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Side Chapter 42: revivalHeinz

 全ての彼は、視覚を焼かれるような激しい輝きを覚えている。

 whole bodyを切り刻まれる苦痛も、閉じ込められる屈辱も、彼等は忘れてはいない。

 最初は、どの彼も気が狂いかねない程の激情に支配された。emotionsは言うまでもなく、reasonは逆転の機会を探り、Memoryは役立つ経験は無いかと目まぐるしく過去を振り返り、Manaと気、欲望は滾った。


 だが時間が経つにつれて、どの彼も冷静になった。活動を止め、まるで無機物になったかのように、時を待った。

 分断され、孤立していた彼達だが、不思議な事にどの彼も同じ答えに行きついた。

『奴らは、Bellwoodや他のChampionも、AldaVidaも、専門を気取るRodcorteでさえも、魂を分断するのがせいぜいだ。砕く事は出来ない。それが出来るのは我、Demon King Guduranisのみだからだ!』


 故にGuduranissoul fragment達は、機会を待ち続ける。再び一つとなり、Bellwood達に復讐する機会を。

 その機会を手にする可能性がZeroに近いと分かっていても、執念深く待ち続ける。


 Guduranisも、敗北を認めていない訳ではない。

 自らの配下を寝返らせ、奇妙な道具で下等生物共を強くするZakkart達を重要視した。その結果、戦闘しか能のない……つまりDemon Kingにとって分かり易いありふれた敵でしかない戦闘系ChampionBellwood達を軽く見た事は言い訳のしようがない。


 守らなければならないはずの保護対象が、絶滅しかねない危険を冒してまでChargeを強行するとは、Guduranisも予想しなかった。滅亡か勝利か。そのどちらかを選ばなければならない程奴らを追い詰めていた事に気がつかず、油断してしまったのだ。

 その結果、Farmoun GoldNineroad、そしてBellwoodGuduranisは敗れた。


 Guduranisは、Humanの倫理観が通用しないanother worldから来た存在だ。彼が認めるのは、弱肉強食の原則だけだ。

 強い存在は、weak存在を喰らい、奪い、踏み躙る権利を持つ。Guduranisは強いからDemon KingとしてReignし、配下を従え、weak Lambda worldGodsHuman達からworldを奪おうとした。だがBellwoodより弱かったので敗れた。それだけの事だ。


 そう、敗れた。それは否定しようがない。しかし、復讐の機会があるなら迷わず手を伸ばす。復讐できるのだから、する。それを恥じる理由は無い。Guduranisを完全に滅ぼす事が出来ない、Bellwood達が悪いのだから。


 そうして機会を待ち続けて、長い年月が過ぎたある日。『God of Law and LifeAldaDivine Realmや、RodcorteDivine Realmに封じられているGuduranissoul fragment達は気がついた。

 何者かが、自分ではない何かが彼のBodyを乗っ取っている事に。


BAKANA!? 我を倒したChampion共でさえ、我のBodyを滅ぼしきる事は出来ず、sealedするしかなかったと言うのに……それを乗っ取るだと!? 我がfragmentが乗っ取るのではなく!?』

 信じ難かったが、Guduranissoul fragmentはこの十万年の間、『Lambda』で何が起きているのか知らない。だが「ありえない」と自身の感覚を否定するsoul fragmentは一つもなかった。


『何者かが、我のBodyを奪い、取り込まれるどころか取り込んでいる……我に成り代わるつもりか!? おのれ……おのれぇ! 許さぬ! 許さぬぞぉ!』

 soul fragment達は自分に成り代わりDemon Kingとなろうとしている存在に対して、強いhorrorと憎悪を覚え、気が狂う程の屈辱に悶えた。


 もしその存在が自分と同じように魂を砕く事が出来るのなら、それはDemon King Guduranisに真の意味で滅びをもたらす事が出来るという事だ。今のconditionでは、憎きBellwoodよりも警戒に値する存在である。


 Demon King Guduranissoul fragment達は、Vandalieuが【Great Demon KingJobに就いたimpactで、彼の存在に気がつき、十万年前のように猛り狂ったが、やがて何事も無かったかのように鎮まった。


 何故なら、soul fragmentsealedBodyfragmentよりもずっと強固で、RodcorteAlda、それぞれ神が直接管理している。幾らGuduranis達が猛ったところで、解けるものではない。

 だから待つ事にした。新参者のDemon Kingを滅ぼすその機会が来るまで。




 自身のDivine Realmで、RodcorteGuduranissoul fragmentsealed-sama子がおかしい事に気がついた。

Demon Kingsoul fragmentが震えている? ……Vandalieuimpactか?』

 離れているDemon King Fragmentimpactを及ぼす事が出来る存在と言えば、Rodcorteが知っているのはVandalieuのみだ。


 しかし、今まではBodyfragmentsealedimpactを及ぼすだけに留まっていた。それも、sealedが綻んでいたfragmentや、既にInfestした宿主を乗っ取りつつあったfragmentrunawayを誘発させる程度で、強固に封じられ適切に管理されたfragmentにはimpactを及ぼす事はなかった。


 それなのにsoul fragmentにまで何らかのimpactを与えているとしたら……魂の治療にDemon Kingの魂の粉を使ったEdgarの事がRodcorteの脳裏を過ぎったが、彼はそれをすぐに否定した。


Vandalieuが、fragmentを多くAbsorptionした事が原因か』

 Edgarは『Lambda』に送り返したばかりで、まだ何もしていないだろうから、Demon Kingsoul fragmentimpactを及ぼすような事は考えられない。


 だがVandalieuは、『Cannibalismと強奪の邪Evil God (P)Zeezoreginを喰らった事で、新たに【Demon King Fragment】をAbsorptionしている。彼がDemon Kingに近づいた事で、魂も共振か何かを起こしたのかもしれない。


『まさか、Bodyfragmentだけではなく魂までVandalieumain bodyだと認識し始めるのではないだろうな? だとすると拙い事になるが……いや、それはあるまい』

 BodyfragmentGuduranisの意思も知性も持たないが故に、Vandalieumain bodyと誤認しているに過ぎない。対してsoul fragmentGuduranisその物であるため、main bodyだと誤認する余地はない。


 Rodcorteはそう結論を出して、fragmentから『Origin』や『Lambda』に注意を移した。




 その頃、『AldaTrial's Dungeon』の『街』の郊外では、『Five-colored blades』のmemberの内三人が戻ってきたEdgarを交えて、模擬戦を行っていた。

「くっ、三人とも、強くなってないか!?」

「当たり前だ! お前とHeinzが戻って来ない間、あたし等が怠けていたとでも思うのか!?」

 Edgarの短剣を捌きながら、Jenniferがそう聞き返す。


「あいつにlose、色々考えさせられたけど……考えているだけじゃ、体が鈍って頭が働かないんだよ!」

stress解消にもなりました」

 Vandalieuworldを穿つような大magic、【World Breaker Hollow Cannon】によって、このDungeonの大部分が壊滅的な損傷を受け、本来の管理者である『God of RecordsCuratosも滅ぼされた。


 Age of Gods EraHumanの街を再現したこの『街』も、食料の供給や武具の購入は出来るものの、再現されていたHuman達の姿は消えたままだ。

 しかしDungeonでの試練は機能している。既に一度攻略した試練と、本来ならずっと後に挑むはずだった試練だけだが。


 その試練に、Vandalieuに魂を傷つけられなかったJenniferDaiana、傷つけられたが軽傷だったDelizahの三人は再び挑戦したのだ。

「人数が二人足りない分、きつかったけどね。……よし、ここまでにしよう!」

 Jenniferが拳を寸止めしたtimingで、Delizahが模擬戦の終了を告げる。Edgarは短剣を鞘に納めると、額に浮かんだ汗を拭った。


「すっかり追い抜かれた。若者の成長力には敵わないねぇ」

「何言ってんだよ、オッサン臭い」

「俺は、もう三十路だからな。でもオッサンは止めろ。おじ-sanって言いなさい」


 Edgarが袖で再び汗を拭おうとすると、Daianaが手拭いを彼に差し出した。

「でも、安心しました。Edgar -sanに後遺症が残っていないばかりか、戦闘にも支障が出ていないようでしたから。動きも技のキレも、私達の知っているあなたのままです」

 そして、そう言ってほほ笑んだ。


 魂の損傷は、Memory障害や人格の変化、body partの麻痺や幻覚症状等、-sama々な後遺症を引き起こす。それを彼女達はGodsから聞かされていた。Heinzは治療に数か月から一年程かかるが、そうした後遺症は抑えられるとも。

 しかし、魂を深く傷つけられたEdgarは、治療してもadventurerに復帰できるかは分からない。そう言われていた。


 それだけに、EdgarJenniferとの模擬戦で以前の彼と同じ動きを見せた事は、彼女達を大きく安心させた。

「戻って来てからもおかしなところはないし、頭の中身もなんともないらしいな。……なんともないよな?」

「う~ん、そう言われると……結婚の約束をしていた年下の幼馴染の顔とnameがどうしても思い出せない!?」

「何っ!? 本当か!?」


 Edgarが頭を抱えて叫ぶと、Jenniferも慌てた-sama子で聞き返す。

「あんたにそんな幼馴染はいない。そもそも、私達の故郷はMirg Shield Nationでしょう」

 しかしDelizahにそう指摘されて嘘がばれてしまった。


「嘘か!?」

「流石に悪趣味ですよ」

 Daianaにまで注意されたEdgarは、「悪い 悪い、ついな」と謝りながら続けてこう言った。


「俺には治療されている間のMemoryがないからな。Martinaの姿をしたCuratosに介錯されて、意識が途切れた次の瞬間にはこの『街』に戻っていた。あれから三カ月……いや、四か月か? 季節が変わるほど寝ていたなんて、信じられなくてな」


 『Goddess of SleepMillと会話する事が出来るHeinzと違い、EdgarRodcorteに治療されている間意識がなかった。それは、彼の魂がそれ程危険なconditionだった事を意味している。

 意味しているが、Edgarにはやはりピンと来ていなかった。Bodyの傷ならともかく、魂の傷は生きている間に自覚する事はまずないので、無理もないが。


 生きているcondition、つまり魂がBodyに宿っているconditionでは、魂に障害が残るほど傷つく前にBodyが耐えきれずに死ぬからだ。

 Edgarの魂があれほど傷ついたのは、CuratosDivine Authorityで本物そっくりに再現された偽のBodyに魂が宿ったconditionで試練に挑むこのDungeonの仕組みと、Vandalieuと言う魂を喰らい、消滅させる事が出来る存在との戦闘の両方が揃った事で起きた、希少な事例と言える。


「じゃあ、どんなKami-samaに治療を受けたのかも知らないのか?」

「ああ。出来れば、心優しい女Kami-samaだと良いんだが……やっぱり、Niltarkかもな」

 Jenniferに、自身がblessingsを賜った『God of JudgementNiltarkの名を出すEdgar。治療の際に、消滅したHeroic spirit Lukesoul fragmentが使われた事は、彼も『街』に戻った直後に受けたOracleで聞かされていた。


 しかしRodcorteはそれだけでは足りず、Demon King Guduranisの魂の粉まで使っていたが、それは彼自身もGodsも知らなかった。

「まあ、こうして見事に治療してくれたんだ。感謝――」

 感謝しなきゃな。そう言いかけたEdgarが、不意に動きを止めた。そのまま、視線を遠くに向けて立ち尽くす。


「ちょっと、どうしたの?」

 だが、Delizahに声をかけられ、はっと我に返った。

「いや、なんでもない。ちょっと、考え事をしていただけだ」

 咄嗟にそう答えたEdgarだったが、本当はそうではなかった。不意に、奇妙な光景が思い浮かんだのだ。


 甲虫とoctopusを混ぜたような奇怪な生物が逃げていく光景、グニャグニャと歪む太陽に七色の雲が浮かぶ空、screechをあげながら逃げ惑う見覚えのないHuman達。

 そして、whole bodyが輝いている青年が自分に向かって刃を振り下ろす光景。


(何だ、あの生き物や空は? 生き物はmonstersだとしても、あんな悍ましいmonstersを見たら、絶対に覚えているはずだ。空も、この世のものとは思えなかった。

 だが、逃げ惑うHuman達の方は、見覚えがある。accurateには、Humanが身に着けていた衣服にだが)


 Curatosが消滅する前に『街』に再現されていた、Age of Gods Era人々。彼等が着ていた服に、何となく似ているのだ。

Age of Gods Era人々って事は、LukeMemoryを見たのか? いや、Lukeは十万年前には存在しないはずだ。だったら……それに、最後の光景。何でBellwoodに斬られるんだ?)


 『God of Law and LifeAldatempleで、祭られていた『Heroic GodBellwoodの像。それに青年はそっくりだった。

 それはただの偶然か。そもそも、このMemoryに意味はあるのか?


Edgar、どうした? やっぱり疲れてるんじゃないのか?」

「そうですね。自覚がなくても、body partFatigueが蓄積しているのかもしれません。今日はもう休みましょうか?」

 Edgarが深く考える前に、JenniferDaianaにそう声をかけられて、意識をMemoryから彼女達へ向ける。


「いや、ちょっと考え事をしていただけだ。色々あったからな」

「そうですね。私達もあなたとHeinzが居ない間、彼……Vandalieuが語った事について考え、話し合いました」

 Edgarは自分の中にある奇妙なMemoryを指して言ったのだが、Daianaは彼の魂を傷つけた相手であるVandalieuが語った事についてだと思ったようだ。


「……そうだな。Ghoulについては、『もしかして』とは思っていたが」

 だが、EdgarにとってもVandalieuが語った事は、無視できない事だった。

 人の言葉を話し、Jobにも就く事が出来るGhoulは、実はmonstersではなくHumanVida's New Racesなのではないか。そう考える者は存在していた。Edgarだけではなく、HeinzDelizahもそうだ。


 だが、Alda Reconciliation Factionの旗頭となったHeinz達でも、それを主張する事は出来なかった。何故なら――。

「何だ!?」

 その時、空に再現されたPseudo-的な太陽の輝きが、突然強くなった。

 あまりの眩しさに目を開けていられず、Edgar達は咄嗟に目を閉じて身構えた。


 この半壊したDungeonが、遂に限界を迎えたのだろうか?

「……皆、今戻ったよ」

 だが、聞こえて来たのはdespair的なDecayの音ではなく、聞きなれた仲間の声だった。


Heinz!?」

 輝きは唐突に納まり、目を開いたEdgar達の前に『Goddess of SleepMillの治療を受けていた、Heinzが立っていた。


Heinz、戻って来たのね!」

「大丈夫なのか!?」

「ああ、大丈夫だ。治療してくれたMillと……庇ってくれたJoshuaのお蔭だよ」

 駆け寄ってくるDaianaJenniferに、Heinzはそう答えた。そして、Edgarに顔を向ける。


Edgarも、元通り回復できたようで良かった。MillからMemorybody partに障害が残るかもしれないと言われていたから心配していたんだ」

「心配してくれたのは嬉しいが、お前だって似たようなもんじゃないか。それに、一日だけだが俺より長く治療にかかった奴の台詞じゃないぞ」


「お前と違って、私は治療の間も意識があったからな」

 軽口を叩き合って、お互いの無事を確認し合うHeinzEdgar

「無事に帰って来たのは嬉しいけれど、こうして五人そろったからには決めないといけないわよね。これから、私達『Five-colored blades』はどうするのかを」

 だが、Delizahがそう言うと、笑みを消して真剣な顔つきになって頷いた。


 『Five-colored blades』のmemberが勢ぞろいしたが、彼等は岐路に立たされていた。

 Vandalieuとの戦いによる敗北。DungeonDecayによる試練の中断。CuratosJoshuaLukeの消滅。何より、AldaDemon Kingと呼ぶ存在であるVandalieuが、Boundary Mountain Rangeの内側でVida's Factionを纏め上げていたと言う真実。


 このままpartyを維持するのか、それとも解散するのか。Vida's Factionとの融和を目的とするAlda Reconciliation Factionであり続けるのか、主張を変えるのか。Vandalieuと再び戦うのか、それともどこか遠くへ逃げるのか。

 出来るかは分からないが、どれかを選ばなくてはならない。


「……Millの治療を受けている間、ずっと考えていた。Godsが知り得たVandalieuについての情報を聞かせてもらいながら。

 まず、彼は我々が思っているような、そしてAlda templeで教えられるような『Demon King』とは違う。『God of Law and LifeAldaの教えで彼を判断するなら、極悪人。邪悪な存在だという事になるが……」


 禁忌であるDemon King Fragmentを幾つもbody partAbsorptionし、しかも完全に制御している。更に、countlessUndeadを創りだし、Godsの魂を喰らって消滅させる。


「だが、一方で大勢のVida's New Races達を……そしてAlda believerも含めたHumanを助けている。私達が此処にいる間にも、街を守りながらAlcrem Duchyに潜んでいた邪悪な神を倒していた。

 正直、今の時点で私達よりも多くのHumanを……Vida's New Racesを含めた全てのHumanを助け、守っている」


 それらの働きをAlda's FactionGodsは「Guduranisと違い、Vandalieuも地上で生きている。worldを守るのも、自分自身が生きていくためだろう」と言って、評価していなかった。

 だが、GodsではないHeinzは地上を生きるHumanの一人として、Vandalieuの行動を評価していた。


「邪悪な神を!? あいつ、更に腕を上げたのか……」

「ああ。『God of ThundercloudsFitunも消滅させたらしい。believerらしい青年のbody partを乗っ取って、地上にAdventしていたが……」

「そこまでか。今の俺達じゃ、もう苦戦もしないんじゃないか、あいつ?」


 Edgarの言葉に、「そうかもしれないな」とHeinzは返した。それを聞いて、DelizahDaianaの顔が青くなるが、構わずHeinzは続けた。

「そして、Alda Reconciliation Factionとしての私達の在り方だ」

Ghoulの事なら、私達も話し合ってきたけど、結論はまだ出てない」


 Delizahの返事に、Heinzは落胆した-sama子は見せずに頷いた。

「ああ、そうだ。私達はそれで良い。私達は、Vandalieuのようには出来ない」

 GhoulVida's New Racesかもしれない。『God of Law and LifeAldaを国教とするAmid Empireではなく、Orbaum Elective Kingdomでもそう口に出来なかった。


 何故なら、「GhoulVida's New Racesだ」と主張するだけでは、何の意味もないからだ。

 Orbaum Elective Kingdomでは、確かにVida信仰が認められている。Vida's New RacesであるBeastmenや、Humanの両親から産まれたatavismで一族全員ではないがGiant raceDukeもいる。

 だが、Vida's New Racesを優遇する国ではない。


 その証拠に、VampireMajin Race等、人類に対して危険だと判断されたVida's New Racesに対しては、Adventurer’s Guildでは討伐対象として依頼が出されている。Scyllaのように、Autonomous Territoryに押し込められているraceもいる。

 Heinz達がHonorary Earlになったのも、Evil God (M)を崇拝していたVida's New RacesPure-breed Vampire Terneciaを倒したachievementによるものだ。


 それにただGhoulVida's New Racesと認めさせただけでは、GhoulVampireMajin Raceと同じ、危険なVida's New Racesの仲間入りするだけで、何の意味もない。


 次に、Ghoul達も自分達がVida's New Racesだと知らない者が大多数を占めている。monstersのように人を襲い、男なら肉を喰らい、女なら同族にしてしまう。

 そんなGhoul達をHeinzは統率する力を持っていない。彼等が「あなた達はVida's New Racesなので、Humanと争うのを止めよう」とGhoulに話しかけても、Ghoul達がHeinzの言葉を信じるかは別問題だ。


 Ghoulchildだけでも保護しようと考えないでもなかったが、それは傍から見ればmonstersTamerしようとしているのと同じであるため、数多く保護する事は出来ない。

 そして保護したとしても、扱いはやはりTamerしたmonstersのままだ。大人になっても解放する事は出来ず、連れまわすか、他のTamerに譲るしかない。


 そうした理由でHeinz達はGhoulに関して口を閉じていた。先延ばしにしていたのだ、Ghoulだけに全力を注ぐ訳にはいかないのだと、言い訳をして。


 Vandalieuの場合はGhoulを従わせる『Guidance』と、導いたGhoul達を安全に保護できる『国』がある事。更に、Alcrem DuchyではNobleに対してachievementや恩だけではなく、「敵にまわったら殺される!」と危機感を抱かせられたために、Ghoulの保護や地位向上を素早く行う事が出来たのだ。


 それらは、Heinzには無い。彼のGuidanceは会ったばかりのGhoul達に大きなimpactを与えられる類のものではないし、保護するための場所もない。


「だが、何も出来なかった我々自身を正当化するつもりはない。Vida's New RacesHumanとの融和の旗頭は、Vandalieuの方が相応しいし、そのAbilityもあるとすら思っている。

 ただ、私達には彼と同じ事が出来ないのは変わらない」


「じゃあ、Vandalieuとは戦わず、このDungeonを出るのか? でも、お前とEdgarDelizahは奴にとって仇だ。また狙われるんじゃないのか?」

Delizahから、彼の母親が生き返ったらしいと聞いていますが……それでも彼は許すつもりは無いようですし」


 まるでVandalieuの事を擁護し、認めるような話をするHeinzに、Jenniferが問いかける。Daianaも、同意見のようだ。

「まあ、それはそうだろうな。強盗に金を盗まれた後、また金を稼いだとしても、金を盗んだ強盗の罪がチャラになる訳じゃないんだし」


「それに、彼の前でまた母親を殺してしまった。再現された偽者でも、Vandalieuには関係ないようだったし……」

 EdgarDelizahも、Darciaが生き返ったからと言ってVandalieuに許されるとは思っていないようだ。

 だから、Aldaの意向に逆らってVandalieuを狙うのを止めても、Vandalieuが自分達を狙うのを止めてくれるとは思えない。


「それは私も分かっている。だが、その前に二人の意思を確認しておきたい。JenniferDaiana-kun達はVandalieuに命を狙われていない。だが、これからも我々と行動を共にするなら――」

「分かりきった事を態々聞くな」

「私もJenniferと同意見です」

 意志を確認しようとしたHeinzの声を遮って、二人が応える。もし二人が抜けるつもりなら、自分達の帰りを待っているSelenの事を頼もうと思っていたのだがと、苦笑いを浮かべた。


「分かった。では、私の意思を言おう。……Vandalieuと戦い、彼を倒してでも止める。今の彼はDemon Kingではないが……数千年後の彼はDemon Kingになりかねない、又は彼が残すものがDemon Kingよりも危険だからだ」


 HeinzGodsが知っていたVandalieuに関する情報を手に入れ、彼がBoundary Mountain Range内部にVida's New Racesと一部のmonsters、そしてUndeadの国を創り上げた事を知った。

 その国ではVandalieuの統治によって、人々Orbaum Elective Kingdomよりも、そしてAlda Reconciliation Factionが目指す融和よりも、自由と平等を謳歌している。


 自分と同じGuiderなのに、ここまで違うのかと思わずにはいられなかった。

 しかし同時にその国の危うさにも気がついた。


 Vandalieuの国が纏まっていられるのは、統治者であるVandalieuが存在するからだ。他の国々のように、Vandalieuの代わりは一切効かない。

 Vandalieuが存在するだけでVida's New Races達はお互いに協力し合い、monstersは賢く穏やかに、Undeadはまるで生前の人格がそのまま宿っているかのようにreason的に振る舞い、暮らしている。


 だが、Vandalieuがいなくなったら? Guiderの力は遺伝しないので、blood縁者が幾らいても無意味だ。

 それに居なくならなくても、長い間統治し続けた結果、Vandalieuarroganceになり、人々に圧政を敷くようになったら?


 その時こそ、worldの危機だ。


「これを問いかける為に、そして答え次第ではVandalieuを止めるために、私は再び彼の前に立つつもりだ。

 certainly、今のままでは問いかけをする間もなく殺されてしまうから、このDungeonの残りの試練をやり遂げ、力を手に入れてからだが」


「いや、力を手に入れるって……残っている無事な試練は、いきなりラスト十階層前からだぜ。死なないからと言っても、攻略にどれくらいかかるか分かったもんじゃないぞ」

「その間に、Vandalieuはさらに強くなるはずよ。それじゃあ、差は一向に縮まらない」


 そう反論するEdgarDelizahに、Heinzは「大丈夫だ」と言って頷いた。

「このDungeonの最奥には、『Heroic GodBellwoodが眠っている。彼を目覚めさせ、body partAdventさせるskillを習得するのが、このDungeonの目的だ。

 かつて、『God of Law and LifeAldaをその身にAdventさせ、Demon King Guduranisを倒したBellwood。彼と同じ力を私達は手に入れなければならない」


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