Amid Empire先代Emperor、Mashkzar Von Bellwood Amidは優れた為政者だった。だが、その彼も当時あの報告を受けた時は驚いたものだ。
「ほう、Drefas Earlがadventurer、それもAClass adventurerのSchneiderに殺されたか」
accurateには、報告を受けたその時はまだ驚いていなかった。何故ならSchneiderに殺されたDrefas Earlは、素行の悪さで知られ、Mashkzarの脳内にある「切り捨てても惜しくないidiot Noble list」の上の方に名を連ねているlizardのしっぽCandidateだったからだ。
だから、Schneiderの怒りを買って殺されたとしても何の不思議もない。Mashkzarには理解できない愚かな理由で、BAKANA事をしたのだろう。
まあ、Drefas Earlが死んだことは惜しくないが、それをどう利用するべきかは重要だ。それを考えようとした彼だったが、報告を行った武官が青い顔をしてその場に留まっている事に気がついた。
「どうしました? まだ何かあるのですか?」
秘書官に尋ねられた武官は、驚くべき発言をした。
「はっ! Schneiderとその仲間達は大通りでDrefas Earlを撲殺後、EarlのKnightや駆けつけたGuard、adventurer相手に暴れ続けており、死傷者が続出しております!」
「……なんだと?」
武官の報告を聞いたMashkzarは、思わず耳を疑った。Earlを殺した。このこと自体に驚くべきことはない。しかし、彼はSchneiderがDrefas Earlを暗殺したのだと思い込んでいたのだ。
Schneiderは人目につかない場所か方法で犯行に及び、それをEmpireの優秀なGuardやKnightが捜査して犯人をthrust止め、自分の元に報告が上がってきたのだと思い込んでいた。
「まさかとは思うが、Schneiderは昼間の大通りで、Drefas Earlを公衆の面前で撲殺したのか?」
「はっ! その通りです!」
武官の返答を聞いたMashkzarは思わず額に手を当て、天を仰ぎ見るように上を向いた。
AClass以上のadventurerは、超人の中の超人。一般人と同じ人の形をしているが、その戦闘力は一騎当千の将兵を赤子の手を捻るように始末できるmonsterだ。
だから、AClass以上のadventurerはその気になれば大抵の事ができる。昼間に公衆の面前でNobleを撲殺するなんて、朝飯前だ。
しかし、そうした事例は驚くほど少ない。何故なら、AClass以上のadventurerの狼藉を止める仕組みが社会にはあるからだ。
まず法律。法律に違反する事で、それまでの生活やHuman関係、社会的地位を失うのは、monsterでも社会に生きるHumanである以上堪えるはずだ。
次に、Adventurer’s Guild。目に余る狼藉や規約違反を犯した組合員が出たら、guildがその組合員を討伐する依頼を出す事になっている。いくらmonsterでも、同じmonsterの相手は避けたいはずだ。
そして最後に、これは大国に限るがAClass adventurer相当かそれ以上の実力を持つ精鋭部隊の存在がある。
後は良心だとか、罪を犯した場合に迷惑をかけるfamilyや友人の存在も重要だ。
だからAClass adventurerが無軌道な犯罪を犯すことは少ない。犯す場合は、その高いAbilityを活用してばれないように罪を犯すのだ。
しかし、Schneider達はそうした仕組みを現在進行形で踏みにじっている。
「……他のAClass adventurerに鎮圧を依頼できないのか?」
「guildは動いていますが、時間がかかるそうです。今いるAClass adventurerは、全てSchneiderより実力が劣るらしいので」
等Classが同じでも、adventurerの実力には差がある。それが最も顕著なのがAClassだ。何故ならAClassはSClassという例外を除けばguildのtopであると言える。
barelyAClassになれた元BClass adventurerと、SClassへ昇Classするのに相応しい大achievementをまだあげていないからAClassに留まっているadventurer。仮にそんな二人のAClass adventurerがいたとして、「同じAClass adventurer」と言えるのか?
少なくとも実力的には言えない。
「参ったな。このままでは我がEmpireのKnightやGuardが全員殴り倒されてしまう。かといって、我が国の優秀なadventurerを潰し合わせるのは避けたい」
KnightやGuardはもちろんだが、Empireが雇用していないため戦争時に戦力として使えるか不明なadventurerの消耗を気にするのは、彼らがmonstersに対して有用な戦力だからだ。
治安を守るために上Class adventurerを潰し合わせた結果、monstersが増えすぎて国に甚大な被害が及んだら元も子もない。
「陛下、『Fifteen Evil-Breaking Swords』を向かわせてはいかがですか?」
Amid Empireの最精鋭部隊、『Fifteen Evil-Breaking Swords』は複数のAClass adventurer相当の実力者がCoup d'étatを企んでも鎮圧できるよう、常に一定の人員が待機している。
彼らならSchneiderとその仲間達を倒すこともできるだろう。
「それも手だが……何人潰されると思う?」
Mashkzarが誰ともなく尋ねると、何処からか声がした。
「おそらく、十五人全員が揃っていても五人はやられるでしょう。今の人数だと……決着がつく前にこの城が戦いの余波でDecayしかねませんな」
秘書官たちが驚いて声の主……姿を隠している十五剣のCommander、零剣の姿を探している間に、Mashkzarは決断した。
「いくらNobleとはいえ、lizardのしっぽどころか機会を見つけてできるだけ早く処分する予定だった男のために、そこまで犠牲を払うのもばかばかしい。
Schneiderとその一党に伝えよ。『大人しく投降し、贖罪代わりの依頼を受けよ。さすれば、牢にいる間は余より豪華な食事をとらせる』とな」
「か、畏まりました!」
civil officialは一礼すると、彼の命令を遂行するために急いで駆け戻って行った。そして、Mashkzarの言葉をcivil officialから聞いたSchneider達は、「そこまで言うなら」と大人しく投降したのだった。
当時のSchneiderはCoup d'étatや国家転覆を図るつもりは、まだなかった。単に、Drefas EarlがVida's New RacesのSlaveをつまらない理由で殺したところを見てしまい、激昂して暴れだしただけだった。
その後、当時はまだ健康にこだわっていなかったSchneiderは仲間のDaltonやMeldinと共に豪華な食事を堪能し、MashkzarがEarl殺しを帳消しにする代わりに出した無理難題を受けて、城を去って行った。
その無理難題を、Schneiderなら達成するだろうとMashkzarは予想していた。ただ、仲間を一人か二人失うか、大きなinjureをして力を落とすだろうと思い込んでいた。
手痛い教訓を得たSchneiderは、以前よりも慎重になって今後はBAKANA真似はしなくなるだろう。そう考えていたというのに、Schneiderは二人の仲間と共にほぼ無傷で帰ってきた。monstersに堕ちた龍の討伐依頼を、立派に果たして。
驚くMashkzarに、Schneiderは「これでいいのか? なら、前もってidiot Noble十人分くらいやってやってもいいぜ」と嘯いて見せた。
その後、MashkzarとSchneider率いる『Storm of Tyranny』との関係は続くが、それは決して良好なものではなかった。
表面上は、立場の異なる者同士だが心の底では認め合っているように見えたかもしれない。実際、Imperial Capitalで上演された歌劇では、そのように描写された。為政者とSClass adventurerが反目しあっているなどと、公に広めるわけにはいかないので仕方のない事だが。
MashkzarとSchneiderの真の関係は、敵同士。それも単純にその場で殺しあえばいいという類のものではない、お互いにとって複雑で面倒な敵だった。
当時はまだVida believerである事を隠したまま、Empire内のVida's New Racesを守るために活動していたSchneiderにとって、Vida's New Racesを迫害する政策を続けていたMashkzarは敵だ。だが、EmperorであるMashkzarを殺しただけではVida's New Racesに対する迫害が終わるわけではないと理解していた。
Mashkzarを殺しても、Noble達の、そしてEmpire民達の認識が変わらない限り、Vida's New Racesへの迫害は終わらない。ただEmperorが変わるだけだ。そして、代替わりの際の混乱に乗じてOrbaum Elective Kingdomに攻め込まれて戦争になれば、Empire内のVida's New Racesはますます窮地に追い詰められる。
Orbaum Elective Kingdomは建国当時からVidaを信仰する事を認め、Vida's New Racesに対してもVampireやMajin Race等以外は人権を認めている。しかし、Elective KingdomはVida's New Racesのための国ではない。単に人だと認めているだけだ。……Slumで飢えて野垂れ死ぬ貧民と同じ、Humanであると。
そんなElective KingdomがEmpireで貧しい立場にあるVida's New Racesを考慮して戦争をするわけがない。
戦争で真っ先に犠牲になるのはweak者だというが、Amid Empireの場合はVida's New Racesがそれなのだ。
だからSchneiderはMashkzarを殺せなかった。Mashkzarと茶番劇を演じながら、裏で刃をthrustつけあいながら、Vida's New Racesや自分の関係者を守れる態勢を整え続けた。
そしてMashkzarもSchneiderを殺せない。何故なら、Schneiderが強すぎるためだ。虎の子の『Fifteen Evil-Breaking Swords』を差し向ければ殺せるかもしれないが、十五剣の内確実に半分は散る事になる。それではSchneiderを殺せても意味がない。
だから、Schneider達と暗闘を繰り広げながら時間を稼ぐしかなかった。Schneiderを殺せる戦力が揃い、殺してもEmpireが危うくならない状況が整うまで。
そして、Mashkzarは戦いに負けたのだ。
もしMashkzarが帝位から退くことなく、彼の統治が続いていたとしたら、彼はSchneiderによって殺されるか、帝位から引きずり降ろされていただろう。
Schneiderはpartyに二人の仲間を加え、戦力を2x Augment Multiplierさせた。対して、Mashkzarが増やす事ができた戦力は、そこまでではない。
それだけではなく、SchneiderはMashkzarとの暗闘にも粘り強く戦い続け、Vida's New Racesの多くを守れる態勢を作り上げる事に成功した。
そして、Vandalieuが登場する事によってworldの流れは――。
「ふむ?」
建物全体に響くような破壊音と、それを上回る聞き覚えのある怒号に、Mashkzarはペンを止めて顔を上げた。
「おうっ! まだ生きてるか、元Emperor!? それとも死んだか!?」
「死んでいたら呼びかけても無意味だと思うが」
ついで聞こえてきた声にMashkzarがそう返したと同時に、ドアが外側から吹き飛んだ。ドアの破片と護衛、accurateには監視のために配置されたKnightがroomに散乱する。
「この施設はEmpireの税金で作られている。bloodと臓物や肉片で汚すのは、いかがなものかと思うが」
「どうせなら俺がKnightを殺したことについて文句を言ったらどうだ。大事なEmpireのKnightなんだろ」
そう言いながら現れたのは、Mashkzarの予想通りの人物だった。
「『Thunderclap』のSchneider、-kunも知っての通りだが、私は自分にLoyaltyを誓っていないKnightの命に価値を感じないものでね。
それに、もう元Emperorだ。今のEmpireは、私にとってはさほど大事ではないよ」
「……はぁ、立場が人格の九割以上を形成している奴から立場を取り上げると、今のお前みたいになるわけか。哀れなほど覇気がない。まるで生ける屍だぜ」
「事実、半分死んだようなものだ。それで、今日は私を殺しに来たのかね? それとも何かに利用するため生け捕りに来たのか?」
「察しが良いな」
そう言うと、SchneiderはMashkzarの胸倉をつかみ上げた。Mashkzarも皇族として、最低限の武術は修めている。しかし、Schneiderにとってはその程度は誤差の範囲だ。
「要件は後者だ。今の何とかってnameのEmperorを倒す大義名分のために、お前を利用したいから生きたまま連れていく。……まあ、連れて行った先でLife-deadにされたり、頭の中を他人と入れ替えられたりするかもしれないが、そこまでは俺の知ったこっちゃねぇ」
「……やはり裏にはVandalieuがいるのか」
「ああ、今回の件は事後承諾だが」
どうやら、VandalieuはMashkzarが考えているほどSchneiderをcontrolできていないようだ。
「この場で-kunに殺されておいた方が楽な気がするが、仕方あるまい。どうせ、自伝を書く程暇だったのだ。HELLまで連れ出してもらおうか」
「なんで偉そうなんだよ、この状況で。まあ、別にどうでもいいけどな」
Schneiderは覇気が無いのに偉そうな態度のままのMashkzarを拉致して、彼の「静養先」とされている城を後にした。
このことによって、Amid Empireはさらに混迷を深める事になるのだった。
同じころ、VandalieuのBody Worldでは、一見すると共通点が殆ど無い一団が集まっていた。
「オレ、Burgo」
「あたしはJadalっていうの」
「お初にお目にかかります。Zaazanotoと申します」
「俺はMash、よろしくな!」
「……我はElperだ」
「よ、よろしく。俺はAmemiya Hiroshi」
Hiroshiは先にSelf introductionしてきた者達を相手に、気圧されていた。ここがanother worldである事は分かっているし、Human以外のraceが存在する事も知っている。LegionやKanakoにも、もう会っている。
しかし、JadalというGhoulの女の子はともかく、Ninja装束を纏った黒い肌のGoblinやcrocodileの頭部をもつ逞しい体つきの人物には気圧されていた。
「どうしました、Hiroshi? もしかして初対面だから緊張しているのですか?」
そんなHiroshiの-sama子を見て、【Body World】のVandalieuは首を傾げた。この場をセッティングした責任者として、何かしなくてはならないと感じたのだろう。
「どうしたって……『同じ年頃の子と交流する事で人との付き合い方を学びましょう』って言ってたくせに、明らかに大人じゃないか!」
しかし、この場をセッティングした時点でどうにもならない問題が発生していたので、どうしようもなかったのだった。
「俺、今年四age!」
一年もかからず成人するBlack Goblinであり、Bragaのchild達の一人であるBurgoは、力強く言った。
「私は今年五ageになります! そして、まだchildです!」
ぐぱっと鋭いfangsが並んだ口を開いて、crocodileの頭部を持つraceであるAhemaitのFirst世代であるZaazanotoもそう宣言した。なお、彼の身長は既にHumanの成人male並みである。
「そして、俺は同じ年頃の『child』と会わせるとは一言も言っていません」
「そうだったっけっ!? じゃあ、なんで態々俺を引っ掛けるようなことを言うんだよっ!?」
「raceが異なるとageが同じでも体格が異なるという事を学ぶために。そして、同い年のchildと付き合うのも大事ですが、大人と付き合うのも大切だからです。
将来、以前の俺のようにBocchiにならないために必要な事なのです、Hiroshi」
VandalieuはHiroshiが将来Bocchiにならないように、余計な世話を焼いていた。HELLの業火のごとく。
「そんなに必要かなぁ?」
「な、何して遊ぶ、Hiroshi -kun?」
「そ、そうだ、おままごとなんてどうでしょうか?」
「ほらっ! 二人とも俺に合わせようとして挙動不審になってるじゃないかっ! それに俺がいくらchildでもおままごとはしないっ!」
「まあ、おままごとはないよな。俺もImoutoや弟に付き合ってやる時ぐらいだぜ」
「あたしも去年卒業したかな」
「助かったぞ、Hiroshiとやらっ! 我はもう本当にままごと遊びをさせられるのかと……」
そしてMashとJadalにもおままごとは否定されてしまった。Elperに至っては感謝の言葉まで述べている。
「ふぅ……ええっと、三人は普通にchildなんだよな?」
「おう、俺はVandalieuのダチなんだぜ! こっちは俺のTamed MonsterのNightwingだ!」
「あたしは、Zadirisおばあ-chanの孫なの。大人になったらVan -kunの何人目かのお嫁-sanになるの」
「……いや、我はPure-breed Vampireで、こう見えても大人なのだが」
Moksiの町の孤児院から、Director達にくっついてやってきた孤児のMash。そしてZadirisの孫でBasdiaの娘であるJadal。二人はchildである。MashはHiroshiより幾分年上だが、まだ大人ではない。
だが、ElperはPure-breed Vampireで大人だった。少なくとも、彼は自分自身の事を大人であると認識している。
「「ええっ!? うっそだーっ!」」
HiroshiとMashには信じてもらえなかったが。
「うわああんっ! Vandalieuっ、こいつらに言ってやってくれっ、我は大人だと!」
「よしよし、落ち着きましょうね。さ、涙を拭いて」
そしてVandalieuに泣きついたために、Elperが大人である事を知っているJadalやBurgoもそれを口に出しづらくなってしまった。
「とりあえず遊ぼうぜ。俺、【Body World】って初めて来たんだ!」
「じゃあ、Amusement Parkに行こう! Gabriel達も勉強が終わる頃だから、皆誘って行こう!」
「ユウエンチ? なんだそれ? 食べ物か?」
「あたしは聞いたことあるっ!」
【Body World】にVandalieuが設置したAmusement Park、Waku Nyoro Van Land(Hiroshiと冥によって命名)は、今も稼働していた。遊具がほとんどDemon King Familiar、つまりVandalieuのCloneでできているため、文字通りEmperorが運営している国営Amusement Parkである。
「Mash、Nun達の練習は見ていかないのですか?」
「後で、孤児院で皆と一緒に見るからいい!」
「ま、まてっ! 引率はZaazanotoやBurgoではなく我だぞぉっ!」
こうしてHiroshiは新しい友達とAmusement Parkで楽しい一日を過ごした。
なお、冥はStageで踊る皆を見て瞳を輝かせていた。
「今日も、すごーいっ」
「Bestra -san、もっとSmiling Faceっ! Celis -sanは動きが硬いですよっ、Holly -sanはその調子ですよ!」
フリフリ、キラキラな衣装を着た孤児院のNunでAbyss Subordinate VampireとなったBestraとCelis、そしてDirectorでDhampirのHollyが踊っていた。
「わ、私達は何をしているのでしょうか!?」
「あのっ、やっぱり踊る必要はないのでは!?」
「二人とも、これもchild達の喜ぶ顔を見るためです。child達と一緒に輪になって踊るのと同じです。違いますか?」
「「何もかも違いますっ、Director!」」
「文句は踊れるようになってから言いなさい!」
ageを偽るために薬品で顔のskinを傷めるのを止めたHolly Directorは、二十代前後に見える素顔を取り戻してCelisとBestraを叱咤していた。
Moksiの町では、Holly前Directorは体調を崩して静養するために地方の修道院に旅立ち、前Directorの親戚のHolly新Directorが就任した。そういう事になっている。
originallyあまり人に注目されていなかった孤児院のDirectorなので、前Directorの事は早くも忘れられつつあり、町の人々の一部が「新しく若いDirectorが就任した」と噂している程度なので、問題はほとんど起きていない。
「新型汎用Transformation Equipmentに、問題はなさそうですわね」
そのHollyたちが着ている衣装を作ったmemberの一人であるTareaは、彼女達のdanceを見て満足そうに頷いた。
今までの汎用Transformation Equipmentはmetallicなrubbersuit状にしかならずDefense Equipmentとしても、magic媒体としても性能は(Transformation Equipmentとしては)低かった。新型汎用Transformation Equipmentはそれを改良し、ある程度装着者のSizeが異なっても着用可能で、それなりの性能を発揮する量産型のTransformation Equipmentだ。
「いくらVan -samaが高性能でも、Order-madeで作れる量には限りがありますわ。でも、この新型汎用Equipmentなら構造は同じだからVan -samaしかできない作業は大幅に削減可能! 大量Productionも夢ではありませんわ!」
「しかも色を変え、Frillsを追加する事もできる。衣装としても汎用性が高くて助かります」
高笑いするTareaに、同意するKanako。
「じゃあ、実践test兼lessonはそろそろ終わりにして、休憩が終わったら実戦testにしましょうか」
「えぇっ、実戦ですか?」
「もちろんです。それはStage衣装であると同時に、戦闘用の装備なんですから! 戦ってみないとtestになりません!」
「順序が逆ですわ。戦闘用の装備をあなたがStage衣装に使っているのを、忘れているようですわね」
「じゃあ、Tarea -san、次のStageをお願いしますね。冥-chanも喜びますよ」
「ちょっ、待ちなさいっ! 私はdanceに来たわけじゃ――」
Holly Director達を連れて立ち去ろうとする。それを慌てて引き留めようとするTareaに、musicを演奏しているDemon King Familiar達が話しかけた。
『まあまあ、Tarea自身でEquipmentを試すのも良い経験になると思いますよ』
「はいっ、Van -sama! 冥-chan、何かrequestはあるかしら?」
「NYORONYOROできる?」
「にょぉっ!?」
調子に乗って藪を突いた結果、danceの難易度が跳ね上がってしまったTareaだったが、くねくね踊る事で冥のrequestに応える事に成功したのだった。
なお、Vandalieuのmain bodyはSelenからの二通目のletterにどう返事を書くべきか悩みながら、彼女にletterを出すよう促した黒幕である『Five-colored blades』に対する呪詛を書き連ねていた。