaled Emperor】 【Tentacle Emperor】 【Champion】 【Great Demon King】 【Oni Emperor】 【Trial Conqueror】 【Transgressor】 【Black Blood Emperor】 【Dragon God Emperor】 【King of the Stalls】 【Genius Tamer】 【True Ruler of the Red-Light District】 【Patron Saint of Transforming Equipment】 【Goddess Liberator】 【Giant Emperor】
・Job: Hell World God Mage
・Level: 3
・Job History: Death-Attribute Mage Golem Transmuter Undead Tamer Soul Breaker Venom Fist User Insect User Tree Caster Demon Guider Archenemy Zombie Maker Golem Creator Corpse Demon Commander Demon King User Nether Guider Labyrinth Creator Creation Guider Hell Healer Disease Demon Magic Cannoneer Spirit Warrior Fragment Bestower Dream Guider Demon King Demiurge Whip Tongue Calamity Divine Enemy Dead Spirit Mage String User Great Demon King Vengeful Berserker Destruction Guider Hell King Mage Pale Rider Chaos Guider Divine Guider God Destroyer Hollow King Mage Divine Spirit Mage Dungeon Master Qliphoth Demon Ruler Spirit Tuner Magic Wand Creator Artisan: Transformation Equipment
・Ability Values
・Vitality: 928,349+(64,983) (13,382UP!)
・Mana: 16,165,047,521+(16,165,047,521) (269,236,276UP!)
・Strength: 90,341+(2,257) (6,104UP!)
・Agility :83,544+(2,088) (4,459UP!)
・Endurance :95,696+(2,392) (6,554UP!)
・Intelligence :122,815+(3,070) (7,655UP!)
・Passive skills
Super Strength:2Lv
Super Rapid Regeneration:8Lv
Hell World God Magic:6Lv(UP!)
Status Effect Immunity
Magic Resistance:10Lv
Dark Vision
Manas-Vijnana Enticement
Chant Revocation:10Lv
Guidance:Manas-Vijnana
Constant Mana Recovery:10Lv(UP!)
Mass Strengthen Adherents:10Lv(UP!)
Deadly Venom Secretion:(Fangs, Claws, Tongue):9Lv
Infinite Body Expansion and Contraction:tongue
Strengthened Attack Power Unarmed : Large
Body Part Enhanced (1)(Hair, Claws, Tongue, Fangs):2Lv
Magic Thread Refining:4Lv(UP!)
Mana Enlargement:10Lv
Mana Recovery Rate Increase:10Lv
Strengthened Attack Power while Firing Magic Cannon : Large
Augmented Vitality:7Lv(UP!)
Ability Values Augmented (2):Reign:2Lv(UP!)
Strengthened Attribute Values: Target of Faith:10Lv
Strengthened Attribute Values: Vidal Empire:5Lv
Self-Regeneration: Cannibalism:4Lv
Augmented Attribute Values: Cannibalism:4Lv
Increased Attack Power Materialized Soul : Small
Murder Healing:7Lv
Self-Reinforcement: Murder:7Lv
Increased Magical Power while equipped with a staff: Large
All Ability Values Augmented (2) : Small(All Ability Values Enhanced (1) awakened into!)
・Active skills
Bloodrule:6Lv(UP!)
-Transcend Limits-:10Lv
Golem Creation:9Lv
Hollow Boundary God Magic:1Lv
Precise Mana Control:6Lv(UP!)
Therapy:1Lv
God Alchemy:4Lv(UP!)
Soul Breaking Arts:8Lv
Simultaneous Multi-cast:8Lv
Surgery:10Lv(UP!)
Realization:7Lv(UP!)
Group Coordination:5Lv(UP!)
Super High-speed Thought Processing:7Lv
General Commanding:4Lv(UP!)
Thread-reeling:10Lv(UP!)
Grudge Throw Arts:2Lv
Scream:9Lv
Divine Spirit Magic:6Lv
Demon King Artillery Technique:8Lv
Group Shadow Binding Technique:9Lv(UP!)
Fragment Trascend Limits:4Lv
Spirit Tuning:4Lv(UP!)
Whip Technique:4Lv
Spirit Form Transformation: Thunder
Staff Technique:4Lv
High-Speed Flight:3Lv
Musical Instrument Performance:4Lv
Dancing:2Lv
Muscle Technique:4Lv
Magic Fighting Technique:3Lv
・Unique skill
God Devourer:10Lv
Soul of Multiple Different Appearances
Mind Encroachment:10Lv(UP!)
Labyrinth Creation:8Lv(UP!)
Great Demon King
Root
Divine Enemy
Soul Devour:10Lv
Vida’s Divine Protection
Gods of Earth's Divine Protection
Group Thought Processing:9Lv
Zantark’s Divine Protection
Group Manipulation:9Lv
Soul Form:5Lv
Demon King's Demon Eye
God of Origin
Ricklent’s Divine Protection
Zuruwarn’s Divine Protection
Perfect Recording
Surpass Limits Soul:5Lv
Mutagenesis
Demon King's Body
Demi-God
Botin’s Divine Protection
Peria’s Divine Protection
Body World
・Curse
Experience gained in previous life not carried over
Cannot learn existing jobs
Unable to gain experience independently
そしてJob changeも終わった。
Amelia達元Psychiatric clinicの患者達や、Absorptionした暗殺organizationのmemberの一部の治療で、【Spirit Tuner】Jobがmaxed。そして次に選んだ【Magic Wand Creator】と【Artisan: Transformation Equipment】は、完成まで時間がかかっていた『Giant of the Moon』Dianaや、ElizabethやMact senpai達のTransformation Equipmentを完成させたら、次々にmaxedした。
「では、Job changeも終わった事ですし……Rokudou捜索tacticsを開始します」
集まった霊とImp MouseがJob changeを終えて現れたVandalieuの号令を受け、群れを成してElected King城内部へ飛び出した。
――――――――――――――――――――――――
〇Job解説:Spirit Tuner
対象のSpirit Formを整える(変形させる)Job。自身のSpirit Formで対象のSpirit Formの形を変え、対象自身が操作できるようにすることができる。
無機物でできた義肢にSpirit Formを宿して自身の一部のように操れるようになり、Spirit FormのままBodyから出して第三の腕や足のように使う事ができるようになる可能性が高い。
Vandalieu以外がこのJobに就く事は難しいが、Vandalieuから上記の治療を受けた者がSpirit Formの操作技術をさらに高め、他者に施術ができるようになればこのJobに就く事ができるかもしれない。
〇Job解説:Magic Wand Creator
Magic Staff、つまりTransformation Equipmentを作り出す職人を表すJob。
〇Job解説:Artisan: Transformation Equipment
Transformation Equipmentを制作する技術が、Artisanの域にまで至っている事を現すJob。人の形から大きく逸脱した対象……例えば体長約百meterのTrue giant用Transformation Equipmentも作る事ができる。