Takkard・Alcremは、瞬間的な決断力やIntuitionに優れた人物ではない。自身が治めるDuchy全体をAlda Reconciliation Factionに転向させる大胆な決断も、一年以上の長い側近達との議論と思考、Duchy内の反抗勢力がどう動くかの想定等を経た結果である。……これでも、大Nobleとしては腰が軽い方かもしれないが。
少なくとも、Bardが歌っているようにHeinz達と出会ったその瞬間に、彼等のHeroとしての器の大きさに感銘を受けて即断した訳ではない。
Vandalieuからの問いかけを受けた時、彼は冷静で論理的な思考が出来るconditionではなかった。
重要な会談が上手く進んでいた最中に発覚した、信頼していた腹心の裏切りとその正体。
知ってしまった、Gordiの一族に外から加わった者達の残酷な末路。
それに対して、共同戦線を張り、その後の対処も協力すると言うVandalieuの言葉に覚えた共感。
彼が見せた部下、Valdiriaを救おうとする善意と、自分達がGordiに対して覚えた怒りに共感しているという認識が、彼に強い仲間意識を抱かせた。
「分かった。我々、Alcrem Duke 家は-kunと同じ側であのmonsterと戦い、その後も-kunと手を結ぼう」
……Gordiに食いちぎられたLeft Armを数秒で再生させるなどHumanとは思えない-sama子を見せられているのだが、それはそれだ。
敵に回すmonsterは、少ない方が良い。何より、【SurveyingのMagic Eye】を持つRalmeiaが、未だにGordiではなくVandalieuの方を恐れ敬っている。それも大きな判断材料だった。
「分かりました、では、Gobu-gobuの試食も含めて会談は今後も続けましょう。
一先ずは――」
VandalieuはAlcrem Dukeと話している間にも、Gordiが増やしていくCamouflage Human達へと視線を向けた。
「「「はははは! Dukeと手を組んだからと言ってどうした!? 貴-samaにとっては大した戦力ではないだろうに。まさか、我々がそいつらを殺すのを躊躇うとでも思ったのか!?」」」
そうGordiと、Gordiから分裂した新たなCamouflage Human達が嘲笑う。
Gordiの父と、ジスティナ以外に何人もの男女や、monstersの姿をしたCamouflage Humanの奥にいるGordiに、Vandalieuは右手の平を向け……【Demon King's Eyeballs】をActivate。
「「「「……はっ!?」」」」
思わず間の抜けた声を漏らす一同を無視して、そのまま【Demon King's Luminescent organs】をActivateし、怪光線を放った。
「がっ!?」
「ぎゃぁ!」
Camouflage Human達の壁を貫きながら、Gordiに迫る怪光線。だが、新たに分裂したCamouflage Humanが彼を横に引っ張り、かろうじて直撃を避けた。
「ば、BAKANA!? それは【Demon King Fragment】のはず。runawayの危険を冒してまで何故使う!?」
Right Armに当たる部分を抉られたGordiが叫び、Vandalieuはそれに応えるかのように右手を上げる。
「gun barrel展開」
しかし、その右手から赤黒い【Demon King's Blood】が噴き出し、筒状の形状で凝固。更に【Demon Kingのfallopian tubes】をActivate。
「【Bloodshed Enhancement】、ファイエル」
Manaを通常の数倍もかけて、強引にActivateさせた殺傷力をEnhanced (1)する付与magicをかけた卵を【Telekinesis】でAccelerationさせ、砲弾代わりに撃ち出す。
「【Magic Steel壁】!」
「グオオオオオッ!」
「【氷Magic Armor】! 【大地の盾】!」
それに対して、怪光線を逃れたCamouflage Human達がGordiを守るために盾となる。しかし、盾を構えたCamouflage Humanは、ネコザメの卵に似たdrill状の卵弾に盾ごと貫かれ、TrollにCamouflageしたCamouflage Humanは卵の中に満ちた【Demon King's venom gland】から分泌されたDeadly Poisonに倒れる。
《【Death-Attribute Magic】skillを獲得しました!》
「あれは、Deadly Poisonを包んだ弾を打ち出しているのか。【Poison Resistance】skill10levelでも危険なほどの量と毒性だ。どうする、Gordi? このままでは悪戯にskillを消費するばかりだ……ぞ」
Gordi 's ancestor父にCamouflageしていたCamouflage Humanは、頭部を半分砕かれて倒れた。咄嗟に唱えたmagicによる防御も、【Demon King Artillery Technique】と【Demon King Fragment】の合わせ技を止めるには、命をかけなければならなかったようだ。
「何故runawayしない? 奴がDemon King Fragmentを制御する為のskill……奴をDemon Kingたらしめているskillは、奪ったはずだ。それに、あれは俺が奪った【Hell King Magic】と同じattributeのmagic。何故、使える!?」
しかし、GordiはVandalieuが【Demon King Fragment】を躊躇いなく、そして何のimpactも受けないまま連続して使っている事に対して動揺が抑えられないでいた。
「【Demon King】と【Death-Attribute Magic】skillなら、また再取得しました。心配しなくても、runawayはしませんよ」
Vandalieuは、再び【Demon King】skillを取得した事を告げた。certainly、MEIDOの土産に教えた訳ではなく、Gordi達が動揺する事を期待しての発言である。
「何だと!?」
「そんな、我々が奪ったskillを、自力で取り戻したと言うのか!?」
案の定、Camouflage Human達は大きな衝撃を受けたようだ。Camouflageとskillの強奪はCamouflage Human達の最大のWeapon Equipmentであり、race的なアイデンティteaでもある。
それが通用しない相手に初めて遭遇した事で、彼等は動きが止まるほどのshockを受けていた。
「あ、あれはいったい!? 何かのmagic、いやmagic itemか? いや、たしか【Demon King Fragment】と……【Demon King Fragment】なのか!? それに【Demon King】skillを取得しただと!?」
「爺っ! 今は協力しろっ、あのDhampirがGordi以上のmonsterだろうが、聞き流せ! 奴がDemon Kingの化身だろうが構うんじゃねぇ!」
「こちらです、閣下。ここは危険です」
もっとも、動揺の大きさはBrabatieuの方が上だったが。Sergioは眼の前の戦場に意識を集中させる事で、思考を放棄している。Dukeも呆然と立ち尽くしていたが、Ralmeiaによって他のKnightやSpy達と共に少しでも安全だと思える場所に下がっている。
「partner! このままでは拙いぞ。我々も無限ではない」
Gordiの『partner』の声に焦りが滲む。Camouflage Humanは分裂する事で同族を増やす事ができ、【Demon King】skillを奪った事でGordiはそのAbilityが格段に増していた。増えるだけなら、無限に続けられると思う程に。
しかし、産みだしたCloneに分け与えるskillは有限だ。Camouflage Humanは自ら取得したskillと、奪ったskillをストックしておく事も、同じskill integratedする事も出来る。
だが、分割は出来ない。10levelの【Sword Technique】skillを奪っても、それを十個の1levelの【Sword Technique】skillにして十人のCamouflage Humanに一つずつ分け与えるような事は、不可能なのだ。
これはCamouflage Humanの限界と言うより、Status systemにはそのようなskillの運用が想定されていないためだろう。
【Demon King】skillを手に入れようと、Gordiが現存するCamouflage Humanの中で最も優れた個体であろうと、変わらない。
ストックしてあるskillが無くなったとしても、Gordiは通常より優れたCamouflage Humanを創りだす事が出来る。
だが、skillを持っていないCamouflage Humanは、ただHumanの姿に化ける事が出来るだけのmonstersに過ぎない。並のKnightならともかく、Vandalieu達相手には肉壁にすらならないだろう。
「分かっている、partner。Vandalieuよ、これを見ても涼しい顔でいられるか!?」
Gordiがそう叫ぶと、新たにCamouflage Humanが誕生する。
「Vandalieu。私よ、おkaa-sanよ」
優しげな微笑を浮かべる、Dark ElfのDarciaに化けたCamouflage Humanが現れ、Vandalieuの動きが一瞬止まる。
「あれはDarcia -dono? idiotめっ、Darcia -donoならValdiriaの治療を行っている最中だ。分かりきった偽者等、儂が――」
「Brabatieu -donoっ! 危険なので手出し無用でござる!」
Darciaの偽物にSlashかかろうとするBrabatieuを、Myuzeが慌てて止める。その-sama子を見たGordiは、確信した。Zeezoreginから伝えられた情報は正しかったのだと。
(理解に苦しむが、こいつは明らかに偽物だと分かっていても自分の母親、そして仲間達の姿形をした存在を攻撃するのを躊躇う! 今の内にもっと――)
「ファイエル」
「がっ!? もっと、作らなければ!」
gun barrelを窄め、Darciaの偽者の隙間を縫うように狙撃したVandalieuの銃弾に片耳を吹き飛ばされつつも、GordiはCloneを作り続けようとする。
KatiaやNatania、Simon。そしてここには居ないZadirisやBasdia、EleonoraやMilesにCamouflageしたCamouflage Humanが出現する。
(この隙に私は【Demon King】skillをZeezoreginに……)
偽者たちのshadowに隠れ、Gordiが逃げようとする。
「【Spiral轟矢】!」
「【割岩投斧】!」
その時、側面から放たれた矢が、偽Darciaの首から上を木端微塵に吹き飛ばした。更に、Gordiの『partner』に深々と手斧が減り込む。
「Vandalieuっ! 本物のおkaa-sanはここよ! 偽者なんて気にしないで!」
Vandalieuの前でいったい誰がそんな恐ろしい事をと思えば、Valdiriaの治療を終えた本物のDarciaだった。
「意趣返しはさせてもらったぞ」
首元を紅く濡らしたValdiriaは、そう言うともう一振りの手斧を構えた。傷はcertainly、毒のimpactも残っていないようだ。
「kaa-san、分かってはいますが……」
「そうね、分かっていても辛い事には変わらないわよね。じゃあ、偽者は皆が相手をするから、Vandalieuは敵の大本を叩いて。
さあ、皆っ! 偽者を倒すわよ!」
「「「おおぉーっ!」」」
Darciaだけではなく、この中では新参のSimonやNatania、Julianaも、Vandalieuが明らかな偽者でも仲間の姿をした存在を傷つけられる事に、大きなstressを覚える事を知っている。
だから、Darciaに鼓舞され、士気は一気に上がった。
「ボク達の偽者がいないのは何でかな?」
PrivelがGordiの作り出したCamouflage Humanの中に、自分達の偽者がいない事に気がついて訝しげな顔をする。
「恐らくだが、拙者達に人型から逸脱した部位が多いからだと思う。ただ単に、奴らがArachneやScyllaをeating preyした事が無いだけかもしれないが」
「某は後者っぽいでござるな。では、この場に本物がいない偽者は某達が担当するでござるか!」
「そうだね。Duke -sama達とも、一蓮托生って事になったんだし、思いっきりやろう!」
そう言うと、それぞれ変装用のmagic itemを解除し、真の姿を現す。Privelはtentacleの先端に生えたDragonの頭部からBreathを吐き、呪文を唱えて援護し、Myuzeが鎌腕の水晶の刃を、GizaniaがGiantな刀を振るう。
それを偽Milesと偽Eleonora、偽Basdiaが迎え撃ち、偽Zadirisがrearguardからmagicを放つ。
偽Basdiaの斧とGiant刀を打ち合わせ、力比べになったGizaniaは驚いて目を見張った。
「むっ、この偽者は、本物より……ずっとweak!?」
八本の脚による瞬発力でGiant刀を押し込むと、偽Basdiaはあっさりと体勢を崩して隙を見せた。更にそこを突いてGiant刀をSingle Flashすると、偽Basdiaはあっさりと倒れ伏した。
「こっちの偽Miles -donoは、そこそこ良い動きでござるが……やはり本物より数段劣るでござるな! 【Beast Transformation】もしないようでござるし」
「こっちも、似たようなもんだよ!」
「ウォン!」
偽Milesは偽Basdia程ではないが、それでもMyuzeの鎌腕とクナイの攻撃を捌ききれず、一方的に傷ついている。
偽Eleonoraも、本物なら決して負けないだろうFang達に碌な抵抗も出来ずやられている。
「ヂュ~っ!」
Urumiのcoldにやられて偽Eleonoraが氷像と化し、Surugaの体当たりがそれをバラバラに砕く。実にあっけない。
「惑わされるな、各々方! legendには、Camouflage HumanはHumanにInfestして喰い殺し、その者のAbility ValuesやMemoryを手に入れるとある! 逆に言うなら、本物を喰い殺さないで作られた偽者は、ただそれらしくappearanceを整えただけだ! 本物のような強さは無い!」
Valdiriaが他のCamouflage Humanに手斧を叩きこみながら、そう叫ぶ。
(くっ、余計な事を!)
図星を突かれたGordiは、内心でclicking tongueをした。Valdiriaの言っている事はほぼ正しい。Zeezoreginが『Evil God of Robbery』や『God of Mountains』を喰らって力が増したimpactで、そのCreation物であるCamouflage Humanも進化した。
そのimpactでValdiriaが知っているlegendのように、『Infest』の過程を踏まず、すぐに食い殺してもAbility Valuesやskill、そしてMemoryを奪う事が可能になった。
しかし、結局eating preyしなければ見た目と声以外は奪えないのは変わらない。
更に、GordiはVandalieuの動揺を誘うために創ったCamouflage Human達が、それらしく見えるように、適当なskillを見繕った。しかし、本物のBasdiaが所持しているようなlevelの高いskillは、貴重なので与えなかった。
そしてAbility Valuesは、本物のRankやJobの数に関わらず生まれたてのCamouflage Humanを【Demon King】skillでEnhanced (1)して、やや底上げした程度でしかない。
そのため、偽者たちはGizania達からみると、弱々しい仲間のそっくり-sanでしかなかった。
「じゃあ、俺達の偽者が程々に強いのは……俺達がまだまだweakからか。こいつは参った」
その分、本物の実力がまだ高くないSimon達の偽者は、本物にとってそれなりの強敵になっていた。
「でも、こいつ等、義肢まで偽物だぜ!」
しかし、Nataniaが言ったようにCamouflage Humanは彼女やSimonが身に着けている義肢の、性能まではCopyできない。出来るのは見た目だけで……今までHumanや亜人型のmonstersから【Spirit Form】や【Long-distance Control】skillを奪った事がないので、【rocket punch】や【Flying Sword】等のMartial Artsも再現できていなかった。
そのため、強敵ではあるが本物のSimonとNataniaの方が優勢であった。
「私の偽者が凄くweakのですが!? 後、よく見たら角やtailがかなりおざなりです! 納得いきません!」
そしてJulianaの偽者は、彼女が短弓で放った矢の一撃であっさり倒れた。
Gordi達も知らないHalf-Minotaurという新raceのappearanceにCamouflageするために、山羊系や羊系のBeast raceの特徴を流用して、それらしく済ませた。しかし、それだけで実力までそれらしく済ませようとはしなかったようだ。
「『God of Records』Curatosの、劣化版でしかないようですね」
appearanceだけではなく、recordした時点のAbility Valuesやskillまでaccurateに再現したCopyを作り出したCuratosと比べられたGordiは、苦笑いを浮かべた。
「神のCreation物でしかない私を神と比べるのは、買いかぶり過ぎだ。だが……本物を【Absorption同化】した我々は、本物以上だ! 見るがいい!」
Gordiが叫び、歴代『Knight of the Crumbled Mountain』や、ジスティナのように喰われた犠牲者の姿をしたCamouflage Human達が彼から生み出される。
「いえ、もうそろそろ結構です」
Vandalieuはそう言うと、gun barrelを解いて腕をクイっと引いた。
「っ!?」
その瞬間、GordiはVandalieuの方に向かって強烈な力で引っ張られた。見ると、何時の間にか彼のbody partに透明な細い糸が付いていた。
「あの弾に糸を仕込んでいたのか!?」
「skillを取り戻せるならその方がいいですからね。とりあえず、お前を喰い殺してみましょう」
【Demon Kingのsilk gland】から作られた糸と、Vandalieuのappearanceからは考えられないMonstrous Strengthは、Gordiに抵抗の余地を与えなかった。
咄嗟に手負いの『partner』や他のCamouflage Human達が糸を切ろうとするが、Demon King Fragment製の糸は生半可な力や刃物では切る事は出来ない。宝剣を持つ『partner』は傷とValdiriaからの攻撃で動きが取れず、OgreにCamouflageしたCamouflage Humanは、切ろうとした糸に逆に腕を切られて愕然とした。
「くおおおおお! ならばっ、更にskillを奪い取ってくれる!」
Gordiは覚悟を決めたのか、それともただの自棄か、Vandalieuに向かって自らPierceを試みる。monstersから奪った【Monstrous Strength】skillをActivateさせ、剣を構えて駆け出してくる。
「そう言いながら、背中から小型のCamouflage HumanをProjectile Fire。magicで姿を消し、from here遠ざかって行きます。奪われたskillはその個体が持っているものとconjectureされますが、どうしますか?」
Gordiの企みは、亜spaceに潜むGufadgarnには通用しなかった。
「【Demon King's Carapace】、【claws】……町の外に向かうのなら好都合なので、泳がせておきましょう」
そうと知らないGordiが、雄叫びをあげながら他のCamouflage Humanと共に突っ込んでくる。それを足にActivateさせたclawsを地面に食い込ませ、腕にActivateしたcarapaceのGiant盾で受け止める。しかし、その衝撃の強さはかなりのものだった。
どうやらProjectile Fireした小型Camouflage Humanには奪ったskillを譲渡しただけで、目の前のGordiがmain bodyなのは変わらないらしい。
「しかし、Zeezoreginが本格的に動き出すまで放置しては問題なのでは? Alcrem Duchyの北部が更地と化しますが」
「それはいけませんね」
「何をごちゃごちゃと……」
「では皆、援軍を残していくので後はよろしくお願いします。俺はZeezoreginの所に行くので」
「分かったわっ、ここはおkaa-san達に任せて!」
「何だと!? 貴-samaは『Holy Wastelands』の場所を、本当の聖地の場所を知らないはずだ!」
Vandalieuの背後に開く【Teleportation Gate】。了解するDarciaと、Giant盾に阻まれて動けないGordiがそれぞれ声を出す。
「行ってきます、kaa-san。場所は、既に十人以上殺した、Camouflage Humanの霊が今教えてくれましたよ」
そう言い残して【Teleportation Gate】にVandalieuの姿は消えた。それを見送るしかなかったGordiに、「しまった!」と叫ぶ暇は無かった。
地面に残っていたVandalieuのshadowから、次々に『援軍』が飛び出して、クナイを投擲したからである。
「黒いGoblinだと!?」
剣でクナイを弾きつつ、Gordiがもう何度目かも分からない驚愕の叫びをあげる。
「俺達の偽者! 雑な仕事をする偽者!」
「お前達、顔剥ぎの技が雑! 死んだ後剥ぐのは二流!」
自分達の仕事を、それも彼等の基準で雑に真似されたと、Vandalieu経由でCamouflage Humanの霊から知らされたBraga達ninja部隊は、怒っていた。
更にshadowからGiantな人shadowが現れ、Vandalieuが消えて放置されていた【Demon King's Carapace】の大盾を素早く拾い上げると、そのままGordiに可愛らしい声をあげながら突っ込む!
「やああああ! 【Shield Bash】!」
【Demon King's Carapace】を叩きつけられた衝撃で、Gordiと一緒にVandalieuに突っ込んだCamouflage Humanが馬車に跳ねられたように空を舞う。
「初めまして! VanのImoutoでJulianaのお姉-chanのPauvinaです!」
元気に後ろの方に居るDuke達に挨拶するPauvina。彼女はJulianaが心配で、お茶会の日だけという約束でVandalieuのshadowに潜んでいたのだ。
「……まさか『Face-Stripping Demon』の偽者が、代々邪悪な神をsealedした聖地を守るあなただったとは!」
そしてshadowから最後に現れたのは、四人組のadventurer partyだった。その姿はBragaやPauvinaに比べると普通だが、その迫力は上回っていた。
「主-kunを裏切り、同じKnightを裏切り、己と添い遂げようと嫁入りしたfemaleを裏切り、人々の信頼と尊敬を踏み躙った! 決して許せん! このArthur、微力ながら助太刀いたします!」
「クヒヒッ、儂ら程度の実力でも、出来る事はあるでなぁ」
「背後は、任せて頂戴」
Camouflage Humanの非道な行いに怒りに震えるArthurに、自分達の力量では届かない事を自覚して震えつつも、強がって作り笑いを浮かべるBolzofoy。そして、せめてrearguardで身を守りつつ援護しようとするKarinia。
彼の異-samaな迫力に、SergioやSimon、Natania、そしてDuke達がおののく。
「か、彼等はいったい!?」
「ただのEClass adventurer partyです! Duke閣下-samaとKnightの方々! この馬車の中へ入ってください! 中は安全です!」
そしてMiriamは戦慄で思わず足を止めてしまったDuke達を、最後にshadowから出てきたSamのcarriageに誘導するのだった。
Gordiから生み出された小型Camouflage Human……遥か以前にContinent北部に国を作り暮らしていたHarpyを喰らった時に覚えた、卵から孵ったばかりのchildの姿をした個体は、一心不乱に翼をfeatherばたいた。
Light-Attribute Magicで姿を消し、Wind-Attribute Magicで音を消し、【High-Speed Flight】skillで矢より早く空を飛ぶ。
Space-Attribute Magicで【Teleportation】出来ないのなら、こうして物理的に移動するしかない。
Alcremの街を飛び越え、そのまま『Holy Wastelands』へと向かう。
Camouflage Humanである彼らに生まれ故郷、raceのroots等に対する感慨は無い。ただ、Creatorがsleeps場所と言うだけだったが……今は何よりも愛おしく感じる。
(あれは……!)
body partのconditionと不釣り合いなskillを使っているせいで、Enduranceを大きく消費しながら飛ぶ小型Camouflage Humanの目に、見慣れた荒野とtempleが目に入った
武boneな石造りのtemple……『God of Mountains』Borgadonを奉じているように偽装した、Camouflage Humanの本拠地だ。
そのtempleの扉の前に、異-samaな姿の人物が居た。灰色の目も鼻も無い、のっぺらぼうのような頭部に、性別を判別する特徴が何も無い胴体。ただ、そこにはchinの下から股間まで、一本の線が深々と刻まれている。
『よくぞ戻った、我が子よ』
「Zeezoregin -sama!? 既に寄り代にAdventなされていたのですか!?」
『非常事態なのは分かっている。この憑代に帰属し、奴から奪ったskillを渡すのだ』
そう言うと、Zeezoreginのbody partに縦に刻まれた線が大きく横に開く。内部はx2三重に生えたfangsが列を成し、赤黒いtongueが蠢いていた。
彼のbody partにただ一つあったのは、口だったのだ。
「ははーっ!」
小型Camouflage Humanは、その口に躊躇わず飛び込んだ。すぐさまZeezoreginの口が閉じ、bloodとfeather毛が飛び散る。
『くくく、これが【Hell King Magic】、これが【Demon King】skillか。手に入れた、長い雌伏の時を経て、ようやく手に入れたぞ!
……【Evil God of Labyrinths】と乗り込んできたようだが、今一歩遅かったな、先代Demon Kingよ』
【Teleportation Gate】から現れたVandalieuは、Zeezoreginに「いいえ」と答えた。
「丁度良いtimingです。originallyお前はどうにかしようと思っていましたし……ここなら俺達が全力を出しても、『Holy Wastelands』が『ただの荒野』になるだけで済みますからね」
そう言い終わると同時に、それまで姿を見せないでいたPrincess Levia達GhostとGufadgarn、そしてshadowから更なる援軍達が姿を現した。