Garan’s Valleyの地下七階。
ここにはGiant race達が人口を五千人以上に増やし、都市国家を築くまでに繁栄した理由がある。
「岩塩だ! 岩塩を掘れ!」
『邪魔するmonstersはいねぇな!?』
「索敵良ーしっ!」
そう、この階層の岸壁からは良質な岩塩が取れるのだ。
塩は重要な物資であり、必需品である。Talosheimではその塩の供給を、このDungeonに頼っていた。
幾つものDevil Nestsが存在するMountain Rangeに挟まれたこの土地では、Orbaum Elective Kingdomに繋がるtunnelが見つかるまでは他国との交易が存在せず、海に行くにもやはり前人未到のDevil Nestsを幾つも越えなければならない。
そのため塩を手に入れられるのはこのGaran’s Valleyの地下七階だけだった。
もしこのDungeonをGiant race達が見つけられなかったら、Talosheimは存在せずこの地のGiant race達も数百人程度のままだっただろう。
certainlyここもDungeonの内部である以上、monstersが出現する。しかもこの地下七階からはRank3だけでは無く、4のmonstersが出るようになるため、危険度が地下六階までよりも高い。
岩のような表皮を持つ大猿、Rock Monkey。
magicを使うKobold Mageや、Martial Artsを使いこなすKobold General。
Giant raceよりも大きい、Huge Stone Golem。
どれもこれも中堅以上のadventurerでなければ相手に出来ないmonstersだ。
そんな危険な場所で岩塩を取るためにGiant race達が取った手段、それは労働者が中堅adventurer並の戦闘Abilityを身に着ける事だった。
『Miningの邪魔はさせネェ!』
ピッケルをWeapon Equipmentに、鎧を身に着けた労働者達が雄々しくmonstersと戦う-sama子は見事であり、後に交易を通じてやって来たElective Kingdomのadventurer達に「彼らに俺達の護衛は要らない」とまでいわせたほどだった。
それはUndead Transformationした今も変わっていない。
『うおおおお! 味噌! 味噌の素ぉぉぉおぉ!』
『俺はGyoshoだ!』
『邪魔するmonstersは味噌焼きにして食ってやる!』
いや、寧ろ凶暴性は昔以上か。
Undeadは物を食べない。それは間違いである。
確かに下位のSkeletonやGhost等はappetiteを覚えないし、味も感じない。しかし Zombieやある程度上位のUndeadは、appetiteを覚えるし味も分かる。
certainly生命活動を停止しているUndeadに食事の必要は無い。年単位で食を断っても、問題無く動き続ける。
しかし元生物という枠から完全に逃れる事は出来ない。どうしても原始的な欲求が残るのだ。
三大欲求の内、睡眠欲は消える。UndeadはFatigueを感じないので、睡眠欲を覚え無いからだ。寝ようと思えば近いconditionにはなれるが、Body的な物では無くpsychological Fatigueの回復や、満足感のために行われる。
libidoはSlightly残る。Bodyが死んでいるため、子孫を残したいという欲求は無いが、生者の生気を吸うためや、性交に強い執着を残して死んだ場合等に手段として行為を行う事がある。
そして完全に残るのがappetiteである。
それが魂に残った欲求としてUndeadをthrust動かし、Zombieは生者の肉を喰らい、bloodを啜り、そしてそこに含まれるManaをAbsorptionしてExperience Pointとするのである。
SkeletonやSpirit Form系のUndeadも、高位UndeadにRank upすると【Spirit Form】skillで仮のBodyを作り、犠牲者のflesh and bloodを食し、若しくはもっと直接的にVitalityそのものを喰うようになる。
TalosheimのUndead Giantも例外では無く、思い思いに食事を取って来た。大体は町に入って来たmonstersのflesh and bloodであり、時折その辺に生えている草や木の皮、石のfragmentだった時もあった。
しかし Vandalieu達が来てからは串焼きや葉っぱに包んで焼いた蒸し焼きに、胡桃やバジルのsauceをかけた物など、味のある食べ物を食べるようになった。
そして最近彼らに衝撃を与えたのが、Vandalieuが作った「魚醤」、「胡桃味噌」、「団栗味噌」だった。
それらはChampion Zakkartが再現しようとして失敗した調味料で、今までLambdaには存在しない物だった。それらは彼らのtongueにカルチャーshockを与え、味わった者を次々に魅了したのだ。
『味噌味噌味噌ミィィィソオオォォォォォ!』
『ギョショオオオオオオオオオオ!』
『頭がイテェ! 幻が見えるっ! 味噌だっ、味噌をくれえ゛ェェェ!』
……ただのaddictionかもしれない。
「Van、もしかしてあの調味料には常習性があるのか?」
「無い……はず、なんですけど、ね?」
目をblood走らせ狂乱しながら岩塩をMiningするUndead Giant達の姿に、引きながらVandalieuは答えたが、無表情でも分かるほど自信が無さそうな答えだった。
「Earthと同じ製法で作ったと思うけど、OriginでもDeath-Attribute Magicで作った発酵食品に常習性があるなんて話は聞いた事が無かったし……いや、俺が知らなかっただけかな?
若しくは使った胡桃やドングリに俺の知らない成分が含まれていて、それが変な作用を起こした可能性も……」
『父-sanも美味しいって喜んでいましたし、単純にとても美味しいだけじゃないですか?』
Salireが最近【Spirit Form】skillのlevelが上がり、味が分かるようになったSamが味噌を口にした時の感想からconjectureして言う。
『ズルイよねー、父-sanばっかり』
そう不満を口にするRita達は、実際には口も何も無いLiving Armor。まだ食べる事も味わう事も出来ないのだ。
「そうかな? まあ、あの頭が痛いと言っていたBariddiは、前から頻繁に幻覚を見るらしいし、そうかも」
「Van、あまり安心できないぞ。Bariddiは大丈夫なのか?」
「さぁ? 生前から酒精が切れると手が震え出すらしいので、maybeどうにもならないかと」
『酒は飲んでも飲まれるなですな』
「ああ、酒は飲み過ぎないように気を付けよう」
そういいながら、岩塩のMiningに精を出すUndead Giantの横を通り過ぎ、その日はそのまま地下七階で野営する事になった。
VandalieuにとってDungeon攻略らしい攻略は、地下八階から始まった。
この階層からは訓練する者や、石や岩塩をMiningするUndead Giant達が居ないので、通常通りの頻度でmonstersと遭遇するからだ。
そして基本的に階層がsimpleな構造をしているGaran’s Valleyでは、全員がThiefのようなscout職でpartyを構成するか、幻術でも使わない限りまずmonstersから隠れてやり過ごすという事が出来ない。
『Bocchan! 岩のような猿だと思ったらただのStone Golemです!』
「硬いな、あれも【Golem Transmutation】でどうにかならないか?」
「いや、俺は自分が創ったGolem以外は操れないので、Bone Monkey達に薙ぎ倒してもらいましょう」
『オ゛オオオオオ!』
この階層からRank3のmonstersが一度に複数現れるようになる。単に数が多いだけで、Coordinationも何も無いGolemから、逆に見事なCoordinationを見せるKobold KnightとKobold Archerの群れまで差があるが、地下七階までよりもずっと難易度が上がったのは確かだ。
『ウ゛ボオ゛!』
たった今Bone Monkeyが殴り倒したStone Golemにしても、普通のadventurerが相手をしたら、それなりに手こずる。DClass adventurerならMartial Artsを使えばいいじゃないかと思うかもしれないが、Martial Artsは使用するのにManaを使う。
前衛職のadventurerの多くは、そう潤沢にManaを持っている訳ではないのだ。
その点、Vandalieu達はこのGaran’s Valleyを攻略するには、過剰気味の戦力で挑戦している。Vandalieu以外の全員がRank4以上。しかも、いざとなったらVandalieuが莫大なManaでゴリ押しして押し通る。
実際、苦戦しようがないともいえる。
「ふぅ……約二年ぶりのExperience Pointが入る感触が心地良い」
まあ、Experience Point稼ぎのためにいちいち命を懸けていたら、幾つ命があっても足らないので、これぐらいが丁度良い。
『ヂュ、主よ、levelは如何程に?』
「ん……まだ十にも届かないですね」
ただ、肝心の手に入るExperience Pointの量もそれなりでしかない。
現在【Death-Attribute Mage】のJobに就いているVandalieuだが、このJobは妙にlevelが上がり難いようで、まだ十にも届かない。
「Basdiaはどうですか?」
「私はこのDungeonに潜る前に【Apprentice Warrior】から【Warrior】にJob changeしたが、今14だな」
「うーん、Talosheimに戻ったら、Borkus達に聞いてみましょう」
Job毎にlevelを上げるのに必要なExperience Pointは違うのか、Borkusならmaybe知っているだろう。彼は【Sword King】と称えられ、AClass adventurerにまでなった男だ。
今はUndead Transformationした事でJobを失っているが、生前はApprenticeから始まって複数のJobを極めているに違いない。
二百年前の話だし、Memoryが欠損している可能性もあるが。
「Ability Valuesも少しずつですけど上がっているし、焦らず行きましょう」
『どれくらいあがったんですか?』
「Ability Valuesはそれぞれ1から10ぐらいです。Manaは2%くらいですね」
『そうですか、先は長いですね』
「……Manaに限って言えばもう二百万上がったのか? 相変わらず凄いな」
その後も出て来るmonstersを、自分で止めを刺さないよう手加減しながら、皆と戦うVandalieu。【Unable to gain experience independently】のCurseが、本当に面倒だ。
因みにこのCurse、仲間や配下が獲得したExperience Pointの一割程度なら獲得できるのだが、その条件も大体分かって来た。
基本的にVandalieuの視界内で、仲間か配下がExperience Pointを得る事が条件らしい。ただBone Birdの視覚を借りているconditionで、離れた場所に居るBone Manがmonstersを倒してもVandalieuにExperience Pointは入らなかった。
どうやら自分の肉眼でなければ条件を満たした事に成らないらしい。Lambdaには双眼鏡や望遠鏡は無いそうだが、それで見た時もやはり肉眼ではないと判断されるのだろうか? eyesight矯正用の眼鏡をかけた場合はどうなのか。
遠視の眼鏡というmagic itemがあるらしいので、手に入れたら試してみよう。
結果如何では、目がVandalieuの生命線になる可能性が出て来るので、検証は必須である。
……流石に双眼鏡や望遠鏡を作る方法は知らないので、こっちは試せないが。
「あ、でもglassでGolemを作ればレンズぐらい出来るかな? 倍率が低い物なら、もしかしたら……」
「Van! 戦っている最中に考え事は危ないぞっ!」
「大丈夫です、今終わります」
「ウガゲェ!?」
時折【Unarmed Fighting Technique】skillをincreaseさせるために自分でも止めを刺してみたりしながら、とうとう地下十階に到達。ここがGaran’s Valleyの最下層だった場所だ。
「グオオオオオオオオ!」
fangsを剥き出しにして咆哮を上げるのは、Giant raceよりも大きなRock gorilla。ガツンガツンと拳で厚い胸板を叩き、ドラミングをして威嚇している。
Rankは4だが、その中でも上位に位置するmonstersだ。特殊なAbilityは無いが、見た目通り硬く、見た目通りMysterious Strengthで、しかも見た目以上に頭が良くて土attributeのmagicを幾つか使える。
しかし――
「やっぱりDClass Dungeonの大ボスにしてはweak?」
「そのようだな。maybe、中ボスなのだろう」
VandalieuとBasdiaが自分を侮辱している事を理解したのか、Rock gorillaが短く吠えると見た目よりも素早い四足走行で二人に迫る。
『ウ゛オ゛オ゛オ゛!』
そうはさせんと、Bone Monkeyが間に立ちはだかった。そのままboneの猿と岩の猿は、ガッチリと組みあった。
『ウ゛ボオ゛!』
ミシミシとBone Monkeyのboneが軋む。純粋な腕力なら互角だが、boneと僅かなSpirit FormだけのBone Monkeyよりも、肉と外殻を纏ったRock gorillaの方が力勝負では有利なのだ。
「グフッ」
勝利を確信してRock gorillaが妙にHuman染みた嘲笑を浮かべる。
『ボオ゛オ゛ォォォォォォォ!』
その嘲笑に正面から、Bone Monkeyの毒のBreathが浴びせられた。
「ウ゛ギィ!?」
岩の外殻に覆われていない目や鼻に毒を叩きつけられ、堪らずRock gorillaはBone Monkeyから離れて顔を抑える。
『ガアアアアアア!』
『グルオオオオオオ!』
『てやあああああ!』
その後は、一方的な展開だった。確かにRock gorillaはRank4でも上位のmonstersだ。しかし、逆にいえばRank5に及ばない程度の力しか持っていない。
なのに相手はRank4のmonstersが八体。Basdiaは手を出さなかったが、それでも戦いでは無くリンチというしかない。
Rock gorillaも最初から突っ込んで来ずに距離を取り、Earth-Attribute Magicをmainにして戦えば善戦ぐらいは可能だっただろう。だが、Dungeonのせいか凶暴性が増していて好戦的に成らざるをえなかった。
倒した後は毒を消す【Disinfect】をかけてMagic Stoneを取り、癖が強いが香草と一緒に煮ると良いsoupになる肉を取り、内臓を【Sterilization】【Bug Killer】して、今日の昼食の材料にする。
後外殻はDefense Equipmentの触媒にするとEarth-Attribute Magicに対するDefense Powerが増すので、やはり持って行く。
それらの回収した素材は、【Preservation】をかけた後フレッシュGolemにして自力で移動させる。こうする事で危険なDungeonでVandalieu達は身軽さを維持していた。
素材の塊であるフレッシュGolemをmonstersが食べないよう護衛する手間が増えるが、originally人数が多いのであまり問題にならない。
「じゃあ、下に行きましょうか」
Garan’s Valleyは、originallyは地下十階までのDClassでも浅いDungeonだった。しかし二百年放置していたせいか、階層が三階分増えていた。
すると発生するのが、中ボスである。
階層が十一以上のDungeonには、ボス以外にも中ボスが発生する。大体十階層毎に現れ、通常のmonstersよりも強いがボス程では無いという正に中ボスといった性質を持つ。
例えば、全部で二十七階層のDungeonには十階層と二十階層に中ボスが出現し、二十七階層にボスが出現する。
未攻略のDungeonを攻略中のadventurer partyが「これがこのDungeonのボスに違いない」と強敵と戦って倒しても、見つかるのは宝物庫では無く下への階段で、あの強敵は中ボスだったのだという事はよく在る話である。
「Borkus達から聞いたが、中ボスを倒した後は難易度が一段上がるらしい。皆、気を付けて行くぞ」
『おーっ!』
気合を入れ直して、Vandalieu達は地下十一階に下りて行ったのだった。
地下十一階層以降ではRank4のmonstersがRank3のmonstersを引きつれて現われるようになった。
Kobold Mageに率いられたKobold Knightの群れや、Rock gorillaに従うRock Monkey等、どれも仲間同士でCoordinationして戦う事が出来るmonstersだ。
更に地下十三階では、Rank4のmonstersが一度に複数現れるようになった。流石にここまで来るとVandalieu達も若干手こずった。
一定距離を維持してこちらにFlame Breathを吐くHellhoundの群れが出た時は、多少Experience Pointと素材が無駄になるのを覚悟してVandalieuが【Mana Bullet】を数発撃って、何頭かchunk of meatにして対処した。
Rock Golemが複数出た時は、皆でMartial Artsを惜しみなく使った後Vandalieuの【Mana Transfer】を受けてManaを回復させた。
更に地下十一層から時折Trapが仕掛けられていて、引っかかると岩が落ちてくる事があったがこれは遠慮無くVandalieuがManaで潰した。どうせExperience Pointにはならないからだ。
ただDungeonらしく現れるようになったTreasure Chestからは、それなりの収穫が得られた。
「Talosheimに近いDungeonなのに、Treasure Chestから出て来るWeapon EquipmentはHuman Sizeなのか」
鋼鉄製の剣は、柄を見ると明らかにHuman SizeのブLord swordで、Giant race用のshowトswordでは無いのが分かる。
ここは十万年前からGiant raceしか人が居なかった土地に在るDungeonなのだが、何故Human用のWeapon EquipmentがTreasure Chestに入っているのだろうか? そう不思議がっていると、既に何回かDungeonに潜っていたBasdiaが教えてくれた。
「私もここまで深く潜ったのは初めてだが、こういう事は珍しくないと聞いたぞ」
Dungeonに出現するTreasure Chestの中身は、開ける者やその仲間によって変わる事がadventurer達の経験則で明らかになっている。
当然adventurer達が何を欲しがっているのかをDungeonが理解して、それを用意してくれている訳ではない。単に出て来るitemのSizeや仕-samaが変わるだけの事が殆どだ。
例えばGiant raceだけのpartyだったら、Giant race用のWeapon Equipment Defense Equipmentが出て来る。逆に、Humanの胸ほどしか背が無いDwarfだけのpartyなら、Dwarfに合せたSizeの武具が出て来る。
Dwarfだけのpartyが開けたTreasure ChestからGiant race用の鎧が出てきたり、その逆であったりはまず無い。
これはDungeonを作り上げたEvil God (M) Evil God (P)が、adventurerの欲を刺激しやすいように調整しているのだという説と、Human達がDungeonを修練場として扱えるようにしたMagic God Ricklentが、Humanのやる気を削がないようにしているのだという説がある。
「……確かに、見当違いでニーズが無い宝物ばかり出されたら、誰も欲をかかないし、やる気を無くしますよね。
まあ、都合が良いのでどっちの説でもいいですけど」
多くのadventurerが学者の間で行われる論争に抱くのと同じ感想を覚えたVandalieuは、鋼鉄の剣をフレッシュGolemに持たせるのだった。
そして到達した地下十三階のボスroomで現れたのは、何とOrc Generalと四匹のOrc Knightだった。
「てっきり、岩っぽいmonstersが出て来ると思ったのに」
『どうします、Bocchan?』
「どうしますって……倒さない訳には行かないでしょう」
今年の冬に散々倒したOrcだけに、落胆が隠せない一同。そんな事情を知らないため、Orc GeneralはDungeonボスのprideを傷つけられたと怒り狂うが、結果はあっさりとVandalieu達の勝ちだった。
「まあ、Rankは5だからExperience Pointは美味しいし、肉も美味いし、今度はラードを取ってやろうと思っていたので丁度良いんですけど」
「だが、Hellhoundの群れの方が苦戦したな」
「そうですね」
Slightly低いtensionのまま、宝物庫から若干のお宝を収穫する。最近はUndead GiantやGhoul達がpartyを組んで何度も攻略していたので、大したものは無かった。
尚、二百年以上前にAdventurer’s GuildによってDungeon限定だがspace Teleportationが可能なitemがTalosheimの各Dungeonに設置されている。
そのitemによって、宝物庫から地上に一瞬でTeleportationする事が可能となっている。
Dungeonによっては各階層から地上にTeleportationできるようになっていたり、地上からも行った事のある階層にTeleportationできたりするらしい。
便利な世の中になったものだ。
《BasdiaがRank5、【Ghoul Amazoness】にRank upしました!》
「Dungeonの攻略はどうじゃった、坊や?」
Talosheimに戻って、王城の風呂に入っているとZadirisが入って来た。
「順調だ、kaa-san。今のVanならKobold Knight相手にmagicを使わずに勝つ事が出来るぞ」
っと、一緒に入っていたBasdiaが代わりに応える。
何故混浴なのかというと、Vigaro経由でVandalieuが脳天まで湯に浸かっていた事がばれたからだ。
Vandalieuを一人で風呂に入らせると、危険だ! という認識が共有され、必ず誰かが一緒に風呂に入る事になったのだった。
普段はVigaroやBorkusが多いのだが、今回は二人とも他のDungeonの攻略を行っている。
二人ともVandalieuが前世と更にその前のMemoryを持つ、ageを合計すると四十になる男である事は知っているのだが、Ghoulの文化では羞恥心を感じるpointが異なるのか、羞恥を覚えている-sama子は無かった。
『まあ、見た目三ageだし、実際Body的に三age児なので、何も感じないんだよな』
長身のstyle抜群の美女とBishoujo、二人との混浴だ。Earthに生きていた頃のVandalieuだったら、目をblood走らせてガン見するか、興奮に耐えきれず鼻bloodを出していたか、逆に見る事も出来ず視線を下げて縮こまっていたかもしれない。
BasdiaはDungeonから出た後、突然Ghoul AmazonessにRank upした。彼女の集落では今まで誰もなった事の無いraceだったが、Amazonessとは彼女に相応しいraceだとVandalieuは思った。
実際、increaseしたAbility ValuesもWarrior向きらしく、maybe monsters levelが100に到達したのと、複数の武術系skillのlevelがincreaseした事で条件を満し、Rank upしたのだろう。
姿形は今までとあまり変わらなかったが、Basdiaのbody partには刺青に似た、見るからにmagic的な要素がありそうな赤い文-samaが浮き出ていた。
それがまたtatooのようでカッコイイ。勇ましさも増したが、Basdiaの豊かな曲線を強調しているように見えた。
ZadirisもShoujoのような見た目ながら艶がある……のだろう。三age児の目では言い切る自信は無いが。
それでもとても可愛らしく、綺麗なのは分かる。
しかしやはりMentalはBodyのimpactを大きく受けるのか、今は「あ、裸だ」と言うぐらいにしか思わなかった。胸の高鳴りや興奮は全く無い。
物心つく前のageだし、初恋等の話も二~三年先の事だろうから、今はこんなものか。
もしかしたら、十年後ぐらいに「あの時もっと見ておけばよかった」と後悔するのだろうか?
「ほぉ、それは中々じゃな」
「ああ、まだskillは1levelだがそれはJobにskill補正が無いからだろう。
magicの方も、前よりもAttack Powerが上がっているように見えた」
「そういえばお前もRank upしたようじゃな。見るからにmagicと関係がありそうな文-samaが浮き出ておるが、やっと術を学ぶつもりになったか?」
「Ghoul Amazonessというそうだ。この文-samaのお蔭か、Magic Resistanceが手に入ったよ。それ以外にも何か効果があるのかは分からないが、magicか……childが出来たら考えよう」
「あ、そういえば、magic itemはどうですか? あれを付けていれば妊娠する確率が上がるはずですけど」
しれっと子作りの話題に入る三age児。少子化問題はmagic itemがGhoul達に行き渡った事で解決に向かうだろうが、まだ油断できないのも事実だ。……上手く行きすぎてchildが増えすぎると、Earthと違って保育所が無い分苦労するだろうし。
そう思って聞いたのだが、Basdiaの顔は優れない。
「それが上手くは行っていない。magic itemは私も相手も着けているのだが……」
どうやら、普通に効果を上げていないらしい。
あのmagic itemは卵子と精子の活動時間をHuman並にするだけなので、素のconditionのGhoulの妊娠確率をHuman並にしてくれるが、確実に妊娠できる訳でも無い。
そう考えれば、まだ妊娠していなくても不思議では無い。Humanで健康上問題の無い夫婦でも、すぐchildが出来る訳では無いのだし。
「じゃあ、念のために【Spirit Form】で診てみましょうか」
しかし、何か問題が起きている可能性もある。余裕がある時に調べておくべきだろう。
「ありがとう、頼む」
「良いですよ、どうせDungeonから帰ったら一週間は町で過ごす約束ですし、今日は後でReversiを作る約束もありますし」
「うむ、儂らとの約束は忘れていないようじゃな。x2の意味で良し」
Vandalieuの再Black化阻止の為のruleは決められているのだった。