『God of Law and Life』AldaのDivine Realmには、彼に仕える存在だけではなく他のGodsから遣わされたFamiliar Spirit達が次々に訪れては、報告をもたらしていた。
その多くがVandalieuに関するものだった。
『我が主よりAlda -samaへ。Fitunを倒したDemon King Vandalieuとその配下達は、己の都で贅を凝らした祭を催し、士気を高めております』
『祭りには民草から搾り取った税、そしてMoksiの町に存在した犯罪organizationを乗っ取り不正に稼いだ富が使われたのだろうと、我が主『God of soldiers』Zaresは申しております』
『己のGiantな像を創らせるに飽き足らず、何とarroganceで虚栄心に満ちた人物でしょう。legendにある初代Demon King、Guduranisそのものです』
伝令等の役割を担うFamiliar Spiritは、主である神のManaによってCreationされた存在だ。そのため彼等の言動は、そのままCreatorである神のものだ。つまり、Boundary Mountain Range内部をはるか上空から見張っているGodsが、Talosheimで暮らす人々のaccurateな実情を知らないままそう思える程、強い敵意を持っているという事だ。
runawayし神として相応しくない行いをした結果とは言え、Lambdaの神であるFitunが滅ぼされた直後だ。若いGodsがVandalieuに対して敵意を滾らせるのも、仕方ないと言えば仕方ないのかもしれない。
『Familiar Spirit達よ、汝らの主である若きGodsに伝えよ。冷静さを保つのだ。かのDemon King Vandalieuの厄介さは、初代Demon King Guduranisには無かった、他者への情けを持ち合わせている事にある事を忘れるな』
だからAldaにそう叱責されると、Familiar Spirit達は揃って困惑した-sama子を見せた。
『Vandalieuが邪悪である事は確かだ。我々が唱え、Human達がそうあるべきである正しい秩序と相反する、歪んだ教えを唱え人々を惑わしている事は間違いない。
arroganceであろうし、虚栄心も持ち合わせているだろう。だが、慈悲の心が無いわけではない』
『Alda -samaは、奴が邪悪ではないと言うのですか!?』
『そうではない。法を破り、罪を犯す悪人にも善の心はある。それだけの事だ』
悪人にも善の部分はある。善人の心にも黒い部分があるのと同じように。
Moksiの町でVandalieuが行った事の多くは、自身とVida信仰の勢力を増すためのものだろう。だが、全てが打算によるものではないはずだ。
Aldaの知るVidaは、狂っていたとしても『Goddess of Life and Love』だった。自ら産みだした、worldの理を危うくするnew-racesを我が子として愛し、彼等にGuduranisが現れる前と同じ教えを説いていた。
恐らく、それはAlda自身に『Pile of Law』を打たれ、Vandalieuによって解放された後も変わらないだろう。
なら、VidaはVandalieuにも教えを説いたはずだ。そしてVandalieuも、その教えに従っているはずだ。
そして、だからこそVandalieuは厄介なのだ。もし彼がGuduranisと同じ人格の持ち主なら、arroganceで虚栄心に満ちた言動を取らなければならなかった。力とhorrorのみでReignする者の支配は強固だが、ふとしたことで亀裂が入る。
常に舐められないように振る舞うには、自らを必要以上に大きく見せ続けなければならない。
それならAlda達は十万年前、Champion Zakkartが行ったよりも簡単に、Vandalieuの配下を裏切らせる事ができただろう。another worldからきたEvil God (M) Evil God (P)ばかりのDemon King Armyと違い、Vandalieuの配下にはこのworldのHumanも多いのだから。
しかし、Vandalieuは力とhorror以外のもので配下を従えている。Aldaから見てそれは歪で、悍ましく、このworldの今までの秩序を否定するため、絶対に認められないものだったが。
『Vandalieuを弁護する訳ではない。だが、二代目Demon Kingであっても憎むばかりで見誤ってしまえば、足元を掬われる事になる。注意せよと、己の主に伝えよ』
『は、畏まりました』
Familiar Spirit達はAldaの言葉を伝えるべく、主である神の元に戻って行く。その後も、Demon continentやAlcrem Duchyを見張る神や、Demon KingのContinentやある海域でBotinやPeriaの護衛を行っている神から派遣されたFamiliar Spiritがやって来ては報告を行う。
多くの場合は「異常none」の報告だったが、そうでない報告もあった。
『我が主、『God of Good Weather』Alcham -samaのTalosheimの監視の任を解き、暇を頂けますようお願いいたします』
『Alchamがか。如何にした? まさか攻撃を受けたのか?』
『God of Good Weather』Alchamは天候を司る、Light Attributeの神だ。AldaのSubordinate Godの中では若い方で、それだけに熱心に務めていたのだが……。
『いえ、攻撃は受けておりません。おりませんが、Talosheimの建造物の屋根に描かれた悍ましい、言葉に出来ない程冒涜的な模-samaが、我が主AlchamのMentalを苛んでいるのです。
今では殆ど他の方に役目を代わって頂いているconditionで、このままではあまりに迷惑をかけてしまうので、missionを辞したいと』
『そうか。奴がHumanのMentalを蝕むmonolithや絵画を創り出せる事は知っていたが、まさか神のMentalを蝕む程とは。
恐らく、相性の問題もあるのだろう。Alchamには暫くmissionから離れ、己のHeroの育成を行うよう伝えよ。
ところで、Alchamに代わって見張りを行っている神とは?』
その神はVandalieuのMental攻撃に対して、相性が良いのかもしれない。そう考えて尋ねると、Familiar Spiritは答えた。
『はい、Nineroad -samaのSubordinate Godが一柱、『Goddess of Rain Clouds』Bacias -samaです』
正直、Aldaにはそのnameに、あまり聞き覚えが無かった。確か、天候の予想や占いで活躍したが若くして亡くなったfemaleが、神に至った存在だった事はMemoryしている。
Fitunと違い大人しく、決して邪悪では無い。特に問題も起こさず、関わらないためAldaのMemoryにはあまり残っていなかったのだ。
ただその性質上、凶兆を伝える神としてHuman達にはあまり表だって信仰されていないGoddessだ。Idol Statueも清らかさよりも、おどろおどろしく恐ろしげな物が殆どだ。
それに、psychological強さや勇ましさなどとは無縁のGoddessだったように思える。
(やはり、Mental力ではなく相性の問題なのか? 我がSubordinate God達の中でも、『God of Sunlight』や、Bellwoodから預かった『God of Destroying Injustice』はMental攻撃のimpactを受け眩暈や頭痛を訴えていたが、『Goddess of the Dark Nights』や『God of Shadows』はimpactを受けていなかった)
『Goddess of the Dark Nights』や『God of Shadows』は字面が悪いが、二柱ともLight Attributeの神である。このworldでは闇は単一のattributeではなく、「光が無いcondition、若しくはspace」を指すのでLight Attributeの一部と言う解釈がなされている。
Light-Attribute Magicの【闇】も、周囲の光を操って光が差し込まないspace、闇を創り出すmagicだ。
それと同じように、闇の深いnightや、光があれば出来るshadowを司る神もLight Attributeの神とされていた。
『……いや、大丈夫なのか?』
そこまで考えた時、Aldaはふと思った。Guiderの中にはそのinfluenceをHumanだけではなく、Godsにも及ぼせる者がいる。かつて、彼とworldの正しい在り方について語り合ったChampion Bellwoodが、そしてDemon King Armyから邪悪なGodsを幾柱も寝返らせ、Vidaを狂わせた『Fallen Champion』Zakkartがそうであったように。
Vandalieuもそうではないのか? Zakkartが狂わせたVidaや邪悪なGodsだけではなく、RicklentやZuruwarnも惑わしたかの二代目Demon KingのGuidanceは、神にもimpactを及ぼすのではないか?
ならば、Mental攻撃を受けていないと見られているBaciasや『Goddess of the Dark Nights』、『God of Shadows』は、実際にはMental攻撃ではなくGuidanceのimpactを受けているのではないのか?
(我の考え過ぎか? 実際に、彼女達は我等を裏切る動きを見せてはいない。それに、Guidanceを受けているか否かなど、人ならともかく神の胸の内は読めるものでも無い。具体的な動きを見せていない以上、見分けはつかない。
だが、念のために彼女達のHeroの-sama子を調べておくか。Vandalieuと接触するなら、神である彼女達自身ではなく、believer達を使って試みるはずだ)
そう考えてBacias達のHeroの所在地を知る者はいないかとAldaは尋ねたが、何とBacias達が育てているHeroの事を知っているFamiliar Spiritは一柱も居なかった。
何故ならBaciasは自分が凶兆の神として恐れられている事を知っているため、blessingsを与えたHero Candidate達に「自分's Divine Protectionを得ている事は、暫く秘密にするように」と命じたからだ。
『Goddess of the Dark Nights』や『God of Shadows』に至っては、Heroを本当に育てているのかもわからない。あの二柱はBacias以上に他のGodsとの接触を避けているため、誰も知らなかったからだ。
他のHero達がGodsに見守られながら華々しい活躍をしている間も、BaciasのHero達は、今も何処かで密やかに活動している。
『……急ぎ補充の神を選び、派遣しなければ。そして、一旦彼女達から話を聞いた方が良いな』
無暗に仲間を疑う事はorganizationの瓦解を促すが、放置も出来ない。Aldaはそう考えていた。
Talosheimの国名を改名する。accurateには、Talosheimと言うnameはそのまま使われるが、以前のような国名では無く都市のnameとして扱われる事になる。
新しく付けるのは、TalosheimだけではなくDemon continentや旧Scylla Autonomous Territory、そしてBoundary Mountain Range内部全体を含むVandalieuがinfluenceを持つ地域全域を表す国名である。
この大projectは、EmperorであるVandalieuに知らされる事なく、水面下で進められていた。
General兼Prime MinisterであるChezare、その副官であるKurt Legstonや、部下のCuoco Ragdew等武官とcivil officialはcertainly、飛び地であるDemon continentの主だった人物、そしてBoundary Mountain Range内部のGodsや国々の主だった人物達にも。
まるでイジメのように、徹底してVandalieuには知られないように根回しを進めていた。
Giant Vandalieu Idol Statueの建設は、偶然だがprojectからVandalieuの眼を逸らす格好の隠れ蓑だった。
「でもさ、大Vandalieu Magic Empireは無いと思うぜ。もっと他にあるよな」
だが、Talosが提案した新国名を聞かされたMashはそう言った。
「ですよね」
その答えに、Vandalieuは我が意を得たと普段よりも早い仕草で頷いた。そんな彼の態度を見たMashが、ふっと苦笑いを浮かべて問いかけた。
ちなみに、Mash達孤児院のmemberはTalosheimに将来的に移住する事になるので、その予行演習。そしてparadeやお祭りに参加する行楽の為、そしてCelisとBestraのSurgeryの下準備の為に来ていた。
「それで、俺に話す前に何人に同じ話をしたんだ?」
「……十人以上ですね。半分は既に国名の改名について知っていて、残り半分は知りませんでしたが予想外の答えばかりでした」
Talosが改名を提案したその場に居たGufadgarnは、Vandalieuが何を問題にしているのか全く理解できなかったらしい。彼女は『Evil God of Labyrinths』で、Boundary Mountain Range内部にはZanalpadnaのようにPatron Godのnameをそのまま国名にしている国があるからだろう。
「私如きには理解が及びませんが、私は常に偉大なるVandalieuの僕です」と心強い言葉を貰ったが、何か違う気がする。
Darciaは、「そうね、もう少しもじってもらった方が良いわよね」と微調整を加えるのを推奨しつつも、改名自体には賛成のようだった。
Moksiの町に連れて行った者達以外は、改名について大体知っていた。食事以外は地下工房に籠っているLucilianoや、Vandalieuの友人ではあるが本人は一介のExplorerであるKasim達は知らなかったが。
そのLucilianoは「そんな事より師Artisan、そろそろ例の研究を人体実験へ段階を進めるべきだと思うのだが」と軽く流し、Kasim達は「本当か!? 良かったな、おめでとう!」と祝ってくれた。気持ちは嬉しかったが望んでいた反応やreactionとは異なる。
そのためVandalieuは、もしかして自分のnameを国名にされる事を厭う自分の感性の方が変なのではないかと思い、paradeに参加する為Moksiからこっそり連れて来たMash達の意見を聞くためにこのOpen Plazaに来たのである。
『ちょ、丁度良いところに来てくれた! Vandalieu -dono、いや、Vandalieu -sama! このクソガキ共をどうにかしてくれぃっ!』
今Open Plazaでは、Pauvina監修によるLuvezfolで学ぶTamed Monsterとの触れあい方教室が行われている。
しかし二人はLuvezfolの訴えを無視して、会話を続けた。
「でも、何で俺? pupilsのSimonのおっ-sanとか、Nataniaの姉-chanとかの方が良いんじゃないのかよ?」
「SimonとNataniaは、今とても疲れて寝ています。BorkusとVigaroが訓練ではしゃぎ過ぎたようです」
新入りを効率良く鍛えてやろうと、BorkusとVigaroが訓練用のWeapon Equipmentで本気のSimonとNataniaと戦うという、かなり実戦に近い訓練が実行された。
受肉したHeroic spiritに勝るとも劣らない実力と迫力の二人、特に自分と同じ【Spirit Form】使いが現れた事にVigaroが張りきって、SimonとNataniaにとって充実した訓練になったようだ。……その代償に、疲れて泥のように眠っている。
「そっか……でも、この国ってお前が初代王-samaなんだろ? だったら、Vandalieuじゃなくて、Zakkart Empireってnameになるのが普通なんじゃないか?」
Mashがそう言うように、このworldに現存するHuman社会の国のnameは殆どが建国者の姓名から取られている。
Amid Empireやその属国であるMirg Shield Nationがそうだ。Orbaum Elective Kingdomは若干異なる。Orbaumは人の姓ではなく、Elected King制度を提案し、当時独立国だった十二の国を纏めた人物がいた自由都市Orbaum……現在のElected King領の中心にあった都市のnameである。
ただ、その自由都市Orbaumの名も元は五人のFounderのnameから一文字ずつ取ったものではあるのだが。
その慣習に従えば、Vandalieuの姓を国名にしても何もおかしくはない。
「でも、それも微妙なのですよ。俺にZakkartの姓が付いたのは、国王に就任し、Empireになった後の事ですし。後……今後姓が増えないとも限りませんから」
「……姓って、増えるんだ。まあ、そうだよな。
でも意外だ。お前にも恥ずかしいって思う事があるなんて」
しみじみとそう言うMashに、Vandalieuは何度か瞬きを繰り返した後答えた。
「当然ですが、俺にも羞恥心はありますよ。寧ろ、何故Mashにそう思われたのかが、分かりません」
Memoryを探ってみたが、全く心当たりが……いや、昔を顧みるとそれなりに在るような気がする。
「これまで殺し合いで毒やDisease原菌を使うとか、敵軍との戦いにTrapを仕掛けるとか、正々堂々や清廉潔白とは言えないやり方で生き抜いてきましたが、まさかそれを見抜いて!?」
「見抜いてねぇよ! 恥知らずって、そう言う意味で思った訳じゃねぇし!」
何と言う眼力だと驚くVandalieuの誤解を、Mashは全力で否定した。
「そうじゃなくて、町で結構ベタベタしてただろ、Darcia -sanとか、EleonoraやBellmond、Basdiaの姉-chanとか、Zadirisとかと。いつも後ろにはGufadgarnが居たし」
Darcia達はとても気軽にVandalieuの頭を撫でたり、持ち上げたり、抱きしめたりする。Mashはそれを見ても最初は違和感を覚えなかったが、Vandalieuが実は年上だと知ってからは少し変に思った。
普通、それぐらいのageになったら人前でそんな風に、childとして扱われたら恥ずかしがったり、照れくさかったりするのではないかと思うからだ。
Talosheimに来てからは、それが更に顕著になった。……異性だけではなく同性の人物もVandalieuを掴み上げるし、Giantなchunk of meatが押しつぶすようにして飲み込むし、空飛ぶboneが掻っ攫う等羞恥心よりhorror心の方が刺激されそうな事も多かったが。
更にこれは孤児であるMashではピンと来なかったが、自分の母親を含め知り合いの異性にIdol衣装に変化するTransformation Equipmentを渡し、Stageでも最前列で応援し親子である事を隠そうともしない。この点でも、Vandalieuの感覚は普通とは異なるかもしれない。
しかし、Vandalieuの反応からはそれが見られない。Mashはそんな友人を、「こいつ、もしかしてemotionsが無いんじゃないか?」と実は心配していた。
そんな彼に、Vandalieuは応えた。
「Mash……それは俺がskinshipによって心の平安を得る寂しがり屋で、甘えん坊だからです。更に言うと、国中の皆が知っていますが、俺は度の強いマザコンでもあります」
「そ、そうか」
「俺には羞恥心が無いわけではありません。今気がつきましたが、羞恥心を刺激されるpointがちょっとずれているだけなのでしょう。
自分のGiantなIdol Statueを彫られるとか」
Vandalieuが最近で最も羞恥心を刺激されたのは、自分のGiant Idol Statue Architecture projectが始まった事だった。これまでの経験から等身大までなら平気になっていた彼だが、流石に全長百meterの像は抵抗を覚えた。
「それは、俺には分からない感覚だよなー。って、言うか誰にも分からないって。Duke -samaどころか、Elected King -samaやAmid EmpireのEmperorだってそんな大きな像を建てた事ないぜ。
でも、国名を早くどうにかした方が良いってのは分かるな。まだ、全員が知っている訳じゃないんだろ?」
「ええ、まだ主だった人物しか知りません」
「だったら、大Vandalieu Magic Empire以外のnameを提案した方が良いぜ。だって、お前の事だからこの国の奴らが皆で『大Vandalieu Magic Empireに改名したい!』って言い出したら、あのIdol Statueみたいに押し切られそうだろ?」
「っ!? た、たしかにその通りです」
Mashの指摘に、Vandalieuははっとした。Idol Statueも最初は強く主張しているのがNuazaだけだったので強硬に断っていたが、全国民による行動に成ると「これも国民の声なら仕方がない」と抵抗を諦め、反対の意思を表明するだけになってしまった。
同じ事が国名改名でも起こらないとは限らない。
「じゃあ、早速Candidateを考えましょう……何が良いと思います?」
「そこまで俺に聞くなよー。関係無いだろ、俺には」
「いいえ、Mashも将来うちの国で暮らすのですから、関係ありますよ」
「えっ? 俺達も住んでいいのか!? 言っとくけど、俺達まだTamerとして半人前だから、稼げないぞ! それともCelis姉-chanやBestra姉-chanのbody partが目当てか!?」
「いや、今すぐ稼ぎを当てにはしませんから。それと、CelisとBestraとMashのbody partだけが目当てではありません。心も下さい」
「俺のも!?」
「Mash兄-chanモテる~」
「ヒューヒュー」
「ふしまつなMash兄-chanだけどよろしくおねがいします、Vandalieu兄-chan」
「それを言うなら不勉強な、じゃなかったっけ?」
Mashが叫ぶので、面白そうな事を話していると思ったchild達がわらわらと二人の周りにやってきて、耳年増なのか、口で口笛を吹いている真似をしたり、Slightly間違っている事を言ったりする。
「皆も俺にbody partと心を寄越して、うちの国民になりなさーい」
そのchild達に対して、両手を前にthrust出して「お化けだぞ」と脅かすようにして追いかける仕草を見せるVandalieu。
「きゃーっ、わたしの心が目的だったのね~!」
「Marcia、それって良い事じゃないかな?」
そのVandalieuから楽しそうに逃げるchild達。
「お、おいっ、良いのか!? 俺達きっと迷惑かけるぞ! まだ全然強くないし!」
「普通、childに強さは期待しません。大人になりながら、ゆっくり強くなってくれればそれで良いかと思います」
武の国であるKijin nationだって、childの内からいきなり大人並みに強くなる事を求めはしない。大人になった時、大人並みに強ければそれで十分だ。
「大人になっても恩なんて返すか分からないぞ!」
「そう言うもので良いと思いますよ。Mashの自主性に任せますが、恩返しをしようとするよりもMash自身の幸福を追求してくれた方が、俺としては嬉しいです」
VandalieuはMash達を、国家に忠実な工作員として育成するつもりは毛頭ない。希望されればPetをmonsters化させたりはするが、将来の職業選択の幅を広げるとか、情操教育の一環以上の事をしたつもりは無い。
とりあえずは、友だちが健やかに育ってくれればそれで良い。
「Van~、皆のPractical Experienceの邪魔しちゃダメだよ。メッ」
「すみません、つい楽しくて」
猫の子のようにPauvinaに抓みあげられたVandalieuをMashは暫く見上げていたが、目元をごしごしと袖で拭いてから、言った。
「よ、よ~し! じゃあ、お前が恥ずかしがらないでもすむ国名を考えるの手伝ってやるよ! 俺もこの国の国民だからな!」
「何? 何するの?」
「ぼくもやる~」
「皆、Holly Directorがお茶を淹れたから――」
「Celis姉-chanとBestra姉-chan達も、一緒に考えようぜ! Director senseiも呼んでさ!」
『考えるぅ』
『『『るるるる~』』』
『では、我は隅で休ませてもらおう』
『…………』
『ぬっ、我をそんなcompound eyesで見るな! 分かった、wisdomを貸せばよいのだろう。ふん、LioenやTiamatが我の意見も取り入れた名の国の一部と化すのなら、それはそれで愉快だろうよ』
こうして新しい国のnameを考える会が始まった。後日、Celis達は「あの時は、まさか本気に国名を決めるなんて、思わなかった。冗談だと思った」と口を揃えて語ったと言う。
「まずはVidaのnameを頂きましょう。Vida's Factionで纏まっている国なのですし」
「Kami-samaから一字貰うのは、良い事よね」
「それと、Vanの字も皆欲しがると思う」
「じゃあ、ヴィヴァ国!」
『……むやみやたらと明るそうな国名だな』
「頭文字以外にしたらどうだ。ンかダ、ルーで」
「後、RicklentとZuruwarnのnameも貰ったらどうかしら?」
『我々のallyをしてくれているGreat Godだものね。Gufadgarnのnameも入れたら?』
「では、ヴィリズグルー国?」
『語感が最悪ね』
いつの間にかEleonoraやIsla、Bellmond等が続々と集まって話に加わって行く。
「良しっ! これからtournamentをして勝ち残った奴が命名権を得ると言うのはどうだ!? 儂はtournamentを戦えればそれだけで満足だが!」
「父-san!? BAKANA事を言わないでください!」
『じゃあ、くじ引きで決めようぜ。それで百年ぐらい試してみて、気に入らなかったらまた改名すれば良いじゃねぇか』
「なかなか決まらないですね~。この際なので、もっとsimpleなnameにしたらどうです? RicklentやZuruwarnのnameは、将来新しく作る事になるだろうDungeonや町、村のnameにつければ良いと思います。
Royal Nobilityは正妻やLoverのnameを町や橋につけるそうですし」
「その例はどうかと思うが……simpleな方が呼びやすいとは思うぜ」
そしてKanakoの意見を取り入れて、複雑怪奇になりかけていた国名Candidateは破棄され、simpleなものへと考え直された。
『Gartヘイムやヘルヘイムと言った、another worldのnameなんてどうです?』
Legionはそう勧めたが、やはりこのworldのnameにする事になった。
そして最終的に、Vidaから一文字半、Vandalieuから二文字取ったnameになった。偶然だが、通貨であるLunaも一文字入っている。
「では、Vidal Magic Empireとし、この案を推薦するとChezareやTalosに報告しましょう」
しかし、何故か「魔」の文字は取れなかったのだった。