whole bodyがscaleに覆われ、首から頭部の代わりにcountlessのtentacleを生やした異形のGiant猿が押し寄せてくる。
「【Evil-destroying Radiant True Strike】!」
それを、【Heroic Spirit Advent】でAbility ValuesをEnhanced (1)したHeinzの【Radiant God Swordsmanship】のMartial Artsが断ち割る。だが紫色のbloodを撒き散らしてBisectionされた同族に動揺もせず、残りのGiant猿達は彼に襲い掛かろうとする。
『■■■■■■■■■!!』
Humanの耳では聞き取る事が出来ない絶叫を上げたGiant猿が、異-samaに長い両腕をHeinzに向かって振り上げた。
「Heinz、雑魚に構うな! 【Hundred Roaring Shining Fists】!」
だが、それをJenniferの拳の連続が弾き飛ばし、Giant猿の強固なscaleを貫く。
「Jenniferの言う通りだ、お前はあのEvil God (P)に止めを刺せ! 俺のknifeや弓じゃ、あいつにはAttack Powerが足りない!」
Edgarが視線で指した向こうには、空を飛ぶGiantで尚且つ異形な龍の姿が在った。全体的には手に似た形の、五本の頭を持つ単眼のEvil God (P)が、この階層のボスであった。
「分かった!」
「援護します。我が神Millよ、その眠りの力を鎮めたまえ……【Full Ability Awakening】!」
Daianaが『Goddess of Sleep』Millに祈り、普段は眠っている力もAwakeningさせる付与magicをHeinzにかける。
それに気がついたのか、Evil God (P)は五つの単眼にKilling Intentを滾らせるとfangsが並ぶ口をHeinzに向けて開く。そこに、彼等が使う清い輝きとは異なる邪な光が灯り、瞬く間に大きくなって行く。
「【Super Provocation】!」
だがそのKilling Intentを、Delizahの【Radiant Flame Shield Technique】のMartial Artsが強引に引き寄せた。
『GYAOOOOOOO!!』
Evil God (P)の五つのchinから放たれた光弾が、女Dwarfの小柄な体に向けて放たれた。直撃すれば、現代の城塞程度なら瓦礫も残さず吹き飛ぶようなAttack Powerの攻撃が五つ、避けようがない速さで迫る。
「【Radiant Steel Wall】、【Radiant Steel Form】! ふぅぅぅぅんっ!」
だがOrichalcumの盾を掲げた彼女は、Martial ArtsによってDefense Powerと対魔Defense Powerを同時に2x Augment Multiplierさせ、Evil God (P)の攻撃に耐え、その場に踏みとどまった。
それがEvil God (P)の怒りを更に掻き立てたのか、【Super Provocation】の効果が無くなっているにもかかわらず再び光弾をDelizahに向かって放とうとする。
「【-Transcend Limits-】、【Transcend Limits – Holy Sword】……【Luminous Slash】!」
だが、注意をDelizahに向けて過ぎていた。そのためmagic itemで空を駆け登ってきたHeinzの剣を受け、左右にBisectionされてしまった。
『GYAAAAAA……WOoooooo!!』
しかし Evil God (P)は左右に別れてもまだ無事な四つの頭で悪足掻きをしようと目論んだが、Heinzが返す刃で放ったMartial Artsによって、全ての頭を叩き斬られてしまったのだった。
「今ので、四十九階層か。Heroic spirit達の雰囲気からすると、まだまだ終わりは見えないな」
「全くだ。寧ろ、from hereが本番だって言う感じだったな」
Evil God (P)と共に出現した異形のGiant猿を倒し終えたHeinz達『Five-colored blades』は傷の手当を終え、五十層へと続く階段で軽食を取っていた。
このDungeonでは死ぬ度に無傷のconditionで安全な『街』に戻らされるが、攻略している間は負った傷や失ったEndurance等は自分達で回復しなければならない。階層を一つclearする度に自刃でもして『街』に死に戻ると言う方法が最も効率がいいのかもしれないが……それを本気で実行する者はいなかった。
本当に死なない事が分かっていても痛みは本物だし、そんな異常なconditionに慣れてしまったらこのDungeonを出た後元の感覚を取り戻せるか自信が無かったからだ。
そもそも、これはChampion Bellwoodを超えるための神の試練なのだ。そんな小狡いやり方は、試練を与えた神の期待に背く事になるだろう。
「Joshuaは『まだまだだ』という感じだったが、皆はどうだ?」
「Gorshも似たような感じだった」
「Filriettaもそうだったと思います」
Heinz達が話しているのは、彼等が習得した【Heroic Spirit Advent】で身に降ろしたHeroic spirit達の事だった。三十階層でAdventして彼等の前に立ちはだかったHeroic spirit達は、その為の試練でもあったようだ。
Heroic spiritは元Humanと言う性質上、多くのFamiliar Spiritよりも強いegoを持っている。そのため、【Heroic Spirit Advent】を使用するとHeroic spiritの意思を感じる事が出来た。
会話と言う程では無く、何となく雰囲気が分かる程度のものだが。……因みに、Heroic spiritよりも更に力を持つ神のSpirit Cloneを降ろした場合は、HumanのMentalでは神のSpirit Cloneの意思を理解しきる事が出来ず、余程その神との相性が良くなければ何もわからない。
「Lukeのbastardは……なんだか俺の事を鼻で笑ってた気がする」
「あのHeroic spirit、何であんたのskill Activateに応えるんだろうね」
「敢えて厳しく接する事で、私達にはっぱをかけているのだろう。何にせよ、まだ次の階層で終わりという事は無さそうだな」
Heinz達はHeroic spirit達の雰囲気から、今自分達がいる階層がこのDungeon全体でどれくらいの位置なのかconjectureしようとしたが、まだまだ最深部には程遠いようだと言う結論に落ち着いた。
実際、体感的な難易度はHeroic spirit達と戦った三十階層よりも低い階層ばかりだ。……Evil God (P)が率いる強力なmonstersの群れよりも強いHeroic spirit達が異常なのかもしれないが。
「だけど、maybe半ばぐらいには来ていると思う」
そう言ったDelizahはOrichalcumの盾に付いた傷を指でなぞりながらそう言った。
「三十階層でHeroic spiritと戦って【Heroic Spirit Advent】を習得した後、出て来たのは今までMage guildやtempleの書庫のrecordにも殆ど残っていなかったようなmonstersばかり。
maybe、あれがDemon King Guduranisとその配下の邪悪なGodsが直接創ったmonstersだと思う」
「だろうな。さっき倒したGiant tentacle猿も、いったいどうやって生きてるのか見ただけじゃさっぱり分からなかったからな。Martial Artsで内臓を切り裂こうとしたら、腹の中全部肉だったんだぜ? 内臓がないぞうって、邪悪なGodsのダジャレかね」
Edgarが言う通り、monstersも生物である。Rank upによって極端にappearanceが変化したり、特異なAbilityを生まれつき持っていたりするが、何かを食べて糧とし交配して子孫を残して種を維持するのは普通の生き物と同じだ。
だが、あのmonstersにはそれらしい器官が無かった。
「Mythの時代、邪悪なGodsは強力なChampionに対する戦力とするため、しばしば強力な代わりに戦闘以外に何もできないmonstersを創りだしたと伝わっています。
殆どがChampionやその従者達によって倒され、僅かな生き残りも子孫を残すどころか短時間しか生きられないBodyに創られていたため、Demon Kingとの戦いが終わった後はGodsのMemoryに残るだけとなったと記されていました」
戦争中にしか出現しなかったため正式なnameも付けられず、研究もされなかった。ただただCreatorである邪悪なGodsの都合で生まれ、消費されるだけの存在だったのだ。
「……そう聞くと、あれは本物では無く幻のような物だと分かっていても哀れだな。それに、monstersと言えど勝手な都合で生命を創り出し弄ぶ事が、どれだけ罪深い事なのかも分かる。
……Bellwoodもそれに気づいて思い悩んだのだろうか? Aldaは、それを私達に教えるために?」
「Heinz、脱線してるよ。DelizahとEdgarが言いたいのは、そんなAge of Gods Eraのmonsterと、Evil God (P)が障害として出現するような階層なんだから、あたし達はそこそこ深い所まで来たんじゃないかって事さ。そうだろ?」
Jenniferの言葉に二人はそうだと頷いた。
「まあ、Bellwood達Championはあんなmonsterを普通に……DClass adventurerがKoboldでも狩るような感覚で蹴散らして、邪悪な神でもweak奴なら苦戦しないで勝てたらしいけど。
でもmaybe、半分くらいには来ていると思いたいね」
「そうだな。あのEvil God (P)がどれくらいの存在か分かれば、その目安にもなりそうだが……Daiana、知らないか?」
「残念ながら、私の知識にはありません。名乗りもしませんでしたし」
Daianaは、あの五つの頭を持つ単眼の龍のEvil God (P)……『Evil Dragon God of Five Sins』Fidirgについて知らなかった。
「Demon King配下のEvil God (M) Evil God (P)の中には、敢えてrecordに残されなかった存在も幾つかあったそうです。名を残す事で、逆に畏怖を集めそれが力に成らないようにと。
ただ、そうした神は力のweak存在が殆どだと聞いていますが」
「実はあのEvil God (P)は例外で、高位の神……なんて事は無さそうだな」
「当たり前だよ。そんな高位の神相手に大したinjureもせず勝てるなら、もっと早く深い階層に行けるさ」
Jenniferの言葉に「だよな」と返して肩を落とすEdgarと、そんな-sama子に口元を緩めるHeinz達。彼等も自分達は強くなっていると言う自覚はある。
このDungeonに入る前は殆ど遭遇する事が無くなっていた、自分達が全力を出さなくては勝てない相手が、幾らでも出現するこの環境。
三十階層では、【Familiar Spirit Advent】skillを獲得した者でも千人に一人しか至れないと言われているSuperior Skill、【Heroic Spirit Advent】をHeinz以外のmemberも獲得した。
そして三十階層をclearしてから更に二回Job changeを重ねている。
今の自分達なら、あの『Trial of Zakkart』に打ち勝つ事も不可能ではないだろう。そう思うが、未だこのDungeonを創りだしたGodsの意図をHeinzは読みかねていた。
(我々をDemon Kingとの戦いでも通用するようなWarriorにしたいのか? 確かにDemon Kingがrevivalすると言う噂はあったが……だとしても何故Dungeonを創り私達の前に出現させてまで? それに、『Bellwoodを継ぐ者』とあったはずだが)
だがいくら考えても答えは出ない。それはこの階段の先にあるに違いないと信じて、休憩を終えたHeinz達は五十層に進んだ。
「ここは……何処かの地下templeか、遺跡を模しているのか?」
そこは薄暗く、太い石造りの柱が際限なく立ち並ぶ何処かだった。これまでこのDungeonの内装は、出現するmonstersが大型である事が多かったので屋外が多かったのだが、急な変化にHeinz達は若干困惑する。
そして、柱のshadowから三人の人shadowが現れた事で困惑は大きくなった。Heroic spirit達を除けば、最近人型から大きく逸脱する敵とばかり戦っていたからだ。しかもどの人shadowも強そうには全く見ない。
だが人shadowが近づいて来るにつれ、その姿がはっきり見えるようになった瞬間、困惑は警戒に変わった。
「おい、あれはあいつじゃ無いか!? 俺達が止めを刺したあのPure-breed Vampire Ternecia!」
豊満なbody partをslitの多い服に包んだ、色気過剰な毒婦。Pure-breed Vampire Terneciaが、あのhistericalな性格だけおいて来たかのように、無表情に佇んでいる。
「なら、そこの横にいるはGubamonか? 目の大きい枯れ木のように痩せた老人って特徴は、recordに残っている通りだけど」
「ですが、噂では何者かに倒されたと聞いています。尤も、どうせ本物では無いのでしょうけれど」
DelizahとDaianaに視線を向けられた老人……Pure-breed Vampire Gubamonも、何も答えない。まるで精巧に出来た人形のようだ。
「じゃあ、このガキがHihiryushukakaを奉じるPure-breed Vampire最後の一人、Birkyne……な訳は無いよね。ちょっとだけど、見覚えがある」
そして最後の一人は、最も小さかった。
生気を感じさせない白い髪と虚ろなオッドアイ、屍蠟のような肌をしたDhampirの少年。
「Vandalieu……何故、-kunがこのDungeonに出現するんだ?」
Heinz達とはNiarkiの町で一度出会ったきりだが、忘れた事は無かった。他のmonstersや先程のEvil God (P)同-sama本物ではないだろうと気がつきつつも、思わず問いかけてしまうHeinz。
そのHeinzに向かってVandalieuやPure-breed Vampire達は、口を開いた。
「【Demon King's Horn】、Activate」
「【Demon King's Carapace】、Activateじゃ」
「【Demon King's Blood】及び【horn】、Activate」
『Five-colored blades』が挑んでいるDungeonの主な管理と運用を行っている『God of Law and Life』AldaのSubordinate God、『God of Records』Curatosは自身の象徴でありDivine Authorityでもある書物を開いたまま、Heinz達の-sama子を見ていた。
『Heinz達自身のrecordから再現したPure-breed Vampire Ternecia、そして堕ちる前の『Liberating Princess Knight』のrecordから再現したPure-breed Vampire Gubamonと、当時のVandalieuか』
そこに、Aldaが現れた。
『はい。Pure-breed Vampire二人は一人一人では既にHeinz達五人の敵ではありませんので……Vandalieuの異常さを際立たせるために、同じ階層に出現させました。
尤も、当時の本物よりも私が再現したVandalieuの方が苛烈な戦い方をするでしょうから、Heinz達も楽には勝てないでしょう』
Curatosのrecordで再現したVandalieu達には、本来の人格までは再現されていない。Heroic spirit達のように本物がAdventしている訳でもないので、所詮は人形である。
だが、その為再現されたVandalieuには本人が持つ甘さが無い。共に戦う仲間に遠慮せず攻撃を行い、当時は使わなかった毒やDisease原菌を創り出すmagicも用いるだろう。
当然、【Dead Spirit Magic】も再現されている。
『もう一人のPure-breed Vampire、Birkyneは再現しないのか? 確か、遥か昔のものだがrecordが残っているはずだが』
『奴はまだ生存していますので。ここで昔のrecordから現在よりも幾分weakかもしれない昔の情報を基に再現してしまうと、Heinz達が後に本物と出会った時に先入観を与えてしまうかもしれません。なので、省きました』
『なるほど……汝のDivine Authorityは見事なものだな。汝がいなければ、このDungeonでHeinz達の成長を促す試みは上手くいかなかっただろう』
そう労うAldaに、Curatosは『いえ』と首を横に振った。
『この特殊なDungeonの中でなければ、よく出来た幻を創り出すだけのDivine Authorityでございます。Age of Gods Eraの戦いと同-sama、これから始まる新たなDemon Kingとの戦いの役に立てない分、今boneを折っているだけです』
Curatosは自身のtempleも無く、独立したbelieverすら殆ど居ない『God of Records』だ。Age of Gods Eraから多くの知識をrecordし続けているが、戦いに関する権能は一つももっていない。
彼はそんな自分の力の使い所はここしかないと確信していた。
『この後は五十一階層から再びDemon King Armyのmonstersや邪悪なGodsをぶつけ、六十層からはrecordしたVandalieuの僕を主に配置します。六十五層には、『Five-headed Snake』のErwinを倒した当時のVandalieuを。そして六十六階層からはAge of Gods EraのDemon King ArmyとVida's Faction、『Storm of Tyranny』や『True』Randolphを配置する予定です』
『……いささか難易度が高いのではないかと思う事は、禁物であったな』
Curatosが並べた者達は、Dungeonを出た時Heinz達の前に立ち塞がり、彼等が倒さなければならない敵だ。特に隠れVida believerの『Storm of Tyranny』は、ある意味Vandalieu以上の脅威になりかねない。
Undeadや異形のmonstersを使役するVandalieuと違い、『Storm of Tyranny』の表の顔は破天荒である事を除けば真っ当なadventurerだ。
そしてその破天荒な部分……程度が低く為政者として無能なNobleや悪徳商人をその場で成敗する-sama子は、一般大衆に支持されている。
もし彼がVida believerであり、memberにPure-breed VampireやDark Elfがいる事を公にしたとしても、彼を支持する事を止めない者も出るだろう。
Amid Empireの勢力圏のHumanの全員が熱狂的なAlda believerと言う訳でもないのだから。
『True』Randolphは別にVida believerと言う訳ではないのだが……事が起こった時どう動くか分からない男だ。昔は見所のある若者だったが、今は見るshadowもない。
一度Heinz達がいるDungeonの周辺に姿を現したと、周囲を警戒しているGodsから報告があったが、その時も何をするでもなくDungeonを遠目に見ただけで、すぐ姿を消したそうだ。
やはり、今の彼は昔と違い枯れ果ててしまったのだろう。戦力として当てにならない以上、Schneider同-samaにHeinz達の障害として利用させてもらう。
それにHeinz達には今までのVandalieuの成長……変異を考えれば、『True』Randolphと『Storm of Tyranny』の全員を加え、更に最新のrecordから再現したVandalieuを纏めて倒せるぐらいになってもらわなければならないのだから。
『それよりも、他のHero Candidateはどうなのです。Heinz達のように試練を課すことが出来ない彼等の方が、私は心配です』
AldaのSubordinate GodやAlda's Factionに転向した『God of soldiers』Zares達が選び、blessingsを与えたHero達。彼等は将来Heinz達と共にVandalieuと戦うための戦力であった。
だが、数が多すぎて一人一人にHeinzのように特製のDungeonで試練を与える事は出来ない。如何にAldaがGreat Godであったとしても、力には限度があるのだ。
『概ね順調のようだ。来たるべき決戦の時までに、多くの者がHeroに相応しい実力に至るだろう。……『God of soldiers』ZaresのHeroはやや遅れているが』
『runawayした【Demon King Fragment】をsealedした若者の事ですか。彼は、ある意味不運でしたな』
このままでは死んでしまうとZaresがSpirit CloneとArtifactを直接遣わしたが、彼には素質はあってもまだ実力は平均的なGuard程度。DClass adventurerにも劣っていた。そのためAdventしたZaresのSpirit Cloneに耐えきれず、whole body muscle痛になった挙句、十数カ所のFatigue bone折を負ってしまった。
certainly、無理をしたZares main bodyも予定より力を使ってしまった。
意識は数日で戻ったようだが、他のHero Candidateに比べて大きく出遅れる事になった。
『しかし失うよりはずっと良い結果でしょう。他のCandidate者を探す時間は殆ど無いのですから。
Boundary Mountain Range内部の-sama子は変わりありませんか?』
『そのように聞いている。ただ、やはりVidaがrevivedのは事実のようだ』
Boundary Mountain Range内部にはBarrierが張られており、Aldaを含めたGodsは遠くから眺める事しか出来ない。神の目ならば、雲の上からでも地上の-sama子を克明に見る事が可能なのだが、Barrierのせいでほとんど見る事が出来ない。
……特に、Talosheimの場合長時間見つめるとweak Familiar Spiritや時にはHeroic spiritまでもMentalに異常を訴える事があるので、それすらおぼつかない。
だが、Boundary Mountain Range外部の動きは詳細に分かる。
『Vida’s Divine Protectionを獲得したという者達が、Orbaum Elective KingdomやContinent外のVida believerの中に何人かいる。中には、Oracleを受けたと言う者も。幾つかは騙りだろうが、全てでは無いだろう』
『やはり、あの時御身が流したbloodはVidaを罰したDivine Authorityが破られたimpactでしたか』
『認めがたい事態ではあるが、解放された後も力を順調に……順調すぎる程の勢いで回復させているようだ』
BellwoodとAlda自身によって傷つき、弱った上で『Pile of Law』のDivine Authorityを何本も施したのだ。しかも、Human社会のVida believerは少数派に落ちぶれている。もしDivine Authorityが破られてVidaが解放されても、彼女は短くとも百年は他人にblessingsを与える事は出来ないはずだった。
それこそ、reincarnationする前の魂を引き寄せて自らのflesh and bloodを用いてblessingsを与えるような真似でもしない限り。
それが十年と経たずblessingsを、数人とは言え与えているのだ。自らの健在をbeliever達に伝え、信仰を再び盛り上げようして無理をしているのだろうが、Aldaの計算だとその無理すら出来ないはずだったのだ。
『恐らく、Vandalieuだろう。奴がBoundary Mountain Range内部のVida's New Racesを纏め上げ、更に創りだしたUndeadやmonstersにVidaを信仰させ、その力としているのだ』
『栄えあるGreat Godの一柱とあろう者が……今や忌まわしき邪悪なGodsと同類とは。やはり、奴が狂わせたのでしょうか?』
Curatosはやるせないと目を伏せ、そう誰ともなく尋ねる。彼の言う奴……Vidaが選んだChampion Zakkartの事を思い出して、Aldaは「分からん」と首を横に振った。
『汝のrecordにもある通り、かの者は最初奇抜な発想こそあったが邪悪では無かった。寧ろ仲間同士の和を保とうとする傾向があったが……いつの頃からかBellwood達と衝突するようになり、その行動に歯止めが効かなくなった。
Vidaは彼の者を喪った時から狂ってしまったのかと考えていたが、思えばその前から既にZakkartに惑わされていたのかもしれんな』
だとすれば恐ろしい事だ。当人に自覚があったかは分からないが、ただのHumanがCuratosのrecordにも残らない程密やかに、そして巧みにVidaを含めた多くのGodsや邪悪な神まで惑わせてしまったのだから。
『主よ、Boundary Mountain Range内部での動きについてご報告がございます』
その時、現れたFamiliar Spiritが一礼すると報告を述べ始めた。
『Boundary Mountain Range内部Talosheimにて見た事も無いmonstersが配置されています。それに何か、大掛かりな祝い事があったようです。周囲を警戒している異-samaなmonsters共以外の、Vida's New Racesや悍ましいUndeadやmonstersも騒ぎ、何かを空に向かって放り投げています』
Barrierに阻まれているせいとは言え、不確かな報告にAldaは内心顔を顰めながら思考を現在に戻した。
『軍の出立式では無いのだな?』
『確かな事は言えませぬが、恐らくは。軍らしきものが編成されている-sama子はありません』
『Curatos、Vidaの祭日や祭は今日だったか?』
『……いえ、特には無い筈です。ですが、私にはBoundary Mountain Range内部にVida's New Racesが逃げ込んだ後のrecordが無いので、新たに定められた祭日である可能性があります』
それもそうかと、Curatosの意見にAldaは納得しそうになった。Godsにとって祭とは重要な事柄だ。日々変わる事の無い信仰を維持するには欠かせない。
だが、ふとある事が気になった。
『……何かを放り投げている? その何かについて、詳しく説明せよ』
『Lambda』の祭りで行われる演出は、magicを用いて花びらを風に乗せて撒いたり、色をつけた光で建造物の壁やnight空を彩る事が多い。空に向かって大きな音が出るmagicを打ち上げるのもポピュラーな演出だ。しかし、そんなありふれた事を指してFamiliar Spiritが「何か」と言うだろうかと。
そう求められたFamiliar Spiritも、やはり理解していないらしい。
『それが……奴らが投げているのは人の頭とほぼ同じ程度の球体で、打ち上げるとmidairで爆発しnight空に音と珍しい色の炎を発生させるmagic itemのようです。Barrierの外からなので、どのような代物なのかは分かりませんが。
ただ、以前も何人かのHumanが爆発する球体のAttack Powerを試している-sama子を確認した方がいるので、それではないかと』
『どうやら兵器として造ったmagic itemを祭の演出として使っているようですな、Aldaよ』
そうCuratosは纏めたが、Familiar Spiritの話にAldaの古いMemoryが刺激された。
『まさか……花火。火薬だと言うのか?』
思わずAldaがそう漏らした呟きを聞いたCuratosは、愕然とした。
『ハナビ? 主よ、ハナビとは――』
『今聞いた全ての事を口にする事を禁ずる! 下がれ! 疾く、下がるのだ!』
聞き返そうとしたFamiliar Spiritの言葉を遮ったCuratosは強く口止めをすると、此処から去るように厳命する。Familiar Spiritは慌てて『御意!』と叫んで姿を消した。
それを確認してから、CuratosはAldaに問いかけた。
『我が主Aldaよ、みだりに禁忌を口にするとはあなたらしくもない。まさか、Vandalieuが火薬を……Champion Bellwoodが、worldで最も忌むべき発明と評した火薬までも創りだしたと言うのですか?』
AldaやBellwoodの教えでは、another worldの技術の殆どが否定されている。それはこの『Lambda』world独自の文化文明がdevelopmentする余地を守るための規則だが、中にはworldその物を守るために禁忌に指定した技術もある。
Bellwoodのworldで森を破壊し大気を汚染した蒸気機関、数々の戦争が起きる元になり大気や海洋を汚染した化石燃料の研究。そして、これが存在するばかりにcountlessの兵器が創りだされ数え切れない程の人命が奪われた最も忌むべき発明、火薬。
Champion Zakkartが再現しようとした核とは違い、製etiquetteさえ知っていればChampionの特別な力が無くても量産する事が可能である事から、危険視された技術だ。
『ですが、如何にVandalieuと言えどこのworldで生まれた存在。火薬を一から創り出す事等不可能なのでは? いや、もしや『Trial of Zakkart』に……Zakkartの遺産を守っているGufadgarnめが保管していたのかもしれませんな。奴は、それを見て創りだしたのやも』
Curatosはそう述べるが、Aldaは恐ろしい可能性に気がついていた。
突拍子もない行動と発想、他には無い特別な力、そして【Guider】とanother worldの技術。この組み合わせからconjectureされる答えは、一つしかない。
『まさか、Vandalieuはanother worldから召喚された存在なのか?』
そう考えれば、VandalieuがBellwood達と同じだとしたら、彼の異常性も理解できる。
『そんなはずはありません、Aldaよ! 奴はこのworldでDhampirとして生まれたとrecordされています! reincarnationでもしてこない限り……いや、そんなまさか、another worldからChampionを召喚した事にあれほど苛立ちを露わにしたRodcorteが、そのような暴挙を我々に何の断りも無くするはずが……!』
動揺しながらも、CuratosとAldaは察してしまった。Rodcorteならやりかねないと。
確かにRodcorteはChampionの召喚に反対した。しかし、その理由は「自らのCircle of Reincarnation systemが管轄していないworldの住人を召喚した」事であって、another worldの住人の召喚その物を咎めていた訳では無い。
自らのCircle of Reincarnation systemの管轄内のanother worldの魂をこの『Lambda』worldに、恐らく前世のMemoryや知識をそのまま維持したconditionでreincarnationさせる事は、Rodcorteにとっては忌むべき事でもなんでもないのではないだろうか。
『まさかとは思うが……Curatos、この話はまだ私と汝の間だけの事とせよ。騒がず、動くな』
『畏まりました。主よ』
まだconjectureにすぎず、証拠は何一つない。だが、もしこのconjectureが当たってしまえば、world中の全てのchildが信用できなくなる。
『RodcorteがReincarnatorを送り込んだのか。そして、奴はVandalieuを使って何か企んでいるのか、それとも奴もVandalieuを制御しきれていないのか。
まずは確認しなくてはなるまい』