Demon KingのContinent沿岸での戦いは激しさを増していた。
紅い濃霧となって広がる【Blood Infection】と、再開されたCuatroと偽Cuatroの砲撃。それを掻い潜ってBotinのDefense CorpsであるDemi-God達と、その先兵であるmonsters達の生き残りが、前に出ていたVandalieu達に襲い掛かる。
『倅の屍を弄んだ貴-samaは許-san!』
『Lightning Giant』Blateoが、怒号と共にVandalieuへ雷を落とす。
「俺達にlose、死体を回収されたらどうなるかなんて、最初から予想がつくでしょうに」
Vandalieuは自分の上空に、薄い水の膜を張って雷撃を防いだ。
「まあ、深い意味などない殺し合いの場でよくある罵倒なのでしょうけれど」
『そう思うなら、返事なんてしなくていいのに』
水と土を合わせたattributeをもつScyllaのGhost、Orbiaを用いた【Divine Spirit Magic】で創りだした純水の防御膜だ。
『BAKANA!? 水で雷を防いだだと!?』
純粋な水には電気が流れない事を知らなかったBlateoが動揺したように動きを止める。……もしこれが自然現象の雷なら、純水でも高い電圧によって防御膜を突破する事ができただろう。だが、Blateoが放っているのはManaによって作り出された電撃であり、それを防いだのはVandalieuのManaによってmagicで作り出された純水だ。
相性が悪くても、Manaのぶつかり合いでVandalieuに勝てるはずがない。それに気づかず驚愕に動きを鈍らせた彼の顔面に向かって、爆発的な勢いで膨張したVandalieuの拳が迫る。
『だが、貴-samaの仕業ならおかしい事ではないなぁ!』
しかし、Vandalieuの拳はBlateoの手を守る金色の手甲によって防がれた。それどころか、歪に歪んだ拳にBlateoのもう片方の拳がめり込んでいる。
「……動揺して見せたのは芝居ですか」
膨張した腕をすぐに戻したVandalieuだったが、元のSizeに戻った腕は無残に折れ曲がり、boneがskinをthrust破って露わになっていた。
『貴-samaのその技、返し技にweakと見たがその通りだったようだな!』
Vandalieuが、Satan GIANTを【Muscle Technique】で倒したのを見ていたのだろう。Blateoは今のVandalieu流【Muscle Technique】の弱点を見抜いていた。
爆発的な膨張力は確かに脅威だが、膨張しきった瞬間に、それも側面を攻撃されるとweakのだ。
膨張している時のVandalieuの四肢は、その勢いによってDemi-GodのBodyも破壊する事が出来る。しかし、それが終わると後は萎むのを待つだけの風船のようなconditionになってしまう。
「文字通り、痛いところを突かれましたね」
『念願の【Muscle Technique】を修めたからと言って、調子に乗るからですよ、陛下』
【Demon King's Jaws】で折れ曲がった腕を喰い千切りながら、VandalieuはPrincess Leviaに「返す言葉もありません」と反省した。
「【Hollow Cannon】」
そして、反省したVandalieuは【Muscle Technique】の実験は止めて、何時も通りの戦い方に戻す事にした。手から放たれた黒い光線に対して、Blateoはbody partを電撃で覆い、更に金色の手甲をかざして咄嗟に身を守ろうとした。
『ガアアアアアア! くっ、Luburgの手甲を一撃で砕くとは!』
だが、結果は彼の防御magicは容易く貫かれ、『Bronze Giant』Luburgから譲り受けたらしい手甲が砕ける。
しかし、それだけだ。Blateoの手の甲を貫く事は出来なかった。Luburgの青銅の鎧をBorkusが切り裂いていたが、やはりあれは鎧が脆いのではなくBorkusの腕が良かったから出来た事のようだ。
『今度はこちらから行くぞ! 雷の雨に撃たれるがいい!』
「……【Barrier Bullets】」
Blateoが放ったcountlessの雷を、Vandalieuが放つBarrierを球状に圧縮した同じくcountlessの弾が受け止めて防ぎきる。だが、そのBarrier Bulletsの向こうから、Blateoの槍のような蹴りがVandalieuを狙った。
【Danger Sense: Death】でそれを予感していたVandalieuは、その蹴りを【Mystery Flesh】をActivateさせた拳をぶつけてAttack Powerを相殺させる。
「急に頭が良くなりましたね」
『HalinshevやRepobillisの犠牲は、無駄ではないと言う事だ!』
BlateoはManaによる攻撃を放つ事で、【Magic Absorption Barrier】を圧縮して作った【Barrier Bullets】の壁をVandalieuに作らせ、その壁を目くらましにただの蹴りを放ったのである。……Manaを伴わない物理攻撃は、【Magic Absorption Barrier】では防げない。
もっとも、運動energyを含めた全てのenergyをAbsorptionする【Impact-Negating Barrier】でも、止められたかは分からないが。
約百meterの巨体を持つDemi-God達は、動くだけで莫大な運動energyを発生させている。Vandalieuでも、一度勢いを止めれば身動きが取れなくなる『Beast King of Shells』や『Starfish Beast King』ならともかく、動き続けるうえに体表から雷を放つBlateoを止め続けるのは難しい。
「Vandalieuよ、Blateoを倒しておくべきでは?」
【Mystery Flesh】を解除した腕を再生させるVandalieuに、Gufadgarnがそう提案する。Blateo相手に苦戦しているVandalieuだが、【World Breaker Hollow Cannon】や、【Absolute Death Flash】を放てば勝つ事が出来るはずだ。
それはBlateoも考えているだろうし、何か返し技を編み出しているかもしれない。それでも待機しているGufadgarnと協力すれば、対応できるはずだ。
「いえ、コイツには第二段階まで生き残ってもらわないと困ります。……こいつとMadrozaを倒してしまうと、Defense CorpsがGohnの下に纏まってしまいますから」
BlateoはDefense Corpsの中でも強く、そしてGohnか誰かに入れwisdomでもされたのかVandalieuのmagicに面倒な対策を取るようになったが……Defense Corpsのchain of commandを攪乱させるためには必要な敵だった。
『ブヴガガガガガガ!』
Radatel ZombieがHigh-Speedで振動しながら、生前よりも強力な雷を放ち、monstersやDemi-God達に撃ちつけて行く。
「ふははははは! 見たかね、私が【Muscle Technique】の原理をヒントに改造を施したRadatel Zombieの電撃は!?」
白衣の上に胸当てや肘当てなど、身を守る鎧を部分的に付けているような形状のTransformation Equipment姿のLucilianoは、己の作品の雄姿に高笑いをあげていた。
PeriaのDefense Corpsとの戦闘後、ぼろぼろになって戻ってきたRadatel Zombieを、Lucilianoは自分の技術で急造のUndeadをどれだけ強くできるのか試す為に、修復し改造を施した。
boneやmuscleを入れ替えるような大掛かりな改造は、Lucilianoだけではできない。他のmonstersのpartsと入れ替える事も、True giantであるRadatelの巨体に合うmonstersの素材を調達するのが難しく、不可能だった。
そのため、LucilianoはVandalieuとLegion、そして途中から加わったOniwakaがZorcodrioから習っていた【Muscle Technique】を取り入れる事にした。
Radatelが生まれつきのAbilityとしてActivateさせていた電撃を、Zombieになったconditionでも放てるようにして自身のmuscleを振動させる。それによって更に強力な電撃を発電し、放てるように改造したのだ。
『おのれ! 亡骸を弄ぶとは、やはり貴-sama等は邪悪だ!』
『Radatelの亡骸を浄化し、魂を解放するのだ!』
Lucilianoに怒りを向け、罵倒を叩きつけながらRadatel Zombieへ向かって行くDemi-God達。
「おお、師Artisanが狙った囮の効果も、順調に発揮されているようだ」
しかし、それらはLucilianoの心に何も響かなかった。
殺した相手の身ぐるみを剥ぎ、素材を剥ぎ、利用するのはHumanの得意技だ。それを指摘されても、「今更それを言うのかね?」としか思えないのだ。
VandalieuとLucilianoは、実は似た者師弟なのかもしれない。
『しかし、あのZombieはそう長く保たないのでは?』
Lucilianoの横でRadatel Zombieの活躍を眺めていたBone Manが、そう首を傾げる。
『確かに電撃は強力。しかし、囮にもなっているので次々にDemi-Godが近づいてくる……ヂュゥ! 今、Demi-Godの攻撃が入った!?』
「まあ、そうだろうねぇ。私の改造で強くなったのは電撃だけで、Body的な強度は何も変わっていないのだし。いや、High-Speedでmuscleを振動させているせいでmuscleの劣化が凄まじい事になっているのかもしれない。
実際、目に見えて動きが悪くなっているしね」
Demi-God達の拳に打たれ、Breathに焼かれ、Radatel Zombieがあっという間に壊れて行く。Lucilianoが言ったようにmuscleが劣化しているのか、その動きは緩慢で精彩を欠いていた。
「おお、龍の尾が首に入ったか。もうダメだな、あれは」
『ヂュウ? あれは作品なのでは?』
自身の作品が負けそうになっているのに、Lucilianoは悔しそうな-sama子も見せず平気な顔をしている。それを不思議に思って訊ねたBone Manに、
「確かに私の作品だが、今の私の技術を試しただけの試金石だ。芸術品でも愛用品でもないのでね、壊れたとしても構わんよ。
中に入っている霊は師Artisanが回収するだろうし」
Lucilianoにとっても、Radatel Zombieはその程度の価値しかない。囮として十分役立ったのだから、それで満足なのだ。
『しかし、あのDemi-God達にはそうではなさそうだが』
Bone Manの視線の先には、龍とTrue giant、そしてBeast Kingの三柱に破壊されるRadatel Zombieの最期があった。certainly、Repobillisの霊はすぐVandalieuに回収されるのだが、Radatelの死体の残骸は龍のBreathで燃やされ、灰になりながら海に落ちて行く。
「仲間の死体をこれ以上弄ばせまいと、本来先兵であるはずのmonstersを追い越し、電撃を浴びながら倒したのだからね。次は、怒りの矛先をZombieのproducerに向けるだろうね。
そう言う訳で、前衛は頼んだよ。私は援護に徹するから」
『……ヂュウゥゥ』
Vandalieuの命により、最初からそのつもりでLucilianoの近くで待機していたBone Manだが、納得いかないと唸る。しかし、どうしようもない。
LucilianoにはDemi-God三柱相手と戦う腕はなく、Transformation Equipmentもmagicの補助よりも防御に向いた作りをしている。ここでBone Manが彼の護衛を放りだしたら、死ぬか逃げ回る事しか出来ない。
『信号を。流石に三柱を一度に相手するのは困難なので、Borkus達を呼びたい』
「なるほど。では、早速打ち上げよう」
Lucilianoは裾から信号弾……KanakoやDougが実用化に成功した花火を取り出すと、火をつけて打ち上げた。
『おおおおおん!』
その直後に駆け付けたのは、Radatel Zombieのboneを回収するために近づいていたKnochenだった。
砲弾の重い爆発音とは違う、ぱんっと弾けるような軽い音と赤い光が散ったのに気が付いた『Sword King』Borkusは、半分しか残っていないlipsの端を釣り上げた。
『悪いが、そろそろ仕舞いにするぜ』
そして、鉄の鎧を纏ったTrue giantにそう告げる。
『ま、まだだ。まだ終わらん! 行かせんぞ!』
告げられたTrue giantは、戦意をBorkusと同じくらい大きな瞳にたぎらせて彼の行く手を遮るが、その身に纏った鎧の損傷は激しく、Bodyにも深い傷が刻まれていた。
『兄者の仇は、我が討つ! 討たねばならんのだ!』
今は亡き『Iron Giant』Nabangerの鎧を纏った『Bronze Giant』Luburgの叫びに応じるように、彼の手甲が紅く輝く。そして、大気を焦がす程熱くなった手でBorkusを焼きつぶそうと、thrustを連続で放った。
『True giant』を含めたDemi-Godにとって、三meter程の大きさしかないBorkusは大きな虫やmouse等の小動物に過ぎない。だから、Humanを倒す時に使う技は存在しない。
素早く手足を振るえば、Humanは容易く屠れるからだ。自然の驚異の象徴である龍とTrue giantにとって、Humanは敵でも保護対象でもない。
ただただReignし、畏怖を植え付け、絶滅しない程度に気にかけ、極稀に挑戦を受ける程度で丁度良い。Humanを教えGuidingのは、神の領分なのだから。
『そうかい! そいつは結構な理由だぜ! 【Dragon God Killer】!』
だが、BorkusはLuburgの抜き手を、余波だけで肉を焼かれ、吹き飛ばされそうな攻撃の嵐を掻い潜り、攻撃を仕掛けた。
赤熱した鉄の籠手の関節部を、【Demon King Fragment】製のMagic Swordが切り裂く。
『劣った子孫だからだの、汚れたbloodだのなんだのよりは、余程分かり易い! 殺し合いはsimpleじゃねぇとなぁ!』
『ガアアアアア!』
猛獣のような笑みが残った半分の顔に浮かべるBorkusに、Luburgは傷つけられた腕からbloodを流しても攻撃を止めなかった。
滝のように流れるbloodが、手甲の熱で蒸発してblood生臭い霧を発生させる。
『っ!?』
【Blood Infection】と同じく、霧は闇を昼間同然に見通すUndeadの視界も塞いでしまう。certainly、敵の姿を見失うのはLuburgも同じだが……。
『死ねぃ!』
しかし、彼には圧倒的な大きさがあった。腕を横薙ぎに振るえば、霧で隠れた面積を全て叩き潰す事が出来る。
『そんなidiotデカイ腕は、霧越しでも見え見えだぜ!』
だが、その分動きも、その際に発せられる音も大きい。BorkusはLuburgの腕を飛び上がって避け、彼の首を狙って間合いを詰める。
『【青銅needle雨】!』
だが、LuburgはBorkusの動きを読んでいた。magicで青銅のneedleの……Humanから見れば槍の雨を作りだし、自分に向かって迫りくるBorkusにそれを放つ。
『【Extreme Instant Response】! 【God Iron Form】! 【Flowing Willow】!』
Luburgが司る青銅の槍を、Martial Artsで反射速度をEnhanced (1)したBorkusはMagic Swordで逸らし、鎧で弾き落とした。
だが、それでも少なくない数の槍がBorkusを貫く。鎧の隙間を貫き、彼の剥き出しになっている頭蓋boneを砕いた瞬間、Luburgは勝利を確信した。
『おおおおおおお! 【Familiar Spirit Demonic Advent】!』
だが【-Transcend Limits-】に、Magic Swordと鎧の限界も超えさせたBorkusは頭部の右半分が欠けても止まらなかった。黒いオーラを纏った彼は、遂に青銅の槍を無視してMagic Swordを振るった。
『【魔刃Single Flash】!』
Borkusが編み出した新たな【Sword King Technique】のMartial Artsを、腕を囮に使ったLuburgは防御する事が出来なかった。
『BAKANA……頭を砕いても、剣を止めないだと……!?』
兜を砕かれたLuburgは、そう言い残すとやはり滝のようにbloodを流しながら海面に落下を始める。
『俺は、お前とはここの作りが違うんだよ。……中身が半分しか残ってねぇしな』
そう言いながら、Borkusは懐から取り出した干し肉……Radatelの干し肉を齧る。【Strengthened Attribute Values: Demi-god Food】のskillをActivateするために作った保存食だが、これが無ければLuburg相手にもう少し手こずったかもしれない。
『普通のZombieは頭を砕けば動かなくなるのにねー』
『お、Jeena。ようやく来たか』
Luburgの死体が回収されるのを見送ったBorkusは、仲間が来た事に気が付いて四分の三しか残っていない顔で笑みを浮かべた。
『早速治して……やべ、もう治せねぇんだったか。拙いな、流石に中身が全部零れたらどうにかなっちまう』
そして早速治癒magicをかけてもらおうとして、自分がUndeadである事を思い出す。『Saintess of Healing』のsecondary nameを持つJeenaでも、Undeadは癒せない。
body partを修復できるのは、Vandalieuの【Corpse Healing】の術とBlood potionだけだ。そして、残念ながらBorkusが持っていたBlood potionは、既に飲んだ後だった。
『Borkus、もう中身が零れた後なんじゃない? こういう時のために陛下-kunから回復用のDemon King Familiarを持たせてもらってるでしょ』
『おお、そういやそうだった!』
Borkusはbeltから下げていた袋から、【Corpse Healing】を使うためにだけに造られたDemon King Familiarを取り出す。【Demon King's treasure orb】にantennaとArthropod Legsがくっついた、玉虫っぽいDemon King Familiarは、【Corpse Healing】をActivateさせ、Borkusの頭部や彼の関節部分を癒した。
『よしっ! じゃあ、LucilianoとBone Manを助けに行くぜ! ……そう言えば、SimonとNataniaの嬢-chanはどうだ?』
『ZandiaとZadirisがfollowしているから大丈夫だと思うよ。Eleonora達もいるし』
LucilianoやBorkus達は余裕を残してDemi-God達と戦っていたが、余裕のない者達もcertainlyいる。
「ぬううう! 【瞬撃三閃】!」
「行け、【Flying Sword】!」
ArthurとSimonは、命をかけたbarelyの戦いを強いられていた。
High-Speedの斬撃を三連続で放つArthurのMartial Artsを受けて、双頭で前後合わせて八本の足を持つ熊のmonstersがbloodを迸らせながら下がる。だが、Simonが打ち出した剣を握る義肢は、前足の一振りで打ち払われてしまった。
「分離!」
だが、払われたはずの義肢は肘の部分で分かれ、肘から先だけが背後から熊のmonstersのheartを串刺しにした。
「グオオオオオオオ!」
だが熊のmonstersは止まらない。Simon達が知るのは後だが、何とこの熊のmonstersは複数のheartがあったのだ。
「「Gyaon!」」
片腕のSimonに襲いかかろうとした熊のmonstersを、Fangが体当たりして押しとどめた。
「【闇矢Single Flash】! Simon -san、腕で攻撃を続けてください!」
そこにBolzofoyのmagicで【Teleportation】したMiriamが、熊のmonstersのBlind Spotから放った矢で右頭部を射ぬく。heartと違い、複数あっても頭部を破壊されるのは痛かったのか、流石に熊のmonstersの動きが止まった。そこに彼女のCommanding通り、Simonが義肢を【Long-distance Control】して続けざまにthrustを放つ。
そこに駆け付けたNataniaの爪の一撃に加え、KariniaとBolzofoyのmagicが叩きつけられ、熊のmonstersはやっと息絶えた。
「ふぅ、何とか倒せたか……あれでRankは幾つかね?」
「maybe、11ぐらいじゃないかな。12以上は、姉-san達が助けに来てくれるはずだし」
額の汗を拭って、義肢を再び装着したSimonが訊ねると、義肢を変形させたままのNataniaがそうconjectureする。
Rank11と言えば、AClass adventurerでも倒せるか分からない相手だ。そしてBClass adventurerのSimon達は、Adventurer’s Guildが相応の相手とするのはRank7から8。常識なら、Simon達はあの熊のmonstersに一方的に蹂躙され、皆殺しにされているはずだ。
そうならなかったのは、彼等のAbility ValuesがVandalieuのGuidanceによって通常より上がっており、Vidal Magic Empireで本来ならそうそう相手に出来ない格上の相手との訓練を受け、さらに、Transformation Equipmentを受け取り、Familiar Spiritをbody partに降ろしているからだ。
そして、Coordinationの賜物である。
「Rank11……恐ろしい相手でした。もし一人で戦っていたらと思うと、恐ろしくなりますね」
明るい赤色のマントとプロテクターの形をしたTransformation Equipmentを纏ったArthurが、畏れ知らずの荒くれ者も逃げ出しそうな顔で周囲に睨みを利かせる。monstersを倒して気が緩んでいる間に他のmonstersから襲撃を受けないよう、警戒しているのだろう。
側から見たら返りbloodを幾度も浴びて赤黒いマントを身に纏ったBerserkerが、次の獲物を探しているように見える。
「確かにのぅ。じゃが、儂等のCoordinationとMiriamのCommandingのお蔭で、誰も大きな傷を負わずに倒せたのは、僥倖じゃな」
Bolzofoyが杖を抱えるようにして、安堵の溜め息を吐く。彼は、最初にblessingsを授けてくれた神である『God of Shadows』Hamulをリスペクトし、黒いローブとマントの形状をしたTransformation Equipmentを身に纏っている。
やはり、どう見ても悪のMageである。
「わ、私のCommandingは余計ですよ。何故かskillを覚えちゃったからやっていますけど、大したtacticsじゃないですし。凄いのはtimingを合わせてくれるBolzofoy -sanや、Simon -sanです!」
Miriamは、「これは、何故か私が凄いって事にされちゃうpatternだ!」と気がつき、慌ててそう否定する。
彼女のTransformation Equipmentは、白いLeotardに、胸にはbroochとRibbon、腰にはskirt状のFrillsといった装飾を付け、手足には袖の長い手袋やロングタイツを着けた形状となっている。
Vandalieuが彼女の「普通なのが、良いです」という希望を聞いて作ったのだが、普通過ぎてArthur達の中では浮いていた。
「そんな事ないわ、ミリー。私達の事を誰よりも理解してくれている、あなただからこそ呼吸を合わせられるのよ。やっぱり、私達のleaderはあなた以外にはいないわ」
patternから逃れようとしたMiriamを、Kariniaの裏表無い素直な賞賛が阻む。
彼女のTransformation Equipmentは、「Miriamと同じ……でも明るい色は恥ずかしいから、地味な……いえ、Zelzeriaが司るnight空のような色でお願いします」という本人の希望により、濃い青と紫を基調にしている。
そしてMiriamと違い、Cleric-warriorでもある彼女は場合によっては前に出るので、Frillsになる分を装甲に回した。
結果、Bodysuitの上に胸部や手足を守る鎧を着こんだような、Miriamとは全く別の形状のTransformation Equipmentとなっていた。
そこに彼女の目つきの悪さが加わった結果、悪の女幹部(戦闘form)にしか見えないのだった。
「そ、そんな事ありませんよ! ねえ、そうですよね、Simon -san、Natania -san!?」
Miriamは何とかpatternから抜け出そうと、『[Heart Warriors]』ではない二人に縋るように質問した。
「いやぁ、見事なもんだと思いますぜ」
「うん、オレも助かったよ」
しかし、二人は縋られている事に気がつかず、率直にMiriamを褒めた。
ちなみに、SimonのTransformation Equipmentである義肢は漆黒。そのため、今の彼は暗黒のWarriorっぽく見える。更に、義肢が獣の四肢のように変形しているNataniaは、近づかなければ女の頭部を持つmonstersにも見える。
「な、なんでそうなるんですかー!?」
「「グルルル」」
叫ぶMiriamを、同情したFangが頭をこすり付けて慰める。
Miriamは悪役っぽい善人に好かれるDestinyにあるのかもしれない。certainly、彼女のCommandingが彼等の勝利に貢献している事は、間違いないのだが。
――――――――――――――――――――
・Name: Arthur
・Race: Human
・Age: 24
・Title: none
・Job: Holy Swordsman
・Level: 85
・Job History: Hunter Apprentice、Hunter、Hunter Adept、Monster Hunter、Demonoid Hunter、Apprentice Warrior、Warrior、Magic Sword User、Magic Swordsman
・Passive skills
Augmented Muscular Strength:7Lv(UP!)
Enhanced Agility:6Lv(UP!)
Detect Presence:5Lv(UP!)
Intuition:5Lv(UP!)
Mental Resistance:4Lv(UP!)
Disease and Poison Resistance:5Lv(UP!)
Bow weapon equipped, then Hit Rate Enhanced (1) : Medium
Strengthened Attack Power when equipped with a Sword: Very Large(UP!)
Strengthened Attribute Values: Guidance:3Lv(NEW!)
Night Vision(NEW!)
・Active skills
Dismantling:5Lv
Silent Steps:7Lv(UP!)
Trap:6Lv(UP!)
Archery:4Lv(UP!)
Dagger Technique:2Lv(UP!)
Leather Artisan:1Lv
Unarmed Fighting Technique:6Lv(UP!)
Sword Technique:9Lv(UP!)
Vocal Cords Imitation:Wild Monsters:4Lv
-Surpass Limits-:10Lv(UP!)
Housework:2Lv(UP!)
Armor Technique:5Lv(UP!)
Surpass Limits: Magic Sword:3Lv(NEW!)
Familiar Spirit Advent:2Lv(NEW!)
・Unique skill
Talent in Battle
Bacias 's Divine Protection
Vandalieu’s Divine Protection
Vida’s Divine Protection(NEW!)
・Name: Karinia
・Race: Human
・Age: 20
・Title: none
・Job: High Priest
・Level: 45
・Job History: Apprentice Priest、Cleric、Pharmacist、Clergyman、Cleric-warrior、Witch、Priest、Sacred Witch
・Passive skills
Mental Resistance:5Lv(UP!)
Shield equipped, then Defense Power Augmented (2) : Small(Shield equipped, then Defense Power Enhanced (1) awakened into!)
Strengthened Attribute Values: night:6Lv(UP!)
Strengthened Attribute Values: Guidance:3Lv(NEW!)
Mana Enlargement:1Lv(NEW!)
Night Vision(NEW!)
Allure:1Lv(NEW!)
・Active skills
Clergyman:5Lv
Pharmacist:5Lv
Housework:4Lv
No-Attribute Magic:3Lv(UP!)
Life-Attribute Magic:7Lv(UP!)
Water-Attribute Magic:7Lv(UP!)
Mana Control:7Lv(UP!)
Shield Technique:3Lv(UP!)
Club Technique:2Lv(UP!)
Familiar Spirit Advent:2Lv(UP!)
-Surpass Limits-:1Lv(NEW!)
Coordination:2Lv(NEW!)
Dancing:1Lv(NEW!)
Singing:1Lv(NEW!)
・Unique skill
Zelzeria 's Divine Protection
Vandalieu’s Divine Protection
Vida’s Divine Protection(NEW!)
・Name: Bolzofoy
・Race: Dwarf
・Age: 27
・Title: none
・Job: Magical Hunter
・Level: 70
・Job History: Mage Apprentice、Mage、Hunter、Light-Attribute Mage、Time-Attribute Mage、Space-Attribute Mage、Staff Warrior、Space-Time Attributes Mage、光時元Mage
・Passive skills
Dark Vision
Mental Resistance:4Lv(UP!)
Disease and Poison Resistance:1Lv(NEW!)
Enhanced Magic and Attack Power when Equipped with : Medium(NEW!)
Strengthened Attribute Values: Guidance:3Lv(NEW!)
Mana Enlargement:2Lv(NEW!)
・Active skills
No-Attribute Magic:5Lv(UP!)
Mana Control:8Lv(UP!)
Time-Attribute Magic:8Lv(UP!)
Space-Attribute Magic:8Lv(UP!)
Earth-Attribute Magic:4Lv(UP!)
Fire-Attribute Magic:3Lv(UP!)
Light-Attribute Magic:8Lv(UP!)
Arms Artisan:2Lv
Leather Artisan:2Lv
Staff Technique:3Lv(UP!)
-Surpass Limits-:3Lv(UP!)
Familiar Spirit Advent:3Lv(NEW!)
Coordination:3Lv(NEW!)
Aura of Fear:1Lv(NEW!)
・Unique skill
Hamul 's Divine Protection
Vandalieu’s Divine Protection
Ricklent’s Divine Protection(NEW!)
Zuruwarn’s Divine Protection(NEW!)
・Name: Miriam
・Race: Human
・Age: 15age
・Title: 【Demon King's Friend】
・Job: Magic Holy Archer
・Level: 65
・Job History: Apprentice Thief、Thief、Archer、Magic Bow User、Dark Archer、Magic Archer、Holy Archer
・Passive skills
Detect Presence:5Lv(UP!)
Bow weapon equipped, then Hit Rate Augmented (2) : Medium(Bow weapon equipped, then Hit Rate Enhanced (1) awakened into!)
Non-metallic armor equipped, then Agility Augmented (2) : Small(Non-metallic armor equipped, then Enhanced Agility awakened into!)
Mental Resistance:5Lv(UP!)
Night Vision(NEW!)
Strengthened Attribute Values: Guidance:3Lv(NEW!)
Disease and Poison Resistance:2Lv(NEW!)
・Active skills
Farming:1Lv
Housework:1Lv
Dagger Technique:3Lv(UP!)
Archery:8Lv(UP!)
Lockpicking:5Lv(UP!)
Trap:5Lv(UP!)
-Surpass Limits-:7Lv(UP!)
Armor Technique:5Lv(UP!)
Magic Bow -Surpass Limits-:5Lv(UP!)
Assassination Technique:3Lv(NEW!)
Familiar Spirit Demonic Advent:2Lv(NEW!)
Coordination:5Lv(NEW!)
Commanding:1Lv(NEW!)
Dancing:1Lv(NEW!)
Singing:1Lv(NEW!)
・Unique skill
Vandalieu’s Divine Protection
Bacias 's Divine Protection
Zelzeria 's Divine Protection
Hamul 's Divine Protection
Vida’s Divine Protection(NEW!)
○Skill explanation::Strengthened Attribute Values: Demi-god Food Luciliano著
Radatelのハツ(heart)を食べて暫く経った後、Borkusが獲得したskill。効果自体は、条件を満たすとAbility Valuesが一時的にEnhanced (1)される【Ability Values Enhanced (1)】と同じだが、条件が普通ならかなり厳しい。Demi-Godの肉なんて、普通は出回っていないからね。……我がMagic Empireでは、最近かなり豊富に出回っているのだがね。
私もRadatelを改造する際要らない部分を市場に流したり、barbecueの食材にしたり、活用したし。
ちなみに、【Ability Values Enhanced (1)】や【Self Enhanced (1)】でAbility ValuesがEnhanced (1)される時間は、満たさなければならない条件が厳しい程長くなる事が知られている。この条件に関する判定はskillを持つ個人ではなく、世間一般を対象に判定しているのだと思われる。
剣を持つだけでいいなら、剣を手放した次の瞬間には切れる。特定の儀式(戦闘の前にdanceを踊る等)なら、十分ぐらいは保つ。Demi-Godの肉を食べなければならない場合は……Borkusに聞いたところ、数日効果が持続するそうだ。
○Skill explanation::Dancing&Singing Luciliano著
最近我がMagic Empireのfemale陣の必修skillとなりつつあるskill。名称通り、danceや歌に関するskillである。
ちなみに、MiriamとKariniaが覚えているのは、Miriamが「これならKarinia -sanも明るく朗らかで快活な女の子になれるのでは!?」と、誘ったかららしい。