白い雲の海を進むCuatroの前方、遥か彼方に見えたContinentを、Vandalieuは目を凝らして観察した。
「もう少し大きくしないと見えませんね」
ボコリと、【Demon King's Antenna】の先端に生じた【Demon King's Eyeballs】がGrowする。
そうすると、やっとContinent……かつてDemon King Guduranisが最初に侵略し、Demon King Armyの拠点と化したContinentを詳しく見る事が出来た。
流石に全体的な大きさや形までは分からないが、近海と沿岸部、そしてその奥の-sama子は、これで詳しく見る事が出来た。
「これは……Demon continent以上に禍々しいと言うべきか、それとも滅茶苦茶と評すべきか」
『どんな-sama子なんだ? なあ、Demon Kingの城の跡とか見えるのか? 強そうなmonstersや、Dungeonでもいいぜ』
『legendでは、Demon King配下のEvil God (M) Evil God (P)を称えるtempleや、monstersを産みだすための生命を冒涜する産卵場、悍ましい儀式を行うための円形の闘技場に似た施設があるとされていたのですが、見えますか?』
『それよりも邪悪な神や、Alda's FactionのGodsの使いの姿はありますか、主よ』
「やっぱり、十万年前のmapって役に立たないかな?」
Continentを観察するVandalieuに、『Sword King』Borkusや『Divine Spear of Ice』のMikhail、そしてBone ManとPrivelが次々に話しかける。
どうやら未知のContinentへのadventurerらしい好奇心や、強敵への戦いに思いを馳せているらしい。
「分かりました。口で説明するのは難しいので、視覚的に説明しますね」
そう言うとVandalieuの背中からtentacleが二本生え、その先端と彼の後頭部から更に【Demon King's Eyeballs】が出現する。そして瞳から光を照射したと思うと、そこに異-samaな大地と海の映像が浮かび上がった。
『うおっ!? これは幻術か何かか?』
「Borkusは見てないけど、これはこの前ボク達に見せてくれた【Demon King's Eyeballs】と【Luminescent organs】を使った映像だよ。
これはVan -kunが見ている光景をそのまま映しだしてくれているみたいだね」
『しかし、この映像は幻術のように立体ですが……?』
「立体映像です。壁に映すよりもManaがいりますが、この方が地形は分かり易いですから」
異なる方向から映像を照射して作った立体映像は、Alcremで映したEvil God (P)VSBorgadonの化身の映像よりも動きが少ない分、迫力に欠けていた。
しかし、『Demon KingのContinent』の異-samaさを詳細に表していた。
Continent近海は、毒々しい紫や汚らしい緑等、-sama々な色の液体が混在している海や、countlessの水柱が出現しては消えるのを繰り返す海と言うより海水の森と評した方が良さそうな海域、そして流氷や氷山がアイスGolemと化して泳ぎ回る極寒の海まである。
そして沿岸部は端から砂漠、森林、岩山が見えるが、砂浜では砂嵐が荒れ狂っていて、森林の木々は黒い霧を漂わせ、岩山はmagmaが流れている。
それを見たPrivelは、残念そうに肩を落とした。
「航海だから役に立てるかもって思って付いて来たけど、これは陸地の方が安全そうだね。海岸に接舷するんじゃなくて、直接上陸した方が良さそうだよ」
『そうっすねぇ。magmaはヤバいんで、砂嵐が治まるのを待つか、森の一部を開墾して上陸するとしやしょう』
『Four Captains of the Dead Sea』の一人、元海賊船の船長はPrivelに同意すると、早速号令を出そうとした。
「いえ、陸地も危なそうですよ。今、映像を拡大します」
しかし、Vandalieuはそれを止めて、映像を更に拡大した。antennaの先端のeyeballの直径は、もう一meterに達している。
そして砂漠、森林、岩山の順に映像が映し出された。
砂漠の砂嵐の向こうに、BorkusやMikhailも見た事が無いGiantなmonstersが踊っているのが見える。
『デカイな。俺の十倍はある、こいつは大物だ』
『待て。どうやら、このmonstersは既に死んでいるようだ』
立体映像に映しだされた体長約三十meterの大型のmonstersは、踊っているのではなかった。砂嵐に翻弄されているのだ。体中を削り取られ、肉片を撒き散らしながら。
『ヂュウ~、なるほど。あの砂漠の砂は、どうやら小さな刃物のようですな。それがHigh-Speedで飛ぶ事で、Giantなmonstersでも生きたまま摩り下ろす事が出来るのでしょう』
スケールはともかく、自分もboneで似たような攻撃が出来るBone Manがそう解説する。
『あのGiantなmonstersは、最低でも7Rank程でしょう。それが成す術もなく削り殺されたという事は、並のadventurerやKnightなら、武具を纏っていても一分とかからず赤い霧となるでしょう。ヂュヂュオォ……』
『ど、どうやら砂漠に上陸するのは、止めておいた方が良さそうだな。Cuatroが、大鋸屑にされちまう』
元海賊船の船長の言葉に同意するように、Cuatroが、木が軋むような声を出す。
『では、森にしましょう。毒やDiseaseは我々Undeadには無力ですからね』
『いや、あの黒い霧、どうやら呪詛みたいだよ』
『はっ!? 呪詛!?』
無言で森を観察していたZandiaは、森の木々が発する黒い霧が、実体のある気体ではない事に気がつき、呪詛ではないかとconjectureしていた。
『風の流れに逆らって動いているからね。森の木々がmonstersで呪詛を放っているのか、十万年以上前のDemon King Armyの恨みがまだ残っているのかは、分からないけど。でも、呪詛は私達Undeadにも効くから、迂闊に近づくのは止めた方がいいと思うよ』
多くの場合勘違いされるが、Curseや呪詛の類はUndeadにも有効だ。これは毒やdiseaseが「死んでいるから」という理由で効かないのとは違い、呪詛は対象が生物でも非生物でも有効であるためだ。
ただ、害があるかどうかは呪詛やCurseの種類による。たとえば、『body partが腐る』CurseをかけられたZombieは、瞬く間にDecompositionが進んでboneすら砕け、ただの塵になってしまう。しかし、『diseaseにかかる』Curseをかけられても、何の意味もない。
そのため、森の発している呪詛の種類によってはCuatroを含めたUndead達は何のimpactも受けないが……流石にその可能性を信じてChargeする気にはなれない。
そして、岩山は頂上からmagmaを噴き出しているのではなく……逆に吸い込んでいる。どう言う訳か、山の周囲に点在するmagmaの沼からmagmaが山頂に向かって流れていき、吸い込まれているようだ。
どうやら岩山周辺は重力の法則が狂っているらしく、Giantなsnailに似たmonstersが山頂に向かって下から上へ転がり落ち、magmaと一緒に飲み込まれていく光景が映像に映しだされた。
『……奇怪極まりねぇ。確かに、Demon continentより摩訶不思議だ』
『ヂュウ。Demon continentはContinent全土とその近海、更に上空までDevil Nestsと化していましたが……一つ一つのDevil Nests自体は、他の通常のDevil Nestsでも見られるものが殆どでしたからな』
元海賊船の船長の感想に、Bone Manもそう言って頷いた。
Devil Nestsとは汚れたMana……いわゆるmiasmaによって汚染された土地の事を言う。そこでは数多くのmonstersが生息し、Dungeonが発生する事もある。だが、その環境の多くは森や谷、山や砂漠など、それ自体は自然と同じである場合が多い。
だがmiasmaの汚染が最初から重い時は、砂漠の中に氷に覆われた極寒のDevil Nestsが出現したり、時間と共に汚染が進むと普通の草原や森のDevil Nestsが、常に落雷の脅威に晒される草原や深い霧に包まれた森のDevil Nestsに変化したりする。
Demon continentのDevil Nestsは、そうしたまるでDungeonの階層のようなDevil Nestsが多かったが、Demon KingのContinentのDevil Nestsはそれよりも更に危険で奇怪だ。
Continent全体がDungeonと化していると言われたほうが、まだ納得できる。
「Demon Kingが健在だった頃から、こんな-sama子だったのですか?」
「いいえ、当時はこれ程ではありませんでした」
Vandalieuが誰ともなく問いかけると、spaceが裂けて内側から彼のEvil God in the backである『Evil God of Labyrinths』Gufadgarnが姿を現し、そう答えた。
「Demon King GuduranisのCommandingの下、私を含めた当時のDemon King ArmyがあのContinentを侵略した際、Human達がmiasmaと呼ぶManaで染め上げ、我々にとって快適な環境に変えました。ですが、僕であるmonstersを創り、増やす必要があったため、ある程度抑えていたのです」
another world、それも『Lambda』と『Earth』のようにある程度環境が似ているworldとは違い、完全に環境が異なる『Demon Kingのworld』から現れたGuduranis達にとって快適な環境とは、monstersの材料にするために集めたこのworldの生物では、生存できない過酷なものだった。
「本格的にこのworldの物理法則が歪むほどの変化は、居住に使うspaceに止めました。それがlegendで語られているDemon King城や、Demon King Armyの城塞、邪悪なtemple等と評されている施設です」
『なるほど。legendでは、邪悪だの悍ましいだのと、くどい程形容詞が使われていたが……実際、この世のものとは思えない場所だったという事か』
生前はMirg Shield NationのHeroだったMikhailがそう言って納得すると、Four Captains of the Dead SeaやUndead船乗り達も頷いた。
『そこまでくどかったかな? 結構あっさりしていたような気もするけど』
一方、『Saintess of Healing』Jeena等、Boundary Mountain Range内部出身の者達はMikhailの言葉に不思議そうに目を瞬かせた。
『Jeena -dono、それはあなた達が学んだのがVida's Factionに伝わるlegendであるため、私の知っているlegendと異なっている箇所があるからだろう』
『ああ、なるほど。VidaはDemon Kingが倒された後、Aldaから離れたものね』
Boundary Mountain Rangeの内部やDemon continentに暮らしている者達は、Aldaから離れたVidaが連れていったVida believer達と、後にGoddessによって産みだされたVida's New Racesの子孫たちだ。
Evil God (M)やEvil God (P)を片親に持つraceもいるので、伝わっているlegendの描写や表現がHuman社会と異なるのは当然であった。
『じゃあ、今のDemon KingのContinentの状況は、Guduranisが倒された後、十万年以上放置されて、Demon King城等から内部の汚染が広まったのが原因?』
「いいえ、Zandia。Guduranisが倒された後、BellwoodやFarmoun、Nineroad、そして我々がDemon King城等の施設を全て跡形も残らぬよう、念入りに破壊しましたので、それはありません」
「跡形も残らないようって、結構過激な事をするんだね」
「隠れ潜んでいるかもしれない、強力なmonstersの生き残りの駆除や、逃げ延びたHihiryushukakaやRavovifard等Remnantsに後々利用されるのを防ぐためです。
Demon King Armyに非戦闘員は存在しませんでしたし、Continentはこれまでの戦いで多くのGodsと人のbloodによって汚れ、荒れ果てて通常の生物が生息できる環境ではなかったので、遠慮する必要はありませんでした」
GufadgarnがPrivelに説明した以外にも、Demon King Armyの殆どはHumanが利用可能な物資を拠点に備蓄しておらず、また役に立つ資料なども無いだろうから、破壊を躊躇う必要がなかったという理由もあった。
強いて言えば建物に使われていた石材や、食用に耐えるmonstersの肉が物資に当たるだろうが……Continent間を移動する労力をかけてまで運ぶほどの価値が石材やmonstersの肉には無かったのだ。
……生き残った人類は僅か三千人程度だったので、備蓄していた分を使えば十分賄えてしまったし、石材やmonstersの肉は近くで手に入れる事が出来るからだ。
「では、この滅茶苦茶な状況はいったい何故?」
「残念ながら、分かりません。Zantark達Godsや、MaryuujinやKiryuujinら、Vida's New Races達がいたDemon continentと違い、monstersを減らし、汚染を抑える存在がいなかったためだとconjectureする事は出来ますが」
「……monstersを狩る事がどれだけ大切か、分かりますね」
しみじみと頷きながら、Vandalieuは再度Demon KingのContinentを見つめる。だが、目に映るのは奇怪で過酷な環境ばかりで、人工物は……亜人型のmonstersの集落も含めて、全く見つからない。
「ですが、接舷も着陸も出来そうにないのが一番困りますね。Continentの上空からCuatroでGoddessがsealedされている場所を探すと、monstersと延々戦い続ける事になるでしょうし……目立つでしょうからね」
『このままContinentの外周を回り、安全そうな場所を探すしかないかな?』
『いざとなったら、陛下-kunと護衛として数人だけで降りて、陛下-kunが拠点用のDungeonを創るって言うのはどうかな?』
Vandalieuは、ZandiaとJeenaの提案を少し考えてから「そうしましょう」と頷いた。
「接舷する場所が見つからなかったとしても、Continentの形が分かれば目的の場所が何処か探す手がかりになります。
その後、拠点をDungeonにすれば見つかり難くなります」
CuatroもVandalieuの【Demon Kingのshadow】で出し入れするか、Gufadgarnのmagicで【Teleportation】させればいつでも出航できる。
『じゃあ、早速行きましょう! ところで、北と南、どっちからにしますかい?』
「……じゃあ、北にしましょう」
南は、何となく縁起が悪い気がする。ReincarnatorのAsagi・Minamiを思い出してしまったVandalieuは、北側からDemon KingのContinentの沿岸を回る事にした。
それがいけなかったのか、実はContinent沿岸に着いた時から気づかれていたのか、雲海を進むCuatroの遥か下、まだDevil Nests化が及んでいない海面に渦が発生した。
それだけならCuatroもVandalieuも気がつかなかっただろう。数千meterも下の海面で渦が起こっても、航行に支障はないのだから。
「急速旋回」
『きゅ、急速旋回! 面舵ぃ!』
【Danger Sense: Death】の反応に気がついたVandalieuの言葉に従って、『Four Captains of the Dead Sea』達が弾かれたように動きだし、Cuatroが軋むような叫び声をあげる。
そして、ほんの少し前までCuatroが存在していたspaceに、大きな水柱が……竜巻と巻き上げられた海水が下からthrust抜けた。
『チィ! Blind Spotを突いたはずだが、何故気がついた!?』
そして、竜巻の中からCuatroよりもGiantな龍が姿を現した。全体的に蛇に似た細長い体をした、『Earth』のAsiaに多いTypeだ。
その迫力は『Evil Dragon God of Five Sins』Fidirgや、『Raging Evil Dragon God』Luvezfolを軽く上回っている。
『だが、逃が-sanぞ!』
その龍の脚に捕まっていたgiantが、ひらりとmidairに舞い上がる。
『受けろっ、裁きの雷を!』
そしてgiantがthrust出した拳から、電撃が放たれる。
『いきなりなにしやがる! ぶった切るぞ、ご先祖-samaが!』
同時に、Borkusが【Demon King Fragment】で作られたGiant剣を振り回し、斬撃を放つ。だが、雷撃と斬撃は衝突する事なく交差し、それぞれの目標へとthrust進んだ。
『ぬおう!?』
『おのれっ! 忌み子の成れの果てが、小癪な!』
斬撃は、giantと龍が身を捻った事で回避されてしまったが、それによってgiantが放った雷撃が途切れた。
『電撃ならあっしの出番でさぁ!』
姿を現した【Wind-Attribute Nullification】skillを持つ、Evil Schwarz Blitz GhostのKimberlyが自ら電撃の盾になる。雷はWind-Attributeの一部であるため、たとえTrue giantが放った雷撃でも、彼には効かないはずだった。
『全く効かぁぁぁぁああああばばばばば!?』
しかし、giantから放たれた雷撃に打たれたKimberlyの声が途中からscreechに変わった。
『Kimberlyっ!? 何でscreechをあげてんの!?』
『ばばばっ!? かはぁーっ! それが、何でかは知りやせんが、滅茶苦茶痛みまして。ありゃあなんですかい!?』
Borkusの攻撃でgiantの雷撃が途切れたため、Kimberlyはすぐに雷撃から解放され、つぎの瞬間にはGhost仲間のOrbiaの近くに戻る事が出来た。
しかし、電撃をNullificationにできるはずの彼は、明らかにDamageを受けていた。
「恐らく、あの雷撃にWind-Attribute以外のManaをFusionさせたかどうかしたのでしょう。単純に混ぜただけか、俺やVampireに対して有効なLight Attributeの特殊版、Sacred attributeや【Radiant Life】のmagicのように、高度な改良を行ったのかは分かりませんが」
『そんな事が出来るの!?』
「出来るのでしょう。あれは龍種とTrue giant……TiamatやTalosと同じKami-samaですから」
驚くZandiaに、Vandalieuはそう説明する。True giantはVida's New RacesのGiant raceの片親になったraceであるため、巧みなmagicや特殊な力を振るうよりは、Body的な力を振るう方が得意とされている。
しかし、己が得意とするattributeのmagicだけは、かなりの応用が可能だと伝わっていた。
「Vandalieuよ、思い出しました。あれは――」
そうGufadgarnが龍とTrue giantの正体を告げようとするが、Vandalieuは「それはちょっと後で」と彼女の言葉を遮る。
見ると、龍とTrue giantが体勢を立て直して再び攻撃を仕掛けようとしている。BorkusとMikhailがMartial Artsで斬撃を飛ばして攻撃しているが、距離が離れている上に大きさが違い過ぎるため、殆ど役に立っていない。
それに対してCuatroは、Chargeでも逃亡でもなく、側面を龍とTrue giantに向けた。
『左舷大砲展開ぃぃぃっ! 出番ですぜ、大砲の方々ぁ!』
『Four Captains of the Dead Sea』の号令に応えて、Cuatroの側面に設置された大砲達が……大砲型Demon King Familiar達が顔を出す。
『『『『どーれ』』』』
『ファイエルゥゥゥゥ!』
大砲型Demon King Familiarは声を揃えて狙いを付けると、船長の号令を合図にそれぞれ弾を轟音と共に撃ちだした。
『フハァ! Zakkartが作った玩具如きが我等に効くと――』
それに対してTrue giantは、大砲について知っていたようだが、かつてZakkartが作りだした普通の銃砲を大きくした程度のWeapon Equipmentだと判断し、構わず攻撃を続けようとした。
『ば、idiot者! 避けろ!』
龍はそう叫んだが、それにTrue giantが応じる前に砲弾がぶつかった。
『何だ? 卵――!?』
弾は、砲弾大の卵だった。だが、中に入っているのは黄身や白身ではない。
殻が砕けた瞬間、内側に詰まった【Demon King's Blubber】が大爆発を起こし、仕込まれていた角やcrystalを撒き散らし、True giantを爆炎で飲み込む。
だが、流石はTrue giant。【Demon Kingのfallopian tubes】から産みだされた砲弾用卵の爆発にも耐え、煙の中から姿を現した。
『おのれ! ふざけた真似を――』
『ファイエルゥゥゥ!』
だが、大砲から卵弾が連続で放たれ、True giantの姿は再び爆炎と煙の中に呑みこまれた。
『Radatel!? だから油断するなとあれほど言ったのだ!』
煙の中から黒く焦げたTrue giant、Radatelが海面に向かって落下していくのを見て、龍は思わず毒づく。
「お前も他人の事は言えないでしょう」
その龍に、煙を貫いて青白い二条の光線が放たれた。咄嗟に長いbody partを捩って直撃は避けたが、側面を焼かれてtailの先端を切断され、大気を振るわせるscreechをあげながら、龍はRadatelの後を追うように海面に向かって落ちて行った。
antennaの先端につけたGiant【Demon King's Eyeballs】から怪光線を放ったVandalieuは、一息ついてからGufadgarnに話しかけた。
「それで、さっきの続きをお願いできますか?」
「はい。今Giantな水柱を作って海に落ちたのが、『Thunder Giant』Radatel。『Giant God』Zernoの孫、『Lightning Giant』Blateoの息子の一人です。
龍の方は『Great Vortex Dragon God』Zwoldo。『Dragon-Emperor God』Mardukeの孫、『Ocean Dragon God』Madrozaの息子の一人です」
Gufadgarnは、Giantな水柱になった二柱の神、RadatelとZwoldoの名と素性を説明する。
「十万年前のVidaとAldaの戦いでは両者ともAlda側に付き、我々と戦いました。
神としての格は、AldaやVida達Great Godを上の上、TalosやTiamat達Semi Great Godとも評される神を上の下と仮定するなら、中の中から下といった程度です。
ただ、あの者達はBodyを持つDemi-Godであるため、寄り代に宿った『God of Thunderclouds』Fitunと違い本来の力を振るう事が出来る為、総合的に判断するとこの前のFitunよりも、脅威としては上だと判断した方が良いかと」
「なるほど。Aldaが俺達の動きを察知して、見張りとして配置していたようですね。Fitunの時と違い、近くに人里が無いから助かりましたけど」
Vandalieuの言葉に、船員Undead達がざわめいた。彼らも自分達がlegendのDemon KingのContinentに向かっている事、そしてDemon KingのContinentでは神に匹敵する強大なmonstersと戦う事になるかもしれないと覚悟はしていた。
しかし、Continentの沿岸部でGodsが見張りとして配置されているようなContinentだ。これからもAlda's FactionのGodsの襲撃は避けられそうにない。
『へへ、やってやろうじゃねぇか。俺達Giant raceを忌子呼ばわりする奴は、ご先祖-samaじゃねぇ!』
『Godsとの戦いか……遂に贖罪の機会が巡って来たか』
『ヂュオォ、ご馳走を主に献上する機会! それに、私がGods相手に通用するか試す、格好の機会でもある!』
だが、BorkusやMikhail、Bone Manは戦意を滾らせて目を爛々とさせる。
『まあ、今のを見た感じ、龍もTrue giantもBorkusとMikhailのMartial Artsを避けたり弾いたりしていたから、私達でもやってやれない事はないと思うよ』
『効かないなら、避けたりせず無視して攻撃していたはずだものね。後の問題は、やっぱり距離かぁ。今の内に、Flight用のDemon King Familiarを創ってもらった方が良いんじゃない?』
そしてJeenaとZandiaは、先程の戦闘を分析して、自分達の力でも神に通じそうだとconjectureしていた。
「でも、このままgiantや龍と戦いながらsealedされた女Kami-samaを探すの? ボク、それは止めた方が良いと思う。さっき落ちた龍とgiantも、まだ死んでないよね?」
『何ィ!? まだ生きてるのか!? じゃあ、早く止めを刺そうぜ!』
Privelの言葉の後半に反応したBorkusが、Radatel達を追う事を主張するが、Vandalieuは首を横に振った。
「追撃も考えましたが、【Danger Sense: Death】に反応があったので。後、慌ててfrom here動くのも良くないようです」
『ん? そいつはどう言う意味だ?』
Vandalieuの答えにBorkusが首を傾げると、それに応じるようなtimingで、RadatelやZwoldoとは別のgiantや龍、GiantでGodsしい獣や魚が空や海面からCuatroを大雑把にだが、包囲するように姿を現した。
その数は十以上。その中でも一際大きい二人のgiantがCommandingを執っているようだ。
『RadatelとZwoldo……immatureな小僧共が先走りおって!』
『先走っているのは貴-samaもだろう、Blateo。全員が揃ってから奇襲を仕掛ける手はずだったではないか。まだ三分の一も揃っていないぞ!』
『Shut Up! 文句は奴がまだ Bahn Gaia continentに留まっていると見誤った、Siriusに言え! 戦うつもりがないのなら、sealedを守りに戻るがいい! 貴-samaに空は似合わんぞ、Gohn!』
だが、険悪な-sama子で揉めている。どうやら、この状況は彼等にとっても想定外だったようだ。
『一度にこれだけの神が出て来るとはな……どうする、坊主!?』
「奴らの言葉がbluffでなければ、敵はこの三倍以上の数がいるようですから……隙を見て離脱しましょう。問題は何処へ逃げるかですが……」
Vandalieuは周囲を見回した。
Gufadgarnの【Teleportation】で Bahn Gaia continentやDemon continentに戻ったのでは、Demon KingのContinentまで航海した甲斐がない。何処か無いだろうかと周囲を見回していると、Demon KingのContinentの沿岸のDemon Seasの一つ、毒々しい紫や汚らしい緑の液体が混在している海が目に入った。
「あそこへ。俺達を……accurateには、俺を呼んでいる存在が居ます」