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Chapter 262: 波乱のお茶会

 Alcrem Duke 家から非公式のお茶会の場所として指名されたのは、郊外にある別邸だった。

 それなりに立派なmansionに見えるが周りはのどかな田園で人気はなく、Duke 家Humanも滅多に利用していない。普段から居るのは少数の守衛と、mansionを維持するために通うServantぐらい。


 しかし、実際には表ざたにしたくない密会を行う時に使われていた。出入りしているServantは、Duke 家に仕える諜報organizationの一員で、mansionの内部は隠し通路や隠しroomだらけで、mansionの敷地外から出入りできる脱出口もある……らしい。


『残念ながら確認できませんでした。姿を消したままだと壁をすり抜ける事は出来ても、ぶち壊す事は出来ないもんでして。

 でもまあ、空気の流れがあるのを確認したんで、存在するのは確実ですぜ』


 そうペラペラと、Alcrem Duke 家の重大機密をVandalieuに報告しているのは、生前Amid Empireの偵察兵だったKimberlyである。

 彼はVandalieuArthurと会っている間、主だった者以外のGhost達を率いてAlcrem Duke 家や、偽Face-Stripping Demonについて調べて回っていたのだ。


 元偵察兵の彼はSpyの業にも通じているし、Wind-Attributeの一部である雷のGhostである性質から、空気の流れには敏感だ。


『とは言っても、お茶会は中庭でやるようですがね。おmansionやら立派な薔薇園やらで、空でも飛ばなきゃ外から覗く事は出来ない、teaパーティをするには格好の場所らしいですぜ』

「……うーん、警戒させ過ぎたでしょうか? とは言っても、俺は別に何もしていないのですが」


 朝食に大根と油揚げの味噌汁を作りながら、Vandalieuは肩を落とした。

 彼は、Alcrem Dukeに媚びるつもりはない。向こうがやる気なら全力で謀殺し、Moksi Earlを唆してEarl領の独立及び下剋上を行い、Alcrem DuchyMoksi Duchyにしてしまおうかとも思っていた。


 ただ、逆にAlcrem Dukeを必要以上に追い詰めるつもりもなく、余程の事がないなら穏便に済ませる……お互い不干渉の約束を取り付ける程度に済ませるつもりだ。

 だと言うのに、向こうがお茶会に指定してきたのは、平和的な話し合いと言うよりも、ドロドロとした陰謀劇の舞台になる事が多かっただろう別邸である。


「したのは、『Knight of the Insight』だというRalmeiaを見逃したぐらいですし。まあ、彼から伝わった情報のせいで警戒されているのでしょうから、仕方ないと言えば仕方ないか」

 VandalieuStatusを【SurveyingMagic Eye】で見た事によって、【Mental Corruptionskillを獲得する程心をDiseaseんでしまった男、Ralmeia。彼から渡った情報によって、Dukeが警戒を高めたのは疑いようもない。


「いや、場所が別邸の庭なのは拙者がいるからではないだろうか? Human用に建てられたmansionでは、拙者のbody partは入りきらないだろう」

「あ、それもそうですね」

 しかしArachneLarge-build……三頭立ての馬車より大きい大蜘蛛のlower bodyを持つGizaniaの指摘で考え直した。


「元から非公式のお茶会だから、本宅じゃなくてこの別邸を使うのは可笑しい話じゃないしね」

「……彼は気のweak人物ですから、もしも良からぬtroubleが起きても、別邸なら都の中心近くにある本宅よりも、被害を抑えられると考えたのでしょう」

「辛辣……いや、的確な評価でござるな」


 実際にはGizaniabody partの大きさと、Julianaが言ったもしもの時の対応の為の、両方の理由でTakkardは別邸の中庭を選んだのだ。


「普通なら、幾ら招いたTamerTamed Monsterでもmansionの敷地に私達を入れたりしないだろうけれど、それだとJulianaも入れないものね。普通に話すだけならそれでもいいかもしれないけど――」

Vandalieuに『Julianaと自分を引き離して、何を企んでいる』って疑われたらって、心配になったのね。きっと」


 KatiaDarciaがそう評する。Duke 家の公式なお茶会なら、Vandalieuに拒否権はない。拒否したら罪に問えるくらいの権力がDuke 家にはあり、そうなる事をVandalieuが厭うならだが。

 しかし、今日のお茶会は非公式……公式には存在しない催しだ。それでも、Duke 家の権力で強引に訴える事は可能だろうが、Takkardとしては出来ればやりたくないだろう。RalmeiaからVandalieu達のStatusについて、聞いていれば確実に。


『まあ、話し合い自体はあっさり終わるのではないでしょうか? そのRalmeiaがどれ程accurateBocchan達の情報を渡したのかは分かりませんが、AClass adventurer以上の実力だと分かれば、妙な勘繰りもなくなるでしょうし』

 Samの言葉にVandalieuは頷いたが、思わず拳を握りしめていた。


「それを考えればRalmeiaを見逃した甲斐もありましたが……皆のThree Sizesや体重と言った重要情報がDuke 家とそのorganizationに渡ったと思うと、忸怩たるものがありますね。

 始末するのはやり過ぎとしても、一旦捕まえてDukeに報告する情報を限定するよう口止め出来れば良かったのですが」


Vandalieu、そんなに気にしていないから大丈夫だから、ね? お玉を放しましょうね」

「別に彼らを弁護するつもりはありませんが、Dukeや他の『Five Knights』の方々が今の状況でDarcia -sama達のbody partの大きさや重さについて、情報を共有しているとは思えませんし、思いたくないです」


 Vandalieuが柄を握り潰したお玉をDarciaが受け取り、Julianaがそう言いながら遠い目をする。

 Ralmeiaが『SurveyingMagic Eye』でDarcia達のbody part的な情報を見たのはともかく、それをDuke達が重要な情報として彼から聞きだし、recordしているとは腹違いのImoutoであり、生前Duke 家に仕えるKnightだった彼女は思いたくなかったのだった。


「……じゃあ、後で改めてRalmeiaに口止めすれば十分そうですね。ところで、別邸や今日の警備体制についてまだ何か情報はありますか?」

『いや、それがですね、何か隠しているのは確実なんですが、入れない場所がありましてね。霊が入れないよう、Barrierが張られている箇所がありまして』


 GhostであるKimberlyには、木や石、鉄の壁は何の意味もなさない。しかし、聖水や聖灰、Light-Attribute Magic等々、Undeadを払うものに阻まれてしまう。

 ただ、Kimberlyは高RankGhostだ。聖水や聖灰をかけられたら、並のGhostは溶けた鉄をかけられたのと同じように致命傷を受けるが、Kimberly程になればちょっと熱いshowerを浴びてpanicしたのと同じ程度のDamageしか受けない。


 だから、Barrierを突破する事も不可能ではない。

certainly、あっしが本気を出せば簡単に突破できますが……突破した跡が派手に残るもんで』

 しかし、その後に雷による焦げ跡等が残るため、別邸に居る者達に侵入した事がばれてしまうのだ。


spaceを渡って調べようとしたが……我々の技量では難しかった……』

『お許しを……どうか罰を……』

 Kimberlyの言葉に続いて発言したのは、space attributeGhost達だ。『Trial of Zakkart』で命を落とした挑戦者が、Gufadgarnによって長年囚われていた事でspace attributeManaを帯び、そのconditionRank upした事で誕生した、attribute Ghostの中でも珍しい存在である。


 生前の人格もMemoryも失っており、まだ新たな人格が出来上がっていないので、Bellquert程ではないが会話に難儀するGhostである。


『警備体制の方も、BrabatieuってFive Knightsの一人が【Spiritualist】らしい男を雇ってまして、あっしらは近づく事が出来なかったんで、今日は別邸に動けるFive Knights全員と、その精鋭の部下が十数人待機するとしか分かりませんでした』


「……充分、分かったような気がします」

Brabatieu -samaは、普段から声の大きな方だと聞いていましたから。でも、流石に姿の見えないSpyが室内に居るとは、思わないでしょうし」


「では、好都合でござるな」

 何故、Myuzeが好都合と言い出したのか? それは、DukeFive Knights等、Alcrem Duchyの上層部に『偽Face-Stripping Demon』本人か、その協力者がいる可能性が高い事が分かったからだ。


「俺達が取って来た、偽者が残した皮、役に立ったか!?」

 Bragaが昨日の内に、Guardの詰所に保管されている『偽Face-Stripping Demon』が残した顔の皮と、Vandalieuが【Demon King's skin】で作った偽の顔の皮をすり替えて盗み出した。


 その皮を詳しく検証したところ、皮には微量だが聖水が残っていた事。そして『偽Face-Stripping Demon』はBraga達と違い、標的を殺してから皮を剥いでいる事が分かった。


 そして、Face-Stripping Demonの犯行と真犯人であるBraga達と黒幕であるVandalieu達以外が信じているだけあって、被害者の顔の皮以外の部分は発見されていない。つまり、死体は発見されていない。

 被害者を殺した際に発生する霊と、死体を始末しているのだろうが、偽Face-Stripping Demonが行っているのは普通の方法ではないだろう。


 『Face-Stripping Demon』の犯行は、Guard達が公表していないものも含めると百件近い。事件解決の為に、普段はこうした犯罪捜査には投入されない『Alcrem Five Knights』が投入され、珍しい【Spiritualist】まで雇われている。

 捜査する側は投入できる全力で捜査にあたっている。Braga達のように高Rankmonstersの集団と、LegionGufadgarnのような【Teleportation】の使い手が組むという、非常識な手口でなければまず事件は解決していただろう。


 それは、真犯人であるBraga達と同-samaに捕まっていない偽Face-Stripping Demon達にも言える事だ。

 特に、死体を何らかの方法で処理しなければならない分、偽Face-Stripping Demonの方の難易度が高い。偽Face-Stripping Demonが殺したと思われる犯罪者の数は十名以上。

 普通に埋めたり燃やしたり、magicで始末していたら、偽Face-Stripping Demonは捕まっていただろう。


 過去にはSpace-Attribute MagicAlcremの都の外に捨てたり、Tamed Monsterの餌にしてboneまで食べさせたり、そういった手口で死体を始末した犯罪者がいたそうだが、いずれも捕まっている。だから、偽Face-Stripping Demonの手口がそれらと似たようなものなら、とっくに捕まっているはずだ。


 それに、聖水をかけている事も気になる。恐らく、被害者の霊を発生させないためだろうが、聖水はそれなりに高価で……何より、購入できる場所が限られる。

 聖水は各templeで、一定額以上寄付すると受け取る事が出来る。


 そのためUndead退治専門のClergymanでもなければ、聖水を頻繁に購入し続けると目につく事になる。templeで聞き込みをすれば、すぐばれてしまうだろう。

 捜査側が聖水の事を掴んでいなくても、幅広い捜査を行っているのなら聖水を何度も手に入れている不審な人物に、気がつくはずだ。


 しかし、偽Face-Stripping Demonが聖水を使うのが、被害者の霊を【Spiritualist】やVandalieuと接触させないためだったとしたら、おかしい。偽Face-Stripping Demonが被害者に聖水をかけてから殺していたとしても、被害者の霊が全て消えるのは不自然なのだ。


 以前のDarciaのように、聖水をかけられたとしても未練や怨念が強ければ、霊はすぐに地上から去らずに残る。殺人事件の被害者なら、聖水の効果に殺された憎しみが打ち勝つ事も十分考えられるはずだ。

 数日前ならともかく、偽Face-Stripping DemonVandalieuが被害者の霊を探し始めてからも犯行に及んでいた。だから、最低一人の霊はVandalieuが見つけてなければおかしい。


 だから、霊が地上に残ってもVandalieuの元に行けない場所。霊が通れないBarrierや聖域の内側で被害者は殺されているのではないだろうか?


 そこまで考えたVandalieu達は、偽Face-Stripping Demonは捜査側の手が及ばない地位にいて、そうしたBarrierや聖域を自由に使える立場……『Alcrem Five Knights』や、Duke 家本人や正妻、その子息達の誰かではないかと推理した。


 『Alcrem Five Knights』が動いている以上、Alcrem DuchyMarquis以下のNobleや、各templeTemple HeadHigh Priestでは捜査を拒否する事は出来ない。

 だから、本人達が偽Face-Stripping Demonか、その協力者なのではないかと考えたのだ。


「顔の皮は役に立ちましたけど……我ながら暴論ですね。『お前等なら犯行が可能だから、証拠は無いけど犯人だ』という、ほぼ言いがかりですし」

「まあ、別に糾弾する訳でも噂を流す訳でもないでござるし、良いでござろう」

「師Artisan、やっぱり違うんじゃないですかね? お偉方が犯人だったとして、Face-Stripping Demonを真似る動機が、俺にはさっぱり分かりやせん」


 ただ、この推理にはVandalieu本人も自信がなく、Simonもそう言って首を捻る程度のものだった。

「そうだよな。『法で裁けぬ悪を討つ』なんて、偉い-san達ならやらないで良いはずだもんな」

Natania -sanの言う通りです。悪を討ちたいのなら、政敵や抵抗勢力をねじ伏せて正義を断行するべきでしょう。模倣犯なんて、情けない事をせずに。ああ、本当に情けない、嘆かわしい」


「ゆ、Juliana -sanっ、推理だから! ただの推理だから!」


「……まあ、情けなくても動機がそれなら放置しても良いのですけどね。originally、真っ当に当局を動かして逮捕させるのが面倒だから、拉致するようBraga達に頼んだのですから。同じ穴の貉同士でCannibalismするのも何でしょう。

 でも、被害者には殺す程の罪は犯していない人も混じっていますし、引き続き調査しましょうか」


 そう言いながら、Vandalieuが出来上がった味噌汁をお椀に分けるのを、Arthur達が珍しそうに見つめている。


「これがミソシル……あのアブラアゲと言うのは、いったい? 何かの、皮……いや、臓物。腸か何かなのか?」

「白いトーフと言うのは、monstersの脳ミソか? それにしてはやや白すぎるような気が……」

「兄-sanBolzofoy、ここまで正体不明だと、あの大根も本当に私達が知っている大根なのかしら? もしかしたら、ダイコンという通称か隠語で、本当はもっと別の――」

「止めてください! 朝lunchが食べられなくなっちゃいます!」

「そうよっ! 材料を知っている私でも怖くなるじゃない!」


 味噌汁に興味津々な三人と、青い顔をして彼らを止めるMiriamKatia

 Arthur達四人は、あの話し合いの後そのままVandalieu達が居る貸に合流していた。certainlyKimberlyGhostや、Bragamonsters、それに『Face-Stripping Demon』についても真実を昨日の内に話してある。


 Undeadについて驚いたArthur達だったが、「神と対話する程偉大なTamerなら、UndeadTamerする事が出来るのでしょう」とすぐ納得してくれた。

 彼らのVandalieuに対する評価の高さ、実際に彼らが話したSamPrincess LeviaOrbiaが普段はreason的である事、そしてBellquert達のように、普段からreason的でない者とはまだ会わせていない事が幸いした。


 それに、Arthur達三人は閉鎖的な村で、更に半ば以上孤立して生活していた事で社会常識に疎かったのだ。

 Miriamはかなり戸惑っていたが、Arthur達によって非常識な状況に慣れ過ぎたためか、「そう言う事もあるかもしれないですよねー……」と、理解を諦める方向で納得していた。


 Undeadよりも、『Face-Stripping Demon』に関して納得させる事の方が、難しかったぐらいだ。

 悪人を討つのは良い事だが、被害者やその遺族の事を考えれば、真っ当な手順で捕まえ、罪を裁くべきではないかと訴えるArthur


 その真っ当な手順を捜査機関に踏ませる事が如何に難しく、時間がかかるか。そうしている間に出ていただろう被害を防ぐ事の重要性を説明する、VandalieuDarcia、更にChipuras

 最終的に前世ではAlcrem Duke 家の一員だったJulianaが、Duchyの捜査機関の怠慢と汚職を詫びた事で、Arthur達も「いいえ、私のように神's Divine Protectionを得ながらもOracleを授かるまで安穏と過ごしていた者が、あなたのような幼子の謝罪を受ける資格はありません」と、納得してくれた。


 ちなみに、顔を剥がれた悪人達の末路に関してはArthur達も気にしなかった。originally捕まれば、情報を搾り取るためのTortureの後に絞首刑か、毒入りwineの杯を煽るか、犯罪Slaveに落とされるのが相応の者達だ。

 Arthur達も、彼等にかける温情までは持ち合わせていなかったのである。


「お茶会の時は、我々はどうしましょうか?」

「最悪の場合、お茶会を中断してこの都から強引に脱出する事になりますから、皆一緒に行きましょうか。先にTalosheimに行ってもらってもいいですが」




 Vandalieu達が和やかに味噌汁とKrakenの塩焼きの朝lunchを食べている一方、Alcrem Duke 家もお茶会に向けての準備に追われていた。

 既にKimberly達によって筒抜けだが警備体制を整え、Alcrem Dukeの嫡男以外のfamilyは狩猟や、近隣の領地への視察、訪問と言う名目で都の外に出している。


 そして、最悪の事態になったら『Five Knights』が時間を稼ぎ、Alcremの民を嫡男とKnight団が都から避難させる手筈になっている。

 一個人が率いる十人に満たない集団に対して、幾らなんでもと思うかもしれないが……全ては『Knight of the InsightRalmeiaがもたらした情報によって、VandalieuがSClass adventurer相当の実力を持っていると判明したのが原因だ。


 AClass adventurerは、全力を出せば高さ数百meterの小を剣の一振りで割る事が出来る。戦場では精鋭で構成されたKnight団の命を、鎌で稲穂を収穫する如く刈取り、堅牢な城砦を薄板で出来た壁同然に蹴り破って駆け抜ける。

 対抗したければ敵の三倍から五倍の人数のBClass adventurer相当か、同じAClass adventurer相当の実力者を同数以上揃えるしかない。


 AClass adventurerJobが前衛職かrearguard職か、所持しているskillや武具、そして同じAClassでもピンからキリまでいるので、accurateには個人毎に異なる。しかし、通説ではそう語られている。

 実際にはCClass adventurer相当以下の人員のみで、巧みな戦略を練ってAClass adventurer相当のGeneral首を追い詰め討ち取った、名軍師の逸話も存在する。


(VandalieuがAClass相当と考えていたら、Five Knightsの内Ralmeia以外の二人……三人程度を張り付けるだけで、Dukeも満足しただろうな。

 しかし、SClass adventurer相当とばれてしまった……)


 だが、SClass adventurer相当は、超人の中の超人だ。彼らは全力を出さなくても大地を抉り、海を割るようなmonsterで、戦場で敵として想定する存在ではなく、災害に等しい。

 当然だ、城よりGiantな龍やTrue giantrevived Evil God (M) Evil God (P)と戦うような、Age of Gods Eraですら通用する戦力なのだから。


 『TrueRandolphは、彼の存在を快く思わなかった大Nobleが雇ったAClass adventurer相当の猛者で構成されたmercenary団十名を、苦もなく返り討ちにしたという話も残っている。

 Randolphよりずっと若くimmatureな『Blue-flame Sword』のHeinzでも、都の中で無差別に暴れられたらAlcremは壊滅conditionに陥るだろう。


 いくらKnightGuardadventurermercenaryがいても関係無い。瓦礫と一緒に吹き飛ぶ有象無象の量が多少変わるだけだ。

 だから、『Alcrem Five Knights』全員をお茶会の舞台となる別邸に張り付けても、Dukeが知り得る情報からは気休めでしかないのだが……。


(それを私の立場で指摘するのは難しいからな。出来れば、普段通り使命を盾にして欠席したかったところだが……仕方あるまい)

 別邸の隠しroomsignを消したまま、そう溜め息を吐いて諦めた。


 既に指示は出したので、事はpartnerが起こしてくれるはずだ。自分は何も知らないふりをして、他のFive Knightsを嗾ければいい。

(後百年か二百年後……Randolphが死んでOrbaum Elective KingdomにSClass adventurerが居ない時に事を起こしたかったが、この状況ではな。今日よりマシな機会は、明日以降ないだろう)


 Godsは力を蓄えたconditionで、Vandalieuとの戦いに『Five Knights』を肉の盾として、Alcremの民を人質として使う事ができ、そして以前まで都に複数存在していたAlda's FactionGodsからblessingsを与えられた連中がほぼいない状況。


 Vandalieuと戦わなければならない時点で、好機とは言い難いが……Alcrem Duchyに彼が来ている以上、いつかはAlcremの北のMountain Rangesealedされているとlegendに残る、『Evil God (P)』に目をつけるはずだ。

 縛る存在がないconditionVandalieuとその手勢に、不意を突かれて戦闘に雪崩れ込まれるよりは、マシだろう。


 出来れば、念のためにこれ以上余計な事を言わない内にRalmeiaを始末しておきたかったが……Sergioやその直属の部下が常に付いていたため、機会を逸した。

 だが、後一時もかからずお茶会が始まる。事が起きてしまった後なら、Ralmeiaの持つ情報と生死に意味はない。


 そう自分を慰めていると、突然隠しroomの入り口が開き、縛られた黒ずくめの男が倒れ込んできた。それがpartnerである事を反射的に悟り、思わず息を飲むが、声に出す事は堪えた。

「……これは、曲者を捕らえたのですかな?」

「捕らえられた仲間に対して、曲者とはあんまりだろう。『Knight of the Crumbled MountainGordi


 『Thousand BladesKnightValdiriaに睨まれ、Gordiは心外だと渋面を浮かべる。

「貴-donoは、何か勘違いをしているようだ」

 そう訴えるが、Valdiriaは厳しい顔つきのまま、返事の代わりに指輪を取り出して見せた。


 それを見たGordiの渋面は、より苦くなった。何故ならそれはpartnerに持たせていた、廉価版itemボックスだったからだ。

 どさっと重い音がして、廉価版itemボックスの中に収納されていた顔の皮を剥がされた死体が転がり、隠しroomに死臭が漂う。


「これでも言い逃れるつもりか?」

「……チっ、もしもの時は飲み込めと言っておいただろうに。愚図が」

 Valdiriaの問いに、Gordiはそうclicking tongueをして彼's ancestor先がDuke 家より与えられた、宝剣を抜いた。


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