Vandalieu達とDemi-Godがぶつかり合い、勇ましい角笛と太鼓の音色が響くこの戦場で、最も忙しいのはKnochenとZozogante、Legionかもしれない。
『今の内だ! 船を潰せ!』
『偽物でも構うものか!』
幾柱かのDemi-Godとmonstersの何割かが、Cuatroを含めた船団に狙いを定めたからだ。
空を飛ぶ船はVandalieu達にとって拠点であると同時に移動手段……という程、重要な存在でない事は、流石にGohn達も気が付いていた。
だが、偽Cuatroは全て攻撃手段であり、自分達に大Damageを与える兵器その物でもある。
そのため、BlateoがVandalieuを引きつけているだけではなく、他の敵も船団から離れた今の内に出来るだけ沈めておこうと考えたのだ。
『ギイイイイイイイ!』
certainly、Cuatroや残り二隻になった偽Cuatroもただの的ではない。砲弾で反撃しながら回避行動をとり、Demi-God達のmagicやBreathを避けていた。
『おおおおおおん!』
そして、避けられない攻撃や接近しようとする素早いmonstersは、Knochenがその身で防いでいた。
『クソっ、何という堅牢さだ! 炎も雷も大して効かん! それに、あのboneの群れは何体いるのだ!?』
【Long-distance Control】awakened intoした【Bone Group Manipulation】skillを持つKnochenは、boneのGroup Bodyであるbody partをいくつかに分けていた。
Bone ManとLucilianoの救援に向かったmain bodyに、Cuatroと偽Cuatroの護衛に残ったCloneが三体。どれも全て全長百meterのDemi-God達と同じくらいの体積がある。
「ギャアアアアアアア!」
巻き込まれたmonstersがscreechをあげながらboneの嵐にすり潰され、Knochenの一部となった。最近、【Dismantling】skillを覚えたらしく、自力でboneを取り出すまでの速度と丁寧さが向上している。
『おお、助かったぞ、Knochen -dono!』
Zozoganteはそう礼を言いながら、枝に連なるcountlessのeyeballに似たFruitから黒い光線を放ち、Demi-God達を牽制する。
『おおおん?』
『我は接近戦が苦手なのだ! 見た目より力もDefense Powerもない! そして、それは奴等も知っている! 何せ、十万年前は共にDemon Kingと戦ったのだからな!』
『Evil God of the dark Forest』Zozoganteは、『Evil Dragon God of Five Sins』Fidirgと同じく、Demon King Armyではweak部類だった神だ。appearanceは黒い大木で、枝にeyeballがFruitのようになっているという禍々しいもので、植物型のmonstersのようにVitalityも旺盛に見える。
実際、Vitalityは旺盛だ。しかし、神の中では力やDefense Powerはweak方でphysical battleは不得意だった。それは、完全revivalして作ったこのmain bodyとほぼ同じ寄り代でも同じ事だ。
『下Class Evil God (M)だからと言って油断するな! 距離を取れ!』
『あのFidirgのようにPower upするかもしれん。前衛はmonsters共に任せろ!』
『くっ、奴風情にここまで警戒せねばならぬとは! Demon Kingの威を借りる狐め!』
だが、Peria Defense Corpsとの戦いで姿を現した『Evil Dragon God of Five Sins』Fidirgが、VandalieuのFamiliar Spiritを寄り代に降ろして劇的なPower upを遂げ、一撃でDemi-Godを倒したという情報が此処まで伝わっていた。
そのため、Fidirgと同じようにrevived Zozoganteに対しても油断するような事はなく、距離を取った複数のDemi-Godが彼を狙っている。
結果的に、背後の船団を守る事にも繋がっているのだが。
『おのれ! 好き放題言いおってからに! いくら本当の事とは言え許せん!』
散々な言われように、Zozoganteの苛立ちは募っていく。
『おおおおん』
『分かっている! Provocationに乗って近づくような真似はせぬとも! それ、パスだ!』
だが、ZozoganteはBlateoのように短慮ではなかった。近づいて来たSatan GIANTより二回り以上小さな黒いGIANTを、伸ばした根で絡めとってKnochenのboneの渦に投げ入れる。
Demon KingのContinentの濃厚なmiasmaで狂い、MaterializationしたAnima……仮名Evil Spirit Berserkerには、黒い光線を集中させて消滅させる。
『[Heart Warriors]』達が倒した前後合わせて八本の脚を持つ熊のmonsters……仮名サタニックグリズリーには、故意に根や蔓を傷つけさせて乾くとAdamantiteのように硬くなるSapを浴びせ、身動きが取れなくなったところを枝で打ちあげ、偽Cuatroの砲撃の雨に晒して殺した。
Giantな、whole bodyをscaleに覆われた単眼の虎のような正体不明のmonsters……Talosheim周辺のDevil NestsやDungeonに生息するRaptorキャットの上位種と思われるmonstersには、目玉でありFruitでもある実を投げつけ、爆発させて追い散らした。
どのmonstersもRank10以上であり、本来ならRank13相当のZozoganteなら確実に勝てる相手だ。一対一ならだが。
『おぉん!』
『うむ、我だけならば数に押されて捌ききれず接近を許し、最後はrearguardのDemi-God共にやられていた事だろう』
確実に勝てるが、それは一瞬で倒せると言う意味ではない。ZozoganteはFidirgよりも防御と耐久力、そして何よりRegenerative Powerに優れた神だが、その分FidirgよりAttack Powerと速さで劣っている。
その傾向は、VandalieuのFamiliar Spiritを寄り代に降ろした今でも変わらない。もし、Familiar Spiritを寄り代に降ろしておらず、偽CuatroやKnochenの援護を得ていなければ、彼が言ったように早々に敗れていただろう。
実際、monstersを倒している間にもDemi-God達の遠距離攻撃は続いている。一撃や二撃ならすぐ再生できるが、Knochenや偽Cuatroの援護がなければ、再生する間もなく海の藻屑にされていたかもしれない。
それを考えると、調子に乗って全力で戦い、敵の警戒度を上限まで上げたFidirgに対して、『帰ったら殴ろう』と思うZozoganteだった。
『おおん、おおおおん、おおおおおおん』
『うむ……このまま時間を稼ぎ、次に繋げる。分かっておるとも』
『おおおーん』
『そうだな、そう考えれば、奴等に憐れみすら覚えると言うものだ』
tacticsの第二段階になれば、あのDemi-God達も本気を出したVandalieuに屠られて肉は食材に、boneは出汁を取った後はKnochenの一部となるのだ。憎む価値はない。
ちなみに、彼がKnochenと意思疎通が出来ているのは、彼の憑代に降ろしたVandalieuのFamiliar Spiritが同時通訳しているためである。
残り三隻の船団を狙うのはZozoganteとKnochenが相手をしているDemi-Godだけではない。
Blateo同-sama、仇討に燃える龍、『Ocean Dragon God』Madroza率いる一隊も船団を狙っていた。これは、『Rock Giant』Gohnの指示なので、Blateoとは違い、独断専行はしていないが。
『これ以上、自爆やあのbloodの霧を出させる訳にはいきません! 何としても落とすのです!』
Madrozaが号令と共に、圧縮されたWater Breathを吐く。それに続いて、『Ice Giant』Muganや、『Crab Beast King』Gabildes、『Light Dragon God』Ryularyusがそれぞれ攻撃を加える。
それに続いて、各々が背中に乗せて来たmonsters達を船団に向かって嗾ける。monstersを己の背に乗せるのは抵抗を覚えたが、ZozoganteやKnochenを掻い潜って船団に攻撃を仕掛けるにはmonsters達の機動力が不足しており、仕方がなかった。
『ギィィィィィィ!』
『『ぎぃぃぃぃぃぃ!』』
本物のCuatroと、見た目は同じだが実際にはDemon King Familiarが操作している偽Cuatroが回避運動を取る。
だが、回避し続けるのは無理だと判断したのか、船団の内一隻が強引な方向転換をして他の二隻の盾になる。
圧縮された水や氷山、酸性の泡や光のBreathがその側面に炸裂した。
まずは一隻。そう思ったMadrozaだったが、光や水飛沫の向こうで偽Cuatroが健在である事に気が付くと、『BAKANA!』と声をあげた。
『何故、我々の攻撃を受けて沈まない!? これまでの偽物なら、簡単に砕けるか、爆発したはず!』
『Madroza -dono! あの船の側面を見てください! あれはOrichalcumです!』
Muganが指差した偽Cuatroの側面は、木で出来た表側が砕け、Orichalcumで出来た本当の姿が露わになっていた。
『念のために作っておいた、鉄鋼船ならぬOrichalcum船を披露する事になるとは思いませんでした』
Peria Defense Corpsとの戦闘でOrichalcum Golemを鹵獲した事で手に入った、大量のOrichalcum。【Demon King Fragment】に対抗できる神造金属の一部を、Vandalieuは偽Cuatroの内一隻の装甲に使ったのだ。
tacticsに参加している仲間の武具は、既に【Demon King Fragment】で揃えている。そのため、折角だからと他の船の盾にするための船の造船に使ったのだが、大成功だった。
『これでは、遠距離からの攻撃が通じない!』
Orichalcumは、Manaを弾く性質だけではなく、優れた硬度、そして弾性と形状Memoryの性質を持つ。そのため、Madroza達のManaによる攻撃は殆ど効かない。そして、僅かに与えた傷や歪みもOrichalcumの弾性と形状Memoryが元に戻してしまう。
『こうなれば、懐に飛び込むしかない!』
攻撃を多少受ける覚悟で接近し、直接攻撃するしかないとMadrozaは思った。Orichalcumといえど、無敵ではない。Demi-Godの中でも上から数えた方が早い実力の持ち主である彼女がphysical battleに持ちこめば、あの船を沈める事は不可能ではない。
『待て! あのOrichalcum製の船に固執するな!』
その時、角笛の音に込められた声がMadrozaの耳朶を打った。
『っ!?』
『目標は、自爆や【Blood Infection】が仕掛けられた船の破壊だ。Orichalcum製の船は、それらを守るための盾だ。盾を壊す事に全力を注いでどうする』
『……Muganはmonstersと共にあのOrichalcum船を釘づけにしなさい。残りは、他の船を狙います。行くぞ!』
冷静さを取り戻したMadrozaは、Demi-God達をCommandingして再び船団の排除を試みる。Orichalcum製の偽Cuatroはそれを防ごうとするが、彼女の指示通り、氷の鎧と武具を持ったTrue giant Muganと、配下のmonstersがそれを牽制し、自由にはさせない。
『おや、てっきり、こちらに突っ込んで来るかと思ったのに』
『Orichalcumで出来ている分、装甲が硬すぎて自爆できない事ぐらいは見抜くと思いましたからね』
偽Cuatroを動かすDemon King Familiarに宿るVandalieuのClone達は、MadrozaがこれまでよりもCommanderらしく立ち回っている事に違和感を覚えた。
すぐに【Super High-speed Thought Processing】skillを起動して、【Group Thought Processing】による会議を始める。
Vandalieuは最初、Madrozaがこれまでの経験を反省して学び、群れる事が少ない龍としての殻を破って現場Commanderとしての成長を遂げたのかもしれないと思った。しかし、それにしては、彼女の-sama子が妙だ。それに、だとすると、Blateoがあのままなのもおかしい。Madrozaが成長したのなら、Gohnと協力してBlateoを抑えこむ気がする。
では、どうしたのかと考えると……ふと、気が付いた。
(さっき……Madrozaが何か言いかけた直後、角笛の音が不自然に変わった気がします)
以前のVandalieuなら、戦場に響く角笛や太鼓の音色に深く注目する事はなかっただろう。ただ、『God of War Horns』と『God of War Drum』が、Gohn達を援護しているのだろうと思うだけだ。
(それまでの曲調から考えると、少し不自然でしたね)
(誤魔化していましたが、不協和音でした。これまでの音色を思い出して比べると、明らかにおかしい)
(そう言えば、Blateoが飛び出す前にも曲が変化したような気がします)
しかし、今のVandalieuは自身でも楽器を演奏し、Kanakoからdanceも習った。それでaptitudeが開花した、なんて事はない。originally彼に、musicのaptitudeは備わっていないのだから。
しかし、彼には後天的に獲得した【Perfect Recording】がある。感覚器官が捉えたあらゆる事をaccurateにrecordする事が出来る彼は、Pseudo-的な絶対音感を持っているに等しい。
所詮はPseudo-的なものだから、本当の絶対音感に比べれば頼りないが……今回は違和感を覚える事が出来た。
(『God of War Horns』SiriusがGohnに代わってCommandingを執っているのなら、面倒ですね)
(tactics遂行に致命的な問題……という程ではない気がしますが、だからと言って、放置すると足元を掬われそうですし)
(かと言って、隠れているから何処にいるか分からない。前のように、適当に【World Breaker Hollow Cannon】で薙ぎ払うのは大雑把過ぎますし……調べてもらいましょう)
脳内会議を終えたVandalieuは、Blateoと戦いながら、Kimberlyとspace attributeのGhostに、『God of War Horns』Siriusの位置を探るよう指示を出した。
「……【Soul Breaking Arts】、【Mystery Flesh】」
certainly、それを敵に気がつかれないよう激戦を繰り広げながら。【Realization】した魂の鎧に包まれ、膨張した拳を受けたBlateoが、苦しげに呻く。
『貴-samaっ……儂の反撃を恐れんのか!?』
「ええ、すぐ生えてきますからね」
Vandalieuの腕には、Blateoの青銅の手甲に包まれた拳が薄く延ばされた魂の装甲を破ってthrust刺さっている。しかも、体内に直接Blateoの電撃が流され、焼かれている。
だが、無意味だ。
『貴-samaっ! 儂に攻撃する前に腕を切り落としていたのか!?』
Vandalieuは【Mystery Flesh】をActivateする前に、腕を切り落としていたのだ。【Group Manipulation】で操っている腕にCounterを仕掛けられても、既に繋がっていない以上、Vandalieuは痛くも痒くもない。
後で表面を覆っている魂を回収すればいいだけだ。
収縮した腕から黒い魂が剥がれ、Vandalieuの新しい腕に装着される。それを見たBlateoの瞳に怒りと焦りが浮かび、Manaが高まる。だが、角笛が一際大きく響く。
『チッ!』
すると、Blateoはclicking tongueをして、これまで通り雷撃を放ち、Counterに備えて拳や蹴りの大技は控える。
(さっき、明らかに『こうなったら大技で倒すしかない』と考えていましたよね)
(それなのに、俺を引きつけておくために今まで通りの攻撃を続けている。このpatience強さは異常ですね)
(やはり、角笛の音で指示を出しているのでしょう。出来れば、潰しておきたいですが……)
「Vandalieuよ、私もKimberly達に協力すれば迅速に発見する事が可能ですが、その分、素材の回収に手が回らなくなります。如何しましょう?」
「……頼みます。あまり時間をかけると、俺は平気ですがZozoganteとSimon達が辛いでしょうし」
ZozoganteはEmotional、Simon達はEndurance的な問題がある。tacticsを開始する前は、きついようならSimon達はCuatroに戻すつもりだったが……船団の-sama子を見るとその余裕はなさそうだ。
MadrozaとBlateoが冷静なだけで、致命的な事態ではないが、tacticsの難易度が数段上がっていた。
「畏まりました。暫し、失礼します」
背後からGufadgarnのsignが消えた。
Orichalcum船を除いた残り二隻の船団に、配下と共に攻撃を仕掛けるMadrozaは甲板に人shadowがあるのに……その違いに気が付いた。
どの船の甲板にも、人shadowがある。それから、あの中に自爆を目的にした偽物は含まれていないのかと思った。
明らかに囮だったRadatel Zombieを除いて、Vandalieuは仲間とした者を使い捨てない。犠牲にしない事を分かっていたからだ。
(つまり、自爆以外の目的のために作られた偽物と本物が一隻ずつ。なら、本物はどれだ?)
Madroza達の目的はこれ以上の被害を防ぐため、偽Cuatroが自爆する前に落とす事だ。だが、自爆する船が無いのなら、本物のCuatroを狙うべきだ。
偽Cuatroを排除しようとして、最後の一隻もOrichalcum船だったら、ただの時間とManaの無駄だ。なら当然、本物のCuatroを狙うべきだろう。
それを見分ける手がかりは、甲板にある人shadowだ。
(片方はLegionと、海賊や船乗りの姿をしたSkeleton。もう片方は、海賊や船乗りの姿をしたSkeletonのみ。……本物は後者だ!)
Madrozaは、Legionを構成する人格の一つであるEreshkigalの【Counter】のAbilityについて知っている。そのため、前者を【Counter】をActivateさせる事を目的とした偽物だとconjectureした。
乗り合わせているUndeadは、KnochenのCloneだとしたら、配下を使い捨てる事にはならない。
『私に合わせなさい!』
そう命じながら、Madrozaは本物と確信した方のCuatroにmagicを乱射しながら、多少の砲撃は受ける覚悟で接近を試みる。
『マ、Madroza -dono!? 止めろ、Ryularyus!』
『無理だ! 彼女に合わせるしかない!』
GabildesとRyularyusは、突然動きを変えたMadrozaに驚き焦った。しかし結局彼女の言葉に従うしかないと、角笛の音に押されるようにして酸性の泡や光のBreathを吐き、残ったmonstersをChargeさせる。
咄嗟にOrichalcum船が間に入ろうとするが、Muganが創りだした氷山が行く手を遮り、動きを封じた。
砲弾の多くはRyularyusの速度と命中精度重視の光のBreathで撃ち落とされるが、それでも数発がMadrozaのbody partに直撃した。
『グオオオオオオオ!』
苦痛を怒りに変えて、至近距離から咆哮と共にBreathを放つ。そしてbalanceを崩した船体に向けて、尾による渾身の一撃を放った。
十万年前のDemon King Armyとの戦いでは、何柱ものEvil God (P)を退けた連続技だ。これが決まれば、Orichalcum Golemでもただでは済まない。
そんな一撃が船に直撃する直前に、船から船長帽を被ったSkeletonが一体飛び出した。我が身を盾にして尾の一撃を防ごうとしたのだろうか?
無駄な事をとMadrozaが思った瞬間、船長帽から肉片が零れ落ち、Grow。そして女の姿になった。
「引っかかったな」
そして女は……EreshkigalはMadrozaのtailの一撃を受けて生々しい音をさせて無残に潰れた。
『ぐげごぶっ!? がはあぁぁぁ……』
それを掻き消す大音量でboneが砕け、内臓が潰れる音を響かせたMadrozaが、顔中の穴からbloodを流しながら、海に向かって落ちて行く。
Ereshkigalは、本物のCuatroにいるLegionから分離して【Size Alteration】skillを使い、船長帽の中に隠れていたのだ。もしかしたら来るかもしれないDemi-God達の、それも必殺の一撃を【Counter】で返すために。
『おおーん』
ただ、乗り合わせていたUndead船員は全てKnochenのCloneなので、Madrozaのconjectureは完全に間違っていた訳ではない。
偽物と本物が逆だっただけで。
『Madroza -dono!』
Gabildesが見かけよりも俊敏な横移動でMadrozaを助けに行き、RyularyusがBreathをBarrageしてCuatroと偽Cuatroを牽制する。
『あれ、生かしておかないといけない奴よね? 大丈夫だと思う?』
『瀕死の重傷っぽいけど、仕方がないと思うよ。Ereshkigalが【Counter】しなかったら、偽Cuatroが至近距離で爆発したはずだから』
『勇猛と蛮勇を履き違えてはいけないと言う事だな!』
Legionを構成する人格のPlutoとShade、Valkyrieがそう話している間にも、角笛の音が何度も響いた。
どうやら、GohnとSiriusもMadrozaの危機に動揺しているようだ。
『targetが隠れている場所が分かりやしたぜ!』
『いつでも……繋げられます。お任せを』
そして、Kimberly達はその角笛の音から、Siriusが隠れているPseudo-Divine Realmの場所を特定する事に成功した。
「では、奴を滅ぼして撤退しましょうか」
VandalieuがmagicをActivateするために、Manaを集中させる。
『させぬ!』
それに気が付いたBlateoが、その隙を突いて必殺の一撃を放った。電撃によって自らのMuscular Strengthやnerveの働きを強引にEnhanced (1)した、最速の拳だ。
Vandalieuは音速の壁ごと打ち砕くBlateoの拳を正面から受け、踏みとどまる事も出来ず吹き飛んだ。
「【World Breaker Hollow Cannon】」
だが、そのBlateoの背後でGodsにすら滅びをもたらす漆黒の光線が放たれた。
『なっ!まさか、切り落とした腕を使ったのか!?』
BlateoのCounterを防ぐために切り落としていた腕。それをVandalieuは【Group Manipulation】で操って再生させ、recycleしたのである。
そして【World Breaker Hollow Cannon】は、軌道上に現れた【Teleportation Gate】を潜って方向を修正。
『がっ!? グアアアアアアアアア! あ、後は頼む――』
何かが砕ける音と断末魔のscreechが響き、角笛の音は途絶えた。
――――――――――――――――――――――――
・Name: Knochen
・Title: 【Ten Thousand Bones-dono】 【Concert Venue】
・Rank: 14
・Race: Bone Pandemonium Gigant
・Level: 85
・Passive skills
Dark Vision
Monstrous Strength:10Lv(UP!)
Spirit Form:10Lv
Bone Precise Operation:5Lv(UP!)
Physical Resistance:10Lv
Super Absorption Recovery(bone):1Lv(Absorption Healing (Bone) awakened into!)
Fortress Form:10Lv(UP!)
Strengthened Attribute Values: Fortress Form:10Lv(UP!)
Strengthened Attribute Values: Creator:10Lv(UP!)
Self-Enhancement: Guidance:7Lv(UP!)
Magic Resistance:3Lv(NEW!)
・Active skills
Silent Steps:2Lv
Breath【Poison】:10Lv
High-Speed Flight:8Lv(UP!)
Projectile Fire:10Lv
Parallel Thought Processing:10Lv
Architecture:5Lv(UP!)
Musical Instrument Performance:4Lv(UP!)
Dancing:5Lv(UP!)
Familiar Spirit Demonic Advent:1Lv(NEW!)
Dismantling:3Lv(NEW!)
Size Alteration:2Lv(NEW!)
・Unique skill
Vandalieu’s Divine Protection
Bone Group Manipulation:3Lv
Group Body:2Lv(Fission awakened into!)
Vida’s Divine Protection(NEW!)
・Name: Cuatro
・Title: 【Ship of Despair】(NEW!)
・Rank: 11
・Race: Phobia Ghost War Battle Ship
・Level: 88
・Passive skills
Special Five Senses
Physical Resistance:10Lv(UP!)
Mental Corruption:7Lv
Strengthened Attribute Values: Maneuvering:10Lv(UP!)
Strengthened Attribute Values: Creator:8Lv(UP!)
Self-Reinforcement: On Water:8Lv(UP!)
Self-Enhancement: Guidance:7Lv(UP!)
Impact Resistance:7Lv(UP!)
Mysterious Strength:7Lv(UP!)
Aerial Navigation:6Lv(UP!)
Underwater Navigation:3Lv(UP!)
Rapid Regeneration:3Lv(UP!)
Water-Attribute Resistance:5Lv(UP!)
Self-Enhancement: midair:3Lv(NEW!)
Space Expansion:1Lv(NEW!)
・Active skills
-Transcend Limits-:2Lv(-Surpass Limits- awakened into!)
High-Speed Navigation:9Lv(UP!)
Projectile Fire:10Lv(UP!)
Scream:8Lv(UP!)
Aura of Fear:10Lv(UP!)
Artillery Technique:10Lv(UP!)
Silent Steps:1Lv
Familiar Spirit Demonic Advent:3Lv(UP!)
Precise Maneuvering:1Lv(NEW!)
・Unique skill
Vandalieu’s Divine Protection
●Monster explanation::Bone Pandemonium Gigant Luciliano著
全ての質量を合わせると、『Giant of the Sun』Talosも寛げるワンルームになる事が出来る、恐らくworld一GiantなUndeadである。
【Architecture】skillのlevelが上がったお蔭か、室内に設置する家具やインテリアの質とdesignも(全てbone製だが)向上している。
そして【Size Alteration】を覚えた事で小さくなる事も可能になり、お蔭で偽Cuatroの中に入ってtacticsに参加する事も出来た。
ちなみに戦闘力だが……Human社会の並の軍相手なら、前に進むだけで潰せるだろう。High-Speedで空を飛ぶ山と戦うようなものだ。小山を割るぐらいならAClass adventurerなら可能だが……【Physical Resistance】が10levelのboneの山を一撃で全て塵にするのは、師Artisanでも無理だろう。何回か、回数を分ければやってしまいそうだが。
●Monster explanation::Phobia Ghost War Battle Ship Luciliano著
Rank8のTerror Ghost Chimera Battle Shipから、Rank9のPhobia Ghost Battle Ship、Rank10のPhobia Ghost War Shipを経て至ったmonsters。
Demi-Godとの戦闘を経験したためか、短期間で目覚ましい成長を遂げている。元無機物とは思えない進化だ。
さらに、【Space Expansion】skillを獲得した事で、船内に大量の荷物や人員を乗せる事が可能となっている。
その存在を知れば、Samの次にどの国でも欲しがる輸送手段だろう。……Samと違って、Undeadの船員付きなので、Amid Empireは欲しがらないだろうが。
ちなみに、secondary nameの『Ship of Despair』はBotinとPeriaのDefense Corpsが付けたものと思われる。まあ、気持ちは分からなくもない。自爆する偽Cuatroも、見た目はCuatroと同じ船だから。
●Skill explanation::All Ability Values Enhanced (1) Luciliano著
Ability Valuesの内、力、Agility、Endurance、IntelligenceをEnhanced (1)するskill。All Ability Valuesと言いながら、VitalityとManaは含まれていない。
SClass adventurerに至る者の多くが、このskillを獲得しているらしい。
ちなみに、師Artisanは【Monstrous Strength】skillを保持したままこのskillを獲得したが……そう言う事もあるのだと納得するしかないだろう。