Vandalieuは今にも意識を失いそうになるのを耐えながら、母Darciaの霊が宿るboneのfragmentを握り、Living BoneやLiving-Dead達を連れて森の中の家に戻ってきた。

　空腹で死にそうだったが、幸いな事にDarciaが仕掛けておいたTrapに狸がかかっていたので、そのbloodをBloodsuckingして飲み干し、faintedするように眠りについた。

　そして目覚めた時は、既に昼間だった。

『おはよう、kaa-san。皆』

　目を覚ましたVandalieuは、静かだが仲間が増えた家を見回してそう言った。……実際には、「あうえう」と不明瞭な音を出しただけだが。

『それで、Hunter達は来た？』

　ベッドの傍に佇むBone Monkeyが、首を横に振る。どうやら、幸いな事にまだ来ていないようだ。

『まず、昨日手に入れた情報を纏めると――』

・今日からEvbejiaを治めるBestero BaronetのKnightと、God of Law and Life Aldaを信仰するGordan High Priestと配下のtemple Knightが、Vandalieuを狩りだそうと森を捜索開始。

・しかし、HunterのOrbieがこの家の場所を教えなかったので、暫く見当違いの場所を探すだろう。

・だがHunterのOrbieとその仲間達は、珍しい赤子のDhampirを捕まえるために今もここに向かっている。

『対して、俺の戦力は……ただのHunterが三人程度なら勝てるかな』

　昨日、自分が作り出した数百体のUndead。ただし、その大半がmouseや虫等の小動物で、戦えそうなのはBone Monkeyを含めて三十体ほど。しかし、基本的にweak。

　Bone Monkeyも生前はきっとオランウータンのようにHumanの腕くらい軽く捥ぎ取れるMysterious Strengthを持っていたのだろうが、今はそれほどではない。それどころか、試したところVandalieuよりも力が無かった。この場合は、Bone MonkeyよりもVandalieuの力の強さに驚くべきかもしれないが。

　Agilityさでも、普通のHumanよりも劣る。耐久力も、boneや死肉だから弓矢やknifeには強いだろうが、鍬で何度か殴ればバラバラになる程度でしかない。

　止めに、何故か確認できたStatus画面を見ると、Passive skillsもActive skillsも何も持っていなかった。

　今Vandalieuの手元に居るUndeadは全てRank１。Lambdaでは、一対一なら特に訓練を受けていない村人でも倒せる程度とされているmonstersなのだから。

　しかし、三十体もいる。なら、一工夫すれば何とかなるはずだ。

『とりあえず、虫は索敵。Bone Monkey達五体は家の中で俺の護衛。他は――』

　Vandalieuは、まずOrbie達Hunterを返り討ちにする事にした。Darciaから父の事を含めて色々と話を聞きたかったが、その隙にHunterたちが来たら面倒だから、先に捕まえて話を聞こうと。

　Orbieは昨日一緒に酒を飲んだ二人のHunter仲間を連れて、森を進んでいた。幾らtemple Knight達が精鋭でも、この広い森の中でDark Elfが作った隠れ家をすぐに見つける事は出来ない。

　絶対に自分達の方が先に赤ん坊を捕まえる事が出来る。彼らはそう確信していた。

「おい、言っておくが――」

「分ってる。金持ちになる前に、熊や狼の腹に収まる気は無ぇよ」

　確信していたが、彼らはプロのHunterだ。この森はmonstersが跋扈するDevil Nestsでは無かったが、熊や狼と言った危険な獣が生息しているし、Goblin等のweak monstersも少数だが存在している。

　それらを警戒しながら、彼らは進んでいた。

「妙だな。これ、大猿の足跡じゃないか？　こっちにあるのは……熊？」

　その警戒が幸いして、彼らは昨日VandalieuがEvbejiaの町まで往復した時に付いた、Undeadの足跡に気が付いた。

「そうか？　大猿や熊の足跡にしては、軽すぎないか？」

　しかし、Orbieの目にはその足跡は軽すぎるように思えた。地面に付いた足跡は、その主の体重が重ければ重い程、深く刻まれる。しかし、見たところその足跡はとても軽い物のように思えた。

「それに、形が変だぞ。若干小さいような気がするし、これは熊にしては指が少ない」

　そう見えるのは足跡の主がboneだけに成ったLiving Boneなので、体重が生前の半分以下でpawなどが無くなっており、更に幾つか指のboneが欠けていたりしたからだ。

　これが奇奇怪怪なmonstersをmainに相手にするadventurerなら警戒しただろうが――。

「いくつかの獣の足跡が重なって、そう見えるだけだろ」

　Orbie達は、monstersは時たま小遣い稼ぎで狩る程度しか相手にしないHunterだったので深くは考えなかった。この森にmonstersは殆どいないという認識も手伝って、彼らは足跡を『気のせい』として意識から外してしまったのだ。

「もうそろそろだ。小さな崖に洞窟を掘って、そこを隠れ家にしてた」

「よし、赤ん坊が死なない内に捕まえるぞ」

　そしてOrbie達はDarciaの家までたどり着いた。

　家の前は木がまばらになっていて、若干のspaceがある。煮炊きのために使っていた焚火の跡があり、生活の跡があった。

「ん？　随分物が散らばっているな」

「おい、まさかKnight -sama達に先を越されたんじゃないだろうな」

　Orbie達が見回すと、隠れ家前の地面には幾つも掘り返したような跡があり、その上に蔦や動物のboneが散乱していた。

「くそっ、中に入るぞっ」

　clicking tongueして赤ん坊がまだいるか確認しようと、扉に近づこうとした。

『うぉぉぉぉぉぉんっ』

　その時、怨嗟の声のような呻き声を上げて地面が盛り上がった！

「な、何だ！？　Golemっ！？」

「あ、EARTH Golemだっ！」

　地面に倒れたままじっと待機していた、土のbody partのEARTH Golemが起き上がったのだ。

「ひぃっ！？　Golemの下にUndeadが居るぞっ！」

　しかも、その下には狼や熊のLiving Boneが隠れ潜んでいた。

「に、逃げろっ！」

「何処へだっ！　囲まれてるんだぞっ！」

　しかも扉に近づいていたOrbie達は、GolemとLiving Boneの包囲網の中に居た。

　彼らのWeapon Equipmentは弓矢と、短剣。Rankが最低でもGolemやUndeadとは相性が悪い Weapon Equipmentだ。

「うおわぁっ！？」

「へ、蛇だっ！　いや、蔦だっ、蔦が動いてる！」

　そして、地面に散乱していたゴミであったはずの蔦が、蛇のように動きOrbie達に巻きついて行く。

「ち、畜生っ！　離せっ、離しやがれぇっ！」

　短剣を抜いて蔦を切ろうとしても、GolemやUndead達が寄ってたかって押さえにかかり、鍋が宙を飛んで頭に向かって体当たりしてくる。

　とても逃げ出せるものではない。こうしてOrbie達は生け捕りにされたのだった。

『上手くいったか』

　Undead Transformationした蔦に巻きつかれて、口も利けずに地面に転がるOrbie達を見てVandalieuはほっと息を吐いた。

　家の前の地面に霊をPossessionさせてEARTH Golemを作り、その下にLiving Bone達を仕込んだ。UndeadもGolemも呼吸もしないし、臭いはこの森の何処にでもある土の臭いだけだから、じっとさせればHunterでも気がつかない。

　蔦や鍋も同-samaだ。いちいちUndeadかもしれないと、地面のゴミを警戒する事は無いだろうと思ったが、その通りだったらしい。

『さて、じゃあ話を聞かせてもらいたいところだけど――』

　Orbie達は、Bone Monkeyに背負われ自分達を見下ろすVandalieuの姿に、目を見開いて驚いていた。自分達が捕まえようとしていた赤子が、まさか既にUndeadを使役するとは思ってもみなかったのだろう。

　この辺りが部下を叱責したGordan High Priestとの差だろうか。

『でも、まずは会話を成立させないとな』

　まだ不鮮明に「あうあう」としか声を出せないVandalieuでは、Orbie達と会話が成立しない。

　そこで、Vandalieuは砂利や砂でSand Golemを作った。

『もごもが～っ！』

　起き上がったHuman大の砂と砂利のGolemに、Orbie達が騒ぎ出す。きっと、殺されるとでも思ったのだろう。

　しかし、Sand Golemはその重い拳を振り上げずに、彼らの前でザラザラと崩れると、砂利の粒で文字を作った。

【騒ぐな、静かにしろ。質問に答えろ】

『よし、出来た』

　昨nightの-samaに、Evbejiaの外壁の一部をGolemにして形を変えて抜け穴を作る事が出来るなら、Sand Golemの形を変えて砂文字を作れるはずだと思って試してみたが、大成功だった。

　まあ、かなりのManaをGolemに供給し続けないといけないし、それなりにMental力が削られるが。

　ただ、一番の問題は砂文字が――Japan語がOrbie達に通じるかという点だったが。

　それを確認するためにも、静かに成ったOrbie達の口から蔦を離れさせる。

「……な、何が聞きたいんだ、何でも聞いてくれ。その代わり、命だけは」

「あ、ああ、知っている事は何でも話す」

「この場所だって、黙ってる。だから見逃してくれ」

　すると、口々に命乞いを始めた。どうやら、このLambdaでは会話だけでは無く読み書きもJapan語が通じるらしい。

『都合は良いけど、何でだ？　そう言えばRodcorteの知識に、昔Lambda worldにanother worldからChampionを招いたとかあったな。そのせいかな？』

　まあ、それは後で余裕が出来た時に調べよう。

　Vandalieuは筆談で質問し、Orbie達から情報を聞き出す事にした。ただOrbie達も平仮名や片仮名は読めても、漢字は殆ど読めないらしいので(最初の命乞いは、こちらの雰囲気を読んでしたらしい)、Sand Golemに作らせる文字の数が増え、VandalieuのManaとMental力がゴリゴリ削られる事に成ったが。

　ただ、それで全ての質問に有益な答えが返ってくる訳でも無かった。

【Jobとは何だ？】

「はぁ？　何だって、俺達のJobを言えば良いのか？　certainly Hunterだ」

【Experience Pointとは？】

「えっ……？　Experience Pointは、Experience Pointだろ？」

【God of Law and Life Aldaとは？】

「あ、ああ、Kami-samaだよ」

　このLambda worldにおけるJobとは何なのか、Experience Pointとは何なのか。そう言った基本的な事を聞いているのに、Orbie達の答えは、参考に成らない物だった。

　Orbie達からしてみれば、Vandalieuの質問が基本的過ぎるのだろう。Earthで「空気って何？」、「水って何？」と聞くのと同じだ。それでも相手に教養と語彙があれば参考になる答えが期待できるが、Orbie達にそれを期待する事は出来ない事が分かった。

『この辺りの質問は、後でkaa-sanに聞こう』

　DarciaならVandalieuの質問が何でも分りやすく教えてくれるだろう。何せ、子育て中の母親なのだし。

【Bestero Baronetと、そのKnight団の事について話せ】

　ならOrbie達が知っていそうな事だけ聞くかと、頭を切り替えたVandalieuは彼ら以外の仇について質問した。

「領主さまは、十年ぐらい前に代替わりした人で、出世欲が強い人だよ。それ以外に特徴が無い、普通の御Noble -samaさ。他のNobleと比べて、特に何が優れてるって話も聞かないし」

「Knightは五人で、他は俺達領民の中から腕っぷしが強いのをSoldierって事で雇ってる。一応、訓練もするみたいだけどよ」

「だ、だからそんなに強くないぜ。何なら、俺達が始末して来てやろうか。俺達とお前が組めば、簡単だぜっ」

　最後のは無視するとして、Bestero Baronetのminionsは、数も練度もそれ程では無いらしい。きっと、領民にとってここは平和な領地なのだろう。

　領民にとっては。

【質問にだけ答えろ。

　Gordan High Priestと、temple Knight団について知っている事を答えろ】

「High Priest -samaとtemple Knight -samaは、いつもは町にいない。あいつらがDhampirとそれを産んだWitchが……貴方-samaとお母上がいらっしゃると、手配書を持って町に半月ぐらい前に、来まして……ええっと、Vampire殺しで有名なClergymanで、連れているtemple Knightも、精鋭ぞろいなんだとか」

「ええ、Clergymanの癖に腕っぷしでHigh Priestまで上り詰めたっていう変わり種で、Even now何匹もVampireやその手下を……Vampire -samaと部下の皆-samaを、退治してしまっているそうです。何百年も生きているVampire -samaも退治した事があるとかで、adventurerならＢClassに勝るとも劣らないと噂になっておりますぜ」

「だ、だけど土地勘のある俺達がallyに付けば、奴らの裏をかく事なんて簡単だぜ。な、だから俺達を手下にしてくれよ」

『なるほど。あのPriestは腕利きのVampire Hunterなのか……じゃあ、次はFive-colored bladesについてだけど、その前に……丁度良いから腹ごしらえをしよう』

　三人目のHunterの男を、Living Bone達に頼んですぐ前まで連れて来てもらう。

「な、何だ？　俺を手下にしてくれるのか？　俺達は役立つぜっ、弓の腕ならEvbejiaでも……ひぃっ！　本当に役立つんだっ、あんたのためなら何でもするっ、だから命だけはっ！」

　Bone Monkeyに頭を掴まれ、首筋が動かないように抑えられた男は、上ずった声で命乞いをするがVandalieuは全く聞いていなかった。

　ずぶりと、fangsが男の首筋にthrust刺さる。

「ぎやぁぁぁぁぁぁっ！」

「Johanーっ！」

　Johanという男とOrbie達のscreechのChorusを聞き流しながら、Vandalieuは喉を鳴らしてbloodを貪った。

『野兎よりも脂っこい気がするし、やや塩味が濃いような気がする』

　そして当然、Darciaの胸に抱かれて飲む母乳の方が美味しい。しかし、目が覚めてから初めて口にする食事なので、luxuryは言わずにJohanがscreechを上げるのを止めて、ぐったりとするまでbloodを飲み続けた。

『ふぅ……あ、Bone Monkey、ちょっと軽く背中押して。そう、そこ……けぷっ』

　赤ん坊らしくburpを手伝ってもらってから、土気色に成ったJohanをOrbie達に見せつける。

　そして彼らに向けて、砂文字で告げる。

【質問にだけ答えろって、言ったじゃないか】

　Orbieともう一人のHunterは、whole bodyのblood液を吸われて死んだJohanと彼を殺しても表情一つ変えないVandalieuを見て、首が千切れんばかりに頷いた。

　相手は赤ん坊だがchildらしい甘さや情けを持ち合わせておらず、少しでも逆らえば躊躇いも無く殺されるという事にやっと気が付いたのだろう。

【それで、Five-colored bladesとBlue-flame SwordのHeinzについて知っている事は？】

　そこからはとてもスムーズにOrbie達から話を聞く事が出来た。見せしめが余程恐ろしかったのだろう。

　Five-colored bladesは五人組のadventurer partyで、Heinzはそのleaderでありまだ十代なのにＢClassに成ったsecondary nameもちの出世株らしい。

　他のmemberもＣClassで、腕利きぞろいなのだそうだ。

『やっぱり、Gordan High Priestも含めて今の俺では絶対勝てない相手だな』

　次に聞いたのは、この辺りの地理について。Bestero Baronet領の周りや、Gordan High Priest達が今探しているだろう場所の目星等。

　これは中々助かった。Bone Monkey達にPossessionさせた動物霊にも実は聞いたのだが、要領を得なかったからだ。

　霊達は昨日よりも好意的に自分から進んでVandalieuに話をしてくれるのだが、何せ元が動物や虫だ。Humanが基準に出来る具体的な方向と距離が分からないのである。

　あっちとかそっちとかその場で道案内をさせるのなら問題無いが、mapに起こそうとすると混乱は必至である。

『じゃあ、後は今の内に水と食料の確保だな』

　Gordan High Priest達は、今は見当はずれな場所を探している。しかし、この森は実はそんなに広くないらしい。十日もあれば虱潰しにされてしまう。

　かと言って、急いで逃げ出すのは悪手だ。

　VandalieuはDhampirの特徴である片方が真紅の瞳になるオッドアイであるため、正体を隠せないから人里には入れない。だが、この洞窟の家のような安全地帯を確保しないまま野外で生活するのは危険すぎる。

　何故なら――。

『生後六か月の俺には、長い睡眠が必要だ。実際、今もかなり眠い』

　片親がVampireだろうが、Ability Valuesが高かろうが、skillを幾つも習得していようが、赤子である事に違いは無い。生後一か月の時よりだいぶマシだが、頻繁に眠くなるしnight更かしはきつい。

　Abnormal Condition Resistance skillで睡魔を抑える事も出来るが、それではこれからの成長に悪impactが出てしまう。それはDarciaも望まないだろう。

　よって、Gordan High Priest達が探索を諦めるまでこのまま隠れ潜む事をVandalieuは選んだ。まさか生後半年で引きこもり生活を余儀なくされるとは思わなかったが、これも生き延びるためだ。

「お、おいっ、どうしたんだ？　もう聞く事は無いのかっ？」

「だったら離してくれっ！」

　Orbie達が騒ぎ始めるが、もう彼らの情報源としての役目は終わっている。再び蔦によって口まで縛られてしまった。

「ま、待ってくれっ！　頼むっ、見逃してくれ！　俺にはむぐぅぅ――」

　俺には、何なのだろうか？　婚約者？　妻？　幼い娘？　年老いた母？　幼い息子が居る母親を密告した癖に何を言うつもりなのだろうか。

　それに何がいたとしても彼らの役割は変わらない。

　Vandalieuはそれを砂文字で告げてやった。

【お前達は、食料だ】

　ぐぐもった絶叫が二つ、上がった。

　ずっと昔の時代。このworldには二柱の偉大な神だけが存在した。

　Black Great God Diachmell。

　White Great God Arazan。

　二柱の神は、お互いに争っていた。どちらが善で、どちらが悪であったかは既に誰も知らない。ただ、彼ら以外に何も無かったから、争っていたのだ。

　無限に続くかと思われた神達の戦いは、DiachmellとArazanの相打ちという形で決着が付いた。

　黒と白の巨神が重なり合って倒れ、その骸から新たなGodsが生まれた。

　Goddess of Life and Love Vida

　God of Light and Law Alda

　War-God of Fire and Destruction Zantark

　Goddess of Water and Knowledge Peria

　God of Wind and Art Shizarion

　Mother God of the Earth and Craftsmanship Botin

　Magic God of Time and Arts Ricklent

　God of Space and Creation Zuruwarn

　彼ら八柱のattribute神にDragon-Emperor God Marduke、Giant God Zerno、Beast God Ganpaplioの三神を加えて、始祖の十一神と呼ぶ。

　十一神は、孤独からその力をお互いに争う事にしか使わなかった巨神達の-samaにはなるまいと、協力してこのworld、Lambdaを創った。

　八柱のattribute神は自分達を模してHumanを創り、彼らをFollowersとして教え導いた。

　Dragon-Emperor God Mardukeは龍種を、Giant God Zernoはgiantを自らのFollowersとして創りだした。

　そして彼らの食料として、Beast God Ganpaplioはcountlessの鳥獣を生み出し、海に魚を放した。

　War God ZantarkとMother God BotinからDwarfの始祖が、Goddess PeriaとShizarionからElfの始祖が生まれ、Humanはwisdomあるraceの総称となり、それまでHumanと呼ばれていた者達はHumanと呼び方を改められた。

　そうして出来上がったworldは、平和だった。人々はGodsを信仰し、その頃の龍種やGiant raceは賢く聡明で、野山には彼らが取り合わなくても十分食べていけるだけの鳥獣が群れ、海は豊かな恵みで満ちていた。

　だが、この平和は星々よりも遥か向こう、Abyssの彼方より現れたDemon King Guduranisによって終焉を迎えた。

　GuduranisはLambdaにAdventすると、僕であるEvil God (P)やEvil God (M)達を率いてworldを手に入れようと戦を起こした。

　Demon Kingの穢れたManaによってLambdaには今まで存在しなかったGoblinやOrcと言ったmonstersが生まれ、Demon King達はそれを僕にしてGodsと戦った。

　それまで武芸を磨き競い合い、生活の糧に鳥獣を狩る事はあっても本当の殺し合いを経験した事の無いHuman達は混乱し、Godsも劣勢に追い詰められた。War God Zantark、Dragon-Emperor God Marduke、Giant God Zerno達はFollowersを率いて雄々しく戦い、Magic God RicklentはHuman達にmagicを授けてCommandingしたが、戦況を覆すには至らず、Beast God Ganpaplioは善戦するも滅ぼされてしまった。

　だがDemon Kingの軍勢に対抗するため、God of Space and Creation Zuruwarnが七人のChampionをanother worldから召喚した。

　七人のChampionは人々に戦う術を教え、優れたWeapon Equipmentを創るwisdomを与え、自らが先頭に立って勇敢に戦った。

　そして激戦に次ぐ激戦を経て、遂にDemon King Guduranisは滅ぼされ、肉片の一つも残さずsealedされた。配下のEvil God (P)やEvil God (M)も力を失い、ある者は滅ぼされ、ある者は死に等しいsealedに囚われた。

　だが、残されたのは勝利とは言い難いものだった。

　War God ZantarkはEvil God (M)のCurseを受けて闇に堕ち、Periaは海に没し、Shizarionは風に還った。Botinは地中深くに封じられ、RicklentとZuruwarnも力を取り戻すための眠りについてしまった。

　Mardukeは千々に引き裂かれ、Zernoはheartを砕かれた。彼らのFollowersは力が衰え、龍種は数を減らし代わりに力に劣る竜種が増え、giant族の多くがEvil God (P)やEvil God (M)を崇めるmonstersに成ってしまった。

　そしてChampionは三人まで数を減らし、Humanは最も数が多かったHumanにElf、Dwarfを加えてもbarely一つの町を維持できるかどうかというところまで数を減らしてしまった。

　文明も文化も維持するには数が足りず、更にDemon Kingは滅んでもLambdaにはDemon Kingの軍勢との戦いでManaに汚染されmonstersが跳梁跋扈する土地、Devil Nestsがそこかしこに存在し、そこから生き延びたmonsters達が止めどなく数を増やしているconditionだった。

　力を残していた二柱の神の内Aldaは、Champion達と共に生き残った人々をGuiding事を選んだ。しかし、Goddess Vidaは新たなHumanを、新しいraceを自ら生み出して生き残った人々と合流させる事が、Lambdaが復興を遂げる近道だと考えた。

　VidaはGoddess of Life and Love。彼女の力は、闘いよりも新race Creationに向いていた。

　まず、monstersに成らず気高いMentalと善性を保っていたGiant of the Sun Talosと交わり、Robust Healthで強靭なBodyを持ちながらHumanの町でもbarely暮らせる大きさを保つrace、Giant raceを生み出した。

　次に、生き残っていたMardukeのFollowersの中で最も力を持っていた龍、Tiamatとの間にDragonの力と角を持つHuman、Ryuujin族を生み出した。

　更にGanpaplioの配下だった鳥獣の王達と交わって多種多-samaなBeastmen族を、Periaの片腕だったGod of the Seas Tristanとの間にMerfolk族を生み出した。

　そして当時自分に仕えていたElfの青年と交わり、Elfと同等のManaを持ちBody的に優れたDark Elfを生み出した。

　そのGoddessの行いをAldaは、ただでさえ荒廃したこのworldを更なるChaosにthrust落とす行為だと咎めた。God of LawでもあるAldaには、Vidaが次々に新raceを生み出す事がenduranceできなかったのだ。

　だがVidaも自分の正しさを信じていたため、二人の神の話し合いは常に平行線だった。

　Vidaは遂にmonstersと交わりLamia、Scylla、Arachne、Centaur、 Harpy、Majin Raceを生み出す。

　そしてDemon Kingとの戦いで命を落としたChampionの一人、Zakkartの骸に生命attributeの力を与えてUndeadにして交わり、Vampireを作り出した。

　生まれたVampireのTrue Ancestorは、あらゆる面で神に匹敵する力を持っていた。そして、その力をHumanに分け与える事が出来た。己のbloodを与える事で、そのHumanをVampireにする事が可能だったのだ。

　だがVidaがmonstersと交わった事、そしてVampireを生み出した事にAldaは激怒した。

　worldの乱してはならない秩序に反した存在を生み出したとして、Aldaは三人のChampionと共にVidaと彼女が生み出したraceを滅ぼそうとしたのだ。

　当然Vidaも我が子である新raceを守るために、蘇ったChampion Zakkartと共にAlda達と戦った。だが紙一重で敵わず深い傷を負い、堕神として神の位から堕ち、Champion Zakkartと共にDevil Nestsに歿した。

　勝ち残ったAldaだったが、生き残ったVampireを含めるVida's New Races達を駆逐する力は残っておらず、更にGod of Life-Attributeが居なくなってしまったため、消耗したbody partでVidaの代わりをしなくてはならなくなってしまった。

　Aldaは光と法、そして生命神であると名乗り、believerたちはGod of Law and Lifeと称えるが、Vidaとの戦いの後十万年余り、未だworldは混迷の中に在る。

『これがこのLambdaのGenesis Mythよ』

『ありがとう、kaa-san。とても参考に成ったよ』

　家に潜伏する準備を終えたVandalieuは、remainsに宿ったDarciaの霊からこのLambda worldのMythを聞いていた。

　家にはOrbie達を含めた、Trapで生け捕りにした獣等の非常食をUndead達に運び込ませ、Stone Golemに形を変えさせて作った壺を使って、水の備蓄もたっぷり確保した。

　その後洞窟の土や石でGolemを創りつづけ、『そのまま直立不動で待機』と命じて崩落防止の柱に、奥の土や石で出来たGolemを入口の方に移動させて洞窟を奥に拡張、そして入口でGolem Transformationを解除して入口に蓋をした。

　ManaさえあればGolemの形をある程度自由に出来たので、きっとArchitectureにも活かせると試してみたら大正解だった。

　入口に蓋をした時に壊した家具や壺のfragmentを置いて、隠れ家にしていた洞窟が崩落したように見えるよう偽装しておいたが、Gordan High Priestが「Dhampirの死体を確認するまで洞窟を掘り起こせ！」とか言わない事を心から祈るばかりだ。

　既に五十meter以上奥に入口の方を埋めながら拡張したので、余程大規模なEngineering工事をするか腕利きのEarth-Attribute Mageを雇わないと無理だろうが。

　空気は握り拳大の空気穴をこっそりあけてあるので、問題無い。照明は、Dark Vision skillのお蔭で要らない。

　Vandalieuの地下生活の準備はこのように整っている。

　そして出来た時間をDarciaから話を聞かせてもらって過ごしているのだ。

『それで、ここは Bahn Gaia continentの北西部、Amid Empireの属国の一つ、Mirg Shield Nation。そしてEmpireとその属国は国教としてGod of Law and Life Aldaを信仰している。

　道理で危険なはずだ』

　AldaはVampire等、Vidaが生み出した新raceの存在が秩序を乱すと神同士で争うような神だ。当然Vampireとの混blood児は迫害の対象……どころか、討伐の対象らしい。

　Alda教のinfluenceが強いAmid Empireとその属国にあるAdventurer’s Guildでは、討伐依頼が堂々と張り出されている。ちなみに、討伐を証明するための部位……討伐部位は真紅のeyeballなのだそうだ。

　これは森に隠れ潜むのも納得である。

　更にDarciaのようなDark ElfやBeastmen、Ryuujin等の、Demon Kingとの戦い以後にVidaがmonsters以外の相手と交わって生み出した新raceも迫害の対象であるらしい。

　Amid Empireとその属国では、HumanとElf、Dwarfのみが『Human』として認められ、それ以外のGiant race、Dark ElfやBeastmen、Ryuujinは『亜人』と呼ばれ差別されている。その最たる例は、『Human』は犯罪Slave以外認めないが、『亜人』はSlaveとしての売り買い、所有、用途に制限が無い事だ。

　Vampireを含める、Vidaがmonstersと交わって生み出したraceは、当然ながらただのmonstersとして討伐の対象である。尤も、VampireやLamiaをAmid EmpireのadventurerやSoldierが殺して討伐部位を死体から剥ぎ取った数と同数か、それ以上の数のadventurerやSoldierが返り討ちに遭い、一般市民が被害に遭っているという現実もある。

　その問題に関しては、Aldaのbelieverが「だから奴らは凶悪なmonstersなのだ。我が神は正しかった！」と主張し、Vidaのbelieverが「彼らが人に害をなすmonsters染みた存在に成ったのは、GoddessのGuidanceを失ったからだ！　つまり、Aldaのせいだ！」と怒鳴り返すという不毛なやり取りが、何万年も続いているらしい。

『じゃあ、次は父-sanやVampire、Dhampirについて教えてよ』

『良いよ。でも、そろそろお昼寝の時間だから、続きは起きてからね』

『はーい』

《【Golem Transmutation】skillを獲得しました！》

・Name: Vandalieu

・Race: Dhampir(Dark Elf)

・Age: 半年

・Title: none

・Job: none

・Level: ０

・Job History: none

・Ability Values

Vitality: １８

Mana: １００,０００,６００

Strength: ２７

Agility　：２

Endurance　：３３

Intelligence　：２５

・Passive skills

Mysterious Strength：１Ｌｖ

Rapid Healing：２Ｌｖ

Death-Attribute Magic：３Ｌｖ

Abnormal Condition Resistance：２Ｌｖ

Magic Resistance：１Ｌｖ

Dark Vision

Mental Corruption：１０Ｌｖ

Death-Attribute Charm：１Ｌｖ

・Active skills

Bloodsucking：１Ｌｖ

-Surpass Limits-：２Ｌｖ

Golem Transmutation：１Ｌｖ(ＮＥＷ！)

・Curse

　Experience gained in previous life not carried over

　Cannot learn existing jobs

　Unable to gain experience independently