『全ては予定通りに進んでいる……』
『ああ、多少の予定外はあったが、全ては我々の掌の上』
「なるほど、それは結構。Blood potionの材料の備蓄量はどうかね?」
『ククク、Pure-breed Vampire共が幾ら飲み干そうと、偉大なる黒きbloodに底は見えん』
『それよりも獣共の心配をしたらどうだ? 奴らは飢えているぞ……ヒヒヒッ!』
「そうか、私も同じ意見だ。Doug -kun、実験動物達の餌やりを頼めるかね」
「……それは構わないけど、あんたらもっと普通に会話できないのか?」
半眼になったDougは、Lucilianoと会話している十匹ほどのDemon達にそう呟いた。
先程の、陰謀を練っているようにしか聞こえないやり取りは、実は何の事は無い。「実験は予定通り。ちょっと遅れているけど、controlできているからno problem」と言う報告と、「Blood potionの材料の備蓄量は、Pure-breed Vampire達が幾ら飲んでも大丈夫」と言う答え。そして「実験動物の餌やりの時間だよ。彼等はお腹を空かせている」と言う助言である。
しかし、そう言ったDougにLucilianoは驚いたように言い返した。
「何とっ、私に彼等と合わせろと!?」
「いや、あんたは別に良いんだよ! 寧ろあんたまで合わせたら、Demonが何を言ってるのか分からなくなるだろ!」
そう怒鳴り返すDougに、今度はDemon達が心外だと言わんばかりに顔を歪めた。
彼等は『Trial of Zakkart』でVandalieuにTamerされたDemon達の一員で、その中でもRankと知能が高く、Humanの言葉を覚えている者達だ。
彼等は『Trial of Zakkart』から連れ出されたものの、それ以後はVandalieuが創ったDungeonの内部でただ飼われていた。それはMajin King GodwinやMajin nationの者達から、Demonの扱いの難しさを教えられていたからである。
Bodyが破壊されても魂はMemoryと人格を保ったまま新たなDemonとして、数日から数百年の間にrevivalする。だから自身の命に対してすら享楽的で、自身の快楽の為なら何でもする。彼等にとってTamerされたconditionとは、Humanに従う従僕playを愉しんでいるだけだ。
そう言われたのですぐには信用できず、町に放てなかったのである。時間がある時に、改めて使えそうな個体を選ぼうと思い、先送りにしていたのだ。
だがそれに危機感を覚えたのは、ほかならぬDemon達であった。
『怪しいとは心外……我々は主の信を得ようと心から忠を尽くしているだけに過ぎんと言うのに』
『全くだ。貴-sama等Humanに合わせ、こうして朗らかな笑みを浮かべて振る舞っているのに哀しい事を言ってくれる』
『クヒヒヒ、そう言ってやるな、同胞よ。我々と同じreincarnationを経験した者とは言え、二度だけだ。ここは先達として心で泣き、表で柔和に微笑んでやるとしよう。キヒヒヒヒ!』
大まかには人型ではあるが、頭部や手足の数や、形はHumanとは大きく逸脱した異形のDemon達が口々にそうDougを非難する者と、非難した者に大目に見てやろうと彼等の言う朗らかな笑いを浮かべて宥める者に分かれていた。
「お前等も、絶対わざとやってるよな。特に最後に笑った奴」
『ククク、Doug、お前は見た目より知能が高いようだな』
「Vandalieu、Lucilianoのオッサン、こいつぶん殴って良いか?」
『工房の外でなら構いませんよ。後この俺はVandalieuでは無く、Alchemy型Demon King Familiarです』
「師Artisanに同意見だ。それと、私は-kunが生きて来た年数を合計した数よりも若い筈なんだがね」
この地下工房にも、certainly Demon King Familiarが設置されている。胴体部に大きなjewelを嵌め、boneとblood vesselとsuction cupsだけの腕を持つ、Demon達よりも更に奇怪な形状だ。
blood vesselを収縮して腕のboneを操り、指のsuction cupsで吸い付いて物を保持する。そんな仕組みである。
『それに、彼らが彼等なりに信頼を得ようと頑張っているのは本当ですよ』
「……マジか?」
『マジです。originally Mental構造がHumanとは違うので、どうしても人を喰ったような態度になりますけど』
『左-samaです、我が主よ』
『我等は貴方に永遠のLoyaltyを誓います』
『ですから、どうか魂だけは……』
Demon達がVandalieuにTamerされ、それだけでは無く自分達から信頼を勝ち得ようとする理由、それはVandalieuがCreation者であるDemon Kingに近いsignを放っているから、そして何よりDemon King Guduranis同-samaに彼等に真の滅びを与える事が出来るからだった。
穢れたManaで出来たDemon達にとって、Bodyの死は恐れるものでは無い。しかし、魂を砕かれればCircle of Reincarnationは無い。
そのためDemon達は魂を喰う事が出来るVandalieuを恐れ、消滅したくない一心で彼の信用を得ようとしているのだ。彼らなりにHumanに歩み寄って。
……Majin Raceならまだしも、Dougのようにそれ以外のraceに対しては以前から完全に軽く見ていたのでどうしようもなく態度が悪いが。
『ほら、こんなに必死です』
「確かに、そうだな」
明らかにprideを捨てたDemon達を、Dougは情けないとは思えない。事実、自分達も同じ-samaな理由でVandalieuに下っているのだから、当たり前だ。
思わず親近感すら覚える。これからはもうちょっと温かい目で見てやろうと、Dougは思った。
『ククク。何だ、奇怪な目つきをして』
「……Vandalieu、やっぱり俺、こいつ等嫌いだ」
『彼等、長い事Humanを見た事が無かったので表情の読み取り方が苦手なんですよ』
「それよりも、動物の餌は?」
「言われなくてもやってるよ」
そう言ってDougは自分の後ろをchinで指す。Lucilianoがそちらに視線を向けると、幾つかの容器がmidairに浮いており、中には実験動物に与える餌が既に用意されていた。
【Telekinesis】のmagic……では無く、DougのAbilityである【Hecatoncheir】だ。
【Hecatoncheir】は強力な【Mental Power】であり、他にもDougが持つ【Omni-directional perception】、【Force Vision】の力と併用して使う事で全周囲に強力な攻撃を行う事が出来る。その-sama子は、まるでcountlessの目と腕を持つgiantが暴れまわっているかのようで、彼はそれが由来でMythの百手giantの名をCodenameに付けられた。
そのため遠くの敵を捻り潰したり、装甲車をひっくり返したりするような力技のAbilityだと周囲には認識されていた。しかし、実際にはDougは【Hecatoncheir】を器用に使いこなしている。
全力を出せば戦車を叩き潰せるMental Powerを微細にcontrolして、編み物や書道等をする訓練をしてきたためだ。
大雑把に力を振り回すだけでは生き残れないし、そもそも『Bravers』は本来terroristと戦う戦闘集団ではなく、災害rescue等を主に行う団体だったのだ。
その一員だったDougも、生き埋めになった被災者をrescueするため瓦礫を撤去する等、見た目よりもdelicateな作業を行う必要があった。
これは別に隠していた事ではないが……付き合いの浅いReincarnatorはDougが意外と器用な事に気がつかなかった。
それに、やはり『Origin』で死んだ時は役に立たなかったのだが。
「おお、やはり器用なものだね」
『私のように後頭部に目がある訳でもないのに後ろが見えるとは、やはり貴-samaは奇妙な奴だ』
「それは一応褒めてるんだよな? まあ、前世から似たような事はやってるからな。こっちのworldに来てskillが手に入ってから、ずっと楽になったし」
【Parallel Thought Processing】skillを獲得したため、Dougの【Hecatoncheir】は『Origin』の時よりも格段に洗練されていた。今なら一度に複数の編み物をしながら、同時に書を認め、Cookingをする事も可能だろう。……別にそれらが趣味と言う訳ではないが。
「ところで、こいつ等いったいいつまで飼っておくんだ? 大体もう四世代目だろ?」
Dougが餌をやり始めた実験動物とは、実験に使う動物では無い。life goldやspirit silverを移植したUndeadとの交配実験の結果、生まれた動物である。
mouseに兎、鶏に小さな豚、カエルに蟲までいる。その数は既に数百匹に至っていた。数が多いのは特に小さいmouseや蟲だが、このままのpaceで増えていくと幾らなんでも世話がしきれない。
『生まれた子に個体差が無いかとか、何回か交尾と出産を繰り返させましたからね。育つ過程で少し自然死しましたけど、増えるpaceの方が速いです』
「そうだな……次の第六世代あたりで止めるか。正直、普通の小動物と変わった部分が無いので飽きて来ていてね。第四世代ぐらいで一匹ぐらい想像を絶する変異を遂げると思っていたんだが」
「オッサン……バイオハザードを期待するなよ」
とんでもない問題発言が出たが、交配実験の終わりも見えてきたようだ。六世代までと言うのは足りないかも知れないが、実際今Dougが餌をやっている動物は、普通の動物にしか見えなかった。
(まあ、俺もそれ程動物に詳しい訳じゃないし、このworldにreincarnationしてから間近で動物を見たのはこいつ等がほぼ初めてだけどな。馬や犬猫、mouseを何度か見たくらいで、後はmonstersばっかりだったし。
……そう言えば、何でこいつ等は平気なんだ?)
当然だが、通常の動物はmonstersを恐れるか忌避する。直接的な脅威以外にも、monstersが漂わせる汚染されたManaを感じ取り、自分がManaに汚染されるのをInstinct的に恐れて避けようとするのだ。
そのためDevil Nestsには普通の動物は、汚染されたManaを恐れないよう進化した特定の鳥や蟲以外殆どいない。
そしてこの地下工房は、Devil Nests並みかそれ以上に汚染されたManaで満ちている。何と言っても高RankのDemon達が十数匹うろつき、Demon King Familiarが何匹もいるからだ。
普通の動物ならhorrorに耐えきれず狂ってしまうだろう。
なのに実験動物のマウスやウサギは平気な-sama子で餌を齧り、小鳥は暢気に鳴き、蟲も平常運転だ。
(何でだ? Undeadの子孫だから平気なのか? 生まれた時からずっとだから慣れたとか)
餌をやりながら考えるが、専門家では無いDougが思いつくのはそれぐらいだった。それで納得しても構わない気もしたが、好奇心が刺激された彼はふと背後でBlood potionの瓶を弄っていたLucilianoに声をかけた。
「なあ、こいつ等がDemonやDemon King Familiarを怖がらないのって何でだと思う?」
すぐにしたり顔で説明し出すだろうと思っていたDougだが、問いかけられたLucilianoの反応は予想と異なっていた。「そう言えば」と驚いたように呟きを漏らしたのだ。
「何故動物達はDemonを恐れない? 慣れている師ArtisanのBodyから生成されるDemon King Familiarを怖がらないのは理解できるのだが」
どうやらLucilianoも、動物達がDemonを怖がっていない事に気がついていなかったらしい。Demon King Familiarはそうでも無かったようだが。
『何? 動物たちは本来我々を恐れるものなのか?』
『今までmonsters以外の動物を見たのはそいつらが初めてだったので、気づかなかったぞ』
そしてDemon達自身も困惑している。
「これは一度調べてみる必要が――おっと」
Doug以上に好奇心を刺激されたLucilianoが目をギラギラと輝かせて飼育ケージに近づこうとして、手を滑らせてBlood potionを床に落としてしまった。
potionの瓶は丈夫に作られているのだが、当たり所が悪かったのかガシャンと音を立てて凝固したblood液に似た色の赤黒い液体が漏れだす。
「しまった。EleonoraやBellmondに知られたら大目玉を食わされるぞ」
『ククク、ではあのIslaと言うUndeadの女Vampireに話そうか?』
「止めてくれ、生皮を剥されてしまう。仕方ない、布で容器に集め、こして再利用しよう」
『……【Sterilization】してあげますから再利用しても良いですけど、人に呑ませるのはダメですよ』
「おいおい、瓶の破片でinjureするぜ。俺の【Hecatoncheir】で集めてやるから――おわっ!?」
LucilianoやDemon達、何よりもDougの注意が割れた瓶と零れたBlood potionに集まった。その瞬間、餌をやるために開けていたケージから、動物たちが一斉に逃げ出した。
【Hecatoncheir】も使って餌を与えていた為、複数のケージからマウスやウサギ、小鳥にカエルやlizard、甲虫等が一気に逃亡する。
certainly、Dougは彼等を【Hecatoncheir】で捕まえようと試みた。しかし器用な彼でも、逃げ出した小動物を一度に複数傷つけない-samaに捕まえるのは難しく、出遅れてしまった。
「な、何だね!?」
しかし種類の異なる動物達はバラバラにならず、全てがLucilianoの足元……零れたBlood potionに殺到する。反射的に飛びのいた彼を無視して、赤黒い液体にtongueや嘴を付けて飲み始める。
『主よ、そのBlood potionとは動物にも人気があるのか? 小動物共がまっしぐらに駆け寄って来たぞ』
『さあ……動物に呑ませた事がありませんからね。甘いから、嫌いじゃないかもしれませんけど』
Blood potionを貪るように飲む動物。その効果を認識できる知能が無いため、あり得ないはずの行動をとる彼等に、興味津々といった-sama子のDemon達とDemon King Familiar(Vandalieu)。
とりあえず-sama子を見る事にしたDougや、メモを取りだしたLucilianoが見ている前で、小動物はミヂミヂと肉とboneが軋む音を上げながら変化してく。
「こ、これはっ!?」
「素晴らしい! まさか目の前でこれ程多種多-samaな動物がmonsters化するとは!」
掌に乗る程度の大きさだったマウスや蜥蜴、カエルや甲虫は、中型犬並の大きさのGiant RatやGIANTリザード、BigフロッグやGIANTインセクトに。
ウサギも一回り以上大きくなり、額からは鋭い一本の角が生えHorn Rabbitに変化した。
そして小鳥は小さいままだったが、鋭い嘴と爪を持つシザーフィンチになった。
そして変化したmonsters達はBlood potionを飲み干すと、今度はDemon King Familiarに殺到して……懐き始めた。
『おや?』
自分にbody partを擦りつけるHorn RabbitやGiant Rat、eyeballを舐めまわすGIANTリザードやBigフロッグ。boneの腕に止まって囀るシザーフィンチに、body partによじ登るGIANTインセクト。
後半は分かり難いが、maybe親愛の情を示しているのだろう。
『ほぅ、可愛らしいじゃないか』
『いやいや、もしかしたらもっとbloodを出せと主にたかっているだけかもしれんぞ。尤も、奴等程度の力では主に傷一つ付けられんだろうがな』
Demon達が言うように、どれもRank1のmonstersで危険度はただの中型の野生動物と同じかそれ以下。Talosheimではかweakと評しても良い程度だ。【Demon King Fragment】で出来たDemon King Familiarを傷つける事は、eyeballを直接攻撃しても不可能だ。
しかし重要なのはそれらが一分前までただの動物だったという事である。
「もしかして、ケージに残っている連中もBlood potionを飲んだらmonstersになるのか?」
Dougはゾッとした顔つきで、背後のケージにいる小動物達を視た。全方位知覚に映る彼等は、一-samaにケージの壁からmonstersになった同類を見つめ、鳴き声を上げている。
羨ましいと。
「変化するのがRank1だから良いものの、本物のバイオハザードだ! おい、オッサン、Vandalieu、ここでもう絶対Blood potionを零すなよ!」
「-kunの言う通りだ、Doug -kun。まず他の小動物も-chanとmonsters化するのか、そしてどれくらいの分量で変化するのか、量によってmonsters化した時のRankは変わるのかを慎重に調べてみよう。
つきましては師Artisan、Blood potionの増産を」
『仕方ないですね。一度main bodyを戻しましょう』
『ククク、面白くなって来たではないか』
「ここには俺以外Mad Scientistしかいないのか!?」
Dougは思わず頭を抱えて仰け反りながらそう叫んだ。
「しかし、そのBlood potionの主な材料である師Artisanのbloodの原液を飲んだ私やDoug -kunが変化しないのは一体何故だろうね? 【Demon King Fragment】をActivateしていなかったせいか、それとも何か理由があるのか……もしや、遅行性なのでは!?」
だがLucilianoの言葉に、ばね仕掛けのように姿勢を戻した。
「一度は覚悟したが怖くなるような事を言うんじゃねぇ!?」
その頃、Demon continentの『街』では、増設中の為に出来た空き地に急遽設置された仮設Giant Stageの上で説法が行われていた。
『Lambda』worldでは、昔『Earth』でもそうであったようにMythやlegend、Godsの教えやそれに関する逸話や、教訓を含んだ小話を聞く事は庶民の娯楽であった。
そうした理由もあって人々はClergymanの説法に耳を傾け、お布施を支払い、道徳を学び、Godsに親しむのである。それはPatron Godたちに歩いて会いに行ける、ある意味神代のage of the godsに最も近いDemon continentの『街』でも変わらない。
『こうしてVandalieuは『Trial of Zakkart』に打ち勝ち、私を生き返してくれました。不可能としか思えなかった事を成し遂げたのです』
特にStage上で説法をしているのがDarciaで、語られているのが彼女の息子VandalieuのAdventureのepisodeであるため、普段より多くの者達がGiant Stage前には詰めかけていた。
Wind-Attributeのmagicで声を大きくしているDarciaは、聴衆達が自分の語る物語に引き込まれ、感極まっている-sama子を見つつ、頭の中で次の段取りを確認する。
(偉い人とお話しするのとは違う緊張感があるのよね、大勢の人達の前で話して歌って踊るのって。でも、これも皆に楽しみながらVandalieuの事を知ってもらうため。kaa-san、頑張る!)
『これから演奏するのは、私達のAdventureをthemeにした曲のメドレーです!』
聴衆達が「おおっ!?」とどよめき、「待ってました!」と歓声を上げる。
その瞬間Stage上に色とりどりのライトが、煌びやかに灯された。
『今日完成した新曲も含まれています! 自信作ですよ♪』
『member全員一生懸命練習したのじゃ。じゃから、皆も応援してくれると嬉しいのぅ』
作詞作曲振付を担当したKanakoがそう宣言する事で聴衆……観客たちのtensionが上がり、Zadirisの呼びかけに答えて次々に呪文を唱えるか、magic itemを準備する。
「……【光】」
「【蛍火】」
「おい、俺のスティックにもかけてくれ。Light-Attribute Magicは使えねぇんだ」
「だったらmagic itemを買いなよ、ケチ臭い男だね。仕方ない、今回だけだよ」
「へへ、恩に着るぜっ」
観客達が持つ短杖よりも短いスティックと呼ばれる物に、白い小さな光が灯り観客席が星空のようになる。それを見計らって、Zandiaが大きく手を上げた。
『じゃあ皆、行くよ~っ!』
その手には複雑な形状で金属質な杖……Transform杖が握られていた。
Zandiaに合わせてZadiris、Kanako、そしてDarciaもTransform杖を掲げ、叫んだ。
『『『『Transform!』』』』
強くなる舞台照明、跳ね上がる四枚の外套。そして歓声に迎えられたのは、Transform杖の装飾部分の液体金属が形を変えた金属繊維の戦闘服……costumeに身を包んだ四人の姿。
「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」
それを目にした観客達のボルテージは一気に最高潮に達した。瞳を炯々と輝かせfangsを剥き、monstersも思わず逃げ出すような咆哮を上げる。
中には思わずBreathを口から漏らしてしまい、警備係の『Divine Spear of Ice』のMikhail達に『VenueでBreathはご遠慮ください』と注意を受ける者もいる程だ。
観客達のHonoraryの為に説明すると、彼等はZadirisやKanakoのミニskirt状の装飾が付いたLeotardや、Zandiaの大胆なslit、Darciaの豊かな胸だけに興奮している訳では無い。
観客達の半分はfemaleだし、彼女達の中にはStage上のDarciaと同じくらい露出度が高い格好をした者が少なくないからだ。
観客達が熱狂しているのはこの説法のform……Idol Concertその物に対してである。
musicに合わせて歌とdanceを同時に行うIdolに、Transform杖や光を使った斬新な演出。更に観客も応援と言う形で加わると言う一体感。
曲とdanceそのものの目新しさもあるが、それらが観客達に今まで味わった事の無い未知の体験を与え、新たなworld観に引き込んでいるのだ。
(ふっ、この分なら一週間連続説法……Concertの五日目も大成功ですね)
Idolでありながら現在『Lambda』world唯一のEntertainment Worldの黒幕であるKanakoは、RibbonやLacesが多めで可愛さが強調されたcostumeでSmiling Faceを振りまきながら、内心でそう確信していた。
このConcertに、彼女はそれなりの熱意と労力を注いできた。
『おおぉん?』
『おぉ~』
『うぉおん』
live performance Venueは、Vandalieuや『Sword King』Borkus達の活躍に感化された『街』の住人が『街』を広げようと工事を始めた事で出来ていた空地を利用し、Knochenになってもらった。
VandalieuがAbsorptionした【Demon King's bones】を何十何百本と提供され、強度を増したKnochenはDemon continentでの鍛錬の成果もあってRank11のBone PalaceからRank12のBoneデスパレスへ、そして更にRank13のBone PandemoniumにRank upを果たしていた。
その大きさは正にPandemonium。東京domeを敷地ごとすっぽり覆える程の規模になった。
それを利用してStageを組み、観客席を配置し、しかも器用にバンド演奏もこなしている。……楽器はboneを加工した笛や、木琴ならぬbone琴だが。
『カァサン……ザン……』
『カナカナ……ザディ……光……』
そして照明などの演出は、Vandalieuから提供されたDemon King Familiarだ。一抱えほどのeyeballからboneの腕が生えた、舞台の照明演出に特化した、照明型Demon King Familiarである。
【Demon King's Claws】や【Demon King's Suckers】でKnochenのboneを掴んだり張り付いたりしながら、【Demon King's bones】で出来た腕で姿勢を制御。【Demon King's Luminescent organs】の輝きを【Demon Kingのlens】のレンズで調整する仕組みである。
だが、このDemon King Familiarを通してVandalieuが見守っている訳ではない。
Demon continentと Bahn Gaia continentは距離があるため、ここはVandalieuの【Group Manipulation】skillの範囲外だ。また、Talosheimに置かれているPseudo- Main Body-type Demon King FamiliarはDemon continentには存在しない。あまりPseudo- main bodyを作ると、Vandalieu本人のMentalに混乱が生じる可能性があるからだ。
そのためDemon continentのDemon King FamiliarはVandalieuの制御下には無い。そして【Long-distance Control】や【Group Manipulation】等のskillの効果範囲外にbody partの一部が存在する場合どうなるのかと言うと……本来なら動けない。精々刺激に反応して痙攣する程度で、意味のある動きはまず出来ない。
『カ……カ……カ……』
だがDemon King Familiarの場合は違う。Demon King FamiliarはVandalieuの一部だが、個体ごとにある程度存在が維持できるように作られていて、【Demon King's Eyeballs】や【Demon King's Antenna】等感覚器官や、【Demon King's sub-brain】や【Demon King's nerves】など不十分だが思考する器官がある。
そのためVandalieuの制御下に無くても、Demon King Familiarは動き続ける。思考力が動物並に落ち、skillが殆ど使えなくなるが、Demon King Familiar達はVandalieuが仲間と認める存在の指示を従順に聞く為、Demon continentの『街』では力仕事や工事で役立つ重機の代わり、『街』の外壁にmonstersが寄って来ていないか見張る警備員として活用されている。
そしてKanakoは照明係等staffとして活用していた。
(細かく指示しないといけませんけど、欠点と言えばそれだけですしね。あたしの【Venus】で演出プランのimageを伝えれば、その通りにしてもらえますし)
対象を魅了する力と偽っていた、自身のemotionsやMemoryを相手に焼き付けるCheat Ability【Venus】。それをKanakoは遠慮無く使っていた。
Demon King Familiarは本来【Deformed Soul】skillの効果でそうしたpsychological impactを受けないのだが、本人が受け入れればMemoryの改竄等は無理でも、Memoryやimageを共有する事は可能だった。
(やっぱりこのlive performance……Unitはいけます! 後は移動手段として協力してくれているLegionかGufadgarnを正規memberにしたいところですけど……やっぱりLegionの誰かに頑張ってもらうしかないですかねぇ)
そんな事を考えながらも、Kanako達はメドレー曲をmiss無く……accurateには、Kanako以外のmemberが時々missするが、大きなimpactは無く進んで行く。
それを観客席で見ているBorkus達は楽しんでいた。
『another worldの説法ってのは楽しいもんだな! まるで祭りだぜ! Zandia、足をもつれさせて転ぶんじゃねぇぞ!』
「accurateには、説法じゃなくてIdolのlive performanceか、Concertね。『Earth』や『Origin』で歌って踊る説法は一般的じゃないわ。……無いとは言わないけど」
応援goodsの光るスティックをリズミカルに振りながら声援を送るBorkusに、口調は冷静なまま同じようにスティックを振っているPlutoが言う。
『そうなのか? それにしちゃあ『一週間連続説法』だって書いてあったぜ』
「live performanceやConcertだと意味が伝わらないけど、説法って言っておけば皆一度は聞きに来るだろうって、Kanakoが考えたみたいよ」
『確か、楽曲も振り付けも実は『Origin』や『Earth』の楽曲を少し変えた物らしいですね。私達は聞いた事が無いので分かりませんけど』
『このworldでは真似しても分からないから、楽できるところは楽をすると言っていましたね』
『ヂュゥ、なるほど。やり手ですな』
SalireとRitaの言葉に、スティック代わりの自分の肋boneを振りながらBone Manもnod。
前世では元IdolだったKanakoも、流石に作詞作曲振付まで一流だった訳では当然無い。出来ない訳ではないが、数か月でメドレー演奏が出来るだけの楽曲と振付を仕上げるのは流石に無理だ。
そこで過去に自分が歌った曲や、聞いた曲を流用したらしい。流石に『Earth』や『Origin』の権利団体も、another worldまで取り締まりには来られないので、思い切ったらしい。
「おばあ-chan、頑張れ~!」
「それより、Zadirisは……あれで本当に目立たなくなるつもりなのか? 我は心配だ……」
「kaa-sanは年単位で徐々にやると言っていたし、前に立つ回数も比較的少ないから、Kanakoがmemberを増やして行けば、maybe」
一方、孫のJadalがZadirisの艶姿にはしゃいで声援を送っている横で、祖父のVigaroと母親のBasdiaは大丈夫だろうかと心配していた。
『だけど、Basdia -sanも誘われてますよね? そのmemberに』
「そうなんだ。Transform杖はもうVanに作ってもらっているしな。後は、『ぼいすとれーにんぐ』とdanceの練習をすれば、Stageに立てるらしい」
Ritaの質問にVandalieuから既に受け取っているTransform杖を見せてnod Basdia。やはりKanakoはIdol UnitをMagical Girlで固めるつもりらしい。
「私も興味が無いわけでは無い。士気高揚には効果があるのは見て分かるし、danceは武術に通じるからな。Ghoul Amazonessの皆を盛り上げる事や、新しくTalosheimに参加したGhoul達を纏めるのにも役立つだろう。……kaa-sanのように」
『Zadiris -san、自分で思っているよりもGhoulの人達に受けがいいですからね』
Talosheimに後から参加したGhoul達にとって、部族の口伝にも伝わっていない程上位のGhoulであるZadiris達は、charisma的存在。正にLegendである。
そのZadirisがStageに立っているのだから、注目されないはずがない。今もDemon continentのGhoul Amazoness達が声援を送っている。
「Kanakoも流石にここまでは考えていた訳では無いと思うが」
『だけどよ、BasdiaまでStageに立ったらますます注目されるんじゃねぇか?』
「そこが少し悩んでいるところなんだ。kaa-sanは、長くても十年も過ぎれば流行も落ち着くと言っているから、なら良いかなと思わなくもないのだが」
「kaa-sanもMagical Girlになるんだよね!」
「Jadalもこう言ってくれるしな」
どうやら、BasdiaはKanakoの誘いを受ける方向で考えているらしい。Stage上の母娘共演が実現する日は近そうだ。
「このworldのIdolの基準が、最初から凄い事になるわね」
今でもDarciaとZadiris、memberの内二人が子持ちなのだ。debutした時にはchildがいるIdol……『Earth』や『Origin』なら色々な意味で注目されそうだが、『Lambda』では彼女達がIdolの先駆けである。
将来の『Lambda』のEntertainment Worldは凄い事になりそうだと、Plutoは思った。
「僕達はその前に、bone格があるように見せるdanceを踊れるようにならないとね」
「折角 Ghostが折れたのに、danceで躓くなんてね」
ShadeとIsisがPlutoの口を借りてそう言ったのに、彼女は「その通りね」と頷いた。appearanceはHumanそっくりにTransformできるようになった彼女達Legionだが、それは見た目だけでboneが発生した訳では無い。
そのため、danceの-samaな激しい運動をすると奇怪な軟体舞踊になってしまうのだ。
「いっそ、手足のboneとspineをTransformしている間だけでも埋め込もうかしら」
『それはいい考えですな。説法が終わったらKnochenに一人分のboneを分けてもらいましょう』
『おお、Pluto -sanのdebutも近いですね! 姉-san、やはり私達も!』
『Rita、私達は本来Darcia -samaの護衛と警備staffとして来ているんだから、memberになってどうするの』
『……ところで、そろそろその警備の交代の時間なのだが』
Mikhailが控えめに時間を告げた事で、一旦会話は終わった。しかし、彼女達とは別の一団が行っていた不穏な会話は誰にも咎められる事無く続いていた。
「やはり許せん……いや、許すべきでは無い」
「そうよ。あんな事をしておいて……」
身長三meter前後の逞しいbody partに二本の角やclawsを生やし、腕や脚、肩等にscaleを生やしたKiryuujinと、epidermisの翼や竜のtailを生やしたMaryuujin達が呪詛を込めて囁く。
「許せん……Heinzとその一党め。奴らは何の罰も受けていない」
「全くだわ。私達のHoly Motherを捕まえ火炙りの刑にして殺しておきながら、今もHero面をしているそうじゃないの」
ただ、呪詛が向けられているのはStageのmemberでは無く『Five-colored blades』のHeinz達に対してだった。
DarciaはVandalieuとのAdventureを主に語り、殊更自分を直接Tortureし処刑したGordan High Priestや、背後で糸を引いていたEvil God (M)派のVampire達、そしてHeinzを糾弾した訳では無い。
彼女の目的は集まった観客にVandalieuの事を知ってもらい、そしてこの催し物を楽しんでもらう事だからだ。
しかしそうしたDarciaの心遣いに比例して、「こんな良い人を惨たらしく殺し、幼かったVandalieuが長年苦労する原因を作った」と言うHeinz達への悪emotionsも高くなる。
聴衆達にとって『Vida’s Incarnation』であるDarciaは、正に現人神。早くもHoly Motherとしてworshiperも出始めているそのHoly Motherを殺した者達が、遠い異国でHeroとして崇められている。怒りを覚えずにはいられない。
「Holy Mother Killerめ……」
そうHeinzを罵る声は静かに、根深く広まって行った。
そしてこうした動きは、実はTalosheimやBoundary Mountain Range内部の国々では既に起きている事だ。特にVandalieuから話を直接聞く事が多いTalosheimの人々にとって、Heinzの名は悪漢の代名詞に等しい。
ただ今までは呪詛が何か形になった事は無かった。今まではだが。
そして曲が進み、説法と評したConcertも終わりに近づいた時、空にGiantな二柱のGoddess、『Mountain Queen Dragon God』Tiamatと『Giant of the Moon』Dianaが現れた。
『皆よ、鎮まるがよい。今日はこのめでたき日に、贈り物を贈ろうと思い妾達はやって来たのだ』
まさか大規模なmonstersのrunawayか、それともAlda's Factionの襲撃か。そう驚いた観客達はTiamatの声に落ち着きを取り戻した。
「贈り物、ですか?」
戸惑いを浮かべるDarciaに、Goddess達はnod。
『うむ。妾から贈るのはDarcia、汝では無くVandalieuにじゃが。
皆よ、我が子等よ、Vandalieuはこの『街』を治めるEmperor。我が子等MaryuujinとKiryuujinを総べるEmperor、そして妾達を率いる者じゃ。
故に、此処にVandalieuに『Dragon God Emperor』のsecondary nameを贈ろうと思う』
以前『Crystal Horned Dragon God』Lioenが贈ろうとして失敗した『竜帝』のsecondary nameより上の、龍の帝と言うsecondary nameを贈ると言うTiamat、現状最も上位の龍の宣言に一瞬観客達は静まり返り、次の瞬間爆発するような歓声を上げた。
『反対意見は無いようじゃな。こうして皆も同意すれば、既にFidirgやLuvezfolを従えているVandalieuなら、確実にsecondary nameを獲得するであろう。……そう言えばあのPauvinaは何処かの? Dragon God Princessとでも名付けて、blessingsを与えようかと思っていたのじゃが』
「Pauvina -chan達は昨日までは観客席で応援してくれていたんですけど、今日はLuvez -kunを連れてJeena -sanやRapié -chan達と一緒にDungeonに行っています」
『そうか、timingが悪かったの。では帰って来たら何時でも良いから妾のIdol Statueの前に一度来るようにと言付けておくれ』
『外堀を全て埋められずに残念だったな』
『はて、何のことかの』
とぼけるTiamatにDianaは溜息をつくと、KanakoやZandia、Zadiris、BasdiaとLegionに目を向けた。
『私からは、blessingsを贈ろう。Vandalieuを支える一助とせよ』
Giant of the Moonである彼女が淡く輝き、その輝きがKanako達を包む。
「凄い、これがblessingsですか!?」
『そうだ。私に近い者にしか与える事は出来ないが……思ったより多いな、私に近い者。ちょっと驚いたぞ。
Zandiaよ、汝の二人の姉には我が兄が目覚めたらblessingsを貰う-samaにと伝言を頼む』
想定したよりも多くの者にblessingsを与えられた事に驚いた-sama子のDianaは、そうZandiaには話しかけて光るのを止めた。
『あ、はい! ……って、Talos -samaってrevivalするんですか!?』
『ああ、Vidaを庇おうとしてBellwoodやNineroadに手酷くやられたから時間がかかったようだが、そろそろだろう。……もしかしたら、頭の上に大勢の酔っぱらいが騒いでいるから出るに出られないだけかもしれんが』
『え? 酔っぱらい?』
『後でVandalieuに聞けば分かる』
そう答えると、空に映っていたDianaの姿は消え、Tiamatも同じように姿を消した。
「なるほど……これは大変な事が起こりそうですね」
『そうだね、Talos -samaのrevival……姉-sanとJeena姉ぇを呼び戻さないと』
「お客-san達の盛り上がりが半端じゃありません。Uncool演奏しないと、とても収まりそうにありませんが……どの曲にしましょう?」
『そっち!?』
「まあ、確かにそれも大変じゃがな。……ところで儂、そろそろ喉が……」
その後急遽『街』のMusicianや歌自慢に協力してもらい、休憩時間を挟んで喉の調子を整えたKanako達はUncool演奏を何度か行ってConcertは盛況のうちに終わったのだった。
その頃AldaのDungeonで新たな階層に挑もうとしていたHeinzの脳裏に、不意にアナウンスが流れた。
《【Holy Mother Killer】のsecondary nameを獲得しました!》
「な……何だって、私が『Holy Mother Killer』!?」
・Name: Knochen
・Title: 【Ten Thousand Bones-dono】(NEW!) 【Concert Venue】(NEW!)
・Rank: 13
・Race: Bone Pandemonium
・Level: 1
・Passive skills
Dark Vision
Monstrous Strength:5Lv(UP!)
Spirit Form:10Lv(UP!)
Bone Precise Operation:2Lv(Bone Form Manipulation awakened into!)
Physical Resistance:10Lv(UP!)
Absorption Healing (Bone):10Lv(UP!)
Fortress Form:8Lv(UP!)
Fission:10Lv(UP!)
Strengthened Attribute Values: Fortress Form:7Lv(UP!)
Strengthened Attribute Values: Creator:5Lv(UP!)
Self-Enhancement: Guidance:5Lv(UP!)
・Active skills
Silent Steps:2Lv
Breath【Poison】:10Lv(UP!)
High-Speed Flight:6Lv
Projectile Fire:10Lv(UP!)
Parallel Thought Processing:10Lv(UP!)
Architecture:3Lv(UP!)
Musical Instrument Performance:2Lv(NEW!)
Dancing:2Lv(NEW!)
・Unique skill
■ァンダルー's Divine Protection
Bone Group Manipulation:3Lv(Long-distance Control awakened into!)
・Monster explanation::Bone Pandemonium Luciliano著
boneのPandemonium。legendではおぼろげに語られているだけで、概念上の存在でしかないと考えられているある意味最強のUndeadである。
名の如く万のSkeletonの軍勢を展開する。動くUndead Monsterの巨城である。その規模は大国の城を越え、山に例えた方が現実を伝えられるだろう程だ。
例えAClass adventurer partyでも、SClass adventurerでもこれを相手にしたい者はいないだろう。下手をすれば、自分が餓死するまで戦い続けなければならないのだから。
そしてKnochenの場合は更に厄介だ。師Artisanが【Demon King's bones】を「喜んでくれるから」とPetを甘やかす感覚で数え切れない程与えているので、所々Orichalcumの武具でも装備しなければ傷つけられないboneが混じっている。
正直、もうKnochen一人でMirg Shield Nationぐらい落した挙句首都を占領統治出来るのではないだろうか? countlessのFissionを派遣して住民を見張るなり、始末するなりする事が可能だし、本人が戦略上の拠点になる。
山を割るようなAClass adventurerやそれ以上のSClass adventurerが出張って来ても、Knochenには手を焼くだろう。こう言ったmonstersのお約束である「中心となる核を破壊する」と言う攻略法が通用しないのだから。
尤も、Defense Powerと数に特化しているがAttack Powerが低いのと攻撃手段が少ない等、改善点が無いわけでは無い。ただ、それはRank13にしてはという意味で、並のAClass adventurerならゴリ押しで圧殺する事が可能である事は疑う余地は無い。
そんな彼が何故かConcert Venueになっていて、しかも【Musical Instrument Performance】や【Dancing】のskillを習得している。
やはりanother world人の発想は侮れない物がある。それに自分の経験やMemoryも焼き付ける事が出来る【Venus】の力も。