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Chapter 309: 新たなるGuiderの目覚めと、迫る圧倒的な戦い

 Zadirisは深く、深く思い悩んでいた。

「何が正解なのかは、はっきりしている。最適の答えは、最初から出ているのじゃ……出ているのじゃが……」

 Job change roomから出た彼女は、小さな肩を落として深く溜め息を吐いた。


 Zadirisが今現在就いているJobは、Vandalieu達がconjectureしている通り、既に百levelに達していた。だが、Job change可能なJobが一つしか表示されず、そのJobに就きたくないが故にJob changeを先延ばしにていた。

 何とか、他のJobに就く方法は無いかと、悩みながら。


 神頼みは意味が無いのは、分かっている。

 Statusを司るGodsは、このworldのあまねく全ての存在に、monstersUndeadにまでStatusの恩恵を与えると同時に、このworldの全ての存在からの祈りは、全く受け付けない。

 そんな存在である。


 だから自力で解決しようと、【No-Attribute Magic】を中心に使ってskilllevelを上げようとしたり、これまでは習得しようという発想すら無かった【Spirit Magic】に関してこっそり学んでみたり、いっそ武術でも覚えようかとWeapon Equipmentを振り回してRank3ぐらいのmonstersを追いかけ回してみたり……。


 そうした数日の努力は実らず、Job change可能なJobは相変わらず一つだけしか表示されなかった。

「これ以上は、時間をかけてskilllevelを上げるか、新しいskillを獲得しなければ、意味が無いからのぅ。儂ならよっぽど苦手な分野でなければ、数か月もあれば確実にskilllevelを上げ、もしくは新しく獲得する事が出来るじゃろうが……儂のselfishnessでそこまでするのは気が引ける」


 Vandalieuと出会ってから、Zadirisは幾度もRank upを繰り返し、幾つものJobに就いてきた。そのため積み重なったskill補正は、並大抵のものではない。

 magicなら、【Spirit Magic】のような専門性の高いskillでも、一カ月程の時間をかければ手に入られるだろう。さすがに、既にSuperior SkillAwakeningしている【Light Princess Magicskill等のlevelを上げるには、苦労するだろうが。


 だからこそ、Zadirisはこれ以上他のJobに就く事を諦めずにいる事を躊躇った。何故なら、明らかにJob changeをして、努力をした方がskilllevelは上がり易いからだ。

 それに、Champion Bellwoodを『Blue-flame Sword』のHeinzrevivalさせたらしいという凶報がもたらされてから、Vandalieulevellingに熱心になり、他の仲間も真面目に強くなろうとしている。


 それなのに、自分だけselfishnessをし続ける事が許されるのだろうか?

「あのJobは、当たればAbility Valuesincrease率は高く、しかも確実に新しいskillを獲得する事が出来る。そして、条件に合うallyEnhanced (1)する事も可能……実害のあるskillを獲得するとか、このJob以降のJob changeに実害のあるimpactが出る事はないじゃろう」


 考えれば考える程、他にCandidateが無いのなら就く事を躊躇う理由が見つからないJobだ。Zadirisも、ある一点さえ無ければ、喜んでJob changeしただろう。

 それぐらいこのworldでは稀有で、特別視されているJobなのだ。


「……いや、やはり坊やかKanakoに相談してからにするべきじゃな!」

 だが、この時もZadirisは自力で踏ん切りをつける事が出来ず、そう先延ばしにする口実を口にすると、Job change roomの前から立ち去ろうとした。


「それは奇遇ですね。では、早速相談に乗りましょう」

Vanもこう言っていますし、胸の内も腹の中身も全部打ち明けちゃいましょう!」

 しかしZadirisが身を翻した先には、VandalieuSmiling FaceKanakoが並んで立っていた。


「い、いつからそこに!?」

「ええっと、『いや、やはり坊やかKanakoに相談してから』の時ですね。接近を察知され、逃げられる事がないように足音を【Silence】しました」

「音も無くすーって動くものだから、すぐ横で見ていなければお化けかと思うところでした」


 前日にZadirisは悩みを聞き出そうとしたKanakoから逃げているため、同じ轍は踏まないように工夫したようだ。

 はっとしたZadirisが振り返ると、廊下の反対側にはVigaroBasdiaが並んでおり、退路を塞いでいた。


「は、挟まれた!?」

Zadiris、諦めろ。この包囲から逃げる事は出来ないぞ!」

Vigaro、促すのは降伏ではなく悩みの告白だぞ。だが、一人で悩んでいても問題は解決しないのは、kaa-san自身も分かっているのだろう?」


「ぬぅ……仕方あるまい。出来れば儂の悩みを悟られぬように、さりげなく相談を持ちかけたかったのじゃが」

「「「「それは無理(だ)」」」」

 声を揃えて否定されたZadirisは、再度呻いてから悩みを打ち明けた。


「実は……今就いているJobが百levelになったのじゃが、Job change可能なJobが一つしか出ないのじゃ」

「なるほど。トゥルーPrincessとか、魔法極姫とか、そういった名称のJobしか出なかったと?」

Kanako、幾らkaa-sanでもそこまでではないと思うが……特に、トゥルーPrincessって、つまり普通の姫の事だろう?」


「いや、Kanakoconjectureはそれほど外れておらん。実は、そのJobは、【Princess Guider】というJobでな……」

「姫……Guider!?」

 Zadirisが告白したJobの名称に、その場にいた全員が驚いた。Vandalieuの背後のspaceに潜んでいたGufadgarnでさえ、驚きのあまり姿を現してしまう程の衝撃だった。


「本当に、Princess Guiderなのか? 冗談や見間違い、夢でもなんでもなく?」

「何と言えばいいのか……本当にCurseなんじゃないかってぐらい、姫が極まってますね」

Guiderか! 凄いぞ、Zadiris!」

 驚愕と困惑の混じった顔つきのBasdiaKanakoに、Guiderになれる事を賞賛するVigaro


「すぐ、皆に伝えよう! VandalieuKanakoに続いて三人目のGuider誕生を、祝ってくれるぞ!」

「ええいっ、そうなるから悩んでいたというのに!」

 Zadirisは、予想通りの反応を見せるVigaroに対して頭を抱えて叫んだ。


 実際、GuiderJobに就く者が出るのはめでたい事だ。Heroが一人だけではなく、Guiderとその仲間や近しい者達と複数のHeroが誕生するのだから。

 国内に存在するDevil NestsDungeonと共存するしかないこのworldでは、Heroの存在価値が高いのだ。


 だが、ZadirisPrincess Guiderとして有名になりたくないし、歴史に名を刻みたくないので、祝わないで欲しいのだ。

「誰にも言わず、こっそりJob changeする事も考えたのじゃが……【Princess GuiderJobGuiderの名に違わぬJobなら、儂以外にもimpactが大きい。じゃから、絶対にばれると思ったのじゃ」


「たしかにそうですね。これまでも、姫やMagical GirlJobが出た人は何人もいましたが、Guiderになれば2x Augment Multiplierしてもおかしくありませんし」

「今まではVidal Magic Empireの者だけでしたが、GuiderになればAlcrem Duchylessonを受けている者達からも、姫やMagical Girlが出てもおかしくないかと」


 VandalieuGufadgarnがそう言うと、Zadirisは「やはりか」と肩を落とした。

しかし、何故【Princess Guider】なんてふざけたJobが出たのじゃろうか? Guiderについては少し聞いたが、あれには独自の思想やら文化やらが必要なのじゃろう? なのに、何故姫……?」


 Guider Jobが現れるには、今までにない独自の思想を持ち、その思想や思想に基づく文化を広める事が必要とされる。かつてのChampion達やVandalieu、そしてKanakoGuiderに目覚めたのは、彼等がanother worldから来た存在であるから。このworldにとっては、新しい思想や文化の持ち主であり、それをこのworld人々に訴え、広めようとしたからだ。


 しかしZadirisは純然たるこの『Lambdaworldの存在である。

 もちろん、このworldの住人でも独自の思想を持つに至り、Guider Jobに就いた者は歴史上何人もいる。しかしZadirisには独自の思想やそれを広めた覚えはなかった。


「やはり、儂が何か勘違いしているのじゃろうか? それとも、Gods of Statusの手違いかもしれん。坊やが今まで就いたJobを顧みると、ふざけているのかもしれぬが」

「それは、やや否定し難いですが……Zadirisに【Princess Guider】が現れた事は、俺は不思議には思いませんよ。もちろん、真剣に」


 神まで疑い始めたZadirisに、Vandalieuはそう言って驚かせた。

「それは本気か、坊や?」

「はい。まず、ZadirisMagical Girlや姫と名のつくJobraceについて広める事に関しては、Kanakoより熱心です。Kanakoは広い意味で歌やdanceIdolというジャンル……文化を広める事に熱心ですが、Magical Girlや姫を広める事に関してはZadiris程ではありません」


「たしかに……Transformation Equipmentを広めるのはあたしよりZadirisの方が熱心ですよね。色んな人のEquipmentを作るようにVanに働きかけるのに協力してくれますし。そう言えば、Equipmentの玩具を作るようVanに提案したのもZadirisでしたね」


「あと、Magical GirlについてMoksichild達に質問を受けた時は、毎回丁寧に説明していたな。実際に振り付きでTransformしたり、magicを使って見せたり」

「あっ、それにあたしはその場にいなかったんですけど、『魔法ではない、magicだ! お前達はmagician girlだ!』って因縁を付けに来たMage guildの人に論争を挑んで、fanに変えちゃった事があるみたいですよ!」

 Vandalieuの説明に思い当たる事があるのか、KanakoBasdiaが代わる代わる話し始めた。


「我はMoksiについて行かなかったので知らなかったが……二人の話を聞くと、『姫』や『Magical Girl』がどんなものか、Zadirisが最も積極的かつ熱心に広めようとしているのが分かるな」

「なっ!? 待て、Vigaro! それは誤解じゃ!」

 Vigaroまで重々しく頷いたのを見て、このままPrincess Guiderになるのもおかしくないと、皆に納得されてはたまらないとZadirisは慌てて否定し始めた。


「たしかに、KanakoBasdiaが言った事は全て事実じゃ! 儂にも、覚えがある!

 だが、それは全て儂が『Magical Girl』である事が定着せぬように、そして『姫』とJobraceにつくconditionから脱却するためじゃ! そのような不純な動機で、Guiderと認められるはずがない!」

 拳を握ってそう力説するZadiris


「いえ、認められるんじゃないですかね」

「認められると思いますよ」

 しかしGuider Job経験コンビはそう答えた。


Statusを司るGodsが、どういう基準でJobを発現させるのかは分かりません。『Magic God of Time and ArtsRicklentに訊いても、『本人の資質による』としか分からないそうですし。

 でも、そこまで動機を重視しているとは思えません。重視していたら、Selfの幸福実現やそのための復讐が動機の俺がGuiderになる事もなかったでしょう」


「あたしだって、自分がやりたいからやっているだけですからね。そしたら、思いの外戦闘でも役立つJobが出て、skillを獲得やAwakeningしただけで。

 なので、『何故、Guider Jobが出たのか』は思い悩まなくていいと思いますよ」


「むぅ……そういうものか。しかし、それなら【Princess Guider】になった後、姫と名のつくJobしか出てこないとか、Princess以外のraceRank up出来ないとか、そうした事にはならないのじゃろうか?」


「それはさすがに答えかねますけど、maybe、【Princess Guider】が原因でそういう事にはならないと思いますよ」

 Vandalieuの、暗に「【Princess Guider】になってもならなくても変わらないのでは?」という言葉に、思わず半眼になるZadiris


「そうじゃ、忘れておったが坊やは儂に協力はしてくれても、Slightly同志ではなかったのじゃったな」

「可愛いし、Jobraceとして優れているので良いのではないかと、以前から思っていますね。certainlyZadirisの意思は尊重しますし、応援もしますが」

「うわ、一番理解から遠いTypeじゃ。主張や意見をぶつけ合う事もないから、微妙なすれ違いがそのままになる感じじゃ」


「まあまあ、Vanの意見はさておいて……【Princess Guider】になった後、心配が現実になったら、Vanに解決して貰えば良いじゃないですか」

「解決って、俺もJobを司るGodsには接触できませんよ」


 もし接触できるのなら、StatusJob Historyの欄に並ぶ字面の悪い Jobをどうにかしてもらって……いないかもしれない。実際に就いてみると、有用なJobばかりだったので。


「そうじゃぞ。坊やに解決できたら、とっくにしてくれているはずじゃ」

「いいえ、そうではなくて……単に、お嫁に貰われれば良いじゃないですか」

「っ!?」

 Kanakoの爆弾発言に驚くVandalieuZadirisしかしBasdiaVigaroには、十分理解できる意見だったらしい。


「たしかに、既婚の姫は姫ではなく妃や皇后だな。立場的にQueenEmpressなら、誰もStatusでどうなっているかまで気にはしないだろう」

「それに、本当にrace名やJobQueenEmpressに変わる可能性もあるな。

 いいんじゃないか、kaa-sanVanも今なら大丈夫だろうし」


「待ってください、Basdia。将来的にそういう事になるだろう事は理解していますが、何故今?」

「私達が会ったばかりの頃、『十年後まで待て』と言ったのはVanじゃないか。そろそろ十年後だぞ」

「……ああ、身に覚えがあるので否定できない。でも、十年後ではなく約十年じゃありませんでしたか?」

「約十年なら、今でも大丈夫と言う事だろう?」


「十年前の俺よ、何故成人するまで待ってと言わなかったのか……」

 実際に自分が言った覚えがあるVandalieuは、Basdiaに指摘されて思わず遠くを見つめた。

「なるほど、その手があったか」

 しかも、驚愕から立ち直ったZadirisKanakoの提案に乗り気である。


「そう言えば、Zadirisは良いとしてお前とBasdiaはいいのか?」

「構いませんよ。Vanの国は一夫多妻制に寛容ですし、順番で立場が大きく変わるって事もないでしょうから。何番目でも玉の輿は玉の輿です」

「私も、順番にはこだわらないぞ。まだJadalも成人していないし」


 そして、提案したKanako本人とBasdiaも邪魔をする気はサラサラなかった。originallyそうだったBasdiaはともかく、Kanakoがこれ程あけすけに言うのは初めてなので、Vandalieuは首を傾げた。

「気持ちは嬉しいですが、『Earth』や『Origin』の文化では、一夫多妻制は問題があるのでは? 無理はいけませんよ」


「玉の輿呼ばわりは気にしないんですね。ご心配なく、郷に入っては郷に従えです。

 それに一国の支配者で、富豪で、何処にでも飛んで移動して自分で組み上がってくれるConcert Venuemasterで、Transformation Equipmentも創れる、Entertainment活動を応援してくれる。ここまで好条件がそろった男は、未来永劫Vanだけです。

 Darcia -sanとなら嫁姑問題も穏やかに済むでしょうし、国行事的なお堅い役目は他の人に頼めるでしょうから、絶対逃しません。どんな手を使っても、貰ってもらいます」


 なお、今Kanakoが口にした事には、若干の誤魔化しが含まれている。何故なら、Vandalieuからの援助は彼と婚姻関係で結ばれなくても得られるからだ。

 実際、Even now KanakoVandalieuから援助を受けている。たしかに、VandalieuKanakoの活動の結果、利益を受けている。しかしKanakoは代価を前払いしてもいないし、利益を確約している訳でもなかった。certainlyloverでもなく、body partで払っている訳でもない。


 それなのに援助するぐらいにVandalieuは身内と見なした者に甘く、既に自分は彼に身内と見なされている。それをKanakoは気がついている。

 それなのに関係を望むのは……つまり、そういう事である。


「情熱的なプロポーズをありがとうございます。しかし、返事はHeinzBellwoodをどうにかするまで待ってください」

 certainlyVandalieuKanakoの心の内にまだ気がついていない。


「もちろん構いませんよ。あたしとしても、今後の人生に関わる重要な問題ですからね」

「ああ、儂も別に今すぐという訳ではないぞ。【Princess Guider】になった後のJobraceが、姫やらPrincessとつくものばかりだったら、という話じゃ。

 では、悩みも解決したし、Job changeをしてこようかの」


 そうしてZadirisは晴れやかな気分でJob change roomに入り、Vidal Magic Empireに三人目のGuiderが誕生したのだった。




 その頃、Circle of Reincarnationを司る神、RodcorteDivine Realmでは、そのRodcorteが腕を組んで唸っていた。

『やはり、PeriaVida's Factionについたか。それは予想通りだったが、sealedされていたはずのBotinまでも……』


 Rodcorteとしては、『Goddess of Water and KnowledgePeriaVida's Factionについたのは、「悪い予感が当たった」という程度の出来事だった。

 PeriaDemon King Guduranisから受けたDamageを癒すため、眠りについているということになっていた。しかし、同じ理由で眠っていたはずのRicklentZuruwarnは、既に目覚めていた。


 受けたDamageの大きさが違うだけかもしれないが、もしかしたらPeriaは目覚めているのではないか。だとしたら、目覚めているのに眠っていると偽っている理由は……AldaではなくVidaを選んだからではないか?


『知っていたのなら、忠告してやればよかったんじゃないか?』

 そうFamiliar SpiritとなったReincarnatorAranが言うが、そんな事ができるはずがない。まず、この予想はRodcorteにとっても、根拠の無いものだったからだ。そしてRodcorteAldaの間には、信頼関係が存在しない。


 信用できない奴が、自分が信頼する存在について、「そいつはお前を裏切るぞ」と忠告する。その結果どうなるかは、Rodcorteでも想像することができた。

『問題はBotinまでVida's Factionについたことだ。これで、AldaGreat Godの中で孤立し、Vandalieu達は増えたGreat Godからblessingsを得ることができる。』


 今のconditionでも十分強大なVandalieu達は更に強くなり、Alda's Factionの神を奉じるHuman達はblessingsを得る機会を失った。それに、ElfDwarfbeliever達がこの先どうなるかも怪しい。


『だが、Bellwoodrevivalしている。Aldaによると、まるで廃人のようだったとの事だが、奴の頭の中身はどうでもいい。問題は、戦力になるかどうかだ』

『いや、それは考慮しないと駄目なんじゃないか? 廃人のようなconditionなんだろ?』


『構わん。それは、Bellwoodの保護者がどうにかするだろう』

 Rodcorteは、AldaReincarnatorを信用していないように、『Lambda』のHumanを信用していない。彼にとってBellwoodは、Aldabelieverを獲得して力をキープするための客寄せPandaのようなものだ。


『それよりも、問題はGuiderに目覚めたKanako Tsuchiyaだ。彼女とVandalieuをなんとしても抹殺しなければならないが……どうしたものか……」

『どうしようもないだろ。それとも、AsagiOracleでもだすか? 『Kanakoを殺せ!』って』

『高い確率で失敗するだろうね。成功しても、実行するとは思えないし……そもそも、Asagi達の戦力では不可能だ』


 AranKouyaの軽口を無視して、Rodcorteは押し黙ったまま思考を巡らせた。

(落ち着け。やる事は何も変わらない。Vandalieuを、Aldaと協力して抹殺する。GuiderとなったKanako Tsuchiyaもその過程で抹殺する事が可能なはず。もし取り逃がしても、後ろ盾であるVandalieuを失えば、大した事は出来ないだろう。

 PeriaBotinVida's FactionGodsについてはAldaに任せればいい)

 そして、そう算段をつけると、何とか自分を落ち着かせた。


 所詮、普通の……それも、戦闘よりも芸術活動に向いているだろうGuiderが一人、発生しただけだ。Aldaからすれば、大きな差はないだろう。

 Rodcorteはそう考えていたが、Kanakoが『Champion』のsecondary nameを手に入れ、さらにGuiderが……それも、KanakoEntertainment Pathととても相性の良いGuiderが誕生した事に、まだ気がついていなかった。




 南に見えるBoundary Mountain Rangeの北端を遠くに眺めながら、『Knight of Roaring FlamesBrabatieuと『Thousand BladesKnightValdiriaは緊張を隠せなかった。

 彼等は、RudelSauronが集めた旧Scylla Autonomous Territory奪還軍の一員となり、進軍している真最中だった。


 再編されかつての精強さを取り戻したSauron Duchyの正規軍に、武人としても知られるLucas Hartner Dukeの精鋭軍、他にもDuke Farzon領やBirgit Duchy、それにCenterから送られてきた戦力。腕利きのmercenary団に、AClassやBClassadventurer達。


 数こそAmid Empireを刺激しないよう抑えたが、それでも一万規模の大軍であり、その戦力は平均的なSoldier百万人分に匹敵するだろう。


 そして、BrabatieuValdiriaはこれから戦う敵戦力も知らされていた。

 これから起こるのは、たったの三人と少々との戦闘である。そう、百万人相当の一万人対三人と少々の戦いなのだ。


Valdiria、茶番劇が続くが……今回も、何としても成功しなければならん。そのためには……」

「無論、腕の一本や二本、惜しくはない」


 これから旧Scylla Autonomous Territory奪還軍の前に立ち塞がる、三人と少々の敵。

 まず、『Reaper of the Former Scylla Autonomous TerritoryBorkus

 次に、恐らくworld最強のSkeletonBone Man

 そして、『Ten Thousand Bones-dono』のKnochen

 最後に、彼等のSuportをするDemon King Familiarがほんの『少々』。なお、場合によってはmain bodyも駆けつけてくるらしい。


 並のSoldierでは何億……いや、何兆人いても勝ち目の無い、三人と少々の大軍勢だ。


「……さあ、格好をつけて負けるぞ!」

 Brabatieuは、ValdiriaAlcrem Duchyから共に派遣された部下達に、小声で号令をかけたのだった。




―――――――――――――――――――――――――――――――――




Name: Zadiris

Age: 301age(Youth Transformation済み)

Title: Magical Girl】 【Owner of the Magical Staff】 【Transforming Demon Princess】 【Mahou Shoujo Originator

Rank: 13

Race: Ghoul Full Moon Wizard Princess

Level: 98

Job: Princess Guider

Job Level:

Job History: Apprentice Mage Mage Light-Attribute Mage Wind-Attribute Mage Sage Great Sage Great Mage Wizard Princess Magical Girl Magic Staff Transformation Magical Princess Grand Magical Princess Magical Moon Princess


Passive skills

Dark Vision

Pain Resistance:5Lv

Mysterious Strength:4Lv

Paralyzing Venom Secretion (Claws):3Lv

Super Mana Recovery Rate Increase:4Lv

Mana Enlargement:10Lv

Automatic Mana Recovery:9Lv

Staff weapon equipped, then Magic Power Augmented (2) : Large

Enhanced Attribute Values: Transformation:8Lv

Self-Enhancement: Guidance:8Lv

Magic Resistance:7Lv

Enhance Abilities: Moonlight:5Lv

GuidancePrincess Path:1Lv(NEW!)

Princess Path Enticement:1Lv(NEW!)


Active skills

Light Princess Magic:4Lv

Wind Princess Magic:3Lv(UP!)

No-Attribute Magic:10Lv(UP!)

Precise Mana Control:2Lv

Alchemy:7Lv

Chant Revocation:9Lv

Multi-Cast:9Lv

-Surpass Limits-:8Lv

Housework:3Lv(UP!)

High-speed Thought Processing:8Lv

Staff Technique:5Lv

Familiar Spirit Advent:5Lv

Singing:5Lv

Dancing:5Lv


Unique skill

Zozogante’s Divine Protection

Garess’s Divine Protection

Vandalieu’s Divine Protection

Diana’s Divine Protection

Vida’s Divine Protection(NEW!)




Name: Vigaro

Rank: 13

Race: Ghoul Astral Tyrant Lord

Age: 176age

Title: Death Axe King】(NEW!)、【Great General Ghoul Demon】(NEW!)

Level: 87

Job: Hell Demon Great Axe Overpower

Job Level: 98

Job History: Apprentice Warrior Warrior Axe Warrior Axe Master Magic Axe User Great Axe Master Berserker Demon Warrior Hell Axeman Spirit Demon Warrior Shield Warrior Hell Demon Axe Overpower


Passive skills

Dark Vision

Monstrous Strength:8Lv(UP!)

Pain Resistance:10Lv(UP!)

Paralyzing Venom Secretion (Claws):8Lv(UP!)

Axe weapon equipped, then Ability Values Enlarged (3):小(Axe weapon equipped, then Ability Values Enhanced (1) awakened into後、さらにAwakening!)

Magic Resistance:6Lv(UP!)

Peerless Vigor:10Lv(UP!)

Murder Healing:10Lv(UP!)

Physical Resistance:3Lv(UP!)

Mental Resistance:1Lv

Self-Enhancement: Guidance:5Lv(UP!)

Strengthen Follower:3Lv(NEW!)


Active skills

Death Lion Axe Technique:6Lv(UP!)

Unarmed Fighting Technique:10Lv(UP!)

Commanding:7Lv(UP!)

Coordination:10Lv(UP!)

Deforestation:6Lv(UP!)

Dismantling:4Lv(UP!)

Shield Technique:10Lv(UP!)

-Transcend Limits-:5Lv(-Surpass Limits- awakened into!)

Magic Axe -Transcend Limits-:4Lv(Surpass Limits – Magic Axe awakened into!)

Parallel Thought Processing:7Lv(UP!)

Spirit Form:7Lv(UP!)

Materialization:8Lv(UP!)

High-speed Thought Processing:1Lv

Familiar Spirit Demonic Advent:3Lv(NEW!)


Unique skill

Zozogante’s Divine Protection

Garess’s Divine Protection

Vandalieu’s Divine Protection

Vida’s Divine Protection(NEW!)






Name: Basdia

Age: appearance age27age(36)

Title: Giant Splitter】(NEW!) 【Transforming Axewoman】(NEW!)

Rank: 13

Race: Ghoul Amazoness True Night Queen

Level: 69

Job: Magical Axewoman

Job Level: 44

Job History: Apprentice Warrior Warrior Apprentice Mage Mage Magic Warrior Wind-Attribute Mage Magic Axe Warrior Demon Axe Blade Demon Queen Transformation Demon Queen Magical Empress




Passive skills

Dark Vision

Monstrous Strength:6Lv(UP!)

Pain Resistance:7Lv

Paralyzing Venom Secretion (Claws):7Lv(UP!)

Magic Resistance:8Lv

Intuition:6Lv

Axe weapon equipped, then Attack Power Augmented (2) : Small(Axe weapon equipped, then Attack Power Enhanced (1) awakened into!)

Mental Resistance:5Lv

Mana Enlargement:4Lv(UP!)

Strengthened Attribute Values: Guidance:7Lv(UP!)

Strengthen Follower:7Lv(UP!)

Allure:5Lv(UP!)

Enhance Abilities: Moonlight:6Lv(UP!)


Active skills

Demon Queen Axe Cutting Technique:2Lv(UP!)

Shield Technique:10Lv(UP!)

Archery:9Lv(UP!)

Throwing Technique:8Lv

Silent Steps:4Lv

Coordination:10Lv

No-Attribute Magic:5Lv(UP!)

Wind-Attribute Magic:9Lv(UP!)

Water-Attribute Magic:9Lv(UP!)

Mana Control:8Lv(UP!)

Cooking:3Lv

Magic Axe -Transcend Limits-:1Lv(Surpass Limits – Magic Axe awakened into!)

Armor Technique:8Lv(UP!)

Magic Fighting Technique:7Lv(UP!)

Dismantling:2Lv

Commanding:3Lv

-Surpass Limits-:8Lv(UP!)

Unarmed Fighting Technique:6Lv(UP!)

Singing:3Lv(UP!)

Dancing:3Lv(UP!)

Familiar Spirit Demonic Advent:3Lv(UP!)


Unique skill

Zozogante’s Divine Protection

Garess’s Divine Protection

Vandalieu’s Divine Protection

Diana’s Divine Protection

Vida’s Divine Protection(NEW!)


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