Moksiの街の歓楽街の片隅で、ElfのBardがguitarの練習をしていた。
楽譜を見ながら弦を弾き、音を奏でる。通しで一曲演奏して、彼は顔を上げた。
「素晴らしい楽譜だ。とても分かり易い」
ElfのBard Rudolf……に変装しているSClass adventurer、『True』RandolphはそうKanakoに感想を述べた。
「やっぱり曲でもguitarでもなく、楽譜なんですね。素晴らしいのは」
Rudolfの正体に気がついていないKanako Tsuchiya……Reincarnatorの【Venus】のKanakoは苦笑いを浮かべた。
「いえ、guitarもこの曲も、良くない訳じゃありません。Edilia -sanも絶賛していましたが、貴女に教わる事は新鮮な事ばかりで、とても勉強になります」
RandolphはVandalieuの仲間の一人であるKanakoが、BardやDancerを募集している事を知って、Vandalieuについての情報収集を行う為に応募した。
そして特に問題もなく採用され、-sama々な楽器や技法を教わった。Randolphは百年以上生きるElfで、しかも経験豊かなadventurerだ。名称は異なるが、幾つかの弦楽器や笛、太鼓の心得がある。
しかし、このguitarと言う楽器の演奏は面白かった。『God of Strings』Hilshemのbelieverで女adventurerのEdiliaと言う人物が、本業を忘れるぐらい夢中になっていたが、それも納得できる程だ。
仕組み自体はsimpleで、他にも似たような楽器は幾らでもある。面白いのは、演奏の技法が工夫されている点だ。
それはKanakoが渡してくれた楽譜も同-samaだ。
「Kanako -san、あなたも知っていると思いますが、普通は楽器の演奏技法はMusicianに教わって身に付けるものです。多くの場合は武術の秘伝や、magicの秘術程ではありませんが……それは難しい場合が多い。
楽譜が存在せず、演奏しているところを見聞きして覚えるしかない曲も少なくない」
『Lambda』にも-sama々なmusicが存在し、musicで日々の糧を得ている者達もいる。だが、Royal Nobilityが教養や趣味の一環として嗜む以外では、その門戸は閉鎖的だ。
多くの場合はプロの演奏家や歌手にpupils入りし、学ぶ。後は独学で覚えるか、視てStealか……中にはSlaveの価値を上げるために、歌や演奏を学ばせるSlave商もいるそうだが。
Randolphの場合は、今は存在しない故郷の村で祭祀の一環として歌と太鼓を学んだのが始まりだった。しかし教本や楽譜は存在せず、大人が口頭で説明し、後は練習あるのみだった。
それに対してguitarの技法は、誰かに教える事が前提になっているかのように感じる程だ。
「貴女が教えてくれたguitarの演奏技法は、一定で分かり易い。不特定多数の人が学ぶ事が前提になっているかのようだ。
そしてそれ以上にこの楽譜。どんな曲でもsimpleで分かり易く、同じ書き方をしている。演奏家の中には、曲ごとに異なる暗号としか思えない楽譜を書き残している人もいるのに」
このworldにもmusicはある。あるが、それを書き残す方法は一定ではなかった。歴史ごと、国ごと、そして楽譜を書いたMusicianごとに異なっている。
何故なら、規格を統一する必要がなかったからだ。
自分やそのpupilsが理解できれば、Musician個人に不自由はなかった。それに、『Earth』のように大勢のchildにmusicを教える事もなかったためだ。
だからこそ、Randolphは心から賞賛していた。もし自分が本当にBardのRudolfだったとしても、彼女を賞賛しただろうと考えて。
……adventurerのRandolphとしてはあの歌詞、そして振り付けはどうにかならないのかと思わなくもないが。
もし自分があの歌詞を歌い、振り付けを踊る事になっていたら、変装も演技も、そして目的も忘れて町から逃亡していただろうと思う程、Randolphには合わないものだった。
Bardで楽器の演奏家として雇われているので、歌とdanceはしなくて済んで助かっているが。
「Dark Elfの隠れ里出身だと聞きましたが、その里でこの楽曲を譜に編集したのですか? それとも、もしやあなたが?」
そうした内心のemotionsを誤魔化す為にも、Randolphは口では別の話題をKanakoに振った。
だが、それを受けるKanakoは顔が強張るのを抑えるのに苦労していた。
「い、嫌だなぁ。編集も何も、あたし一人が思いついた曲ですから、楽譜が同じなのは当然ですよ。分かり易いって褒めてくれるのは光栄ですけど」
(この人、何であたしが渡した曲を、楽譜を見ただけで別々の人が書いた曲だって気がつくんですか!? プロのBardだから!? でも、この人以外のBardやDancerは誰も気がつかなかったのに!)
Kanakoは一時的に雇ったBardやDancerに、『Earth』や『Origin』で覚えた曲を、全て自分が書いた曲だと嘘をついて教えていた。そうしたのは、色々考えた結果、Human社会で活動するにはそう偽った方がいいと考えたからだ。
Moksiの町ではVidal Magic Empireのように自分がReincarnatorである事を公に出来ないし、偽りの出身地であるDark Elfの隠れ里に伝わる曲だと誤魔化すのも、流石に無理がある。
存在しない隠れ里の『設定』が複雑になり過ぎると、同じ里出身という事になっているDarcia達とKanakoが述べる言葉に齟齬が出てしまいかねない。
だから曲の由来について聞かれた時は、自分が書いたと言った方が良い。certainly、それで納得せずに疑問を覚える者もいたが、KanakoがDark Elfという事にしているのが役立った。長命のUnaging raceであるため、曲が多くても見た目よりも長く生きていて、その時間で曲作りをしたのだろうと勝手に納得してくれるからだ。
だからRandolphのように、曲が不特定多数の人によって作曲された事を見抜いた人物は初めてだった。
「そうなんですか? すみません、疑っている訳ではないのですが、曲毎に癖のようなものが異なっている気がして、てっきり別人が書いたのかと」
「あたしも長い年月を生きていますからね。最初に作った曲と一番新しい曲を比べたら、別人が作った曲のように思えてもしかたがないですよ」
「たしかに、Kanako -sanは変わった曲を考えるのが上手いですから、特にそう感じるのかもしれませんね」
そう言って引き下がるRandolphに、Kanakoは内心冷や汗を書きながら曲を一通り教え、その日の練習はお開きになった。
彼女の後姿を眺めながら、Randolphは「余計な事を言ったかもしれない」と反省した。
(自分で全ての曲を考えた、と言うのは明らかに嘘だが……そもそも俺の目的はVandalieuについて調べる事だ。内心のemotionsを誤魔化す為に、そして多少は出来るところを見せた方が良いかと思って質問したが、警戒心を煽っただけだったかもしれない)
Randolphが変装までしてVandalieuの仲間の懐まで潜入したのは、彼について調べるためだ。【Demon King Fragment】と関わりがあるのか……一部のAlda believerの間で囁かれているDemon Kingとは、彼なのか。何よりも、この国を滅亡にGuidingような思想の持主なのか、それを調べなければならない。
もしVandalieuが第二のDemon King Guduranisだとしたら、Orbaum Elective Kingdomどころかworld全体の危機だ。生き残るためにも、Vandalieuの動向について知らなければならないのだ。
(だが、【Demon King Fragment】と関わっているかはともかく、頭の中身がDemon Kingではないのはもう分かっているが)
数日Moksiに滞在し、Kanakoに雇われて彼女以外のVandalieuの関係者とも知り合ううちに、RandolphはVandalieuがAlda believer達の言うDemon King……冷酷無比で残虐非道な邪悪の権化のような存在とは、程遠い事が分かって来た。
Gobu-gobuを広めた事や新種のmonstersの発見とTamer等のachievementとは別に、街の人々から聞くVandalieuの日ごろの行いと人柄が、それを確信させた。
(完全な善人、正義の人とは言えないが、情け深いのは本当だろう。全て演技という可能性もあるから、直接見て見ない事には結論は出せないが……正直、演技力があるTypeには思えない)
それにKanako達、Vandalieuの仲間とされている者達も同-samaだ。何か隠しているし、所々妙な点があるが、邪悪であるとは思えない。
多少は後ろ暗い事をしているかもしれないが、許容範囲内だろうとRandolphは考えていた。
世の中には、敵国の占領支配に逆らい抵抗運動を続けたResistanceのachievementをなかった事にするDukeや、腹違いの末のImoutoの安楽死を依頼するDukeが存在するのだ。……それに関わっている自分も、善人からは程遠い。Randolphは胸中でそう呟いた。
(それに、Vandalieuに関わる事以外でも、大きな事件は起きている。いや、Evil God (P)がrevived事件には、Vandalieuが絡んでいる気はするが……)
前触れもなく発生し、そしてRandolphが気づく間もなく収束したAlcremのEvil God (P) revival事件。Vandalieuがそれに関わっていたという情報は入っていない。
だが、Evil God (P)を退治する際には『Alcrem Five Knights』以外に、Vandalieuの母親であるDarciaも加わっていたらしい。timing的にも、無関係と考えるべきではないだろう。
『Alcrem Five Knights』の実力はRandolphも、ある程度知っているが……revived Evil God (P)を小さな犠牲だけで倒せる程ではなかった。彼が姿を見た事のないRalmeiaや、犠牲になったGordiが余程の強者であれば話は別だが、そうでなければDarcia達の活躍が勝利に大きく貢献したはずだ。
certainly、Evil God (P)を再sealedするのは良い事なのだが、Randolphは事件の経緯が胡散臭く感じられた。
(やはり、会って直接自分の目で確かめなくては、気が済まな――)
「おい、Elfの兄-chan! 一曲頼めるかい?」
「はい、何を歌いましょうか」
やはりもうしばらく、BardのRudolfでい続けよう。Randolphはそう決めて、飲み客が求めた曲を奏で始めた。
「この前採用したElfのBardでRudolfって言う人なんですけど……滅茶苦茶鋭いです」
一方、KanakoはVandalieuの家の地下室にある偽Moksiの町のDungeonの中で、仲間達にそう話していた。
「楽譜を見て、別人が作った曲だと見抜く……もしかして、Rudolfは『Origin』を知っているのではないか? それで、Kanakoが参考にした曲を知っていたから、別人が作った物だと指摘した」
Basdiaにそう問われたKanakoは、「いえ、違うと思います」と答えた。
「そうか? 顔やnameに覚えがなくても、reincarnationする時に故意に変えた可能性もあるぞ。Vanを暗殺するまでの短い期間だと高をくくって」
Reincarnator達は、前世と同じ性別や容姿になる事が多い。それは偶然ではなく、RodcorteがReincarnator達がpsychological問題を抱えないように工夫した結果だ。……流石に両親共Asia系以外のHumanだった場合はその限りではなく、『Earth』ではJapan人だったDoug Atlasは、黒人に生まれ変わっていたが。
Rodcorteがそうした配慮を止め、Reincarnatorを前世と全く違う容姿にして送り込んできた可能性もあるのではないかと、Basdiaは続けて尋ねた。
「それはあるかもしれませんけど……だったら、曲の事を態々訊くのは変だと思うんですよ。自分から怪しまれるだけで、良い事はないはずですし」
しかし、KanakoはRudolfの言動が、Vandalieuを暗殺するために潜入してきたReincarnatorのものとは思えなかった。
「怪しいのはそれぐらいですし、動きは素人っぽいです。それに、このworldの事に詳しいですからね。何より、あの演奏の腕は本物です」
「つまり、坊やを暗殺できる程の腕があるようには思えず、このworldに関する知識や楽器の演奏の腕をreincarnationする前に叩きこまれたReincarnatorではない、と言う事じゃな」
Kanakoの言葉を、Zadirisがそう訳して納得する。
前者はRudolfに変装しているRandolphの演技力の高さと、実力を隠すのが上手かった事を表している。後者は、彼はReincarnatorではないのだから当然だ。
「じゃが、曲の事はどう説明を付ける? 渡したのは、このworld風に直したものなのじゃろう?」
「ええ、地味に苦労しました」
Kanakoは、『Origin』の曲をそのまま楽譜に書き出した訳ではない。特に、歌詞はこのworldでも意味が通じるように何か所も変更した。
だから歌詞の言い回しや、比喩表現から別々の文化圏出身者が、異なる時代に造った曲だと気がつく事は不可能に近い。
「案外、Kanakoの反応を見てそう思っただけかもしれないわね」
しかし、Eleonoraがそう指摘する。犯罪organizationにBoss' Mistressとして潜入していた女Vampireの彼女は、厳しいdanceのlessonの疲れを、赤黒い飲み物で癒していた。
「Van -sama達が以前いたworldではどうか知らないけれど、このworldのBardってpeddlerよりも口が上手かったり、他人の心を読むのが上手かったりするのよ。副業で情報屋をしているBardも、珍しくないわ。
それで、話を聞いている内にあなたの表情や声に違和感を覚えて、突いてみただけかもしれない」
「確かに、動揺したのが表に出ていたかもしれませんね。演技には自信がある方ですけど……意識して警戒していませんでしたからね。気を抜きすぎたかもしれません」
Eleonoraの説明に、Kanakoは溜息を吐いた。彼女も前世では一時期IdolとしてEntertainment活動を行い、軍隊で一通りの訓練を受け、terrorist organization『The 8th Guidance』に潜入していたため、自分の心の内を読ませないようにする事は可能だ。
しかし、Vandalieuの仲間になってからはその手の演技力とは無縁になっていた。心理戦に対する警戒心が落ちていた事を自覚したのだ。
「monstersとの戦いでは、心の読み合いなんぞしないから仕方ないじゃろうな。坊やのように表情を殺せれば誤魔化せるじゃろうが」
「こうですか?」
「……儂が悪かった」
表情を全て削ぎ落したような無表情になって見せたKanakoに、Zadirisは思わず謝っていた。
「Van -samaのようなと評するには、愛らしさと恐ろしさが足りないわね」
「旦那-samaの首から下は、顔よりも表情が豊かですからね。恐ろしさは分かりませんが」
「ZombieよりもZombieらしく見えた」
EleonoraがVandalieu狂徒らしい感想を述べ、お茶を用意してきたBellmondが補足し、Basdiaも端的な感想を口にした。どうやら、Kanakoのモノマネの評価は高くないようだ。
「あたしのモノマネはともかく、Rudolf -sanについてはどうしましょうか? 腕はいいので、あたしとしてはこのまま曲を……そして歌とdanceも教えて、彼にIdol文化の伝道師になって欲しいんですけど」
Bardは旅から旅のrootless草の生活を送る者が殆どなので、RudolfがIdol songとdanceを習得すれば、彼が旅を続ける限りIdol文化が広まっていくだろうと、Kanakoは企んでいるようだ。
Randolphが聞いたら、即座に失踪しかねない恐ろしい計画である。だが、その企みに異を唱える者はいなかった。Kanakoが旅のBardやDancer、そして希望したadventurerを雇い、歌やdance、曲を教えた目的はこの企みの為だと知っているからだ。
「そのpolicyで良いんじゃないの? さっきはああ言ったけれど、私も別にあの男が諜報機関の工作員だって、本気で怪しんでいる訳じゃないのよ。単に、Bardの中にはそう言う連中が紛れている事があるって言いたかっただけで」
Eleonoraも、Kanakoの企みを止めるつもりはないようだ。実は、彼女とBellmondも、Rudolfと面識がある。
彼女達は潜入していた犯罪organizationをほぼ潰し、情報網だけを支配したのでBoss' Mistressとして振る舞う必要がなくなってからは、Vandalieuの仲間として誰に隠すことなく姿を見せ、振る舞っている。
そしてVandalieuがAlcremへ旅立ってからは……Kanakoのlessonを受けていた。
以前は、Stage debutはcertainly、Transformation Equipmentを使う事も避けていた二人だったが、Vandalieuから手製のEquipmentを受け取り、更にPrivelやGizaniaといったmemberまで練習していては、目を背け続ける事は出来なかったのである。
このままだと、自分達以外のVandalieuと親しいfemale陣全員が歌って踊れるようになるかもしれない。そうなってから追いつくのは大変なので、今の内からlessonに参加する事にしたのだ。
その葛藤を乗り越え参加したlessonで、Rudolfとは何度か顔を合わせていたのである。
「それに、諜報機関のBardだったら、もっと目立たないよう変装するはずよ。Rudolfのような青い髪のElfなんて、目立つ姿で近づいて来る事なんて、考え難い」
そう言うEleonoraの言葉に、Bellmondも「私もそう思います」と続いた。
「諜報員は訓練を受けている筈です。ですが、Rudolf -samaからはそうしたsignは感じられません。多少の心得はあるようですが、自衛のためのものでしょう。
それに、musicに情熱を注いでいる姿からは、裏表のない純粋な人物だと見受けられました」
「前言を撤回するわ。Rudolfについては、少し警戒した方が良いかもしれないわね」
「そうじゃな。今思うと、怪しいかもしれん」
「そうですねー。ちょっと警戒しておきましょうか」
「な、何故そうなるのですか?」
自分が純粋な人物だと評した途端、皆がRudolfについて警戒しだすのを見て、Bellmondが困惑する。しかし、それも無理はない。
Vandalieuの仲間になる前は、一万年の長い人生の九割以上を、一人で地底湖の畔にある隠れ家の維持管理に費やしていた彼女の人物眼は、節穴である事に定評があるのだ。
「警戒と言ってもRudolf -sanはあたし達や、町の人にVanについての取材をするか、歌を歌っているかですから、特にする事はないんですけど。
家にstealth込もうとする-sama子もないですし」
「Bardとしては、普通の行動よね。Milesによると、『少し熱心過ぎる気がする』らしいけど。
それより、Rudolf以外に見所のある人材はいないの?」
Eleonoraに言われたKanakoは、教えている者達の中から一人のnameを出した。
「この前guitarに興味を持ってくれた、Edilia -sanですね。歌とdanceって言うより、guitar Showが気に入ったみたいです」
「ああ、あの『God of Strings』の聖印を付けていた娘じゃな。『God of Strings』はAlda's FactionのGodsの一柱じゃが……まあ、believerだからと言って、blessingsを受けていると決まっている訳ではないしの。別に良いじゃろう」
「そうだな。聞いた事がない名だし、この街に居る大多数のAlda's FactionのGodsのbelieverと同じ、ただのbelieverなのだろう」
Kanakoがnameを出し、ZadirisとBasdiaが警戒する程ではないと思ったEdiliaは、実は『God of Strings』Hilshem 's Divine Protectionを与えられたHero Candidateの一人なのだが……Alcremならともかく、Moksiでは彼女はまだ無名の存在だったので、気がつかれる事はなかった。
「そう言えば、DougとMelissaが居ないようですが?」
「MelissaならMilesと一緒に、Carlosって人に、Dougに付き纏うのを止めるよう話を付けに行きましたよ。Dougも自分の問題だからって、二人について行きました」
「Carlosと言うと、最近は最前列に必ずいる方ですね。その方が、何故Dougに付き纏っているのですか?」
「partyの仲間に加えたいみたいですね。見所があるって」
『God of Heat Haze』Rubicante 's Divine Protectionを受けたHero Candidate、Carlos。彼はMoksiの町で、Idol Concertの魅力とDougの隠した実力に夢中になっていた。
certainly、Kanako達にHero Candidateである事を気づかれてはいない。
「Rudolf -san達に教えるのが一段落したら、一度Alcremで講演してみるべきかもしれませんね。もしくは、Demon KingのContinentで公演する準備に専念するか……いえ、Vidal Magic Empire内で人材を育てる事も必要ですよね。
ところで、いつ頃帰ってくる予定なんですか? まさかこの前来たletterの返事を書くのが嫌だから、帰るのを延期している訳ではないですよね?」
意識を切り替えて今後の予定を練るKanakoに問いかけられた、砲台型Demon King Familiarは、eyeballを大きく回した後、答えた。
『今やっている式典が終わった二日後に町を出る事になっていますから、Moksiの町に姿を出せるのは約十日後になりそうですね。
letterの返事は……Emotionalに疲れますが、-chanと書きます』
その頃Alcremでは、Takkard・Alcrem Dukeがrevived Evil God (P) Forzajibarを再sealedする為に健闘した、Darciaや『Alcrem Five Knights』、戦いに加わった全てのKnightやSoldier、VidaのHero達の活躍を称賛し、払われた犠牲を悼む演説を行っていた。
『この度の戦いで、Evil God (P)からこのAlcremを……そしてworldを守るために払われた犠牲は大きい。Evil God (P)のsealedを長年守り続けてくれた『Holy Wastelands』の一族、その当主であり我が腹心である『Alcrem Five Knights』の一人、『Knight of the Crumbled Mountain』Gordi。
その身を捧げた献身と忠節は、世の模範となるべきものである』
magicで声を大きくしている演説を聞いて、真実を知らないKnightやGuard、Borgadon believerの人々が涙ぐんだ。
本当はHumanにCamouflageしたmonstersで、邪悪な神の僕だったGordi達だが、確かにその献身と忠節は本物だった。模範にしてはいけない類のものだが。
『だが、彼等は今も『God of Mountains』Borgadonの御許で、我々を見守ってくれているはずだ! 我々、残された者に出来る事は、彼等に恥じぬ生き方をする事だけだ!
私はここに誓おう。必ずこのAlcrem Duchyを守り、『Holy Wastelands』のtempleを再建する事を!』
そうDukeが宣言すると。Vandalieuの周囲に漂っているBorgadonがぼそりと呟いた。
『勘弁してくれ。あんな奴らが傍にいたのでは、儂はおちおちworldの維持管理も出来ん』
「演説ですから、本気でGordi達があなたの元にいるとは、Dukeは思っていませんよ」
そう囁いている内に、演説は進み、今回の事件の犠牲者を悼む慰霊碑とGordiの献身と忠節を称えた銅像がお披露目された。
犠牲者とGordiの正体を考えると、人類史でも異例の厚遇である。真実が明らかになるまで、Alcremの新しい観光名所となるだろう。
ちなみに、Dukeが再建すると約束した『Holy Wastelands』のtempleは、Alda's Factionの『God of Mountains』Borgadonのtempleではなく、Vida's Factionの『God of Mountains』Borgadonのtempleとして再建される事になっている。
以前は『God of Law and Life』AldaやBellwoodのIdol Statueや、他のAlda's FactionのGodsのreliefが飾られていたが、新しいtempleでは、新しく加わったBacias達を含めたVida's FactionのGodsのIdol Statueやreliefが飾られる予定である。
『では、此度の戦いでachievementを挙げた者に恩賞を取らせる』
そして演説から、恩賞の発表となった。最初は当然、故人であるGordiで、彼は侯peerageを得る事になった。……一族全員の死亡が確認されているので、実際には誰も侯peerageにつかないのだが、こうしてHeroに精一杯報いましたと言うポーズをつけ、演出しているのである。
次に、『Alcrem Five Knights』の面々に勲章が授与されていく。髪が白くなったまま戻っていない『Knight of the Insight』Ralmeiaの姿を見た人々がざわついたが、それぐらいで問題なく進む。
そして、Vandalieuが待ち望んだ時が来た。
『Darcia・Zakkartに、Alcrem Dukeの名を持ってHonorary Earl位を与えるものとする!』
聴衆が大きくざわめいた。Vida's New Racesが、特にDark Elfのような長命なraceがHonorary Nobleになるのは今までなかった事だからだ。
だがざわめきは否定的なものではなく、多くの人々は頷き、歓声をあげながら拍手をしてDarciaがHonorary Earlになる事を歓迎した。彼女がEvil God (P)との戦いで活躍した事を知っているからだ。
Gordiが抜けた穴を、DarciaをHonorary Nobleにする事でAlcrem Duchyに抱え込んで塞ごうという、Dukeの策なのだろう。一部のNobleや商人はそう解釈したが、あからさまに顔に出す者はいなかった。
渋い顔をしているのはAlda templeの関係者と、日和見主義なChurch of Vida長ぐらいだ。
「謹んで拝命します」
膝を突いて頭を下げたDarciaの肩に、Dukeが震える手で儀礼用の長剣で軽く触れる。これでDarciaは、Orbaum Elective KingdomのHonorary Earlとなった。
冷や汗を浮かべたDukeに、Darciaは再び一礼してからVandalieuの横に戻ると、微笑みかけた。
「これでVandalieuもNobleのyoung childの仲間入りね。でも、kaa-sanがHonorary Nobleになって本当によかったの? 目標だったんでしょう?」
「はい。今回は、俺ではなくkaa-sanがHonorary Nobleになる方が、自然ですから」
今回の事件で、人々に分かる立場で活躍したのはDarciaだ。Vandalieuは裏方に回っており、彼女より彼が評価されると真実を知らない大勢から見ると、不自然すぎる。
そしてDarciaにHonorary Nobleとしての権力があれば、他のNobleやAlda templeからの横やりが入り難くなる。この街のChurch of Vida長のように、自重を求めて来るような事も少なくなるだろう。
それに、Honorary Nobleは世襲できないと言っても、Honorary NobleのfamilyもHonorary Noble位を受けた者が存命の内は、「Nobleのfamily」扱いになるので、法律上はNobleとして扱われる。
つまり、Darciaの息子であるVandalieuもNobleの仲間入りと言う訳だ。
後の問題は、Vandalieuが夢だったHonorary Nobleになる事を、Darciaに先を越されてしまった事だが……Vandalieuは全く気にしていなかった。
「それに、kaa-sanや皆が評価されて誇らしいと思います」
Vandalieuがそう言うと、Darciaは微笑みを深くした。
式典はDukeが苦労して背の高いGizaniaに勲章を授与し、Arthur達に報奨金を与える旨を述べ、つつがなく終わったのだった。
「そうだ。Vandalieu、私のStatusにもZakkartの姓が付いたのよ! これでおんなじね!」
「それは凄い、tonightはお祝いですね」
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・Name: Darcia・Zakkart
・Race: Chaos Elf Source
・Age: 0
・Title: 【Witch】 【Holy Mother】 【Monster’s Parent】 【Vida’s Incarnation】 【Empress Dowager】 【Saintess】 【Holy Mother of Victory】(NEW!)
・Job: Magic Saint
・Level: 16
・Job History: Magical Girl、Life-Emperor Mage、Magical Idol、Magic Staff Transformation、Transforming Warrior、Saintess、Magic Fighter
・Passive skills
Dark Vision
Magic Resistance:10Lv
Physical Resistance:10Lv
Abnormal Condition Resistance:10Lv
Monstrous Strength:8Lv(UP!)
Super Rapid Regeneration:6Lv(UP!)
Vitality Enlargement:10Lv(UP!)
Mana Enlargement:8Lv
Automatic Mana Recovery:8Lv(UP!)
Mana Recovery Rate Increase:8Lv
Self Super Enhanced (1):Vandalieu:6Lv(UP!)
Self-Enhancement: Guidance:10Lv
Strengthened Attribute Values: Creator:7Lv(UP!)
Strengthened Attribute Values: Ruling:5Lv(UP!)
Allure:8Lv
Bow weapon equipped, then Attack Power Augmented (2) : Large(UP!)
Non-metallic armor equipped, then Defense Power Augmented (2) : Large(UP!)
Strengthen Follower:2Lv(UP!)
Enhanced Attribute Values: Transformation:8Lv(UP!)
Enhanced Magic and Attack Power when Equipped with : Large(UP!)
・Active skills
Cooking:6Lv(UP!)
Housework:5Lv
Hunting God Archery:4Lv(UP!)
Hearth-Style Dagger Technique:3Lv(UP!)
Unlimited Arm Transformation Works:3Lv(UP!)
No-Attribute Magic:5Lv
Precise Mana Control:3Lv(UP!)
Life Emperor Magic:5Lv(UP!)
Water-Attribute Magic:10Lv
Wind-Attribute Magic:10Lv
Spirit Magic:8Lv(UP!)
Dismantling:3Lv(UP!)
Spirit Form:3Lv
-Surpass Limits-:5Lv
Chant Revocation:6Lv
Coordination:9Lv(UP!)
Goddess Advent:3Lv
Clergyman:5Lv(UP!)
Dancing:4Lv(UP!)
Singing:3Lv
Surpass Limits Magic Staff:4Lv
Staff Technique:6Lv(UP!)
Magic Fighting Technique:2Lv(NEW!)
・Unique skill
Vida’s Incarnation
Life Attribute Gods’ Divine Protection (Those allied with Vida)
Chaos Elf's Ancestor
Vandalieu’s Divine Protection
Divine Metal Skeleton
Magic Eye of Regeneration:6Lv(UP!)
Chaos