東の空が白み始めた頃、まだ闇で満ちた何処かで二人の人物が、何か相談していた。

「まさか、奴がRalmeiaを始末しないとは。まさか、Statusを見られた事に気がつかなかったのか？　奴ほどの存在が。それとも、わざと見逃したのか？　我々の策を潰し、Duke 家からfangsを抜くために？

　神は、神は何とおっしゃられている！？」

「落ち着け。Ralmeiaが書き残したメモの大部分は、書いている内に正気を失っていったためだろう、筆跡が乱れている。内容が支離滅裂で意味が分からない個所もあった。それを利用して、私が誤った方向にDuke達を誘導してある。

　Duke達は奴がGuiderである事等、重要な事に気がついていない。Ability Valuesだのなんだのと、上辺だけの情報に踊らされている」

「それは不幸中の幸いだ。Voice of Godを正しく聞く事の出来ない悲しき俗物達は、奴がGuiderだと知れば取り込みにかかるか……甘い蜜にありつこうと、今までの全てを捨てて追従しかねない。それでは、我々の神の意志に反する」

　【Guider】が社会に与えるinfluenceは大きい。少なくとも、現代ではそう認識されている。

　実際には、そのGuiderが説く思想によってinfluenceは異なり、余人に理解できない思想の場合、導けるのは数十人から百人程度の小集団に留まる。

　逆に、多くの人々に理解され、惹きつける思想の場合、国やContinent等の境を越えてinfluenceが拡大していく。

　では、Vandalieuはそのどちらかに当て嵌まるのか？　VandalieuのGuidanceがどんな思想か二人は知らないが、後者である事を確信していた。そうでなければ、Godsが直接動くはずがない。

　Alcrem Duke達がどう判断するかは不明だが、二人と同じくVandalieuのGuidanceは後者よりだと考えれば、簡単に掌を返して膝を折る可能性が高い。

　『Blue-flame Sword』のHeinzに注目し、Alda Reconciliation Factionに転向した時のように。

「だが、結局は不幸中の幸いだ。我々にとって、状況が好転した訳じゃない。だが、そもそもFive KnightsやAlcrem Duke 家の戦力は当てになるのか？　ただの盾なら、この聖務に参加する栄誉を身寄りのないchild達に与えた方がいいはずだ。

　Ralmeia以外の三人でかかったとしても……やはり最初から我々が自ら出るべきではないのか？」

「それは思慮が足りない意見だ。確かに、Five Knightsが何人揃ってもVandalieuを倒す事は出来ない。だが、我々ならVandalieuは倒せる……そうとは言えないだろう？」

「それは……そうだが、だったらどうすれば良いと言うのだ？　他のHero Candidate達のように生き延びるために逃げ散るか、息を殺して隠れていろと言うのか！？」

「そうとも言っていないだろう。神は、確実な勝利を手に入れろとは言っていない。迫る困難に対して備え、力を少しでも集めろと説いておられる。

　そうだろう？」

「……では、少しでも勝率を上げるための力として、Five Knightsが必要なのか？」

「その通りだ。Godsの望みは、一percentの可能性に全てを賭ける事ではない。一を二に、十を二十に、勝率を上げるための努力を怠らず、利用できる者は全て利用する事だ」

「分かった……それが神の意思ならば、従おう。だが、これ以上『Face-Stripping Demon』の真似をして顔の皮を剥ぐのは無理だ。恐らくVandalieuの手先が、動き始めている気がする。力を蓄えるには、別の方法が必要だ」

「確かに、お前がtailを掴まれたら、Five Knights云々どころの話ではなくなるな……。分かった、顔の皮を剥ぐのはもういい。Alcremの民共の罪と悪は、十分煽られた。我等が神の力も最大限高まっているはずだ。

　対して、Vandalieuが全力を出す事が出来ないのは、先のFitunとの戦いを見れば明らか。Dukeとの茶会で、我々の十万年の成果を全てぶつけよう」

　この『Lambda』worldにおいて、KrakenはDragonと並んで有名なmonstersだろう。ただし、Dragonがhorrorだけではなく畏怖の対象であるのに対して、Krakenはhorrorとdespairの対象でしかない。

　それはKrakenのappearanceがDragonよりも不気味で、生理的嫌悪感を催すからではない。多くの場合、Krakenとの遭遇はdespairと直結しているからだ。

　それは多くの場合Krakenと遭遇するのは、逃げ場のない海上であるからだ。Dragonなら退治できなくても逃げ出す事が出来るかもしれないが、Krakenの場合は撃退できなければ船が沈められ、逃げる事も出来ず魚の餌になってしまうからだ。

　そのせいで目撃証言も少なく、生態は謎に満ちている。それでも分かっている事を繋ぎ合わせると……Krakenは大型のSquidやoctopusがmonsters化した存在とされ、基本的なRankは１０とされている。多くの場合脚は十本で、全長は五十meter以上百meter以下。姿はSquidやoctopusをそのまま大きくしたものである事が多い。

　その大きさからDevil Nestsと化した海、Demon Seasでも浅瀬には出現しない。水深数百meter以上の深い海で出現する。

　性質は凶暴であるとされ、深海から常に海面を見上げていて、船shadowを確認すると一気に浮上して襲いかかるとされる。

　その巨体と不気味な姿から食用には適さないと思われがちだが、その希少性と珍味さから好まれている。また、墨はAlchemyの上等な素材として常に需要がある。

　更に数多くの下位種やVariant、上位種らしい存在の噂があり、幾つかは真実であると確認されている。

　体長二十から三十meter程のKrakenの幼生、Little Kraken。

　body partを透明にして浅瀬に潜み、多くの船を沈めたChameleon Krakenや、淡水に適応してGiantな湖に棲みついたレイクKraken等のVariant。

　全長数百meterにまでGrowしたIsland Krakenや、Adamantiteより頑丈な巻貝の殻を被ったオームKraken等の上位種。

「しかし、Krakenが空を飛ぶとは聞いた事がありませんね」

「そうね。普通のoctopusやSquidのmonstersが浮遊するのは珍しくないけど……Krakenは初耳だわ」

　空飛ぶ幽霊船Cuatroから、空を飛ぶKrakenの姿を眺めながら、VandalieuとDarciaはそう言った。

　漏斗状の器官から海水を噴射することで推進力を得て、海面から一kilometer以上飛び上がる全長数十から百meter程のKraken達の姿はそれ程衝撃的だった。

　『Earth』では最大の哺乳類、シロナガスクジラを上回る巨体が次々に空に向かって飛び上がっては、midairを滑空して海面に着水する光景は、雄大ですらある。恐ろしく、不気味な存在であるというKrakenのimageが一変しかねない。

「……その全てがCuatroを落す為に飛びあがっている訳でなければ、ですけど」

　この大規模な自然のshowは、Kraken達がCuatroとそれに乗る者達に対して強烈なappetiteと強いKilling Intentを抱いているがために起きている光景であるため、Vandalieu達は感動ではなく寒気を覚えていたが。

『とりあえず、CuatroはあのKraken……仮名Flying Krakenの最大Flight高度よりも高い場所にいるので問題はありません。

　初めて遭遇したのは昨日の丁度明け方、潜水の為に降下を始めた時の事で、慌てて迎撃しましたが……次々にKrakenが空を飛んで襲いかかって来て、空に逃れるしかありませんでした』

『ヂュウ、強さは、戦った感じではRank１０から１１ぐらいでしょうな。空を飛ぶ事以外は、通常のKrakenよりも全体的に若干優れている程度かと』

『数匹なら倒しきれるんだがよ、流石に数十匹となると俺達じゃなくてCuatroに攻撃が入る可能性があったから、昨日は一旦退いたんだ。

　ちなみに、倒した死体は預かってるitemボックスの中に入れてあるぜ。ちょっと喰ったが、普通のKrakenよりも美味い気がしたな』

　『Divine Spear of Ice』のMikhail、Bone Man、そして『Sword King』Borkusが続けてそう報告する。

「Rank１０から１１がこんなに沢山……Boundary Mountain Rangeの内側に接している海にもKrakenは多いって聞いていたけど、これは桁が違うよ」

　一匹出現しただけで大船団を危機に陥れるKraken、その上位種らしき個体が何十匹も群れで出現した衝撃に、Privelは目を回しそうになっている。

「どうやら、海水を噴射して推進力を得た後は、tentacleの隙間に生えている膜や胴の平を広げて、滑空しているようですね。それなりにManaも消費していますが……Flying SharkやJeenaのようにはいかないようですね」

　昔、Talosheimの水路にも生息していたRank３の、Wind-AttributeのManaで空を飛ぶように自由自在に泳ぐサメのmonstersやJeenaと比べて、Vandalieuはそう評した。

『それはそうだよ。Flying Sharkは三meterぐらいだけど、Krakenは船より大きいんだから。そんな大きさと重さで自由自在に飛んだら、Manaがすぐ切れちゃうよ』

『それに陛下-kun、私とKrakenを比べるのは止めようよ』

　そこにTalosheimの第二Princessにして、DarciaやZadirisと同期のMagical GirlとしてdebutしたHero ZombieのZandia。そしてdebutはZandiaよりも遅れたが、生前からの仲間である『Saintess of Healing』Jeenaがやって来た。

「Zandia、Jeena、こっちに来ていたのですか。Demon continentやVidal Magic EmpireでのConcertはいいのですか？」

『うん、Kanakoがいつもやっていたら飽きられちゃうからって言う理由で、暫く休みなんだよ』

『後、ここの慰問と増援かな。前衛ばっかりでrearguardが少ないようだったから』

『お姫-sanはともかく、姉-sanは明らかに前衛……いえ、何でもないです！』

　Cuatroを操船する『Four Captains of the Dead Sea』の一人が何か言いかけたが、Jeenaが視線を向けると震え上がってwhole bodyのboneをカタカタ鳴らしながら逃げだした。

　JeenaはLife-Attribute Magicの達人で優れたHealing Handであると同時に、優秀な盾職でもある。Giant raceのfemaleの中でも大柄で、そのBodyはfemale的な曲線に逞しいmuscleが同居している。

「それはともかく、あのKrakenの群れをどう思います？　何者かの意志が働いているのか、それともただの偶然か」

　Cuatroを妨害するために、何者かが空を飛ぶKrakenの群れを差し向けたのではないか？　そう怪しむVandalieuに、Zandiaは首を横に振った。

『偶然に一票かな。何かの意図……私達をPeriaがOracleで指示した場所に近づけたくないEvil God (M)やEvil God (P)の手先にしては、Flying Krakenの動きが単純だから』

「単純？」

『Cuatroの高度に届かないのはもう分かっている筈なのに、思い切り飛び上がっては着水するのを繰り返しているから。何かに操られているなら、もっとtacticsを練ると思うんだよね』

「なるほど」

　Zandiaの意見に頷いて船の縁から海上を見下ろすと、いつの間にかFlying Krakenのジャンプ大会は終わっていた。海面は数匹のFlying Krakenがこちらを見上げているだけで、静かなものだ。

『Krakenみたいな巨体のmonstersは、ただ生きるためにもManaが必要だからね。空を飛ぶのに使い過ぎたんじゃないかな』

　このworldの生物、特にmonstersの類は生命活動を維持するために、Instinct的にManaを使っている。Krakenの場合は、巨体の自重で内臓が潰れるのを防ぐ事等にManaを使っているとされる。

　そしてFlying Krakenは、空を飛ぶためにもManaを使用したため、数匹が水面に浮かんだまま休んでいた。

「確かに、妨害にしては奇妙ですね」

　Flying Krakenが何者かの意志で配置された番人、Vandalieu達に対する障害だったら、Cuatroが海中に潜る時にtimingを合わせて不意を突く等、襲撃を仕掛ける時を合わせるはずだ。

　少なくとも、自分達の最大高度を知られてからも無意味なジャンプを繰り返す事はないだろう。

「でも、これから向かうContinentに今まで誰も到達していない理由は分かったよ。途中で空飛ぶKrakenの群れに襲われたら、海の藻屑になるか慌てて逃げ帰るしかないだろうね」

「そうね。普通の船ならcertainly、Alchemyで作られた空飛ぶ船に乗っていたとしても、あの数に襲われたらどうしようもないわね」

　このworldのAlchemyの粋を集めれば、空を飛ぶ船を創る事は可能だ。certainly、大きさやFlight速度や最大高度は-sama々だが。しかし、Amid EmpireやOrbaum Elective Kingdomぐらいの大国になれば、ヨットSizeの空飛ぶ船なら創れる可能性が高い。

　最大高度数百meterで、海上のヨットと同程度の速度と機動力を持つ空飛ぶ船。それを使えば、未開の海のAdventureもずっと捗るはずだ。

　それでもこれから向かう地が、Human社会にとって前人未到の地である理由の一つが、このFlying KrakenだとPrivelとDarciaはconjectureした。

『それで、あのFlying Krakenを倒すのに手を貸していただきたいのですが、良いでしょうか？　昨日からずっと我々を狙い続けているので、今後も諦める事はないと考えられるので』

　そしてMikhailがそう本題を切り出す。Vandalieu達にFlying Krakenを見せたのは、珍しいものを見せたいからというのもあったが、戦力を期待したからだった。

　BorkusやBone Man、そしてMikhail本人でもFlying Krakenは倒せる。だが、Cuatroを守りながら数十匹を倒しきるのは、流石に難しい。

「分かりました。このままOracleのあった場所まで、Krakenを引き連れて行くわけにはいきませんしね」

　Flying Krakenは飛び上がった後、Manaも使用して滑空しながら速度を緩めて着水している。しかし、originally数十meterから百meter程の巨体なので、どうしようもなく目立つ。

　Oracleで指定された地に何があるかはまだ不明だが、まず間違いなく気がつかれるだろう。

「じゃあ、kaa-san達も頑張るわね」

「ボクも！　同じtentacleを持つraceとしては、負けられないしね。……まあ、大した力にはなれないと思うけど」

「Privel、そんなあなたにこれをどうぞ。あ、Jeenaにはこれです」

　Darciaに続いて手を上げるが、自信がなさそうなPrivelにVandalieuは自身の【shadow】から、飾りのついた杖を取り出し、手渡す。同じように、Jeenaには盾を渡した。

『これって、最近陛下-kunが作っていたArtifact！？　Kami-samaの力が宿っているっていう……』

「えっ？　じゃあMerrebeveil -samaの！？」

「いえ、Privelの杖にはLioenのFamiliar Spiritが宿っています。JeenaはTalosです」

　Vandalieuが最近作り続けていた、Vida's FactionのGodsのFamiliar Spiritが宿っているArtifact Transformation Equipment。二人に渡したのはその内二つだったが、Privelに渡されたのは、Scylla raceの片親である『Evil God of Slime and Tentacles』MerrebeveilのFamiliar Spiritが宿っている物とは別の品だった。

『やったー！　これで私もMagical Girlだ～！』

『Shoujoって図体じゃネェだろうに……イデデデデ！　おい、右側はboneしかねぇんだぞ！？』

「え、何でLioen？　ボク、特にLioenを信仰してはいないはずだけど」

　歓声をあげて盾を掲げながら、BorkusにIronクローをかけるJeenaを余所に、そう戸惑うPrivel。Vandalieuは彼女にこうなった経緯をざっと説明した。

「最初は俺もMerrebeveilにするつもりでしたが、作ってみると既にtentacleやtentacleを生やしている人とは相性が悪い Equipmentになってしまいまして」

「そうなんだ。じゃあ、この機会にLioenにも祈ってみようかな」

『Artifactはblessingsと違って、そのKami-samaを信仰していなくても使う事は出来るけど、感謝と敬意を表すのは大事だからね。

　じゃあ、Flying Kraken達がまた飛び出して来る前に準備を……あ、もう来たみたい』

　Vandalieu達が戦闘準備を始めたのとほぼ同時に、一旦は静まり返った海面が再び騒がしくなり、次々にFlying Krakenが姿を現した。

　しかも、今度は大きな個体が小さな個体を乗せて飛び出し、大きな個体の推進力が尽きると小さな個体が海水を吐き出しながら飛び上がる。

　まるで多段式のrocketのように。

『どうやら、tacticsを練って来たらしいな。Zandiaの声でも聞こえたか？』

『ええぇ！？　私のせいにしないでよ！』

「まあ、originally群れを作る社会性のあるmonstersのようですから。それに、octopusは学習Abilityの高い動物だと『Earth』ではされていましたし」

　このworldのKrakenの見た目は、octopusよりもSquidの方に近いが。

『とやかく言っている場合ではないぞ！』

　多段rocket方式の結果、Cuatroがいる高度まで到達したFlying Krakenのtentacleを、Mikhailの操る槍が切り飛ばす。

『船としての構造上、Cuatroは下から攻められるのにweakんだ！　どうにかしてくれぇ！』

『落ち着きなさい！　ここまで来てくれれば、配備されたこの大砲で撃退する事が出来ます！』

　『Four Captains of the Dead Sea』の一人が、狼狽える部下を叱責しながら、Cuatroに配備された大砲でFlying Krakenを狙う。

『ファイエル！』

　轟音と共に撃ちだされる砲弾。それは狙い違わずFlying Krakenに迫り……ベチンと直撃したが傷らしい傷も与えられず、砲弾はぽろりと落ちて行った。

『BAKANA！？　無傷だと！？』

『あり得ないっ！　まさか【Physical Resistance】skillをもっているのか！？』

「maybe、持っているからでしょうね。それはともかく……ファイエル」

　驚愕する『Four Captains of the Dead Sea』達に続いて、Vandalieuは掌に【Demon King's Eyeballs】をActivateさせ、【Luminescent organs】を調整。そして怪光線を放った。

　eyeballのレンズで収束、増幅された怪光線は小型なFlying Krakenの胴体に直撃する。そしてそのまま貫通し……Cuatroの間近まで迫るとtentacleで攻撃してきた。

『坊主っ！　あの図体じゃあ、指先程度の穴が空いても平気みたいだぜ！』

　すかさずBorkusがtentacleを切り飛ばし、そう怒鳴る。小型の個体と言っても、数十meterの巨体だ。小さな穴を空ける程度では、heartや脳に直撃しなければ効果は薄いだろう。

「みたいですね。【Magic Resistance】skillは持っていない事が分かりましたが……Cuatroの最高高度は？」

『あと二百meterぐらい上空まで行けます！』

「じゃあ、上がっても無駄かもしれませんね。じゃあ、最初は援護優先で行きましょうか」

　Vandalieuは【Demon Kingのtentacle】を生やすと、【fallopian tubes】に変化させ、飛べるBone ManとJeena以外の背に卵を産み付ける。

『うわ、何っ！？　わわわ！？』

　卵は産みつけられた瞬間から爆発的なSpeedで成長し、BatのようなDemon King Familiarに変異する。

『fragmentの内、【auxiliary brain】、【bone】、【epidermis】、【eyeball】、【blood】、【tentacle】を組み合わせたFlight補助型Demon King Familiarです』

『これで空を飛んで戦う事が出来ます』

　そして誕生したFlight補助型Demon King Familiar自身に説明されて、なるほどとnod Zandia達。

『って、言うかさっき卵出してなかったか？』

『陛下-kun、もしかして陛下-chanになったの？』

「……俺は陛下-kunのままです。昨日、【Demon Kingのfallopian tubes】と言うfragmentをAbsorptionして……説明は後でしますから、今はFlying Krakenをよろしくお願いします」

『それもそうだな！　行くぜ、【Familiar Spirit Demonic Advent】！』

　Demon King Familiarを背中に張り付けたBorkusが、【Familiar Spirit Demonic Advent】までActivateさせてCuatroから飛び降りてFlying Krakenに襲いかかって行く。

『主よ！　Blade Kaizerとなった私の剣、ご照覧ください！　ヂュオオオオオオ！』

　次いで、自らバラバラになったBone Manが飛び降りる。途中、Krakenが吐いた墨が直撃するが、彼には効果がなかったようだ。

「Krakenの墨って、Squidスミなのかoctopusスミなのか、どっちなのでしょうか？」

「気にした事はなかったけれど、重要な問題なの？」

「Squidスミに近い場合、食材として使えます」

「それは重要ね、後で確かめてみましょう。じゃあ、Transform！」

『【Transform】！　うわぁ、何だか体が引き締まる感じがするね！』

「Transform！　町では普通のScyllaの振りをしていたけど、ここでは思いっきりいくよ！」

　Darciaに続いて、JeenaとPrivelが初めてTransformation EquipmentをActivateさせた。

　JeenaはGiantな盾から液体金属が分離して、body partにぴったり張り付いたBodysuitと装飾に変化したMagical Girlと言うより女子プロレスラーのような格好に。一方Privelは、上半身は水着にdress風の装飾や長手袋を加え、lower bodyのtentacleには液体金属がラインに変化して張り付いている。

　そしてJeenaは太陽の意Artisan、Privelは水晶状の飾りが所々に施されている。

「じゃあ、行ってきます！」

『陛下-kun、私のlower bodyよろしくねー！』

　Privelは背中のDemon King Familiarで、そしてJeenaは上半身をlower bodyから分離させて空を舞い、Krakenに襲い掛かる姿は……producerのVandalieuでもMagical Girlについて疑問を覚えた。

「とりあえず、今空を飛んでいる小型のFlying Krakenを狙いましょう。大型は、ここまで飛んでこられませんから、後回しでも構いません。

　【死空斬】」

　そう言いつつも、space attributeのGhostを使った【Divine Spirit Magic】で、Mikhailを狙った大型のFlying KrakenのtentacleをBisectionするVandalieu。

「まだspace attributeは使い慣れませんね。Manaの消費が激しい。それにしても……向こう千年はSquid焼きやoctopus焼きの材料に困らないで済みそうです」

　Rank１０から１１相当のmonstersの群れが相手なので、Borkus達もそれなりに苦戦している-sama子だったが……所詮はそれなりである。

　飛べるのは驚異的だが、高度なMartial Artsは使えずtentacleによる大ぶりな攻撃と、既に見ている墨を吐きかける単純な動き。これでは飛べるようになったBorkus達の敵ではない。

　Flying Kraken達は群れの半数以上を失い、それで流石に諦めたのかCuatroの周囲から去って行ったのだった。

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・Name: Bone Man

・Rank: １３

・Race: Skeleton Blade Kaizer

・Level: ０

・Passive skills

Dark Vision

Monstrous Strength：３Ｌｖ(ＵＰ！)

Augmented Attribute Values: Loyalty：１Ｌｖ(Ability Values Enhanced (1) awakened into！)

Spirit Form：１０Ｌｖ

Strengthened Attribute Values: Mounted：７Ｌｖ

Self-Enhancement: Creator：８Ｌｖ(ＵＰ！)

Self-Enhancement: Guidance：７Ｌｖ(ＵＰ！)

Physical Resistance：３Ｌｖ(ＵＰ！)

Murder Healing：４Ｌｖ(ＵＰ！)

Strengthened Attribute Values: Ruling：４Ｌｖ(ＵＰ！)

Enhanced Body Part : Bone：６Ｌｖ(ＵＰ！)

・Active skills

Hollow Bone Swordsmanship：５Ｌｖ(ＵＰ！)

Shield Technique：１０Ｌｖ

Archery：８Ｌｖ

Silent Steps：３Ｌｖ

Coordination：１０Ｌｖ(ＵＰ！)

Commanding：５Ｌｖ

Armor Technique：１０Ｌｖ(ＵＰ！)

Mount：７Ｌｖ

Long-distance Control：１０Ｌｖ

Aura of Fear：６Ｌｖ(ＵＰ！)

Parallel Thought Processing：６Ｌｖ(ＵＰ！)

-Surpass Limits-：７Ｌｖ(ＵＰ！)

Familiar Spirit Demonic Advent：２Ｌｖ(ＮＥＷ！)

・Unique skill

Bone Blades

Xerx’s Divine Protection

Vandalieu’s Divine Protection

　Rank upした事により、念願かなってEmperorからKaizerにrace名が変化したBone Man。KaizerでもEmperorと言う意味だったはずだが、Bone Man本人は気がついておらず、満足している。

　そしてVandalieuは最初からrace名にEmperorとついていようと気にしていなかったので、Bone Man本人が満足しているなら、別に良いと思っている。