自身が再現したCopy Vandalieuを、何故か本物のVandalieuが乗っ取っている。それを理解したCuratosはすぐに救援を呼ぼうとした。
何故ならVandalieuは魂を砕く事で、挑戦者が何度死んでも『街』でrevivalしてやり直す事が出来るこのDungeon内で真の終わりを与える事が出来る存在だからだ。
-sama子を見る限りVandalieu本人にもこの事態は予期せぬものだったようだが……それでも両者が遭遇すれば起こる事は決まっている。未完成のHeinz達を喪う訳にはいかない。
このDungeonの外部ではOrbaum Elective KingdomのAlda templeとChurch of Vidaの有志が護衛についている。だがそれ以外にも、もしVandalieuやVida's FactionのGodsが攻めて来た場合を考えHeroic spiritや戦いを得意とするGodsが何時でもAdventできるよう待機している。
そのGodsをDungeonの内部に招き入れるのだ。
『まさか内部に直接乗り込んで来るとは思わなかったが、ここまでだ』
Copyのbody partではVandalieuは本来の力を発揮できず、突入してきたGodsの前に簡単に撃退されるはず。それをCuratosは疑わなかった。
だが、救援を求める報せが外部に送れない事に気がつき驚愕した。
『BAKANA……! 通信は念入りに確保されている――おおっ!?』
Curatosは破城槌が撃ちこまれたような衝撃を知覚し、よろめいた。それは何者かがこのDungeon内部に別々のspaceを繋ぐ扉、【Teleportation Gate】を開こうとし、『God of Law and Life』Aldaが施したBarrierに阻まれた事を意味する。
何者かは分かっている。Vandalieuが出現したこのtimingで、こんな事をするのはVida's FactionのGods以外にないからだ。
だがDungeon内部へ直接乗り込まれるという事態はCuratosとその主であるAldaにとって、最も防がなくてはならない事態だ。
だからAldaはこのDungeonを創る時、例え自身と同じGreat Godである『God of Space and Creation』Zuruwarnでも内部に直接侵入する事は出来ないよう、強固な守りを施していた。
『その我が主の守りが……罅割れていく……!』
その事実にCuratosは戦慄を覚えた。衝撃は一度で終らず断続的に続いており、その度に入る罅は無視できる程小さくない。
一体何者が!? 何故完璧なはずの守りを!?
『……『Evil God of Labyrinths』Gufadgarnか。Vandalieuが侵入した『経路』を辿り、Dungeonの外部と内部をspace的に隔離し、自らも侵入しようとしているのか!』
Vida's Factionに与しているらしいZuruwarnの仕業とも考えられるが、『Trial of Zakkart』が活動を停止した事から考えれば、数多のDungeonを創りworldの汚染を深刻化させている憎きEvil God (M)、Gufadgarnとしか考えられない。
そして完璧なはずの守りは、VandalieuがMentalのみだが侵入した事で既に小さな綻びが生じているはず。Gufadgarnは、その綻びを利用しているのだ。
『他にもいくつかのsignが……強いsignが感じられるが……今は対処しなければ』
Curatosは何とか時間を稼ぐためにBarrierの修復を行いながら、Heinz達が逃げるための-dono役として、さらに彼らに事態を知らせるための自身の代行者として使うためのCopyを、そしてもしもの時の備えを創り始めた。
この敗北の傷を、少しでも浅くするために。
そうしてCuratosが試行錯誤している間に、JenniferとDaianaが死亡して『街』に戻った。魂を砕かれたのではないかと胆を冷やしたが、魂が無事Bodyに戻った事を確認して胸を撫で下ろす。どうやら、Vandalieuは二人を見逃したらしい。
だが、二度目も見逃すとは限らない。すぐに六十五階層へ戻ろうとしているJennifer達を『街』に止めるために、そしてVandalieuが『街』に侵入しないように『通路』を閉じる。
だが、そうこうしている間に勝負を急いだEdgarが危険なconditionに陥ってしまった。
『やはり魂が……これは喰われている!?』
EdgarのManaはほぼ底をついており、彼にAdventしている『God of Judgement』NiltarkのHeroic spirit Lukeも危険なconditionだ。逆にVandalieuのManaは僅かだが回復している。
その現象をrecordしたCuratosは、砕くだけだったDemon King Guduranisと違いVandalieuは魂を喰う事が出来るのだと理解した。
最早、一刻の猶予も無い。Curatosは何とか形になったCopyと共にFissionを送り込んだ。
「そんなっ、私達はまだ戦えます! このDungeonを喪う訳には――」
「戦えても無意味だ。今の汝らでは、敗北は避けられない」
偽のbody partを破壊し、『街』に戻ってDungeonから脱出するよう告げられたHeinzは、Curatosの予想していた通り、この場に残ろうとしていた。
しかし彼は考え違いをしている。
「我なら汝らの傷を癒し、Manaを回復させる事は可能だ。だが、傷ついた魂を癒す事は我には出来ない」
HeinzとDelizahは、確かに戦う事が出来る。しかし彼等二人とAdventしているHeroic spiritの魂は、既に傷だらけだ。今なら時間が経てば元通り回復するだろうが……このままVandalieuと戦い続け、大きな攻撃を受け続ければ魂が修復不可能なconditionになってしまうだろう。
そうなれば廃人だ。来世に希望を託して死なせてやるしかない。
魂の専門家にしてGod of Reincarnation、Rodcorteならどうにかできるかもしれないが……元通りにする事は不可能だろう。
そしてEdgarはそうなる寸前だったのだ。だからCuratosも有無を言わせず殺して『街』に戻したのだ。尤も、彼が今までどおり戦えるようになるかは分からないが。
「魂? さっきも聞きましたが、それは一体どう言う――」
「我々Godsにも回復不能な傷を与える力をVandalieuは持っている。今はそれだけ理解すれば十分だ」
困惑するDelizahにCuratosはそうとだけ説明すると、「だから『街』へ戻るのだ」と槍の穂先を彼女に向ける。
こうしている間もCuratosが彼の権能とDivine Authorityを利用して創り出したCopyはVandalieuと戦い、砕かれている。その結果、Curatos main bodyにもDamageが及んでいるのだ。
長く説明している余裕は無い。
「だが、彼は我々が逃げたらこのDungeonを破壊すると言っています。それは防げるのですか?」
しかし Heinzの質問には、Curatosも顔を悔しげに歪めた。
「遺憾ながら不可能だ。我にあの邪悪……Demon Kingを止める術は無い」
神であるCuratosがVandalieuをDemon Kingと呼んだ事にHeinzはやはりと思うが、同時に神にも彼を止められない事に戦慄を覚えた。
Curatosも出来るだけ抵抗し、Copyを使って彼のManaを削りきる事が出来るならこのDungeonから撤退させるが……今もGufadgarnが侵入を試み続けているので、それは不可能だ。
Vandalieuが本当に、この『God of Law and Life』Aldaが創り上げたDungeonを破壊できるのかは分からないが、Dungeonの専門家であるGufadgarnが加われば、Curatosには想像もつかない何かが可能になるのかもしれない。
それを防ぐ事は出来ないだろう。そうCuratosは考えていた。
Dungeonの破損が修復可能な程度に留まっていれば、まだ辛うじて何とかなるかもしれないが。
「ならっ、私達が戦ってきた偽物をもっと出す事は出来ないのですか? ここはまだ六十五階層で最下層では無い。なら、あのVandalieuを倒せるような偽物があるのでは? 例えば……Demon King Guduranisの偽物が」
諦めの悪い Heinzがそう言い出した。諦めが悪いのは良い事だ、Heroの資質の一つなのだから。Curatosはこの状況でもそれを発揮できるHeinzに好感を抱きつつも、首を横に振った。
「確かに、このDungeonの深層で汝らにはDemon King GuduranisのCopyと戦ってもらう予定だった」
「なら、そのCopyを今ここに――」
「それが出来れば、最初からやっている。そうでないと言う事は、不可能だと言う事だ」
Curatosはこのirregularな事態に対応すべく、出来る限りの戦力をかき集めてこの場にいるのだ。
Demon King Guduranis以外にも、Heroic Godになる前のChampion BellwoodやNineroad、Farmoun Gold。他にも『True』Randolphや『Thunderclap』のSchneiderを含めた、歴代のSClass adventurer等、今のVandalieuを止められそうなCopyも用意していた。
だが使えない。
何故なら、基本的にCopyは同じCopyを仲間と認識し、協力してHeinz達『Five-colored blades』のmemberを攻撃するようprogramされているからだ。
Curatosが再現しRealizationさせたCopyは、それらしく振舞っていても実際には人格の無い人形に等しい存在だ。だが、生前のrecordを元に創っているため、生前敵対関係にあった者同士のCopyを同じ階層に出すと同士討ちを始める可能性があった。
それではHeinz達の試練としての役目を果たせないので、CuratosはCopyが絶対に同士討ちをしないようprogramを施した。
Demon King GuduranisのCopyなどこのroomに出現させたら、Heinz達と通常のCopyとは違うCuratosのFissionは即座に排除されてしまう。……それはそれで『街』にHeinz達を戻せて良いのかもしれないが、結果Vandalieuが野放しになり、Dungeonを破壊される恐れが高まる。
他にもCopyは別の階層や『街』へ移動できないとか、同じ階層で同じCopyを複数Realizationさせる事は出来ない等、制約は多い。
「でも、壁の向こうでは他のCopyがあいつと戦っているじゃありませんか!」
「Delizah、あれは我がVandalieuを敵とみなすよう手を加えたからだ。そして、手を加える為に必要な時間は、強いCopy程長くなる」
強いCopy程再現に必要な情報の量が多く、神であるCuratosでもすぐにとはいかない。Demon King GuduranisのCopyのprogramに手を加えると成れば、数時間はかかる。
今壁の向こうでVandalieuと戦っているCopyは、CuratosがVandalieuと戦えるようその部分だけprogramを一部変更した者達だ。
Dungeonに侵入しようとしているGufadgarnを防ぎつつ、あのEvil God (M)が塞いだDungeonの入り口を開くために奮闘しながら。
三つの作業を同時にこなすのはCuratosでも困難だったが、それでも出来るだけ戦力が高くなるよう考慮し、更に一瞬でも長く気を引けるようにVandalieuと関係があった者の中で、比較的時間をかけずprogramを弄れる物を選んできたのが、あの面々だ。
「故に、今は『街』に引け。我が必ず脱出口を開く故、それを待つのだ。そして必ずや再び立ち上がり、Bellwoodをrevivalさせ、何れ奴を……Demon King Vandalieuを倒すのだ」
そうCuratosは出来るだけ神らしい態度でHeinzとDelizahに命じた。
「……仕方ありません」
「待つんだ、Delizah。神よ、ここで私達が『街』に戻ったとして、我々が脱出する事は出来るのですか?」
Delizahは目を閉じて喉をCuratosが構える槍に晒そうとしたが、Heinzはまだ諦めていないらしい。それどころか、痛い所を突いて来た。
「救援……他のGodsが来る事が出来ない程、強固な何かでこのDungeonは孤立させられている。そうでしょう? 私達が『街』に戻っても、外に出る事は出来ないのではないですか」
そう、Gufadgarnによってspaceを捻じ曲げられ、今このDungeonはGodsでも出入りする事が出来ないconditionにある。
Heinz達が『街』に戻っても、それをどうにかしなければ外に脱出する事は出来ない。
「我には策がある。それを使えば、Vandalieuの怒りは我に惹きつけられ、汝らに対して無関心になるだろう。その間に我が出口を開く。それを『街』で待つのだ」
「不遜を重々承知の上でお尋ねします。それは、確実に成功するのですか?」
迷宮の専門家であると同時にspace attributeのEvil God (M)であるGufadgarnに、それと同等の力を持つ正体不明の神。それを相手にするにはLight Attributeの神で本来Dungeonには関わりが無い筈のCuratos一柱では、分が悪い。
自身の消滅とこのDungeonが小さくない損害を受ける事を引き換えにしても、Heinz達が無事脱出できる可能性は、七割に届くかどうかだとCuratosは考えていた。
「……確実とは言えない」
そう正直に答えたのはCuratosが起きた事をそのままrecordする『God of Records』だったからか、Heinzの眼光に只ならぬ覚悟を見たからか。
「なら、私にも策があります。先ほどからVandalieuを相手にしているCopy、あれと同程度の実力なら今でも創れる、そう考えても良いのなら――」
Heinzが提案したtacticsはCuratosが考えても十分成功の芽があるように思えた。確実ではないが、結果的にVandalieuを止められる可能性は、七割よりも――
「良いだろう。だが、足りないと思ったら我も手を出そう。汝らが何を言っても……後に恨まれる事になってもだ」
Heinz達が頷いたのを確認して、Curatosは彼のtacticsの為に必要なCopyを創り始めた。
これにCuratosが使うはずだった策を合わせれば……Heinz達が脱出できる可能性は七割よりもずっと高くなる。
『なるほど、【Danger Sense: Death】と杖のありがたみが良くわかりました』
常にActivateしており今まで何度もVandalieuを助けて来たmagicと、この場に無いGyubarzoの杖を想って彼は肩を落とした。
五十階層では夢と誤認していたから、そして先程までHeinzと戦っていた時は冷静さを失っていたのとTrapにかけるため故意に攻撃を受けていたから気がつかなかった。ここでは……よりaccurateにいうなら今のVandalieuのconditionでは【Danger Sense: Death】のmagicが効果を発揮できないのだ。
恐らく、body partが偽物であるため「何をしても、されても、死なない」のが原因だろう。死なない事自体は良い事なのだが、敵の攻撃を察知するために重宝してきたmagicが封じられているconditionはやや困る。
そしてGyubarzoの杖があれば、今のManaの消耗過多なconditionでもmagicを使えただろうに。
だがCopy達との戦いは、当然だがVandalieuが優勢のまま進んでいた。最初にそのままPierceしてGordan High Priestを構えた盾ごと胸を拳で打ち砕いて倒し、Kasim達三人のCopyは横を駆け抜ける時に【Demon King's wings】を刃物のように使って頭部を切断して倒した。
『Insect Army』のBebeckettのCopyは向かってくる蟲を無視して接近し、首を捻って倒した。因みにBebeckettの蟲はやはりVandalieuに魅了される事も、装備される事も無くBebeckettが塵になると同時に消えた。
「へへへっ、捕まえてうっぱべっ!?」
「Red Wolf Knight団っ、Chargeぃぃぃぃがはっ!?」
すると他のCopyも出て来た。Hunterらしい男は振り向かないままfeatherで切り裂いたので顔は分からないが、Knight姿のCopyはKarcanと言う男だったような気がする。
そう思った瞬間空を裂く音がして、右側のfeatherが裂かれた。
『俺の意識をCopyに向けたいのは分かりますが、それならお前のような無視したくても出来ない奴をCopyすれば良いのに』
Vandalieuの言葉が聞こえているのかいないのか、『Fifteen Evil-Breaking Swords』の五剣、『Five-headed Snake』のErwinのCopyは、Vandalieuに向かって腕を振るい続ける。
「死ねェっ! 【蛇fangs蛇腹鞭】!」
その動きは本物と比べても遜色ない動きで鞭を振るい続ける。adventurerならSClassの称号を手に入れてもおかしくないErwinの鞭は、彼が時間稼ぎの為の囮だと分かっていても無視できない。
Orichalcumの鞭も再現されているので、それが当たる度に【Soul Breaking Arts】でRealizationした魂が裂けるからだ。
しかし Vandalieuも彼と戦うのは二度目だ。
『まあ、だからって鞭を見切れるかは別の問題なわけですが。【Blood Infection】』
【Armor Technique】と【Shield Technique】のMartial Artsを使用して守りを固めてErwinの鞭に耐えながら、【Blood Infection】をActivate。鞭によって流されたbloodが肉食性微生物と化して彼に襲い掛かる。
「ぐっ、ぐおおおおっ! 【神鉄打鞭】!」
微生物に群がられたErwinは苦痛に顔を歪めたが、Vandalieuへ攻撃するのを止める-sama子は無い。鞭の直撃を受けたcarapaceが爆発する-samaに爆ぜ割れた。
『流石にAClass相当以上の使い手のVitalityを削り取るには、時間がかかりますね』
control以外にも【Blood Infection】には弱点があったようだ。並のKnight程度なら十秒でboneだけにする自信があったのだが。
「【神鉄打鞭】~っ!」
だがCopyを本物に似せ過ぎた弊害か、激痛によってErwinの動きが乱れ始めた。大雑把な狙いでVandalieuに向かって鞭を振るう。
その鞭をVandalieuはRight Armで受け止め、同時に生やしたcountlessの【Demon King's Horn】の突起に絡め取った。
「っ!?」
『【Death Cannon】』
そして動きが取れなくなった瞬間、Vandalieuの【Death Cannon】を受けて鞭と一緒に塵となった。
『……行動が雑になっていますね。本物なら即座に鞭を捨てたでしょうに。さて、偽物はもう出し尽くしたようですが?』
【Divine Enemy】に【God Devourer】と【Soul Devour】の効果を乗せてCopyを攻撃してきたため、このDungeonを管理している神にも相応のDamageが入っている筈だ。
(この壁をどうにかするか、それとも仕込んである奥の手の内どちらかを切るか……前者は神との力比べで、後者は切ったら俺自身も今のconditionを維持できない。さて……おや)
Vandalieuがそう考えて階層を二分している壁に向き直ったその瞬間、壁が幻のように消えた。
「Vandalieuっ! 決着をつけるぞ!」
「行くわよ、皆!」
そこにはHeinz達、『Five-colored blades』が無傷のconditionで揃っていた。
彼らのwhole bodyから只ならぬ気迫が発せられており、既に【Heroic Spirit Advent】や【-Transcend Limits-】等のskillを全てActivateしているconditionである事が窺える。
「Millよ……我等に束の間の目覚めを! 【Extreme Awakening】!」
「【天覇煌剣斬】!」
「【Unlimited・サンSlash】!」
「【煌轟爆輝撃】!」
「【極神盾波撃】!」
Daianaが彼女の使える最上位の付与magicを仲間達に施し、Heinz達の潜在Abilityを限界まで引き出す。そして彼らは最大の奥義と呼べるMartial Artsを繰り出した。
LegionのCopyを倒した時に繰り出した合体技だ。余波だけで周囲の木々を全て薙ぎ倒し、この六十五階層を緑の山々からはげ山だけが広がる風景に変えてしまった。
ここがDungeonの内部でなければ、山その物が無くなっていただろう。
当然、幾らVandalieuでもまともに当たれば一溜りも無い。Barrierを張ろうが何をしようがRealizationした魂の鎧は砕けその中身はfragmentも残らず消え失せるだろう。
「壁よ」
だからVandalieuは消えた壁を、【Labyrinth Creation】skillで再び出現させる事で防ぐ事にした。
地面から生える-samaに出現した壁の向こうから振動と凄まじい轟音が伝わって来るが、『Five-colored blades』最大の合体技はあっさりと防がれた。
……どれ程のAttack Powerがあっても、Dungeonの階層その物を変化させて作った壁を破壊する事は出来ない。Vandalieuは彼等の近距離に壁を出現させたので、もしかしたら自分の技の余波で消滅したかもしれない
(さて、あれは『街』から戻ってきた二人と合流して、神の力で完全回復した五人が揃ったと思わせたいHeinz達のtacticsだったのでしょうが……本物は何処だ?)
あれは全て偽物だ。特にEdgarが完全revivalしているのがおかしい。あれほど魂を傷つけ喰らったのに、body partの傷とManaが回復しただけで元通りになるなんて、不自然だ。
その時Vandalieuの背後の岩が……中身が空なら人が何人か入れそうな大岩が、幻のように消えた。
「予定外だが仕方がない……行くぞ!」
岩の内側に潜んでいたらしいHeinzやDelizah、そしてやはり死んでいるはずのRileyやMartinaの姿を見て、Vandalieuは彼等のtacticsを理解する。
あの必殺技を防ごうとして動きが取れなくなっている自分を、背後から討つつもりだったのだと。
失敗したCopyと同じように回復した-sama子のHeinzが駆け出す。
「Dungeonを操るとは……recordしておこう」
そうRiley……Curatosが呟きながら地面に手を着くと同時に壁が地面から出現し、VandalieuとHeinzを真っ直ぐ結ぶ通路が出現する。
『tacticsが失敗しても諦めず、俺が逃げられないようにして、一対一で決着をつける? ……それは好都合』
振り向かずに両手足と首の関節を組み替えたVandalieuは、更にRight Armに【Demon King's Blood Vessels】を伸ばしてSpiral状に巻きつける。
「……recordを再現。【Extreme Awakening】、【Radiant Life Blade】」
Curatosがrecordを再現し、Heinzに付与magicを施しAbility Valuesを2x Augment Multiplierさせ対death attributeの力を付与する。
「【-Transcend Limits-】、【Transcend Limits – Holy Sword】!」
そしてHeinzがVandalieuに向かって凄まじい気迫を放つ。自分のCopyと同じか、それ以上の技を放つつもりだろう。
さっきと同じように壁を建てて防ごうとしても、Curatosが妨害し続けているためHeinzの攻撃には間に合わないだろう。
「【Super Instant Response】、【Surpass Limits: Fragments】、【-Transcend Limits-】……【Demon King Fragment】総Activate!」
だからVandalieuは小細工抜きに、今この自分が出せる全力で受けて立つ。whole bodyに【blood】が巡り、【nerve】で連結され、【auxiliary brain】が制御する。【bone格】も【carapace】も【horn】も何もかも、禍々しい気を放ちHeinzの気迫を跳ね返す。
「【Blood Infection】!」
そしてランス状になったRight Armのblood vesselからbloodが噴き出し、それが紅い霞に変化しSpiral運動を始める。
肉食性微生物が渦巻く、掠っただけbody partをごっそりと削り取られかねない槍を構え、Heinzに向かって突進する。
「【Evil Suppression】! 【True Sacred Radiance Sword Decapitation】!」
「【極Spiral thrust】!」
Heinzが見る者の眼を焼くような輝きを放つMagic SwordをVandalieuに向かって振りかぶり、VandalieuがHeinzに向かって槍状の腕をthrust出す。
それを待機しながら見守っていたDelizahはIntuitionした。このままではHeinzが死ぬと。
VandalieuはあのHeinzの一撃を受けるつもりなのだ。それと引き換えにあの腕をthrust刺し、体内からHeinzのbody partを微生物に貪り喰わせ、魂を喰らい消滅させる。
そもそも、あのVandalieuは死んでも痛くも痒くもないのだ。偽物のbody partが破壊されても、本来のbody partに戻るだけ。Heinz達は魂を砕いたり喰らったり出来ないため、それを防ぐ事は出来ない。
「いけないっ!」
しかしもうどうしようもない。それほど二人の距離は近づいている。
「分かっている」
しかし、Curatosはそう呟くと、何かを操作するように手を掲げた。
Heinzの放つ輝きとVandalieuの紅い渦が交差し、そのままお互いのbody partに達する寸前、二人の間に人shadowが出現した。
Heinzに背中を向け、Vandalieuと正面から向かい合う姿勢で。
「っ!?」
「なっ!?」
その瞬間Vandalieuの動きが止り、紅い霧がただのbloodに戻る。そして人shadowを守ろうと抱きかかえようとした。だが止められなかったHeinzの刃は現れた人shadowごと、Vandalieuを切り裂いた。
Vandalieuを切断した斬撃が、そのまま轟音を立てながらDungeonの階層を削るように通り過ぎて行く。
「そんな……何故……何故、そんな……」
その斬撃を放った姿勢のまま、剣身がVandalieuに半ば以上埋まったままHeinzは小刻みに震えていた。
「実は……ごふっ……ずっと疑問に思っていました」
対してVandalieuは、半ば以上砕けた鎧を纏ったまま、人shadowを抱き締めながらHeinzを見ていた。
「俺を止めたいなら、意識を逸らしたいなら、絶対にそうするべきなのに……何故、kaa-sanのCopyを出さないのかと」
現れた人shadow、それはDarciaのCopyだった。
Gordan High Priestに火炙りの刑に処せられる前の、Dark Elfだった頃のDarciaを再現した偽物。これがCuratosの、Heinzに恨まれる事になってもいざと成ったら実行する奥の手だったのである。
実際、効果は大きかった。偽物と分かっていながら、Vandalieuは反射的に動きを止め、【Blood Infection】も解除してしまったのだから。
Delizahの驚愕に固まった視線を受けつつも、CuratosはHeinzの勝利とVandalieuの敗北を確認して安堵していた。人格を持たないFamiliar Spiritから昇華した神である彼には、乗り越えたはずの罪を再び犯してしまったHeinzの気持ちを想い測る事よりも、まだDungeonへ侵入しようとしているGufadgarnへの対処に集中する事の方が重要だ。
「なるほど、ここぞと言う時に一度だけ使うから効果的……なるほど、なるほど、やはり正しかった」
Vandalieuの腕の中のDarciaのCopyが塵となって消えていく。それに合わせて、Vandalieu自身の魂の鎧も消えつつあった。
このDungeonに存在するために必要な偽物のbody partが、機能を停止しつつあるのだ。
「待ってくれっ、私は……こんな卑怯な手を使うつもりではっ!」
「正しかった、お前がkaa-sanをまた傷つけると言う危険性は……現実になった」
言い訳を続けるHeinzの腕を、Vandalieuは崩れつつある魂の腕で掴んだ。彼のbody partを半ば以上切り裂いたままの剣が、一層深く食い込む。
「だから、ここで滅ぼす! このDungeonと神も全て!」
「っ!?」
掴んだ途端、Vandalieuの魂の鎧はSlime状に形を変えるとHeinzを縛るように纏わりついた。
「まさか自爆するつもり!?」
自らが受けた【Death Flame Prison】を思い出して叫ぶDelizahだが、Curatosは落ち着いてHeinzに防御magicを幾重にもかけた。Vitalityを完全に回復したconditionの彼ならば、magicをかければ【Death Flame Prison】にも耐えられるはずだからだ。
だが、黒い人shadowがHeinzのやや後方に出現した時に自分が致命的な考え違いをしている事に気がついた。
『ああ、本当に杖が欲しい。あれば、もっとManaを制御できただろうに』
現れたもう一人のVandalieuは、掌をHeinzと彼に纏わりついているもう一人の自分に向け、そこに恐ろしい量のManaを収束させていた。
これがVandalieuの最期の奥の手だ。
Edgar達に切断され、切り刻まれた魂の破片。それは消滅した訳では無かった。それらの破片を気がつかれないように【Group Manipulation】skillで操作してCloneを作った。そしてCloneが出した【Demon Kingの墨】迷彩を施して視覚を、【Blind Spot】でそれ以外の感覚器官を誤魔化し、温存していたのだ。
main bodyを倒そうと隙を見せたHeinz達に、ありったけのManaを叩きこんでDungeonごと滅ぼす為に。
そのためにmain bodyだけで戦っている間はCloneを使わず、body partから離れた部位を【Group Manipulation】で操って攻撃に使わず、Heinz達の意識を自分に集中させた。magicもあまり使わず、Manaを温存した。
それでもし神が介入して来ず、main bodyだけでHeinz達を滅ぼせるならそれはそれで良し。その後Cloneと一緒にDungeonを破壊すれば良いだけの事だ。
『でも、ここまで好条件が揃うとは思いませんでしたよ』
Cloneの掌に黒いManaが収束していく。かつて『Trial of Zakkart』の階層を破壊した【Hollow Cannon】だ。だが、込められたManaはその時の数倍以上。
「ぐっ、これは……!」
事態に気がついたHeinzが身を捩って脱出しようとするが、Vandalieuのmain bodyがwhole body全霊で彼のbody partを締上げ、絡みついていて身動きが取れない。
しかも、Curatosが創った左右の壁が今度はHeinzの逃げ場を封じている。
「-kun達には、取り返しがつかない事をしてしまった! だが、私はここで死ぬ訳にはいかない!」
Heinzが全力で抵抗し、Magic Swordに蒼い炎を灯してVandalieuのbody partを焼くが、【Demon King's Blood】と【blood vessel】を引き千切る事は出来ない。
「いかん! あのManaの前には、我の防御magicは無力だ!」
「止めなければ!」
Martinaの姿をしたFissionがHeinzの左右の壁を消そうとし、Rileyの姿をしたFissionがVandalieuのCloneに向かって駆け出す。
だが壁はVandalieuの【Labyrinth Creation】skillの妨害によってゆっくりとしか下りず、RileyのFissionが繰り出す槍はCloneを傷つける事も出来ない。
『お前の事情なんて、俺の知った事じゃない……【World Breaker Hollow Cannon】!』
VandalieuのCloneの腕に、黒いGiantなManaの塊が完成した。まるで虚無そのものが凝り固まったような異-samaな力に神であるCuratosもhorrorを覚えた。
『ファ――』
「【極神盾波撃】!」
だがそれが放たれる直前、DelizahがVandalieuのCloneに自身が放てる最大のMartial Artsで攻撃を放った。Manaを込めたOrichalcumの盾から放たれる衝撃波を受けて、【World Breaker Hollow Cannon】と名付けたHollow King Magicの制御で精一杯だったCloneはなす術も無く砕け散る。
だが【World Breaker Hollow Cannon】は放たれた。しかし衝撃で照準がdespair的にずれている。このままではDungeonに大きな被害を及ぼす事は出来ても、HeinzもCuratosのmain bodyも助かる。
Martial Artsを放ったDelizahが、汗の滲んだ顔で会心の笑みを浮かべ……その表情が凍りついた。
「遅参、申し訳ありません。我が主Vandalieuよ」
突如響いたGufadgarnの声と同時に、【World Breaker Hollow Cannon】の進路上のspaceに穴が出現し、そのまま穴の中に飲み込まれる。
同時に、Heinzの真後ろにもspaceの穴が出現した。
「そんなっ!」
screechを上げるDelizahの見ている前で、【World Breaker Hollow Cannon】がHeinzの背後のspaceの穴から飛び出した。
振り返ったHeinzは自身に迫るGiantな黒いManaの奔流に、これまでかと歯を食いしばった。
だが気がつくとHeinzは身一つで壁の外にはじき出されていた。
「すまんな、Heinzっ。お前の偽のbody partを貰うぞ!」
壁の向こうでHeinzにAdventしていたHeroic spirit Joshua・Alchamが、彼のbody partを使って叫ぶ。
「……ここまでやって痛み分けか」
そしてVandalieuが、抑え込んでいるHeinzのbody partの中身が変わっている事に気がついた次の瞬間、【World Breaker Hollow Cannon】に諸共飲み込まれた。
『よ、Joshuaぁ~っ!』
断末魔の叫びも無く消滅したJoshuaの代わりのようにHeinzが叫ぶ。だがその叫びは【World Breaker Hollow Cannon】が壁を破壊し、そのまま六十五階層を貫通してthrust進む轟音に掻き消された。
『MemoryのCopy、完了。Gufadgarnの侵入を許したが……九十九層以降を隔離し一時spaceの位相をずらす事に成功。破壊されるのは六十五から九十八階層まで。……彼が巻き込まれて消滅する事は避けられる。
……痛み分け? 我には大敗北にしか考えられないが』
迫りくる【World Breaker Hollow Cannon】を見つめたままCuratosは静かに手を止めた。
『我が主Aldaよ、Bellwoodよ、我はここで暇を乞わせていただきます。お許――』
そして、黒い奔流に飲み込まれ消滅した。
HeinzとDelizahは虚脱したまま、Dungeonに空いた穴とVandalieuがいた場所を交互に眺めていた。
『そんな……Heroic spiritが……神が消滅した……』
まだ衝撃に思考が追いついていない-sama子のHeinzだったが、Curatosが消滅した事は理解していた。彼がFissionとして使用していたRileyとMartinaのCopyが、音も無く消えたからだ。
「これはlegendの……やはり、彼は本当の意味でDemon Kingなのか」
「偽のbody part故に、AdventしていたHeroic spiritにbody partからはじき出されたか」
そしてGufadgarnの声に、はっとして身構える二人だが……Heinzはbody partが無くOut-of-body Experienceをしたようなconditionであるため何もできない事に気がつく。
「あなたは、一体何者!? 奴の仲間なの!?」
「我は、偉大なるVandalieuを崇めし僕の一人。久しいなと、我が言っても貴-sama等は理解できないだろう。……あの時見逃さず、纏めて始末するべきだった」
かつて『Trial of Zakkart』に挑んだ『Five-colored blades』の二人を、無表情ながら憎々しげに見つめるGufadgarn。
声をかけてきたDelizahとHeinzがElfのShoujoの姿に似合わない迫力に思わずたじろぐが、Gufadgarnはそれ以上何も言わず視線を後方に向けた。
「いかがしますか、Goddessよ」
「……どうもしないわ」
Gufadgarnが開けたspaceの裂け目から現れたのは、HeinzのMemoryに強く残り、そして先程彼がVandalieuごと斬ったfemaleだった。
だがMemoryにある姿よりも肌が幾分黒く……何よりも放っている存在感が違う。
「魂をどうにかする事は私には出来ないし、何かにsealedするような事をしている時間は無いんでしょう、Gufadgarn -san?」
金属製の杖を携え、magic itemだろう奇妙な衣服を纏ったDarciaだった。まるで後光が差しているかのように眩しく感じられ、Heinzは思わず目を細め、手を顔の前にかざす。
「はい。もうすぐAldaの手下共が押し入って来るでしょう」
「なら、この子を連れて帰りましょう。私が本来の力を取り戻していたら、もうちょっとどうにかできたのだけど」
Darciaの片腕には、黒い鎧の破片が抱えられていた。Vandalieu's Fragmentである。
「主はご無事でしょうか?」
「大丈夫。自分で自分を食べただけだから、少し休めばすぐに元に戻るわ。まったく、無茶ばっかりして」
『待ってくれっ! あなたが何故ここに……いや、あなたは本物なのか!?』
身を翻して帰ろうとしたところにHeinzから声をかけられたDarciaは、小さく息を吐いた後、彼らに向き直った。
「あなたに二つ言う事があるわ。『Blue-flame Sword』のHeinz……あなたが私にした事を、私は許すわ」
その言葉に、Heinzの顔に驚きが広がる。目の前のDarciaが本物であり、自分が過去に死なせてしまったDark Elfのfemaleだと理解したからだ。
「だけど、この子にした事を『私達』は許さない。Heinz、『Five-colored blades』、あなた達は『私達』の敵です」
そしてDarciaの言葉に込められた拒絶の意思に、魂だけのHeinzの姿が揺らめき、Delizahは思わず後ずさっていた。
「それで二つ目なのだけれど……何もしないと言ったのは取り消すわ。ventぐらいさせてね」
そして杖をSingle Flashした瞬間、二人は掻き消えていた。
「殺したので?」
「Heinzの方は魂だけだったから、少し強めに追い払っただけよ。もう一人の方はそうだけど。大分消耗していたし、気を抜いていたから。
結局『街』という階層でrevivalしちゃうみたいだから、本当にただのventだけどね」
そして【Vida’s Incarnation】となったままのDarciaは、集めたVandalieuの魂の破片とGufadgarnと共にspaceの穴から帰還したのだった。
《Intelligenceが五千上がりました!》
《【Perfect Recording】、【Surpass Limits Soul】skillを獲得しました!》
《【Materialization】が【Realization】にAwakeningしました!》
《【Hell King Magic】、【Chant Revocation】、【Mana Enlargement】、【Mana Recovery Rate Increase】、【-Transcend Limits-】、【Hollow King Magic】、【Mana Control】、【Soul Breaking Arts】、【Super High-speed Thought Processing】、【Throwing Technique】、【Scream】、【Demon King Artillery Technique】、【Armor Technique】、【Shield Technique】、【Surpass Limits: Fragments】、【God Devourer】、【Labyrinth Creation】、【Soul Devour】、【Group Thought Processing】、【Group Manipulation】、【Soul Form】skillのlevelが上がりました!》
・Name: Vandalieu Zakkart
・Race: Dhampir(Mother: Goddess)
・Age: 11age
・Title: 【Ghoul Emperor】 【Eclipse Emperor】 【Guardian of the Cultivation Villages】 【Vida's Miko】 【Scaled Emperor】 【Tentacle Emperor】 【Champion】 【Demon King】 【Oni Emperor】 【Trial Conqueror】 【Transgressor】 【Black Blood Emperor】(NEW!) 【Dragon God Emperor】(NEW!)
・Job: Spirit Warrior
・Level: 100
・Job History: Death-Attribute Mage、Golem Transmuter、Undead Tamer、Soul Breaker、Venom Fist User、Insect User、Tree Caster、Demon Guider、Archenemy、Zombie Maker、Golem Creator、Corpse Demon Commander、Demon King User、Nether Guider、Labyrinth Creator、Creation Guider、Hell Healer、Disease Demon、Magic Cannoneer
・Ability Values
Vitality: 99,221(2,790UP!)
Mana: 4,363,438,160+(2,618,062,896) (合計787,395,619UP!)
Strength: 13,858(2,883UP!)
Agility :9,649(1,209UP!)
Endurance :14,407(1,682UP!)
Intelligence :22,256(7,790UP!)
・Passive skills
Monstrous Strength:1Lv(Mysterious Strength awakened into!)
Rapid Regeneration:8Lv
Hell King Magic:5Lv(UP!)
Status Effect Immunity
Magic Resistance:9Lv
Dark Vision
Hell Demon Creator Path Enticement:7Lv(UP!)
Chant Revocation:8Lv(UP!)
Guidance: Dark Demon Creator Path:7Lv
Automatic Mana Recovery:10Lv
Strengthen Subordinates:10Lv
Deadly Venom Secretion (Claws, Fangs, Tongue):1Lv(Venom Secretion (Claws, Fangs, Tongue) awakened into!)
Enhanced Agility:7Lv
Body Expansion (Tongue):8Lv
Strengthened Attack Power while Unarmed: Large
Enhanced Body Part (Hair, Claws, Tongue, Fangs):9Lv
Thread Refining:7Lv(UP!)
Mana Enlargement:6Lv(UP!)
Mana Recovery Rate Increase:7Lv(UP!)
Strengthened Attack Power while activating a Magic Cannon : Medium
・Active skills
Bloodwork:5Lv
-Transcend Limits-:6Lv(UP!)
Golem Creation:5Lv
Hollow King Magic:3Lv(UP!)
Mana Control:10Lv(UP!)
Cooking:7Lv
Alchemy:10Lv
Soul Breaking Arts:2Lv(Unarmed Fighting Technique awakened into&UP!)
Multi-Cast:10Lv
Surgery:8Lv
Realization:1Lv(Materialization awakened into!)
Coordination:9Lv
Super High-speed Thought Processing:3Lv(UP!)
Commanding:9Lv
Thread-reeling:6Lv
Throwing Technique:8Lv(UP!)
Scream:7Lv(UP!)
Dead Spirit Magic:8Lv
Demon King Artillery Technique:2Lv(UP!)
Armor Technique:7Lv(UP!)
Shield Technique:7Lv(UP!)
Group Binding Technique:5Lv
Surpass Limits: Fragments:6Lv(UP!)
・Unique skill
God Devourer:6Lv(UP!)
Deformed Soul
Mind Encroachment:8Lv
Labyrinth Creation:3Lv(UP!)
Demon King:3Lv(UP!)
Abyss:7Lv(UP!)
Divine Enemy
Soul Devour:6Lv(UP!)
Vida’s Divine Protection
Gods of Earth's Divine Protection(Earth’s Hell Gods’ Divine Protectionから変化!)
Group Thought Processing:4Lv(UP!)
Zantark’s Divine Protection
Group Manipulation:4Lv(UP!)
Soul Form:2Lv(UP!)
Demon King's Demon Eye(NEW!)
God of Origin’s Divine Protection(NEW!)
Ricklent’s Divine Protection(NEW!)
Zuruwarn’s Divine Protection(NEW!)
Perfect Recording(NEW!)
Surpass Limits Soul:1Lv(NEW!)
・Demon King Fragment
blood、角、suction cups、ink sacs、carapace、scent gland、Luminescent organs、blubber、chin、eyeball、proboscis、fur、exoskeleton(同名のfragmentとintegration!)、Arthropod Legs、antenna、claws、compound eyes、gills、auxiliary brain、bump、blood vessel、tongue、lung、fin(NEW!)、Venom glands(NEW!)、bone(NEW!)、skin(NEW!)、jewel(NEW!)、Magic Eye(NEW!)、nerve(NEW!)、stomach(NEW!)、epidermis(NEW!)、feather(NEW!)
・Curse
Experience gained in previous life not carried over
Cannot learn existing jobs
Unable to gain experience independently
・BandaによるMana decrease計算済み