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Side Chapter 62: 元EmperorGeneralGodsも悩みは尽きません

 彼は今、試練を課せられている。それも、今まで経験した事のない試練を。

 彼は高貴な身分に生まれ、経済的に困窮した経験は普通の意味ではなく、本物の飢えを覚えた事は一度もない。衣食住という面では、恵まれた人生を歩んできた。


 しかし、彼……前Amid Empire Emperor Mashkzar Von Bellwood Amidの人生は試練の連続であった。

 Emperorとなる前はbrothersとのSuccessor争い。自身の身を守りながら、allyを増やし、achievementをあげ実績を積むことで自身がEmperorに相応しい事をappealし続けた。

 そしてEmperorとなった後は、国運営と敵国であるOrbaum Elective Kingdomとの戦争が試練として彼に降りかかった。


 四つの属国を抱えるAmid Empireは、経済的にも軍事的にも恵まれた国だがそれだけに属国との主従関係を常に維持しなければならなかったし、Empireの国庫も無尽蔵という訳ではない。

 戦争に悪天候、主要都市近郊でのDungeonrunaway同時期に起こった時、国庫が空になる勢いで対応しなければならなかった。あれは厳しい試練だった。


 歴史書には記されていないが、Mashkzarが即位してからは反乱を企てるNobleや彼の暗殺を企てる身内に対処する必要があった。

 そしてEvil God (M)派のVampire organizationとの暗闘や、『Thunderclap』のSchneider率いる『Storm of Tyranny』との駆け引きは、権力闘争や派閥争いとはまた危険の種類が異なった。こちらはmissをすれば、物理的に首が飛びかねない。


 だから、毎日が試練の連続だったと言えるだろう。


 もちろん、生き延びるために毎日必死にならなければならない貧民も常に試練を課されていると言えるし、それに比べれば色々な意味で恵まれている事はMashkzarも自覚している。

 だが、それはそれ、これはこれだ。EmperorにはEmperorの、貧民には貧民の役目と勤めがあり、乗り越えなければならない試練がある。比べてはならない。


 重要なのは、Mashkzarは今まで-sama々な試練を乗り越えてきたという事だ。最終的には新Popeに即位したEileekによって帝位を追われたが。

「ふむ……壮観だな」

 その彼をもってしても、乗り越えられるか分からない試練が目の前に並んでいた。


 大量の木材に、同じく大量の石材。一般的な住宅に使われる普通の材料から、Nobleでも調達するのが難しい高Class建材まで揃っている。

 それにやはり大量の砂に、砂利。-sama々な大きさの釘や金具、そして-sama々な道具類。


「これほどの建材と道具があれば、我がEmpireの城塞はもちろん城でさえも再現する事が……いや、それを超える規模の物を建造する事ができるだろう。……職人さえいればだが」

 しかし、致命的な問題がある。それらを使うのはMashkzar、ただ一人である事だ。


 当然だが、彼はCarpentryでもなければ職人でもない。彼の治世では公共事業として-sama々なEngineering工事や治水工事、さらには砦や城の建設、都市開発計画が行われたが、彼自身が工事を行ったわけではない。


「これだけの物を用意してもらって恐縮だが……本当に私一人で、私自身を監禁するための施設を建てろと?」

「はい」

 Mashkzarが振り返って自分をここに連れてきた人物……Vandalieuに尋ねると、彼は最低限の言葉で答えた。


 Amid Empireの某所に幽閉されていたMashkzarは、Schneiderによって拉致され、そして彼の元で監禁生活を暫く続けた後、Vandalieuに引き渡された。

 Mashkzarは、正直に言えばVandalieuに引き渡される事を期待していた。殺される事は覚悟しているが、即座にという事はないだろうと考えていたし、たとえそうなったとしても今まで謎に包まれていた彼の勢力圏がどうなっているのか、少しでも見る事ができるかもしれないと好奇心を覚えていたからだ。


 対抗するためにAldaが……神が動くほどの存在が支配する場所とは、どんな所なのかと。


 そして目隠しから解放された彼が見たのは、地平線の向こうまで広がる一面の荒野。そして大量の建材だった。

 自分以外の人どころか、生き物が背後に佇んでいるVandalieu以外存在しない。そして、Vandalieuが述べたのは、「この建材と道具を使って、あなたが暮らす場所を作ってください。欲しいものがあれば、言ってみてください。場合によっては出します」という、雑な説明だけだった。


「……まさか、自分で自分を監禁するための施設を建てろとは」

 自分が置かれた信じがたい状況に、思わず独り言を述べるMashkzar。見張りの一人もいないこの状況なら、普通の虜囚なら逃亡を企てるだろう。

 しかしMashkzarはそれを考えなかった。


(彼は、私が逃亡を企てる可能性を当然考えているはずだ。なら、ここは私が何をどうしても逃げる事ができない場所という事なのだろう)

 Mashkzarも嗜みとして武術やmagicの心得はある。しかし、今は短剣の一本も持っていない。それに、逃げ出した先で嗜み程度ではどうしようもない強力なmonstersと遭遇しないとも限らない。


(そもそも、ここは何処……いや、本当に外なのか?)

 空を見上げれば、薄い靄のような雲の向こうにpink色の……脈打っている肉の壁のようなものが見える。幻覚でなければ、ここは通常のspaceではないという事だろう。


(だとするとどこかのDungeonの内部か、何らかのmagic itemによって隔離されたspaceか。私が多少抵抗したところで、脱出不能な場所に違いない)

 MashkzarもさすがにここがVandalieuの【Body World】の一つだとは思わなかったが、脱出不能である事は正解だった。


(なら、脱出は諦めるか)

 そして、Mashkzarはあっさりと脱出を諦めた。脱出したところでどうにかなるものではないし、帝位に返り咲くのも『God of Law and LifeAldaが干渉し続けてくる間は難しい。

 なら、脱出する意味は薄い。


「食事は貰えるのかね?」

「はい。毎日三食、Cookingしたものを出します。俺の国のCookingですが」

「ほう、それは楽しみだ。requestは可能かな?」


 食事は提供されると聞いたことで、ますます無理をして脱出する意味が薄くなった。

「……聞きはしましょう。応えるとは限りませんが」

「なるほど。では、まずは当座の寝床を作るとしようか」

 そう言いながら、Mashkzarは並んでいる建材の端に置かれたテントを目ざとく見つけ、それを組み立て始めた。


 Mashkzarには直接治水やEngineeringArchitecture工事を行う技術と経験はない。しかし、それらの計画を立てる知識はあり、ある程度のmagicも使える。なら、掘っ立て小屋より多少マシ程度の物になるだろうが、生活に耐えられる建物を建てる事も可能だろう。ここにはmonstersはもちろん熊や狼もいないようだから、防衛に関しては考えなくてよいだろうし。

 そうMashkzarは楽観的に考えていた。


(興味深い訳でもないけれど、そこまで憎い訳でもなく、どうなってもいいような気がしますが、Schneiderから預かった以上放置も出来ないし、油断すると危険な気がする。しかも、こうして見ていても仲良くできる気が全くしない。……うーん、微妙な存在ですね)

 それを眺める【Body World】のVandalieuは、Mashkzarに対して何とも言えないemotionsを向けていた。


 VandalieuMashkzarに向けるemotionsは、基本的にはSchneiderに拉致されて床に転がされていた彼を見せられた時と何も変わらない。

 だが、こうして動いているところを見ていると感覚としてなんとなくわかる。


 Mashkzarは、VandalieuGuidingことができない人物だという事が。

 彼をGuidingには毒を以てMentalを壊し、洗脳しながらMentalを再構築させ別人に仕立てるしかないだろう。そんな気がするのだ。


(つまり、ウマが合わない。thrust合せずにはいられない、というほどではないですが適度な距離を常に取りたい人物、という気がします。

 Alexに言った言葉で例えると……俺が手を貸したら、Mashkzarは俺の力を借りて利用するけれど、それだけ。そんな感じですね)


 そう思うが、それはそれで構わないともVandalieuは思った。originally Mashkzarと仲良くなりたいわけではない。寧ろ、その方がいざという時切り捨てられるし、自分の手で殺す事も躊躇わないだろう。

「あ、そう言えば食器や日用品を揃えるのを忘れていましたね」

 衣類に関してはSchneiderから身柄と一緒に預かっていたが、日用品については忘れていた事を思い出したVandalieuは、早速【Golem Creationskillで食器を作り始めた。




 罪とは人の性であり、犯罪はどこでも起こる。それはVidal Magic Empireでも例外ではない。

 防犯cameraの役目を果たすGolemBlind Spotを縫うように通り、顔を仮面で隠した者達がTalosheimの郊外にある倉庫に集まっていた。


「では、集めたブツを披露してもらおうじゃないか」

『慌てるな。この集会がばれたら、全てがご破算だぞ』

「そうね。まずは……お供え物を捧げ、霊を口止めしましょう」


 仮面で顔を隠した-sama々なraceの者達が、簡易的な祭壇を組み、その上で香を焚き、菓子や酒を供える。そして彼らは厳かな雰囲気で一礼し、それぞれの神への祈りの言葉や聖典の一節を唱えた。

 こうする事で周囲を漂う霊達に賄賂を贈り、口止めしているのだ。


 Barrierを張って霊の出入りを完全にシャットアウトする方法もあるが、それはこのTalosheimだと逆に目立ってしまうので後ろ暗い事をするには逆効果だ。Golemはともかく、治安を守っているUndead達にはBarrierが何となく感じられてしまうので、「中で霊に見せられない事をやってますよ!」と叫んでいるようなものである。

 そのため、今では穏便に黙ってもらうやり方が主流になっている。


「なあ、そろそろいいだろ。早くブツを見せてくれ!」

「私はもう三日前からご無沙汰なの! もう耐えられないわ!」

『分かったよ。これが今取り扱っているブツだ』

 そうして仮面で顔を隠した男がカバンを開いて、中身を見せた。


 そこには袋に詰められた麻薬……ではなく、glass瓶に入れられた赤黒い液体に、黒い棒状の物、束にして纏められた毛に、小さな陶器製の瓶が並んでいた。


「おおっ! これはVandalieu -samabloodbone、毛髪やfur、それにこの瓶の中身は……!」

blubbereyeballまであるわっ! ああ、なんてこと……! こんなものを何処でどうやって手に入れたの!?」

『独自のルートを使ったのさ』


 彼らは麻薬の売人とその客ではなく、Vandalieu addictsVandalieuの一部を売るディーラーだった。

 Vidal Magic Empireにおいては周知の事実だが、Vandalieubloodblubber等はBlood potionやVCreamの材料に使われている。そして、選ばれた(と一部では考えられている)信心深い者はより高次の存在へ昇華(と一部では評されているが、実際は変異)する事が出来る。


 そのため、一部の者達はBlood potionやVCream、V石鹸などのVandalieuを素材にした商品を過剰に求めるようになった。そして、ついには加工品ではなく原材料を直接求めるようになったのである。

 Vandalieu過激派の登場である。なお、彼らの何が過激なのかというと、Vandalieuに対して過激なので過激派と呼ばれている。


 彼らは別に過激な抗議活動やテロなどは起こさないが、Vidal Magic Empireの法で禁止されている加工される前のVandalieuの一部を非合法に手に入れるために、こうして裏取引を度々行っている。


『とはいっても、何も特別な事はしていない。Manaが切れたDemon King Familiarから失敬している』

Demon King Familiarから? しかしDemon King Familiarが機能を停止する瞬間に居合わせるなんて……」

 Vidal Magic Empireでは-sama々な分野で活躍しているDemon King Familiar……つまり、VandalieuCloneだ。Demon King FamiliarManaが切れると機能を停止し、動かなくなる。しかしVandalieuManaは莫大であるため、Demon King Familiarの中には年単位で動く個体も少なくない。


 それに、appearanceからどれくらいでManaが切れるのか判別する事はできない。動かなくなったDemon King Familiarは、素早く回収して適切な処置をしなければ崩れて塵になってしまうのだ。

 そのため、機能を停止したDemon King Familiarから素材を回収するのは余程のFortuneに恵まれなければ難しい。

 それなのに目の前にいるディーラーがこれほどの品揃えを実現できたのは、信じがたい事だ。


Explorer達にコネがあってね。Dungeonでの戦いでManaを消費して動かなくなったDemon King Familiarの素材も、こっそり持ち帰ってもらっているのさ。

 それより、要らないのか? なら、他の客を探すだけだが?』


「いらないならどいてっ! あたしが選ぶんだから!」

「ま、待てっ! いらないとは言っていないじゃないか!」

 警戒する者もいたが、addictsreasonは脆い。少しでも多く手に入れようとする同類に押し出されまいと、手を伸ばす。


 そしてVandalieu addictsが全員素材を手に入れた頃、不意にディーラーが手を上げた。

『全員手を出したな? もういいぞ』

 その言葉を合図に、閉まっていた倉庫の扉を破って黒い鎧とマントを纏った集団がなだれ込んでくる。


Dark Night Knightsだ! 全員大人しく投降しろ!』

Knight団っ!? 何故こんなところに!? どこから情報が漏れたんだ!?」

「あなた、まさかグルだったのっ!?」


 addictsの一人に糾弾されたディーラーの男の顔が不気味にずれる。男の背中が割けたかと思うと、中からまるで蛹から蝶がgrown wingsするようにDemonが真の姿を現した。

『そうとも、文字通り化けの皮を被っていたのさ』

「潜入捜査か……!」

 男は悔しそうに顔を歪めると、手にしていた素材を大人しく手放……さずに、急いで口に運ぶ。


『大人しく投降しろと言っているだろう!?』

「素材を手放せとは言わなかったじゃないか!」

「どうせ取り上げられるなら、最後に一口っ! ああ、堪らないぃぃっ!」

 bloodを飲む者、furの香りを嗅ぐ者、脂をscaleに塗りつける者、eyeballを丸のみにする者、そうしたaddictsを取り押さえるDark Night Knights員に、その-sama子を見てゲラゲラ笑うDemon


 中には逃げ出そうとする者もいるが……。

『おっとぉ、ここは通行止めだぜ』

 倉庫の裏口で見張っていたGiant race Zombie ninjaZranによって阻まれ、拘束される。


『さあ、キリキリ歩け! 大人しく投降したものは三か月の奉仕活動と反省文の提出をしてもらうぞ!』

『抵抗した者は九か月だ! それと全員カウンセリングを受けてもらう!』

「当然だが、その間Vandalieu -samaは抜きだ!」


「そ、そんなっ! それだけは、それだけは許してくれ!」

「いやぁっ! 何か月もVandalieu -sama抜きだなんて耐えられない!」

 screechをあげるaddictsたちが、Dark Night KnightsVampireVampire Zombieに引っ立てられていき、潜入捜査による捕り物は無事成功したのだった。




 報告書に目を通したVidal Magic EmpireGeneralPrime MinisterであるChezareは、自身の執務室でどうしたものかと首を傾げていた。

Vandalieu addiction問題、これはどうすれば解決するのだろうか? どう思う、Kurt?』

「……放置してもいいんじゃないか? 軽犯罪扱いだし」

 問われたChezareの弟、副GeneralKurtは苦笑いをしながら答えた。


「麻薬addictionのように他の犯罪を誘発するわけでもないし、addictionになった奴らも陛下に関する事以外は割と普通だし……短ければ数か月で治るし。

 ガキの非行みたいなもんで、無理に抑え込まない方が良いかもしれないぞ」


 Kurtが言った言葉は、Vidal Magic Empire民の大多数がVandalieu addictsに向けるemotionsと同じだった。addictsは、今のところは他の犯罪に手を染めないし、Human関係でtroubleを頻発させる事もない。まあ、Blood potion等を買いFishingるので金は使うが……そもそもVandalieuの一部を使った加工品はMagic Empire内でも正規の取引では手に入れられないので、経済的に追い詰められるほど金の使いどころがない。


 もし高利で金を貸す闇金と、ディーラーが組んでいれば状況も変わっただろうが……Magic Empireでは金融業は政府の公的な機関以外は禁止されている。

 なので、無理に取り締まるより今の体制のまま取り締まり続ける方が良いのではないか。そう考える者が多いのだ。


「それでも解決したいなら、格安で陛下のbloodを販売するか、いっそ全Magic Empire民に一体ずつDemon King Familiarを支給するか?」

Kurtよ、それで解決する見込みが少ない事はお前も分かっているだろう?』

 Vandalieu addictsは、Vandalieuの素材を十分摂取できる環境にあれば治る……という訳でもない。

 addictsはどれだけVandalieuの素材を口にしても、満足しないのだ。次から次に求め続ける。まさしくaddictionである。


 Kurtの言うようにVandalieubloodを無制限に、そして潤沢に販売しても、Demon King Familiarを支給しても、addictsaddictsのままだというのが、研究機関の出した結論である。


「まあな。それに、addictsUndeadmonsters以外、主にHumanElfDwarfが多い。ついで、Beast raceGiant race等のRankを持たないVida's New Races。ただし、Hell raceHell Beast raceDvärgensChaos Elfなどに変異した者は除く。

 ……全Magic Empire民をUndeadにするか、変異させないと解決しないんじゃないか?」


Undeadにするのは不可能だな。陛下が許すわけがない』

 Vandalieu addicts達も、Vidal Magic Empireの支配者であるVandalieuの愛する民である事に変わりはない。彼等の話題になると遠くを見つめたり、心の癒しを求めて会議室にmachoを呼ぼうとしたり、モフモフした毛並みの人か生き物を【Body World】から出すか、自分がモフモフした生き物っぽく変形する等奇行がより顕著になるが。


「じゃあ、もういっそ変異させるか?」

「残念だが、それは難しいと思われる」

 そう言いながらChezareの執務室に入ってきたのは、Cuoco Ragdew……元Amid EmpireBaronで、食道楽で知られた伊達男である。


『……随分と長いランチだったようだね』

「うむ、ちょっと陛下の手Cookingを試食してね。……有害な成分は全て消されていたが、念のために暫く休んでから仕事に戻るよう言われたのだよ」

『ほう? ああ、そう言えば夕方まで-kunを借りると陛下から連絡があったな。陛下の指示なら仕方がないか』


「ああ、それでついでにLucilianoの研究室によって、この研究結果をまとめた報告書を受け取ってきた。目を通してくれ」

 ChezareCuocoが手渡した報告書に目を通すと、『むぅ』と短く唸った。それからKurtも同じように目を通したが、彼も思わず唸る事になった。


「変異実験……Orbaumで生け捕りにした犯罪者に十日間以上陛下のblood以外何も与えなかったところ、変異せず。逮捕したaddictsに、陛下の素材を使用した食事のみを一か月以上与え続けても同-sama、か。

 犯罪者の場合はともかく、addictsは何故変異しないんだ?」


 Hell raceDvärgensなどへの変異は、Vandalieublood等の素材を摂取する事がきっかけになるが、まずVandalieuに導かれている事が必須条件となる。

 そのため、導かれていない者にどれだけVandalieubloodを飲ませても、変異はしない。同じように、Blood potionやVCreamを使わせても同-samaだ。


 しかしVandalieu addictsは全員既にVandalieuに導かれているはずだ。それが変異しないというのはおかしい。


「おそらく、Mental性に問題があるのだろうとLucilianoconjectureしていたよ。つまり、addictsは物質的な意味で陛下の素材を求めているのであって、崇拝や敬愛ではない事が原因だと考えられている、らしい」

Mental……目に見えない分難しい分野だ。霊ならいくらでも見えるのだが』

「兄上、それはUndeadだけだ。……専門がいれば楽なんだが、NuazaGiant Idol Statueの次は、観光用theme Parkに見せかけたGrand Temple計画に忙しそうだし、JeenaBorkus達とDungeon攻略中で、その後は陛下と合流予定」


「そもそも、その二人は心の専門なのかね?」

「宗教のはずなんだがなぁ、二人とも」

『陛下も心の専門とは、何か方向性が異なる気がする……とりあえず、カウンセリングを行う職員の育成に力を入れる事にしよう』


 Vandalieu addictsは、時間が過ぎると急にaddiction症状から立ち直る事が多い。そしてaddictionだった間の事を、黒歴史としてMemoryの片隅に封じて普通に生活するのだ。


 後日、Psychiatric clinicから転職したHoover医師が就任する事で、Vandalieu addictsの治療は劇的に改善したという。




 その頃、Vandalieu addicts問題に悩んでいるChezareと同じように、ある問題についてGodsは悩んでいた。

『いったいどうすれば良いのじゃ……このままでは我々の存在感が薄れてしまうのでは?』

『そんな事はないはずだ。我々が与えたblessingsは、狙い通りの効果をあげているではないか』

『だが、かの神に比べると……』

『たしかに埋没している気はするが……それは他と比べての話。隣人の妻は美人に見えると言うぞ?』

『それを言うなら、隣の芝生ではなかったか? 芝生が青く見える事の何が羨ましいのか、我には理解できないが』


 悩みを相談しているのは、Alda's FactionGods……ではなく、originallyanother worldからこのworldに訪れた異形のGodsも含めたVida's FactionGodsだった。

 彼らの関心事は、当然Vandalieuの事である。


『だが、さすがにこれ以上嫁を短期間に増やすのは難しいだろうと、結論が出たではないか。しばらくは、友人を増やそうと』

しかしOrbaum Elective Kingdomで増えたではないか。それにLioen、お前達龍は良いじゃないか、Tiamat -samafineプレーでblood縁までできて』

GaressYuumaが、それにKijin raceの始祖やMajin Raceの始祖も彼女の留学で世話をしたし、存在感を出している。羨ましい事よ』


 Ryuujin nationPatron Godの一柱である『Crystal Horned Dragon GodLioenや、Kijin nationPatron GodGod of WarriorsGaressは、そう言われて小さく呻く。

『やはり、SilvariOracleを出して娘の一人も嫁に出させるべきか?』

『でも、そういうのをVandalieuは嫌うのでは? 当人の気持ちの問題だろうし』

 Centaur nationPatron GodAldasealedされた『Horse Beast King』の子の生き残りであり、暫定的に『Horse Beast Evil Eye King』と名乗っているTrepamitに、Harpy nationPatron God、『Evil God of the Illusion SkyesMagGyazeleiが反対意見を述べる。


 『Horse Beast King』の子と『Evil God of Big Eyes』がFusionしたTrepamitと、MagGyazeleiは守護している国の王同士が夫婦であるため、近年は特に仲が良い。


『妾は、もうTiamat -samaに全力で乗っかろうかな。ほら、Tiamat -samaってlower bodyLamiaっぽいし。それにFidirgも蛇っぽいし』

『投げやりになるな、『Snake Evil God of Degenerate Temptation』。貴-samaが見ているのはTiamat -donotailだ。彼女には脚があるぞ。それにFidirgに乗っかるとは、情けなくないのか?』


『そうは言うけど、FidirgZozoganteは明らかに勝ち組でしょう?』

 Lamia nationPatron God、十万年前の戦いで『Snake Beast King』を倒してAbsorptionした結果、逆に半ば乗っ取られてしまったEvil God (P)、『Snake Evil God of Degenerate TemptationBogoarbozが、何処か投げやりな-sama子で口にした言葉に、Lioen達龍は大きく動揺した。


『むぅ、まあ、たしかに。それにDemon KingContinentの地下にいたPovazZorzaceiba達とも、levellingContinentの浄化事業で比較的多く会っているようだし……』

『いっそ、Tanatoを嫁に出そうかしら~。前にVandalieuにあった時、彼女の腰つき……というか腹筋とscaleの艶を褒めていたし』


『いや、腹筋はまだしもscaleの艶はそういった意図で褒めた訳ではないと思うぞ。いくらVandalieuとはいえ』

『それに、あのQueenもなかなかのageだろう? 娘が二桁以上いるじゃないか』

『でも、Vandalieuって年上趣味っぽくない?』


『たしかに、その傾向はあるな』

『単に、Vandalieu自身のageが若いからそう見えるだけでは? それにあのLegionPauvinaは、reincarnationする前の事を考えなければVandalieuより年下だぞ』


『そう言えばTristanはどうした? 奴のMerfolk nationからは嫁も主だった友人もいないのに、この場にいないのは何故だ?』

『奴はPeria -samarevivalしてから、そっちにかかりきりだ』


『では、新参の『Goddess of Rain CloudsBaciasは?』

『彼女はVandalieuを見るのに夢中だ。自身が守護する者達から嫁を出すより、自身が嫁になりたいと言い出しかねないぞ』

『……そう言えば、彼女がYorishiroを創っていると聞いた事が……』

『……いっそ妾もYorishiroでも作ろうかしら?』

『よせ、Bogoarboz。貴-samaは男神だろうが』


『神の性別なんて、都合によって変わるものよ。妾も、accurateには男神じゃないし。Vida -samaとの逢瀬に必要だったから男神になっただけだし。

 それに、今もVandalieuの背後にいるGufadgarnだって、Goddessじゃないでしょうに』

 なお、逢瀬はしたがBogoarbozLamiaの片親ではない。Lamiaの片親は『Evil God of Poisonous ScalesJubadiである。

『むう、そう言われると……』


『そう慌てる事はない。Vandalieuはこの先、数千年以上存在し続けるはずだ。慌てず行こうではないか』


 こうしてAlda's FactionGodsとは方向性が大きく異なるが、業の深いVida's FactionGodsの話し合いは続くのだった。



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