「【Heroic God Advent】!」
Heinzが凄まじい気迫を込めて叫ぶと、彼のwhole bodyから強い光が放たれる。本来ならskill Activate時の副作用でしかないのだが、【Heroic God Advent】のそれはmonstersの視覚を潰すWeapon Equipmentとして使える。
それだけ、【Heroic God Advent】の効果は凄まじかった。
(見えるっ、Guduranisの動きが見えるぞ!)
それまでは何度も死んで、我が身で相手の戦闘patternを覚えるしか戦う事が出来なかった。動きを見切ったのではなく、Guduranisがどんな動きをするのか事前に分かっていたから戦えていた。
このDemon King GuduranisがDungeonによって再現された、egoも思考Abilityも持たない偽者でなければ瞬く間に殺されていただろう。
そんな偽GuduranisとHeinzの力関係は、彼が【Heroic God Advent】を使った途端に変わる。
body partにHeroic God BellwoodがAdventする事で、Heinzのbody part Abilityは数倍から数十倍に引き上げられる。
『GUAAAAAA!』
Guduranisが繰り出すtentacleの鞭が、放つboneの槍が、Heinzの目にはっきりと映る。
Heinzは蒼い炎を纏った剣でtentacleを切断し、boneの槍を回避し、間合いを詰めて偽GuduranisにSlashかかる。
『GIOOOOO!』
偽Guduranisが怒りの咆哮を響かせ、傷口から高いCorrosion性と毒性を併せ持つbloodが噴き出す。
「くっ!」
Heinzは短く呻くと、飛び散る偽Guduranisのbloodがかからないように離れた。だが、距離を取りながら攻撃magicとMartial Artsを放ち、牽制する事を忘れない。
そうした攻防を何回も繰り返した。徐々に偽Guduranisのbody partに傷が増えていくのを確認しながら、Heinzは以前よりも偽Guduranisに脅威を感じなくなっている自分に気がついた。
動きがまるで見えなかった以前の自分ならともかく、【Heroic God Advent】を使った今の自分にとって偽Guduranisは強いが単調な動きを繰り返すだけの敵に過ぎない。
『気を緩めてしまったね?』
そう思ったHeinzの頭の中にBellwoodの声が響き、偽Guduranisに向かってthrustだしたMagic Swordが澄んだ音を立てて砕け散った。
「なっ……ごふっ!? がはぁ!」
さらに、驚愕するHeinzのbody partの内側からdespair的な音が幾重にも響き、顔中の穴からbloodが溢れ、思わず床に突いた腕は飴細工のように折れ曲がる。
頭では速く偽Guduranisから距離を取らなければならないと分かってはいるが、body partがいうことを聞いてくれない。
『GAAAAAA!』
偽Guduranisの咆哮が響き、次の瞬間Heinzの意識は途切れた。
目覚めた時、Heinzは包帯と湿布で覆われていた。
「Heinz、やはり一人で偽者とはいえGuduranisを倒すのは、無理があるのでは?」
そして、心配そうなDaianaの声によって夢ではなく現実だと自覚する。
「……いや、それくらい出来なければBellwoodの力を使いこなす事は出来ないよ」
『Heroic God』Bellwoodをbody partに降ろす【Heroic God Advent】は、基礎のskillである【Familiar Spirit Advent】やそのSuperior Skillである【Heroic Spirit Advent】と【Spirit Clone Advent】の効果を大きく越えていた。
Manaとbody part Abilityは大きく向上し、素のconditionでも超人の領域にあるHeinzをGodsの領域にまで押し上げてくれる。しかし、その分心身にかかる負担は深刻だった。
Vandalieu達がconjectureした通りmuscleは断裂し、boneが折れ、心lung機能は大きく低下してしまう。それも、短時間【Heroic God Advent】をActivateさせただけで。
これでは、とても戦闘には耐えられない。
Heinzの目的はVandalieuを倒す事ではなく、まずは彼と話し合う事だ。今後のVandalieuが支配する国のpolicyについて、Heinzが覚えている危険性を改めて伝えることにある。
しかし、これまでの自分がVandalieuにした事を考えれば戦闘になるのは避けられないだろう。そのため、話し合いをするには彼との戦いに勝つか、戦いながら話し合うかしかない。
そのために力を求めたのだが……今の状況では、そのどちらも無理だ。
「気を張っていれば……【-Transcend Limits-】を使っているconditionで一分か。少しでも気を緩めると、【Heroic God Advent】を維持できなくなる。
これでは、話にすらならないな」
「挨拶の言葉の代わりに吐bloodするのでは、生還の望みすらありませんよ。あなたが自爆したからといって、情けをかけてくれる相手とは思えません」
「そのとおりだな」
Daianaの言葉にnod Heinzの声にはFatigueが滲んでいたが、その顔は不自然なほど若々しかった。
Mirg Shield NationでDarciaを捕まえてGordan High Priestに引き渡した時、Heinzは十代後半。あれから十二年以上過ぎた今では、三十代のはずだ。実際、AldaのTrial's Dungeonに入る前までは生きて来た年月相応に老けていた。
しかし、今の彼は明らかに若返っていた。
「Aldaの恩寵によって若返ったからといって、無理はしないでください」
Heinzはappearanceだけではなく、『God of Law and Life』Aldaの力によってBodyのageそのものが若返っていた。Heinzだけではなく、この場にいないEdgarやJenniferも同-samaだ。
十万年以上前、AldaはDemon King Guduranisを倒した三人のChampion達を「worldの復興のためには欠かせない人物であるため」として、若さを維持する事にした。
だから約百年後のVidaとの戦いにBellwood達はChampionのまま参加する事ができた。その後、FarmounはAdventurer’s Guildを、NineroadがTamer guildを創設する事ができたのもそのお蔭だ。
Aldaは今回、それと同じ事をHeinz達に施したのである。寿命がHumanよりも長いDwarfのDelizahや、ElfのDaianaにはあまり意味はなかったが。
しかし、Bodyが若返ったといっても今のところは大きな効果は出ていない。
「せめて、幻のBodyに傷を受けると本物のBodyにまで傷を受ける仕-samaを元に戻せればよかったのですが。いくら効果があっても、このままでは寿命を延ばされた意味がなくなっても知りませんよ」
このAldaのTrial's Dungeonでは、本物とまったく同じ幻のBodyを使って試練に挑む事が出来る。そのお蔭でHeinz達は、何百何千回と試練に敗れたが本物のBodyは無傷だった。
しかし、今Heinzはその仕-samaを変え、幻のBodyが負った傷を本物のBodyも受けるように変えている。
そうしなければ、BellwoodがAdventした際受ける負荷にBodyがいつまでも慣れないためだ。
だがDaianaが心配するように毎日致命傷を負っていては、HeinzのBodyがBellwoodに慣れる前に死んでしまうだろう。
「いや、だが少しずつ慣れてはいる。resistance skillも覚え始めたから、これからは……すまない。注意する」
あれやこれや言い訳を口にしてから、前も同じ事を言っていた事を思い出したHeinzは、そう頭を下げるしかなかった。
「いいえ、強くならない限り私達に先がないのは分かっています。私の方こそ、すみませんでした」
Heinzは既にAlda's FactionのGodsのHuman代表として神と、Vandalieu達に認知されている。それに、『二度』もDarciaを殺してしまった。
もしHeinzが何もかも捨てて逃げ出しても、Vandalieuは彼をその手で滅ぼすまで追い続けるだろう。だからこそHeinzが生きるには、強くなってVandalieuを倒すか彼と和解しなければならないのだ。
「巻き込んですまないな、-kunとJenniferは私達から離れれば彼も見逃す……」
「それは言わない約束です。それともJenniferに止めを刺されたいのですか?」
「悪かった。ところで、そのJenniferやEdgarの姿が見えないが?」
「二人はDelizahと試練に挑戦しています。私も、あなたの治療が終わったら合流する予定です。後は、Selenと――」
「Heinzお兄-chan!」
「彼女と一緒に過ごして、body partを休めてください」
Daianaの言葉の途中でroomに彼女達が保護しているDhampirのShoujo、Selenが飛び込んできた。
以前、このDungeonにはHeinz達以外誰も入れなかった。しかし、HeinzがBellwoodを目覚めさせた直後に地上の扉が開き、誰でも入れるようになったのだ。
そのため地下一階の街にSelenが自由に出入りできるようになったのだ。
他の挑戦者が試練に挑戦する事も出来るが……幻のBodyはHeinz達にしか用意されていないので、その難易度はある意味でSClass Dungeon以上だ。
そのため、使い魔でHeinz達が戦っている-sama子を見てお手本にする者はいても、自分も参加する者はまだ一人もいない。
「またボロボロね。新しい治癒magicを覚えたの、唱えていい?」
「電撃を流して治癒力を活性化させる治癒magicでなければ、頼もうかな」
DhampirであるSelenに近づく人物は多いが、その多くがHeinz達とconnectionを作る事を目的とする者達だ。Selenはchild特有の敏感さでそうした下心のある者達を避け、Heinz達の友人等下心を持たない者にだけ心を開いている。
つまり、adventurerにありがちな事だが腕の良い変人が多い。
「じゃあ、植物の種を植えるのが良い? body partに溜まった悪い物を、根で吸い取ってくれるのよ」
「Daiana、Selenに妙なmagicを教え込む変質者がいるようなんだ。どうにかできないだろうか?」
「Heinz、私達が何年もDungeonに籠っていたせいです。あなたの友人を排除するよりも、Selenに常識的なmagicを教える事を優先しましょう」
「あ、それとHeinzお兄-chan。おletterが届いてるって、templeの人が話してたよ。Birgit Duchyの、Asagi・Minamiって人からだって」
「Minami?」
聞き覚えのないnameに、Heinzは首を傾げた。最近までDungeonに籠っていた彼は、Birgit Duchyに雇われている【Mage Masher】のAsagi・Minami達についてまだ知らなかった。
そして、この後慌てた-sama子のAlda templeのClericが駆け込んで来た。彼によってHeinzは、VandalieuがOrbaumに現れた事を知ったのだった。
その頃、Vandalieuは購入したmansion、新Zakkart邸の庭でbloodの雨を降らせていた。
『ああああああぁ……満たされるぅぅぅ』
『お゛ぉうぅ、乾きが、乾きが癒えていくぅ!』
如雨露から降り注ぐVandalieuのblood液を根からAbsorptionし、庭の半ばmonstersと化していた植物と霊達が歓声をあげた。
「こんなもので良いですか?」
『いいと思うよぉ。そうだろう、お前達ぃ』
Vandalieuの質問に対して、Eisenが頷き霊達に同意を求める。それに霊達は言葉ではなく、変異してみせる事で答えた。
死体を埋めに来た殺人犯の男は、死体が残っていたのかZombie化して地面から這い出てきた。
その殺人犯に埋められた死体の女は、近くの木とFusionして動き出した。
他にもImmortal EntやPoison Mushになったり、庭に棲みついていた蟲が巻き込まれてmonsters化したり……cursed mansionの庭は、本物のDevil Nests同然と化してしまった。
『ウ゛オォォ……bloodぃ、bloodが欲しいぃ』
「Vampireのようなfangsがあり、肉ではなくbloodに執着するZombie……Blood Suckerですね」
『ワタシハァ?』
「木のままbloodを吸っているので、Bloodsucking樹でしょうか? でも、それより強そうなので新種かな? よし、Jubokkoと名付けましょう」
Blood Sucker……Rank4のUndeadで、通常のZombieよりも俊敏で知能がやや高い。生者のbloodに執着する事から、VampireがZombie化したUndeadだと唱える学者もいる。
Jubokko。Rank4のBloodsucking樹よりも強い新種にVandalieuが名づけたmonstersで、根と蔦をtentacleのようにして操り生者のbloodを搾り取ろうとするmonsters。Bloodsucking樹も植物型のmonstersの中では凶暴な種だが、知能があるためそれ以上に危険なmonsters。
昨日まで枝を揺らしたり、ヒソヒソとざわめいたり、そうした怖いだけで実害の無い霊達が、如雨露でbloodを撒いただけで危険なmonstersに変異したのだ。
この光景をSenorpa Chamber of Commerceの従業員が見ていたら、失禁していたかもしれない。
「じゃあ、俺はmansionの中の人の-sama子を見に行きますから――」
しかし、Vandalieuにとっては新居に引っ越した初日に済ませる作業の一部である。そして、まだmansionの中での作業が残っている。そのためさっさと戻ろうとしたが、彼は足を止めて周囲に視線を彷徨わせた。
『うぉぉぉぉぉ!』
『あ゛あああああああ!』
『ぎぃぃぃぃぃ!』
庭のそこかしこで、霊達がmonsters化している。埋まっていた死体が這いだし、植物は動きだし、寄り代が見つからなかった霊はそのままGhostやHauntと化している。
そして虫やカラス、mouseや猫、蝙蝠のmonsters化まで始まっている。
「……庭全体にmonsters化が広がっているようですが、いったい何故? bloodはまだ如雨露一つ分しか撒いていないのに」
『bloodのManaが増えたからかねぇ?』
『maybe、あいつ等はoriginally少しのきっかけでmonsters化するconditionだったんじゃない? それでVan -kunが来た事で、次々にmonsters化してるんだよ』
『sealedされた事で、内部のmiasmaが拡散せずに溜まり続けた結果なんでしょうね。それでも陛下のような大きなきっかけがなければ、monsters化するまで後数十年から百年は大丈夫だったと思いますけど』
OrbiaとPrincess LeviaがVandalieuの疑問に、そうconjectureで答える。
「……もうしばらく、お隣-sanから見えないようにしてください」
『『『御意!』』』
『音も任せてくだせえぇ!』
光を屈折させて幻をつくり周囲から真実を覆い隠しているChipuras達と、呻き声や金切り声を消しているKimberlyによって、大Nobleのmansionが集まるNoble街の秩序とVandalieu達のご近所付き合いは維持されているのだった。
「……こうなったら両隣と後ろのmansionも購入するべきでしょうか?」
『どこも人が住んでいるから、無理じゃないかな?』
「ですよね……後でkaa-sanと一緒に挨拶に向かいましょう」
両隣と裏、そして向かいのmansionの持ち主は大Nobleだったため、VandalieuとDarciaが挨拶に向かった時当主は当然のように留守だった。しかし、応対に出てきたServantは例外なく緊張のあまり震えていた。
mansionの中では、数十年以上されていなかった掃除が急ピッチで行われていた。
『数十年ぶりの掃除らしいですけど、意外と綺麗ですね』
『幽霊mansionの不思議ですよね。無人で掃除もされていないのに、何故かある程度綺麗に維持されているのがお約束です』
Vandalieu達が乗って来た馬車……Samのcarriageに隠れてOrbaumに入ったRitaとSalireが、そう言いながら調度品の埃を払う。
「そう言えば、たしかに不思議ですね。掃除や補修を誰もしていないのに、カビ等が原因でDecayした幽霊mansionの話は聞いた事がありません」
二人よりも【Housework】のlevelが高いBellmondは、雑談に興じながらも手際よく年代物の壺を磨いている。
「それはmaybe、錆びて朽ちるLiving Armorや、Decompositionして塵になるZombieやSkeletonが居ないのと同じじゃないかしら?」
誰が描いたのか不明な不気味な絵画の埃を払いながら、Darciaがそうconjectureする。
「つまり、Undeadが持つManaや場を汚染するmiasmaによって、conditionが維持されているという事でしょうか? それと屋根裏roomの掃除が終わりました」
「隠しroomの掃除も終わりましたぜ。師ArtisanがTamerしたGiant蜘蛛の巣はそのままですが」
ArthurとSimonがそう言いながら姿を現す。まだVandalieuにTamerされていないmonstersがいるかもしれないから、という理由で武装したままの二人が「掃除」と言うとmonstersを退治してきたように聞こえるが、そんな事はなかった。
「ううっ、ちくしょう……!」
ちなみに、mansionに来た時Vandalieuと一緒に強制的に招待されたNataniaは、まだEmotionalに立ち直っていなかった。
招待された後、cursed mansionの設備を二人にintroductionしたのだが……Vandalieuにとっては楽しい体験ツアーだったが、Nataniaにとっては乗り物に乗せられて強制的にお化けmansionを巡回させられたのに等しかった。
皿やカップの舞いdance、ペタペタという足音や紅い手形だけのtap dance、飽きないよう絵柄が変化して常に楽しませようとするステンドglass、気さくに笑いかけてくれる絵画……。
「滅茶苦茶怖かった……! Living ArmorとかZombieとかSkeletonとか、ただの人boneは平気だったけど!」
『突然大きな音がしたり、signもなく誰かが現れたりしたら怖いのが普通ですよ』
『女とか男とか、adventurerとか、そういう事は関係ありません』
『俺だってpanicします』
「Vanって、panicすると硬直したり目を見開いたりするよね。あたし、知ってる」
そんなNataniaの四方を、Demon King FamiliarとPauvinaが囲んで慰めている。
「Natania -sanは、tailがぶわってなるよね! あたしのtailは短いから、Natania -sanやRapiéçageのtailって凄いなって思うよ!」
「うぅ、それは言うなよぉ」
「Pauvina -sama、tailの事は……」
Half-Noble Orcであり、豚の耳とtailを持つPauvinaはそう力説する。しかし、Beast raceにとって怯えたconditionをtailで表すのは恥ずかしい事のようだ。NataniaはDemon King Familiarに顔をうずめ、同情したBellmondがtailに触れないよう訴える。
「ただいま。庭の霊のmonsters化が終わりましたよ」
そこにVandalieuが戻ってきた。
「では、このままNataniaが苦手な怖いものを、怖くないUndeadに変えますからね」
「師Artisan! 頼む! 早くしてくれよ!」
「……何度聞いても矛盾を感じますね。私もadventurerだから、その感覚は分からなくもないですけど」
Miriamが言うように、Undeadは怖くなくても幽霊は怖いというadventurerはNatania以外にも少なくない。
何故なら、Undeadはmonstersの一種だからだ。monstersだから戦う事が可能で、自分よりweakものは倒せる。強くても逃げる事は出来る。ZombieやSkeletonのような物理的に存在しているTypeも、GhostやHauntのような実体の無いTypeでもだ。
certainly、戦うどころか逃げる事も出来ない程強力なUndeadも存在するが、それはUndead以外のraceのmonstersでも同じだ。自分の力が及ばない強大なmonstersを恐れる事を、cowardとは呼ばない。
しかし、居るのか居ないのか分からない幽霊が起こす不気味な現象は、戦闘でどうにかなるものではない。……cursed mansionや古城を破壊するとか、亡国の地下墓地を崩落させて埋めるとか、そうした極端な方法を取らない限り。
そのため、「殴れるUndeadは平気だけど、殴れない幽霊は怖い」というadventurerは意外と多いのだ。
「では早速……」
Vandalieuのwhole bodyからManaが放射され、それを浴びたmansionがscreechのような軋みを響かせる。
そして既にUndead TransformationしていたLiving ArmorやZombie、Ghost等がRank upし、ただの人boneもSkeleton等に変化する。
tap danceが上手い足跡や手形の主は姿無きUndead、Invisible stalkerに。
陽気で気さくな絵画達は、呪われた絵画に。
石像や銅像はliving Statueに。
さらに何体ものGhostが発生した。
そして、最後にVandalieuの前に白いdressを着た三十代半ばの美女が姿を現した。
『ごmaster -sama、そしてごmaster -samaのごfamily -sama、私を購入して下さり、ありがとうございます。これより、皆-samaの住居としてお仕えいたします』
そう言って気品を感じさせる礼をした美女は、どうやらこのmansion全体のCloneのようなものらしい。
『わぁ、父-sanやCuatroと同じTypeのUndeadみたいですね』
『いきなりHumanそっくりなCloneを作るとは、やりますね』
Samと同じTypeのUndeadである彼女に感心するSalireとRita。
「Sam -sanと同じ……じゃあ、そのうちこのmansionも空を飛ぶようになるのかしら?」
『!?』
「kaa-san、生まれたての子にその予想はhurdleが高いです。将来の話はおいておきましょう」
『っ!?』
DarciaとVandalieuの言葉から、空を飛ぶことを期待されているのかと美女が驚いて目を丸くする。しかし、「冗談だよ」と言う言葉を誰も言ってくれないので、本気だと思ったらしい。
『……頑張ります』
「焦らず、ゆっくりRank upしていきましょう。大丈夫、あなたもきっと飛べます」
『ちなみに、その姿はあなたの生前のものですか?』
『そうですが、accurateには違います。私はこのmansionで殺されたHuman……あの男に殺された犠牲者の霊の集合体です。この姿は犠牲者の中で最も年上だった、あの男の前妻のものです。
変えようと思えば、このように変えられます』
美女がそう言うと、彼女の姿は次々に変化した。ProstituteやMaid、町娘やSlumの浮浪児まで。raceはやはり殆どがHumanで、それ以外にBeast raceやDwarf、Giant race等Orbaumでは珍しくないraceの者が何名か。
「なるほど。では-sama々な姿になれるCloneを活かして、来客時にはServantのふりをしてもらいましょう。普段は……Houseworkは出来ますか?」
『はい。mansionに関する事でしたら、何でも。Cookingは保証しかねますが』
「分かりました。それで、nameはありますか?」
『いいえ。私は『cursed mansion』と自らを認識しています。今は、Zakkart邸と呼称されるべきかと。StatusにもnameはZakkart邸と表示されています。race名は、ありません』
どうやら、彼女はSamのように人格が強いTypeではなく、宿っているmansionとしての意識の方が強いようだ。
「わかりました。しかし呼び名が無いと不便でしょうし、新種らしいのでrace名はつけましょう。あなたのraceはSilkieです」
『Earth』で幽霊mansionの化身、幽霊、もしくは妖精とされる存在のnameをつけるVandalieu。femaleで、最初に現した姿が白いdressを着ている事も、Silkieを連想させたので合っていると思ったのだ。
彼女も異論は無いのか、再び一礼する。
『……たった今、High SilkieにRank upしました』
どうやら、名付けられた事とVandalieu達が正式な住人になった事で彼女にExperience Pointが入ったらしい。
「まあ、でも呼び名はSilkieのままで。何なら、Silkie Zakkart Mansionとか、そんな風に名乗ってください」
『わかりました』
こうしてSilkie Zakkart Mansionの名付けは終わった。後の予定は……
「じゃあ、俺はこれからTamer guildの人達に『cursed mansion』をTamerしましたと報告して、『Genius Tamer』の知名度と、kaa-sanのHonorary NobleとAlcrem Duke 家の権威を盾にごり押して来ますね。maybe、確認のために職員の人が来るでしょうから、よろしくお願いします」
「分かったわ。じゃあ、私達はguildの人をお出迎えする準備ね」
「Darcia -sama、私はその間旦那-samaのDemon King Familiarと一緒に掃除の続きをしておきます」
とんでもない事を言うVandalieuに、驚いた-sama子もなく段取りを決めるDarciaとBellmond。他のmemberからも、異論は出なかった。
何故なら、これは最初から決まっていた流れを少し変更しただけだったからだ。
まず、植物型のmonstersでありながら知能が高くてHumanに近いように見えるEisenを、堂々と正規の手段でOrbaumに入れる。これには、成功した。
その次に、VampireのBellmondやEleonoraを「Tamerした」と言い張って町に正規の手段で入れる。Vampireは危険なVida's New Races、一般人にとってはUndeadに近い認識を持たれている。しかし Human同-samaに知能が高く、会話などのcommunicationも可能で、Human社会に潜入する事が出来る社会性を持っている事が知られている。
だから、「Tamerした」とVandalieuが強く主張すれば、「Tamer出来たのかもしれない」とGuardやTamer guildに思わせる事も可能だろう。
そして次に、Iris達Majin RaceやOniwaka達Kijinを同-samaに「Tamerした」と言い張って連れてくる。
そしてfrom hereが第二段階。通常はTamerする事が出来ないとされる蟲型のmonsters、PeteやPain、そしてQuinnを「Tamerした」と言い張って街に連れ込む。VampireやMajin Race等をTamerしたVandalieuなら、可能なのかもしれないと思わせ、疑問に思う者がいてもごり押してthrust進む。
最終段階の、Undeadを「Tamerした」と言い張ってguildに認めさせ、「UndeadでもTamerできる」という前例を作るという目標を達成するために。
MoksiやAlcremで分かった事だが、口で「GhoulもHumanと変わらない、Vida's New Racesの一種だ」と訴えるよりも、実際にGhoulと交流させた方が人々から理解を得る事が出来る。
ならVampireやMajin Race、蟲や植物やUndeadにも、同じ事が言えるのではないか。Vandalieu達はそう考えたのである。
このtacticsを行えば、Alda templeや親Alda派のChurch of Vidaやそのbelieverだけではなく、他のtempleやNobleから警戒される事は分かっている。しかし、tacticsを行わなくても警戒されているし、制御されていない末端のbelieverからだが既に攻撃を受けている。
Alcrem Duke 家がallyに付いている以上、やってもやらなくてもriskが大きく変わらないtacticsなら、やるべきだろう。
そのAlcrem Dukeが唯一反対していたが、Vandalieuが説得すると了解してくれた。
「では、Tamer guildに行ってきます」
そして、tacticsを変更してVampireより先にcursed mansionをTamerした報告しに行くVandalieu。
今、Tamer guild Orbaum本部に、創設以来最大の試練が降りかかろうとしていた。
・Name: Silkie Zakkart Mansion
・Rank: 6
・Race: High Silkie
・Level: 0
・Passive skills
Special Perception
Mysterious Strength:10Lv
Mental Corruption:5Lv
Corrosion Resistance:5Lv
Allure:5Lv
Strengthened Attribute Values: Residence:1Lv
Strengthened Attribute Values: Creator:1Lv
Self-Enhancement: Guidance:1Lv
・Active skills
Spirit Form:5Lv
Materialization:6Lv
Clone:1Lv
Housework:5Lv
Etiquette:3Lv
Cooking:1Lv
Clothing Decoration:2Lv
Seduction:5Lv
Lockpicking:1Lv
Pickpocket:1Lv
Whip Technique:6Lv
Commanding:3Lv
Coordination:7Lv
Parallel Thought Processing:1Lv
Aura of Fear:10Lv
・Unique skill
ヴ■■■■■'s Divine Protection
○Monster explanation::Silkie Luciliano著
師ArtisanによってUndead Transformationしたcursed mansion。馬車や船などの前例があるので、驚きはしない。家屋であるためあまり戦闘には向いていないし、Cloneを創りだして行動できるのもmansionの敷地内だけである事など、今後の成長が期待される。
……どうやってlevellingするつもりなのかは、私は知らないが。
mansionらしく誰かが居住しているとAbility ValuesがEnhanced (1)されるskillや、彼女の元になった犠牲者たちが持っていたskillを幾つか所有している。
また戦闘の際は、相手が敷地内にいれば他のUndeadとのCoordinationや蔓での攻撃、体内に仕掛けられたTrapを利用するなどして相手が格上でなければそれなりに戦えるだろう。
ただ、やはり敷地外から遠距離攻撃を受けた場合は、【Aura of Fear】skillで威嚇するぐらいしか出来る事はない。……10levelなので常人なら発狂しかねないし、heartのweak人なら運が悪ければ死んでしまうだろうけれど。
なお、mansionの中には三つのreliefをはめ込まないと扉が開かない隠しroomや、置いてある石像を所定の位置に置き直さないと開かない金庫等、「cursed mansion」にありがちな「不便ではないのか?」と首を傾げるような仕掛けが幾つもあり、師Artisan達はそれをそのまま使っている。
彼らの場合、reliefや石像が言う事を聞いて動いてくれるから不便さは感じないためだろう。そうでない者が『cursed mansion』に住む場合は、大幅改装をお勧めする。
certainly、事前にmansionとmansionをシェアする者達から了解を取ってから行うように。