<- Previous | TOC | Next ->
Special thanks to MBA and the Users from the LBN #spoilers Discord. Without them this would not be possible.

Side Chapter 61: Rokudou Hijiri、三度目のreincarnation

 UrgenTelkatanisは自分の成し遂げた仕事に対して、満足げに溜息を吐いた。

 歴史あるOrbaum Elective KingdomRoyal Palaceに幾つもある隠しroomの一つは、彼の手によってworld一危険な場所となっていた。どれほど凶悪な賊に追われていても、この隠しroomに逃げ込もうとする者はいないだろう。


 何故なら、隠しroomにはsealedされた【Demon King Fragment】が三十以上も並べられているからだ。

 床や壁、天井にはmagic陣が描かれ、roomの四隅にはBarrierを張るmagic itemが配置されている。しかし、それらは外部からmagicによる干渉や感知、霊を含むUndeadの侵入を防ぐためのものだ。roomに置かれている【Demon King Fragment】の一つでもrunawayすれば、一瞬で砕け散るだろう。


 もっとも、runawayした【Demon King Fragment】は周りの【Demon King Fragment】のsealedを解いてFusionする事を優先するだろうから、意外とBarrierは長持ちするかもしれない。……最終的にはどうせ砕け散るし、更にその次の瞬間にはこの城は瓦礫のになるだろうが。


 この光景を見れば、余程のidiotでもない限りTelkatanis Prime Ministerは正気ではないと断じるだろう。そして、一刻も早く彼をPrime Ministerの職から解任し、集められた【Demon King Fragment】をどうにかして安全に管理できるconditionにしなければならないと考えるはずだ。


 そうUrgenTelkatanisも考えたからこそ、彼はRokudouからのOracle(だと彼は信じ込んでいる)を実現するために、彼は誰も……自身の息子でさえ信用して打ち明けるようなことはしなかった。それらしい虚偽を伝え、真実を明かさず、利用しただけだ。


 templeMage guildの高位の身分の者に、『sealedしている【Demon King Fragment】を今まで以上に厳重に保管する目処が立った。詳しくは機密保持のために明かせないが、こちらに任せてほしい。尚、この件は他言無用である』と要請した。

 originallyDemon King Fragment】の管理を厳重に、できなければ他のtempleMage guildへ運ぶよう求めていたのだ。このTelkatanis Prime Ministerの要請は、不自然なものではない。


 もちろん、Vandalieuと密接な繋がりがあるとしか考えられないAlcrem Duchyや、Birgit DuchySauron DuchyVida信仰が特に盛んな地域に存在するtempleguildには、この要請はしていない。何らかの手段でVandalieuが察知するかもしれないからだ。


 Heinz達『Five-colored blades』が滞在しているDuke Farzon領も同-samaだ。本心ではAlda Reconciliation Factionを苦々しく思っていたTelkatanis Prime Ministerにとって、Heinzに傾倒するDuke Farzonは警戒するべき人物である。AldaHeroであるHeinzも同-samaだ。


 秘されし神(だと彼は思い込んでいる)であるRokudouからも、God of Law and Life Aldaとその信徒に真実を打ち明けるべきではないと言われた。

 worldを救うための行動は、時には愚かな民へ秘したまま進めなければならないのだ。そうRokudouが語った言葉は、Telkatanisにとって理解できるものだった。


 しかし、何事にも限界はつきものだ。


「神よ、これ以上【Demon King Fragment】を集めるのは難しく……我が身の非力をお許しください」


 秘密裏に集めるこの手段では、これ以上 【Demon King Fragment】やEquipmentを集めるのは難しくなっていた。藪を突かれてボロが出たら困るため、要請をはっきり拒絶するか反応を示さなかったorganizationには、説得するようなことは一切しなかった。ただただ厳重に管理する事を願うと伝えただけだ。


 そのため、Telkatanis Prime Ministerにはこれ以上【Demon King Fragment】を集められないのだ。遺跡などの調査をadventurerに依頼して【Demon King Fragment】を探すという手段もあるが、その成果が出るまでには年単位の時間がかかるだろう。


『そうか……よくやってくれた。では、次なる使命を与える』

「ははっ。このUrgenTelkatanisOrbaum Elective Kingdomのため、worldのため、力は惜しみませぬ」

 そう述べるTelkatanisだが、彼の言う言葉には「自分の権力とpropertyが維持されている」事が前提となっている。それを見抜いているRokudou Hijiriは、RodcorteDivine Realmから思っていた。worldが違っても、政治の考える事は変わらないと。


 だからこそ、助かっているのだが。


『では、命じる。【Demon King Fragment】のsealedの一つを僅かでいい、傷をつけろ』

「なっ!? 傷つけろと言うのですか!? 【Demon King Fragment】のsealedを!?」

 しかし、さすがにsealedを破らせようとする行為に対しては、素直に従わなかった。


『その通りだ。sealedを傷つけよ』

 Da Longの【Sahadeva】を通して重ねて命じるが、Telkatanisは額に脂汗を浮かべて自身が並べた【Demon King Fragment】のsealedを見つめながら、じりじりと後ろに下がり始める。


 ただ集めている間は「神からの使命」という免罪符が、horrorや嫌悪感から目を逸らしていた。sealedを傷つけるという自身の身が危険に晒される事を命じられた事で、それを直視してしまったようだ。

『案ずることはない、私を信じるのだ。【Demon King Fragment】は、神である私が制御し、誰にも奪われぬようにする。そして、汝は使命を果たした恩寵を受けるのだ』


「お、恩寵を……?」


『そうだ。私がTrue神としてこのworldAdventしたのち起こる戦いにおいて勝利したのち、このContinentの荒廃は避けられないだろう。

 無論、私も神としてこのworldの復興に力を尽くすが……その時、Human達の中心となる者が必要になる』


「わ、我がTelkatanis 家Humanの中心に……!」

 Telkatanis Prime Ministerは、 Bahn Gaia continentが自分を中心とした大国となる未来を思い描き、思わず息を呑んだ。

 普段の彼ならただの絵空事だと一笑に付すような考えだが、worldの行く末を左右する決戦の後となれば現実味を帯びてくる。神にも迫る強大なHeroであるHeinz、そして既に数多のGodsに匹敵するmonstersや、邪悪なGodsそのものまで従えている新たなDemon King Vandalieu。そして、another worldの神Rokudou Hijiriによる三つ巴の聖戦だ。


 行われる力のぶつかり合いは、Mythに記されたDemon King GuduranisChampionたちの戦いと変わらぬ被害をもたらすだろう。海は割れ、は砕け、このOrbaum Elective KingdomだけではなくAmid Empireも大きな被害を受けるはずだ。そしてRokudou Hijiriが勝利するという事は、Vandalieuが支配しているというBoundary Mountain Rangeの内側の国もDecayするはずだ。……monstersが闊歩するDevil Nestsだらけの土地を、Humanが手に入れたところでどうすればいいのか悩むところだが。


 ともかく、聖戦の後は当然worldを再生、復興させるため人々には新しいleaderが必要になる。優れた統治Abilityと内政に関するKnowkowを持ち、そしてworldの救済へ大きな貢献を果たしたUrgenTelkatanisのようなleaderが。


『無論、私も手を貸そう。人々はお前を私のFirstの使徒として崇め、お前を中心に新たな時代が築かれるのだ』

 そう囁いてTelkatanis Prime Ministerの優越感と陶酔を高めていくRokudou Hijiriだが、それは彼にとって必要な事をTelkatanis Prime Ministerに果たさせようとしているだけだ。


 Rokudou Hijiriは、Vandalieuを倒した後もこのworldで神としてReignし続ける事になる。Rodcorteによって既に『保険』は掛けられているが、それでも自分のようなirregularを更にanother worldreincarnationさせるつもりはないだろう。

 そうなると、このworldの再生と復興はRokudou Hijiriにとって必須だ。その過程で、自身を崇める宗教を人々に馴染ませ、神としてReignできるようにしなければならない。


 しかも、戦いが終わった後にどれほど生き残っているかにもよるが、AldaやそのSubordinate Godと競合しているconditionで。何せ、RokudouRodcorteが保険をかけたせいでAldaGodsの魂を砕くことはできない。

 そのための道具として、Telkatanisが丁度良かったのだ。もちろん、戦いの最中に彼やその一族が死んだ場合は他の者をscoutするから、替えの利かない駒という訳ではないが。


「分かりました。しかしsealedを傷つけるといっても、私はKnightadventurerではありません。多少の心得はありますが、Orichalcumsealedに傷をつけられるほどでは……」

『では、その【Demon KingEquipment】を使うといい。しかしsealedを傷つけたらすぐにEquipmentを手放し、距離を取るのだ』

 意志が固まったTelkatanisにそう指示を出すと、彼は言われた通り【Demon KingEquipment】のうち一つを手に取った。


 TelkatanisEquipmentの柄を握ると、そこからrapierのような細い刀身が出現する。

「……ふんっ!」

 緊張で乱れる呼吸を整えてから、TelkatanisEquipmentの先端で適当な【Demon King Fragment】のsealedを突いた。その動きは、老齢にしては鋭かったがOrichalcumに僅かに傷をつけただけに終わる。


 しかし、それで十分だったようだ。【Demon King Fragment】のsealedは、次の瞬間大きく膨張して不気味に軋み……いや、sealedの内側で何かが蠢き恐ろしい唸り声をあげている。

「ひ、ひぃっ! 神よっ、sealedが解けました! 神よっ!」

 さすがのPrime Ministerも【Demon King Fragment】のrunawayに当てられたか、他のNoble達の前では見せない怯えを露にし、Equipmentをその場に投げ捨ててroomの壁際まで叫びながら逃げる。


main bodyぃぃぃっ! 我々よ、まずは我に合流せよっ!』

 sealedを内側から破った黒い何かが叫びつつ、周りのfragmentsealedを破ろうとする。このままなら三十もの【Demon King Fragment】がFusionし、彼らがmain bodyと崇めるVandalieuがいるPsychiatric clinicを目指して一直線に移動を始めるだろう。

 途中にある壁やmansion人々を巻き込みながら。


『さあ、今こそreincarnationの時だ!』

 だが、蠢く【Demon King Fragment】の声を掻き消すようにRokudouの声が響くと、【Demon King Fragment】はその姿を不気味なMonstrosityから人型へと収束を始めた。


『宿主? main body……?』

main body……main body……!』

main bodyに合流せよっ! main bodyに合流せよ!』


 【Demon King Fragment】はdeath attributeManaを持ち、そしてDemon King Guduranissoul fragmentが埋め込まれているRokudoumain bodyと誤認した。

 これがRodcorteの考えだした、神の域にまで達してしまい人としてはreincarnation不可能になったRokudou Hijiriを『Lambdaworldreincarnationさせる方法だった。


「お、おおぉぉぉっ。これが、another worldの神。Demon King Guduranisfragmentを従え、己の体にしてしまうとは……!」

 半ば呆然としたTelkatanisの見ている前で、Rokudou Hijiriの新たなBodyは完成していった。

 艶やかな漆黒の肌に、白目の部分まで紅いeyeball、そしてGiant raceと見紛うばかりの巨体ながら均整の取れた彫刻のようなBody美。


『……素晴らしい。Ark Avalonだった時と同じ……いや、それ以上の気分だ』

 whole bodyに漲る力に、それ以上に強大なMana。形こそ人型だが、その気になればどのようなformに変化する事も可能である事や、Bodyの使い方がInstinct的に分かる。


(そして、予想通り【Demon KingInstinct】と【Demon KingMemory】は私の制御下にある。多少気分が高揚しているが。それだけで、意識は澄み渡っている。魂だけだった時よりも、冴えていると感じるほどだ。ただ……)

 Rokudou Hijiriの魂には、Rodcorteによって【Demon KingInstinct】と【Demon KingMemory】が埋め込まれていた。InstinctMemoryなら、自力で神にまで至ったRokudouならreasonで制御できると考えたからだ。……さすがに【Demon Kingreason】や【Demon Kingの力】は扱いきれない可能性が高いと判断したようだ。


(ただ、Curse以外はだが)

 RokudouDemon Kingsoul fragmentを埋め込まれる前に、RodcorteからCurseを受けている。【death attribute適正の持ち主以外の魂の破壊及びeating prey不能】というCurseだ。

 このためRokudouは、death attribute適正の持ち主以外の魂を砕けない。Demon Kingsoul fragmentを持ち、【Demon King Fragment】で体が構成されているため、Demon King-samaに魂を砕くことが可能になる事をRodcorteが危惧したからだ。


 RodcorteCurseにそこまでの力があるのかとRokudouも当初は疑問を覚えたが、現在進行形でVandalieuRodcorteCurseimpact下にある事を考えれば、不可能ではないのだろう。

 ……Rodcorteとしては神に至ったRokudouを、魂だけのconditionとはいえ呪えるかどうか若干の不安を覚えていたようだが。


(それに、やはりStatusもない。Job changelevel upで強くなる事は出来ないか)

 そうなると『Origin』と同じように、地道に技を磨くしかないが……。

「神よ、これから直ぐに戦いが始まるのですか?」

 既に政治ではなく、信徒のように膝をつくTelkatanisに、気を取り直したRokudouは『いや、まだだ』と首を横に振った。


『私がこのBodyとの繋がりをstabilityさせるには、今しばらく時間が必要だ』

 前世ではArk Avalonとなった高揚感のまま勢いに任せて戦い、惨敗した。今は確実にArk Avalon以上の力を手に入れたが、同じ過ちを犯すのは避けなければならない。


『だが、既にVandalieuは我々の動きに感づきつつある』

「なんとっ!? いったい何故……?」

HadrosJahan Dukeだ。彼は、もうVandalieu側の存在となった』


 熱烈なAlda believerであるというreputationだが、Vida's New Racesであるという点で、Rokudouは彼がVida側……Vandalieu側に転向すると確信している。


「そんなBAKANAっ、HadrosJahanは確かにGiant raceですが、人のAlda believer以上にAlda believerであるとreputationの人物。いかにVandalieu ZakkartGuiderであろうと、簡単に寝返るはずが……」

TelkatanisVandalieu ZakkartはただのGuiderではない。奴は邪悪な神そのもの……人を優しく、穏やかに誘惑する悪魔だ』


 神は人に試練を課すが、悪魔は優しく誘惑する。Vandalieuはそれなのだと、RokudouTelkatanisに説いた。これでVandalieuの行動……誰かの救済から、それも悪魔の手口だと思いこませることで自分の言動の不自然さにTelkatanisが気づく事を防げるだろう。


(前世では彼の理解しがたい行動……複雑な事は考えずその長い手が届く助けたい者を衝動的に助ける事の積み重ねの結果、私の策は破綻した。

 このworldではせめてminionsは引き付けて置かなければ)


 将来的な価値はともかく、Vandalieuと戦うまではTelkatanis Prime MinisterRokudouの生命線だ。このworldに活動基盤がない彼は、Telkatanis Prime Ministerを失えばその時点で性急な手段に出る以外の選択肢が無くなってしまう。

 不意の接触や夢での遭遇などで、TelkatanisVandalieuに導かれるのは避けなければならない。


しかしVandalieu Zakkartは現在Psychiatric clinicに幽閉されており……おそらくAlcrem Dukeと不仲になったか、DarciaZakkartに疎まれたのではないかと」

UrgenTelkatanisよ、そのconjectureが自分でも苦しいものである事は分かっているな?』

「そ、それは……しかし、そうとしか考えられず……まさか、最初からJahan Dukeを誘い出すために!?」

 考え直した結果、真実から更に遠ざかっていくTelkatanisRokudouは溜息を吐いた。


『彼を、お前と同じRoyal Nobilityのように考えてはいけない。彼にとっての損得の基準は、お前とは全く異なるものだ。彼がPsychiatric clinicに入院したのは、partyを組んだElizabeth Sauronの母親をどうにかする……おそらくは、治療するためだろう』

 AmeliaVandalieuと遭遇した瞬間に、娘のElizabethはそのずっと前からMemoryを見る事が出来なくなったのでこれはRokudou達のconjectureだが、『Origin』でのVandalieuとそのCloneの行動から考えれば自然だろう。


「ば、BAKANA……そんな事のために自身の経歴に傷をつけてまで……Sauron Duke 家bloodline目当てだったとしても、Elizabeth Sauronを取り込んだ時点で充分なはず。治療するにしても、自身が入院する必要性があるのか……?」


 しかしTelkatanis Prime MinisterからするとVandalieuの行動は考えられない、彼にとっては、Vandalieuspace (UCHUU)人に等しいからだ。


TelkatanisVandalieuは既にBoundary Mountain Rangeの内側に一大国を築き、支配している。この国での身分は仮初めの物でしかない。経歴についた傷等、意識もしていないだろう。

 お前は情報の収集に専念し、集めたそれを私に報告するのだ』


「は、はは。畏まりました。

 それで主よ、決戦までの時を何処でお過ごしになるのですか? お望みならばmansionを用意いたしますが」

『いや、それには及ばない。……この城に、誰にも知られていない地下室はあるか?』

 体の具合を、埋め込まれたDemon Kingsoul fragmentBodyの制御と活用法を確かめるには、広いspaceがいる。そこでまずRokudouは、Dungeonの生成を試す事にした。




 Orbaum Elective Kingdomの首都、Orbaumから南にあるDuke Farzon領。そこに出現した『AldaTrial's Dungeon』の内部で『Five-colored blades』のmemberの一人、Edgarは胸の高鳴りを覚えていた。

 仲間たちがVandalieuからのletterの返事を受けて、SelenMirg Shield Nationで起きた事の真実を打ち明ける決心をし、真実を知った彼女が塞ぎ込んでいるというのに。


 certainlyだが、実の娘のように可愛がってきたDhampirShoujoが、自分達の過去の行いを知らされて傷ついている事を喜んでいる訳ではない。そんな倒錯した趣味嗜好はない。

Heinz、お前もBellwoodの力を使いこなせるようになってきたし、そろそろ外に出る時期が来たんじゃないか? このままVandalieuを自由にさせておいたら、Orbaum Elective Kingdom全体が俺達の敵になるかもしれないぜ」

 そうHeinz達に提案した理由は、Edgar自身も分からない。


 だが、彼の魂に根を張る、Guduranisはよく分かっていた。




  Bahn Gaia continentから船で一月以上かかるLaberta Archipelagoでは、数年前からreputationの商店が営業している。

 元adventurerらしい女Dwarfの店主が、Space-Attribute Magicを使って大量の商品を素早く輸送して値段を安く抑えた商売で成功している。


 しかもadventurerだけあってDevil NestsだろうがDungeonだろうが出張販売を行っている。約一年以上前に店員も増えて営業は順風満帆だと思われていた。


「うーん、やっぱりAran達からの情報がない。これは何か起きていると見た方が良さそうね。あ、今日は出張してくるから店番よろしく」

「店長、深刻かもしれない事態をサラっと流すの止めて」


 【Noah】のMao Smithと、【Super Sense】のKaoru Gotoudaは、平和な朝を過ごしていた。……というか、平和に過ごすしかないのだが。


「だって仕方ないじゃない。Aran達が私達に情報を隠すってことは、Rodcorteに隠すよう強制されているってことでしょ? だったらVandalieu絡みでしょ?

 私達が関わっても何にもならないどころか、Vandalieuからは『クソウザいから帰って』とか言われるのがオチだと思わない?」


 Vandalieuと関わらない事を選んだReincarnatorMaoは、今もVandalieuと関わるつもりはなかった。少なくとも、自分から関わろうとは思わない。

 実際、迂闊に接触しようものなら『今、忙しいので帰ってくれませんか?』と言われるだけだろう。何せ、彼は今前Amid Empire Emperorを監禁するための施設を、前Amid Empire Emperor自身に作らせようとするほどなのだから。


「まあ、そうだろうとは私も思う。Amemiya達とも和解した……和やかな感じはほぼなかったらしいけど、昔の事を詫びようとすると、口を塞がれて黙らされるらしいし。

 それにしても、関わるならVandalieuallyになるのは決定なのね?」


「敵に回って何かいいことある? それに、Vandalieuなら何があってもworldが滅びるような事はならないでしょ」

「……その通りなのよね」


 DwarfElfReincarnatorは、この日も平和な日々を過ごしていた。



<- Previous | TOC | Next ->
Special thanks to MBA and the Users from the LBN #spoilers Discord. Without them this would not be possible.