Job changeを終え、【Entertainer Guider】Jobに就いたKanakoは鼻歌を歌いながらDungeonから、Vandalieu宅の地下室へと出た。そしてそのまま、lesson場として使っている倉庫へと向かった。
「いやー、body partが軽いですね。足が勝手にステップを踏んじゃいますよ」
Godsによって召喚されたlegendのChampion達が全員就いていた事から、後世ではChampionの条件とされる【Guider】系Job。そのJobに就けば、Nobleどころか王族でも蔑に出来ないinfluenceを持つとされる。そのJobに就いた自覚は、Kanakoにはあまりない。
【Guider】になる事自体が、偉業でもあるのだが、Kanakoにとって重要なのはskill補正とその効果だ。Ability Valuesの成長はこれからだから分からないが、【Entertainer Guider】のskill補正によって【Dancing】や【Singing】skillが早速上がった。これからGuidanceの効果で、lessonしている現地採用memberにも効果が表れるかもしれないのだから、楽しみで仕方がない。
「短期間で身に付くlessonが実現するのは良い事ですからね。前とは違って、地道な下積み時代を何年も続ける余裕はないですし」
前とは、『Earth』や『Origin』の事を指している。Kanakoが今生きている『Lambda』では、Human社会では一般的に十五ageで成人として扱われる。そして、二十五ageになっても独身だと、年増扱いだ。
KanakoのようにDark Elf(実際はChaos Elfだが)のような長命種ならそうでもないが、HumanだとEntertainment活動できる期間は短いのだ。
それに、CDやDVDがまだ存在しないし、写真集等の出版物も一般的ではない。Idol本人が稼ぐには、Stageに立つしかないのだ。
「迂闊に握手券とか売ると、勘違いする人が続出しそうですしね。水着グラビアや抱き枕は、わいせつ物扱いでしょうし。……いや、水着グラビアぐらいなら平気かも」
このworldにはBikini Armor等、露出の高い鎧が流通している。その殆どはmagic itemであり、露出部分も一定以上のDefense Powerがあるか、防御の薄さを補う効果がある。そして、その形状はnameの通りBikini Typeの水着そのもので、違うのは素材と厚さぐらいだ。
それを着て歩いてもGuardに捕まらないという事は、水着グラビアぐらいなら問題ないのではないか? そう考えたKanakoだったが、それ以外にも問題がある事を思い出した。
「……現在の技術力を考えると、あたしが望むクオリティを出す為にはVanに作ってもらうしかないので、わいせつ物扱いされなくても、流石に頼めませんね」
Kanakoとしては水着姿のグラビアや、Stage衣装姿の抱き枕を恥ずかしいものだとは思っていない。だが、それをphotographingし、印刷するのがDemon King Familiar……Vandalieuと意識の繋がったCloneだと思うと抵抗感を覚えずにはいられなかった。
前世ではdebutしたsenpaiが、新人の頃出したimageDVDを番組でintroductionされるのを恥ずかしがっていたが、Kanakoもdebutして三年経つ頃にはその気持ちを理解していた。……まさか、現世でも味わう事になるとは思わなかったが。
「そう言えば、Vanって何度か戻ってるんですよね。いえ、それどころかCloneがいるはず……」
Kanakoはふと、Vandalieuが『Earth』や『Origin』に魂だけで戻った事がある事や、soul fragmentから創ったCloneであるBandaが『Origin』に存在している事を思い出し、顔を顰めた。
もう十数年以上前の事だし、当時の彼女はtop Idolという程ではなかったので、偶然televisionに当時の映像が流れるという事もそうないだろう。しかし、『Origin』には『Earth』と仕組みはSlightly異なるがパソコンがあり、net環境が整備されていた。当然、動画投稿サイトも十年以上前から存在する。
Vandalieuが当時のKanakoの映像を調べようと思えば、調べられてしまうのだ。
「でもまあ、今更箝口令を敷くのは無理ですしね」
しかし、Kanakoの周囲には前世の彼女を知っている者が複数存在する。MelissaにDoug、そしてLegionである。彼女達のふとした発言がきっかけになり、Vandalieuが当時のKanakoに興味を持つ可能性は常にある。
なので、箝口令以外の方法で自衛するべきだろう。……自分以外のmemberにも黒歴史を作る方向で。
「MelissaとLegionはdebutしましたから大丈夫ですけど、問題はDougですよねー」
「俺がどうしたって?」
噂をすれば何とやらと言うべきか、Kanakoの独り言を聞いたDougが話しかけてきた。色々と考えている内に、Kanakoは倉庫の前まで来ていたのだった。
「いえ、別に。male Idolを流行らせるにはどうすれば良いかと考えていただけです」
「十分どうかしているぜ。Job changeに行ったと思ったら、ぶつぶつ呟きながら帰って来たから、話しかけてみたら……ん? お前、何って言うか、変わったか?」
「変わったって、なんです? Job以外変わっていませんよ」
自分を凝視するDougの視線に戸惑ってKanakoは、小首を傾げた。Job changeしたばかりでAbility Valuesは上がっていないし、【Singing】等のskillのlevelが上がったが、それが行動に現れているとも考え難い。
そう思ったKanakoだったが、Dougには彼女が明確に変わったように感じられたようだ。
「いや、明らかに変わった。なんて言うか……オーラっぽいものが出ている気がする。Entertainment人オーラとか呼ばれていた感じなのが、前世より出てるぜ」
「Entertainment人オーラがですか? debutしたのは去年なのに、何で今頃……もしかして、これがGuidance?」
「Guidance!? もしかして、お前……Guiderになったのか」
驚いて目を丸くしたDougが、後半は何とか声を抑えて尋ねる。KanakoがGuiderになったのを知っているのは、まだJob changeする前に相談したVandalieu達ぐらいだった。
「じゃあ、そのせいか。どんなGuiderなんだ?」
「【Entertainer Guider】です。芸でGuidingみたいですね」
「そりゃあまた、偶像(Idol)には相応しいGuiderだな」
そうDougが自分を落ち着かせるために軽口を叩くのを聞きながら、Kanakoは彼が感じているらしいオーラについて少し考えたが……ニヤッと口の端を釣り上げた。
「Doug、あたしのGuidanceを感じたって事は……結構好きなんですね、Idol」
「っ!? いや、別にVenue警備の仕事だから見ているんであって……!」
Guiderになった事を教えた時より動揺しているDougを残して、Kanakoは倉庫に入った。中ではZadirisやBasdia、EleonoraにBellmondが、そしてRudolf達現地採用のmemberが思い思いに練習や休憩、楽器の調整をしていた。
「おはようございまーす! 皆-san、お疲れ-samaです!」
前世からの癖と言うか拘りで、Entertainment活動中は昼でもnightでも挨拶は「おはよう」だ。
「「「おはようございます!」」」
現地採用のmemberは、Kanakoの謎の拘りに最初は戸惑っていたが、最近は慣れて来たようだ。ZadirisとBasdiaはそんな彼女達に苦笑いを浮かべている。
ここまでなら、Job changeする前と何も変わらない。
「っ!?」
ガタンと、guitarの調整をしていた現地memberの一人、青い髪のElfのBardが音を立てて椅子から立ち上がり、Kanakoを凝視した。
「ど、どうしました?」
何か変わるかなと期待していたKanakoだったが、Rudolfの眼光が今までにない程鋭かったため思わず声が上ずってしまう。
「……いや、なんでもな……ありません。すこし、雰囲気が変わったように思えたので」
一方、Rudolfと名乗っているSClass adventurer、『True』RandolphはKanakoや周囲の視線に気がついて我に返ると、そう言って誤魔化しながら、椅子に座り直した。
全く誤魔化せていないし、特にBasdiaとEleonoraが鋭い視線を向けて来ているのが分かるが、彼の意識は自分の失態よりもKanakoの変化について考える事に割かれていた。
(彼女の雰囲気が、明らかに変わっている。変装している誰かと入れ替わった? いや、本人である事に違いはない。それに俺が覚えているのは、違和感じゃない。これは、昂揚感か?)
そう戸惑うRandolphだったが、彼がKanakoに覚えている何かに気がついたのは、Dougと彼だけではない。
「じゃあ、早速通しで一度踊ってみましょう」
気を取り直したKanakoが、danceの指導を始める。現地採用の内、歌とdance担当のmemberに、「背筋を伸ばして!」「そう、その調子です!」と声をかけていく。
そのlessonについて、行っているKanako自身はこれまでと同じ感覚だった。しかし、彼女以外のmemberにはこれまでとは大きく変わって感じられた。
Kanakoの指示にどう応えれば良いのか、これまでよりも理解できるのだ。教えられた事が、すぐにflesh and bloodとなって身についていく感覚が、成長している充実感が感じられた。
倉庫の入り口で見ているだけのDougでさえ、思わず聞き込んでいた。
「Kanako -san、最後のステップのところがどうしても上手くできないんです。どうしたらいいですか?」
「次、歌もみてください!」
「わ、私も歌とdanceのlessonに参加して良いですか!?」
充実感はlessonへの熱意を増し、昨日までよりも熱心にKanakoにアドバイスや指導を求める。それだけではなく、楽器の演奏を主に習っていたadventurerのEdiliaが、歌とdanceも教わりたいと希望してきた。
意識の片隅に何か引っかかりを覚えるが、それに気を払う事なくKanakoに近づいて行く。
「Kanako、儂も良いかの? その曲はもう合格を貰っているが、ただ見ているだけではbody partが鈍るからの」
それだけではなく、なんと練習していた曲は既に習い終えているZadirisまで、そう言って参加しに来た。
「珍しいですね。どう言う竜巻の吹き回しですか?」
「言いたい事は分かるが、人の意欲を削ぐような茶々を入れるでない」
むっとした-sama子のZadirisだが、彼女は普段からlessonに乗り気ではない。accurateに評するなら、練習は熱心に取り組む。Stageの上で観客の前で披露するのに、十分な水準に達したとKanakoが判断した後、彼女自身が納得するまで、油断なく繰り返し続ける。
しかし、その後はその水準を維持するのに必要なlesson しかしないのが常だった。
「いや、何か失敗したらStageの上で恥をかくのは儂じゃからな。それに、儂は坊やのTamed Monsterじゃから、坊やのreputationにも関わるじゃろうし。
まあ、そう言う事じゃ」
だから、そう照れた-sama子で言い訳しながら練習に加わったZadirisの肩に手を置いて、Kanakoは言った。
「ようやく正直になりましたね。じゃあ、Zadiris -chanも入れて、もう一回通しでやりましょう。Rudolf -san、今回は伴奏もお願いします!」
「-chanっ!? それに正直とはどう言う意味じゃ!?」
反射的に言い返したZadirisを無視して、lessonが再開される。
順調にIdolとして戻れない段階へ落ちていく母を見送ったBasdiaは、伴奏の為guitarを弾くRudolfを見つめていた。
(先程の眼光と、一瞬だが発した気迫。あれは只者ではなかった。私だけではなく、EleonoraにBellmondまでRudolfを警戒しているのなら確実だ。やはり、Bardではない)
そう思うBasdiaだが、Bellmondが手元の糸で弦楽器を演奏する真似をしているのを見て、少し力が抜けた。
どうやら、BellmondはRudolfが只者ではないと見抜いたのではなく、彼が弾くguitarに興味があるだけのようだ。
「……Bellmondには、人物眼以外を期待しないと」
「そうだったな」
Eleonoraとそう呟き合って、とりあえず今日は体が疼くのを抑えて、彼女と二人でRudolfについて注意する事にしたBasdiaだった。
Vandalieuが【Hell King Mage】にJob changeした翌日、Vandalieuはこの日から『休日』を取る事にしていた。
休日と言っても、body partを休め遊興に時間を費やす訳ではない。ただ、仕事と評するには微妙な事に時間を費やすので、『休日』という事にしたのだ。
『■■■■■―!』
濁った咆哮を轟かせながら、異形なOgreが風を操り空気の矢を撒き散らす。
このOgreはmagicを使うOgre Mageなのだろうか? いや、違う。Ogreの四肢や腹、胸から黒い筒状の何かが何本も生えていて、その筒が空気の矢を放っているのだ。
『チッ! 前の個体より厄介な技を身につけたわね!』
「目で見るな、空気の流れ、感じろ!」
「でも、今回は生け捕りじゃなくて良いんでしょう!? なら楽勝よ!」
異形のOgreに対するのはVampire ZombieのIsla、Black Goblin ninjaのBraga、そしてMoksiの町の歓楽街にReignする『Hungry Wolf』のMichaelこと、『Kiss』のMilesだ。
『見るな? 感じろ? 簡単に言ってくれるわね。私、Zombieなのだけれど』
Decompositionが止まっているため一見するとそう見えないIslaだが、彼女はZombieだ。そのため、生者とは感覚が異なる。
「そう言いつつも、全部回避しているじゃないの」
Milesが自分と同じく風の矢を回避しているIslaにそう言う。
『当たり前よ。幾ら見えなくても、狙いが雑過ぎるし、こう五月蠅くてはね』
異形のOgreは風の矢を放つ度に、甲高い笛のような音を響かせていた。黒い筒が空気を吸い、それを圧縮して風の矢としてProjectile Fireする際に音が出てしまうらしい。
BragaとMilesは風を読んで、そしてIslaはその音を頼りに不可視の風の矢を避けている。
『■■■■■■!! ぃぃぃぃいいいいいい!』
空気の矢を幾ら放っても意味がないと気がついたのか、異形のOgreは間合いを詰めて来るBraga達に向かって自分から襲い掛かった。
黒い筒から風を噴出し、それで推進力を得たOgreの動きは正に疾風。板金鎧で武装したKnightも一瞬で引き裂くMysterious StrengthにSpeedが加わっては、普通なら無敵だろう。
しかし、この異形のOgreの相手は疾風より早く動ける者ばかりだった。
「まず、首刎ねる! 【刃閃】」
真正面から突っ込んだBragaが、Ogreの首を片刃の剣、ninja刀で【Dagger Technique】の【Martial Arts】をActivateし、切断する。
『っ!? だいいぃぃぃぃ!』
首を失った異形のOgreは、切断面からbloodを撒き散らしながらも止まらない。それどころか、whole bodyからboneや肉が歪む鈍い音を発しながらボコボコと醜く変異させながら、MilesとIslaに向かって両腕をそれぞれ向けた。
『main bodyィィィィィィ!』
そして、黒い筒からそんな叫び声にも似た音をさせたかと思うと、左右の腕から空気の渦を放つ。腕から生えた黒い筒の角度を調整し、横向きの風の渦を作りだしたのだ。
平行に放たれる二本の風の渦に巻き込まれれば、吹き飛ばされてボロ雑巾のようになってしまうだろう。
『Transform! 【俊水Instant Response】! そして内臓を破壊する!』
その渦を、Transformation Equipmentと【Moving Chains Armor Technique】をActivateさせたIslaが紙一重で回避し、その速さとMysterious Strengthに任せて剣を胴体に叩きつける。
『■■■!? 宿主の維持が不可能、りだつ、りぃぃぃだああああ』
腹を大きく薙がれspineをBisectionされた異形のOgre……Ogreだった存在は、大きく変貌した。体中にあった黒い筒がより長く太くなり、肉とskinを割く。Ogreの体内にInfestしていた【Demon King Fragment】が分離しようとしている。
「そして、フィニッシュ!」
だが、Milesが掌に乗る程度の大きさの箱を取り出して、【Demon King Fragment】の懐に飛び込んだ。
『あああああ!? main bodyイィィィィィ!』
【Demon King Fragment】は抵抗しようとしたが、宿主を失ったfragment自体には大した力はない。screechをあげながら箱の中に吸い込まれていった。
そして箱と同じくOrichalcum製の鎖が巻き付き、sealedが完了する。
「ふぅ……ボス、sealedできたわよ」
Milesが振り返ると、Ogreより大きいアルマジロに似た謎の生命体が、ヒレ状の前足で拍手をしていた。
『皆、良く出来ました。じゃあ、十五分休憩を挟んでもう一回やりましょうか』
謎の生命体は、VandalieuのCloneにして使い魔、Demon King Familiarだ。
「次も【Demon Kingのspiracle】か? それとももう一つの【Demon Kingのgrip talon】か?」
『同じfragmentに慣れるのは良くないので、【Demon Kingのgrip talon】でいきましょう。宿主は秘密ですけど』
先日、Schneider達『Storm of Tyranny』は、Marme Duchyから【Demon King Fragment】を二つ……sealedされた物と、Equipmentに加工された物を奪い、Vandalieuに渡した。
しかし、既にVandalieuはfragmentを数十個取り込んでおり、急いで【spiracle】や【grip talon】をAbsorptionしなくても問題ない。
そのため、彼はfragmentをすぐにAbsorptionせずに、訓練に使う事にした。
これからVandalieuから離れた場所でmissionに就く場合、彼がすぐに駆けつけられない状況で、宿主を乗っ取ってrunawayした【Demon King Fragment】と遭遇するかもしれない。そんな時、sealedの経験があればfragmentを回収する事が出来るだろうと。
訓練に使うのはVandalieuがMoksiの地下に創ったDungeonの、このために新しく増やした階層だ。他の階層に上がるには仕掛けがあり、謎かけを解かなければ階段へ続く扉が開かない。Instinctのみで動く【Demon King Fragment】は、絶対に地上へ出る事は出来ない。
それに、Braga達がDemon King FragmentにInfestされたとしても、【mucus glands】を摘出した時のようにSurgeryすればいいので問題はない。……監督役のDemon King Familiarを配置して、いざと言う時は【fragment】を妨害できるように備えているので、そんな事態は起こらないだろうが。
ちなみに、【fragment】をInfestさせている宿主はVandalieuが創ったDungeonでRefiningされる、魂を持たないmonstersである。魂の無い肉人形であるため、【fragment】にInfestされると即座にBodyを乗っ取られ、runawayする。
『Vandalieu -sama~!』
訓練を受けていた最後の一人、Islaは次の訓練の事を気にせずに、Demon King Familiarの柔らかい毛に包まれた腹に抱きついていた。
『Isla、休憩中といっても危険物が近くにあるのですが』
『Vida’s Resting Groundにあった空のsealed具、十万年前のVida謹製のsealedが綻びるなんて事、そうはないわ。そんな事より、久しぶりのVandalieu -sama、main bodyはお忙しいなら、Cloneでも堪能しないと!』
訓練の途中は酷薄な微笑を浮かべていた彼女だったが、今は口元をだらしなく緩めている。もし彼女にtailがあったら、勢いよく左右に振られていただろう。
『仕方ありませんね』
Demon King FamiliarはそんなIslaを腹で包むようにして丸くなった。そして、背中に配置している目と口を開く。
『十五分から三十分に休憩を延長する事にしましょう』
「三十分で大丈夫? あの-sama子じゃ暫く使い物になりそうにないわよ」
「maybe、その内Kanakoの所から、Eleonoraがやって来る。それまで待つ」
その後、KanakoからVandalieuが帰って来ていると知ったEleonoraが本当にやって来て、訓練に加わった。その後の休憩で、彼女も結局アルマジロ型Demon King Familiarの中に入ったのだが。
一方その頃、【Demon King Fragment】のsealed訓練を行っている上の階層でも、訓練が行われていた。
「なー、Van。俺、【Unarmed Fighting Technique】より剣の方がいい! 俺にはお前みたいにclawsが生えないんだぞ」
『Mash、素手でも戦えるようにしておいた方が良いですよ』
孤児院のガキGeneralであり、Vandalieuの友人であるMashを始め、child達が【Unarmed Fighting Technique】の訓練に勤しんでいた。
『【Unarmed Fighting Technique】はリーチが短く、最初はAttack Powerもweak。しかし、全ての武術系skillの根幹にあるbody part Abilityを伸ばすのに効果的なのです』
【Unarmed Fighting Technique】のWeapon Equipmentは、己のBodyだ。その為、鍛錬はbody part Abilityの向上に効果的だし、他の武術系skillを習得するのにも都合が良いとVandalieuは考えていた。
「ちぇ。分かったよ、でも【Unarmed Fighting Technique】skillが身に付いたら、他のWeapon Equipmentの使い方も教えてくれよ」
『certainlyです。もう練習用のWeapon Equipmentは準備してあります』
そうclicking tongueしたMashに、Vandalieuは練習用に造ったWeapon Equipmentを指し示した。GuardやKnightが訓練で使う刃を潰したWeapon Equipmentではなく、刃や穂先、打撃部分に当たる部分をTalosheim産のゴムで作って木製の芯にくっつけて作った安全性の高い物だ。
【Unarmed Fighting Technique】の後は、それらのWeapon Equipmentを使って本人の希望と適性に合わせて訓練を重ねていく予定だ。
その後はVandalieu達と模擬戦をし、Mash達がMartial Artsを使えるようになったら、希望者はTamerしているmonstersと一緒に初心者用のDungeonに連れて行く予定だ。
adventurerになるなら、DClassへの昇格試験の前にmountain bandit狩りに連れて行こう。実験動物として収容してから長時間経って気力やEnduranceが萎え、Undeadや素材にrecycleする前のmountain banditや悪人を使うと、Mash達が同情してしまうかもしれない。
やはり、悪人に大切なのは鮮度だ。
「……Van、お前、凄く物騒な事を考えてるだろ」
『Mash、俺の考えている事を見ただけで察するなんて、流石は友人ですね。俺も誇らしいです』
「否定しないの!? 訓練が進むと俺達何をさせられるんだ!?」
『大丈夫です、Mash。物騒な事をされるのはあなた達ではありません』
そう説明するVandalieuのRealizationしたSpirit Form。Bodyを伴う彼のmain bodyとLegionは、そこからやや離れた場所で訓練を受けていた。
「いいですかな? 【Muscle Technique】とはただmuscleをpump upすれば良いというものではありません。なので、元に戻ってもらえますか?」
Zodは、muscle繊維のtentacleをcountlessに生やしたVandalieuに冷静に頼み込んだ。孤児院のchild達と訓練する場所を分けてよかったと、心から考えながら。
「難しいですね」
「今まで誰も、Schneiderですら習得できませんでしたからな。ですが、まずは練習あるのみです!
【Muscle Technique】の極意とは、whole bodyのmuscleを把握し、controlする事です。さあ、やってみてください」
『whole bodyのmuscleを、ねぇ』
『ただmuscleを鍛える事より、難しそう』
Legion達がそう評した通り、【Muscle Technique】はただmachoになれば使えると言う訳ではない。whole bodyのmuscleを振動させ発電するにしても、それを敵に向かって撃ちだすにはmuscleを精密に制御しなければならない。
苦労しながらwhole bodyのmuscleを【Demon King's Muscles】に置き換えて制御しようとするVandalieuや、肉しかない自身のbody partを制御しようとするLegion。二人に、Zodはこう付け加えた。
「ただ、私の【Muscle Technique】に全てならう必要はありません。【Unarmed Fighting Technique】にも、拳打主体のものがあれば、蹴り主体のものもある。あなた達は、あなた達の【Muscle Technique】を見つけるべきでしょう」
つまり、muscleで発電する以外の【Muscle Technique】を習得する事を目指すべきだという事らしい。
「ふむ、muscle……」
『ぼっちゃーん! familyによるserviceの時間ですよー! あと、Celis -san達を連れてきました!』
考え始めた時、お茶のセットとお茶菓子を載せたwagonを押すRitaとSalire、Darciaに、孤児院のNunのCelisとBestraが現れたため、一旦休憩という事になった。
《【Monstrous Strength】skillのlevelが上がりました!》
《【Commanding】skillが【General Commanding】skillにAwakeningしました!》
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・Name: Kanako Tsuchiya
・Race: Chaos Elf
・Age: 2age(appearance age15age程)
・Title: 【Reincarnator】 【Magical Girl】 【Evangelist】
・Job: Entertainer Guider
・Level: 0
・Job History: Apprentice Thief、Mage、Archer、Thief、Earth-Attribute Mage、Fireworks、Magical Girl、Magical Idol、Magical Dancer
・Passive skills
Dark Vision
Mental Corruption:2Lv
Intuition:7Lv(UP!)
Death Attribute Resistance:5Lv
Enhanced Agility:4Lv(UP!)
Detect Presence:5Lv
Enhanced Dexterity when Equipped with Bow: Medium(UP!)
Rapid Regeneration:3Lv(UP!)
Mysterious Strength:2Lv(UP!)
Magic Resistance:3Lv(UP!)
Allure:4Lv(UP!)
Self-Reinforcement: Ancestor:5Lv(UP!)
Self-Enhancement: Guidance:5Lv(UP!)
Self-Reinforcement: Henshin / Transformation:4Lv(UP!)
Guidance: Entertainment Path:1Lv(NEW!)
Enticement Entertainment Path:1Lv(NEW!)
・Active skills
Earth-Attribute Magic:9Lv(UP!)
Water-Attribute Magic:9Lv(UP!)
Life-Attribute Magic:7Lv
Mana Control:8Lv(UP!)
Singing:8Lv(UP!)
Dancing:8Lv(UP!)
Dagger Technique:5Lv(UP!)
Unarmed Fighting Technique:5Lv(UP!)
Archery:6Lv(UP!)
Silent Steps:5Lv
Lockpicking:3Lv
Trap:3Lv
Throwing Technique:3Lv
Compounding:3Lv
Artillery Technique:1Lv
Fireworks Creation:3Lv
-Surpass Limits-:3Lv(UP!)
Familiar Spirit Demonic Advent:3Lv(UP!)
・Unique skill
Venus:10Lv
Chaos
Diana’s Divine Protection
Vandalieu’s Divine Protection