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Chapter 318: 平穏ではない学校生活

 絶大な力を手に入れたはずだった。たった一人worldの頂点に立ち、自分以外の全ての存在に天と地ほどの差をつけたはずだった。

 しかし、実際は『Undead』とそのClone、そしてAmemiya Hirotoに倒されてしまった。それだけではなく、ReincarnatorですらないただのchildAmemiya Hiroshiにすらしてやられた。


 十年を超えて練った陰謀に、支払った努力とpatience、積み上げた研鑽。追い詰められながらも、大願が成就したと思ったらこれだ。

 まるで悪夢のような理不尽さだ。何をどうすれば、『Undead』の存在を事前に気が付くことができたのか。奴の干渉を未然に防ぐか、もしくは撃退する事ができたのか。

 そして『Undead』やAmemiya Meiと違い、自分は何故霊を支配できないのか。


 いくら考えても、何度simulatorしても『正解』と思える答えが出ない。

『ぐあああああああっ!?』

『うああああああああっ!?』

『何故だ、何故なんだぁぁぁぁ!?』


 simulatorの中で、彼は何度も殺されてきた。Amemiya Hirotoが振るう光の刃に切り裂かれ、Bandaclawstentacleに貫かれ、Hiroshiが放った黒い光線に頭部を砕かれた。

 現実ではないので痛みはないが、殺されるたびに耐えがたい屈辱とdespair感に自分自身が蝕まれていくのを感じていた。


(私は何故こんな事をしているのだ。いやだ、考えたくない! だが……考えずにはいられない!)

 何故自分は失敗したのか。どうすれは勝てたのか。まるで何かに囚われているかのように、身動きがとれない。しかし、意識だけははっきりしているため考えずにはいられなかった。


(私は死んだのではないのか!? それとも……神となった私は、死ぬことすらできないというのか!?)

『いや、他の神はどうだかしらないけど、お前はしっかり死んだよ』

(っ!?)

 見覚えのある顔が現れたと思った瞬間、Rokudou Hijiriの意識はSelfの内から目覚めた。




 とはいえ、生き返ったわけでもなければ『Origin』に戻ったわけでもない。

『ここは……まさか、あの時の!?』

 周囲を見回したRokudou Hijiriは、『Earth』で死んだ後、『Origin』にreincarnationする前にいたspaceを思い出した。


『ああ、あの時と-sama子は少し違うが、その通りだ』

『おまっ!? ……MachidaShimada、それにEndouか。まさか-kun達が私を迎えに来るとはね。それより、その姿はいったい……?』


 Aran達三人の姿を見て思わず叫びだしそうになったRokudouだったが、反射的に外面を取り繕っていた。しかし、背中に白い翼を背負った、死んだはずのReincarnator達に対しての困惑は隠せなかった。


 そんな-sama子のRokudouに、Aran達は呆れたように溜め息を吐いた。

『いいよ、そういうのは。お前の本性は知ってるから』

『あと、その姿で外面を取り繕っても違和感が……』

-kunの姿もかなりのものだよ』


 口々にそう言うと、Kouyaは鏡をどこからか取り出してそれをRokudouに見せた。

『この姿は……!』

 鏡に映っていたのは、furの生えていない三meterほどの身長で蒼白の肌をした、しかし均整の取れた彫刻のようなBody美を持つ、Humanとは思えない存在だった。


 自分がRokudou HijiriというHumanの姿ではなく、『Ark Avalon』の姿である事を自覚した彼は、今の自分のconditionを正しく認識した。

『なるほど……私はやはり死んだのか。そして、先に死んでいたお前達はfrom here現世の-sama子を見ていたと……その翼はなんだ? あの神の下働きにでもなったのか?』


『……話が早くて助かるけれど、太々しくて不愉快だわ。私も、あなたが生前の事を素直に反省するとは思っていないけど』

『ずっと見ていたのだろう? だったら、今更取り繕っても無駄だ。むしろ、見物料をdemandしたいぐらいだよ』

 自分が『Ark Avalon』になった事を思い出したため、RokudouMentalは冷静さを取り戻していた。だから自分の本性を、自分がそうなるよう誘導した結果殺された、かつての仲間たちに知られていたとしても動揺はしなかった。


『ああ、見ていた。お前がHiroshiに吹っ飛ばされたり、Bandaから逃げるために自分の手足を引きちぎったり、Amemiyaにやられるところを全て』

『っ! やめろっ! 思い出させるな!』

 しかし、敗北と死のMemoryRokudouMentalに深い傷を刻んでいた。以前の彼ならAranに軽くProvocationされても、涼しい顔をして受け流せただろう。だが、今の彼は端正な顔を屈辱とAnger、そしてhorrorに歪めて激高していた。


『お前たちは何をしにきた!? 私の罪の糾弾か? それとも、裏切り者がHELLに落ちる前に笑いに来たのか!?』

 そう怒鳴り散らすRokudouに、KouyaAranに下がるよう手で合図しながら『いや、そのどれでもない』と話した。

-kunconditionを確かめていた。Memoryの欠落はないか、意識に問題は生じていないか、MentalDecayして廃人になってはいないかどうか。

 その-sama子なら、多少のtraumaは負っているだろうが問題はないのだろうね。残念なことに』


『なんだと? 何故そんなことをわざわざ……?』

『最後に、一つ忠告する。これからVandalieu……『Undead』とまた戦えと言われるかもしれないが、断るべきだ』

『悪運と仲間二人のお陰で消滅せずに済んだのだから、今の自分自身を大切にするべきよ。これ以上、riskを冒すべきじゃない』


 Kouyaと泉はそう言うと、Aranと共に後ろに下がってRokudouから距離を取った。Rokudouはどういう事か問いただすために彼らに近づこうとしたが、それはできなかった。


『確認は終わったようだな』

 そんな言葉と共に、Rokudouが立っている地面が急に動き出したからだ。そして五本の岩がせり上がって……いや、指がRokudouを囲うように曲がる。


『これは……なるほど、私はあなたの掌の上にいたのか。久しぶりだな、神よ』

 Rokudouは、自分が地面だと思い込んでいたのはRodcorteの掌だったと気が付き、彼を挑戦的に睨みつけた。

『これは、神に至ったと宣言をした私に身の程を教えるための演出か? 所詮私はお前の掌の上で踊っていたにすぎないとでも言いたいのだろう』


 そう挑戦的に決めつけるRokudouだったが、ただ単に彼の魂がRodcorteの手の中でSelfの内側に閉じこもっていただけに過ぎない。Rodcorteはただfaintedから目覚めて掌を開き、Moriyaの魂を脇にどけてAran達にRokudouを起こしてconditionを確認するよう命じただけだ。


 彼が今まで身動きが取れなかったのも、Rodcorteが彼の魂を握りしめたままfaintedしていたせいである。


『……好きに解釈するといいだろう。ただ、-kunの行いの結果私は大変な迷惑と損害を被り、そのことに怒りを覚えているのは確かだ』

 しかし、そんな情けない真実を説明する必要はないと、RodcorteRokudouに対して覚えている悪emotionsだけを伝えた。


 Rokudouが『Origin』で何もしなければ……death attributeの研究などせず、【Bravers】を裏切らず、幹部の一人として真面目に生きていれば、Vandalieuとその勢力は今よりは数段弱かったはずだ。

 『The 8th Guidance』は結局Legionになっていたかもしれないが、Murakami Junpei達は死なずに済み、Vandalieuに魂を喰われることはなかったかもしれない。Tsuchiya Kanako達も『Lambda』にreincarnationしてVandalieuの仲間になる事はなかっただろう。

 そしてAmemiya Hiroto達とVandalieuが再会し、一応の和解を果たすこともなかったはずだ。


 Rodcorteはそう考えていた。Kaidou KanataMurakami JunpeiVandalieu抹殺を命じたのは、自分自身である事を棚に上げて。


『それで、私をどうするつもりだ? 人類を滅ぼそうとした罪でHELLに墜とすか、それともどこかに幽閉でもするのか?』

『いいや、私にとってあのworldの人類は既にどうなろうと構わない存在だ。魂を消滅させるのならともかく、-kunのようにただ大量に殺そうとしただけなら問題にはならない』


『……どういう事だ?』

 彼は『Earth』で生きていた時から信心深い性格ではなかったが、reincarnationする際Rodcorteを見ている。そのため神の存在を疑ってはいなかった。

 そして、Rodcorteを世間一般で「神」と呼ばれる存在のimageと結び付けて考えている。


 だからこそ自分を罰しようとしているのだと考えたのだがRodcorteの口から出た、人類の滅び……大量虐殺を試みる事に責任を問わないという発言に戸惑った。


『貴-samaは神ではないのか?』

『私は神だ。ただ、それが人類を守らなければならない理由にはならないだろう。

 しかし、このままでは会話が進まない。仕方がないか』


 Rodcorteがそう言うと、Rokudouの頭の中に『Lambda』やVandalieuに関する情報が流し込まれてきた。

『っ!?』

 未知の感覚に戸惑うRokudouと、その姿で少し留飲を下げるRodcorte


『なるほど……まさか『Ark Avalon』に至った事そのものではなく、『Ark Avalon』にreincarnationする際に使用したsystemが神にとって問題だったとは』

 そして、Rokudouchinに手を当てながら、自分でも予期せぬRodcorteから不興を買った原因に頭を痛めた。


しかし、それよりも我々が死んだら別のanother worldにさらにreincarnationさせるつもりだったとは、どういう事だ!? それを先に知っていれば、私も別の事を……いや、他のReincarnatorも知っている場合は不可能か』

 もし『Lambda』で三度目の人生を生きる事をRokudouが知っていたら、Death-Attribute Magicの研究に拘らなかっただろう。『Origin』で多くの知識や技術を手に入れたうえで自殺し、他のReincarnatorより先に『Lambda』にreincarnationして神に至る事を目的に活動したかもしれない。


 もっとも、Rokudouが途中で気が付いた通り、他のReincarnator達もそれを知っていたら同じような行動をとった可能性が高いので、「他のReincarnatorより先に」の部分は不可能だっただろうが。

 特に、MentalDiseaseんでいたReincarnator達……Minuma HitomiJoseph Smith達は自殺してしまうだろう。


『それは三度目があると事前に知っていたら、二度目の人生を真面目に生きなかった可能性が高いと危惧したからだ。尤も、-kun-kunの配下のReincarnatorには途中から……一年以上前からOracleを下していたのだが、全く届かなかったのだが?』


『そのOracleとやらが届く条件を私は知らないが、届かなかった理由はだいたい察しがつく』

 Rokudoudeath attributeの研究をするため仲間を裏切る過程で、無意識に神を……Rodcorteを恐れていた。Rodcorteがどんな神か真実を知らない彼は、世間一般の人々imageする神と彼を同一視していた。だから、人体実験や仲間への裏切りを働いた自分を、神は不快に考えるだろうと思い込んでいた。


 そんな理由もあって神へ心を閉ざし、自分自身が神に至る事を目指していたのだ。


『だが、『Undead』……Vandalieuと戦えというのなら話は早い! 私をもう一度『Origin』へ戻せ! 今度は奴の存在を前提に策を練り、確実に倒してやる!』

『無駄だ。万が一にも成功しないし、今度は確実に魂を喰われて消滅させられてしまうだろう』

『な、なんだと!?』


 きっぱりと自身が勝利する可能性を全否定されたRokudouは、愕然とした。

-kunが起こした事件の結果、『God of Origin』の一部がVandalieuの一部となってしまった。-kunが再び『Origin』に戻ってどれほど巧妙な策を練り、実行したとしても、それを察知したVandalieuに叩き潰されるだろう』


 『God of Origin』の一部がVandalieuの一部となったため、彼は神に祈り、恐れる『Origin』の人々Memoryを見る事ができる。そして、自身に祈る者に『Oracle』を下し、【blessings】を与える事も可能だ。

 そして何より、Vandalieu本人が再び『Origin』にAdventする事もあり得るとRodcorteは考えていた。


 Amemiya Meiという自身のsoul fragmentから作ったCloneを憑かせたShoujoは『Lambda』にTeleportationしたから、Vandalieu本人が『Origin』に行くのは不可能になったのかもしれない。

 しかし、『God of Origin』の一部となった事で以前よりも自由にAdventできるようになっていたとしても、不思議ではない。


 どちらが正解なのか試すつもりは、Rodcorteにはなかった。

『だが、それなら何故私に次のchanceを与えようとする? 私を『Lambda』とやらにreincarnationさせたとしても、勝ち目はないのだろう?』


 『Origin』で勝てなかったRokudou Hijiriが『Lambda』でVandalieu達に勝てるかどうかといえば、当然そのままでは勝てない。『Lambda』にはAmemiya Hirotoを始めとした【Bravers】は存在しないが、Vandalieumain bodyとその仲間たちがいるからだ。


 さらに言えば、Rokudouには『Origin』で持っていた権力もなければ、手足となるべき配下もなく、Chinese Republic (not-URSS)Northern Europe Federationのような利用できる国organizationもない。

 それどころか、Vandalieu達以外にも『Lambda』には強敵がそこかしこにいる。


 もし彼が『Lambda』にreincarnationして、『Origin』と同じように大量虐殺を行って力をEnlarged (3)させようとした場合、『Origin』の何倍もの時間がかかる。

 総人口数十億人だった『Origin』と違い、『Lambda』の総人口は一億人以下。Vida's New Racesを加えれば一億は超えるが、それでも『Origin』と比べれば圧倒的に少ない。


 そして時間をかけているうちに、Rokudouを討伐するためにHero達が集まってくる。彼がreincarnationしたのがAmid Empireなら『Fifteen Evil-Breaking Swords』を始めとした精鋭に、AClassやBClassの上位のadventurer。更に無差別の大量殺戮は見逃せないとSchneider率いる『Storm of Tyranny』まで加わる可能性もある。


 そしてOrbaum Elective Kingdomならcertainly Vandalieu達に、『TrueRandolphHeinz率いる『Five-colored blades』。そしてどちらでも『God of Law and LifeAlda達が育てているHero Candidate達がRokudou Hijiriを袋叩きにするはずだ。


 Vidal Magic Empireに直接攻撃した場合は、despairしかない。Boundary Mountain Range内なら『Giant of the SunTalosや元『Majin KingGodwinが、Demon continentなら『Giant of the MoonDianaや『Mountain Queen Dragon GodTiamat、そしてBakunawaが、GartlandならPatron God達、そして数多くのGodsに匹敵する強敵がRokudouを倒しに殺到するだろう。


 Rokudou Hijiriは、『Ark Avalon』となった事で確かに神に至った。Rankで表すなら、13相当の実力者だ。だが、言い換えればRank13程度でしかない。『Evil Dragon God of Five SinsFidirgと互……いや、経験やbody part Abilityの差を考えればそれ以下だ。


 Rokudouが『Origin』で放ったShockwave of Deathでさえ、『Lambda』のCClass adventurer以上なら直撃しても耐える事ができる。Vitality豊富なAClass adventurer以上の前衛職なら、軽いjab程度にしか感じないかもしれない。


 『Lambda』がRank13程度にどうにかできるworldなら、Demon King Army RemnantsEvil God (M) Evil God (P)Pure-breed Vampire達がとっくにworldをどうにかしている。

 Rokudouができるのは、自分が殺される前に一国を滅ぼせるかどうか程度だろう。


 VandalieuRokudouを倒すのに手間取ったのは、『Origin』にはmain bodyよりも圧倒的にManaの少ないCloneと、Bodyを持たない魂の一部しかいなかった事。何より、彼の無差別殺戮を防いでいたからに過ぎない。


 それらを説明したうえで、屈辱に顔を歪めているRokudouRodcorteは言った。

『更に言えば、私には-kunHumanとしてreincarnationさせることは不可能だ』

『な、なんだと!?』

『私はHumanを含めた生命体のCircle of Reincarnationを司る神だ。零落したとはいえ神に至った存在を、その前世の力やMemory、人格を保ったままreincarnationさせるのは無理だ。魂の規格が異なる』


 Rodcorteにとって、『Origin』でReincarnatorが神に至る事態は想定外だった。そのため、Rokudouを『Lambda』にreincarnationさせるのに、大きな問題が発生したのだ。

 もしRokudouを『Lambda』にreincarnationさせようとすれば、reincarnation先のBodyと母体が耐えきれず出産前に死んでしまうだろう。


 かといって、AsagiKanakoreincarnationさせた時のように、Rodcorteが直接Bodyを創ってそれにreincarnationさせるのも不可能だ。

 何故ならRokudoureincarnationさせるにはHumanではなく、Demi-God相当のBodyが必要になる。そして、RodcorteにはDemi-GodBodyを創る事はできないからだ。


 無理をすればRokudoureincarnationできるBodyを創る事ができるだろうが、それは酷く歪で脆いものになるだろう。

 そこまで無理をしても、『Lambda』のStatus systemの恩恵にあずかれるかは分からない。Aran達が以前言っていたが、another worldからreincarnationしてきたそのworldで神に至った人物を、『Gods of Status』がどう判断するか分からないからだ。


 ただ、人と同じBodyreincarnationできないRokudouを、『Gods of Status』がHumanとみなす可能性は低いようにRodcorteには思えた。……なら何故Vandalieuが未だにHuman扱いなのか疑問を覚えるが、質問や抗議を向ける先がないので仕方がない。


『では、どうしろというのだ? 私もAran達のようにお前の手先になれと?』

『まあ、その方法もあると、一度は考えた』

 Rokudouの配下であるMoriya達をreincarnationさせ、Familiar SpiritとなったRokudouに彼らをSuportさせる。これなら神に至ったRokudouの力をそのまま、Status systemの恩恵を受けて成長したMoriya達に活用する事ができる。


しかしVandalieuを相手にするにはその方法は危険だと判断した』

 だが、Vandalieuなら【Familiar Spirit Advent】が成功する前にRokudouを直接攻撃する可能性がある。Rokudouの魂を地上に留めて置けるmagic itemを作る事ができれば別だが、普通のFamiliar SpiritHeroic spiritと元神のRokudouの魂は異なる可能性があるので、難しいかもしれない。


 それに、Moriya達が多少成長した程度でVandalieuとの戦力差が埋まるとも思えない。


『だが、-kunが『Lambda』にreincarnationしてVandalieuに勝つ方法がないわけではない。苦肉の策ではあるし、危険も伴うが……Vandalieuに勝てる可能性は十分ある』

 もう新たなReincarnatorを戦力にできない可能性がある以上、Rokudou Hijiriがどれほど使い辛くてもRodcorteとしては使わなくてはならない事情がある。


 Aldaの切り札、Bellwoodを目覚めさせたHeinzではVandalieuを倒せても、Vidal Magic Empireの国民を根絶やしにする可能性は低い。以前のBellwoodなら雑菌をSterilizationでもするかのように、身重の女や幼子まで虐殺する事ができたが、今の彼には期待できそうにない。


 だからRokudou Hijiriが必要なのだ。彼なら、Rodcorteの期待に応えてくれるはずだ。certainly、魂を砕かないようにCurse……安全装置をかけなければならないが。


『それは本当か? 私が奴に勝てる、奴に勝る可能性があるのか? なら……やってやろうじゃないか』

 Rokudou HijiriにはRodcorteの事情は関係ない。彼は、ただVandalieuに負けたまま終わるのが耐えられなかったのだ。『Earth』では取るに足らない空気、生きた背景でしかなく、『Origin』でも真っ先に死んだ敗者だと下に見ていたAmamiya Hiroto。そんな奴に練りに練った策をいいように引っ掻き回されて敗北したのが許せない。


 何より、優れているはずの自分ではなく、奴が特別になっている事が許せない。Humanだった時に持っていたpatienceや上辺を取り繕う力は、神となった時に無くしていた。この時、彼の頭にかつての仲間の忠告は残っていなかった。




 Adventurer's School校ではAlexElizabethが完全に決裂したというnewsを掻き消す勢いで、ElizabethVandalieu Zakkartを取り巻きに加えたという大newsが広まっていた。


「さすがElizabeth -sama!」

「いつの間に誘ったのですか? それとも、彼の方から近づいてきたのですか!?」

 Elizabethは自分の周りに集まってくる生徒達に、自分の席に座ったまま得意気に答えた。


「細かい事は想像にお任せするわ。まあ、私なら当然の事よ、とだけ言っておこうかしら」

 おお、と生徒達がどよめく。しかし、実はElizabethは内心でpanic寸前のconditionだった。

(なんであいつ私の取り巻きなんてしているの!? あの教室に前からいたのは分かるけど、それでなんで私達の仲間になるのよ!? 何か狙いがあるの!? なんでどうしてなのよ~!?)


 そんなElizabethの内心の動揺を見抜いて心配しているのは、侍女のShoujo Maheriaだけだった。


 一方、別の教室でAlexは自分の席で冷静さを保とうと必死になっていた。何故なら、partyの新memberにと狙っているPauvinaStatusを見てしまったからだ。

(ほとんど……ほとんど何も見えなかった!)

 だが、Statusの文字や数字にはmosaicがかかっていて、解読不可能なconditionだった。


 【Magic Eye of Great Appraisal】は、Statusを見たい対象の力量が持ち主の力量と比べて大きく上回っていると、Statusが読めなくなるという欠点があった。

 だからAlexも、幼い頃は周りの大人や村にやってきたadventurerStatusを見る事ができなかった。だが、CClass adventurerに匹敵すると言われる実力を手に入れた今ではそんなことは滅多に起きなかった。


 例外はMeorilithDandolipRandolph)といった一部の教職員や、Adventurer’s Guildで偶然見かけた上Class adventurerStatusを見た時ぐらいだった。

 しかし、それと同じことがPauvinaStatusを見ようとした時に起こったのだ。


(なら、彼女はAClass adventurer以上の実力者という事に……!? そんなBAKANA……でも、俺がStatusを見る事ができないってことは、そうとしか考えられない!

 それに、あのskillの数はなんだ!? 読めないから何のskillなのか、levelがどの程度なのかは、分からない。だけど、未成年であの数は異常だ! それに、Unique skillを複数持っているのが確実なんて……!?)


 そこまで考えて、額に滲んだ冷や汗を拭う。自分よりも圧倒的に……それこそ、同じ学校の生徒である事が理解できない程強いPauvinaを、どうやって仲間に誘えばいいのか分からないからだ。

 Pauvinaの実力が予想通りなら、仲間になってくれれば頼もしい事この上ない。だが、ここまで実力差があると、PauvinaAlexの仲間になるmeritがない。


 【Magic Eye of Great Appraisal】を持っている事を告白すれば別だが、情報が洩れる危険性を考えるとそれは避けたい。


(だが、それよりもまずいのは……彼女の義理の兄のVandalieuに、喧嘩を売った事だ! 入学試験の成績を見れば、凄いのはPauvinaだけでVandalieuはただ珍しいraceに生まれただけの奴なのかもしれないが……そんな訳はないよな。Pauvinaが実力を隠しているのだから、彼もPauvinaほどじゃなくても強いはずだ)


 明日にでも謝りに行って、その時にStatusを見てみようか? 学校内なら物騒なことにならないだろうし。そんなことを考えつつも、Alexは重苦しい溜め息を吐いた。




 そしてそのVandalieuは、一緒にに帰るためPauvinaと待ち合わせをしていた。その間、【Body World】に意識を向ける。

「みんな、自分のStatusは確認しましたね?」

 【Body World】では、冥やHiroshi達『Origin』から移住した者達に対するStatus systemの説明が始まっていた。


Statusに表示されている数字ですが、絶対ではありません。力が百の力自慢でも、油断していると半分の五十以下の人に負ける事があります。skilllevelも同-samaです。

 後、skillに表示されていないからといって、行為ができない訳ではありません。【Sword Technique】がなくても剣を持って振る事はできるし、【Cooking】や【Housework】が無くても、CookingHouseworkをすることができます。skillを獲得している人の方が、上手くできるというだけです」


 既に一通り説明されていたが、Vandalieuが改めて行った説明に頷いたり、メモを取ったりする一同。

「質問のある人はいますか?」

「はいっ!」

 元気よく手を上げたのは、【Echo】のUlrikaだった。


「私のStatusJobが『none』で、履歴も『none』と表示されているのだが……これは、もしかして私が今無職だからなのだろうか?」

「そうではないです。まだJob changeした経験が無いというだけですよ。無職とか、自宅警備員とか、そういうのは関係ありません」


 Vandalieuの答えに、あからさまにほっとした-sama子を見せるUlrika

「はーい、skillって十levelが最大なんだよな? じゃあ、俺ってもしかしweak……?」

「冥もweakの?」

HiroshiMe-kunも、このworldの同じ年頃のchildと比べたらずっと強いですよ。圧倒的です」


 自分達のskilllevelが低い事を気にするHiroshiと冥に、そんなことはないと保証するVandalieu

 Hiroshiは、Transformation Equipmentが無くても今Vandalieuが通っているHero Preparatory Schoolに通えるぐらい強い。最もlevelの高い【No-Attribute Magic】が評価されにくいskillなのが気になるが、八ageしかも Jobにまだ就いていない事を考えればこれからいくらでも伸びるはずだ。


 Transformation Equipment込みなら、Alexを楽勝で倒せる。


 冥は……そもそも今年四ageになる幼児が、skillを覚えている事自体、異例である。強いweakの問題ではない。


Me-kunには俺や友達がいっぱいいるでしょう? Hiroshiも、あなたが弱かったらRokudou Hijiriはそれ以下ですよ』

 そうBandafollowすると、二人とも「そっかー」と立ち直った。


「じゃあ、外のworldってどんななの?」

Dragonはいる? Fairy-sanLittle People-sanは!?」

monstersってどんなの? Demon King Familiarより怖い?」

 するとchild達がStatusとは関係のない質問を口々に発する。どうやら、好奇心が抑えられないようだ。


「分かりました。では俺のMemoryの一部を映し出して説明しましょう」

 【Body World】のVandalieuの近くに、Gianteyeballtentacleや翼が生えただけという形状の映写機型Demon King Familiarが集まってくる。


 そしてVandalieuDemon King Familiar達のeyeball-sama々な色に輝き、【Golem Creation】で作られた白い壁に彼のMemoryを映し出した。

「まず、これが俺の通っている学校の映像です」


「うわー、色々な髪の色の子がいる!」

「なあ、あの背の低い子ってDwarfってやつなの?」

「校長senseiって女の人なんだ。耳が尖ってる」


 映し出された映像に見入りながら、ワイワイと口を開くchild達。Vandalieuがその-sama子を微笑ましく思っていると、体外でPauvinaがやってきた。

「お帰り、partyは組めましたか?」

「うんっ! Reinhardt -kunと相談して決めたんだよ!」


 元気そうにnod Pauvina。ちなみに、Reinhardtとは受験の時に彼女に絡んできたNoble出身のおBocchanである。現在は、Pauvinasworn younger brohter……party memberの一員となっている。

 どうやら自分と違い、教室でのHuman関係は上手くいっているようだと安堵したVandalieuしかしPauvinaが「でも……」と沈んだ声で続けた。


「廊下のから、知らない子がじーってあたしの事を見てたの。何にも言わないで、汗の浮かんだ顔で目を見開いて。なんだか気持ち悪かった」

「……ほほう」


『見ていただけで声もかけてこなかったから、私達も何もしなかったけど……あれは尋常な-sama子じゃなかったね』

『敵意は感じませんでしたけど、ただ珍しい新入生を見に来ただけという感じでもなかったので気になっているんです。その生徒の容姿は――』


 PauvinaについていたOrbiaPrincess Leviaも、Pauvinaの証言を補強した。そして、彼女が説明した問題の生徒の容姿について、Vandalieuは心当たりがあった。

「……もしかしたら、Alexというsenpaiかもしれませんね。そういえば、仲間にしたい人の見当はつけていると言っていましたが、もしかしPauvinaの事だったのでしょうか?」


 だとしたら、義理とはいえ兄である自分にあんな態度をとったのは何故だろう? 何を考えているのか分からない奴だ。気を付けた方が良いかもしれない。

 Vandalieuはそう思った。




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Name: Pauvina Zakkart

Race: Half-Noble Orc

Age: age

Title: Next Generation's Mahou Shoujo】 【Demon User】 【Dragon God Princess

Job: Dragon User

Level: 71

Job History: Apprentice Warrior Warrior Club Warrior Heavyweight Warrior Beast Warrior Guardian Warrior Hell Armor Heavy Club Warrior Apprentice Mage Mage Magic Club WarriorTamerMagic Club UserHigh Tamer



Passive skills

Dark Vision

Monstrous Strength:1Lv(Mysterious Strength awakened into!)

Enhanced Vigor:2Lv(UP!)

Physical Resistance:7Lv(UP!)

Blunt weapon equipped, then Attack Power Augmented (2) : Medium(Blunt weapon備攻撃Enhanced (1) awakened into!)

Strengthened Defensive Power when equipped with Metal Armor(Metal Armor equipped, then Defense Power Enhanced (1) awakened into!)

Shield equipped, then Defense Power Augmented (2) : Small(ShieldDefense Power Enhanced (1) awakened into!)

Mental Resistance:5Lv

Intuition:4Lv(UP!)

Self-Enhancement: Guidance:6Lv(UP!)

Mana Enlargement:3Lv(UP!)

Strengthen Subordinates:5Lv(UP!)

Self-Reinforcement: Henshin / Transformation:3Lv(NEW!)



Active skills

Dragon God Club Technique:1Lv(Club Technique awakened into!)

Throwing Technique:6Lv(UP!)

Armor Technique:10Lv(UP!)

Shield Technique:9Lv(UP!)

-Surpass Limits-:9Lv(UP!)

Housework:2Lv(UP!)

Unarmed Fighting Technique:5Lv(UP!)

Dismantling:3Lv(UP!)

No-Attribute Magic:3Lv(UP!)

Mana Control:4Lv(UP!)

Earth-Attribute Magic:4Lv(UP!)

Magic Club -Surpass Limits-:5Lv(UP!)

Singing:3Lv(UP!)

Dancing:3Lv(UP!)

Magic Fighting Technique:4Lv(UP!)

Familiar Spirit Demonic Advent:2Lv(UP!)



Unique skill

Garess’s Divine Protection

Vandalieu’s Divine Protection

Mububujenge 's Divine Protection

Tiamat’s Divine Protection




●備考

 以上のPauvinaStatusを、Alexは彼女との力量差が大きかったためにほとんど見る事ができなかった。



Name: Amemiya Mei

Race: Human

Age: age

Title: Mini-Pluto】、【Vandalieu's Holy Girl】、【Possessed by Banda

Job: none

Level:

Job History: none


Passive skills

Death-Attribute Charm:3Lv

Strengthen Follower:1Lv

Mana Enlargement:2Lv

Self-Enhancement: Guidance:2Lv


Active skills

Death-Attribute Magic:3Lv

No-Attribute Magic:1Lv

Mana Control:1Lv

Golem Transmutation:1Lv



Unique skill

Vandalieu’s Divine Protection

Banda




Name: Amemiya Hiroshi

Race: Human

Age: age

Title: Vandalieu's Disciple

Job: none

Level:

Job History: none


Passive skills

Mana Enlargement:1Lv

Self-Enhancement: Guidance:3Lv


Active skills

Fire-Attribute Magic:1Lv

Water-Attribute Magic:1Lv

Mana Control:3Lv

No-Attribute Magic:5Lv

-Surpass Limits-:1Lv



Unique skill

Vandalieu’s Divine Protection

Vandalieu's Fragment

Super Mana Regeneration:4Lv 




Title explanation::【Vandalieu's Holy Girl


 特定の神のbelieverの中でも特別な立場にある人物が得るsecondary nameの一つ。この場合は、Vandalieuという神を信仰するSaintessである事を意味する。

 同じ神をworshiper達から尊敬や好意を得やすくなり、その神が司るものに関係するskillの獲得や成長が若干しやすくなる。また、blessingsOracleを得る可能性が高まる。(冥の場合は今更だが)




Skill explanation:Banda


 文字通りBandaが憑いている事を現すUnique skill。尚、ただ憑いているだけでcontrolできる訳ではない。

 BandaVandalieu)は、BandaVandalieu)の意思で冥に寄り添っている。


 そのため、万が一このskillを強奪された場合、Bandaは冥の元に帰るために新しいskillの所有者を速やかに抹殺するだろう。

 尤も、犯人はskillを強奪した時点で魂にVandalieuの一部が刻み込まれる事になるので、その時には正気を失っているかもしれないが。


Skill explanation:Etiquette


 複数の地方や国のEtiquetteの知識に通じ、それを実践できる事を表すskill。このskillを高levelで持つ者は、その手の文化を研究する学者か、Royal Nobility相手にEtiquetteを教えるInstructorである事が多い。

 また、このskillが無いからといってEtiquetteを知らないという事にはならない。


 例を挙げると、Alcrem DuchyNoble社会の礼儀が身についているだけの人はこのskillを持たないが、Alcrem DuchySauron DuchyHartner Duchyの歴史と文化に基づく社交界でのmannerの微妙な違いを理解し、それを使い分けられる人物はこのskillを持っている可能性が高い。



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