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Chapter 337: 夢に囚われた者と夢が現実になりそうな者

 Draze Rimsand Earlは、VandalieuAmelia Sauronが退院すると聞いて、激高した。

clinicの連中は何を考えている!? 対処したのではなかったのか!? それに雇った殺し屋共はどうした!?」

 怒鳴られても答えられないServantwine glassを投げつけて、Rimsand Earlは執務室から出ようと立ち上がった。


 こうなったら手段は選んでいられない。Sauron Duke 家mansionにいるVeedalSauronに協力を仰いででも何とかしなければならない。

 しかし、彼が自身の執務室から出ることはなかった。


「ごきげんよう、Rimsand Earl!」

 そんな声と共に扉が蹴破られたからだ。

「お嬢-sama、ノックもなしに扉を、それも蹴破るのはどうかと」

「そうね、次からは殴って破る事にするわ」


 現れたのは彼が後見人になっているElizabeth Sauronとその侍女であるMaheriaだった。

「え、Elizabethっ、貴-sama、何を考えている!? こんなことをしてただで済むと――」

 驚きから怒りへ表情を変化させながら怒鳴り続けるRimsand Earlに、Elizabethは近づくと拳を振りかぶった。


「ただで済まないのは、あんたよっ!」

 彼女の拳はRimsand Earlの顔面に命中し、そのまま振りぬいた。

「おぶべへぇっ!?」

 奇妙なscreechをあげながら、Rimsand Earlは壁に向かって回転し吹っ飛んでいった。彼の視界には、自身の折れた歯が宙を舞う光景が映っていた。


「国王陛下、いかがしました?」

 そしてはっと気がつくと、玉座の間だった。

「陛下、お疲れですか?」

 Prime Ministerがそう尋ねてくるのに、Rimsand Earlは戸惑った。ここはどこで、自分が何故国王陛下と呼ばれているのか、そして自分をそう呼ぶこいつは何者か、一瞬だが思い出せなかったからだ。


「ああ、すまんな、Prime Minister。どうやら夢を見ていたらしい」

 そうだ、VandalieuAmelia Sauronも、そしてElizabeth Sauronに殴られたのも、全て夢だ。

 Draze Rimsand Earlは革新的な政策や、戦争でのHero的行動と素晴らしい戦略でAmid Empireを全面降伏へ追い込み、そのachievement Bahn Gaia continent初の統一国の国王にまでのし上がったのだ。


 ここはRimsandKingdomの玉座の間で、今は執務の最中だった。

「ははは、執務中に居眠りとは陛下は大物であらせられます。しかし、こうも平和では仕方がないでしょう」

 Prime Ministerがそう言う通り、RimsandKingdomは順風満帆。民は飢えるどころか豊かな生活を送り、各領地を治めるNoble達も高いLoyalty心で彼に仕えている。


 天災もなくmonstersの討伐も優れたadventurerKnight達が行っていて、Devil Nestsは広がるどころか縮小傾向にある。

しかし陛下、娘を是非陛下の妾にしてほしいという各地のNoble達からの嘆願が届いております。これはどうにかしていただかなければ」

「これは後宮がこのRoyal Palaceよりも広くなるのも時間の問題ですな」


「そうだな、全く頭の痛い問題だ」

 はっはっはと笑い合い、国が平和で順風満帆である事を確認するためだけの執務を終えたDraze Rimsandは、後宮へ向かう。


「ようこそおいでくださいました、旦那-sama

 そこには Bahn Gaia continent中の美女やBishoujoが数えきれないほど集められている。まさにこの世の桃源郷だ。

「さあ、女たちよ、この大王の世継ぎを産む栄誉を与えてやろう」

 妾達が嬌声をあげながらDrazeに抱きついて行く。激しいnightnight明け近くまで続き――




「っ! ……ああ、どうやら寝てしまったようだな」

 しかしDrazenight明け近くまで起きている事が出来ず、途中で眠ってしまったらしい。

 夢を見ているDrazeは、ベッドから起き上がった。


しかし、これはなんて嫌な夢なんだ」

 Drazeの夢は、いつもfrom here始まる。平民が使うような簡素な寝台に、粗末な服を着たconditionで横になっている。

 roomの作りも簡素で、具は揃っているが大きな窓には鉄格子が嵌められている。


「起キタカ、食事ノ前ニroomヲ掃除シロ、どらっぜ・りーむ-sanど」

 しかも、このroomの扉は分厚い鋼鉄製で、外側からしか開かない覗き窓の向こうには、虚ろな表情の見張りしかいない。


 この夢では、大王であるはずのDrazeの身分は低く、見張りの指示に従わなければ食事にありつく事もできない。

 仕方なく、Drazeroomに備えられている掃除用具入れから箒と塵取りを取って、掃除を始める。

「食事ダ」

 そして出される食事も、質素なものだ。野菜に干し肉のsoupに、bread。それに水だけの食事だ。分厚い肉や魚も無ければ、果物やwineも無い。


 大王が口にしていい食事ではないが、夢に文句を言っても仕方がない。無心になって口に運ぶ。

 ふと窓の方を見ると、この建物の門に向かっていく四人の人shadowが見えた。後ろ姿からconjectureすると、大人のfemaleが一人とchildが三人のようだ。


 そのchildの一人が金色の髪を左右に分けて纏めている事に気がついた瞬間、Draze Rimsandの胸に激しいemotionsが渦巻いた。

 自分がもう少しで手に入れられたものを横取りされたような、Lost感と悔しさと怒りが混ざり合ったようなemotionsだ。


 しかしDrazeには何もできない。彼女達が門の外に停まっている迎えの馬車に乗り込むのを、窓から見送る事しかできない。

「……ああ、早く夢から覚めないだろうか」

 早く現実に戻りたいと思いながら、EarlではなくなったDrazeは食器を片付けた。




 Ameliaが退院する姿が見えるよう、態々作った窓からDraze RimsandEarlがこちらを見ているのを意識しながら、VandalieuElizabethMaheriaに問いかけた。

「任せられたので張り切って仕込みましたが、期待に応えられましたか?」


「……ええ、十分だわ。ありがとう、Vandalieu

 Elizabethは母であるAmeliaMentalDiseaseんだ原因が、後見人のはずのRimsand EarlDirectorに依頼してMentalimpactを与える薬を飲ませ続けていたからだと知らされた。

 Earlが自分の体を狙っていたことは知っていたし、それを拒絶したらmansionの離れという名目の小屋に押し込まれ、経済的に苦しい生活を一年以上強いられた。それだけではなく母に一服盛っていたとは、許し難かった。


 しかしElizabethの力だけでは後ろ盾であるEarlに仕返しするのは難しかった。それこそSauron Duke 家の末Imoutoの立場を捨てて、平民になる事を覚悟しなければならない。

 だが、今のElizabethには頼りになりすぎるconnectionがある。


 それでまず、Elizabethの直接の後ろ盾をRimsand Earl 家から、Zakkart Honorary Earl 家に変える事にした。さらに、Vandalieuの新しい友人であるHadrosJahan Dukeも彼女を支持し、援助する事を約束した。

 世間的にはAlda believerであるHadrosだが、ここはVida信仰も認められているOrbaum Elective Kingdomだ。彼がVandalieu達と友好的な関係を築いたとしても、責められる謂われはない。


 それに彼が治めるJahan Duke 家は、Vida信仰が強いSauron Duke 家と昔からあまり仲は良くないし、地理的にも離れている。Elizabethを支持する事で、現Sauron Dukeと関係が悪くなることで受ける不利益もほぼ無いそうだ。


「むしろ、低いrisk-kunに貸しを作る事ができるchanceだと私は考えている。ああ、もちろん私が暫くAlda believerを続けるからと言って、彼女がそれに倣う必要はない」

 という事である。……おかげでAlcrem Dukeの心労が、やや減った。


 その結果、ElizabethRimsand Earl 家の庇護下から離れてもNoble社会での立場を確保する事に成功した。後は復讐だけだが……。

悪いけど、私じゃ殴る蹴るするぐらいしか思いつかないから、復讐にも協力して欲しいのよ。……私だけなら一発殴るだけで済ませてやってもいいんだけど、Maheriaや母-samaにまで手を出されていたのなら、それだけじゃ気が済まないわ」


「喜んで。ただ、blood生臭い事をするとElizabeth -sama達に悪い噂が流れるかもしれないので、できるだけbloodの流れないプランで行きましょう」

 Vandalieuがそう言って請け負ったので、ElizabethはてっきりRimsand Earlの弱みを握って脅迫するか、Alcrem Duke 家Jahan Duke 家の力でRimsand Earl 家の権威を失墜させるか、そうした手段で復讐するのだと思っていた。


 しかしVandalieuElizabethに殴られて死にかけていたEarlを洗脳。そしてHadrosJahan DukeAlcrem Duke 家General Officer、そしてDarciaを伴って、Earlの長男と面会してEarlがどんなconditionか説明。

 そしてRimsand Earl 家は、当主だったDrazeが突然のDiseaseに倒れ療養のため医療施設に入院。長男が督を継承し新たなEarlとなった。


 そしてDraze RimsandEarlは、Elizabethに殴られた事以外はbloodを一滴も流さず、Psychiatric clinicに入院した。

 彼はVandalieuによって、sleepsと自分にとって都合の良い夢を見て、それを現実だと思い込まされている。そして目覚めて現実に戻るたびに、それを夢だと思い込むのだ。


「……想像していたより残酷な事になったわね。たしかにblood生臭くはないけど」

「もう少し優しくしますか? 楽にしてやると言う意味で」

「それは、適当な時期にあの男の食事に致死毒を混ぜて介錯する、という意味でしょうからやめてください」

「別に文句がある訳じゃないのよ、ただ感想を言っただけ! さてはあんたもあの男に怒ってたわね!?」


「はい。以前なら剥いだ顔の皮だけをその場に残して拉致するぐらい」

 当然だが、VandalieuDraze Rimsandにいいemotionsを持つはずがない。


 Rimsand Earl 家も、無傷ではない。督はoriginally跡継ぎだった長男が継いだが、Vandalieuには父親の醜聞を握られ、Jahan Duke 家Alcrem Duke 家に睨まれているconditionだ。

 他のNoble達は全てを知っている訳ではないが、何かあったことを察してEarl 家からは距離を取るだろうから、新当主は孤立無援に近いconditionRimsand Earl 家を運営しなければならない。


 そしてDrazeも、幸せな夢を永遠に見られる訳ではない。長男がEarlとなって数年後、今の体制がstabilityして元に戻せなくなった頃に、いったん正気に戻るよう仕組まれている。正気に返った彼の驚愕と怒り、そしてLost感とdespairは本当に心を壊してしまうほど大きいだろう。


 そして、現実に耐えられなければまた幸福な夢を見る日々に戻り、そして数年後同じことを繰り返す。


 更に言えば、Drazeをもっと早く正気に戻す方法もDraze本人と彼の長男には伝えてある。それは、「Drazeと強い絆で結ばれた人物が、何が夢で何が現実か指摘する事」だけだ。

 誰かがDrazeの見舞いに行き、そこで「これが現実だ」と教えればそれでいい。ただ、その誰かはDrazeと強い絆で結ばれた人物……最愛のfamilyや真実の愛で結ばれたloverや妻、生涯を通じての心の友等でなければならない。


 そして、長男は、一度も試していない。


 だから、正気に戻った時この条件の事も思い出したDrazedespairはより深くなるだろう。自分が窮地に陥った時、助けようとした者が、familyにすらいないと思い知って。


「それよりVandalieu、あなたには言いたいことがあるの……母-samaを一週間で治療するって言う約束だけど――」

 Elizabethはそう言いながら、Vandalieuの頭を左右から包むように手を添えた。物語なら、次の展開はheroineKissだろう。


 だが、Elizabethは手を丸めてfistを作ると、ぐりぐりと彼のこめかみに押し当てた。

「良くなってるけど治ってないじゃない!? それどころか、なんであんたが母-samaの夫に固定されているの!?」

「……何故でしょうね? 俺としても、この結果は意図したものではないのですが」

 Elizabethの怒鳴り声に気がついたAmeliaが、Samcarriageから顔を覗かせて驚いた顔をする。


「まあ、ElizabethVandalieu -sanが親子喧嘩を!? ど、どど、どうしましょうMaheria、急に反抗期が来たのかしら!?」

「大丈夫です、奥-sama。怒っているのはお嬢-samaだけで、Vandalieu -samaは全く痛そうにしていません」

『いや、痛みを感じているとは思いますが……ですが、たしかにBocchanにとってはじゃれ合いのようなものですな』


「そうなの? じゃあ、親子喧嘩ではなく、あの子がVandalieu -sanに甘えているのね。ふふ、エリったら、やっぱり寂しかったのね」

 Ameliaは、夫と認識しているVandalieu-san付けで呼んで微笑んだ。


 そう、今の彼女はVandalieuを夫と認識している。以前は『理想の夫』としてVandalieuを含めた自分の近くにいるmaleを誤認していた。

 あまり変わっていないように見えるかもしれないが、今のAmeliaVandalieu以外のmaleを自分の夫と認識しなくなった。たとえ、今は亡き先代のSauron Duke……本当の彼女の夫が何らかの手段で目の前に現れても、夫であるとは認識しないだろう。


 Amelia SauronVandalieuが夫だと信じ込んでいるからだ。

「治療は順当に行い、新薬をCompoundingして試すようなriskのある事は一切していないのに……解せぬ」

「あんたが、母-samaにべったりだったからじゃないの!?」

「そうかもしれませんね。解せた、解せた……言い忘れたのですが、痛いです」

「あらそうなのっ!?」


 Ameliaが今のconditionから更に回復するかは、Vandalieuとしては分からない。脳の機能はもう回復しているのだ。原因がMentalではなく、薬物……それも長期間摂取し続けた物であるのが致命的だ。

 奇跡的な確率だが不意にMemoryが戻って正気に戻るかもしれない。だが、このままのconditionで固定してしまう可能性が圧倒的に高い。


「……まあ、あなたが動いてくれなかったら母-samaはずっとここに閉じ込められていたでしょうから、感謝しているわ。あなたが父-samaになるのは納得できないけど。

 それで、【Vandalieu’s Divine Protection】と『Great Demon King's Daughter』ってAbout Titles:説明してくれるのよね?」


「一昨日調べたのですが、VandalieuというnameKami-samaは邪悪な神も含めて存在しませんでした。それと、Pauvina -san達に尋ねてもあなたが自分の口から説明するだろうからと、教えてもらえません。

 なので、ご自身の口から説明してください」


 party memberの少年と同じnameの、つまり正体不明の存在から's Divine Protectionと、secondary name。それについてElizabethMaheriaは自分達に出来る範囲で調べたが、何も分からないという事が分かっただけだった。

「まあ、道すがら説明しましょう。でもElizabeth -sama、明日する事になるだろうZohna達への説明もどうするのか考えておいてください」


「うっ、分かってるわよ」

 これまでは見栄から、Ameliaの入院とRimsand Earlに経済的に苦しい生活を強いられていた事をZohnaparty memberにも黙っていたElizabethだが、これほど事態が大きくなれば説明しない訳にはいかなくなった。


 Elizabeth Sauronの後ろ盾であるはずのRimsand Earl 家の突然の代替わり、そして彼女の後ろ盾がHonorary Earl 家Duke 家grade up。これが噂にならないはずがない。

 ……それに、実は引っ越し先がSilkie Zakkart Mansionである。何故なら、Rimsand Earlや他のNobleAssassinを雇って送り付けてきたためだ。


 Assassin達の狙いは多くの場合Vandalieuであり、彼と遭遇した瞬間導かれて膝をついたので、実害は無かった。しかし AmeliaElizabethを狙って、Legionに捕獲された者もいる。

 そうなるとJahan Duke 家の別邸で暮らすのも不安なので、Elizabeth達は今現在OrbaumRoyal Palaceよりも高いsecurityと武力を備えたSilkie Zakkart Mansionに引っ越す事になった。


「でも、何処まで話していいの?」

Zohnaには全て話しても大丈夫です。Mact senpai達には、秘密にした方が良いと思った事は『まだその時ではない。でも、時が来たら必ず話す』と説明してください」


「……やっぱりZohnaも何か知ってるのね。この前から妙に私達を見る目が優しいと思ったのよ」

「それよりも、Mact -sama達への説明が劇か何かのセリフのようですね。しかも、だいたい説明する前に死んでしまう役の」

「はいはい、立ち話はそれくらいにしてそろそろ出発しますよ」


 話し込んでいるVandalieu達に、carriageから降りてきたDarciaが出発を促した。

「はい、kaa-san

Elizabeth -chanMaheria -chanも早く乗りなさい。話の続きはSam -sancarriageでしましょう」

「「は、はいっ」」


 ちなみに、AmeliaDarciaと既に会い、Self introductionもしているが何事も起きていない。嫁姑戦争は、やはり勃発しないらしい。




 その頃Royal Palaceでは、激論が交わされていた。

「いくら何でも、これはとても正気とは思えませんぞ、Prime Minister!」

Dolmad Marshall、熱が入るのは結構だが会議は粛々と進めるべきだと思うが?」


 Elected Kingの前で行われる御前会議。originallyElected Kingleadershipを発揮すると共に、その権威を高めるための会議だったが、今では半ば形骸化している。Elected Kingは多くの場合置物であり、Prime Minister達があげる議題はどれも事前に行った会議で話し合われ結論まで出ているものばかりだ。


 唯一の例外はAmid Empireに対する戦略ぐらいだろう。Empireに対する戦争では、Orbaum Elective Kingdom全体の力を当てなければ危うい。……本来はAmid Empireに対抗するために複数の国が集まったのがOrbaum Elective Kingdomなので、当然だが。


 その御前会議でTelkatanis Prime MinisterDolmad Marshallが口論になるなど、Sauron DuchyAmid Empireに攻め込まれて占領された時にもありえなかったことだ。

 何故なら、Telkatanis Prime Ministerが前代未聞の政策を提案したからだ。


「【Demon King Fragment】から素材をとって武具を作り、将兵に配る等……危険が過ぎる! もし【Demon King Fragment】がrunawayしたらどうするのです!? 国が亡びかねない!」

 Dolmad Marshallが目を剥いて非難したように、Telkatanis Prime Ministerは【Demon King Fragment】製の武具を大量Productionし、将兵に装備させるという政策を提案した。


「ふむ……中々理解は得られないだろう。そう覚悟はしている」

 Telkatanis Prime Ministerはそう言うが、『LambdaworldHuman社会からすれば信じ難い暴挙である。


 【Demon King Fragment】は本来、利用するのではなく厳重に保管し管理し続けるべき物だ。一度runawayすれば、HumanInfestしてBodyを乗っ取り、何度倒されても宿主を変えて暴れ続ける。sealedされるまで。しかも、その強さはAClass adventurer以上でなければ戦いにならない程だ。


 その【Demon King Fragment】をWeapon Equipmentに加工した【Demon KingEquipment】という物も存在はする。しかしEquipmentも褒められたものではない。最低でも、legend Classmagic itemであるOrichalcum製の武具に匹敵する力があるのは良い。しかし、武具なので【Equipment】に加工されたsealed部が何かの拍子に傷つけば、sealedが解けて【Equipment】の持ち主がBodyを乗っ取られてしまうかもしれない。


 そもそも、【Demon King Fragment】を利用しているという時点でimageが極端に悪いのだ。『Fifteen Evil-Breaking Swords』のmemberなど、表社会には存在を知られていない者が使うならまだいい。

 しかし、表の存在である一般の将兵にまで装備させるなど正気の沙汰ではない。民は将兵が持つ禍々しい武具を恐れ、忌避し、Clergymanたちはこぞって「忌まわしい、汚らわしい」と非難するだろう。


 今はAlcrem Duchyに敵意を向けているAlda believerの過激派達が、こちらに敵意を向ける事も十分あり得る。

 下手をすれば、戦力upどころか国を割りかねない政策なのだ。


「いくらPrime Ministerの提案と言えど、これは……」

「いささか、先を見据えすぎではないでしょうか?」

Amid Empireもまだ攻めて来ないでしょうし、そこまで思いつめる事もないかと」

 Dolmad Marshall以外のNoble達も、Telkatanis Prime Ministerallyする者はいない。各Duchyの代表として出席しているGeneral Officer達や、たまたまOrbaumに留まっていたため出席しているHadrosJahan Dukeも、渋い表情だ。


(主から授かった知識によって、Vandalieu Zakkartは【Demon King Fragment】を幾つも取り込んでおり、【Demon King Fragment】を素材として利用している事を知っている私からすれば、失笑に値する考えだが……そうでなければ私も彼らと同意見だったはず。無理もないか)


 Vandalieu達の場合、武具ではなくOrbaumNoble達の間で密かなブームとなっているVCreamBlood potion、そしてTransformation Equipmentにも材料の一つとして使っている。

 【Demon King Fragment】を毛生え薬やIdolの衣装に使うなど、それこそ正気の沙汰ではないだろう。


 もっとも、彼らの場合は【Demon King Fragment】を素材に使っているのではなく、Vandalieuの一部を素材にしているという認識なのかもしれない。


「諸-kunらは納得できないようだ。Elected King陛下はいかがですかな?」

「よ、余か? ……悪いPrime Minister、今回の献策は良いとは到底思えない。賛同は出来ん」

 各Duchyの中から、政治的な理由で選出されたCorbit Dukeは意見を求められて驚いた-sama子だったが、きわめて常識的な判断を下した。


 もちろんTelkatanisも、彼が無条件に賛同してくれるとは思っていない。そもそも、この提案は彼が【Demon King Fragment】や【Equipment】を集めていた理由をカムフラージュするための物でしかないのだ。このまま受け入れられず、失敗しても構わない。

 しかし、カムフラージュとしての効果は提案が受け入れられた場合の方が大きいので、粘りはする。


「では、諸-kunらには最後にこの剣と盾を見てもらおう」

 Telkatanisがそう言うと、控えていたKnightが装備していた剣と盾を、Noble達が見やすいように掲げる。

「それはまさか……!?」


「そう、【Demon KingEquipment】を利用して製作した武具の試作品だ」

 実際には、【Demon King Fragment】でBodyを創りあげたRokudouが素材を提供して作った武具をTelkatanisは既に用意していた。



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