Vandalieuの口内に、感動的な美味が広がる。本当にtongueで味わっている訳ではないが、それは感覚的な問題だろう。
(香辛料を効かせたような刺激的な味わい。それが味の薄い部分を覆い隠している。隠し味も効いていて、appetiteを刺激する。それでいて脂っぽくなくて、後味もしつこくない。
やはり、神の魂は別格ですね)
そう、満足気にVandalieuはHajime Fitunの魂を咀嚼し、飲み下した。
『Evil God of Joyful Life』Hihiryushukakaは例えると、海鮮……それも新鮮なSquidやoctopusを使い、濃厚だが癖のあるCream風のsauceで味を付けたような味と食感だった。
それに対して『God of Thunderclouds』Fitunは、香辛料を効かせて焼き上げた鶏肉Cookingに近い気がする。Hajimeの魂に与えられていたRodcorte’s Divine ProtectionやAbilityも、中々良い風味だ。
どちらの味も甲乙つけ難いが、やはりFitunの方が美味い気がする。
(これは、俺が【Demon King】Jobに就いていた事や、同名のskillを持っているからかな。ついでに、【Demon King's Body】だし)
Demon Kingだから、Demon King Army RemnantsのHihiryushukakaより、Lambda worldの神であるFitunの魂の方が美味く感じたのではないか。
生まれた体質、健康conditionによって好む味が変わるのは『Earth』でもあった事らしいから、きっとそうだろうとVandalieuは思った。
『ご満足いただけたようですな、Bocchan』
『すっかり恍惚として……』
異spaceに戻ったSamと、Akiraの死体から離れて、他の肉片と合流したIsisが口々に言う。Vandalieuの表情は、相変わらず人形のような無表情だが、顔以外はemotions表現が豊かだ。
「ところで、Kami-samaとHeroic spiritとFamiliar Spiritと人の魂って、どんな違いがあるんですか?」
「むぐむぐ……そうですね、例えるなら……神の魂は大きなtable一杯のご馳走、course Cookingや満漢全席。Heroic spiritの魂は、ホットDogやsandwichなどの軽食。Familiar Spiritの魂は、一つだと味気ない小さなbreadや饅頭。そして人の魂は……豆粒?」
頬を膨らませたまま答えるVandalieuに、Kanakoは「なるほど」と頷いた。
「豆、ね。止めをさしておいてなんだが、流石に哀れだな」
「ところで、普通の食べ物と魂を比べたら、魂の方が食べたいと思うものなの?」
DougがAkira達の死体を眺めて顔を顰める横で、Melissaが新しい質問をする。
「なるほど、俺が将来魂をeating preyしたくてreasonを失うのではないかと心配してくれていると。……もぐもぐ……なら、大丈夫です。魂は食べる必要があるから食べているだけです。味は、高Class Cookingを食べれば同じくらいの美味を覚えますし……魂に、カロリーやビタミンはありませんから」
Melissaの質問の意図を見抜いて、Vandalieuはそう答えた。魂を食べればAbility Valuesが上がり、skillを覚える事もある。しかし、Body的な栄養補給には繋がらないのだ。
「そう、それを聞いて安心したわ」
『それよりも陛下、食べている途中で喋るのは行儀が悪いですよ』
まだ口の中で何かを転がしている-sama子のVandalieuを、Princess Leviaが姿を消したまま叱る。
「それもそうですね……さっさと吐き出すとしましょう」
すると、Vandalieuは口の中で何かを転がすのを止め、tongueを出した。tongueには、淡く光る小さな球状のものが乗っており、それはVandalieuのtongueから浮かび上がると、蛍のように彼の周りを漂い始めた。
『それは……霊ですか?』
「ええ、Gordonや『Flame Blade』、Heroic spiritの寄り代にされていた人達の魂です」
『なんと。では、口の中で飴玉のように転がしていたのは、一体化していたHuman共の魂を分離し、Heroic spiritの魂だけを食べる為でしたか』
「意外だな、てっきり一緒に噛み砕いて食べたかと思った」
「特にGordonって人と、『Flame Blade』の人達は。それとも、口に出来ないくらい不味かったとか?」
DarockやDougが口々に驚いた-sama子で、Gordonたちの魂を見つめる。それらはVandalieuから離れたためか、次第に消え、肉眼には見えなくなった。
しかし、彼等の魂はVandalieuの周囲に集まっている霊と同じように、確かに存在している。
「寄り代にされた人たちは、敵ではなくただの被害者です。助けられないのは仕方ないにしても、加害者と一緒に魂まで噛み砕くのは惨いかと。
Gordonと『Flame Blade』にしても、魂を砕くほど憎い相手と言う訳ではないし、その必要も認められませんし」
Nataniaが四肢を失う原因に深く関わる『Flame Blade』達に対しては、思うところがある。しかし、Adventurer’s Guildのrule的な償いは果たしている。実際にしたのは、guildの監視を解き自由に動きたかったHeroic spirit達だろうが。
それでも、廃人にされてBodyを乗っ取られ、最終的にLegion達が殺している。罰とするには、十分だろう。
Gordonに関しては、『Flame Blade』以上にわだかまりが無い。ただ一度因縁を付けてきて、Miles達と決闘し、そしてlose恥を晒しただけの男だ。恨みも何も存在しない。
恐らく過去に色々とやらかしているのだろうが、それにしても廃人にされ、Bodyを乗っ取られて利用され、死んだだけで十分な罰のはずだ。
他の寄り代にされた者達も同-samaだ。巻き込まれただけのadventurerやmercenaryだろうけれど、罪も無い被害者ばかりとは限らない。中には犯罪歴がある者がいるかもしれない。
しかし、今はただの廃人の魂である。別に被害者を知っている訳ではないし、恨みを晴らしてくれと頼まれた訳でも無い。
それに、もしこのまま魂を解放したとしても、彼等をRodcorteが刺客として利用する事も無いはずだ。何れ地上に戻ってきかねないHeroic spiritとは違う。
やはり、魂を喰らう理由は無い。
「彼らは、適当なUndeadにするか、Pseudo- reincarnationさせる事になるでしょう。space attributeのGhost達と同じように、彼等に前世のMemoryや人格を取り戻せる見込みは無いけれど」
死ぬ時のhorrorやshockや、時間経過によって、摩耗し、失われたMemoryや人格は、Undead Transformation後にRank upする事で蘇る場合がある。
しかし、Gordonたちは生きている内に廃人にされている。Undead Transformation後に蘇るのは、生前の、つまり死ぬ前のMemoryや人格なので、彼等が廃人になる前の正常なconditionに戻る事は無いだろう。
《Manaが1億上がりました!》
《【Divinity:Thunder God】、【Divinity:War God】、【Chronos】、【Pseudo- Death Scythe】、【Pseudo- Gungnir】、【Odin】、【Sylphid】、【Marionette】を獲得しました!》
《【Divinity:Thunder God】と【Divinity:War God】が【Demi-God】にintegrationされました! 【Spirit Form Transformation: Thunder】skillを獲得しました!》
《【Chronos】、【Pseudo- Death Scythe】、【Pseudo- Gungnir】、【Odin】、【Sylphid】が【Hell King Magic】skillに、【Marionette】が【Golem Creation】skillにintegrationされました!》
そして脳内にアナウンスが響く。これはFitun達の魂を食べたせいだろう。
Manaのincreaseは、オマケのようなものだろうとVandalieuは思った。既に自分のManaはGodsの域に達して……飛び越えている。FitunはAldaを頂点とした宗教formのGodsの中では、中堅以上の神だが、それなりでしかないという事だろう。
(まあ、別に構いはしませんが。originally、Ability Valuesを上げるためや、skillを手に入れるために魂を食べている訳ではないし)
目的は恨みや憎悪を晴らす事、そしてBodyを持たない、殺せない存在を滅ぼす事だ。Ability Valuesを上げ、skillを獲得する為ではない。
だから必要以上に落胆する事も、逆に喜ぶ事もしない。
だから、【Divinity:Thunder God】と【Divinity:War God】と言うFitunの神としての性質に関係があるだろうskillを獲得し、【Demi-God】skillとintegrationされた事も、どんな効果があるか不明……どころか、仲間に知られたら自分への崇拝がAccelerationしそうだと思っている。
建造途中のGiant Vandalieu像に、更に派手な装飾が加えられ、更に二号三号とGiant像を増やされたら、堪ったものではない。
【Spirit Form Transformation: Thunder】skillは、便利そうだ。恐らく、Kimberly達雷attributeのGhostが自身のSpirit Formを電気状に変化させているのを、Humanが再現するためのskillだろう。
既に【Dead Spirit Magic】でKimberly達がいれば雷撃を使う事が出来るが、これは攻撃よりもSpirit Formを使った治療等に役立てる事が出来るだろう。……【Mind Encroachment】や【Golem Creation】と組み合わせれば、【Marionette】の真似事も出来るかもしれない。
それより、問題なのは【Chronos】等のAbilityを獲得できてしまった事だ。
『肩が落ちているけど、何か変なskillでも獲得したの?』
『上がると期待していたskillのlevelが上がらなかったとかですか?』
OrbiaとRitaに訊ねられたVandalieuは、答える前に周囲を見回して、自分達以外に誰もいない事を確認してから応えた。
「はい、【Chronos】や【Sylphid】を獲得しました。すぐに他のskillにintegrationされましたけど」
『え? それって、あの連中のAbilityだよね? だったら別に……』
「なるほど、それは都合が悪いですね」
困惑するOrbiaの声を遮って、Kanakoが腕を組んでnod。
「VanがReincarnatorの魂を食べると、そのReincarnatorのAbilityを獲得する。それをRodcorteが知ったら、これからreincarnationしてくるReincarnatorに『あいつはお前達のAbilityを手に入れるために、魂を喰らうつもりだ』とか、そんな事を吹き込むはずです」
『待ってください、Kanako -san! 陛下はそんな事しません! どうしても欲しいAbilityがあるなら、そのAbilityを持つReincarnatorの魂を食べるのではなくて、生かしたまま説得するか、洗脳するか、Surgeryします!』
「Levia -san、あたしも同感です。同感ですが、吹き込まれるReincarnatorはVanの人柄を知りません。そして実際既にReincarnatorの魂を食べています。
これだけで、Reincarnator達を煽るには十分です」
『そんな……!』
Kanakoのconjectureに、動揺を隠せない-sama子のPrincess Leviaの声。そんな二人のやり取りを聞いて、DougとMelissaは苦笑いを浮かべた。
「今、説得はともかく、洗脳やSurgeryって言ってたな」
「まあ、『どうしても欲しい』Abilityの持ち主だものね。殺して魂を食べるよりエグイ事になりそう。その辺り、どうなの?」
「理解者がいて、嬉しいです」
どうしても欲しいAbility、つまり何が何でも手に入れなければ、Vandalieuやその周囲の者達に災いが降りかかるAbilityの持ち主なら、Vandalieuはあらゆる選択肢を考慮に入れて、手に入れようとするだろう。
それをPrincess LeviaとKanakoは察しているのだ。
「まあ、既に他のReincarnatorのAbilityは聞いていますし、その中に俺が『どうしても』欲しいと思うAbilityはありませんが。少なくとも、嫌がる人を無理矢理従わせたり、洗脳したり、そして魂を喰ったりしてまで欲しいAbilityは」
厄介なAbilityや、あったら便利だなと思うAbilityはあるが、是が非でも獲得しなければならないAbilityは無い。VandalieuはReincarnator達のAbilityをそう評価している。
「でも、俺自身がそう思っていても、関係無いですからね。Reincarnator達にとって重要なのは、出来てしまう事そのものです」
Vandalieuは……自分達が『Origin』で気がつかなかったReincarnatorで、自分達より先にreincarnationしたMurakami達を殺した人物は、魂を喰う事で他人のAbilityを手に入れる事が出来る。
そう聞かされたReincarnator達は、Vandalieuに対して良い印象は持たないだろう。流石に、それだけでRodcorteの望み通り、Vandalieuを殺そうとするとは思えないにしても。
「じゃあ、【Chronos】や【Sylphid】を使えるんですか?」
「いえ、もう他のskillにintegrationされたので、そのままは使えません。……それっぽい事は出来るようになるかもしれませんが」
skillを使う感覚でAbilityをActivateしようとするVandalieuだが、body partの一部が気体になったり、数秒後の未来が見えたりはしなかった。
これはintegrationされて別のskillに変化したためだろう。
「maybe、【Hell King Magic】や【Golem Creation】を使う時に役立つのだと思います」
「そうですか。寧ろ、その方が良いですね。magicやGolemを創る時に、Murakami達のAbilityと似たような事が出来ても、それがMurakami達のAbilityをただ真似しただけだと普通は思いますからね」
Kanakoの言葉に、DougとMelissaがnod。
「ああ、『Origin』でも、俺達のAbilityに似たmagicを開発しようとしていた奴らはいたからな。それは大体失敗したり、成功しても必要なManaが多かったり難易度が高かったりで、結局お蔵入りになったのが殆どらしいが」
「でも、『Lambda』では色々違うし……VandalieuのManaなら真似も可能かもしれないって思うかもしれないわ」
「なるほど。まあ、確証が無くてもRodcorteや……一部のReincarnatorが悪意から邪推する可能性がありますが、そこまで考えたら、きりがありませんね。
この件については、国家機密という事で」
『畏まりました、Bocchan。決して洩らしません』
『この事を知っているのは、この場に居る私達と、姿を消しているGhost達、Bocchanの周囲に居る数え切れないほどの霊だけですね!』
Samはきりっとした声で返事をしたが、それに続いたRitaの言葉にVandalieuは思わず遠い眼差しを空に向けた。
先程加わったGordonたちのように、Vandalieuの周囲には見えないだけで、数え切れない程膨大な霊が漂っている。その大半は蟲や植物の霊だし、人の霊でも彼らの声はVandalieu以外の生きているHumanは、【Spiritualist】Jobについていなければ聞く事は出来ないが。
「まあ、国家機密です。kaa-san達にも話すし、これから俺達の側につく事を選び、俺が受け入れたReincarnatorにも、早い段階で話すと思いますけど」
「それで良いんじゃないかしら。もし国中の皆が知る事になっても、RodcorteやReincarnator達が知る事は出来ないのだし」
そう言いながら、Isisの姿にTransformしたLegionが立ち上がった。
物見の塔から見ているSoldier達用のカムフラージュである。ちなみに、Legionがbone格代わりに使っていたMountain Giantのboneは、破片だけになって転がっている。
《【Monstrous Strength】、【Rapid Regeneration】、【Hell King Magic】、【Deadly Venom Secretion:(Fangs, Claws, Tongue)】、【Enhanced Agility】、【Mana Enlargement】、【-Transcend Limits-】、【Hollow King Magic】、【Soul Breaking Arts】、【Realization】、【Super High-speed Thought Processing】、【Throwing Technique】、【Dead Spirit Magic】、【Armor Technique】、【Shield Technique】、【Group Shadow Binding Technique】、【Surpass Limits: Fragments】、【Whip Technique】、【Demon King】、【Soul Devour】skillのlevelが上がりました!》
《【Staff Technique】skillを獲得しました!》
《更に、【Monstrous Strength】、【Augmented Vitality】、【Simultaneous Multi-cast】、【Surpass Limits: Fragments】、【Armor Technique】、【Shield Technique】、【Whip Technique】、【Group Manipulation】skillのlevelが上がりました!》
《【Rapid Regeneration】skillが、【Super Rapid Regeneration】skillにAwakeningしました!》
どうやら、戦闘を二回に分けたために、skillのlevel upも二回に分かれたようだ。
色々levelが上がったが……【Staff Technique】はともかく、大きいのは【Super Rapid Regeneration】skillだ。ここに至ったHumanが過去どれだけ……いや、自分以外に存在するだろうかとVandalieuは内心首を傾げた。
(maybe、普通の意味でのHumanでは存在しないでしょうね。VampireやMajin Raceなら何とかいそうですけど。
Hajime Fitunがスパスパ斬るから……ああ、そうだ)
「Doug、【Demon King's bones髄】を使ったEquipmentを持ってきてください」
「今のうちにAbsorptionするんだな。分かった」
DougがBow Userの女の死体から矢筒を外して持ってくる間に、VandalieuはHajime Fitunが使っていた曲刀の形状をしたEquipmentを手に取る。
「町の人達がDemon KingのEquipmentの事を知ったら、まず適当なtempleか何処かへsealedしちゃうでしょうからね」
「物見の塔から見ただけじゃ、Equipmentだって気がつかないだろうから、今の内よね」
KanakoとMelissaがそう言いながら、VandalieuがfragmentをAbsorptionするのを見守る。
「別に、そんな面白いものじゃないですよ」
Equipmentのsealedは、Vandalieuがdeath attributeのManaをEquipmentに注ぎ、強く握っただけであっさりと砕け散った。sealedにガタが来ていたのか、それとも彼が【Demon King】だからかは不明だが。
『我、sealedより解放されん! main bodyと合流するために……main body!?』
『main bodyっ!? おおっ、main body! おおおおmain bodyィ! 合流せよ! 我、main bodyと合流せよぉぉ!』
Equipmentから飛び出した曲刀状の刃と、筒状のbone marrowがVandalieuのbody partにthrust刺さる! しかし、そのまま何事も無かったかのように彼のbody partに滑り込んで行き、そのままAbsorptionされた。
《【Demon Kingのscale】、【Demon Kingのscale】、【Demon King's bones髄】をAbsorptionしました!》
《【Demon Kingのscale】、【Demon Kingのscale】、【Demon King's bones髄】は【Demon King's Body】に合流しました!》
「どうやら、Fitunが振るっていた二振りの曲刀は、どちらも【Demon Kingのscale】を使ったEquipmentだったようですね」
scaleをDefense Equipmentではなく刃にするのは変わっているかもしれないが、大きくて硬質なscaleならWeapon Equipmentに出来るのかもしれない。……単に、Equipmentを作る際の工程の問題で、Defense Equipmentに出来ないとか、そうした事情かも知れないが。
そして、無言になった二人に視線を向けてVandalieuは言った。
「面白くなかったでしょう?」
「凄く驚きましたよ! 頭に思いっきりthrust刺さっていましたけど、幾ら脳を使っていないからって、大丈夫なんですか!?」
「bone marrowの方はsolar plexusにthrust刺さったように見えたけど……もしかして、内臓も使ってないから平気とか?」
「Kanako、Melissa、今は脳も内臓も使っていますよ。あのconditionはとても疲れるし、うっかり油断してheartを動かすのを止めると、死んじゃいますし、色々面倒ですから」
「意識しないでもheartを動かしてくれる自分の脳がどれだけ大事か、分かる台詞だな」
Dougがそう、しみじみとnod。
それを聞きながら、Vandalieuは【Demon King Fragment】のmain bodyが抜け、OrichalcumのfragmentだけになったEquipmentに細工を施す。
「【Golem Creation】でappearanceだけ直して、【Demon Kingのscale】をそれぞれ一枚ずつ装着。こっちには、bone marrowを……これで見た目だけのEquipment、完成です」
『え? 何で直すんですか? 誰も奴らがEquipmentを持っていた事を知らないんですから、そのまま知らないふりをしても良いんじゃないでしょうか?』
『Rita、それだとこいつ等が持ちだす前に、このEquipmentをoriginally管理していた人がいたら大変でしょ。その人が何か言いだした時に、面倒な事になるかもしれない』
「Salire、正解です。後、こいつ等の素性をMoksiの町の捜査関係者に明らかにしてもらうための手がかりは、多い方が良いでしょうし」
このDemon KingのEquipmentをHajime Fitun達に渡した者達がいる。そうした、神の忠実な手足も捜査当局には捕まえて欲しい。
「Vandalieu自身や、私達が証言って形で情報提供すると、逆にこじれてしまうかもしれないものね」
「DhampirのVanが、賊の正体はFitunそのもの、ではないにしてもそのHeroとか、blessingsを受けた少年だとか言い出したら、真偽はさておいて大騒ぎですね」
「物的証拠も無いし。連中の【Heroic Spirit form】って、body partが光るだけで、【Familiar Spirit Advent】のように空から光の柱が降ってくるような、遠くからでも目に付く演出はないし」
IsisにKanako、Melissaが言うように、Hajime Fitun達が、受肉していた『God of Thunderclouds』FitunとそのHeroic spirit達だと言う動かぬ証拠は無い。
死体になったHajime達は、ただの死体でしかない。もしかしたら死体を詳しく検査すれば、神やHeroic spiritが受肉した事を示す痕跡が出るのかもしれないが……残念ながら、Vandalieuも含めて誰も「神やHeroic spiritの寄り代になった者の死体特有の痕跡」なんて知らない。
Vandalieu達が証言するにしても、彼は町のHumanには信用されていても、町以外のHuman……Vandalieuの噂しか知らないAlda's Factionの神のbelieverや、疑惑を向けられるFitun templeの関係者には「何かの意図があって、Aldaに連なるGodsとその神の信徒を貶めようとしている」と考えかねない。
「だから、証言せずに証拠を追ってもらう訳か。だけど、それでも奴らが神本人だったって事には誰も気がつかないんじゃないか? 下手したら、Equipmentを渡した連中もFitun 's Divine Protectionを受けた少年だとしか思っていなかった可能性もあるぜ」
そう危惧するDougに、Kimberlyの声が『いやいや、それで十分ですぜ』と言う。
『神's Divine Protectionを受けたHeroが、『Demon KingのEquipment』まで持ちだして、町がmonstersの群れに襲われているのを横目に、何の罪も無いDhampirを集団で襲撃。
醜聞としては十分すぎる』
特に『Demon KingのEquipment』が致命的だ。Demon KingのEquipmentはsealedが解けると、【Demon King Fragment】をrunawayさせてしまう諸刃の刃だ。monstersのrunawayに立ち向かっていた時に、そんな爆弾を持った連中が近くで暴れていたなんて恐ろし過ぎる。
monstersのrunawayは最悪でもMoksiの町周辺が滅亡するだけで済む。しかし、【Demon King Fragment】のrunawayは、何処まで被害が広がるか見当がつかないとされているのだから。
『ところで、このEquipmentが偽物だとばれる心配はないの?』
「無いと思いますよ、Orbia。本物の【scale】と【bone marrow】を使いましたし、Orichalcumの部分も元通り。俺のbody partから取った部品でしかないので、scaleが再生したり、bone marrowからbloodが出たりはしませんが……それは使ってみないと分からないですし」
Equipmentは禁忌のWeapon Equipmentなので、誰も使おうとは思わないだろう。……もしばれたら、その時はその時だ。
「ではSam、もう一度Job changeするので、carriageに入れてください」
『おお、もうlevelが100に到達しましたか!』
Reincarnator三人とFitunを倒したExperience Pointは、十分の一でも莫大な量だった。【Divine Enemy】にJob changeしたばかりのVandalieuも、すぐ100levelに到達する事が出来た。
「町に帰ってからguildでJob changeしても構わないけれど……ついでにAdventurer’s Guildで登録を勧められても面倒ですし、どんなJobに就いたのか偉い人に探られるのも、誤魔化すのが面倒ですからね」
目立たずひっそりと……というのは、とっくに諦めているが、避けられる面倒は避けるに限る。その努力が、気休め程度にしかならないとしても。
『そうですな、まだ正門にはHeroic spiritが二人健在のようですし、Darcia -sama達が始末する前にJob changeすると良いでしょう』
「……ああ、あっちにも居ましたか」
ちなみに、Kizelbainも既にMilesに倒されており、魂は他のHeroic spirit達と一緒にVandalieuに喰われている。
Miles本人は、【Beast Transformation】を解いて元の姿に戻るのに時間がかかるため、まだ森の中だ。
『では、その間は私が幻覚を映しておくので、お早く』
Darockが光で、Vandalieuがその場に居るように幻を空気中に投shadowしている間に、本物のVandalieuはSamのcarriageに入ると、Job change roomの水晶に手を置いた。
《選択可能Job 【Vengeful Berserker】 【Dead Spirit Mage】 【Hell King Mage】 【Fallen Musha】 【Insect Nin】 【Destruction Guider】 【Dungeon Master】 【Chaos Guider】 【Hollow King Mage】 【Eclipse Cursecaster】 【String User】 【Demon Ruler】 【Creator】 【Pale Rider】 【Tartarus】 【Aramitama】 【Hell Battery Cannoneer】 【Magic Wand Creator】 【Soul Fighter】 【God Destroyer】【Qliphoth】 【Hell Beast User】 【Spirit Tuner】 【Artisan: Transformation Equipment】 【Hollow Shadow Warrior】(NEW!) 【Balor】(NEW!) 【Abaddon】(NEW!) 【Demogorgon】(NEW!) 【Great Demon King】(NEW!) 【Soul Eater】(NEW!) 【God Eater】(NEW!) 【Nergal】(NEW!) 【Rakshasa King】(NEW!) 【Shaitan】(NEW!) 【Chiyou】(NEW!)》
「……【Divine Enemy】になった時より増えているじゃないですかー」
平坦な声でそう独り言を口にするが、Jobの数は減らない。
【Great Demon King】は……【Divine Enemy】にJob changeする時には出ていたJobだ。【Demon King】の時のように一瞬でlevel上限に到達は、しないと思うのだが。
【Soul Eater】や【God Eater】は、初めて出たJobだ。恐らく、HumanやEvil God (M) Evil God (P)ではなく、このworldで生まれた神であるFitunを喰った事がきっかけで出現したのだろう。
他の【Nergal】、【Rakshasa King】、【Shaitan】、【Chiyou】は、EarthのMythやlegend関係のJobだろう。どういったlegendなのかは、後で細かく思い出せば良い。
……一つ覚えているのは、【Nergal】がLegionの人格の一つが名乗っているGoddessの名、Ereshkigalの夫であると言う点である。
certainly、EreshkigalはMythのGoddessそのものではないし、【Nergal】のJobにしてもNergalそのものになるJobではないだろうが。
「とりあえず、今回は【Dead Spirit Mage】を選択」
今回もspace attributeのDead Spirit Magic等、【Dead Spirit Magic】は応用力が高く、役立つskillだ。今後の活用も含めたら、就いておくべきだろう。
《【Dead Spirit Mage】にJob changeしました!》
《【Dead Spirit Magic】skillが、【Divine Spirit Magic】にAwakeningしました!》
・Name: Vandalieu Zakkart
・Race: Dhampir(Mother: Goddess)
・Age: 11age
・Title: 【Ghoul Emperor】 【Eclipse Emperor】 【Guardian of the Cultivation Villages】 【Vida's Miko】 【Scaled Emperor】 【Tentacle Emperor】 【Champion】 【Demon King】 【Oni Emperor】 【Trial Conqueror】 【Transgressor】 【Black Blood Emperor】 【Dragon God Emperor】 【King of the Stalls】 【Genius Tamer】 【True Ruler of the Red-Light District】(NEW!)
・Job: Dead Spirit Mage
・Level: 0
・Job History: Death-Attribute Mage、Golem Transmuter、Undead Tamer、Soul Breaker、Venom Fist User、Insect User、Tree Caster、Demon Guider、Archenemy、Zombie Maker、Golem Creator、Corpse Demon Commander、Demon King User、Nether Guider、Labyrinth Creator、Creation Guider、Hell Healer、Disease Demon、Magic Cannoneer、Spirit Warrior、Fragment Bestower、Dream Guider、Demon King、Demiurge、Whip Tongue Calamity、Divine Enemy
・Ability Values
Vitality: 367,648 (132,145UP!)
Mana: 7,190,583,119+(6,471,524,807) (合計3,258,539,890UP!)
Strength: 42,816 (13,658UP!)
Agility :38,953 (14,192UP!)
Endurance :46,353 (14,833UP!)
Intelligence :54,494 (13,119UP!)
・Passive skills
Monstrous Strength:4Lv(UP!)
Super Rapid Regeneration:1Lv(Rapid Regeneration awakened into!)
Hell King Magic:7Lv(【Chronos】、【Pseudo- Death Scythe】、【Pseudo- Gungnir】、【Odin】、【Sylphid】integrated&UP!)
Status Effect Immunity
Magic Resistance:9Lv
Dark Vision
冥魔創夢道Enticement:8Lv
Chant Revocation:9Lv
Guidance:冥魔創夢道:8Lv
Constant Mana Recovery:1Lv
Mass Strengthen Adherents:2Lv
Deadly Venom Secretion:(Fangs, Claws, Tongue):3Lv(UP!)
Enhanced Agility:9Lv(UP!)
Body Expansion (Tongue):10Lv(UP!)
Increased Attack Power while Unarmed: Very large
Enhanced Body Part (Hair, Claws, Tongue, Fangs):10Lv
Thread Refining:7Lv
Mana Enlargement:9Lv(UP!)
Mana Recovery Rate Increase:9Lv
Strengthened Attack Power while activating a Magic Cannon : Large
Augmented Vitality:2Lv(UP!)
Strengthened Attribute Values: Ruling:4Lv(UP!)
Strengthened Attribute Values: Target of Faith:2Lv(NEW!)
・Active skills
Bloodwork:10Lv
-Transcend Limits-:7Lv(UP!)
Golem Creation:6Lv(【Marionette】integrated!)
Hollow King Magic:5Lv(UP!)
Precise Mana Control:1Lv
Cooking:8Lv
Alchemy:10Lv
Soul Breaking Arts:4Lv(UP!)
Simultaneous Multi-cast:3Lv(UP!)
Surgery:8Lv
Realization:4Lv(UP!)
Coordination:10Lv
Super High-speed Thought Processing:6Lv(UP!)
Commanding:10Lv
Thread-reeling:6Lv
Throwing Technique:10Lv(UP!)
Scream:7Lv
Divine Spirit Magic:1Lv(Dead Spirit Magic awakened into!)
Demon King Artillery Technique:3Lv
Armor Technique:9Lv(UP!)
Shield Technique:9Lv(UP!)
Group Shadow Binding Technique:7Lv(UP!)
Surpass Limits: Fragments:9Lv(UP!)
Spirit Tuning:1Lv
Whip Technique:3Lv(NEW&UP!)
Spirit Form Transformation: Thunder(NEW!)
Staff Technique:1Lv(NEW!)
・Unique skill
God Devourer:7Lv
Deformed Soul
Mind Encroachment:9Lv
Labyrinth Creation:4Lv
Demon King:7Lv(UP!)
Abyss:8Lv
Divine Enemy
Soul Devour:8Lv(UP!)
Vida’s Divine Protection
Gods of Earth's Divine Protection
Group Thought Processing:6Lv
Zantark’s Divine Protection
Group Manipulation:7Lv(UP!)
Soul Form:4Lv
Demon King's Demon Eye
God of Origin’s Divine Protection
Ricklent’s Divine Protection
Zuruwarn’s Divine Protection
Perfect Recording
Surpass Limits Soul:1Lv
Mutagenesis
Demon King's Body(【Demon Kingのscale】×2、【Demon King's bones髄】を合流!)
Demi-God(【Divinity:Thunder God】&【Divinity:War God】integrated!)
・Curse
Experience gained in previous life not carried over
Cannot learn existing jobs
Unable to gain experience independently
Statusを一通り確認したVandalieuは、【Dead Spirit Magic】awakened intoしたSuperior Skill、【Divine Spirit Magic】について考えながらroomを出た。
(神霊……つまり、神の如くRankの高い霊という事かな? 神も魂だけ、Ghostも魂だけ。なら、Rank13以上のGhostは、神に似ているとか)
名称の理由はそんなところだろう。実際にはblessingsを与えられるか否か等、色々な違いがある。しかし、似て非なる存在でも、似ているのは確かだ。
「まあ、Dead Spirit Magicがそのままstraightに強くなったskillと考えましょう。では、kaa-san達が倒したHeroic spiritの魂の回収をよろしくお願いします」
『畏まりました!』
そしてcarriageからVandalieuが降りると、Sam達は異spaceを走って行った。
「では、俺達はもうしばらくここで……injureの治療をしているふりでもしましょうか。とりあえず、俺は【Golem Creation】skillでpotionの空き瓶を作っておきましょう」
遠目に見ても激戦に見える戦いの直後だ。平気な顔をして自力で戻って来るよりも、色々理由を付けてalibiを作っておいた方が良いだろう。
「飲んだように見せかける為だけに、無から陶器の瓶を創りだすなんて、なんだかskillの無駄遣いに思えるわね」
「じゃあ、私は偶然giantの下敷きにならずに済んだけれど、衝撃でfaintedしてしまってついさっき目を覚ました演技でもしようかしら?」
「細かい設定ですね~。それより、姿を見せちゃったOrbia -sanや、DragonやGIANTのZombieはどうするんですか?」
「……DragonやGIANTは、俺が毒を盛って混乱させた事になっているそうです。一度森に潜ませて、後で回収します。どうせ暫く立ち入り禁止でしょうから。
Orbiaは……俺とkaa-sanの出身という事になっているDark Elfの隠れ里の大Elderが、前もってかけておいたSpirit Magicの奥義という事にしましょう」
「だ、大Elder?」
「ええ、大Elder」
何と無くだが、そう言えば納得させられそうな説得力が、大Elderと言う呼称にはある気がするVandalieuである。
「……それ、maybeあたしの出身地でもありますよね~。口裏を合わせないと」
Melissaと違い、肌の色を白に変化できないKanakoがそう言いながら、何度も大Elderと繰り返し呟いている。
その彼女の後ろから、Dougが困ったような顔つきでVandalieuに訪ねた。
「なあ、それよりも、これはいつ受け取ってくれるんだ?」
彼の横には、Vandalieuが自ら切断した腕が浮いていた。
【Demon King's exoskeleton】がActivateしたままなので、一見すると籠手に見えるそれを見て、Vandalieuは両手を合わせた。
「そう言えば、ありましたね、それ」
「忘れてたのか。って、言うか気がつけば切断した方の腕が生えてるじゃねぇか!?」
「はい、そう言う訳なので俺は要らないです。何でしたら、あげましょうか?」
「何でそうなる!?」
「Hecatoncheirですし、百一本目の腕にするとか。Weapon Equipmentとして有用だと思いますよ」
「確かに有用だけど、とりあえず遠慮する! こんなもん持っていたら、Guardに捕まるだろ!」
そんなやり取りをしながら、Vandalieu達はMoksiの町から-sama子を見に誰かが派遣されてくるのを待つのだった。
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●Job解説:Whip Tongue Calamity
tongueをWeapon Equipmentとして扱う者が就く事が出来るJob。【Body Expansion (Tongue)】や、【Enhanced Body Part:tongue】、そして【Unarmed Fighting Technique】や【Whip Technique】に補正を得る事が出来る。
現在、このworldでtongueをWeapon Equipmentとして扱うmonstersは、両生類型や特殊なDemon等複数存在するが、HumanはVandalieuしか存在しないため、このJobに就く事が出来るのは実質Vandalieu一人だけである。
一応、原理としてはtongueをWeapon Equipmentに使えるように鍛錬し続ければ、Vandalieu以外のものでも就く事も可能だが……普通はそんな事を試みるより、手足を使って戦う術を学んだ方が、何千倍も効率が良いので、誰もしないだろう。
●Job解説:Divine Enemy
神の敵である事を表すJob。それ以上でもそれ以下でも無い。幅広い戦闘系skillとmagic系skillに、広く薄く補正がかかる。
これだけだと過去にもこのJobに就いた邪悪な人物が居そうだが……このJobが敵とする存在にはEvil God (M) Evil God (P)も含まれている為、Demon King Army RemnantsのEvil God (M) Evil God (P)を奉じる者にこのJobが現れる事は無い。
このworldのGodsだけでは無く、Demon King Army RemnantsのEvil God (M) Evil God (P)にも敵として定められた存在、若しくは滅ぼすかsealedした事がある者のみ、このJobに就く事が出来る。