<- Previous | TOC | Next ->
Special thanks to MBA and the Users from the LBN #spoilers Discord. Without them this would not be possible.

Side Chapter 50: ぶつかり合うReincarnator

 【Balor】のJohnny Yamaokaの脳から情報を手に入れたBandaは、白目をむいて痙攣している彼の首を圧し折り、念のためにheartclawsで貫いて放り捨てた。そしてAmemiya邸の玄関だった瓦礫やGolemの残骸を使って、死体を手早く埋めてしまう。

 他にも、目に見える範囲に死体が転がっていないか確認し、【Deodorization】のmagicを使ってbloodと硝煙の臭いを消してから懐を開いた。


「ぷはぁっ! びっくりした……うわあああ! が滅茶苦茶になってるぅ!」

「はひぃ、はひぃ、嫌だぁ、出たくないぃぃ……」

 最初に出てきたHiroshiが自宅の惨状にscreechをあげた。UlrikaBandaの胴体に縋りついたまますすり泣いている。どうやら、激しい銃声が彼女のtraumaを刺激したらしい。


「よしよし、大丈夫だよ。安心してね」

 そして、冥がUlrikaを宥めている。

『無理をさせてしまいましたね。ありがとう、UlrikaHiroshi-kunroomは無事な筈ですから、持っていきたい物があったら持って行きましょう』

 そう言いながら、Bandaは左手のclawsを取り外し、右手でどこかへ投擲する。それを何度も繰り返した。


「え、いいの? こういう時って普通、必要のないものは置いて行くんじゃないの?」

『そんな事は言いません。gameでもプラモデルでもぬいぐるみでも、お気に入りの服も全部持って行きましょう』

「分かった! すぐ持ってくる……ところで、さっきから何してんだ? 敵はもういないんだろ?」

『ええ、いなくなりました』


 clawsを投擲した先でこちらを狙っていたスナイパーや、近所の住人を拉致監禁していた敵の生命反応が消えたのを確認したBandaは、Hiroshiの言葉に頷いた。

 そしてHiroshiが荷造りをしている間、UlrikaJohnnyが持っていた情報を話して今後の打ち合わせを行う。


「まず、もう隠れるのは無理だ」

 冷静さを取り戻したUlrikaが、そう言いながら携帯端末の画面を見る。そこには、Johnny Yamaokaを猟奇的にslaughterするBandaの動画が投稿サイトに投稿されていた。


 物音に気がついた通りがかりや、Johnny達に身柄を押さえられなかった近隣住人がphotographingしたらしい。

 そう言えば、遠くからサイレンの音が響いてきている気がする。

Bandaが姿を消しても私達は警察に『保護』と言う名目で身柄を抑えられる。この国の政府にも、Rokudouの協力者がいるだろう。私は冥とHiroshiから引き離され、その間に奴らは二人を拉致しようとするはずだ。

 ここまで派手な行動に出た以上、Rokudouも焦っているはずだ。時間をかけようとはしないだろう」


『それに、他のReincarnatorの身に危険が迫っていますからね。大人しくMe-kunPapaRokudouを倒すのを待っていたら、犠牲が増えそうですし』

 Johnny Yamaokaから得られた情報には、RokudouDeath-Attribute Magicの研究をしているのかといった彼にとって致命的な情報はなかった。ただ、このtactics同時Amemiya HirotoJoseph、他の【Bravers】の幹部やRokudouにとって都合の悪い人物を始末する予定である事が分かった。


『だから助けに行こうと思いますが……MariJosephは大丈夫でしょう』

Amemiyaは……?」

『あいつはどうせ死なないだろうから、俺が助ける必要はありません』


 God of Originの人格を現在統率している『Pluto』から、Rokudou Hijiriを止めるためにAmemiya Hirotoblessingsを与える事をBandaは知っていた。なら、Trapぐらい対処できるだろう。

 それに、Amemiyaと一緒にいるReincarnator達はJosephUlrikaと違う、ただ『Earth』でclassや学校が同じだったというだけの人達だ。

 積極的に助けなければならない理由も、助けに行きたい理由もない。


 心配なのは、彼等がMariとぶつかって彼女に危害を加える可能性がある事だが……彼女達なら上手くやるだろう。

「では、やはりJoseph達を助けに向かいますか?」

『いえ、Joseph達も大丈夫です。一番危ういのは、Me-kunMama達なので、そこに行きましょう』

Mamaのところ、いくー!」

「分かりました! しかし、どうやって……from here Africaに行くには、旅客機では時間がかかり過ぎる。戦闘機でもJackしなければ間に合わない……」


UlrikaHumanには二本の脚があります。そしてここにはJohnny達が乗って来た黒塗りの車があり、俺には……翼があります』

 黒いfurのマント……epidermisが広がり、大きな翼に変形した。この時、実は高所horror症でもあったUlrikaは思わず涙目になり、冥は初めてのmidair Flightの予感にキャッキャと歓声をあげ、から冥や両親の分の服もトラベルBackに適当に詰め込んできたHiroshiは目を丸くした。


 そして、周囲で隠れたままphotographingを続けていた一般人は、Bandaの事をHELLから来た悪魔か何かだと思い込んだ。

 そして警察がAmemiya邸に来た時には、Banda達の姿と車一台がなくなっていた。




 【Bravers】のleaderAmemiya Hirotoが仲間と共に向かったのは紛争で廃墟となった中東のあるだった。

 当初の目的は潜伏しているterrorist groupの確保だったが、terroristが学校を襲い十数人の生徒を拉致している事が移動中に判明。

 急遽、拉致された生徒の救出にmissionの目的を変更した。


 そのterrorist groupは使い捨てのmercenaryが半分。残りの半分は高度な訓練を受けた精鋭と、研究の過程で生まれた『The 8th Guidance』と同じ限定的なDeath-Attribute Magicが使える被検体。そして人質である本物の学生の中には、【Metamorph】……『Black Maria』と新たなCodenameを割り振られたShihouin Mariが配置されている。


 さらに、派遣されたReincarnatorの中にRokudou側に付いた者を潜り込ませてある。

 正にIron Wallの布陣だ。如何にAmemiya Hirotoが【Bravers】最強でも、生き残る事は出来ないはず。もし奇跡が起きたとしても、無傷では済まないはずだ。


 Amemiya邸に潜む正体不明の何かと接触したと思われる【Druid】のJoseph Smithは、犯罪organizationの幹部の護送のためにFlight機で南米に向かっている。彼と同-samaに接触したと思われる【Bravers】の内数名が一緒だ。

 そして、そのFlight機ごと爆散する事故にあってもらう予定だ。Rokudou側のReincarnatorが操縦する戦闘機から発射されたMissileによって。


 【Angel】のAmemiya Narumiは、Africaで起きた地震のrescue活動。この地震はRokudouが仕組んだものではないただの自然災害だが……うまく利用する事が出来た。彼女達以外のrescue隊や護衛の地元政府の軍は、息のかかっているmercenaryを現地の武装勢力に偽装させて襲撃。そしてtimingを見計らって、実験体やこちら側のReincarnatorに始末させる予定だ。


「完璧だな。Rokudou -sanの長年の信頼と実績が、こうして実を結んだわけだ」

 【Shaman】のMoriyaはそう言いながら、Rokudouの本拠地の司令部で悦に入っていた。


 各国の政財界や犯罪organizationの大物まで協力者として取り込んだRokudouには、「後に判明しても構わない」という前提がつくが、出来ない事はない。

 情報を操作してterrorist groupの学校襲撃と生徒の拉致を演出したり、戦闘機を飛ばしてMissileを護送のためのFlight機に向けて撃ったり、各地で破壊工作をする事くらい簡単だ。


 Amemiya達は去年にshadow武者だった【Metamorph】が見せた狂態を見ても、仕事の量を減らして回復したという事にしたRokudouを積極的に疑う事はないはずだ。【Bravers】や各国の情報部はRokudouだけで運営されている訳ではないのだから。

 ただ、Rokudouとその協力者たちが牛耳っているというだけで。


 【Oracle】のEndou Kouyaや【Laplaceの魔】のMachida Aran、【Inspector】のShimada Izumiや【Urðr​】のKei Mackenzie、【Venus】のTsuchiya Kanako等、情報戦に強いReincarnatorを亡きものに出来たのも大きい。これも、Rokudouが先を見据えていたからだとMoriyaは考えている。


 certainly、後になってこの事が判明すればRokudouも協力者達もただでは済まない。国反逆罪等の重罪で逮捕される事は免れないだろう。

 ……worldが、これまでと同じ秩序を保っていられるのなら。


worldは生まれ変わる。永遠の命を手に入れ神となったRokudou -sanを頂点に、新人類となった俺達が旧人類を支配するworldに!」

 Rokudoudeath attributeManaを手に入れ、永遠の命を手に入れ神となる。そして、自分達と協力を約束した者達は新たな人類に進化するのだ。


 Death-Attribute Magic畜や農作物の品種改良にも応用されていた。そして、『Undead』を収容していた研究所では、その応用をHumanに使い、無敵のSoldierを創り出す研究も行われていた。行われていたが、結局成果は出せなかったようだが。


 しかしRokudouなら出せるはずだ。『The 8th Guidance』と同じ限定的なDeath-Attribute Mageも創りだせなかった連中と、Rokudouとはlevelが違うのだ。

 だが悦に入るMoriyaにオペレーターの報告が水を差した。


Golemが一機、機能停止しました!」

「何? どこの部隊のGolemだ?」

 ほぼrobotにしか見えない最新の軍用Golemは、複数のtacticsで利用されていた。Moriyaが特に警戒していた、上記の三人を始末するための部隊以外にも、他のRokudou側ではない【Bravers】のmemberの動きを封じるための部隊が幾つもある。


 現時点で自分達のallyではないが、【Bravers】で主導的な立場ではなく、Abilityも特別脅威ではないReincarnatorについては殺害までは狙わず、world各地に散らした後妨害工作を行って事が済むまで連絡が取れないようにするだけの予定だ。


 これはAmemiya達を始末した後、自分達の下につくよう勧誘できるかもしれないと言う理由もある。しかし、主な理由は手が回らないからだった。


 Rokudouは【Bravers】を裏切らせた【Chronos】のMurakami Junpeiを通して、『The 8th Guidance』の情報を得ていた。それで分かった事だが、自分達Reincarnatorは神から与えられたFortuneに守られており通常の手段では中々死なない。だが殺そうとする側に同じReincarnatorがいる場合はお互いのFortuneが打ち消し合い、驚くほどあっさり死んでしまう。


 そのためAmemiya達を始末するための部隊には、Rokudou配下のReincarnatorが含まれている。しかしFortuneが打ち消されてしまうのはRokudou配下のReincarnatorも同じだ。そのため、tacticsが成功するよう十分な人員とBack upが付けられている。

 そのため、有象無象のReincarnatorまで始末するのはRokudouとしても現実的ではなかった。だから、僻地に派遣した後移動や連絡の手段を破壊する妨害工作に留めたのだ。


 そんな部隊の一つでGolemが破壊されたのだろうとMoriyaは考え、まだ冷静だった。

Golemが破壊されたのは、Amemiya邸にいるAmemiya Meiの拉致に向かった【Balor】の部隊です」

「何っ!?」

 だが、予想が外れMoriyaは焦りを覚えた。【Balor】のJohnny Yamaokaの部隊の担当は、Reincarnatorの抹殺ではなくAmemiya Meiの拉致だったからだ。


 Rokudouの研究の完成に必要なShoujoの身柄を手に入れるため、やはり十分な戦力が割り振られていた。場所が高Class住宅街であるため警察の目が厳しくても、無理をして軍用Golemや重武装のmercenaryを配置した。

 そしてCommanderに任命された【Balor】は、Reincarnator達の中でも戦闘に特化した男だ。Abilityは寧ろ汎用的だが、軍人一に生まれつき、幼い頃から軍人になる事を求められ本人もそれを望んでいた彼は高度な訓練を受けている。


 一年に満たない期間しか訓練を受けていない他の【Bravers】とは、重火器の扱いやUnarmed Fighting Techniqueの技量が違う。Cheat Abilityを使わないという条件でなら、【Bravers】でも最強の一人だ。

 彼を前にしたterroristは、それだけで気力を奪われ投降するという。legendBalorMagic Eyeを目にしたように。


Yamaokaから連絡は!?」

「いえ、ありません。機能を停止したGolemは、【Echo】の狙撃に失敗したようです」

「【Echo】か……狙撃に気がつくとは、やるな。それとも奴の仕業か?」


 Amemiya邸に潜む正体不明の何かを指して、Moriyaは「奴」と呼称していた。「奴」の事は、護衛の【Echo】以上にRokudouは警戒していた。

 しかし、その上でRokudou達は【Balor】の敵ではないと分析していた。


 「奴」が妨害したと思われる、Amemiya Meiの拉致tacticsで警察が押収したトラックと実行犯達の死体を分析した結果、magicではなく強力な物理的な力で殺害及び破壊されている事が分かった。

 そのため「奴」は『The 8th Guidance』のGhostのように存在を隠す事が可能な、何らかのmagic itemか改造Surgerybody part AbilityEnhanced (1)している存在だとRokudouconjectureした。


 その程度なら、存在する事が事前に分かっているならJohnnyの敵ではない。

 【Echo】についても、ここ一年で劇的に回復したが戦闘が発生しうるmissionから離れて何年も経つ。それに、交代の仲間が来たと油断しているconditionで狙撃すれば、Abilityで反射する事もできずに殺せるだろう。そう予想していたのだが……。


「【Echo】を助けたのなら、予想より『奴』とJoseph達の関係は強固なようだな。Murakamiと組んだ時のように、お互い利用しあっているだけの関係かと思ったが」

 Moriyaもそうだが、Rokudouには想像も出来なかった。「奴」……Bandaが、遺恨のあるはずのJoseph達を治療したのが利用するためではなく、ただの偶然出会った結果の親切心からだった事。その結果、仲間として打ち解け信頼関係を構築する事が出来たなんて事も、夢にも思わなかった。


 だから、次のオペレーターの反応に驚愕することになる。

「っ!? 【Balor】隊の全てのGolemの機能停止を確認! mercenary達の生命反応も全て消えました!」

「何だと!? そんなBAKANA!」

「ボディcameraの映像、出ます!」


 司令部の画面に、【Balor】のボディcameraの映像が映し出されえる。そこに映っていたのは……Moriyaが警戒していた奴の姿だった。

「な、何だ、この醜いmonsterは!? 【Echo】は、Amemiya Meiはどこに行った!? まさか、あのmonsterの中にいるのか!?」


 初めて目視したBandaの姿に、Moriyaだけではなくオペレーター達も驚愕の声を漏らす。そして、そのmonsterは恐ろしい速さで【Balor】に迫り……magicbody part AbilityEnhanced (1)したはずの彼の腕を易々と切断し、続けて攻撃を叩きこむ。

 そしてfangsの生えた口を開き……ボディcameraが壊れ、映像が途切れた。


「や、奴は何なんだ? 『The 8th Guidance』のRemnantsなんかじゃない。あれは……Rokudou -sanに連絡しろ! 緊急事態だ!」

 呆然としていたMoriyaだったが、我に返ると自分と同じように呆然としていたオペレーターに命じて、研究棟で準備を進めているRokudouに報告を急いだ。




 Moriyaから報告を受けrecordされた映像を見たRokudouが、「そんなBAKANA」と彼と同じ事を言っている。

『アサルトRifleGolemの重機関銃、炎や電撃を受けても傷つくどころか内部に匿ったHumanまで無事なんて……どんな合金でも不可能だ! それなのにmagicを唱えた形跡もない。それに、速すぎる! 【Balor】が一方的に負けた以上、一対一では誰もこのmonsterには勝てない!』

 そう青くなった顔で、Rodcorte達には分かりきった事を叫んだ。


『だから手を出すなと、何度もOracleを出したと言うのに』

 Rodcorteは頭を抱えていた。彼としては珍しい事に、Rokudou達に正しい警告を何度も辛抱強く発していたのだ。【Balor】には、Amemiya邸を銃撃する五秒前にも思いとどまるよう忠告していた。


 そもそも、Death-Attribute Magicの研究自体Rodcorteとしては止めたかったのだ。最初はどうせ失敗するだろうと放置していたが、Rokudouがある程度の研究成果を出すようになった事に気がついて慌てて止めようとした。


 しかしRodcorteOracleは全く届かなかった。何故なら、Rokudouとその配下達にはRodcorteを敬い信仰する心が全くないからだ。【Balor】達はRokudouこそ神になる男としてLoyaltyを……信仰を向けていた。Rokudouも、自身こそが真に神に相応しい存在だと心から考えている。

 そのため、RodcorteOracleが届く事はなかった。


 Voice of Godとは、忠実で熱心な信徒には届く。逆にそうでない者、信心を持たない者や大きく間違えている者には届かないのだ。


 Familiar SpiritとなったMachida AranShimada IzumiEndou Kouya達が忠告していたとしても同-samaだっただろう。間接的に自分達が死に追いやった元仲間へ彼等が向けるemotionsに、碌なものはない。


『やはり、『The 8th Guidance』のRemnantsでしょうか?』

『そんなはずはない。これ程のmonsterがいたなら、Murakami達に隠していたとしても最終決戦の時にまで温存する意味がない。このmonsterなら、Amemiya Hirotoでも殺せた可能性がある。そうでなくても、もっと大勢の【Bravers】を殺せたはずだ』


『では、奴はその後何者かによって創られた事に? しかし、こんなmonsterをいったい誰が……?』

Rokudou -san、それにお前達も、今はこのmonsterの正体を探るのは後にするべきです! このmonsterをどうするか、Amemiya Meiを手に入れるのは諦めるか、新しい策を講じなければ手遅れになります!』


 映像の前で狼狽えるRokudouに、Moriyaがそう決断を促す。これまで全ては掌の上だと思っていたRokudouだが、あまりにも想定外な事態に、思考回路が止まってしまったようだ。

『そうだ! 今からでも手出しを止めろ! そうすれば、魂を砕かれる可能性はなくなる!』

 RodcorteBandaに魂を砕く、もしくは喰う事が出来る危険性を考えてそう叫ぶが、certainlyその声は届かない。


『いや、あいつにとってはRokudou以外の魂を砕く必要もないんじゃないか?』

 そう言うAranの視線の先には、先程来たばかりの【Balor】のJohnnyがいた。


『いやだ、もう嫌だ、奴のmain bodyがいる場所にreincarnationなんてしたくない。Memoryもなにもいらない、俺を消してくれ、消してくれぇ……』

 そこには無口だが自信に溢れた戦闘のプロの姿はなく、頭を抱えて幼子のようにhorrorに震える男の姿があった。


 Johnnyの耳の穴から脳にtongueを侵入させたBandaは、tongueからnerve細胞を伸ばして彼の脳をハッKingした。そして情報を取り出したのだが、その間中ずっと彼のMentalを侵食し蝕んでいたのだ。

 JosephUlrikaを治療したのと逆の事を彼にしたのだ。その狙いは、Banda以外に殺されたReincarnator……AmemiyaRokudouのぶつかり合いの結果死んだReincarnator達に、自分の恐ろしさを知らしめるためだろう。


 Johnnyのこの-sama子を見れば、MurakamiのようにRodcorteの言葉に乗せられる者は……。

『いえ、Rokudouならどうなるかわからないわね』

『たしかに……私は彼の事を冷静で頭の良い人物だと思っていたが、違ったようだ』


 本当に頭の良いHumanは、歴史に名が残るような大きなことはしない。出来ないのではなく、しないのだ。

 何故なら、頭の良いHumanにはそこに至るまでの困難さや危険性が分かるから。そして、それを成し遂げたとしても苦労に釣り合うものを手に入れられるかどうか分からない事も。


 取れるかも、そしてもし取ったとしても後でどうなるかも分からないのにworldを取ろうとした武将。成功するか分からない革命を唱える革命。存在するという動かぬ証拠もないのに新Continentを目指した船長。

 Rokudou HijiriもそうしたHuman達の一人として歴史に記されるだろう。歴史が存続すればの話だが。


『【Metamorph】……『Black Maria』のcontrolを失いました! 制御不能です! 同じく、『Yuki Joro』、『Bokor』、『Gabriel』も制御不能!』

BAKANAっ!? 現場の【Artemis】と【Sahadeva】はどうした!?』


『連絡が途絶しました!』

『くっ! やるじゃないか、Amemiya。奴の近くに潜り込ませておいた【Ares】はどうした? 彼もやられたのか?』

『いえ、それが……【Ares】の反応は【Artemis】達の反応が途切れた地点からまだ数十キロ以上離れています。Amemiya達はまだ着いていません!』


『な、何だって!? では、いったい誰が……地元政府の軍のGeneralはこちらのminionsだ。他の国の軍が勝手に行動を起こす事はない。

 まさか、あのmonsterの仲間が他にもいるのか!?』


 そう狼狽するRokudouを見ながら、意外とあっさり事態は収束するかもしれないとEndou Kouyaは思った。

 そんな彼の背後に、魂だけになった【Artemis】と【Sahadeva】が現れた。彼は二人に色々な説明をするため、映像に向いていた意識を無理矢理引きはがした。




 Amemiya Hirotoが【Ares】のSugiura Nanaya達数人のmemberと共に、terroristが潜んでいるという廃墟に着いた時には、全てが終わっていた。

「久しぶり」

 そう言って彼等を出迎えたのは、死んだはずの仲間……【Metamorph】のShihouin Mariだった。彼女は腰の後ろで腕を組み、三人の見覚えのない男女を引き連れていた。


「真、Mari? BAKANA-kunは死んだはずだ!」

Iwao、僕も今までそう思っていたが……死体は発見されていない。目の前の彼女が幻ではない以上、本物だろう。言い表せないが、感覚で分かる。同類だと」


 驚く【Titan】のIwaoを宥め、Amemiyaがそう言ってMariを見据える。

 彼の言う感覚とは、Vandalieu以外のReincarnator全員がRodcorteから与えられているFortuneの事だ。向かい合うと、それが打ち消し合うのが感覚的に理解できるように彼はなっていた。


「そう、信じてもらえると説明が早くて助かるわ。ちなみに、さっき久しぶりと言ったけど皆とは去年会っているのよ。ほら、Mamaのお祝いで」

 安堵したように微笑むと、薄汚れた軍服に使い古された-sama子の銃やknifeを下げている彼女はそう続けた。だが、その言葉の意味をAmemiya達は咄嗟に理解できなかった。


 そして、彼女が『Black Maria』というCodenameを与えられたRokudouの実験体で、引き連れている三人の少年ShoujoAmemiya達を殺すために配置された失敗作だと知っている【Ares】のSugiura Nanayaは表面上冷静さを保っていたが、内心は酷く混乱していた。


(何故こいつ等が表に、それも堂々と立っている!? 人質のガキどもに混じって、隙を突いてAmemiya達を殺す手はずだったはず! 監視役のダーや切り札のはずのCatherineはどうした!? tacticsが変更になったのか!?)


 Da Longは【Sahadeva】のCheat Abilityを持つReincarnatorだ。人の一生を見守り、Enma大王にその功罪を報告するというSahadeva。そのCodenameが表すように、彼は監視用の使い魔を対象のbody partの中に宿らせ、その対象が見聞きした事やMentalBodyconditionを監視する事が出来る。

 そしてRokudou達以外には黙っていたが、使い魔を宿らせた対象とTelepathyで意思疎通が可能で、さらに距離が近ければBodyを操る事が出来る。


 使い魔が宿っている事を察知する事はどんなMageにも不可能で、また対象から分離させる事も出来ない。main bodyであるダーを殺すか、意識を奪うしかない。


 Catherine Millerは、【Artemis】……【Inevitable Target】のCheat Abilityを持ったこのworldで最強の狙撃者だ。彼女が投げた物、放った物は目視して狙った対象に必ず命中する。射線が通ってなかろうが、対象が撃った方向とは反対に居ようが、構わず当たる。


 ただ必ず当たるだけなので、Amemiyaの【Ignore Defense】のように当たった物が必ずDamageを与えるとは限らない。投げた物の速さや鋭さ、重さが変わる訳ではない。

 だが、スナイパーRifleで頭を狙えばAmemiya相手でも必ず殺せるはずだ。


 ダーはMari達の監視と制御、そしてCatherineAmemiyaを殺すための切り札として配置されているはずだ。その二人の姿がなく……いや、tactics上姿がないのは構わないのだが、terrorist役のmercenary達ではなく、Mari達四人が姿を現し友好的に話しかけてくるのはどういう事なのか?

 tacticsが変更されたのか? なら、何故連絡の一つもないのだ!?


 Sugiura Nanayaがそう混乱している間、Amemiya達も混乱していた。


Mamaのお祝いって、-kunの母親はずっと前に……」

「そうよ。kaa-sanはあのクズbastardのせいで……私が言っているのは、おkaa-sanじゃなくてMamaの事よ。まあ、あの時はRokudouの姿をしていたから分からなかったと思うけど」


「っ!? Rokudouの!?」

「ええ、Rokudouの。あなた達が私の事を死んだと思い込んだ爆発事故? 殺人? まあ、細かい事は知らないけど、その後私はRokudoushadow武者をさせられてたの。薬とマインドcontrolで。

 あの時の私、変だったでしょ? あれは、MamaBandaのお蔭で正気を取り戻しかけていたからなの」


-kunは何を言って……Bandaって、もしかしてあのBandaの事か? あれは冥にしか見えない想像上の友達のはずだ」


「ええ、そうよ。こうして話せるのも、BandaMamaのお蔭よ。魂だけで考えてmagicを使うコツを教えてもらって、body partに埋め込まれた制御装置をDeath-Attribute MagicNullification化したの。【Sahadeva】の使い魔もね。Manaを吸うBarrierを体内に張ったら、それで使い魔を消す事が出来たの。

 それで、【Sahadeva】を殺して、そのまま力技で強引に【Artemis】を殺したの。あの女、私の頭に幾つ風穴を開けたと思う? 十三個よ。死んだらどうするのって感じよね」


「え、な、何でダーやCatherinenameが出てくるんだ?」

「それはcertainly二人もRokudouの仲間で、あなた達を【Ares】以外皆殺しにするtacticsだったからよ。それで、これからRokudouDeath-Attribute Magicの研究をしていた南米の――」


「【火炎砲弾】!」

 その時、Mariの言葉を遮って【Ares】のSugiuraが攻撃magicを放ち、それはあっさりと命中し彼女の頭部を砕いて撒き散らした。


Sugiura!?」

「な、何をしてる!?」

 originally Mariの理解させる気があるのかどうか不明な説明で混乱していたAmemiya達は、咄嗟に動く事ができずSugiuraの暴挙を止める事が出来なかった。今も、彼を取り囲みつつも、Mariが引き連れていた正体不明の三人を無視する事もできず迷っている。


「クソっ!」

 一方、Sugiuraも混乱の極致にいた。自分でも今のが悪手である事は理解しているが、自分達にとって致命的な情報を知っており、それを話そうとしていたMariを止めずにはいられなかったのだ。

 そして悪手をとってしまったという自覚がさらに彼を追い詰め、自暴自棄にさせてしまう。


「こ、こうなったら俺がやるしかない!」

 AmemiyaMari達が手を組んで袋叩きにされるよりは、彼等が混乱から立ち直るより前に一人でも多く殺すしかない。彼のCheat Ability、【Attack Power 2x Augment Multiplier】は彼自身が放ったmagicや銃火器を含めたWeapon EquipmentAttack Powerを倍にするという強力なAbilityだ。戦闘機やヘリから放つMissileのように、彼自身が直接操作して放つWeapon Equipmentではなく間に複雑な機械が入る物はAbilityの対象外だが、今は関係ない。


 彼が装備しているアサルトRiflegrenade、そして習得したoriginally Attack Powerの高いFire-Attributeの攻撃magicなら何とかなるはずだ。

 しかし、自棄になった頭が出したその計算結果はすぐに破綻した。


「これで彼が裏切り者だって、信じてくれたでしょう?」

 首から上がなくなったはずのMaribody partから声がしたからだ。彼女は後ろに回した手の上に乗せていた、予備の頭を首の断面に乗せ、くっつけている。


「ば、BAKANA!?」

「これは【Death Delay】のmagicを使っている間に、私の【Metamorph】でbody partの一部を変化させて代わりの頭部を作ったの。【Artemis】を殺した時と、同じ方法よ。

 だから不死じゃないし、Undeadでもないわ。あなた達と同じ、特別なAbilityを持っているだけのただのHumanよ」


 言葉をなくして驚愕しているSugiuraと、何度目かの驚きで硬直しているAmemiyaにそう説明する。


「ク……クソッタレがぁ!」

 今度こそ自棄になったSugiuraが、【Ares】を全開にしてアサルトRifleと攻撃magicを乱射しようとする。

 さすがにAmemiya達も咄嗟に動こうとしたが、それよりも先にMariが連れて来た三人が動いた。


「その熱は許さない」

 白い髪と肌のShoujo、『Yuki Joro』のLimited Death-Attribute Magicが、銃弾の火薬の爆発やFire-Attribute Magicが発する熱を零にしてしまう。

 その余波で、恐ろしいcoldSugiuraの体温を奪う。


「受胎を告知します」

 中性的で少年かShoujoか見た目では不明な人物、『Gabriel』がアサルトRifleを取り落したSugiuraに告知を行う。


「あなたの中で育つ生命に祝福を」

 そして、ラテン系の顔立ちをした十代後半の少年、『Bokor』が祝福を行う。それはAmemiya達にとっては意味不明な行動だったが、Sugiuraにとっては死の宣告だった。


「うっ、や、止めろっ、俺はお前達には何もしてないじゃ……いぎぎぎがががががぎゃびゅべぇっ!?」

 突然苦しみ出したSugiurabody partを内側から食い破って、正体不明の蟲やSlime状の生物が出現する。


「これは、『Undead』のDeath-Attribute Magic!?」

「そう。この私、『Gabriel』が告知する事で対象の体内の微生物を異常進化させ……」

「この僕、『Bokor』がそれを促進させる成分を対象の体内で創らせる。結果はこの通り。まだ生きているけどね」


 驚愕するAmemiyaに、『Gabriel』と『Bokor』がLimited Death-Attribute Magicを説明する。

 そして異常進化した大腸菌等に生きたまま喰われつつあるSugiuraを無視して、Mariは改めて口を開いた。

「じゃあ、後何か聞きたい事はある? もしかして、もう一度説明した方が良い?」


「すまないが、頼む。-kunが死んだと見せかけられた時から、つまり最初から順序立てて、できるだけ分かり易くしてくれると助かる」

 Amemiyaの言葉に、Mariは顔を顰めて答えた。


Catherineやダーを始末するより難しそうだけれど、努力はしてみるわ。努力は大事だってBandaも言っていたし、Mamaに褒めて欲しいから」


<- Previous | TOC | Next ->
Special thanks to MBA and the Users from the LBN #spoilers Discord. Without them this would not be possible.