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Chapter 323: 折れたMagic SwordDemon Kingに迫るもの

 VandalieuHero Preparatory Schoolに入学して、半月が過ぎた。その頃、『Five-colored blades』のleader、『Blue-flame Sword』のHeinzに衝撃的な出来事が起きた。


「あ……っ」

 訓練を終えて食事をとった後、就寝前に手入れをしようと抜いた剣、彼のsecondary nameにもある刀身から蒼い炎を出すMagic Swordが、ぽっきりと折れてしまったのだ。


 驚いて言葉を失うHeinz。その場に居合わせたEdgarDelizahも、同じように何も言えないまま目を丸くしている。

「まさか……こんな何事もない平和なnightに折れるとはな」

 十秒以上経ってからHeinzの口から出たのは、愛剣を失った悲しみの叫びではなく、そんな言葉だった。


「ああ、『Trial of Zakkart』でも、runawayしたDemon King Fragmentや『Evil God of Sinful Chains』を斬った時も折れなかったのに」

「無理が蓄積していたのかもね。でも、戦いの途中じゃなくてこんな時に折れてくれたのも、愛剣だからこそかもしれないわね。『Evil God of Sinful Chains』を斬ろうとした時折れていたら、今頃Bellwoodごとsealedされていたかも」


「たしかにそうだな。……思えば、このMagic Swordとは十年以上の付き合いだったな」

 Heinzは仲間達の言葉に頷きながら、折れたMagic Swordfragmentを拾い上げて感慨深そうに見つめた。『God of Law and LifeAldaDivine Authorityによって二十age前後にしか見えない彼だが、実ageは三十を超えている。


 その彼がMagic Swordを手に入れたのは、『Five-colored blades』がまだ初期のmemberだけの頃だった。

 手に入れた当時は自分には過ぎた性能のMagic Swordだと思い、使いこなすのに必死だった。しかし、最近はその性能に物足りなさを覚えるようになっていた。


 それでもこのMagic Swordを使い続けたのは、意地だったのか。それともMagic Swordを自身のCloneのように感じ、このMagic Swordが失われると培ってきた技も失われてしまうと思い込んでいたのかもしれない。

 もしくは、ただこのMagic SwordHeinzにとって青春の象徴になっていたからか。


「まあ、それはともかく、次のWeapon Equipmentはどうする? 生半可な剣じゃ、今のお前の力に耐えられないだろ? それとも、【Magic Fighting Technique】やmagicだけで戦うか?」

「それは、できればどちらも避けたいな」


 Edgarの言う通り、既に超人……legendMythに語られるHeroの域にあるHeinzが振るうには、ただの鉄の剣は脆すぎる。彼が力いっぱい振るだけで砕けてしまうほどに。

 そもそも、ただの鉄では彼らが敵として設定しているrunawayしたDemon King FragmentRank13以上の超高位Undeadに傷一つつけられないだろう。


 Manaを体に纏う【Magic Fighting Technique】でbody part Abilityを底上げし、主にmagicWeapon Equipmentにすれば戦えない事もないが、それでは今までの訓練を半分も活かせない。

 magicも一流以上の腕を持つHeinzだが、彼の本分はやはりSwordsmanなのだ。


 しかし、今のHeinzに耐えられる剣はOrbaum Elective Kingdom全体でも何振りも無い。各Duke 家Heirloomとして伝えられているMagic SwordHoly Swordですら、彼の力に耐えられるかどうか分からない。


『それなら、僕が生前使っていたHoly Swordがあるはずだ。僕が神になるとき、ある聖域に保管しておいたからそれを使うといい』

 その時、Bellwoodの声がHeinzの意識に響いた。legendChampionが『God of Law and LifeAldaBodyに降ろして行った、Demon King Guduranisとの戦いに耐えたHoly Swordだ。願ってもない提案である。


「ありがとう。でも、Holy SwordAmid EmpireにあるAlda Grand Templeにあるのでは?」

 Amid Empireよりも昔から存在するAlda Grand Templeでは、Bellwood templeから受け継いだとされるBellwoodHoly Swordが納められていると伝えられていた。


『すまないが、僕は-kunに起こされるまで眠っていたから世間の事は知らない。ただ、僕は複数のHoly Swordを使ったから……僕が途中で手放したHoly Swordを安置しているのかもしれない。もしくは、僕のchild達に受け継がせた武具の内の一振りか……もしかしたら、僕が作ったHoly Swordが後世に『僕が使ったHoly Sword』だと誤って伝わったのかもしれない。

 ……できれば、今すぐ叩き折ってほしいぐらいだけれど』


 しかし、それはBellwood本人にとってはあずかり知らぬことだったようだ。そして、真実がどうであれ今のBellwoodにとって彼由来のHoly Swordは黒歴史の遺物に等しいようだ。


 BellwoodNineroadFarmounのようにorganizationは残さなかったが、大量のHoly Swordや聖なる鎧や盾を残した。対Demon King Army Remnantsの邪悪な神、そして対Vida's New Racesのための兵器として。

 今は亡き『Fifteen Evil-Breaking Swords』の一人、『Light Speed Sword』のRickertが携えていたHoly Sword Nemesis Bellはその代表的な一振りだ。


 その多くは激しい戦いの中で折れ、失われていったがまだまだ多くのBellwoodの遺産が存在していると謳われている。

 だが、今のBellwoodは『Evil God of Sinful Chains』のDivine Authorityによって自身の罪を自覚しているので、とても誇れる物ではないようだ。


「まあ、未来は変えられるはずだ。それに、Demon King Army Remnantsの邪悪な神やrunawayした【Demon King Fragment】に対して有効なWeapon Equipmentが必要なのは確かだ」

 Heinzがそう慰めると、Bellwoodは幾分か立ち直ったらしい。『……とりあえず、持ってくる』と言ってそのsignHeinzの中から遠ざかって行った。


「すごいじゃない、ChampionHoly Sword……それも本人が最後まで使っていた逸品なんて! Jenniferが聞いたら羨ましがるわよ」

「たしかにすごいが、あまり浮かれるなよ。Bellwood本人は気が付いていないだけで、ChampionじゃないHumanが振るうのは難しい程性能が高いって事も考えられる」


 珍しくはしゃいだ-sama子を見せるDelizahに、最近は珍しくなくなったしかめ面で戒めるEdgar。二人にHeinzは「ああ、分かっている」と答えた。


 BellwoodHoly Swordを受け継ぐのは、栄誉な事だ。Orbaum Elective Kingdomのどんな勲章を授与される事よりも、ずっと。

 だが、Holy Swordを使いこなすことができるのか不安を覚えたのも確かだ。まだBellwoodを降ろしたconditionでの戦闘で、力を発揮しきれていない。思えば、それが原因でMagic Swordに負荷がかかっていたのが折れた原因かもしれない。


 しかし、それ以上に気がかりな事があった。


「【Demon King Fragment】か……あの【Demon King Fragment】のsealedについて研究しているというAsagiという男が言っていたことは、事実なのだろうか」

 Heinzは約半月前にletterを送ってきた男、【Mage Masher】のAsagiMinamiとその仲間二名と一度直接会い、会談していた。


 その時Asagiが語ったのは、驚くべき事だった。Vandalieuanother worldから現れたChampion達と同じように、元はこのworldの存在ではないReincarnatorである事を聞かされていたHeinzだったが、Asagi達も同じReincarnatorだったのだ。そして、Asagi達以外にも既に何名ものReincarnatorがこのworldに来ていると。


 それを聞いて思わず身構えるHeinz達に、AsagiHeinz達に敵対するつもりはない事を説明し、さらに驚くべき警告を発した。

 彼らがいたanother worldで、Vandalieuは神となり、さらに彼以外のDeath-Attribute Magicの使い手を仲間にした。そしてその新たなDeath-Attribute Mageは、既にこのworldに来ているはずだと。


 Undeadを操るDeath-Attribute MageVandalieuただ一人。そう考えて行動してきたHeinz達にとって、まさに天地がひっくり返ったかのような情報だった。

 彼らがVandalieuを危険視していた理由は、彼が勢力を拡大して強力なUndeadcountlessに従えた後、彼が死んでUndeadが元の生者の敵に戻る事だった。


 だが、Vandalieuが万が一死んだとしても彼に代わる存在がいるなら、その危険性はなくなる。


 もっとも、Asagiが言ったanother worldからやってきたDeath-Attribute Mageの二人のうち一人しか、Undeadを操る事はできないようだったが。

 さらに、これはAsagiと彼らをreincarnationさせた神の予想だが、その二人のDeath-Attribute MageはどちらもVandalieuのような異常なほど莫大なManaを持つ事はないらしい。


「あの話か……話半分に聞いた方が良いんじゃないか? 話を聞いた後にも言ったが、奴もVandalieuの関係者だ。それに、奴の話はVandalieureincarnationさせた神のFamiliar Spiritからの伝聞だろ。庇っているだけかもしれない」

 Vandalieu本人が聞いたら激しく抗議するだろう事を口にして、EdgarAsagiの話を否定する。だが、彼らにとって『Vandalieuと同じReincarnator』というAsagiの素性は、不信感を持つ理由として十分だった。


 もっとも、本当はEdgar……彼の魂に巣食うGuduranisにとって、ここでHeinzVandalieuと戦う可能性がなくなるのは避けたいので、疑うよう促しているだけなのだが。


「それは分かっている。実際に新たなDeath-Attribute Mageを確認するまでは、私も信じるつもりはない。だが……本当かもしれないと考えるべきだろう。

 Asagiの話や彼らをreincarnationさせた神の話が明確に嘘で、私達を騙そうとしているのならAldaからOracleか何かがあるはずだ」


 HeinzAsagiから提供された情報を信じ込むつもりはなかった。Vandalieu以外存在しないはずだったDeath-Attribute Mageが、新たに二人出現した。しかし、その所在は不明。これでは信じようがない。


「……とはいえ、Vandalieuやその仲間に私達が『新たなDeath-Attribute Mage』について質問したとしても、答えてくれるとは思えないが」

 HeinzVandalieuは、お互いに信頼がマイナスに振り切れているような関係だ。Heinzが、彼が永遠に存在し続ける事を信じられないように、VandalieuHeinzを信じて新たなDeath-Attribute Mage……特に冥と会わせるような事はできないだろう。


 むしろ、冥とMariを殺すつもりに違いないと考え、その瞬間に殺し合いになる可能性が高い。


「それにしても……まさかanother worldKami-samaになるとはね。私達がここで強くなっている間に、Vandalieuも強くなるどころか神になるって、反則よね」

「全くだな。龍やTrue giant、そして邪悪な神よりも強いってのに、強くなるpaceだけHumanなのは厄介だ」


 Demi-Godや邪悪なGodsは普通十年や二十年では目に見えた成長はしない。彼らは何万年、何十万年かけて生まれ、成長していく存在なので人とは違う時間を過ごしているためだ。

 だが、Humanは違う。BotinChampionHillwillowが残したと伝えられている『男子、三日会わざれば刮目して見よ』という言葉がそれを表している。


 originallyanother world(EARTH)の故事になぞらえた慣用句、その由来は失われたが「志のある者は三日あれば成長するので、会う時は油断してはならない」という意味だけは伝わっている。


「お偉い-san達に【Demon King Fragment】の管理をしっかりするよう、改めて警戒を促した方が良いんじゃないか? AldaBellwoodOracleって事にして」

「いくらOracleでも、同じことを繰り返し要請するのは不味いからな。面識のあるDukeCenterTelkatanis Prime Ministerならともかく、他のNobleは自分達の管理Abilityを疑っていると思うかもしれない。それに……Alcrem Dukeには何を言っても無駄だろう」


 Vandalieuの母親、死んだはずのDarciaHonorary NobleとしたAlcrem Dukeを、Heinz達はVandalieu側に完全に取り込まれたと見ていた。そして、それは事実である。


「お兄ちゃ……どうしたの、その剣!?」

 そこにSelenroomに入ってきて、折れたMagic Swordを見て驚いて声をあげた。


「ああ、これはついさっき折れてしまったんだ。驚かせてしまったけど、大丈夫」

「新しい剣のあてもあるしな。……そうだ、SelenVandalieu宛てにletterを書いてもらったらどうだ?」

Selenに? でも、前にletterを送った時はダメだったって聞いたけど」


 Edgarの思い付きに、Delizahは意味があるのかと首をかしげる。


「それは知ってる。返事を俺も見せてもらったからな。だが、内容はともかく丁寧に書かれていたのはたしかだ。Hartner DuchyAdventurer’s Guildに保存されていた、奴がNiarkiで途中まで記入した書類と筆跡を比べてみたが、本人が書いた物だと思う。

なら、俺達やCardinalPriestが書くよりは効果はあるだろ」


「いつの間にそこまで……なら、出す意味はあるかもね。どうする、Selen?」

 DelizahEdgarの行動力に呆れながらも、そう頷いてSelenに視線を投げかける。


「私、書く!」

 Heinz達のためにできる事があると思ったSelenが、letterを書くことを躊躇うはずがない。こうして、SelenからVandalieuへ、二通目のletterが出されることになったのだった。


 Edgarは自分でも気がついていないが、Vandalieuに最も有効なMental攻撃をしたことになる。


 ちなみにAsagiKanako Tsuchiyaに関しても注意するようHeinz達に警告していた。何かを企んでいるだろうから、Vandalieuよりも警戒するようにと、仲間二人に止められるぐらい警戒を促していた。

 しかしBellwoodを通してAldaから「Kanako Tsuchiyaanother worldからのReincarnatorであり、Guiderである可能性がある」と既に聞いていたHeinz達は、Asagiの言動に逆に不信感を覚えた。


 彼らにとって、KanakoVandalieuより警戒するべき対象だとはどうしても思えなかったからである。




 その頃、OrbaumUpper Class Noble DistructにあるAlcrem Duke 家の別邸では、盛大なpartyが開かれていた。

 社交Seasonは本来秋の終わりから年末、そして初春の頃になる。しかしNoble達が春や夏にpartyを開かないという訳ではない。


 誰かが挙げた成果や武功、中には誕生日や結婚十周年等を祝うためにpartyを開く事もある。尤も、多くの場合は親しい者だけを招くお茶会など、細やかな集まりになる事が多いが。

 しかし、この時開かれたAlcrem Duke 家主催のpartyは盛大なものだった。社交Seasonに開かれるpartyと比べても、何の遜色もない。


 何故この時期にAlcrem Dukeが盛大なpartyを開いたのかというと――。


MahibiresRedosと申します。こうして直接会えるとは、光栄です」

「まあ、Redos Earl 家の。弓の名手だと聞いておりますわ。なんでもWyvernを射落としたとか」

「ははは、恐れ入ります。Zakkart Honorary Earlのご高名には遠く及びませんよ」


「これはこれは、DarciaZakkart Honorary Earl -dono。私、DavlanShabilと申します」

「まあ、Shabil Marquis 家のご長男。あなたの描いた絵画を存じておりますわ」

「それは嬉しい限りですな。もしよければ、貴女をモデルに一枚描きたいものです」


 話題の人物、DarciaZakkart Honorary Countessに会わせてほしいという他のNoble達からの要望を断り切れなくなったからである。


 Vandalieu達の行動に興味や警戒心を覚えたNoble達は多く、しかし一向に情報を集められない事に痺れを切らし、Zakkart Honorary Earl 家が制度上仕えている事になっているAlcrem Duke 家に矛先を変えた。


 TakkardAlcremも、Vandalieu達がOrbaumに滞在する予定だと聞かされた時からこうなる事は予想していた。だからNobleたちのdemandを穏便に拒否しつつ、社交Seasonまで待たせてその間にDarcia達が上流階Classでのmannerを覚え、当たり障りのない対応ができるようにするつもりだった。


 だが、予想よりもNoble達の社交戦略は激しく、ついに時季外れのpartyを開くfeather目になったのだ。

 Vandalieuから「なら、(Silkie Zakkart Mansion)partyを開くのはどうでしょう?」と、実現すれば九割近いNobleが拒否するだろう案が提案された。しかしTakkardが「後で難癖をつけるためのtroubleを起こさせる目的で、死んでも構わない捨て駒を送り込んでくるかもしれないから、やめた方が良い」という慎重論を唱えたため、却下となった。


 この日のためにTakkardは飛竜車――馬ではなく飛竜に専用の車を吊り下げて空を飛ぶ乗り物。最低でも四匹のよく訓練されたWyvernと、その乗り手が必要であるため、大Nobleでも乗れる者は限られる――でAlcrem Duchyから文字通り飛んできて、招待客の選定を行った。


「頼むっ! もう限界なんだっ! あるんだろう、噂のあれがっ!」

「お、落ち着いてくれ。partyはまだこれからだ、そういう話は後で……」

「必要なのは金かっ!? それとも先祖から伝わる絵画や壺? magic itemでも何でも言ってくれ!」


Alcrem Duchyの改革を我がMarquis 家でも支持する! 今すぐblood判状を書いてもいいっ、だから頼む! 噂の毛生え薬を融通してくれっ!」

「妻と娘が重いskin Diseaseにかかって、今も苦しんでいる。父は離縁して新しい妻を迎えろと言うが、そんな事は私にはできない! 奇跡を起こすと噂の膏薬をどうか……!」


 そして今は、VCreamの噂を聞きつけ手に入れようと押し寄せたmale Noble達の応対をしていた。自身の尊厳とprideがかかっているだけの者から、Vandalieuが聞いたら直接治しに行きそうな深刻な事情を抱えた者まで、同時に縋りついてくる。


 これには社交界の経験豊かなTakkardも、目が回りそうだ。彼の横にLucilianoがいなければ、本当に目を回していたかもしれない。

 だが、Takkardの秘書のような顔でNobleたちのnameと抱えている事情等を書類に書き留めているLucilianoも、眉間にしわを寄せていた。


(想定していたよりもVCreamの需要が高すぎる。まさか奇跡の膏薬とは……毛生え薬と肌を整えるCreamとして広めたというのに。実際、火傷や虫刺され、各種skin Diseaseに効果はあるが、教えていない。誰かが試しに塗ってみて、効果があった事を広めたのか?

 これは帰ったら師Artisanからblubberbloodを搾り取らなければならんな)


 そんな恐ろしい事を思いながら、LucilianoはVCreamの増産計画について考えていた。


 TakkardLuciliano、そして原材料のVandalieuを悩ませるNoble達だが、彼らはただVCreamを求めているだけなので御しやすいと言えば御しやすい。

 しかし、一筋縄ではいかない者達も集まっていた。


 Nobleの令嬢たちである。

 DarciaZakkartの長男であるVandalieuは、Orbaum Elective Kingdomの公的には婚約者はまだいない事になっている。そのため、彼女達はVandalieuに近づき、Transformation Equipmentの制作技術やそのTamerとしての腕を手に入れようと親から送り込まれているのだ。


Van、こっちのfoodもおいしいよ」

Pauvina、このsoupも中々ですよ」

 しかし、そのVandalieuPauvinaの横でpartyに供されたCookingを平和に楽しんでいた。着飾った令嬢達はその-sama子を遠巻きにしたまま、近づく事も出来ないでいる。


Van -samaっ、こちらの魚Cookingも豪勢よ、仕上げに真珠の粉をかけてあるの。Pauvinaもどうかしら?」

「旦那-sama、口元に汚れが」

『あたしのSapと果汁で作ったゼリーをお食べぇ』

「いやはや、Dukeの開くpartyも中々のものじゃな。ところで坊や、何故儂らの周りには人がおらんのじゃろう?」


 何故なら、Vandalieuの周りにはEleonoraBellmondEisen、そしてGhoulZadirisまでいるからである。

 Pauvinaも身長さえ考慮に入れなければBishoujoであるのに、そこに輝かんばかりの美貌と大人の艶やかな色気を漂わせたEleonoraBellmondEisenが囲んでいる。さらに、見た目は自分達と近いageに見えるZadirisが、常に近くで親しそうに話している。


 この完璧な防衛網をCharge可能な貫通力と度胸を備えた令嬢は、このpartyには存在しなかった。

 もちろん、普通ならTamed MonsterNoblepartyに出席することはない。garden partyなどで、主催者のNobleと親交のあるadventurerTamed Monsterを見せる事はあるが、それは出席というよりも見世物的な意味だ。


 社会的にTamed Monsterは特殊な畜だ。そのため、partyTamed Monsterを出席させて供されているCookingを食べさせることは、他のNoble達にとって「牛馬と同じtableについて同じCookingを食べる」のと変わらない。

 そのため主催者へ厳重に抗議するべき案件なのだが……出席客でそんな事をする者はいなかった。何故ならこのVenueにいるのは、事前にVandalieuTamed Monsterpartyに出席する事を知らされ、それでも構わないと了承した者だけだからだ。


 新種であるというVandalieuTamed Monster(Eisen)を間近で見られるという物見遊から、従者にmonstersの専門を紛れ込ませた情報収集目的のNoble、VCream以外は眼中にないNobleや、それでもいいからZakkart Honorary Earl 家connectionを作っておきたいと考えた者等が、ここに集まっている。


しかしOrlock氏には感謝しなければなりませんね」

「今度、串焼きを差し入れましょう」

 なお、BellmondTamer guildMasterOrlockから「Tamerされている」とお墨付きをもらっていた。彼の心労は増すばかりである。


「よろしいかしら、Vandalieu Zakkart -dono

 そこに、いないと思われたPierce力と度胸を兼ね揃えた令嬢が声をかけてきた。振り返ったVandalieuの目に入ったのは、六ageか七ageぐらいのShoujoで着ているdressの仕立てからconjectureするとかなりの柄のようだ。


 彼女は緊張からか硬い表情のまま、続けた。


「私、KatieHartnerと申します。……以前は、【Urðr​】とも呼ばれていました」



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