Job changeを終えたVandalieu一行は、Jullak 町長から町を挙げての歓迎を受けた。
宴が開かれ、Gartlandの名物である茸や海産物、毛長象やGiant sloth等他では見ない珍しいmonstersを使ったCookingが振る舞われた。
「このイルカ、scaleがあるんだね」
「Privel、それは魚竜という水棲の恐竜らしいですよ」
「そうなの!?」
驚くPrivelだが、実はVandalieuも知らなかったが、魚竜は恐竜ではなく水棲爬虫類である。少なくとも『Earth』では。この『Lambda』での分類は不明である。
「nautilusのフライに、Giant slothのタンも絶品じゃぞ」
魚竜の姿焼きや、-sama々な肉のbarbecueにVandalieu達はtongue鼓を打った。
そして、Vandalieu達も振る舞われるだけではなく、手に入れていた食材を気前よく振る舞った。
「これは初めて食べる味ですね」
「それはstarfishです。俺も初めてCookingしましたが、ここの茸のsauceのお蔭で上手くできたと思います」
「starfish!? starfishをCookingしたのですか!? それもこんなに……集めるのが大変だったのでは?」
Jullak 町長が食べていたCookingが、starfishだと知って目を丸くした。そして宴には、彼が食べたものと同じstarfish Cookingがまだまだ並んでいる。
このCookingのために何千、何万匹ものstarfishを使ったのだろうかと想像し、それに必要な労力を考えると気が遠くなるJullakだったが、Vandalieuの次の言葉で納得した。
「いえ、『Starfish Beast King』がバラバラになる前にGufadgarnが集めてくれたので、特に大変ではありませんでした」
starfishとは『Starfish Beast King』Repobillisの事だった。可食部位の少ないstarfishでも、全長百meter以上の巨体なら、かなりの量になる。
味は同程度の強さのmonstersと比べると大分落ちるが、それでも並の食材よりは美味い。
『その節はお世話になりました』
「いいえ、見事な戦働きだった」
Repobillisを倒したBone Manと、集めたGufadgarnがそうお互いを労う。その向こうでは、Borkus達とSnow Ice Giant race達が杯を交わしていた。
元は同じGiant race同士、気が合うのだろう。
「この肉は硬いが、噛めば噛むほど豊かな滋味が染みだしてくる」
「いったい、何の肉なのだ?」
『おう、Radatelってgiantの肉だ』
「ごぶっ!?」
だが、Snow Ice Giant race達はTrue giantを食べる事に、まだ抵抗があったようだ。思わず吹いて、肉を吐き出しそうになる。
『折角のお肉がもったいないよ。このままだと無駄になっちゃうし、他の獲物のように感謝して食べてあげないと』
しかし、そうJeenaが言うと、Snow Ice Giant race達も「そう言うものか」と考え直したようだ。
「……そうだな。狩りの獲物と同じように、食えるなら食ってやらないとな」
「食って相手の命に感謝を捧げる。それはTrue giantだろうが、Beast Kingだろうが、変わらない。さすが、地上のVidaのCleric -samaは言う事が違う」
Gartlandでは、PovazやZorzaceibaの主神としてVidaが信仰されている。そのため、VidaのFamiliar Spiritを降ろす事が出来るJeenaは、特別な存在と見なされていた。
『そうそう、食べないと無駄になっちゃうからね』
だから食の忌避感を抑えてしまう程には、尊敬されているのである。
ちなみに、Zwoldoの肉は主にPeteが食べているので、宴に供されていなかった。
そして宴が済んで次の日、十分に英気を養ったVandalieu一行は、DoranezaやDediria、そしてJullak 町長を加えた仲間達と共も話し合った。
Gartlandから遠く離れたVidal Magic Empireや、Alcremに居るmemberもGufadgarnの【Teleportation】によって集まっている。
『policyって言っても、またすぐ殴り込めばいいだけじゃねぇか? 敵の数や構成も、あの龍やstarfishの霊から聞き出したんだろ?』
地上に集まっている『Rock Giant』Gohn達の戦力は、数も特性も『Great Vortex Dragon God』Zwoldoと『Starfish Beast King』Repobillisの霊から聞き出している。
敵の数はやはりDemi-Godを中心とした約三十柱で、現場Commanderは『Rock Giant』Gohn。『Lightning Giant』Blateo、そしてVandalieu達はまだ直接戦っていないが『Ocean Dragon God』Madroza等が副官格だ。……Blateoは副官という感じではなかったが。
それらの情報を参考に、地上へ再び殴り込みを仕掛けるのは、実は悪い提案ではない。寧ろ常道である。
『ヂュウ。敵は先の戦いで数が減っています。対して、こちらはDarcia -samaやGodwin -dono、Legion、そしてLuciliano達が加わり、戦力は格段に上がりました。
主よ、敵が新たな戦力を補充する前に仕掛けるべきかと』
「私も戦力に入っているのかね!? 出来ればここで暫く、Homunculusや新発見されたVida's New Racesを研究する事に、専念したいのだが」
Lucilianoが、自分も戦力に含まれていると知って、慌てて声をあげる。veteranの前衛職が揃っている事が前提だが、彼もAClass Dungeonの攻略に参加できる程の実力を持っているのだが……性格は実力の高低にimpactを受けないようだ。
「まあ、Lucilianoはそのために来てもらったので、研究とGartlandのMage達との技術交流に専念してください」
そう彼が言った途端、両手でBanzaiをするLuciliano。喜ぶpupilsから視線を外したVandalieuは、Borkus達に向き直って語った。
「確かに、これから態勢と戦力を整えて、sealedされているBotinの元へPierceする事も可能です。場所も、Povaz達のお蔭で分かりましたし」
GartlandのGodsは、Marisjafer以外は元Demon King Army所属でBotinがDemon King Guduranisにsealedされた場所を知っていた。しかも、Demon Kingが倒された後Continentから離れたGufadgarn達と違い、十万年の間Continentの地下に潜んでいた。
miasmaによる重篤な汚染でContinentの形が変化し、spaceや重力が歪んでいても、Botinがsealedされている場所は把握し続けている。
『このContinentを見捨てたAlda達も、sealedの-sama子だけは注意し続けていたからな。迂闊に近づくと我々とGartlandの存在に気がつかれるかもしれないので、常に気を付けていたのだ。多少の誤差はあるかもしれんが、空を飛ぶ船を持つお前達の機動力なら、問題にはならないだろう』
GartlandのGodsを代表して、Demi-GodであるZorzaceibaがそう説明した。
そしてVandalieuが再び口を開いた。
「挑めば俺達はGohn達に勝ち、sealedされたBotinの元に辿りつくでしょう。
ですが、今度はGohn達も態勢を整え、前のような不手際は起こさずに俺達を迎え撃つでしょうから、厳しい戦いになる筈です。犠牲が出るかもしれませんし、Botinがsealedされている場所に到達できても、sealedを解くのにどれくらいかかるか分かりません」
Demon KingのContinentに到達したばかりの時に受けた、Gohn達の待ち伏せ。その時は『Thunder Giant』Radatelと『Great Vortex Dragon God』Zwoldoの先走りによって、不完全なconditionだった。それゆえ、包囲網が完成する前に撤退する事が出来た。
しかし、総力戦になれば戦いは激化し、一行の中でやや実力的に劣るCuatroや『Four Captains of the Dead Sea』、Undead船員に犠牲者が出るかもしれない。
それに、そうしてGohn達に勝ってもBotinにかけられたsealedをすぐ解けるとは限らない。
これまでVandalieuは、自分の魂に施されたCurse以外のCurseやsealedを幾つも解いて来た。その中には、神やChampionが施したものも含まれている。
しかし、Demon King Guduranisが自ら施したsealedに触れるのは初めてだ。ほんの数秒で解けるとは限らない。一時間や二時間、もしかしたら半日以上かかるかもしれない。
……こう説明すると、短い時間のように思うかもしれないが、戦闘の最中に行うには長すぎる時間だ。
certainlyすぐに解ける可能性もあるが、それを当てにするのは危険すぎる。
『なら、Gohn達を全滅させてからsealedを解けば良い。それに犠牲がでる可能性って言っても、これまでと同じだぜ。
戦力を集めて、準備万端に整えても殺し合いだ。Devil Nestsでの狩りだろうがDungeonの攻略だろうが、死ぬ可能性はある。あるが、それを恐れちゃ飯の種は手に入らねぇ』
『Borkusは、これまでと同じように過度に恐れる必要はないって言いたいみたい。まあ、それには私も同感だし……準備を整えて、Cuatroだけじゃなく小回りの利くSamも投入して、Abyssal Pure-breed Vampireの人達も集めれば犠牲も出ないんじゃないかな?』
『勝負が終わったら、すぐBoundary Mountain Rangeに戻ってもらわないと拙いけど。他のDemi-GodがBoundary Mountain Rangeに攻め込んでくるかもしれないし』
JeenaとZandiaがBorkusの意見に頷き、出るかもしれない犠牲をZeroにする方策を出す。敵である約三十のDemi-Godは脅威だが、Vandalieu達にも二十人以上のPure-breed Vampire達がいる。
Boundary Mountain Range内部の守りが手薄になるのを恐れなければ、Demon KingのContinentのDemi-God戦力を圧倒する事も出来るだろう。
「Borkus達もそう言っているし、Gohn達を倒した後sealedを解けば、それでいいんじゃないの?」
Privelがそう尋ねるが、Vandalieuは首を横に振った。
「いいえ、Gohn達を全滅させても、新たに神やHeroic spiritが現れるかもしれません。Demon KingのContinentにはいくつかPseudo-的なDivine Realmがあるようです。前の戦いの時、角笛や陣太鼓を持った神が来ていたのが見えましたから」
Demi-God達は物理的なBodyを持っている。そのため、【Teleportation】で瞬間移動でもしない限り、他の場所からDemon KingのContinentにはせ参じるためには海を泳ぐか、空を飛ぶしかない。
だが神はBodyを持たない分、ほんの数分で移動してくる。地上がPseudo-Divine Realmになっていれば、Adventする事も可能だ。
そして地上には、Gohn達によって幾つものPseudo-Divine Realmが創られている。Radatel達は、Pseudo-Divine Realmが創られている事自体は知っていたが、その数やaccurateな位置は知らなかった。
殺された時Vandalieuに情報が渡らないよう、敢えて知らされなかったのか、それともただRadatel達にとって必要ではないので、知ろうとしなかったのかは分からないが。
分かっているのは、Botinがsealedされている近くにも必ずPseudo-Divine Realmがあるだろうという事だけだ。
「連中は失礼な事に、どうやら俺がBotinの魂を喰うためにやって来たと思い込んでいるようです。それを防ぐためなら、戦力を追加で送り込んでくるでしょう」
Pseudo-Divine Realmは作ったGohnや、Sirius達を倒しても残る。そこに次から次に神やHeroic spiritがAdventしたら、キリがない。
「では、一気にPierceするのではなく、敵の戦力を削っては退くのを繰り返してはどうかしら?」
敵に援軍がある可能性を考えたEleonoraは、そう提案した。
「神と言っても……いいえ、神だからこそ一度受けたDamageがすぐに治る事はないはずだし、新しい即戦力をDemon KingのContinentに集めるには時間がかかるはずよ。対して、私達はVan -samaがいれば幾らでも回復する事が出来る」
戦いで消耗したManaは、Vandalieuが【Mana Transfer】をすれば補う事が出来る。Vandalieu自身のManaは【Constant Mana Recovery】skillと【Mana Recovery Rate Increase】skillのお蔭で、常に回復している。倒したDemi-GodやBellmondのbloodを飲めば、【Bloodrule】skillの効果で回復はさらに早まる。
injureをした場合でも、Blood potionに、DarciaやJeena、Zandia等のmagicがある。
その気になれば、一日に二度以上Gohn達を攻める事も出来るだろう。
「そうして短い間隔でHit & Runを繰り返し、相手が数を減らしたところで突っ込んで全滅させる。そしてVan -samaがsealedを解いている間、私達がVan -samaをお守りすればいいのよ」
『なるほど。それに、もしVan -samaを守るのに戦力が足りなければ、そしてBotinに掛けられたsealedを解くのに時間がかかりそうなら、Vandalieu -samaに補充用のDemon King Familiarを創ってもらえば良いのね』
IslaがEleonoraの提案したtacticsを内心苦々しく思いながらも補足し、肯定する。ライバルが良さそうなtacticsを立案したのは気にくわないが、個人的なemotionsだけでEleonoraの脚を引っ張ろうとする姿を、Vandalieuに見せたくないからだ。
実際、Eleonoraの提案したtacticsはGohnが最も恐れているものであり、実行すれば一定以上の効果をあげるのは間違いない。
しかし、このままEleonoraの提案を通す訳にはいかないと、粗を突く。
『しかし、Hit & Runを繰り返すそうだけれど襲撃と撤退の方法を考えているの? 次からもGartlandに逃げ込む事が出来るとは限らないし、【Teleportation】を使って逃げるなら、敵も何らかの方法でそれを止めようとするはずよ』
『そうね。特に【Teleportation】対策は向こうもしてくるでしょうし。そう考えると、昨日【Teleportation】じゃなくて、Gartlandに逃げ込めたのは幸いだったかもしれない』
『Daltonからも忠告されたしね』
Islaに痛いところを突かれたEleonoraが顔を顰め、さらに、Legion達はGohn達が【Teleportation】対策をしていた可能性について言及する。
『Gufadgarn! space attributeのEvil God (M)と見込んで尋ねるが、Gohn達が-kunの【Teleportation】を邪魔する事は可能なのか!?』
「可能です、Valkyrie。偉大なるVandalieuがRepobillis達の霊から聞き出したところによると、あの戦場ではspace attributeの神が幾柱か、潜んでいました。彼らなら、私の【Teleportation】を妨害し、Activateを遅延させる事ができるでしょう」
「出来るんだ……じゃあ、ますますDora -chanに招いてもらって良かったね。いざ、【Teleportation】で逃げるぞって時に邪魔されていたら、隙を突かれていたかもしれないし」
『たしかに。予定していた逃走が止められれば、我々も動揺していたはず』
PrivelとMikhailが口々にそうnod。
ただVandalieu達は知らないが、space attributeを司るGreat God ZuruwarnのSubordinate Godで、元HumanのSubordinate Godは全てVida's Factionについた。Alda's FactionについたとされるGodsは、egoを持たないManaから創られたFamiliar Spiritが昇華した神ばかりだった。それも、何が起きてもworldの維持管理を行うようZuruwarnから指示を受けた神ばかりだ。
だから、実際はAlda's FactionにZuruwarnのSubordinate Godがいる訳ではない。
worldの維持管理を行っているZuruwarnのSubordinate Godの近くに、Alda's Factionがいるだけだ。
だが、VidaとAldaの戦いから十万年以上が過ぎており、space attributeに適性のあるAlda believerの内、大きなachievementを遺した者も何人かいた。本来なら、そうした者達は「Space-Attribute Magicも使える、『God of Law and Life』AldaのSubordinate God」になるはずだった。
だが、Aldaはそうした者を、自分の勢力の一員であると思い込んでいるZuruwarnのSubordinate Godの元に連れて行き、space attributeの神として認めるよう、要請した。worldの維持管理を行う神の数に不安がある、ZuruwarnのSubordinate Godを増やすために。
そして、egoを持たないZuruwarnのSubordinate Godは、『worldの維持管理のために』 という理由で、Zuruwarnの代理として要請に従った。
こうして、「元Alda believerのspace attributeの神」が何柱も誕生してしまった。Aldaが意図した事ではないが、space attributeの神となった事で彼らのSpace-Attribute MagicはHumanだった頃の技量に神としての権限が加わり、強力なものになっている。
space attributeに特化した、『Evil God of Labyrinths』Gufadgarnにある程度対抗できる程にまで。
Zuruwarnとしては想定外の事態で、Aldaを『天然って怖い』と評していた。
しかし、誰もtempleまで訪ねてZuruwarnに説明を求めようとしないまま、話し合いは進んで行く。……ある意味、かの神は信用されているのかもしれない。
「そうなると、撤退するには普通に逃げるか、Demon KingのContinentから遠く離れた場所から【Teleportation】しないといけない訳ね」
「それと、直接Gartlandに【Teleportation】するのは避けた方が良いと思うの。legend的なspace attributeのMageは、他人が【Teleportation】した痕跡を辿って、行き先を特定できるって聞いた事があるわ」
「それじゃあ、ますますHit & Runはダメね」
Darciaの提案に、Eleonoraは苦笑いを浮かべて自身の案を下げようとした。しかし、Vandalieuはそれに待ったをかけた。
「いえ、Eleonoraの案は良い案だと思います。それで俺の案なのですが、Gohn達に俺達のtacticsをHit & Runを繰り返し、戦力を削る事だと誤解させ、その間に――」
VandalieuがDemon KingのContinentに姿を現した二日後……Gartlandで彼らがtactics会議を行った翌日……再び彼等はDemon KingのContinentの近くに出現した。
Bahn Gaia continentのAlcrem DuchyにVandalieuの姿があったが、今度は『God of War Horns』Siriusも最初から偽物を疑い、いつでもDemon KingのContinentのPseudo-Divine RealmにAdventできるよう待機していた。
まだ負傷者が回復しきらず、戦力が回復していないGohn達も、先走るRadatelや『Great Vortex Dragon God』Zwoldoがいなくなった事で、今度はスムーズにCuatroを包囲する事に成功した。
『今度こそ倒すのだ! だが、奴の『World Breaker Hollow Cannon』だけは何としても回避しろ! 直撃すれば死はcertainly、魂の消滅は避けられんぞ!』
『分かりきった事をごちゃごちゃと、喧しいぞ!』
GohnのCommandingに従いながらも、『Lightning Giant』Blateoと『Ocean Dragon God』Madrozaはそれぞれ息子の仇を討つべく、Cuatroに接近する。
大砲型Demon King FamiliarがSustained Fireする卵弾や、音波攻撃型Demon King Familiarの【Scream】攻撃を掻い潜り、甲板から怪光線を放つVandalieuに、Roaring Lightningを纏った拳や龍のBreathを叩きつけようとした時、気がついた。
『これは、偽物!?』
Cuatroの甲板にいるBorkusやPrivel、Undead船員達は、よく見れば彼等そっくりに成形、彩色されたStone Golem。そしてVandalieuだと思ったのは幻で、大人の頭ほどもあるcountlessの【Demon King's Eyeballs】が【Demon King's treasure orb】に幾つも連結された、怪光線を放つ事に特化されたDemon King Familiarだった。
『しまった、これはTrapだ!』
『全員、身を守りなさい!』
BlateoとMadrozaは咄嗟にそう叫んで身を翻すが、それを見つめるDemon King Familiarの虚ろな瞳は「もう遅い」と嘲笑っているようだった。
そして、次の瞬間Cuatroは太陽のように輝くと、大爆発を起こした。
『ぎああああああああ!』
『親父-donoっ!? ぐあっ!?』
『ぐあああっ! magicの盾を何かがthrust抜けて来るだと!?』
衝撃に打たれ、炎に焼かれた龍やgiantが海に墜落する。咄嗟にmagicで障壁を作り、炎と爆風を防いだ者もいたが、爆風に混じって飛来したcountlessの【Demon King's Horn】や【crystal】、【bone】の飛礫が、その障壁を貫き、Demi-God達にthrust刺さった。
『これは自爆……いや、最初から囮に釣られて集まった儂等を殺すためのTrapか!』
Gohnは偽Cuatroから離れており、そしてFortuneにも彼が作り出したのはManaではなく、Manaで創りだした岩の壁だったため、自分と周囲の仲間を【Demon King Fragment】の飛礫から守る事が出来た。
しかし、悔しげな唸り声をあげずにはいられない。
一昨日のように、『Sword King』Borkusや『Saintess of Healing』Jeena達が船から飛び出さなかった事に対して怪しまず、Vandalieu達を倒すか、追い返す事に必死になり過ぎたせいで、まんまとTrapにかかってしまった。
前回の戦いで受けた被害と戦力の低下から回復していなかった事で、焦り過ぎたのだ。
……前回の戦いの傷が深い者を連れて来ていなかったのは、不幸中の幸いと言えるが。
『くっ、動ける者の半分は海に落ちた者を助けに行け! 残りは周囲を警戒しろ! 近くに本物が潜んでいるかもしれん!』
そう指示を出しながら、仲間のconditionを確認する。海に落ちた者達は重傷だが、死んではいない。飛礫の被害も、偽Cuatroから距離を取っていた者はさほど重くはない。……飛礫には毒も塗られていたが、強靭なDemi-GodのVitalityを直接脅かす程の毒ではないようだ。
自慢の鎧のお蔭で飛礫を防げた『Iron Giant』Nabangerは、偽Cuatroが浮かんでいた辺りを見つめて呻いた。
『BlateoとMadroza -donoは……やはり助からなかったか』
二柱は爆発の衝撃とcountlessの飛礫を、近距離で受けたのだ。命を落としていたとしてもおかしくない。
勝手な行動も多く、指示に従わない事も珍しくなかったが、Defense Corpsにとって大きな戦力だった二柱のLostは大きかった。
『ぐうぅ、危ないところだった……』
だが、次第に薄くなってきた煙の中から、Madrozaを背負ったBlateoが姿を現した。Gohn達が驚きの声をあげながら駆け寄る。
『Blateo! 無事だったのか!?』
『フン、この有-samaが無事に見えるか? 儂とMadrozaもBodyをEnhanced (1)していた事と、咄嗟にActivateさせた気休め程度の防御magic……そして貴-samaが潜ませていたspace attributeの神連中のお蔭で、生きてはいるがな』
Gohnが驚いて振り返ると、そこには彼がGufadgarnの【Teleportation】を妨害するために潜ませておいたspace attributeの神、『God of the Reflexions』Larpanがいた。
『指示無く動いた事は、申し訳ない。ただ、この状況では動いた方が良いかと』
Larpanは咄嗟にspaceを曲げ、Blateo達を守ったのだ。完全にとはいかなかったが、二柱が致命傷ではなく重傷で済んでいるのは、彼の手柄である。
『そうか……いや、お前達の判断に感謝する。良くやってくれた。あの船が偽物だった以上、逃亡もあり得ないのだから、結果的には助かった』
偽物のCuatroの船内には、Gohn達を引きつけるまでの短い時間【Flight】するためのDemon King Familiarと、前回見せた大砲型と音波攻撃型Demon King Familiar。それ以外は、火薬の役割を果たす【Demon King's Blubber】と、殺傷力を上げる為に金属片の代わりに【Demon King's Horn】等で満たされていた。
対人爆弾ならぬ、対Demi-God爆弾をVandalieu達は送り込んできたのだ。……Demon King FamiliarがVandalieuのCloneである事を考えれば、ある意味自爆でもあるが。
『まさか、これから本物が攻めて来るのでは!?』
『いや、これ程のAttack Powerだ。奴としても簡単に作れる代物ではあるまい。それはないのではないか?』
『どちらにしても一旦退くぞ! BlateoとMadroza、そして我々の傷を手当てしなければならん』
そして、Gohn達はDemon KingのContinentに確保してある安全地帯へ向けて、速やかに、だがDevil Nestsのmonstersと遭遇しないよう慎重に撤退したのだった。
……それを、小さな胴体と蟲のfeatherを持つ偵察型Demon King Familiarのcompound eyesを通して見ていたVandalieuは、思った。
(やはりspace attributeの神がいましたか。【Teleportation】で撤退する際には、気を付けないといけませんね)
○Monster explanation::Homunculus
【Alchemy】によって創られた人工生命体。厳密に言えばGolemやLife-deadもそうなのだが、Homunculusの場合鉱物や死体等の素材に生命を吹き込むのではなく、生命を人為的に誕生させるため人工生命体と呼ばれる。
培養装置の中から出ると生命を維持する事が出来ず、胎児に似た姿のものはHomunculus。対して培養器の外に出る事が出来る、Humanの大人(十代半ばの少年Shoujoから老人まで)そっくりの姿のHomunculusはHumanoid Homunculusと呼ばれる。
ただ、並のalchemistではHumanそっくりなHumanoid Homunculusを創る事は出来ない。そのためには高額な素材と、卓越した技術力か、Homunculusをこの世に生み出したとされる邪悪なGodsとの契約や、blessingsが必要となる。
そして作成の際に必要な資金は、Orbaum Elective Kingdomの場合素材の調達だけで百万Baum以上かかると言われている。
ただし、人造のHumanを創りだす事から、命を弄ぶ行為であるとしてAlda templeと、一部のChurch of VidaはHomunculusのCreationを厳しく非難しており、多くの国で法律によって禁止している。
またmonstersと分類されているが、それは便宜上であり、Devil NestsやDungeonで自然に発生する事はない。そのためAdventurer’s GuildでHomunculusの討伐依頼や、素材の採集が依頼される事はない。
……法を犯したalchemistの討伐や逮捕を依頼される場合はあるが。
HomunculusのRankは低く、特殊Abilityを持っている事も少ない。Homunculusは人造のHumanであるため、Humanに似せて作られているためだ。ただし、経験を積んだHumanoid Homunculusの中には高度なmagicを唱える事が出来る者がいたと文献に記されている。
○以下、Luciliano著
GartlandのHomunculus達は、神がその試行錯誤の末に完成した存在だけに本物のHumanに限りなく近い。appearanceはHuman、Dwarf、Elfの三Typeに分かれており、appearanceだけではなくAbility Valuesもそれらしくなっている。例外はmagicの適性で、どのTypeのHomunculusもHumanと同じように全てのattributeの適性を持つ可能性がある。
Humanoid Homunculusの場合のRankは2で、その後ハイHumanoid Homunculus、Elder Humanoid Homunculus、とRank upしていく。しかし、幾らRank upしても姿は変わらないようだ。
また、Rank4のElder Humanoid Homunculus以降はRank upしないようだ。以降はJob changeを重ねて成長していく事になる。
GartlandのHomunculus達は温厚でreason的であり、また高い知識を有している。地底worldで暮らしているため外のworldの事に疎いが、それは閉鎖的な場所で暮らしていた為で彼らのAbilityがHumanに対して劣っている訳ではない。
彼らを見た後地上のチンピラやゴロツキ、mountain banditの類を見ると、どちらが本物のHumanか分からなくなりそうだ。