<- Previous | TOC | Next ->
Special thanks to MBA and the Users from the LBN #spoilers Discord. Without them this would not be possible.

Chapter 205: 変異の時は来たれり!

「さ、どうぞ執務室へ」

 人のよさそうな笑みを浮かべる壮年の男、副Guild MasterYosefの言葉にVandalieuは若干迷った。

Vandalieu -sama、本来仮登録にSub Guildmasterが出て来る事はありえません。何か企みがあるに決まっています。……ですが、公然と逆らうのも不味いのでとりあえず執務室には行くべきかと』


「分かりました」

 だがx2の意味で頷いた。Chipurasの意見も尤もだと思ったし、嫌な予感はするが【Danger Sense: Death】に反応は無い。と言う事は、最悪の場合でも実力行使で切り抜ける事が出来ると思ったからだ。


 【Soul Breaking Arts】やmagicを使わなくても、Vandalieuclawsを振り回しながら暴れれば商業guildの建物を壊して脱出する事は容易い。


kaa-sanはその間どうします?」

「そうね、じゃあ先にJob changeを済ませていようかしら。従業員でもJob change roomは使えますよね?」

「ええ、certainlyです――親子なのか!?」

 Yosefが驚いた顔をVandalieuDarciaに交互に向ける。後ろの受付嬢も驚いているようだが、Yosefと違いそれを声と態度に出す事は無かった。


『……二十age前後の受付嬢よりも内心が顔と態度、更に口にも出てしまうとは。このの商業guildは大丈夫なのかと、このChipuras、不安を覚えますぞ』

 VandalieuChipurasと同-samaに若干不安を覚えながらも、Yosefに答えた。


「はい、俺は父似なのであまり似ていないでしょう。でも片方の瞳の色が一緒です」

「な、なるほど……では、とりあえずこちらへ」

 驚きに引き攣ったままの顔で、YosefVandalieuを執務室へ案内した。


 通されたroomVandalieuが促されるままに椅子に座ると、Yosefは早速話し出した。

「それでFood Stallを開きたいとの事ですが……何故こので? あなたはこので生まれ育ったわけでも、近隣の村やで生活していた訳でもありませんね?」


「仮登録をするのに、事業を行う動機も話す必要があるのですか?」

「気を悪くしたのなら、申し訳ありません。ですが、あなたの場合は特別です。何せ、Dhampirで……あのDark Elffemaleは実の母親なのでしょう? 養母ではなく。なら気になって当然です。

 Dhampirのあなたが何故Food Stallの経営を、馴染みの無いはずのこので行おうとしているのかと」


 Yosefは特別な情報網を持っている訳では無かったが、商業guildに勤めていれば-sama々な情報が耳に入って来る。そして地元やその周辺にDark Elfの母親とDhampirの息子が生活していれば、絶対に噂になり、彼の知るところになるはずなのだ。


 だから知らなかったと言う事は、このDhampirは親子共々他の土地からやって来た事になる。

 Moksiは交易都市としてはAlcrem Duchyでは知られただが、Duchy内には同規模のが幾つかある。それなのに何故このを選んだのか。

 そして何よりもYosefが気になるのは……何故Food Stallなのかという事だった。


Dhampirなら、adventurerになった方が稼げるのではありませんか? それに今までDark Elfの集落で生活していたのでしょう? まさかFood Stallを始めるためにに出て来たなんて訳も無いでしょう」

『なるほど。Vandalieu -sama、この男は今まで自分がVandalieu達の噂を聞かなかったのは、Darcia -samaが生まれたDark Elfの集落で暮らしていたからだと思い込んでいるようです』


 Chipurasの解説に納得しつつも、Vandalieuは面倒だなと内心溜息を吐いた。


「……少々事情があって今まで暮らしていた場所から引っ越す事になり、母と新天地でやり直そうとこのに来ました。adventurerでは無くFood Stallを始めようと思ったのは、Adventureよりも商売に興味があったからです。

 それだけですよ」


 Darciaが来たのでoriginally予定していた「mountain banditの襲撃から運良く生き延びた丁稚」と言う嘘の代わりに、そう説明するVandalieu。昨日GuardKestAggarに話した内容と違うが、もしYosefがそこまで調べても「すみません、嘘をつきました。でもそれが何か?」で押し通す予定である。


 何故なら、Guardに嘘をついても違法ではないからである。

 禁制品の持ち込みや税金を誤魔化そうとするのは違法だし、犯罪事件を捜査しているGuardの質問に嘘を答えれば、当然違法だ。しかし、そうでない場合に入る時Guardに嘘をついても問題無いのだ。


 これは『Earth』、特に現代Japanの常識を考えれば信じ難いかもしれない。しかしに訪れる者をあまり厳しく取り締まるとから人が遠ざかるし、Guardに強い権力を持たせすぎると汚職に手を染めた時摘発するのが難しくなると言う事情があるのだ。


 もっとも、ここまで開き直れるのはの犯罪organizationを乗っ取っているVandalieuだから出来る事だが。

(あまり気にするようならEleonora達に動いてもらう事になるので、出来れば止めて欲しいんですけどね)

 そのVandalieuの思いが通じたのか、それとも単にYosefにとって今の話題はこの後に続く本題の前振りでしかなかったのか、彼は「なるほど」と頷いて引き下がった。


「では、そう言う事にしておきましょうか。……それで本題なのですが、宗教にご興味は御有りですかな?」

 どうやら、後者だったらしい。Yosefは何故かニチャリとした音が聞こえて来そうな笑みを浮かべた。

「私、こう見えてもAlda believerの端くれとして関係者に顔がきくのですが、昨今Elective KingdomではVida's New Racesとも仲良くしていこうと主張する、Alda Reconciliation Factionの力が大きくなっておりまして。このAlcrem Duchyでも、そのinfluenceは無視できないものになりつつあります」


「……それくらいでしたら、これまで旅をしている間に耳に挟みました」

 Yosefに言われなくても、それくらいVandalieuも知っている。

 このAlcrem Duchyでは、以前はHumanしかGuardや官僚、Knightになれなかった。そのため長い間Church of Vidaが制度を改めるよう抗議していたのだが、それを近年になって後押しするようになったのがAlda Reconciliation Factionだ。


 そして制度が改正され、Vandalieuが門で会ったKestのようなBeast raceを含むVida's New RacesでもGuard等の公務員になれるようになったのだ。

 ……Vandalieuとしては不快だが、これには『Five-colored blades』のleader、『Blue-flame Sword』のHeinzinfluenceによるところが大きい。


 Heinzが直接Alcrem Duchyに足を運んでDukeに抗議した訳では無い。HeinzHonorary Earl位を受けた時に、Alcrem DukeChurch of VidaAlda Reconciliation Factionの提案を受け入れたのだ。

 恐らく国的なHeroとなったHeinzに対して、自分から歩み寄った形を演出したかったのだろう。


 その為このAlcrem DuchyではVida's New Racesへの迫害は、表面上は弱くなり、かと言って実際には無くなった訳でも無く、Heinzも殆ど訪れていないため『Five-colored blades』の関係者もほぼいないだろうと言うVandalieuにとって程良い土地だったのである。


 迂闊にChurch of Vidaの力が強いDuchyに行くとDhampirの彼を手厚く保護しようとする者達が出かねないし、逆に過激派のAlda believerが多い土地に足を踏み入れたらtroubleが頻発する事になる。

 その中間がこのAlcrem Duchyだったのである。


「それで、本題は?」

 Vandalieuが気になるのは、そんな基本的な情報をYosefが事情通のように語る理由である。

 話しを進めるよう促されたYosefは、chinに手を当てて笑みを深くした。


「性急ですな。言葉の駆け引きも商売の醍醐味だと思いますが、まあそう言う事は経験と共に身につければよいでしょう。

 私があなたに提案したいのは、儲け話です。私のconnectionを使えば、そのAlda Reconciliation Factionの象徴でありSClass adventurerHeinz、そしてその関係者と会う事が可能です。国的なHeroでありHonorary Nobleである『Five-colored blades』やその縁者との繋がりを持つ事で、どれ程の商機を得られるか……考えるまでも無いでしょう。

 Food Stall稼業では一生かけても稼げない金額が動くのです。このchanceを逃す手は――」


「お断りします」

 どうやら嫌な予感が当たったらしい。地雷を踏み抜いたYosefに向けて、Chipurasは黙とうを捧げた。




 DarciaJob changeを終えてCounter前のロビーで待っていると、無表情ながら疲れた-sama子のVandalieuが戻ってきた。

「話は終わりました……あの人、あきらめが悪くて」

 そう言いながら、Vandalieuは空気の振動を止めるBarrier、【Silence】を使って会話をCounterに戻っていた受付嬢に聞かれないようにした。


Vandalieu、お帰りなさい。どんなお話だったの?」

「たいした話じゃありません。彼は、『Five-colored blades』の関係者とのconnectionを作るのに、俺を利用したかったようです」

『あれは陰謀に向いていませんな。役者としては三流でしょう』


 YosefVandalieuのために儲け話を持ちかけているように装っていた。だが、Chipurasが三流と評す通り、他人の内心を見る目が節穴気味のVandalieuでも気がつくほど、その下心はあからさまだった。


 考えてみれば分かる事だが……幾らSClass adventurerHonorary Nobleの関係者とのconnectionに価値があり、仕事を任される事になれば莫大な金額が動く事になるとしても、これからFood Stall稼業を始める少年には扱い切れるものではない。


 YosefVandalieuの嘘を信じていないようだが、流石にBoundary Mountain Range内部とDemon continentを治めるEmperorであるとは見抜いていないはずだ。

 だからYosefVandalieuに持ちかけたはずの儲け話の利益は、話が実現した場合殆ど彼の懐に入る事になる。


 少なくともそう皮算用をしていたのだろう。Yosefはしつこく食い下がり、Vandalieuはそれを繰り返し拒絶して彼の執務室から出て来たのである。


「それは……困った人ね。社会的な立場も高いし」

 悪党としては小者でも商業guildでの地位が高いので、【Mind Encroachmentskillで洗脳して黙らせるのは難しい。それを察したDarciaがため息をついた。

 そして、Vandalieuの耳元に顔を近づけて尋ねる。


Eleonora -san達は、あのYosefって人に関して何も言わなかったの?」

 犯罪organizationに関わっているか、の要注意人物ならorganizationを乗っ取っているEleonora達が知らないはずはない。そう思っての質問だったのだが、Vandalieuは力なく頷いて応えた。


「一応商業guildについては聞いていました。Guild Masterと、三人いる副Guild Masterは、金儲けの事しか頭の無い、毒にも薬にもならない連中らしいとそれだけ」

「……ええっと、つまりどう言う事かしら?」

 困惑するDarciaに、Vandalieuも若干困惑して答えた。


「つまり犯罪organizationとは関わっていないけど、俺達にとっては困った人物。そんな奴のようです」

 Vandalieuを辟易させたYosefだが、彼は犯罪者では無かった。口先でVandalieuを利用しようとしたが、それは詐欺ですら無く、商売の話でしかないのだ。


 Yosefの人格や経歴等は、一般的には褒められたものでは無いのかもしれない。日頃の行いにも、問題があるだろう。しかし、犯罪organizationが注目するようなものでは無かったのである。

 そのためEleonora達もVandalieuに彼を警戒するようにとは言わなかったのだ。


『門でVandalieu -samaから小銭を巻き上げたAggarと言うGuardと同じですな。小者過ぎて犯罪organizationでは注目されておらず、注意対象とは考えられていなかったと』

「でも、その人の話だとあの人達にVandalieuintroductionできるんでしょう? じゃあ、Alda Reconciliation Factionの関係者か何かなのではないの?」


kaa-sanDhampirを保護していれば誰でも連中やその関係者に会う事が出来ますよ」

 困惑するDarciaVandalieuはそう説明する。


 『Five-colored blades』が保護したDhampirShoujoSelen。彼女以外のDhampirがいるなら、それまで顔もnameも知らない人物のintroductionでも、Alda Reconciliation Factionの関係者は応じるだろう。

 Yosefが語ったconnectionとは、その程度。まやかしに等しい。


「元同業者として、どう思います?」

『……商人としても、三流かと』

 元商業guildのサブ(副)Guild Masterも務めていたChipurasは、Yosefをそう評した。


『下心をVandalieu -samaに見抜かれている時点で丁稚以下かと。しかも、企み自体が杜撰ですな。Vandalieu -samaを利用して、奴等と縁が出来れば儲けに噛めるかもしれない。

 Dhampirが仮登録に現れたと聞き、その瞬間思いついた企みにそのまま飛びついて来たのでしょう』

 そう言う事らしい。Vandalieuも自分の見る目の無さは自覚しているので、彼のconjectureを否定する事無く頷いた。


「つまり、普段なら注目する程では無い人でも思わず飛び付くくらい、Vandalieuがカモに見えたのね」

「そう言う事かなと。今日は偶々Yosefguildに居たので彼が絡んできましたけど、昨日や明日だったら彼以外のSub GuildmasterGuild Masterが絡んで来たでしょう」

「……目立たないって、大変なのね」


 ふぅっとため息をつくDarciaしかしすぐに彼女は顔を上げた。

「でも、これぐらいで気にしていたらダメよね。VandalieuDhampirだって知られたら、いつかは起きた事だし」

Birkyneを誘きだす為、そして後々の布教活動の為にraceを偽ると支障が出ますからね。……HumanHalf-Elfだと偽っても、俺ではボロを出すでしょうし」


 【Demon King's Ink Sacs】で瞳の色素を変えてraceを偽る事は出来る。しかし、それでは手に入る社会的な身分が不確かなものになる。

 それに……今後Vandalieuが口内のfangsや伸びるclawsHumanは持っていないはずの再生Ability、そして完全な闇も真昼のように見渡す【Dark Vision】等が他人にばれた時、面倒な事になる。


 それらの特徴はDhampirである事を明らかにしていれば、特に怪しまれる事は無い。後、ageにそぐわない高さのAbility Valuesを見ても、Dhampirについて詳しく知らない者なら「希少なraceだし、そう言う事もあるか」と納得してくれるかもしれない。そんな予想もあった。


『ですがVandalieu -samaに断られたのを根に持ち、Sub Guildmasterの権限を使って嫌がらせをして来たら面倒です。Eleonora達に奴の事を調べ、見張るように伝えてきましょう』

「いえ、Chipurasはこのまま俺達といてください。伝令は他のGhostに行ってもらうので。……アドバイザーがいないと不安ですし」

 そう言って伝令に出ようとするChipurasを引き止めるVandalieu。止められた彼は頼りにされて嬉しそうな、しかし Slightly引き攣った笑みを浮かべた。


Vandalieu -sama、確かに私は商業guildに潜入した経験がありますが……生前のMemoryは所々思い出せない時期がありますし、そもそもFood Stallを開いた事は無いのですが』

 生前Pure-breed Vampire Terneciaの配下だったChipurasは、Vampires serving Evil Godsorganizationの利益の為に商業guildに潜入していたのであって、本心から商人を志していた訳ではない。


 だからあまり商人として頼りにされると、Chipurasとしては期待に応えられるか不安になるらしい。

Chipuras、あなたの言いたい事は分かります。ですが、俺のような素人よりはずっと頼りになるので、お願いします」

 しかしそれ以上にVandalieuは商売の素人だった。今の彼にとってChipurasは、Darciaに次ぐpsychological支柱に等しいのである。

『……分かりました。このChipuras、改めてVandalieu -samaの為に微力を尽くしましょう』


「話が纏まったわね。気を取り直して、Job changeしていらっしゃい、Vandalieu

 私は【Magic Staff TransformationJobに就いたのよ。Vandalieuが作ってくれた杖をこれからはもっと使いこなせるようになるわね」


『ほほぅ、Transformして串焼き屋の売り子をなさるので? それは売上が期待出来ますな』

「……Chipuras -san?」

『こ、これはとんだ失言を! お許しくだされ~っ』

 恰幅の良いVampireGhostVandalieuの内部に逃げ込んだ。


「そこまで怖がらなくても良いのに。VandalieuはどんなJobに就くのか、決めてある?」

「とりあえずは。LucilianoDoug達の希望を叶えられそうなものにしようかと。Heinz達に負けたので、Ability Valuesincrease率が高いGuiderも考えたのですが……この前の状況だと、俺のAbility Valuesが今の五割増しだったとしても結果はあまり変わらなかったと思いますから。

 では、行ってきます」


 そう言うとVandalieuguildJob change roomに向かった。

 このguildJob change roomは廊下の奥の扉の、さらに奥に作られている。使用する時は廊下の扉に内側から鍵をかけてから、Job change roomに入るそうだ。


 Adventurer’s Guild程ではないが、商業guildでも誰がどんなJobに就いているかは重要な情報なのである。




《選択可能Job 【Whip Tongue Calamity】 【Vengeful Berserker】 【Dead Spirit Mage】 【Hell King Mage】 【Divine Enemy】 【Fallen Musha】 【Insect Nin】 【Destruction Guider】 【Fragment Bestower】 【Dungeon Master】 【Demon King】 【Chaos Guider】 【Hollow King Mage】 【Eclipse Cursecaster】 【String User】 【Demon Ruler】 【Creator】 【Demiurge】 【Pale Rider】 【Tartarus】 【Aramitama】(NEW!) 【Hell Battery Cannoneer】(NEW!) 【Magic Wand Creator】(NEW!) 【Soul Fighter】(NEW!) 【God Destroyer】(NEW!) 【Dream Guider】(NEW!) 【Qliphoth】(NEW!)》




 水晶に触れると選択できるJobが意識内に表示されるが、例によって増えていた。【Magic Wand Creator】は、Transform杖を創っているから現れたJobで、【Soul Fighter】は昨日Awakeningした【Soul Breaking Artsskillに関連したJob。【God Destroyer】は【God of RecordsCuratosを滅ぼした事で出現したJobだろう。

 神を滅ぼしたのはCuratosが初めてでは無い。しかし考えてみれば、Demon King Armyでは無くoriginallyこのworldに存在していた通常の神を滅ぼしたのは、確かにCuratosが初めてだったのでそのためだろうか。


Dream Guider】は今までの事を振り返れば、心当たりがほどあった。しかし、最後の【Qliphoth】には心当たりが無かった。


(【Qliphoth】……どう言う意味なのかさっぱり分からない。新Jobだとしても名称まで新しい造語と言う事はmaybe無いだろうから、後で皆に聞いてみよう)

 Vandalieuは正体不明のJobconjectureはとりあえず後回しにして、予定通りJobを選ぶことにした。


「【Fragment Bestower】を選択」

 それはLucilianoDougHuman外に導けそうなJob、【Fragment Bestower】だった。

 Vandalieuは【Fragment Bestower】を、自分のfragmentを他者に付与して何かを起こすJobだとconjectureした。そして自分のfragment……つまりbloodVandalieuの一部と化した【Demon King Fragment】から作ったBlood potionを飲んだ存在に、何らかの効果を及ぼすJobではないかと考えていた。




《【Fragment BestowerJobに就きました!》

《【Mutagenesisskillを獲得しました!》




「【Mutagenesis】……Blood potionを飲んだ実験動物をmonsters化させたぐらいだし、こんなnameskillを獲得してもおかしくないのかな?

 ええっと、Luciliano達の-sama子は――」


 Vandalieuは何か起きていないかと、TalosheimPseudo- Main Body-type Demon King Familiarに意識を同調させた。




 Talosheimの地下工房では、VandalieuJob changeするのを何十人もの人々が待っていた。

『今main bodyが【Fragment Bestower】にJob changeし、【Mutagenesis】と言うUnique skillを身に付けました。

 何かbody partに異常は起きましたか?』


 握り拳大の脳がcountlessにつまったカプセル状の頭部を持つ、Pseudo- Main Body-type Demon King FamiliarVandalieuの現在の状況を伝える。LucilianoDoug、そしてGuidance addictionに陥っていたShoujo達や、Emaは急いで自分達のbody partを確認した。


「ふむ……脈も心音も呼吸も、体温も異常none。特に変化はないようだ」

appearanceもな。肌や瞳の色が変わったり、fangsが生えたりもしてないぜ。だよな?」

「ええ、tailや翼が生えたり、目が増えたりもしていないわ」

 しかしLucilianoDougbody partにはまだ変化は起きていなかった。付き添いで来ていたMelissaが見る限り、Shoujo達の誰にもまだ変異は起きていないようだ。


『実験動物にも、特に変化はないね。これは、空振りかな?』

 LegionEnmaが言うように、今回はVandalieuの勘が外れたのかもしれない。そう皆が思い始めた時、それは起こった。


「む? むむ……かは~っ!? 気のせいかと思ったが、body partが急に熱くっ、更に動悸息切れ眩暈がっ! とても立っていられないっ!」

 そう叫びながらLucilianoが床に倒れ込んだのである。


「おいおい、おっ-san、わざとらし過ぎて冗談にしても笑えな――うおっ、お、俺にも似たような症状がっ!?」

Dougっ!?」

『皆-san、座ってください。倒れてinjureをしたり、他人にぶつかったりすると危ないので、その前に座ってください』


 Lucilianoが自分の身に起きた症状を解説しながら倒れ込んだだけでは無く、Dougにも同じ症状が起きた。

 Pseudo- Main Body-type Demon King Familiarのアナウンスに従ってShoujo達は慌てて床に座ったが、その直後に彼女達にも症状が現れたようだ。

「ちょっと、これ大丈夫なのよね?」

 Melissaが抱き留めたDougbody partが、どんどん熱くなるのに動揺してPseudo- Main Body-type Demon King Familiarに確認する。


『命の危険は特に無いようですから、maybe何かしらの変異の途中で起きる副作用ではないかと』

 しかし Pseudo- Main Body-type Demon King Familiarに分かるのは、Doug達の症状がdiseaseや毒に寄るものでは無く、また命の危険が無い事だけだ。


Melissa……もしraceが変わったらお前に言いたい事が……」

Doug、不吉だから冗談は後にして!」

「いや、別に冗談で死にフラグを立てた訳じゃなくて……本当に言いたい事があるんだよ! ――って、ありゃ? 治った?」


 Melissaの腕の中で何とか言葉を紡ごうと奮闘していたDougは、途中で激しい動悸や眩暈が無くなっている事に気がついた。息切れと熱はまだ少し残っていたが、それもすぐに平常に戻っていく。

「な、何だったの?」

「どうやら、師Artisanが言うようにあれは変異の途中で起きる副作用だったようだ」


 困惑するMelissaに、何事も無かったかのように立ち上がったLucilianoが額の汗をハンカチでぬぐいながらそう言う。


「何が起きたのかは、Statusを確認して見たまえ。一目瞭然だ」

「感じるっ、感じるわ! Vandalieu -samaを強く感じる!」

「ああっ、まるであの時に、初めて助けられた時に戻ったようだわ!」


「……見なくても何が起きたのか分かる子も多いようだが」

「俺は分からないから、Statusで確認するよ。……Hell raceだぁ?」


 DougStatusを確認すると、彼のraceHumanからHell raceに変化していた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




Name: Darcia

Race: Chaos Elf Source

Age:

Title: Witch】 【Holy Mother】 【Monster’s Parent】 【Vida’s Incarnation】 【Empress Dowager

Job: Magic Staff Transformation

Level:

Job History: Magical GirlLife-Emperor MageMagical Idol



Passive skills

Dark Vision

Magic Resistance:10Lv

Physical Resistance:10Lv

Abnormal Condition Resistance:10Lv

Monstrous Strength:5Lv

Super Rapid Regeneration:5Lv

Vitality Enlargement:8Lv(UP!)

Mana Enlargement:6Lv(UP!)

Automatic Mana Recovery:6Lv(UP!)

Mana Recovery Rate Increase:6Lv(UP!)

Self-Enhancement: Vandalieu:10Lv

Self-Enhancement: Guidance:10Lv

Strengthened Attribute Values: Creator:2Lv(UP!)

Strengthened Attribute Values: Ruling:2Lv(UP!)

Allure:7Lv(UP!)

Strengthened Attack Power while equipped with a bow: Medium

Strengthened Defense Power while equipped with non-metal armor: Medium

Strengthen Follower:1Lv


Active skills

Cooking:5Lv

Housework:5Lv

Hunting God Archery:1Lv

Hearth-Style Dagger Technique:1Lv

Unarmed Fighting Technique:10Lv

No-Attribute Magic:5Lv

Precise Mana Control:1Lv(Mana Control awakened into!)

Life Emperor Magic:2Lv(UP!)

Water-Attribute Magic:10Lv

Wind-Attribute Magic:10Lv

Spirit Magic:4Lv(UP!)

Dismantling:2Lv(UP!)

Spirit Form:1Lv

-Surpass Limits-:2Lv(UP!)

Chant Revocation:5Lv

Coordination:7Lv(UP!)

Goddess Advent:2Lv(UP!)

Clergyman:2Lv(NEW!)

Dancing:3Lv(NEW!)

Singing:3Lv(NEW!)

Surpass Limits Magic Staff:1Lv(NEW!)

Staff Technique:2Lv(NEW!)


Unique skill

Vida’s Incarnation

Life Attribute Gods’ Divine Protection (Those allied with Vida)

Chaos Elf's Ancestor

Vandalieu’s Divine Protection

Divine Metal Skeleton

Magic Eye of Regeneration:5Lv

Chaos




Job解説:Spirit Warrior


 death attributeの適性を持つ者か、死んでいた経験がある者が、【Spirit Formskillを持ち、一定のlevel以上の【Unarmed Fighting Techniqueskillを持っている場合就く事が出来るJob

 己のSpirit FormMaterializationさせ、それを手足やWeapon Equipmentのように使う事が出来るよう【Materializationskill等も補正がかかるJob。一応、【Unarmed Fighter】等【Unarmed Fighting Techniqueskillを主に扱うJobと同じ系統のJobでもある。




Job解説:Magical Idol


 magicskillを習得している者が自分専用のTransform杖を所有している場合、就く事が出来るJobmagicskill以外に【Singing】や【Dancing】、そして【Staff Technique】に補正がかかるJob

 そのためか多くの場合Mage系のJobManaIntelligence以外のAbility Valuesincrease率は低いのだが、このJobVitalityAgilityEnduranceincrease率も高くなっている。


 このworldで初めてこのJobを発見したKanako Tsuchiya曰く、「IdolEnduranceが無くちゃやって行けません!」との事である。


<- Previous | TOC | Next ->
Special thanks to MBA and the Users from the LBN #spoilers Discord. Without them this would not be possible.