カチャカチャと音を立てながら、spannerやscrewdriverを動かして配線を繋ぐ。screwやboltをしっかり締め、緩まないよう確かめる。
「おーい、そこを先に繋げると、隣のscrewを締めにくくなるぜ」
「なるほど、確かに腕の構造上やり難いですね。じゃあ、tentacleで締めましょう」
「……おいおい、tentacleを使うのはありなのかよ。それに、どうせならMageらしく【Telekinesis】じゃないのか」
Dougは、手の甲から生やしたtentacleとその先端のclawsで器用にscrewを締めるVandalieuを見て、苦笑いを浮かべた。
「俺の【Telekinesis】はDougの【Hecatoncheir】程器用に使えません。screw回しなんてまず無理です」
「tentacleでscrewを回しながら話すお前も十分器用だろ。それはともかく、機械いじりをした事がないから、真似事だけでもやりたいって言ったのはお前だよな? それに俺は付き合っている訳なんだが……お前がtentacleを使うなら、俺だって【Hecatoncheir】を使っちまうぞ」
DougのCheat AbilityであるMental Power、【Hecatoncheir】。百腕giantの名を持つ力を使えば、同時に複数のscrewdriverやspannerを操る事は容易い。いや、そもそも工具を動かさなくても、screwやboltを直接動かして機材を組み立てる事も可能だろう。
それに対してVandalieuは、首を傾げた。
「そう言えば、何故今まで使っていなかったのですか?」
寧ろ、何故まだ使っていないのかと、tentacleでscrewdriverを操ってscrewを締めるVandalieu。Dougは、「本物の機械いじりっぽくする」という気遣いが完全Decayしたため、仰け反って頭を抱えた。
「俺も使って良かったのかよ!?」
「Vandalieuがやりたかったのは『機械いじりの真似事』で、やり方まで『Earth』と同じじゃなくていいって事だったみたいね」
Melissaはそう言って、二人の作業を見守っている。この作業を始める前に、Vandalieuは工具はもちろん、screw、bolt、そして配線まで【Golem Creation】で創りだした。
そう、態々部品とそれを組み立てるための工具を創りだしたのだ。彼がその気になれば、最初から部品の組み立ても配線の接続も済んだconditionで創りだす事も可能だったと言うのに。
それだけ機械いじりの真似事に興味があったという事だが、同時に今Dougとしている作業がVandalieuにとっては遊興に過ぎない事の証拠でもある。
「まあ、良いじゃないですか。こうして大道具の組み立てからやっていると、eventに臨む意識が変わるってもんです。
ふぅ、spannerを握ったのなんて『激烈offroad』に出演していた時以来ですよ」
そう言いながら、別の機材の組み立てをしていたKanakoが額を袖で拭う。……別に汗はかいていないのだが、ただの気分の問題である。
「確か、その番組ってお前の最後のregular番組だったか? 確か、offroadカー専門番組の」
「ええ、Manaと電力のHybrid engineの整備を。でも……最後のじゃありません! 後、-chanと『前世の』ってつけてください! 縁起が悪いじゃないですか。今世でのEntertainment活動にimpactが出たらどうしてくれるんです、まったく」
そうKanakoが文句をつけると、DougとMelissaは声に呆れを含ませて言った。
「縁起って、まさかこっちのworldでも番組に出るつもりなのか?」
「知っていると思うけど、このworldにはnetもtelevisionも、radioだって無いのよ」
二人が言うように、『Lambda』worldにはおおよそ『番組』と呼ばれるものは無い。演劇はあるが、劇は番組ではない。
それは当然Kanakoも知っているが、彼女は得意気にVandalieuの頭に手を置いて宣言した。
「確かに無いですけど、忘れましたか!? 私達にはVanがいます!」
「はいはい、いますよー」
「いや、いたからって……もしかして、televisionやnetを再現する目途でもついたのか!?」
数々の不可能……ramenやcurryの再現を可能とした彼なら、もしかしたら情報伝達や娯楽の分野でも何か成し遂げるのではないか? そんな期待が膨らむ。
「いいえ、それはまだまだです」
「……そりゃそうだよな」
だが、期待は膨らんだだけで萎んでしまった。しかし、肩を落とすDougにVandalieuは「でも」と続けた。
「でも、将来は分かりません。数十年か数百年後、未来ではこのworldに合った形の近代mediaがdevelopmentしているかもしれません。……映画の再現は出来るようになりましたし」
【Demon King Fragment】を使用しての、映像の上映も可能になっている。『Earth』や『Origin』と全く同じとはいかないだろうが、将来的には-sama々なmediaが情報を伝え、娯楽となって人々を楽しませているかもしれない。
「その日の為に! 今はこうして目の前のeventを成功させるため一歩一歩行きましょう! 折角 VanもStage debutしてくれる事になったんですから」
そう未来の番組出演に野心を滾らせるKanakoがVandalieuの肩を叩くと、彼はbody partを硬直させ、目を閉じた。
《【Deadly Venom Secretion:(Fangs, Claws, Tongue)】、【Demon King Artillery Technique】、【High-Speed Flight】skillのlevelが上がりました!》
「ど、どうしたんですか!? 突然動かなくなりましたけど」
動かなくなったVandalieuをKanako達が心配そうに見つめて尋ねる。意識を脳内アナウンスと、Demon King Familiarから伝わって来た感覚から戻したVandalieuは、大丈夫だと頷いた。
「偽Cuatroが予定通り自爆しただけですから、大丈夫です」
昨日の会議で今後のpolicyが決まった後、Vandalieuは爆弾代わりの偽Cuatroを創った。相応の量の木材を買い、【Golem Creation】skillでCuatroそっくりの船を造船し、Demon King Familiarや【Demon King's Blubber】を詰め込んだ。
そしてそれをGufadgarnが地上へ【Teleportation】させ、十分に惹きつけてから自爆させたのだ。
Manaは相応に消費したが、逆に言えば相応のManaと木材、そして時間があれば幾らでも創る事が出来るお手軽なtacticsである。
「Repobillisの霊が言っていた通り、space attributeの神がいました。今は、一応奴らをDemon King Familiarに尾行させています。……maybe、失敗しますけどね」
小さなDemon King Familiarは、材料こそ【Demon King Fragment】だが、このDemon KingのContinentには【Demon King Fragment】を傷つける事が出来そうな高Rankのmonstersがうようよしている。
流石にDemi-Godよりもweak Rank12以下のmonstersが大半だが、戦闘Abilityより隠密性を優先して作ったDemon King Familiarは、それらの一撃で簡単に壊されてしまうだろう。
ならほぼ透明な使い魔、Lemureを放つのはどうかというと……このDemon KingのContinentの過酷な環境に、脆弱なLemureでは耐えられないのだ。monstersに見つかる前に消滅してしまう。
「じゃあ、さっきのはDemon King Familiarが感じた自爆のshockと、脳内アナウンスか何かを聞いていたんですか? 痛みも共有しているのに、よく自爆tacticsなんて実行できますね」
Vandalieuは、Demon King Familiarが感じている痛みをそのまま共有していた。だから当然、偽Cuatroで焼かれるDemon King Familiar達の感覚も共有していた。
「いっそのこと、Demon King Familiarは痛みを感じなくした方が良いんじゃないか?」
「Doug、痛覚をLostすると動きが大雑把になってしまいますし、感覚も鈍くなりますから。まあ、今回は大雑把になっても構わなかったかもしれませんけど」
何せ船に乗って、十分に惹きつけるまで攻撃を仕掛けるだけだ。動きが雑になったとしても、問題無かったかもしれない。
「それに、痛みについては、感じ方が前とは変わっていますから大丈夫です」
「痛みの感じ方が変わる? それって鈍くなったって言う事?」
Melissaに尋ねられたVandalieuは、説明を始めた。
このworldには、levelとAbility Valuesが存在する。そしてAbility Valuesには、Vitality……いわゆるHPも存在する。そのため、一般人が死ぬようなAttack Powerの一撃を受けても、Vitalityを成長させた上Class adventurerやKnight等は、平気な顔をしている事が多い。
そうした現象は、物理的な傷だけではなく、痛みの感覚にも現れる。痛みは危険を知らせる信号だという言葉もあるが、その信号の基準がVitalityのincreaseによって変化してしまうのだ。
一般人なら、faintedも出来ないような激痛を覚えるはずの攻撃を受けても、上Class adventurerはenduranceできる程度の痛みしか感じていない場合が多い。
更に【Rapid Regeneration】skill等を覚えた場合は、痛覚はより緩くなる。
【Rapid Regeneration】skillは傷だけではなく、失った部位の再生も可能とするskillだ。そのため、普通なら危険信号がかき鳴らされるような傷でも、「それほどではない」と体が判定を下してしまう。
そして腕を切り落としても数秒で新しい腕に生え変わる【Super Rapid Regeneration】skillを持っている場合は、殆どの痛みはただの信号である。
なので、Vandalieuも腕を切り落とされたり、boneを粉々にされたりしても、覚える痛みはenduranceできる程度でしかない。
「まあ、爆発によって一瞬でバラバラになるので、今回の場合は痛みを殆ど感じないのですが。だからこそ、砲弾型Demon King FamiliarなんてCloneも作れるのです」
「……そう言えば、あれもDemon King Familiarなのよね」
Moksiの町の地下に創ったDungeonで、Pure-breed Vampire Birkyneと戦った時に使った砲弾型Demon King Familiarは、そもそも自爆する事が目的のCloneである。痛みに耐えられないなら、そもそも創らない。
「ところで、装置の組み立てが終わったぜ。event前に、試運転した方が良いんじゃないか?」
Dougがspannerを置いて、そう言って機材を指差した。機械いじりの真似事をしながら作った機材だが、当然電気で動く機械ではない。
Manaで動くmagic itemだ。では、そんなmagic itemに何故配線を繋ぐ必要があるのか――。
「そうですね。では、早速Manaを通して見ましょう」
そう言いながらVandalieuは機材に手を向けると、そこから半透明のSpirit Formが出た。そして、激しくLuminescenceし、はじけるような音を立て始める。まるで電撃のようだ。
そしてSpirit Formは機材に向かって放たれた。Spirit FormからManaが機材に供給され、それは配線を通って他の機材にも流れ、作動し、色とりどりの光を発した。
「配線を使った複数のmagic itemの連結は、成功のようですね。【Spirit Form Transformation: Thunder】が、やっと役に立ちます」
配線を繋いだのは、【Spirit Form Transformation: Thunder】を活用するためのものだった。
『God of Thunderclouds』Fitunと、【Marionette】のHajime Inuiの魂を喰らった事で獲得した【Spirit Form Transformation: Thunder】skill。それは、Spirit Formとそこから出すManaの性質を雷……つまり電気に変化させる効果のskillだった。
性質が電気なので、変化している間のSpirit FormやManaは水や金属は通るが、ゴムは通らない。しかし、性質が変化していてもSpirit FormやManaである事に違いはないので、感電……感魔しても痺れる事はなく、またすぐにenergyが拡散して貯めるのが難しいという事もない。
そこでVandalieuは、配線でbatteryの役割を果たすMagic Stone部分と、複数のmagic itemを繋いだ機材を創ったのだ。
これで、これまでは使用者が一つ一つManaを流すか、電池代わりになる高価なMagic Stoneを内蔵させなければならなかったmagic itemが、配線を繋ぐだけで同時に複数動かす事が出来る。
「上手くいったみたいね。大型の蓄電池は『Earth』ではかなり高価だった覚えがあるけど……電気っぽくなっていてもManaなのよね」
「Manaですからね」
電気と違い、Manaを貯めるのは技術的には容易だ。それなりの大きさのMagic Stoneが必要だから、原材料費はそれなりにかかるが。しかし、その原価を払えば簡単にManaを溜める装置を作る事が出来る。
「将来はVidal Magic Empire中に電線網を整備して、magic itemを活かした快適な暮らしを誰もが送れるようにしたいですね」
「夢が広がっているようですね! でも、その前に今日のStageです。Demon King Familiarの準備も万全にお願いしますよ」
「ええ、certainlyです」
Moksiの町から【Teleportation】によってGartlandに訪れたKanako達は、街のOpen PlazaでConcert eventを開催した。
ただ歌うだけではなく、Oracleによって導かれたVandalieu、そしてUndead達はどんな人達なのか知ってもらうための、身の上話や過去の出来事を題材にした劇、Vidal Magic Empireについての説明も行われた。
何故今こんな事をしているのかというと、それはGartlandの住人達を効率良くGuidingためだった。
これから行うtacticsはGartlandの住人達の協力が、そして何よりも理解が必要なので、そのためだ。
certainly Rudolf(Randolph)達、現地採用のmemberは連れて来ていないが、その分の穴はVandalieuのDemon King Familiarと、新memberで補うのでeventの進行に問題は起きなかった。
『とは言っても、俺はほぼただの楽器ですが』
【String User】と【Vengeful Berserker】Jobで培った弦と音に関する力を発揮して、Vandalieuは楽器型Demon King Familiarを創りだした。
束ねた【Demon King's Fur】を弦にして弦楽器型、【Demon Kingのlung】や【skin】等を膜代わりにして反響させてdrum型、【bone】で笛型のDemon King Familiarを創る。
Kanakoからはこの機会に【Musical Instrument Performance】skillを獲得し、楽器型ではなく楽師型のDemon King Familiarを創れるようになって欲しいと言われているが、中々難しいと、Vandalieuは思っていた。
「練習はしていたけど、本番は中々……やっぱり、動画を投稿するのとは違うわね」
『お客-sanは、potatoか何かと思えば良いらしいよ!』
『pumpkinじゃなかったっけ?』
「Privelは平気ですか……trance conditionになってる!?」
「ララララ~」
舞台に上がるのを固辞したMelissa以外、KanakoとJeenaとZandiaが、このStageでdebutしたLegionのPlutoをfollowしている。
人の姿にTransformして、body partを動かす為にVandalieuが作ったPseudo- bone格を体内に取り込んだPlutoは、緊張しながらもなんとかbody partを動かし、Stageをこなしていた。
同じく初debutのPrivelは、どうやら踊っている内にtrance conditionになってしまったようだ。MerrebeveilやJugarionが彼女を通してOracleを下そうとしている……訳ではなさそうだが。
そしてGartlandの住人達にも、Stageは好評のようだった。
「これが地上のVida believerで流行している説法なのか? 歌の形で信仰を説くのは分かり易くて良いな!」
「colorfulで綺麗ね~。歌も面白いわ」
面積自体は広いが、閉鎖的なGartlandでは芸術や-sama々な技術のdevelopmentに偏りが生じていた。そのため、Kanako達のStageは煌びやかに映ったようだ。
そしてStageが終わると、住民たちの殆どが導かれたようだった。certainly、Vandalieuは人々が自身に導かれたどうかは感覚でしか分からないので、何となくそう感じるだけだが、最初にGuider Jobに就いてからもう何年も経っている。感覚で、大まかに判断する事が出来る。
しかし、その感覚にやや妙なsignを覚えた。別に不快な訳ではなく、胸騒ぎを覚える訳でもない。ただ、少し妙な気がするのだ。
念のためにとVandalieuは住民達の何人かに話しかけてみたが、彼等は何も感じていないようだ。
「妙と言えば……たしかに体がいつもより軽く、力が漲っているような気がする!」
「今からでもDungeonに潜れそうなぐらい!」
と言う話は聞く事が出来たが、それは【Guidance】skillのimpactを受けてAbility Valuesがincreaseしているだけなので、Vandalieuが覚えた妙な感覚とは関係がない。
「気のせいじゃないですか?」
「うーん……そのようですね」
特に異変は起きていないようなので、Vandalieuはこの時覚えた感覚について考えるのを止めた。
《【Musical Instrument Performance】skillを獲得しました!》
《【Enticement Dark Demon Creation Destruction Dream Path】、【Guidance: Dark Demon Creation Destruction Dream Path】skillのlevelが上がりました!》
そしてConcertの後、Ability ValuesがincreaseしたDoranezaの【Demon King Fragment】の摘出を試みた。
「妾の【Demon King Encroachment】はまだ3levelじゃ。しかし、妾では【Demon King Fragment】を制御できん。取り出せるなら早く取り出した方が良いのじゃ。
【Demon Kingのmucus glands】には今まで何度も助けられたが、それは変わらん」
生きたままfragmentを取り出す事が出来る。そう聞いた時に、Doranezaはfragmentの摘出をVandalieuに頼んでいた。
ただ、念のため彼女のAbility Valuesが導かれて多少でも上がるのを待っていたのである。
「runaway conditionのずっと前で、場所もmucus glandsなので大丈夫ですよ」
以前fragmentを摘出したが、そのまま死んだGoblinとは違うと考えつつ、【Spirit Form Transformation】した腕でDoranezaの体内に侵入する。
「う゛ぅっ!」
【……? ……main bodyっ!? main bodyぃ!!】
Doranezaが異物感に喘ぎ声を上げ、同時に【Demon Kingのmucus glands】のsignがVandalieuの腕に伝わってくる。
【mucus glands】にとってmain bodyであるVandalieuと合流しようと蠢きだすが、まだDoranezaの【Demon King Encroachment】のlevelが低いので、body partを乗っ取る事が出来ない。
そのため強制的にActivateし、Doranezaをrunaway conditionにまで追い込もうとする。
【我、main bodyに合流す! 仮の宿主を破棄すべし! 我、main bodyに合流す! 仮の宿主を破棄すべし!】
「静かに」
【我、main bodyに……我、鎮静すべし】
騒ぎ出した【mucus glands】に対して、Vandalieuが強く落ち着くよう命じると、効果は劇的だった。まるで死んだように沈黙する。
そのまま手で掬い上げるようにして、【mucus glands】を回収し、腕を引き抜く。
【我等、【mucus glands】を迎え入れ、また一歩完全体に近づく】
そしてDoranezaの体内ではなく、Vandalieuの体内から【fragment】の声がした。
「くはっ……もう、終わったのか? う゛、【Demon King Encroachment】が消えた?」
短いSurgeryだったがFatigueした-sama子のDoranezaに、VandalieuはBlood potionを差し出す。
「ええ、fragmentはもう摘出し、俺の体内にあります。お疲れ-samaでした。水分補給と、body partの再生を促す為にどうぞ」
Surgeryを見守っていた彼女の一族達が、成功を聞いて歓声をあげる。
「Doraneza -samaが仕方なく、守っていた【Demon King Fragment】のsealedを解き、 Bahn Gaia continentから逃げ出してから数年! fragmentから解放される日が来るとは……! きっと先代-samaも喜んでおられるでしょう!」
Doranezaの一族にとって、【Demon King Fragment】は代々守って来たが宝ではなく、大きな負担だったのだろう。彼等はDoranezaが助かった喜びと、解放感に顔を輝かせている。
「Dora、よく頑張ったな。Vandalieu -donoも、心から感謝する!」
「やったね、Dora -chan!」
Dediriaと、初対面の時から友達になっていたらしいPrivelも喜んでいる。
ちなみに、GartlandのGodsや住人達で【Demon King Fragment】を持っている者は、他にはいない。
Povaz達元Demon King Army Remnantsは、Guduranisが【Demon King Fragment】にされsealedされる前に逃げ散っている。Marisjaferや、Dediria達Majin Raceに信仰されていた『Evil God of Poisonous Mushrooms』Periazeilも、彼等自身がfragmentを守っていた訳ではない。
Dediriaの一族が守っていたfragmentのsealedは、討伐しに来たadventurerに奪われている。今頃はDuke Farzon領のAlda templeにあるだろうと、彼女は語った。
「まあ、これで後顧の憂いはなくなりました」
「Vandalieu -dono! いや、Vandalieu -sama、感謝いたしますぞ! このご恩に報い、偉業を子々孫々に語り継ぐためにも、湖底のtempleにあなたの像を建立致しましょう!」
「ああ、憂いが出来てしまった……」
Doranezaの腹心格で、爺や的な存在であるBastianの言葉に、Vandalieuは思わず膝を突いた。
「Van -kun……skillもあるんだし、Talosheimには大きな像もあるんだから慣れれば良いのに」
Privelに、【Strengthened Attribute Values: Target of Faith】……つまり、誰かに信仰されるとAbility ValuesがEnhanced (1)されるskillを持っている事等を指摘されるが、Vandalieuの気分は晴れなかった。
「Privel、慣れてしまったら、もう元には戻れなくなります。越えてはいけない一線が在るのです」
「……ううん、まあ、ボクもraceに姫がついたのはshockだったから、そう言うのは分からなくもないけど」
「あの、今日のConcertと言う歌劇のimpactか、街のtempleでも像を建立しようと言う話が持ち上がっているのだが」
二人の-sama子を見たDediriaが、そう教えるとVandalieuは地面に崩れるように倒れた。
「まあ、Vandalieu -donoだけではなく、Darcia -donoとKanako -donoの像もだが。Vidaの信仰を新しい形で説くSaintessだと思われているらしい。大きさも、等身大ぐらいだと思う」
「……じゃあ、良いです」
むくりと、立ち上がるVandalieu。
等身大という事は、自分の石像は小さいはずであるし、DarciaやKanakoの像が建立されるのは誇らしいので良い事である。
「では、Jullak 町長達に話して、協力を願いましょう。Gohn達相手に手こずっているように偽りつつ……Botinのsealedに直接繋がるtunnelを掘る一大事業に」
《【Strengthened Attribute Values: Target of Faith】skillのlevelが上がりました!》
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・Name: Doraneza
・Race: Merfolk
・Age: 15
・Title: 【Merfolk Queen】
・Job: Advanced Shrine Maiden
・Level: 83
・Job History: Apprentice Shrine Maiden、Shrine Maiden、Mage、Water-Attribute Mage
・Passive skills
Underwater Adaptation
Night Vision
Enhanced Body Part (Lower body half)
Self-Enhancement: underwater:4Lv
Enhanced Agility:3Lv
Demon King Encroachment:3Lv(消失!)
・Active skills
Fishing:2Lv
High-Speed Swimming:3Lv
Dancing:5Lv
Singing:5Lv
Mana Control:4Lv
No-Attribute Magic:2Lv
Water-Attribute Magic:5Lv
Familiar Spirit Advent:1Lv
・Unique skill
Marisjafer 's Divine Protection
■■■■■ー's Divine Protection