Sallua LegstonとSiegは、友人同士だった。お互いに親がVidal Magic Empireの首都Talosheimに移住してきた事と、重要人物のyoung childであると言う点が共通していたので、会う機会が多かったからだ。
SalluaはMagic EmpireのGeneral兼Prime Minister Chezareと、その弟Kurtの甥っ子。対してSiegはPure-breed Vampire Zorcodrioの義理の息子である。
何より、ageが近い。これだけで、child達は友達になる事が出来る。
「やっぱり、俺はできるだけ早く打ち明けるべきだと思う」
「……隠したまま平穏に生きていく、ってのは無理かな?」
「何度も言ったけど、無理だと思う」
だが、SiegとSalluaは共通の秘密によって強く結ばれていた。それは何か悪戯をしたとか、秘密基地を一緒に作ったとか、そう言った微笑ましい事ではない。
「でも、力を使わず、知らんふりしていれば上手く行くんじゃないか? 僕達はnameも顔も違うし……」
「それが出来ると思うか? 確かにKanakoやLegionは俺達を知らないようだけど、その後来た連中は知っているかもしれないんだぞ」
そう、二人は『Origin』から送り込まれたReincarnatorだったのだ。
Vandalieuとの不意な遭遇の結果、本来なら五ageから六ageの間に戻るはずのMemoryと人格を、思い出しては忘れる事を繰り返していたが、最近になってようやくstabilityした。
Memoryと人格が不stabilityだった頃は、次思い出すのは何時か、Vandalieuに殺されるのではないか、ばれればUndeadにされているのではないか?
そう怯えていたSalluaだが、偶然SiegもReincarnatorである事を知ってからは、ある程度安心する事が出来た。
そして自分達は重要人物の親類であり、VandalieuにReincarnatorである事がばれても、そう簡単に処刑される事はないだろうと理解できた。
お蔭でSalluaは度々襲われていたappetite不振と睡眠不足が、一気に解決した。それを彼の両親は、「ageの近いSieg -kunと友達になった事で、Emotionalにstabilityしたのだろう」と解釈した。
そのため、元NobleのLegston Earl夫婦はそのageの近い友達、Siegと息子がよく遊べるようにしたのだ。Nobleのyoung childが、Nobleではない家庭のyoung childと親しく遊ぶ。
これだけでもRoyal Nobility以外は家畜を飼うための家畜程度にしか考えていないNobleには、出来ない英断である。
だが、お蔭でSalluaはSiegと今日まで-sama々な事を話し合い、相談する事が出来た。
同時期に死んでreincarnationしたはずのKei Mackenzieはどうなったのか? Kanako達は自分達の事を知らないのだろうか? RodcorteはMemoryと人格がstabilityした後、一回だけmessageを寄越したが、今は何も言ってこないのは何故か?
そして、Vandalieuに自分達の正体を告白するか否か。彼は、SalluaとSiegによく会いに来た。他のchild達と一緒に遊んでもらった事も、一度や二度ではない。
どうやら、彼は最近まで体調不良が続いていたSalluaを気遣ってよく-sama子を見に来ていたらしい。
「Van兄なら、きっと分かって……くれると良いんだけど」
「凄く不安だよ。Siegは、あの時居たんだろ? 僕も直接は攻撃してないけど、参加していたし」
そのため、二人ともVandalieuに対しては前世のMemoryと人格が蘇る度に後ろめたさを覚えていた。思い出したからと言って、覚えていない時の出来事を忘れた訳ではないのだ。
それにMemoryが戻ってから聞いた、Rodcorteからのmessageの内容。そして、確認した自身のStatusにあったのはRodcorteから's Divine Protectionではなく、【Vandalieu’s Divine Protection】だった衝撃は忘れられない。
二人とも魂を砕かれた【Gungnir】のKaidou Kanataと仲が良かった訳ではなく、Rodcorteを信仰している訳ではない。
しかし、StatusにRodcorte’s Divine Protectionはなかった。それは、二人にとって他のReincarnator達から孤立してしまった事を意味する。
自分達が今居るのはVandalieuが治めるVidal Magic Empireであり、ここを出て自力で生きていくのは難しいのは二人共理解していた。前世のMemoryと人格を思い出したと同時に、力も戻って来たから実力的には不可能ではない。難易度の高いDungeonにさえ潜らなければ、Rank3や4のmonstersぐらいなら屠れるだろう。
しかし、高さ数千meterのMountain Rangeを越えて他の国に行くのは無理がある。
「だからって、正直に話して大丈夫かな? 黙ったままでも誤魔化せないかな?」
すっかりNobleのおBocchanらしい容姿になった【Perseus】のSamejima Yuri……Sallua Legstonが幼児らしく甲高い、tongue足らずな口調で尋ねる。
前世の彼を知るSiegとしては、激しい違和感を覚える姿と声だ。
「誤魔化せるわけないだろ。もう思い出しちゃったんだから」
しかし、それは【Skanda】のTanaka Jin……Siegも同じ事だった。Salluaよりも一つ年上だが、傍から見れば二人とも可愛らしい幼児でしかない。
「前と同じように振る舞えるか? 俺はボロを出す自信がある」
「まあ、何事もなかったように振る舞うのは難しいと思う……」
「俺は、絶対無理だ」
「……うん、僕も無理」
前世のMemoryと人格を思い出したからといって、現世の自分を忘れた訳ではない。だが、それまでと同じ幼児らしい振る舞いをするのは、難易度が高すぎる。
二人とも前世では軍の訓練を受けたが、軍でも幼児になりきるための演技指導はしてくれなかった。
これが普通の国なら、二人も演技をする事を選んだだろう。一度や二度、年相応でない言動をしても、普通のfamilyなら「まさかうちの子は前世のMemoryがあるんじゃないか!?」なんて思わない。精々うちの子は頭が良いなとか、少し変わっているなと思うぐらいだろう。
だが、ここはVandalieuが治める国だ。Reincarnatorに狙われているReincarnatorがEmperorなのだ。しかも、彼は国民全員に自分や、Kanako達がanother worldからreincarnationしてきた事を公表している。
それを知った当時、『Earth』でその手の作品をいくつか読んだ事があるSiegは、その手の事は黙っているのがお約束だったのではないかと眩暈を覚えたものだ。
「しかも、Van兄は俺達に見えない霊と話が出来る。俺達がつい漏らした独り言も……もしかしたらこうして相談している事も、筒抜けかも」
SalluaとSiegは、周囲を見回して幼児らしからぬ仕草で溜め息を吐いた。
霊を見る事が出来ない二人には、今この瞬間、霊が盗み聞きをしていても分からない。
Salluaの【Perseus】は、自分を見ている相手を停止させる事が出来るCheat Abilityだ。ただの麻痺や、【Death Scythe】のように動きを止めるのではなく、conditionを固定する事が出来るのだ。
Abilityを受けた相手の時間は止まり、【Perseus】が効果を発揮している間は外部からimpactを及ぼす事が出来なくなる。斬ろうが撃とうが焼こうが、傷つける事は出来ない。相手の方も、停止している間のMemoryは残らない。
まるでHero Perseusが首をSlash落とし、Weapon Equipmentとして使ったMedusaの生首を見て石化したかのように。……だったら【Perseus】じゃなくて【Medusa】でいいんじゃないかと、Codenameが決められた当時のSalluaも思ったが、image的な問題があったらしい。
ともかく、【Perseus】は強力なAbilityだ。流石に録画された映像や写真越しではActivateしないが、live performance映像なら画面の向こう側に居る相手も対象にする事が出来る。
前世ではmagicで聴覚をEnhanced (1)したmercenaryや盲目のSwordsmanに追い詰められ、最期はブービーtrapに引っかかって死んでしまったが、視覚に頼っている相手との戦いならまず負けない。
しかし、流石にSalluaが認識できない霊はAbilityの対象外だ。……もしかしたら、霊も停止しているのかもしれないが、だからと言ってAbilityを常にActivateする訳にはいかない。【Perseus】はAbilityをActivateさせている間中Manaを消費するし、停止させる人数が増える程その消費量は増えていくからだ。
そしてSiegの【Skanda】は、彼自身と彼が持っている物品のSuper Accelerationを可能にする力だ。AbilityをActivateした彼は普通に走っているつもりでも、スポーツカー並みの速さで走り、彼にとっては普通のpunchが音速を超える速さになる。
更に触れている機械や植物、動物、Humanも一緒にAccelerationする。……body partから離れてしまうため、銃弾等飛び道具はAccelerationしないが、それでも十分強力なAbilityだ。
なお、AccelerationしていてもSieg……当時のTanaka Jinが急に成長したりAgingしたりはしなかった。流石Cheat Abilityである。
しかし、幾らAccelerationしても霊には無力だ。見えないし、触れられないので。
「でも、もっとtimingを考えた方がよくないかな? Kanako達も僕達の事は知らないようだし」
「Kanako達以外の仲間は、知っているかもしれないだろ。そいつらがVan兄に俺達の事を話したら、最悪だぞ」
「そっか……でも……僕の事で父上達に迷惑がかかったらどうしよう」
「俺だって、Papaとマ……父-sanとkaa-sanに迷惑がかからないか、不安なんだ。でも、秘密にして、もっと悪い timingで、Van兄の敵の口から暴露されるよりいいだろ」
前世の人格とMemoryは戻っているが、それで現世のfamilyへのemotionsが揺らぐ事はない。Vandalieuに対する印象も、現世で築いた関係性に準じている。
SalluaにとってVandalieuは父や叔父の上司で、Siegにとっては父親……Zodのpupilsだ。そして、何度も一緒に遊んだ事もある、年上の妙な友達である。
「分かった。覚悟を決めて謝りに行こう!」
「ああ、行こう!」
そして二人はstraightに真実を話し、謝った。
そういった事情説明を受けたVandalieuは、全てを見透かしているような透明な視線を二人に向けて言った。「良く自分達から告白してくれました。その勇気に免じて、前世の遺恨はきれいさっぱり忘れましょう」
そして二人の頭を良い子良い子と撫でる。
「えっ? いいのか? 俺、前世でUndead TransformationしたVan兄を攻撃しているんだけど」
「僕もその場にいたんだけど、本当に許してくれるの?」
驚いた-sama子で顔を上げた二人に、Vandalieuは透明な視線……実際には節穴な目で二人を見つめ返す。
「構いませんよ。俺も前世で死んだ直後は恨んでいましたし、今でもAmemiya Hiroto、Narumi coupleには言いたい事が山ほどありますし、Asagiはうざったいし、Rokudouは殺そうと思っていますが」
極自然な-sama子で前世の仲間達のnameを挙げるVandalieuに、SalluaとSiegの顔が青くなり、不安そうに震えはじめる。
『Origin』にいるBandaを通して色々知っているため出た本音が、二人を怖がらせてしまった事に気がつき、Vandalieuは慌てた-sama子で言葉を続けた。
「ああ、ですから、二人に遺恨はありません。恨み言を言うつもりもないし、何かするつもりもありません。神に誓って」
そう誓うが、何故かより不安そうな顔になる二人。困り果てたVandalieuの背後に、Gufadgarnが現れて助言を囁いた。
「……kaa-sanにかけて誓います」
彼女の助言に従ってそう言った途端、二人はほっと肩から力を抜き、青かった顔色も元に戻った。どうやらVandalieuは、childにも度の強いマザコンであると認知されているようだ。神と違って、母にかけて誓った事は絶対破らないだろうと信頼される程に。
「kaa-sanはVida’s Incarnationなので、神への誓いでも絶対に守るつもりなのですが……」
「Rodcorteは?」
「あれは神に分類される存在であると言うだけで、俺が尊重し敬う存在ではありません。Aldaと同じです。あれに祈るぐらいなら、俺は貧乏神を祭る荘厳なtempleを建立します」
「そうなんだ。まあ、俺も敬うつもりは無いけど」
SiegとSalluaも、Rodcorteを敬うつもりはなかった。見捨てられたようなものだからというのもあるが、今になって振り返ると、Rodcorteのやり口が悪辣に思えたからだ。
この場に居ない【Urðr】のKei Mackenzieを加えたSieg達三人は、Vandalieuと戦う事を拒否したReincarnatorだ。それはRodcorteも知っている。
知っている筈なのに、SalluaとSiegはVandalieuと縁のある親の子としてreincarnationさせている。
Siegはまだ自分の実の父親がAmid Empire前Emperor Mashkzarだとは知らないが、Pure-breed VampireのZorcodrioが義理の父となっている事から、生まれた時からVandalieuと遭遇するのは避けられなかったと考えている。
Rodcorteが何を期待していたのかは、考えるまでもないだろう。
実際には、VandalieuがGuiderになり、導いた対象の魂をVida式Circle of Reincarnation systemに移動させる事が出来るようになったため、Rodcorteの期待通りどころか逆の結果になったが。
certainly、二人とも両親に対して不満はない。Salluaは叔父の一人がUndeadだし、Siegは父親が尋常ではないmachoだが、他の両親の元に産まれたかったと思った事はない。
「それになにより、俺はChezareとKurtの甥や師の息子と敵対したくありません。あなた達自身の事も、よく知っていますし」
何より、二人のfamilyはVandalieuに受け入れられる大きな理由になっていた。
Undead Transformationし、VandalieuのfanaticとなったChezareは彼がSalluaを殺したとしても、深く哀しむだろうが、masterを裏切ろうとはしないはずだ……Emotionalに何か壊れるかもしれないが。だがKurtは大きく動揺し、葛藤に苛まれる事になるだろう。
Zorcodrioは、SiegがReincarnatorである事を理解したとしても、Vandalieuが息子を殺せば彼を許さないだろう。生死をかけた戦いにdevelopmentするはずだ。
Vandalieuとしては、それは何としても避けたい。だから、二人が早いうちに自分からReincarnatorである事を告白してくれて助かった。
「あなた達が俺と敵対する事を選んでいたら、どんな手段を使っても平和的に見えるよう和解しなければならないところでしたからね。ああ、良かった」
「う、うん。俺も、Van兄の敵にならなくて良かったよ」
「ぼ、僕も!」
SalluaとSiegは、ガクガクと首を上下に振った。Vandalieuの言葉から、もしもの時は彼が暴力以外の全ての手段を使って、自分達と強制的に和解するつもりなのが分かったからだ。
【Deadly Poison Secretion】で作った薬物と【Mind Encroachment】skillで洗脳を施し、更に【Demon Kingのshadow】を使った脳改造までされる、平和的に「見える」和解を避けられたのは、二人にとって間違いなくFortuneである。
「まだTalosheimに居ないのか、Memoryが戻っていないだけか分からないけど、ケイも俺達と同じだと思う。だから……」
「彼女自身が俺と敵対するつもりはないと言うのなら、彼女自身の身の安全は保障します。familyは……まあ、その人達次第になりますね」
この場に居ないもう一人の仲間についても言うSiegに、Vandalieuはそう答えた。ケイについてVandalieuはよく知らない。Earthでいったい誰だったのかも、覚えていないのだ。敵対するかもしれないReincarnatorである点でしか関心がなかったので、恨みはない。
彼女はSieg達と同じように、Vandalieuと因縁のある家に産まれているはずだ。しかし、Siegのように実の親が誰なのか分からないよう、情報操作されている場合があるので調べるのは難しいだろう。
Orbaum Elective KingdomでVandalieuが関わった三つのDuchy、Hartner、Sauron、そしてAlcrem。この三つに限っても、治めるDuke 家の下にはMarquis 家が二つから三つ、Earl 家が五以上、Viscount 家が十数、Baron 家以下が沢山あるのだ。
Amid Empire側は、数える気にもならない程多い。
そして正子だけではなくIllegitimate Child、更に隠し子まで含めると数え切れないほどのchildが生まれている。
ケイをVandalieu達から探し出すのは、今の段階ではまず無理だ。……そもそも、調べ上げてもreincarnationしたケイに前世のMemoryや力が戻っていなければ、普通の幼児と見分ける事はできない。
そしてケイの現世のfamilyに関しては、そのfamily次第としかVandalieuは言えない。
「ケイについては情報を集め続けるという事で……では、次は二人のfamilyに自分がReincarnatorである事を打ち明けましょうか」
「や、やっぱり父上達にも言わなきゃダメ?」
出来れば黙っていたいと顔に出ているSalluaに、Vandalieuは言い聞かせるように答えた。
「ダメじゃないですけど、その内ばれますよ。二人ともまだ自覚していないようですが、前世の力が戻ったという事は、skillやAbility Valuesも戻ったという事です。
childとは思えないbody part Abilityに、あり得ないskillのlevel。隠し通すのは難しいですよ」
child同士で遊ぶにしても、body part Abilityが異常に高い為常に加減しなければならない。喧嘩で少しでも本気を出そうものなら。相手を殺してしまう。
skill levelも高いので、幼児にあるまじきknife捌きや弓の腕、magicの冴えを見せれば、Genius児、神童として注目を集める事になる。
「そう言えば……Van兄をどうするか考えるのに夢中で、気がつかなかった」
「Status! ……あ、本当だ。僕、今なら父上に腕相撲でも勝てそう」
ただ、SiegとSalluaはまだ自覚していなかったようだ。Vandalieuをどうするか二人で相談しながら考えていたので、最近は他の普通のchildと遊ぶ機会がなかったため、目立つ事はなかったようだが。
しかし、これからも目立たず隠し続けるのは難しいだろうと、二人とも思い至ったようだ。
「分かった。でも、大丈夫かな?」
「大丈夫になるように、俺も一緒に説明しましょう。なに、Memoryがあるか無いかの違いだけで、前世は皆他人です」
VandalieuはRodcorteのCircle of Reincarnation systemについて詳しくないが、Reincarnatorを送り込める時点で、前世と現世に明確な関連はないと考えていた。
親brothersや我が子は前世でもfamilyや親類等、親しいものだった。そんな事はないだろうと。そうした関連があるのなら、完全な異物であるReincarnatorをanother worldから送り込み、特定の人物……自分と因縁のある家のchildとしてreincarnationさせる事は出来ないだろうとconjectureしていた。
そして、そのconjectureは正解だった。RodcorteのCircle of Reincarnation systemに前世と現世に関連性は皆無だ。
母親の前世は威勢の良いCarpentryの親方で、父親の前世はジャングルのHunter、ジャガー。そして息子は養豚場で出荷された豚。そんなものだろう。
「もしかしたら二人のご両親は、あなた達二人を生まれ変わらせるために、自分達の息子として本来産まれてくるはずの魂と取り換えられてしまったと思うかもしれません。だとしても、それは考えても無意味な事です。
本来産まれて来るはずの魂はcertainly存在したでしょうが、前世のMemoryと人格を思い出す前のあなた達と差はないでしょうから」
Circle of Reincarnationを司る神であるRodcorteが、Circle of Reincarnationを恣意的にcontrolできる時点で「本来息子として産まれてくるはずだった魂」について考えるだけ無駄だろう。……その「本来息子として産まれてくるはずだった魂」も前世では所詮他人で、Memoryも何も全て忘れているはずだからだ。
SalluaとSiegの両親にとっては、ただ「息子が前世のMemoryと人格を思い出した」と考えるのが最も無駄がなく、楽な事だ。
「それに、強いて責任を追及するのなら二人ではなく、俺になるでしょうからね。説明するのは当然でしょう」
【Perseus】のSamejima YuriがSallua Legstonとして、【Skanda】のTanaka JinがSiegとして生まれ変わったのは、二人がVandalieuと戦う事を拒んだからだ。
だから、二人はVandalieuと因縁のある親のchildにreincarnationさせられた。なら、責任は自分にあるのだろうとVandalieuは考えていた。
「そ、そんな事ないよ! 僕達をreincarnationさせたのはRodcorteなんだから」
「Sallua、俺もそう思いますが、Rodcorteが悪いのは『悪人が悪い』のと同じくらい当然の事ですから。それに、奴はSallua達の両親のケアをしてくれませんし」
必要なのは本当に悪い存在ではなく、Sallua達の両親に事態を説明し不満の対象になる存在である。Vandalieuはそう割り切っていた。
「尤も、そんなに深刻な事にならないと思いますよ。俺やKanako、Legionという前例がありますし」
その後、VandalieuはSalluaとSiegの両親に二人がReincarnatorである事を説明したが、彼の予想通り深刻な事態にはならなかった。
Salluaの両親は上司、仕える国のtopが直接説明に来た事に驚き、息子がReincarnatorである事に驚いたが彼を拒絶するような事にはならなかった。
Vandalieuの説明通り、Salluaは前世のMemoryや人格を思い出していても、昨日までの事を忘れた訳ではなかったからだ。
それにSalluaの両親であるLegston 家も激動の人生を生きる人々だ。そういう個性を持った息子が生まれたのだと考えて、対応するべきだと彼らのreasonは考えたようだ。
Siegの両親はもっと簡単だった。何せ、父親はPure-breed VampireのZorcodrioである。元からbloodも繋がっていない。
「raceすら違う私をこの子は父と慕ってくれているのです。私には、それで十分すぎる。ただ、この子が思い悩む事があれば同じReincarnatorとして力になって頂きたい」
母親のRachelも、Siegをすぐ受け入れた。彼女もAmid Empireの諜報機関にMemoryを消され、偽りのMemoryを植え付けられるなど、激動の人生を生きて来たfemaleであり、異常事態に慣れていたのだろう。
「でも陛下、将来この子が思春期になって反抗期になったら私もいろいろと考えてしまうでしょうから、よろしくお願いしますね」
「当家もよろしくお願いします」
「はい。こちらこそ末永くよろしくお願いします」
こうして、両家はVandalieuと一層深い縁を結び、SalluaとSiegはVandalieuと平和的に和解したのだった。
―――――――――――――――
・Name: Pain
・Rank: 10
・Race: Great Satan Moth
・Level: 85
・Passive skills
Mysterious Strength:7Lv
Rapid Regeneration:3Lv
Deadly Poison Secretion:"poisonous needle" "scale powder":10Lv
Poison Nullification
Self-Enhancement: Subordinate:9Lv
Intuition:3Lv
Enhanced Body Part:needle feather proboscis:10Lv
Mana Enlargement:1Lv
Mental Resistance:7Lv
Strengthened Attribute Values: Guidance:6Lv
・Active skills
Charge:5Lv
Unarmed Fighting Technique:5Lv
-Transcend Limits-:1Lv
High-Speed Running:2Lv
Coordination:10Lv
Spear Technique:5Lv
Shield Technique:7Lv
Armor Technique:7Lv
Shrink:1Lv
High-Speed Flight:3Lv
Familiar Spirit Demonic Advent:1Lv
・Unique skill
Zanalpadna’s Divine Blessing
Vandalieu’s Divine Protection
○Monster explanation::Great Satan Moth Luciliano著
やや毒々しいが美しい模-samaのfeatherを持つGiantな蛾のmonsters。Sizeは通常のWyvernを上回り、-sama々な毒性を持つ"scale powder"を撒き散らす、死の象徴とされるmonsters……のはずだ。少なくとも、legendでは。
ただPain自身はPauvinaのpartyでは癒し系で、"scale powder"も毒性よりも薬効成分を込めてまかれる事が多いようだ。
【Shield Technique】でGiantで強靭なfeatherを、【Spear Technique】で鋭いproboscisを、【Unarmed Fighting Technique】で足のclawsを使い、戦うことができる。
人の言葉は話せないが、知能は高く性格も穏やかである事が察せられる。
ちなみに、Luvezfolと師Artisanは彼と筆談を用いずcommunicationが可能だ。Luvezfolは声で、師Artisanはantennaを触れ合わせる事で。
なお、その際師ArtisanはKühlの鳴き真似をする事が多いが……会話している訳ではなく、鳴き真似に意味はないそうだ。
・Name: Luvezfol
・Title: 【Raging Evil Dragon God】 【Pauvina's Pet】 【Fusa Fusa Mane】
・Rank: 10
・Race: Evil Lord Wyvern
・Level: 77
・Passive skills
Mental Corruption:3Lv
Strengthened Attribute Values: Ruling:5Lv
Mysterious Strength:10Lv
Deadly Poison Secretion: Tail:6Lv
Water Attribute Nullification
Rapid Regeneration:3Lv
Strengthened Attribute Values: Loyalty:Pauvina:5Lv
Self-Enhancement: Flight:7Lv
Self-Enhancement: Swimming:5Lv
Enhanced Body Part:翼尾爪:5Lv
Strengthened Attribute Values: Guidance:3Lv
Mana Enlargement:1Lv
・Active skills
High-Speed Flight:7Lv
High-Speed Swimming:10Lv
Charge:10Lv
Unarmed Fighting Technique:5Lv
Water-Attribute Magic:10Lv
Mana Control:5Lv
Water Breath:10Lv
Coordination:5Lv
Familiar Spirit Demonic Advent:1Lv
・Unique skill
Vandalieu’s Divine Protection
○Monster explanation::Evil Lord Wyvern Luciliano著
Wyvernの新種。もしかしたら、worldで初めてRank10に至ったWyvernかもしれない。まあ、accurateにはsealedされている龍なので、普通のWyvernとは知能も含めて比べてはいけないのだろうが。
しかも、飛竜と評されるWyvernなのに何故かunderwaterでもHigh-Speedで泳ぐ事が可能で、Water-Attributeのmagicを使い、吐くのもWater Breathと言う珍妙さだ。
これは、彼がoriginally Water-Attributeの龍である事が理由のようだ。
ちなみに、我々HumanのMageの多くが練習用に習得するNo-Attribute Magicを使えないが、それに関して質問すると『我をHumanのMage風情と一緒にするな。我等龍やTrue giantは、生まれつき自らと親しいattributeを操る術を知っているのだ』とありがたい言葉を賜った。
貴重な証言の代償として、私は師Artisanに「最近彼の鬣は荒れ気味のようだ。もっと念入りにケアした方が良いと思うよ」と助言したのは言うまでもない事である。