細かい泡をcountlessに発生させる液体が詰まった樽と、別の黒い液体が詰まった樽とをtubeで繋ぐ。そうする事で、泡から出た気体を、黒い液体に溶かす。
そうした作業を家の地下に作ったDungeonの中で行いながら、VandalieuはJulianaが受けたOracleの内容について考えていた。
「from here北と南に等しい位置にある地と言う事は、maybe Bahn Gaia continentの反対側にあるContinentか、島の事でしょう」
「まあ、そうよね。北と南、正反対の方向なのに、等しいという事は」
「っと、言うかこのworldの人達って、自分達のworldが球体だって知っていたんですね。mapはあってもEarth儀みたいな物を見かけないので、てっきり知らないのかと思っていました」
Vandalieuのconjectureにnod Darcia達に、Kanakoが若干驚いた-sama子でそう言った。彼女達はRodcorteのDivine RealmからLambda worldを見た事で、Lambdaが『Earth』や『Origin』と同じような球体のworldである事を知っている。
見たのは『Lambda』だけだったので、大きさが『Earth』や『Origin』とは違う可能性や、天体の動きが逆……Lambdaの周りを太陽や月が回っている可能性もある。しかし、worldが球体なのは間違いない。
しかし、それはworldの外から見る事が出来たから分かる事だ。Kanako達はreincarnationしてからEarth儀に相当する、Lambda儀と呼ばれるべき物を見た事が無かったため、極自然にこのworldの住人はworldが球体だと知らないのだと今まで思い込んでいた。
そう驚くKanakoだったが、Darciaは彼女に「皆が知っている訳じゃないのよ」とcorrectionする。
「accurateには、childの頃Mythやlegend、字の読み書きや算術を教わるのと同じ時期に教えられるの。でも、その後あまり意識しないのよね。worldが球体かどうか。
私もVidaのDivine Realmで改めて教わるまでは忘れていたし、Juliana -sanも忘れていたみたいだし」
「ああぁっ、見ないでくださいっ! 前世はこの国でも高度な教育を受けたはずのHumanだったはずなのに、そんな事も忘れていた私を見ないでくださいぃ!」
「そう気にするでない。儂なんてworldがroundと聞いても、いまいち理解できておらんのじゃし」
「そうだよ、ユリ-chan。よしよし」
「ごめんなさいね、責めた訳じゃないのよ」
羞恥に悶えるJulianaを、慰めるZadirisとPauvinaとDarcia。どうやら崇拝しているVandalieuに向かって「分かりません!」と答えてしまった事が、psychological Damageになっているらしい。
「Devil Nestsに閉じこもって生活していた私達Ghoulに、worldの地理についての知識を得る機会は無かったからな。そんな私達が慰めても、効果は薄いと思うぞ、kaa-san」
「Humanも一般家庭は似たようなものですわよ。昔一度教わるだけで、その後はあまり意識しませんわ。私も、Vandalieu -samaが言いだすまで忘れていたぐらいですもの。
私の場合は二百年以上前ですけど、今の教育も似たようなものみたいですし。ねぇ?」
Tareaが視線で同意を求めると、その場に居たSimonとNataniaが困惑した顔つきのまま頷いた。
「ええ、worldがroundって、言われてみればガキの頃に教わった覚えはあるんですがね……俺には、worldが真っ直ぐにしか見えないんで」
「ううん……山や丘やhollowがあってもworldはflatに見えるし……でも、昔そんな事を教わった事があったような、無かったような……」
SimonとNataniaも、worldがround事は教わっていたが、その知識はすっかり埃を被っていたようだ。
「another world由来の知識って事で、AldaやBellwoodのbelieverがあまり教えないようにしたとか、そういう感じか?」
Dougがそう言うが、それにしてはchildの頃とは言え基礎的な教育の一環として「worldはround」と教えているのが不自然だ。
そう話していた時、Princess LeviaがVandalieuの背後に現れて口を開いた。
『いえ、worldがroundのはanother world由来の知識ではないはずです。Talosheimのtempleにある、Mythを記した石版のworld創成に当たる部分にも、worldは球体で記されていましたから』
「……坊や、お主が直したtempleじゃろうに」
「直したのは、もう九年ぐらい前ですからね。【Perfect Recording】も当時は在りませんでしたし。でも、Princess Leviaのお蔭で、何故皆がworldはroundと知っているのに、知識として定着していないのかがだいたい分かりました」
この『Lambda』が『Earth』と明確に違うのは、『Lambda』ではHumanより先にGodsが存在した事。そして、GodsがHumanを創った後暫くは、Godsが地上でHumanを教えGuidance、共に生きるage of the godsが存在した事だ。
Godsはまだ幼く、immatureなHuman達に過ぎた技術やwisdom……狩りに使うにはAttack Powerが高すぎる攻撃magicや、BodyとMentalに深い傷を与えるTorture具の作り方等は教えなかった。
しかし、worldの形に関しては教えていただろう。worldはroundと。
若しくは、当時の人々がGodsから学ぶ内に自力で気がついたのかもしれない。
『God of Space and Creation』ZuruwarnのSubordinate Godであり、現在High Goblin nationのPatron Godをしている『Goddess of Maps』Warnlyza。彼女は当時の人々にSurveyingの知識を与え、mapの描き方を教えたはずだ。
何にせよ、このworldの人々はChampion達がanother worldから来る前にworldはroundと知ったのだ。当時のworldは危険なmonstersはおらず、国も無く、人々を総べるGodsの関係も今と比べるとずっと穏当であった。旅も、ずっと安全だっただろう。
しかし、Demon King Guduranis率いるDemon King Armyとの戦闘でworldは一変した。
激しい戦いの結果地形が変わり、Demon King達が出現する以前のmapはaccurateさを失った。更に、危険なmonstersが巣くうDevil Nests、Demon Seas、Demon's Sky等の魔の領域が発生。中にはContinent全体がDevil Nestsと化してしまったDemon continent等も存在する。
そしてDemon Kingとの戦い、更にVidaとAldaの戦いを経て力を失い、Alda's FactionのGodsは地上から去りDivine Realmに籠っている。Vida's FactionのGodsも、Boundary Mountain Rangeの内部やDemon continentの一部に閉じこもっていた。
人々にworldの地理を教えられるconditionでは無い。
Human達も、自力で長距離を移動する事や、広範囲のSurveyingを行う事が出来なかっただろう。実際、Demon continentは『Thunderclap』のSchneider率いる『Storm of Tyranny』が到達するまで、Human社会では前人未到の地とされていた。
とてもworld mapやLambda儀を作れる状況ではない。
そして現在、多くの一般人は生まれ育った町や村とその周辺で人生を終えている。長い距離を繰り返し旅するような生き方をする者は全体から見れば少ない。そうした人々が必要とする地理の知識は極狭いものだ。
そのため、「worldはround」と言う知識は残っているが、それが教えられた人々に知識として定着していないという中途半端な状況になってしまったのだろう。
そうconjectureしたVandalieuの話を聞いたDarcia達は、なるほどと頷いた。
「それは分かったけれど……でも、どうしましょうか? 北と南に等しい地を測るのは、とても難しそうだけれど」
謎は解けたが、解けたからと言ってOracleを紐解く事にはいまいち繋がらなかった。
『Warnlyza -samaがPatron GodをしているHigh Goblin nationにも、world mapは無いと思います。Warnlyza -sama自身も、十万年以上Barrierの外には出ていないはずですし』
『Schneiderに聞いてみるのはどう? あいつら、Demon continentまで往復したんだから、ある程度星からSurveyingできるはずでしょ? なら手がかりになるかも。
って、言うかGufadgarnは知らないの?』
Princess Leviaと、彼女に続いて姿を現したOrbiaがそう提案した後、続けてGufadgarnに尋ねる。
「申し訳ないが、私の知識にはありません」
しかし、Gufadgarnは首を横に振った。彼女はVida's Factionの神の中では唯一Boundary Mountain Rangeの外へ、『Trial of Zakkart』のDungeonごと点々と移動していた神だ。しかし、その間彼女はDungeonの管理に集中していたので、外の地理がどうなっているのかは、あまり意識していなかったそうだ。
「私が、もっと女Kami-samaの御心を理解できていれば、もっと分かり易い形でOracleを受け取れたのにぃ!」
「いやいや、Julianaよ、そう気にするな。maybe北と南云々は、それほど厳密に測る必要は無いはずじゃ。もう一つの手がかり、『気持ちの悪い色のchin』の方が細かい場所を測る目印じゃろう。
獣のchinのような形の地形を指しているのじゃろうから、異-samaな形で毒々しい色をした谷か、渓谷か、洞窟の入り口か。どれにしても、相応に目立つはず」
『Oracleは謎めいていますが、別にPeria -samaも意地悪をして故意に分かり難くしている訳ではないはずです。出来るだけ分かり易く伝わるように工夫して、Juliana -sanが受けた形になったのでしょう』
ZadirisとPrincess Leviaがそう言って落ち込むJulianaを慰める。Vandalieuも彼女の肩に手を置いて言った。
「そう、気にする必要はありません。最初からKami-samaと話せる人はいませんから。俺も、生まれてから約八年かかりました」
Vandalieuが初めて神、『Evil Dragon God of Five Sins』Fidirgと遭遇し、会話したのは八ageの頃である。……ちなみに、初めてEvil God (P)を食べたのはその約一年前の、七ageの頃だ。
「……師Artisan。Julianaと自分を一緒にするのは、流石にどうかと思うよ。オレ」
Nataniaは半眼になってそう言うが、Vandalieuは彼女の言いたい事をいまいち理解できなかった。
「まあ、確かに八ageになったからと言ってKami-samaと話せるようになるとは限りませんか。ではJuliana、Rank13以上になる事を目指しましょう。なれれば、Kami-samaと面と向かって話せるようになります」
「はい、頑張ります!」
Julianaは瞳を輝かせて即座に頷いた。しかし、Rank13は目指せば至れる領域ではない。領域ではないのだが……。
「Vanの周りだと、頑張ればなれそうな気がするよね」
「そうだな。Vanと初めて会った頃はRank4だった私が、今はkaa-san達と同じ12だからな」
Rankは無いが友達にRapiéçageやYamata等高Rankのmonstersが居るPauvinaや、自身がRank12にまで至っているBasdiaがそう頷きあった。
それに、Vida's New Racesの内monstersにrootsを持つ者達はRankだけではなくJobも持っている。x2にAbility Valuesの成長補正やskill補正を受けているconditionである事を考えれば、Basdiaは既にRank13のmonstersよりも総合的には勝っているはずだ。
今の彼女ならFidirgと直接会っても平気だろう。
「それで『気持ちの悪い色のchin』の方ですが……」
『とりあえず、まず父-sanに乗って皆で在りそうな場所を探して見るのはどうでしょう? 今の父-sanなら渡り鳥より早いですよ!』
『いざとなれば亜spaceに潜れますから、偶然monstersと遭遇しても安心ですし』
RitaとSalireの父親であるSamは、Dimensional Road Carriageだ。彼のcarriageに乗って移動すれば、二人が言うように速く、そして安全にこの星の裏側に行く事が出来るだろう。
「それなのですが、Alcrem Dukeから都に呼ばれていますからね。Samには俺の近くに待機していてほしいのですよ」
「あの、Van -sama? OracleとDukeからの用事を、同時進行でこなすおつもりですの?」
「そっちは、後回しでも良くはないか?」
Vandalieuの発言に戸惑った-sama子を見せるTareaとBasdia。Orbaum Elective Kingdomでは各Duchyを治めるDukeは、小国の王に等しい権力を持っている。そのDukeの意向よりも他の要件を優先する事は、普通なら考え難い事だ。
しかし、Goddessから与えられたOracleとなれば話は別である。特にDarciaはSaintessやHoly Motherと呼ばれており、Vandalieu自身も『Patron Saint of Transforming Equipment』だ。
Oracleがあったと言えば、Dukeでも無下にする事は出来ないはずである。
「それに、Duke -sanやguild本部の意向と言っても、すぐ行かなきゃならない訳じゃないわ。だったら、VandalieuだけBachem -sanのWyvernに相乗りして来るようにと言うはずだし。
この町から都に歩いて行くのに必要な日程分、最低でも二週間くらいは余裕がある筈よ」
そうDarciaが言う。その二週間でとりあえずOracleが指示した場所を探し、都にはLegionかGufadgarnの【Teleportation】で向かえば良い。
Duke達はVandalieu達に【Teleportation】があるのを知らないので、これで問題は無い。
なのだが、Vandalieuは首を横に振った。
「maybe、Oracleが指示した場所で簡単には済ませられない事件が起きるでしょうから、Duke -san達の用事は片づけておいた方が良いと思うのですよ。
それに、Oracleの方は一年二年を争う事態かも知れないけれど、一刻を争う事態ではないでしょう。まあ、これは俺がtempleに行って直接Kami-sama達に聞いてきます。Oracleを下した本人じゃなくても、色々話を聞けるでしょうし」
『……そう。ところで、聞きたいのだけど……その樽の中身は何?』
それまでただのchunk of meatのように横たわっていたLegionが蠢いてそう尋ねると、Vandalieuはcupを人数分用意しながら答えた。
「二酸化炭素を発生させ、炭酸水を作る即席の仕組みです。souvenirにする前に、味見は必要ですからね。
では、試飲会としましょう」
『Earthの神』から教わったrecipeを参考に、Gehenna Beeの蜂蜜から作ったcaramelで味を、幾つかの香草や果物をblendして味をそれらしく整えたColaの試作品が、皆に振る舞われたのだった。
そのnight、Talosheimは歓声に沸いた。Emperorが目的を果たして戻って来た事を祝い、敵である『God of Law and Life』Aldaに従うGodsの中でも特に戦闘に特化した『God of Thunderclouds』Fitunを討ち取った戦果を称えた。
また、Human社会でもそのinfluenceを強め、Nobleでも無視できない存在になりつつある事、そして新たな仲間が増えた事も歓迎された。
paradeが行われ、-sama々なCookingが振る舞われ、あらゆるraceの者達が集まった。その規模はMoksiの町で行われた物の数倍の活気があったと言う。
『Giiiiiiii~』
その日のmidnight、Talosheimの運河から出航した船があった。Vandalieuが複数の難破船を組み上げて作り上げた幽霊船、Cuatroである。
『Lambda』worldでは稀に見る大型の幽霊船は、帆を広げ南に向かって進んでいた。
『bastard共! Demon continentから一年以上、久しぶりの陛下からの出航命令だ! 気張りやがれぇ!』
『イエッサー、船長!』
『ですが今回のmissionはあくまで偵察、下見です。気がつかれないよう、密やかに行動しなければなりません。分かりましたか?』
『了解です、船長』
CuatroのCommandingを執る四人の『Four Captains of the Dead Sea』、そして配下である命亡き船員達。彼等が立てる物音以外は、風の音しか聞こえない。
何と、Cuatroは空を飛んでいた。
『これが本当のFlight船である! しかも、間違いなくEmperor陛下やChampionがやって来たworldのFlight船よりも格上! 我々はanother worldを凌駕したのだ!』
サーベルを抜いて勝ち誇る元魔導船の船長に、船員の一人がカタカタとboneを鳴らしながら話しかける。
『しかし船長、Dougの話だとanother worldのFlight船ってのは、屋根にデカい袋をくっつけた乗り物の事で、空を飛ぶ船じゃないそうですけど』
『うむ! 明らかに機動力に問題がある構造だ! しかも、袋に穴が開いただけで墜落するそうであるな! 明らかに我等がCuatroの方が格上である!』
『いや、あっしが言いたいのは、比べるようなもんじゃないんじゃないかって……いや、もういいです、はい』
元魔導船の船長がハイになっているだけだと気がついた船員は、ツッコミを諦めて彼から若干距離を取った。
しかし、実際Cuatroが普通の幽霊船とは一線を画する存在になったのは確かだ。
暫く前、特訓するSamに付き合った結果、彼女は空を飛ぶ事が出来る船となった。そのため構造的に真下というBlind Spotが発生する等弱点も増えたが、それ以上に行動範囲が一気に広がった。
それに機動力も。これまでもCuatroは風が無くても自分の意志で海を進む事が出来たが、海と空では明らかに空の方が速い。
流石にSamが空を走るほどの速さは出ないが。
『とは言え、monstersとの不意の戦闘にも気を付けなければなりません。Godsの手の者の襲撃も、可能性は小さくても警戒しなくては』
『Four Captains of the Dead Sea』最後の一人、帆船の船長が自らWeapon Equipmentの点検を監督しながら言う。CuatroにはDragonも射殺せそうなGiantな矢を放つGiantなcrossbow、バリスタが備え付けられている。更に、Doug達と作り上げた大砲も新たに設置されていた。
火薬は水に濡れてダメにならないよう、防水仕-samaのmagic itemで保存されている。
そしてCuatroと船長以下船員自身もそれなりに高位のUndeadだ。Demon continentに初めて向かった時はBone Manとその乗機であるDragon ZombieのLeoの引率が必要だったが、今なら不意に遭遇したmonstersとも自力で対応できるだろう。
しかし、もしHajime Fitunのような受肉した神やHeroic spirit、神's Divine Protectionを受けたHeroが現れた場合は、心許ない。
『その時は頼みましたよ、Mikhail -dono。そしてDark Night Knightsの皆-san』
『お任せを』
『おお! その時はEmperor陛下の狗が神の走狗より上である事を示してくれる!』
『GOA……!』
その時の為の戦力として、『Divine Spear of Ice』のMikhail、そしてVampireからZombie化した者やVampireの死体を材料に作られたZombie GIANT達で編成されたDark Night Knightsが乗り込んでいた。
彼らが居れば、Godsが急造で仕立てたHeroとその仲間程度なら撃退できるだろう。
『しかし船長、我々はいざと言う時の備え。基本的には逃げの一手である事を忘れないように』
だが、それでもHajime Fitunが率いていた戦力と同程度の敵が現れれば敵わない。そのため、基本的には緊急時にはVandalieu達を呼び、【Teleportation】して逃げる手はずになっている。
『分かっております。もっとも、Godsもそうそう我々に気がつく事は無いでしょうが』
GodsはHumanが考えているよりも、ずっと全知全能では無い存在だ。彼等はDivine Realmから……雲よりもずっと上から直接地上を見るか、believerの目を通してしか地上を見る事は基本的には出来ない。
Alda's FactionのGodsのbelieverが存在しないBoundary Mountain Range内部、その最南端のMerfolk nationから嵐に紛れて出港し、海上を進むCuatroに気がつく可能性は低いだろう。
そしてDark nightを進むこの船に、Human社会の国から出た船が気づく可能性も低いはずだ。
『だが、万が一ということもある。油断せずに――』
『bastard共、日の出だ! 準備しろ! 荷を海に浚われないよう船室に運び込め!』
Mikhailが警戒を促している間に、地平線の向こうが白み始めた。日の出の時間が来たのだ。同時に、船員達が慌ただしく動き始める。
バリスタの矢や火薬を抱えて船内に運び入れ、急いで帆を畳む。
『そら行くぞ、潜航開始ィ!』
そして、『Four Captains of the Dead Sea』の号令を受けたCuatroが、船首を海面に向けて急降下を始めた。rapidlyとまだ暗い海面が船首に迫り、そのまま大きな水飛沫を立てて衝突。そのままCuatroは船首から一気に沈み……海面から見えない深さまで潜ると、船首の向きを水平に戻した。
『これより日が沈むまで潜水航行! 旦那方ぁ! 多少の水の流れはCuatroが防ぎますが、完璧じゃねぇんで、落ちないように気を付けてくだせぇ!』
頭蓋boneの中に残った空気を眼窩から漏らしながら、元海賊船の船長が忠告する。
そう、Cuatroは空だけではなく潜水も可能な幽霊船なのである。
いくら空を進んでいても、雲よりも高く飛ぶ事はCuatroにはまだできないため、遮る物の無い海では昼間だと他の船から見つけられる可能性がある。しかし、海の中なら絶対に気がつかれない。
nightは空を、そして昼はSpeedを犠牲にして海中を進むCuatroをGodsが察知する可能性は、かなり低い。
『その時は自力で泳ぐさ。Oracleが指し示す地の周辺まで、legendの海のmonstersに気を付けて進むとしよう』
ただ、流石にGoddessがsealedされていると言うOracleの地周辺にはGodsの手の者が見張っていてもおかしくない。
それらしい場所を見つけたら、Cuatroはその海中で待機する事になっていた。
『では、とりあえずの敵はlegendの海のmonstersか。あまりにも恐ろしい姿をしているため、目撃した船乗りは全員発狂してしまう謎のmonstersや、遭遇した船はどんな船でも沈没させられるGiantなmonstersが海の奥底には居るらしいが、本当か?』
『なぁに、どんなに恐ろしい姿だったとしても本気を出したEmperor陛下と比べれば仔猫みたいなものだ! それに我々が居るのは既に海面の下だぞ!』
『ははは! 違いねェ! legendの海のmonstersが出て来たら、三枚に降ろしてcurryの具にしてやるぜ!』
『……何故curryなのかね?』
『何でも、another worldじゃ良い船はcurryが美味いもんだってjinxがあるんだとか』
その存在に気がついてしまった者はhorrorのあまり正気を失い、立ちはだかってしまったらどんな船でも海の藻屑にされてしまうだろう幽霊船Cuatroは、暗い海を悠然と進んだ。
人口百万人の大都市。山間の小さな村出身の彼にとっては、想像もできない大都会だ。
まだ町に入っていないと言うのに、城壁を見ただけでも圧倒されそうだ。
「……ふふふ」
都に入る手続きを待つ人々の長蛇の列を前にして、内向的な性格の彼は震えるのを抑えられなかった。情けない。指も震え出しそうだったので、これ以上情けないところを人には見せまいと拳を作って強く握りしめた。
「Alcrem。我々の、目的地」
Imoutoも声が震えているが、無理も無い。彼以上に人見知りが激しく、若干male horror症なのだ。不安から俯きそうになっているが、しかし根は芯の強い彼女は町を真っ直ぐ見つめている。
「……女Kami-samaの……Oracle」
彼の幼馴染のDwarfのMageである彼はwhisperingと何か呟きながら、蒼白な顔つきで目を見開いている。初めての長旅の疲れと、山菜に混じっていた毒草に当たったimpactがまだ抜けていないらしい。
彼の為にも早く宿を取ってやりたいが……。
「あの、皆-san。何でそんな……なんて言うか、怪しげなんですか!? 周りの人達、凄く怖がってますよ!?」
そして最近加わった四人目の仲間、Archer兼ThiefのMiriamが泣きそうな顔をして訴えた。
「怖がって、いる?」
一行のleader、彫りの深い顔立ちに長い黒髪で不気味なshadowを作っている大男Arthurが、訝しげに顔を歪め唸るような声でMiriamに聞き返す。
「私達を? ……一体、誰が?」
ArthurのImoutoなのだが、黒い髪以外まったく似ていない目つきの悪い美女のKariniaが、周囲へ鋭い視線を投げかけた。
「ヒヒヒ、おかしな事を、言うのぅ」
目を見開いた禿頭(若ハゲ)で痩身のDwarfのBolzofoyが、abnormalな笑みを浮かべる。
「だから、皆-sanの態度はどうしようもなく怖いし怪しく見えるんですよぉっ!」
そしてその三人の仲間とはとても思えない、田舎から出て来たばかりの新米adventurerといった-sama子のMiriam。
彼ら四人がAlcrem Duchyの都、Alcremに入るのにGuardに呼び止められ通常の何倍も長い時間質問攻めにあったのは言うまでもない。
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・Name: Cuatro
・Rank: 8
・Race: Terror Ghost Chimera Battle Ship
・Level: 59
・Passive skills
Special Five Senses
Physical Resistance:7Lv(UP!)
Mental Corruption:7Lv
Strengthened Attribute Values: Maneuvering:6Lv(UP!)
Strengthened Attribute Values: Creator:5Lv(UP!)
Self-Reinforcement: On Water:5Lv(UP!)
Self-Enhancement: Guidance:4Lv(UP!)
Impact Resistance:3Lv(UP!)
Mysterious Strength:3Lv(NEW!)
Aerial Navigation:3Lv(NEW!)
Underwater Navigation:2Lv(NEW!)
Rapid Regeneration:1Lv(NEW!)
Water-Attribute Resistance:3Lv(NEW!)
・Active skills
-Surpass Limits-:9Lv(UP!)
High-Speed Navigation:7Lv(UP!)
Projectile Fire:7Lv(UP!)
Scream:5Lv(UP!)
Aura of Fear:7Lv(UP!)
Artillery Technique:4Lv(UP!)
Silent Steps:1Lv(NEW!)
Familiar Spirit Demonic Advent:1Lv(NEW!)
・Unique skill
Vandalieu’s Divine Protection(NEW!)