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Chapter 252: familyを増やすDemon Kingと、虎穴に踏み入るHero

 王城の窓が無いroomで行われた、Dark Elf族の視察団との移住に関する会談は、順調に進んだ。揉める要素が無かったからだ。

Humanの社会は我々からすると何かと窮屈で、決まり事が多いものですが、ここは違うようだ。Talosheim……いえ、今はVidal Magic Empireでしたね」

 そうDangarが評す程だ。


 現在は『God of Law and LifeAldaを頂点とした、通称Alda教を国教とするAmid EmpireContinent西部を支配している。だが、長い歴史の中では逆にVida's New Racesに友好的な国が権勢を誇っていた時も存在した。そうした国とは、Dark Elf族も交流し、後ろ盾として物資や戦力を援助した事もあった。


 Dangarはそうした国との交渉のrecordを、最Elderになる前から閲覧して知っていたので、そう評した。

「やはり、この国が新しい国だからでしょうか?」

『確かに我が国は新しい国であるため、しがらみが少ない。しかし Dangar -dono、我が国にも法律はあり、-sama々な決まり事があります』

 GeneralPrime Ministerと言う妙な役職にあるChezare Legstonの答えを聞くと、Dangarは意外そうな顔で「そうなのですか?」と聞き返した。


『ええ。最近も、労働基準法に何条か増えました』

「労働基準? もしや、労働に基準を設ける法律ですか? 成果が一定以上の基準に達しない労働は、労働に至らないので給与を払わなくてよいとか」


『いえ、連続で何時間まで働く事が出来るか、休憩休日をどれ程取らせるのか、最低限払うべき給与はどれくらいか、等の労働者に関する基準を定めた法律です。

 我が国は生者とUndeadmonstersが混在している国ですので、中々複雑でして。尤も、我が国の産業はほぼ公共事業なので、法律を守るのも定めた我々なのですが』


「なるほど……another worldの法を参考にしているのですね」

 労働基準法という概念は、このworldの考えではないだろうと見抜いたDangarがそう断言すると、Chezareは『そう聞いております』と頷いた。


『ですので、Dark Elfの方々には移住後Empire-sama々な職業についていただけると幸いです。尤も、この労働基準法は戦時下の軍人やcivil official、そしてEmperor陛下とExplorer……Human社会のadventurerに相当する者達には常時適用されませんが』

「いや、待ってほしい。今、玄孫の生活について、不安を覚えたのですが?」


「まあ、その辺りは後で本人に確認して貰うとして……Humanとしての意見ですが、移住の受け入れがスムーズに進むのは、法律の問題ではないでしょう」

 兄と違いまだ生者ではあるKurt Legstonが、仕事用の顔と口調でそう誤魔化しながら説明を始めた。


「足を引っ張る政敵や、移住によって損なわれる既得権益を守ろうとする者、逆にこの機会に少しでも利益を得ようとする者の手出しが無い事。そしてEmperor陛下が貴方方の求める物を、次から次に用意できるからかと」

 Human社会の国内部の政治争い、移住者が来る事で不利益を受ける者の抵抗、自らの利益を優先する者の横槍。

 それに移住者達が希望する条件を、受け入れる側が満たせるかも問題だ。


「だが、我が国にはそうした者達がいない。Emperor陛下に反対する者や、異論を唱える者はいます。だが、自分の利益の為に邪魔しようという者は一人も存在しない」

 Kurtの言う通り、VandalieuVidal Magic Empireの中心である。国民は全てVandalieuGuidanceを受けており、反乱等は考えもしない。


 特にChezareのようなUndeadや、一部のmonstersVida's New RacesLoyalty心は狂信的だ。Vandalieuが主導する移民政策を政治的な争いに利用する事は無く、政策の結果自分が不利益を受けるならそれを「Vandalieuからの試練」、若しくは「奉仕」として受け止め、自らの利益を優先するどころか全てを差し出す事も厭わない。

 尤も、完全にVandalieuの言う事を聞く訳ではない。


「それはDalton達から前もって聞かされていましたが……実際にこの国に足を踏み入れて、改めて認識しました」

 Dangarは、そう言って会議室の一に視線を向けた。そこにはただ壁があるだけだが……壁の向こうには、建設が着々と進んでいるGiant Vandalieu Idol Statueがある。かの像の建設は、Vandalieuの意思に逆らって行われている。


 なお、会談の場に直接Idol Statueを見る事が出来る王城の高い階層の窓があるroomが選ばれなかった理由は、Dangarが建物の屋根に描かれた絵を見ないようにするためである。

 DangarVida's New Racesなので問題無いと思われるが……うっかり絵に付与された【Mind Encroachmentskillの効果が変な風に作用したら大変だ。


「それにChezare -dono、貴方のように生者となんら変わらないUndeadの存在。失礼ながら、Dalton達の話で最も信じられなかったのは、貴方方についての話でした」

 Vida's FactionUndeadに対して寛容だが、それはUndeadの存在を認める類のものではない。

 可能なら未練を叶えてやり、Reincarnationの輪に還す事が正しいと教えている。だが、結局は倒すという点ではAlda believerと同じである。


 何故なら、危険だからだ。生者を盲目的に憎み、その肉を喰らおうとするZombieSkeletonになっても殺戮を止めないSkeleton。恨みをぶつけてくるGhost。それらと言葉を交わす事は不可能であり、Tamerする事も出来ない。

 中にはLichのように会話する事が可能なUndeadもいるが、その多くは正気を失っていて要領を得ない。

 極少数reasonを保っているUndeadも存在するが、そのreasonは何をきっかけに失われるか分からない不stabilityなものだし、reasonがあるからと言って生者に対して友好的とは限らない。寧ろ、逆である事が多い。


 そうでなくても、多くの場合Undeadは存在するだけでDiseaseの元となるので、警戒されて当然なのだ。

 DangarのようなVidaを信仰するDark Elfでも、Undeadに対する認識はそのようなものだった。


『でしょうな。Black Bull Knight団やDark Night Knightsの者から聞いていますよ』

 Dark Elf族を説得する材料として、reason的なUndeadを見せたいと『Storm of Tyranny』のSchneiderから要請があった。それに応えて、Gufadgarnの【Teleportation】によって送られたのが、Knight団に属するUndeadKnightだ。

 Bone ManBorkusでも良かったのだが……あまり高RankUndeadを送ると、警戒されてしまう可能性が考えられたため、Rank5や6のKnightが選ばれた。


 そして派遣されたKnightは、里から離れたOpen PlazaDark ElfWarrior達に囲まれ、幻覚でUndeadに変装している生者ではないのか等色々調べられた後、話を聞かれたそうだ。

 その後酒を勧められ歓待を受けたが……それもUndeadreasonを確認するためのものと言う側面があったはずだ。


「あの時は失礼しましたと、Knight -dono達にお伝えください。

 あの子がEmperorである限り、この国は安泰のようだ」

 DangarDark ElfElderたちは、Vidal Magic EmpireではVandalieu以外の存在が中心になれないと踏んでいた。


 Boundary Mountain Range内部の国々の王の誰か、Pure-breed Vampire、現在Empire政府のnumber2であるChezare。誰がVandalieuの代わりになっても、Vidal Magic Empireは分裂するだろう。

 それが、強いて挙げればこの国の弱点だ。


「今回の件を里に持ち帰り、移住計画を進めます。今後もよろしくお願いします」

 だが、Vida's Factionの勢力を一つにし、Alda's Factionと戦うという大義名分の為には、考慮するに値しない弱点だ。

 何処の国でも為政者が突然交代すれば、程度の差はあるが混乱するものだ。代替わりをきっかけに内乱が起き、国が分裂してしまった場合もある。


 そうでなくてもAlda's Factionが活発な動きを見せている今、変化を恐れていては生き残る事は出来ない。

 そう決意を込めて差し出されたDangarの手を、Chezareの冷たい手が力強く握った。

certainlyです、Dangar -dono。共にEmperor陛下を支えていきましょう。永久に!』


「……え、ええ。移住後、一族の代表としてだけではなく、civil officialとして国政に関わる事が出来るのは幸いだと考えていますが」

 思わず退くぐらい強く手を握られたDangarの目には、Chezareの後ろで微笑むKurtの顔が映った。

 何故かその瞳は、新たな同類を迎えられた事を喜ぶ亡者を連想させた。


『それは良かった! 共に働く日が来るのが楽しみですな!』

 そう、ChezareDangar達を新戦力として、特にcivil officialの新戦力として期待していたのである。

 Kurtや生者のcivil official達には、労働基準法が定められた事と、結婚して庭を持った事で無茶な勤務は頼めなくなった。その穴埋めに、彼は増員を期待していたのだ。


 しかし Moksiの犯罪organizationを潰し、organizationに繋がる犯罪者やorganizationを潰しても、Body労働用のUndeadは増えても、頭脳労働用のUndeadはあまり増えなかった。その分、彼の期待は移住者達に向けられているようだ。


しかし、私はもう九百ageを過ぎた老齢でして。それでもHumanよりは長く生きるかもしれませんが、永久にと言う程では――」

 だが、Dangarageを理由に逃げようとする。


Chaos Elf化すると、寿命が無くなるそうですよ。まあ、Hell raceでもそのようですが」

 しかし、逃がしてなるものかとKurtが回り込んだ。

「……その、Chaos Elf化についても、後日詰めましょうか。引退したElderの何人かが今日、試す事になっていましたが、その結果も見て、日を改めて」

 Dangarは、自身の敗色が濃厚である事を予感した。




 外交が行われている会議室がある王城から離れた、Vidal Magic Empire首都Talosheimの郊外では、Dangar以外のDark Elf族の代表団とEmpireの親交を深める会が催されていた。


『貴-sama等、何だ、その目は!?』

「グルゥ……」

 しかし、親交を深めるどころか険悪な雰囲気に包まれている一があった。


「ガウルルルゥ……?」

「ギャウゥゥ?」

 絡まれているのは、Fitunの『試練の迷宮』……現在は『Garess' Battlegrounds』と呼ばれているDungeonからrunawayによって地上に出たThunder Dragonの生き残り達だ。


 彼等は『Dragon God Emperor』であり『Demon King』であるVandalieusignに気がつき、monstersとしての闘争Instinctから目を覚まし、Warningを鳴らす生存Instinctに従って逃げ出した者達だ。

 そのため、Dragon ZombieにならずにVandalieuTamerされ、Moksiから【Teleportation】によってここに連れてこられたのだ。


『おのれ、龍ですらない竜種風情が、この我を見下すか!?』

 そして絡んでいるのは、Luvezfolだった。

 確かにThunder Dragonは竜……monstersに堕ちた龍から産まれた劣った子孫とされる存在だ。それに対して龍はDemi-God……Bodyを持つ神である。両者を同種扱いする事は、同じ哺乳類だからという理由でmouseHumanを同列視する事に等しい。


 特にLuvezfolmonstersに落ちた側の龍だ。Thunder Dragon達にとって父祖の同類であると同時に、恐ろしい支配者でもある。恫喝されるどころか、一睨みされただけで震え上がりひれ伏すのが普通の反応である。

『我は、Wyvernの上位種ごときではない! 我こそは『Raging Evil Dragon GodLuvezfolなるぞ!』

 だが、今は特殊なsealedによってWyvernの上位種ごときと化していた。本人がどんなに強く主張しても、Thunder Dragonの目にはそうとしか映らない。


Gyaon?」

 だが、言葉を話す等Wyvernには無いはずの高い知能や、微かにだが発せられている龍のsignThunder Dragon達は困惑していた。

 『何か、変なのがいる』と。その微妙な態度がLuvezfolを更に苛立たせていたが、衝動に任せて襲いかかる事はしなかった。


『グウウウ、おのれ! Rank upしてもGreat Evil Wyvern……何故Wyvernなのだ!? せめてDragonになっていれば、まだ我が威厳も保たれたものを!』

 Rank8のGreat Evil Wyvernに至った彼だが、Thunder Dragon達もRank8。実力行使に出てしまうと数の差でloseしまうのだ。


 そう悔しがる彼の腹に向かって、軽やかに拳が振るわれる。

Luvez、お友達とは仲良くしないとダメでしょ! めっ!」

 Half-Noble OrcPauvinaの裏拳による衝撃が、Luvezfolの腹にthrust刺さる。彼は思わず『ぐぼはっ!?』とscreechをあげ、その場に地響きを立てながら崩れ落ちた。


『そ、そいつらは、友達では……!』

 しかし、諦めずそう主張しようとした彼に静かな声がかけられる。

「そう言わず、新しく仲間になった彼等を受け入れてくれませんか?」

 Dark Elfの代表団と話していたはずのVandalieuである。LuvezfolThunder Dragonとの揉め事(実際には、彼が一方的にThunder Dragonに絡んでいただけだが)に気がついて、やって来たのだ。


『っ!?』

「でも、どうしても無理なら……仕方ありませんね」

『いいえっ! そんな事はありません! つい大人気ない態度を取ってしまったが、我にとって竜種は同胞も同然。喜んで新たなbrothers達を迎え入れましょうぞ!』

 仕方ないから、今度こそ始末される!? そう思い込み、必死に取り繕うLuvezfol


「そうですか。なら――」

 仲良くできないようなら、仕方ないのでThunder Dragon達はLuvezfolから離れた場所に配置しよう。そう考えていたVandalieuは頷きながら手を伸ばした。

 その手が内側から弾けるように変化し、何本ものtentacleになる。


「偉い、偉い」

 そのブラシ状の毛が生えたtentacleで、Luvezfolbody partを撫で始めた。

『あああああああ!? 怖心地良いぃぃぃ~……』

 一瞬で自分を絞め殺せる【Demon Kingtentacle】によるお手入れに、Luvezfolが怯えながらも嬌声を漏らす。


「うんうん、良い子良い子」

『ぐぁあああああああ……』

 Pauvinaまで撫でるようにmassageを始めたので、最早抵抗の余地は無い。

 一連のやり取りを見守っていたThunder Dragon達も、「自分も、自分も」とVandalieuPauvinaにすり寄り、じゃれつき始めた。


「あああああああぁ~っ!」

 だが嬌声をあげているのはLuvezfolだけではなかった。


「くっ、あっ、ああっ、うあああっ!?」

「大丈夫です、何も怖い事はありません。enduranceしないで、感じるままに……」

 Darciaの腕の中で、一人のDark Elffemaleが嬌声をあげながら、Chaos Elfへと変異していく。


「あぁ~! ……ふぅ。今まで、体験した事の無い感覚だったよ。これで、もうあたしはChaos Elfになったのかい?」

 露出度の高い、ボンデージのようなleather fashionDark Elfだったfemaleは、熱が籠もった息遣いでそう尋ねる。


「はい。Statusを確認して貰えば、確実です」

「そうだね。それと、あたしに敬語は必要無いよ」

「でも、Ridelia Elderと言ったら私の里でも有名でしたし……」


「今はElderを引退した、ただの古臭い婆さ。皇母-samaが敬語を使うような相手じゃないよ。

 その証拠に、里の連中に心配無いからさっさと腰を上げなって急かす為に、こうして自分の身で試しているんだよ」


 Darciaに抱きしめられているfemaleは、先日までElder衆の一人だった、Dalton 's ancestor母のRideliaだった。既に引退した彼女が代表団に加わっているのは、本人が言ったようにChaos Elfへの変異を我が身で試す為だ。

 代表団には、彼女以外の元Elder衆が何人かそのために参加している。


「お、本当に変異しているね。【Rapid Regeneration】に【Mysterious Strength】、【Chaos】か。おいおい試すとして……こうしてChaos Elfになったからには、あんたはあたし's ancestorだ。ますます敬語を使われる理由はないね。

 気安くリア-chanと呼んどくれ」


「急に態度を変えるのは難しいけれど……頑張りますね、リーデリ……リア-chan

「婆-chan、勘弁してくれ」

 有名な元Elderの言葉に逆らえないDarcia-chan付けで自分を呼ばせる祖母の姿に、頭が痛そうなDalton


「うんうん、あんたは良い娘だね。それに比べてお前は全く、あたしに若作りを止めて欲しかったら、曾孫の顔をさっさと見せな!

 それと、折Elder衆で試す奴を決めたのに、先んじて変異したそこの二人! 【Chaosskillは使えるようになったのかい!?」


「は、はい、何とか!」

「わ、私はもうちょっとかかりそうです」

 Rideliaに怒鳴られたDarciaの両親、ZeresiaFidarilが慌てて姿勢を正す。二人は、腕が甲殻類の鋏になっていたり、背中から翼が生えていたり、body partの一部が【Chaosskillの効果によって変化していた。


 娘であるDarciaとの再会を、抱き合って喜んだ二人だったが、その際Chaos Elfに変異してしまった。どうやら、娘を受け入れた事が「Chaos Elf化を受け入れた」のと同じ効果をもたらしたらしい。

 Dark Elf達にとっては予想外の出来事だったが、別に深刻でもなければ重大でもない出来事だ。


「そうかい。一旦里に戻った後、【Chaosskillについて皆に説明する時に手伝ってもらうから、今はもういいよ。後の時間は好きにしな。娘と孫と、語らっておいで」

 なので、Rideliaも二人を罰するような事は考えなかった。


「はい、ありがとうございます」

「ではお爺-san、お婆-san……他人行儀かな? お爺-chan、お婆-chan? 流石に今の俺のageでじぃじとかは無いと思いますが」

 Luvezfol達へのご褒美を終えたVandalieuが戻ってきた。腕も元の形状に戻っている。


「好きな呼び方で構わないが、迷うようならとりあえずお爺-san、お婆-sanでどうだろうか?」

「では、そのように。俺の事も好きに呼んでください」

「じゃあ、Van -chanでどうかしら?」


Fidaril、この子にも立場があるんだ。皆の前でそれでは――」

「構いませんよ」

「いいのか!? そ、そうか。なら俺はVanと呼ぼう。それで、さっき話そうとした事は何かね?」

「はい、既に話は聞いているかもしれませんが、お爺-sanとお婆-sanに改めてintroductionしたい人達がいます」


 Vandalieuの告白に、ZeresiaFidarilはついに来たかと姿勢を正した。

 今日初めて会った孫に、婚約者が、それも複数いる事はDalton達から聞いていた。一国のEmperorなのだから、婚約者ぐらいはいてもおかしくない。それが複数だったとしても、そう言うものなのだろうと考えている。

 Dark Elfの場合でも一夫多妻、一妻多夫は珍しいがいなかった訳ではないし。


 それに異raceであっても問題無いと、二人は思っている。originally Vandalieu自身が娘のDarciaと異raceの若者との間に生まれた孫なのだし。


「まず、bloodは繋がっていませんがImouto同然の存在であるPauvinaです」

 しかし、最初にintroductionされたのは婚約者では無くImoutoだった。

「初めまして、Pauvinaです!」

 元気に挨拶する三meterの金髪Shoujoに目を丸くするZeresiaと、「まぁ♪」と嬉しそうにするFidaril


「姿には気がついていたが、てっきり彼女が婚約者かと……」

「後、RapiéçageYamataQuinn、そしてLegionJulianaです。Legionは一部弟も混じっていますが」


『初め、ましてぇ……』

『『『まして~♪』』』

「よろしくお願いします」

「色々戸惑うと思うけれど、気を強く持ってね」

「畏れ多いですが、身命を賭してお仕えします!」


 ずるりとVandalieuの【Demon Kingshadow】から出てくるRapiéçageYamata、そしてQuinnLegionJuliana

 RapiéçagePauvinashadowに隠れていたり、Yamataは九本の首の先に接合された美女の上半身しかshadowから出さなかったり、LegionPlutoの姿と人格にTransformしていて、出来るだけ二人がshockを受けないように気遣っているのがうかがえる。


 だが、複数のHumanmonstersの部位を縫い合わせて創られた合成Zombieや、九人の美女の上半身、身長三meterfemaleと蜂の特徴を併せ持った美女の姿にZeresiaは驚きを隠せず目を丸くした。義理のImoutoのはずなのに、何故か身命を賭けると言うJulianaの言葉の奇妙さに気がつかない程だ。

 ……Legionが通常のchunk of meatの姿で現れていたら、腰が抜けていたかもしれない。


「まあ、孫が沢増えて嬉しいわ♪」

 Fidarilはそう声を弾ませるが、目が回っている。混乱しているらしい。

「おkaa-san、お父-san、どうしたの? 大丈夫?」

 そして二人の-sama子に心配そうにするDarcia。……どうやら、彼女の中の常識はかなり怪しい段階に至っているらしい、若しくは、両親がHuman社会の一員ではないから大丈夫という判定が、彼女の中でなされているのかもしれない。


「は、はは、何でもないとも。ちょっと驚いただけさ。うん、俺も【Chaos】でbody partを変化させられるようになったし、孫も腕をtentacleに変化させていたし、大丈夫だとも」

 色々自分に言い聞かせながら、繰り返しnod Zeresia。だが、思わずDaltonに視線を向けて抗議した。「できれば、前もって教えて欲しかった!」と。


 視線を受けたDaltonは、目で「どう説明しても嘘っぽくなる気がしたから、ぼかして伝えるしかなかったんだ!」と答える。

「婚約者ですが……この場に居ない人も多いので、おいおいintroductionします。大勢いますから」

 GhostPrincess LeviaOrbiaは実はこの場にいるし、呼びに行けばZandiaJeenaPrivelGizania達、Moksiに居る面々もすぐ連れて来る事が出来るが、敢えてしなかった。

 祖父母のpsychological動揺が大きいので、少しずつ慣らしていった方が良いだろうと思ったからだ。


「そ、そうか、やはり大勢いるのか。はははは」

 実際、Zeresiaは限界に近かった。婚約者以外にも孫の犬をself-proclaimedするIslaや、僕である事に誇りを持っているEleonoraBellmondを、そして殺戮Maid達をintroductionされたら意識が危うくなりかねない。


「随分生き急いでいるねぇ。まあ、あんたの境遇じゃあ生き急ぐのも無理ないか。それに、種を全く撒かないうちの孫よりゃいいか」

 Rideliaは年の功なのか、最初こそ驚いたがすぐに冷静さを取り戻したが。

「寿命も無くなったんだから、もっと気長に待てよな……」

 婉曲的に責められているDaltonは顔を顰めてそう呟いた。


「でも、好きなだけ撒いて、後は世話もしないSeed-Providerにならないように気をつけるんだよ」

「こっちに飛び火しやがった!? くっ、自業自得な上に、反省しちゃいるが言い訳出来ねぇ! その通りだから気をつけろよ!」

「はい、その点はSchneiderを反面Instructorにしようと思います」


 こうして Bahn Gaia continent西部のDark Elf族の、Vidal Magic Empireへの移住は進んで行くのだった。




 その頃Moksi近くの森では、Spirit Magicで空を飛んでElected King領からやって来たRandolphの姿があった。

「さて、いつもの『Ralph』は知られているからな……」

 Natania、そして隻腕の男にも、彼が変装したHumanの男『Ralph』の顔と声を知られている。恐らく、Adventurer’s Guildや領主の手の者にもnameと似顔絵は回っているだろう。


 彼が来た目的の人物であるVandalieuには、正体を教える事になっても構わないが……それまでは余計な騒ぎは起こしたくない。

 そう考えているRandolphは、彼はいつもとは違う変装をするために、itemボックスから髪と瞳の色を変えるmagic itempiercingを取り出して、耳にその場で穴を空けて嵌める。


 傷はSpirit Magicで治し、Randolphは喉を抑えて声の調子を整えるために、発声練習を始める。

「あああ~♪ ……もう少し高い声の方が良いか。あー、あぁー~♪ よし。

 私は、故郷の森を出て旅をしているElfBard Rudolfadventurerではないが、自衛のために初歩的なmagicを嗜んでいる。

 Moksiの噂を聞いて、興味を覚えて来た。これで行こう」


 普段より一段高い声でそう『Rudolf』の設定を決めたRandolphは、に向かって歩き出したのだった。


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